説明

ハイブリッドキャパシタ

【課題】本発明は、ハイブリッドキャパシタに関する。
【解決手段】活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体と、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体と、を含んで構成され、LICの特性とEDLCの特性とを一つのセルに具現することにより、エネルギー密度の向上とともに出力特性も改善できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドキャパシタに関し、より詳細には、リチウムイオンキャパシタと電気二重層キャパシタとの複合構造を単一のセル内に具現することにより、製造効率を向上させ、エネルギー密度及びパワー密度の特性を向上させたハイブリッドキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池などの二次電池は高いエネルギー密度を有する代表的なエネルギー貯蔵装置であり、最近最も脚光を浴びており、各種モバイル電子機器の重要なエネルギー貯蔵装置として活用されている。
【0003】
一方、次世代エネルギー貯蔵装置のうちウルトラキャパシタ、またはスーパーキャパシタと称される装置は、速い充放電速度、高い安定性、及び環境に優しい特性により、次世代エネルギー貯蔵装置として脚光を浴びている。
【0004】
二次電池はエネルギー密度が高いという長所を有するが、出力特性に制限があるという欠点があり、スーパーキャパシタは出力特性が二次電池より優れるが、エネルギー密度が低いという欠点がある。
【0005】
スーパーキャパシタの場合、上記のような欠点を解消するためにリチウムプレドーピング(Li Pre−doping)技術が提案されており、このような技術を利用して従来の電気二重層キャパシタのエネルギー密度を3〜4倍程度向上させたリチウムイオンキャパシタ(Li Ion Capacitor;LIC)を商用化し始めた。
【0006】
ここで、スーパーキャパシタの種類について簡単に説明すると、一般的なスーパーキャパシタは、電極構造体(electrode structure)、分離膜(separator)、及び電解液(electrolyte solution)などで構成される。前記スーパーキャパシタは、前記電極構造体に電力を与え、電解液内のキャリアイオンを選択的に前記電極に吸着させる電気化学的反応メカニズムを原理として駆動される。現在、代表的なスーパーキャパシタとして、リチウムイオンキャパシタ(Lithium Ion Capacitor:LIC)、電気二重層キャパシタ(electric double layer capacitor:EDLC)、擬似キャパシタ(pseudocapacitor)、及びハイブリッドキャパシタ(hybrid capacitor)などが挙げられる。
【0007】
前記リチウムイオンキャパシタは活性炭素からなる正極と黒鉛からなる負極とを用いて、リチウムイオンをキャリアイオンとするスーパーキャパシタである。前記電気二重層キャパシタは活性炭素(activated carbon)からなる電極を用いて、電気二重層電荷吸着(electric double layer charging)を反応メカニズムとするスーパーキャパシタである。前記擬似キャパシタは遷移金属酸化物(transition metal oxide)または伝導性高分子(conductive polymer)を電極として用いて、擬似容量(pseudo−capacitance)を反応メカニズムとするスーパーキャパシタである。また、前記ハイブリッドキャパシタは前記電気二重層キャパシタと擬似キャパシタの中間的な特性を有するスーパーキャパシタである。
【0008】
しかしながら、上記のようなエネルギー貯蔵装置は二次電池に比べ、相対的に低い容量を有する。これは、上述したスーパーキャパシタが殆ど電極と電解液との界面間のキャリアイオンの移動と電極表面での化学反応を利用した充放電メカニズムで駆動されるためである。これにより、現在、スーパーキャパシタのようなエネルギー貯蔵装置において、相対的に低い容量を改善するための技術開発が求められている。
【0009】
一方、上述のリチウムイオン二次電池(LIB)とリチウムイオンキャパシタ(LIC)は、両方とも負極として炭素素材である黒鉛(Graphite)を主に用いており、特に、LICの場合、エネルギー密度を増加させるために0.1V以下の電位を有するようにリチウム化(lithiation)された負極を用いている。ここで、負極をリチウム化する方法は様々であるが、リチウム塩(Li salts)が含まれているエチレンカーボネート(Ethylene Carbonate;EC)ベースの電解液に浸漬させる方法を主に用いている。この際、黒鉛表面では固体電解質インターフェース(Solid electrolyte interface;SEI)フィルムが形成されるが、このSEIフィルムを通じてリチウムイオンを通過させて溶媒分子とともに共インターカレーション(co−intercalation)され、黒鉛の層を剥離させる副作用を抑制するようになるため、SEIフィルムはLIC、LIBの特性に重要な影響を与える因子であると知られている。
【0010】
しかし、初期にSEIフィルムが形成されるため、不可逆容量が大きい黒鉛の初期充放電効率及び容量減少が不可避であるという欠点がある。また、低温特性が良好なプロピレンカーボネート(Propylene Carbonate;PC)ベースの電解液ではSEIフィルムが形成されず、むしろガスを発生させる問題点があるため、LICがEDLCに比べて低温特性も悪くなると知られている。また、このような負極へのリチウムドーピング工程において、均一なドーピングが困難であり、長時間がかかり、性能が不安定であるため、実用化に限界があるのが実情である。さらに、LICはEDLCに比べ、負極の非分極特性によって根本的にパワー特性が低くなるという欠点が存在した。
