説明

ハイパーリンク強調装置

【課題】ウェブページのハイパーリンクを強調表示できるハイパーリンク強調装置を提供する。
【解決手段】ウェブページのソース情報を取得する通信手段と、前記ウェブページのハイパーリンクが強調表示されるように前記ソース情報を変更する制御手段と、前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、データベースから変更情報を読み出し、該変更情報を前記ソース情報に組み込むことで前記ソース情報を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイパーリンク強調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及が進み、高齢者のインターネット利用率は増加傾向にある。また、日本における高齢者の割合も増加の一途を辿り、高齢者に配慮したウェブデザインやウェブサービスが今後益々重要になると考えられている。例えば、このような高齢者に配慮したブラウザ機能には、ウェブブラウザの画面や文字の大きさを変更する機能が挙げられる(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】マイクロソフト、“Internet ExplorerでWebページの文字が小さくて読みにくい!”、[平成22年4月27日検索]、インターネット<URL : http://support.microsoft.com/kb/879141/ja>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高齢者やパソコン初心者がインターネットを利用する場合、視力の低下や視野の狭まり等の加齢特性や、ウェブ経験の少なさ等から、所期する情報をウェブ上の膨大な情報の中から探し出すことが困難という問題があった。すなわち、上記従来技術によれば文字や画面の大きさを変更可能であるが、ユーザが所望する情報の表示位置は指示されていないため、所期する情報に辿りつけないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、ウェブページのハイパーリンクを強調表示できるハイパーリンク強調装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、ウェブページのソース情報を取得する通信手段と、前記ウェブページのハイパーリンクが強調表示されるように前記ソース情報を変更する制御手段と、前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する表示手段とを備えることを特徴とするハイパーリンク強調装置をもって解決手段とする。
【0007】
例えば、ハイパーリンク強調装置ハイパーリンクを強調表示するための変更情報を有するデータベースを備え、前記制御手段は、前記データベースから変更情報を読み出し、該変更情報を前記ソース情報に組み込むことで前記ソース情報を変更する。
【0008】
例えば、前記制御手段は、前記ソース情報について使用される情報を変更することで前記ソース情報を変更する。
【0009】
例えば、ハイパーリンク強調装置は、前記ウェブページを閲覧するユーザの動作を検知し、所定の条件が満たされたなら、前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する。
【0010】
例えば、ハイパーリンク強調装置は、前記変更前のウェブページが表示されてから経過した時間を算出し、該時間が所定の時間より長くなったなら、前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する。
【0011】
例えば、ハイパーリンク強調装置は、前記変更後のソース情報に従ってウェブページを表示するための明示的な動作を検知したなら、前記変更後のソース情報に従ってウェブページを表示する。
【0012】
例えば、ハイパーリンク強調装置は、ハイパーリンクを強調表示するための変更情報を有するデータベースを備え、前記制御手段は、前記ソース情報の特徴を解析し、前記データベースから前記ソース情報の特徴に応じた変更情報を読み出し、該変更情報を用いて前記ソース情報を変更する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ウェブページのハイパーリンクを強調表示することができ、ハイパーリンクを早期に見つけられ、見落としも防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係るハイパーリンク強調装置1の機能ブロック構成を示す図である。
【図2】ハイパーリンク強調装置1の動作を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS2でのウェブページの表示例である。
【図4】図2のステップS6でのウェブページの表示例である。
【図5】第2の実施の形態に係るハイパーリンク強調装置1Aの動作を示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るハイパーリンク強調装置1の機能ブロック構成を示す図である。
【0017】
ハイパーリンク強調装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ内で動作するアプリケーションとして実施される。
【0018】
ハイパーリンク強調装置1は、通信ネットワーク2を介して、コンテンツサーバ3に接続される。ハイパーリンク強調装置1は、通信部11と、表示部12と、情報入力部13と、情報解析部14と、制御部15と、データベース16とを備える。
【0019】
データベース16は、ハイパーリンクを強調表示するための変更情報HLを有する。
通信部11は、ウェブページのソース情報を取得したら、ソース情報を取得したことを示す信号Wを情報解析部14に出力するようになっている。
【0020】
情報入力部13は、ユーザによるマウスクリックを検出したら、マウスクリックがあったことを示す信号Mを情報解析部14に出力するようになっている。