【0011】
一方、二次電池の欠点を補完するために既存のリチウムイオンポリマー電池にEDLCをシステム的に結合する技術に関する研究及び開発が行われており、その結果物として、瞬間出力を高めることができ、エネルギー密度も向上された複合型電池が提案されたが、回路上かつ製造工程上、構造が複雑であり、設置空間が増加されて、電池の小型化傾向に逆行するものであるという問題点があった。
【0012】
以上のようなそれぞれの問題点を根本的に解決できる技術開発の必要性はますます高まっている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−351688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、出力及び容量を向上させたハイブリッドキャパシタを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする課題は、一つのセルに、相対的に高い容量を具現する電極構造と相対的に高い出力を具現する電極構造とを備え、前記構造による複合的な反応メカニズムを利用して、従来のLICとEDLCの長所のみを取って組み合わせることができるハイブリッドキャパシタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような目的を果たすために導き出された本発明は、正極、負極、分離膜及び電解液を備えるキャパシタであって、活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体と、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体と、を含むことができる。
【0016】
また、活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体の両側に、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体がそれぞれ配置されることができる。
【0017】
また、前記正極と負極との間に分離膜が備えられることもできる。
【0018】
また、前記第1構造体と第2構造体との間に分離膜が備えられることもできる。
【0019】
この際、前記正極は、導電剤、活性炭及び結着剤が集電体の両面に結合されてなることが好ましい。
【0020】
また、前記集電体は、アルミニウム箔(Al Foil)であることが好ましい。
【0021】
また、前記負極は、集電体の両面にリチウム金属層が備えられてなることが好ましい。
【0022】
また、前記集電体は、銅箔(Cu Foil)であることが好ましい。
【0023】
また、前記リチウム金属層の外部面にリチウムニトリド(LiN)層がさらに備えられることが好ましい。
【0024】
また、前記第2構造体は、集電体の両面に、導電剤5〜10wt%、活性炭80〜90wt%、結着剤5〜10wt%を含む物質が結合されてなることが好ましい。
【0025】
一方、前記電解液としてはリチウム塩と非リチウム塩とが混合されたものを用いることが好ましい。
【0026】
一方、本発明によるハイブリッドキャパシタは、集電体の両面に形成されたリチウム層を含む第1電極と、アルミニウム箔の両面に形成された活性炭層を含む第2電極と、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第3電極と、を含み、第3電極−第1電極−第2電極−第3電極の順に配置されてなることもできる。
【0027】
この際、前記最外側に配置される二つの第3電極の間には、第1電極−第2電極の組合せが少なくとも二つ以上配置されてなることが好ましい。
【0028】
また、前記電極の間に分離膜が備えられることができる。
【0029】
また、前記第1電極は、集電体の両面にリチウム金属層が備えられてなることができる。
【0030】
この際、前記集電体は、銅箔(Cu Foil)であることが好ましい。
【0031】
また、前記リチウム金属層の外部面にリチウムニトリド(LiN)層がさらに備えられることが好ましい。
【0032】
また、前記第2電極は、導電剤、活性炭及び結着剤がアルミニウム箔の両面に結合されてなることができる。
【0033】
一方、前記第3電極は、集電体の両面に、導電剤5〜10wt%、活性炭80〜90wt%、結着剤5〜10wt%を含む物質が結合されてなることが好ましい。
【0034】
また、前記電解液としてはリチウム塩と非リチウム塩とが混合されたものを用いることが好ましい。
【0035】
この際、前記リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiN(CSO、LiN(CFSO、CFSOLi、LiC(CFSOから選ばれる少なくとも一つの物質であることができる。
【0036】
また、前記非リチウム塩は、TEABF、TEMABF、SBPBF、EMIBF、DEMEBFから選ばれる少なくとも一つの物質であることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によるハイブリッドキャパシタは、LICの特性とEDLCの特性とを一つのセルに具現することにより、エネルギー密度の向上とともに出力特性も改善できるという有用な効果を提供する。
【0038】
また、従来のLICに存在していたリチウムプレドーピングによる工程効率の低下とコスト上昇及び信頼性確保の限界などの問題を解決できるだけでなく、負極でのリチウムイオンの持続的な成長によるショートの問題を解決できるという有用な効果を提供する。
【0039】
また、導電剤の含量を高め、厚さを減少させた電極を備えることにより、セル全体の抵抗を減少させるとともに、出力特性を向上させることができるだけでなく、ハイブリッドキャパシタ内の電極の数を必要に応じて加減することにより、必要なエネルギー密度を容易に設定できるという有用な効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッドキャパシタを概略的に例示した図面である。
【図2】本発明の他の実施形態によるハイブリッドキャパシタを概略的に例示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを果たす技術などは、添付図面とともに詳細に後述される実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態で具現されることができる。本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝達するために提供されることができる。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を示す。
【0042】
本明細書で用いられる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書において、単数形は文章で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で用いられる「含む(comprise)」及び/または「含んでいる(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作及び/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。
【0043】
以下、添付された図面を参照して、本発明によるエネルギー貯蔵装置について詳細に説明する。
【0044】
図1は本発明の一実施形態によるハイブリッドキャパシタを概略的に例示した図面である。
【0045】
図1を参照すると、本発明によるハイブリッドキャパシタは、活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体と、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体と、を含んで構成される。
【0046】
図1のように構成される場合、負極と正極及び負極と第2構造体の間でLICと同様のメカニズムで充放電過程が行われることができる。
【0047】
また、図示していないが、活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体の両側に、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体がそれぞれ配置されて構成されることもできる。この際、負極と正極及び負極と第2構造体の間でLICと同様のメカニズム、正極と第2構造体の間でEDLCと同様のメカニズムで充放電過程が行われることができる。
【0048】
この際、前記正極と負極との間、及び/または第1構造体と第2構造体との間に分離膜が備えられることもできる。
【0049】
前記正極は、導電剤、活性炭及び結着剤(バインダ;Binder)が集電体の両面に結合されてなることができ、特に、前記集電体はアルミニウム箔(Al Foil)であることが好ましい。
【0050】
一方、前記負極は、従来の一般的なLICと同様に、主に黒鉛で構成され、リチウムでプレドーピングされた後用いられることができる。
【0051】
しかし、本発明の他の実施形態では、従来のLICでのリチウム電極の成長によるショートの発生可能性を低めるために、前記負極にリチウム金属層を備えるようにし、この際、前記集電体としては銅箔(Cu Foil)を用いた。
【0052】
また、前記リチウム金属層の外部面にリチウムニトリド(LiN)層がさらに備えられることが好ましい。
【0053】
前記リチウムニトリドは遷移金属ドーピングの窒化リチウムとも称され、リチウムイオンの空孔数と遷移金属の置換程度を調節できる技術が開発されて応用可能性が拡大している。リチウムニトリドは優れた充電用電池の負極素材であり、この素材の電子伝導度及びイオン伝導度は内部構造に存在する空孔数によって決まるため、前記空孔数と遷移金属の置換程度を調節できる技術の開発により、相当な波及効果が期待される。
【0054】
理論上、原子リチウムは電気容量が大きく、酸化還元特性に優れるため、最適の負極素材として認識されてきた。しかし、原子リチウムは分解されやすいため構造的安定性が低いという問題点を有しており、これを補完するために、リチウムドーピング黒鉛が開発された。
【0055】
リチウムニトリドは構造的安定性が高く、電気容量が大きいため、前記リチウムドーピング黒鉛に代替可能な、もっとも有力な物質の一つとして挙げられる。純リチウムニトリドはイオン伝導性に優れるが、電気伝導性が非常に低いため、特定遷移金属をドープすることにより電気伝導性を向上させることが好ましい。
【0056】
リチウムニトリドはリチウムと窒素が共存する層の間にリチウム層(Lithium−only layer)が介在されている独特の層状構造を示すが、前記リチウム層でのみ遷移金属の置換が選択的に発生するということが明らかになっており、リチウム層を構成するリチウムイオンが遷移金属に置換されると、リチウム−窒素層を構成するリチウムイオンが除去されることにより空孔が発生する。
【0057】
リチウムニトリドのイオンの伝導はリチウムイオンが空孔に移動する過程を通じて表れるため、空孔の数が増えるほど伝導性が増加するようになる。遷移金属ドーピングのリチウムニトリド合成反応の温度と時間を調節するとリチウムイオン空孔数と置換された領域を調節することができ、遷移金属の量を固定して反応温度を高くするとリチウムイオン空孔が増加する。これは、合成過程で反応温度や時間を調節することにより、ドープされたリチウムニトリドの電気伝導度及びイオン伝導度を調節することができるということを意味する。
【0058】