【0021】
図2は、ハイパーリンク強調装置1の動作を示すフローチャートである。
ステップS1では、通信部11が、通信ネットワーク2を介して、コンテンツサーバ3からウェブページのソース情報を取得し、表示部12、制御部15に出力する。
ステップS2では、表示部12が、ソース情報に従い、ウェブページを表示する。
【0022】
図3は、ステップS2でのウェブページの表示例である。
図3では、トップ、初めての方へ、サイトマップ、ヘルプ、バーゲン、お勧め、閲覧履歴、お気に入り、レビュー、[カート]、[精算]、会員登録、ログイン、ネットスーパーとは、の各箇所がハイパーリンクであるが、強調表示されていない。
【0023】
図2に戻り、ステップS3では、ステップS2と同時に、制御部15が、データベース16から変更情報HLを読み出し、ハイパーリンクを強調表示するようにソース情報を変更し、保持する。
【0024】
例えば、制御部15は、ソース情報を構成するHTMLファイルに対し変更情報HLであるCSS(Cascading Style Sheets)を組み込む。
【0025】
または、制御部15は、ソース情報を構成するHTMLファイルの<a>タグの前後に<ins id=“(ID名)”>というタグを挿入し、ID名を有するinsタグを検索し、JavaScriptで、その配下のaタグの背景色を変えたり、画像を挿入するという方法がある。
【0026】
または、制御部15は、HTMLファイルについて使用されるCSSを変更してもよい。
【0027】
ステップS4では、情報入力部13が、ユーザによるマウスクリックを検出したら、信号Mを情報解析部14に出力する。
【0028】
ステップS5では、情報解析部14が、信号Mが出力されてきたなら、ハイパーリンクでない場所がクリックされたか否かを判定する。ここでは、具体的に情報解析部14は、信号Wが出力されてきたか否かを判定する。信号Wが出力されてきたなら、ハイパーリンクがクリックされたことになるので、情報解析部14は、信号Wが出力されてこなかったなら、ハイパーリンクでない場所がクリックされたと判定し、信号Wが出力されてきたなら、ハイパーリンクがクリックされたと判定する。
【0029】
ステップS5で、ハイパーリンクがクリックされたと判定されたなら、終了となる。
ステップS6では、ハイパーリンクでない場所がクリックされたと判定された場合において、制御部15が、変更後のソース情報を表示部12に出力し、表示部12がソース情報に従い、ウェブページを表示する。
【0030】
図4は、ステップS6でのウェブページの表示例である。
図4では、トップ、初めての方へ、サイトマップ、ヘルプ、バーゲン、お勧め、閲覧履歴、お気に入り、レビュー、[カート]、[精算]、会員登録、ログイン、ネットスーパーとは、の各ハイパーリンクの背景色が変更され、こうしてハイパーリンクが強調表示されている。なお、強調表示はこれに限らず、ハイパーリンクの背景を画像にしたり、ハイパーリンクの画像や文字を拡大してもよい。また、ハイパーリンクや背景画像を特定の色の枠線で囲むようにしてもよい。画像を重ねてもよい。また、CSS(Cascading Style Sheets)を使用して強調表示を行ってよい。また、これらを適宜組み合わせてもよい。
【0031】
また、マウスクリックにより動作を開始するのでなく、ユーザの視線により、または、手の発汗量などから得られる心理状態などにより動作を開始してもよい。また、ウェブページの表示時間が一定の時間を超えると、ハイパーリンクが強調表示されるようにしてもよい。また、表示中のウェブページの特徴に基づいて、ハイパーリンクが強調表示されるようにしてもよい。
【0032】
以上のように、ハイパーリンク強調装置1によれば、ウェブページのソース情報を取得する通信手段(11)と、ウェブページのハイパーリンクが強調表示されるようにソース情報を変更する制御手段(15)と、変更後のソース情報に従いウェブページを表示する表示手段(12)とを備えるので、ハイパーリンクを強調表示でき、ハイパーリンクを早期に見つけられ、見落としも防ぐことができる。
【0033】
また、ハイパーリンクを強調表示するための変更情報を有するデータベース16を備え、制御手段(15)は、データベース16から変更情報を読み出し、該変更情報をソース情報に組み込むことでソース情報を変更するので、ハイパーリンクを強調表示でき、ハイパーリンクを早期に見つけられ、見落としも防ぐことができる。
【0034】
また、制御手段(15)は、ソース情報について使用される情報を変更することでソース情報を変更するので、ハイパーリンクを強調表示でき、ハイパーリンクを早期に見つけられ、見落としも防ぐことができる。
【0035】
また、ウェブページを閲覧するユーザの動作を検知し、所定の条件が満たされたなら、変更後のソース情報に従いウェブページを表示することで、ユーザの動作に基づく適切なタイミングでハイパーリンクを強調表示することができる。
【0036】
なお、変更前のウェブページが表示されてから経過した時間を算出し、該時間が所定の時間より長くなったなら、変更後のソース情報に従いウェブページを表示してもよい。これにより、ハイパーリンクを見つけられず、所定の時間より長い時間が経過したときに、ハイパーリンクを強調表示でき、利便性が高い。
【0037】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、ユーザの動作などを検出し、それをもとにハイパーリンクを強調表示させたが、この場合、ユーザが希望しないタイミングで強調表示がなされる場合もありうる。そこで、第2の実施の形態では、ユーザのリクエストに応じてハイパーリンクを強調表示させる。
【0038】
リクエストの形態としては、例えば、ウェブブラウザのメニュー部等、特定の位置にハイパーリンクを強調表示するための「リクエストボタン」を表示させ、これをユーザが押すという方法が考えられる。また、あるコマンドキー入力による方法でもよい。他の方法でもよい。
【0039】
第2の実施の形態のハイパーリンク強調装置は、通信部11と、表示部12と、情報入力部13と、情報解析部14と、制御部15と、データベース16とを備える。