上記のようなリチウムニトリドの特性により、従来のリチウムドーピング黒鉛の代わりにハイブリッドキャパシタの負極材料としてリチウムニトリドが用いられることができ、本発明はリチウムニトリドを採用することにより従来のリチウム電極の成長によるショート問題を解決できるようにしたものである。さらに、従来のリチウムドーピング黒鉛を具現するために必ず行われていたリチウムプレドーピング工程の非効率性及び信頼性の限界などによる問題を解決できるようになる。
【0059】
一方、前記第2構造体は、集電体の両面に、導電剤5〜10wt%、活性炭80〜90wt%、結着剤5〜10wt%からなる物質が結合されてなることが好ましい。
【0060】
前記第2構造体は、セル内でエネルギー密度の上昇及び出力特性の改善という二つの役割を遂行することができる。しかし、本発明の一実施形態によるハイブリッドキャパシタでは、エネルギー密度の上昇という目的は主にリチウム金属層やリチウムニトリドによって果たし、出力特性は活性炭を含む電極によって果たすようにする一方、前記第2構造体を導入することによりセル全体の抵抗を減少させ、電極間の物理化学的メカニズムによって発生する電気エネルギーの貯蔵と放出過程が効率的に行われるようにした。
【0061】
従って、前記第2構造体は、一般的な活性炭電極に比べ、導電性物質の含量を高めて厚さを減少させて形成することにより、セル全体の抵抗を減少させる目的を果たすことができるようになる。
【0062】
一方、前記電解液としては、リチウム塩と非リチウム塩とが混合されたものを用いることが好ましい。
【0063】
具体的には、スーパーキャパシタや二次電池用非水系溶媒にLiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiN(CSO、LiN(CFSO、CFSOLi、LiC(CFSOなどのリチウム塩とTEABF、TEMABF、SBPBF、EMIBF、DEMEBFなどのEDLC用塩を互いに一つ以上混合することにより、リチウムイオンのインターカレーション/デインターカレーション(intercalation/deintercalation)効果の他に、他の構成イオンの吸着及び脱着による容量増大の効果を極大化し、既存の単一リチウム塩電解液に比べて相対的に加水分解によるHFの生成量が少ないため、スーパーキャパシタの寿命を延長させることができる。
【0064】
リチウム塩はイオン伝導度がもっとも高いため、リチウム塩として現在もっとも多く用いられているLiPFを三つのEDLC用非リチウム塩それぞれと混合し、これらの容量を測定した。その結果、三つの混合物全てが単一塩より高い容量を示した。
【0065】
図2は本発明の他の実施形態によるハイブリッドキャパシタを概略的に例示した図面である。
【0066】
本発明によるハイブリッドキャパシタは、集電体の両面に形成されたリチウム層を含む第1電極と、アルミニウム箔の両面に形成された活性炭層を含む第2電極と、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第3電極と、を含み、第3電極−第1電極−第2電極−第3電極の順に配置されてなることができる。
【0067】
この際、前記最外側に配置される二つの第3電極の間には、第1電極−第2電極の組合せが少なくとも二つ以上配置されるようにすることにより、セルのエネルギー密度を向上させることができ、第1電極及び第2電極の数によってセルのエネルギー密度を簡単に調節できるようになる。この際、前記電極の間に分離膜が備えられることができる。
【0068】
また、前記第1電極は集電体の両面にリチウム金属層が備えられてなることができ、この際、前記集電体は銅箔(Cu Foil)であることが好ましい。
【0069】
また、前記リチウム金属層の外部面にリチウムニトリド(LiN)層がさらに備えられることが好ましく、その理由は上述した説明と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0070】
上記のように構成された本発明によるハイブリッドキャパシタは、第1電極と第2電極及び第1電極と第3電極の間でLICと同様のメカニズムによって充放電過程が行われ、第2電極と第3電極との間では従来のEDLCと同様のメカニズムによって充放電過程が行われる。LICとEDLCの反応メカニズムは既に公知された技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0071】
一方、上述の第1構造体の負極は第1電極と、正極は第2電極と対応することができ、第2構造体は第3電極と対応することができる。
【0072】
以上のような構成及び作動原理により、LICとEDLCの長所のみを取って組み合わせた新しいハイブリッドキャパシタが具現されることができる。
【0073】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、上述の内容は本発明の好ましい実施形態を示して説明するものに過ぎず、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で用いることができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、上述の開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。上述の実施形態は本発明を実施するにおいて最善の状態を説明するためのものであり、本発明のような他の発明を用いるにおいて当業界に公知された他の状態での実施、そして発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。従って、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0074】
100 第1構造体
200 第2構造体(または第3電極)
10 負極(または第1電極)
11、15 リチウムニトリド層
12、14 リチウム金属層
13 集電体
20 正極(または第2電極)
21 活性炭
22 集電体
30 分離膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、分離膜及び電解液を備えるキャパシタであって、
活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体と、
集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体と、
を含むハイブリッドキャパシタ。
【請求項2】
正極、負極、分離膜及び電解液を備えるキャパシタであって、
活性炭を含む正極とリチウムを含む負極とを含んでなる第1構造体の両側に、集電体の両面に形成された活性炭層を含む第2構造体がそれぞれ配置されて構成されるハイブリッドキャパシタ。
【請求項3】
前記正極と負極との間に分離膜が備えられる請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項4】
前記第1構造体と第2構造体との間に分離膜が備えられる請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項5】
前記正極は、導電剤、活性炭及び結着剤が集電体の両面に結合されてなるものである請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項6】
前記集電体は、アルミニウム箔(Al Foil)である請求項5に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項7】
前記負極は、集電体の両面にリチウム金属層が備えられてなるものである請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項8】
前記集電体は、銅箔(Cu Foil)である請求項7に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項9】
前記リチウム金属層の外部面にリチウムニトリド(LiN)層がさらに備えられるものである請求項7に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項10】
前記第2構造体は、集電体の両面に、導電剤5〜10wt%、活性炭80〜90wt%、結着剤5〜10wt%を含む物質が結合されてなるものである請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項11】
前記電解液は、リチウム塩と非リチウム塩とが混合されたものである請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項12】
集電体の両面に形成されたリチウム層を含む第1電極と、
アルミニウム箔の両面に形成された活性炭層を含む第2電極と、
集電体の両面に形成された活性炭層を含む第3電極と、
を含み、
第3電極−第1電極−第2電極−第3電極の順に配置されてなるハイブリッドキャパシタ。
【請求項13】
前記最外側に配置される二つの第3電極の間には、第1電極−第2電極の組合せが少なくとも二つ以上配置されてなる請求項12に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項14】
前記電極の間に分離膜が備えられる請求項12に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項15】
前記第1電極は、集電体の両面にリチウム金属層が備えられてなるものである請求項12に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項16】
前記集電体は、銅箔(Cu Foil)である請求項15に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項17】
前記第1電極は、前記リチウム金属層の外部面にリチウムニトリド(LiN)層がさらに備えられるものである請求項15に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項18】
前記第2電極は、導電剤、活性炭及び結着剤がアルミニウム箔の両面に結合されてなるものである請求項12に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項19】
前記第3電極は、集電体の両面に、導電剤5〜10wt%、活性炭80〜90wt%、結着剤5〜10wt%を含む物質が結合されてなるものである請求項12に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項20】
前記電解液は、リチウム塩と非リチウム塩とが混合されたものである請求項12に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項21】
前記リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiN(CSO、LiN(CFSO、CFSOLi、LiC(CFSOから選ばれる少なくとも一つの物質である請求項20に記載のハイブリッドキャパシタ。
【請求項22】
前記非リチウム塩は、TEABF、TEMABF、SBPBF、EMIBF、DEMEBFから選ばれる少なくとも一つの物質である請求項20に記載のハイブリッドキャパシタ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−244164(P2012−244164A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97681(P2012−97681)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】