【0040】
なお、情報入力部13は、例えば、「リクエストボタン」がクリックされたら、または、コマンドキー入力がされたら、そのことを示す信号Nを情報解析部14に出力するようになっている。
【0041】
図5は、ハイパーリンク強調装置1Aの動作を示すフローチャートである。
ステップS11では、通信部11が、通信ネットワーク2を介して、コンテンツサーバ3からウェブページのソース情報を取得し、表示部12、制御部15に出力する。
【0042】
ステップS12では、表示部12が、ソース情報に従い、ウェブページを表示し、例えば、さらに、「リクエストボタン」を表示する。
【0043】
ステップS13では、ステップS12と同時に、制御部15が、データベース16から変更情報HLを読み出し、ハイパーリンクを強調表示するようにソース情報を変更し、保持する。この際、制御部15は、ソース情報の特徴つまりウェブページの特徴を解析し、予め定めたルールに従い、その特徴、例えば強調表示の方法およびその方法に応じた変更情報HLを選択する。例えば、制御部15は、ウェブページに寒色系の色調が用いられている場合は、その補色を指定する変更情報HLが選択され読み出されるので、これを用いてハイパーリンクが補色で強調表示されるようにソース情報を変更する。
【0044】
ステップS14では、情報入力部13が、例えば、「リクエストボタン」がクリックされたら、または、コマンドキー入力がされたら、信号Nを情報解析部14に出力する。
【0045】
ステップS15では、情報解析部14が、信号Nが出力されてきたか否かを判定する。
【0046】
ステップS15で、信号Nが出力されてこない判定されたなら、終了となる。
【0047】
ステップS16では、信号Nが出力されてきたと判定された場合において、制御部15が、変更後のソース情報を表示部12に出力し、表示部12がソース情報に従い、ウェブページを表示する。これにより、ウェブページのハイパーリンクがウェブページの特徴に応じて方法で強調表示される。
【0048】
以上のように、ハイパーリンク強調装置1Aによれば、変更後のソース情報に従ってウェブページを表示するための明示的な動作を検知したなら、変更後のソース情報に従ってウェブページを表示するので、必要ないときにハイパーリンクが強調表示されず、必要なときだけにハイパーリンクを強調表示することができる。
【0049】
また、制御手段(15)は、ソース情報の特徴を解析し、データベース16からソース情報の特徴に応じた変更情報を選択して読み出し、該変更情報を用いてソース情報を変更するので、ウェブページの特徴に応じた態様で強調表示を行うことができる。
【0050】
なお、各実施の形態に係るハイパーリンク強調装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録でき、また、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【符号の説明】
【0051】
1…ハイパーリンク強調装置
11…通信部
12…表示部
13…情報入力部
14…情報解析部
15…制御部
16…データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブページのソース情報を取得する通信手段と、
前記ウェブページのハイパーリンクが強調表示されるように前記ソース情報を変更する制御手段と、
前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する表示手段と
を備えることを特徴とするハイパーリンク強調装置。
【請求項2】
ハイパーリンクを強調表示するための変更情報を有するデータベースを備え、
前記制御手段は、前記データベースから変更情報を読み出し、該変更情報を前記ソース情報に組み込むことで前記ソース情報を変更する
ことを特徴とする請求項1記載のハイパーリンク強調装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ソース情報について使用される情報を変更することで前記ソース情報を変更する
ことを特徴とする請求項1記載のハイパーリンク強調装置。
【請求項4】
前記ウェブページを閲覧するユーザの動作を検知し、所定の条件が満たされたなら、前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハイパーリンク強調装置。
【請求項5】
前記変更前のウェブページが表示されてから経過した時間を算出し、該時間が所定の時間より長くなったなら、前記変更後のソース情報に従いウェブページを表示する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハイパーリンク強調装置。
【請求項6】
前記変更後のソース情報に従ってウェブページを表示するための明示的な動作を検知したなら、前記変更後のソース情報に従ってウェブページを表示する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハイパーリンク強調装置。
【請求項7】
ハイパーリンクを強調表示するための変更情報を有するデータベースを備え、
前記制御手段は、前記ソース情報の特徴を解析し、前記データベースから前記ソース情報の特徴に応じた変更情報を読み出し、該変更情報を用いて前記ソース情報を変更する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のハイパーリンク強調装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のハイパーリンク強調装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−48553(P2012−48553A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190918(P2010−190918)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】