説明

ハイブリッド車両

【課題】走行中に車両システムの停止操作がされた場合に、ピニオンギヤの過回転が発生するのを抑制することが可能なハイブリッド車両を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両100は、エンジン1およびモータMG2と、エンジン1の動力により発電可能なジェネレータMG1と、エンジン1の動力を分割する動力分割機構2と、インバータ142と、HVECU11とを備える。そして、動力分割機構2は、サンギヤ2Sとリングギヤ2Rとピニオンギヤ2Pとプラネタリキャリア2Cとを含む。インバータ142は、上アームに設けられたIGBT201a〜203aと、下アームに設けられたIGBT201b〜203bとを含む。HVECU11は、走行中にハイブリッドシステムの停止操作がされた場合に、IGBT201b〜203bをオン状態にするとともに、IGBT201a〜203aをオフ状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンおよび電動機を備えたハイブリッド車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動輪を駆動するためのエンジンおよびモータ(電動機)と、エンジンの動力により発電可能なジェネレータ(発電機)と、エンジンの動力を駆動輪およびジェネレータに分割して伝達する動力分割機構とを備えたハイブリッド車両が知られている。
【0003】
このハイブリッド車両の動力分割機構は、ジェネレータに連結されたサンギヤと、モータおよび駆動輪に連結されたリングギヤと、サンギヤおよびリングギヤと噛合するピニオンギヤと、ピニオンギヤを支持するとともに、エンジンに連結されたキャリアとを含んでいる。
【0004】
そして、このハイブリッド車両では、エンジンの動力がキャリアおよびサンギヤを介してジェネレータに伝達されることにより、ジェネレータで発電が行われる。また、エンジンの動力がキャリアおよびリングギヤを介して駆動輪に伝達されることにより、駆動輪が駆動される。さらに、モータの動力をリングギヤに出力することにより、エンジンの出力を補助(アシスト)することが可能である。
【0005】
また、このハイブリッド車両には、ドライバがハイブリッドシステム(車両システム)を起動および停止させるためのパワースイッチが設けられている。
【0006】
ここで、上記したハイブリッド車両において、ジェネレータに異常が発生した場合に、ジェネレータおよびエンジンの運転を停止して、モータの動力のみで走行する退避走行モードに移行するように構成されたハイブリッド車両があった。
【0007】
しかしながら、このようなハイブリッド車両では、高速走行中にエンジンの運転が停止された場合には、キャリアの回転が停止されることにより、リングギヤの回転数とキャリアの回転数との差が大きくなるので、ピニオンギヤの過回転が発生するという不都合があった。
【0008】
そこで、従来では、退避走行モードに移行する際に、ピニオンギヤが過回転しないようにエンジンの運転を制御するハイブリッド車両が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−264852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示された従来のハイブリッド車両では、エンジンの運転を継続することにより、ピニオンギヤが過回転しないようにすることが可能であるが、たとえば、走行中にハイブリッドシステムの停止操作がされることにより、エンジンの運転が停止された場合には、ピニオンギヤの過回転が発生してしまうという問題点がある。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、走行中に車両システムの停止操作がされた場合に、ピニオンギヤの過回転が発生するのを抑制することが可能なハイブリッド車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるハイブリッド車両は、駆動輪を駆動するためのエンジンおよび電動機と、エンジンの動力により発電可能な発電機と、エンジンの動力を駆動輪および発電機に分割して伝達する動力分割機構と、発電機に接続され、複数のアームを含むインバータと、車両システムを実行して走行を制御する制御装置とを備える。そして、動力分割機構は、発電機に連結されたサンギヤと、電動機および駆動輪に連結されたリングギヤと、サンギヤおよびリングギヤと噛合するピニオンギヤと、ピニオンギヤを支持するとともに、エンジンに連結されたキャリアとを含む。インバータの各アームは、上アームに設けられた第1スイッチング素子と、下アームに設けられた第2スイッチング素子とを含む。制御装置は、走行中に車両システムの停止操作がされた場合に、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されている。
【0013】
このように構成することによって、走行中に車両システムの停止操作がされることにより、エンジンの運転が停止された場合に、惰性で回転するエンジン(キャリア)に連れてサンギヤが回転されることにより発電機で発生する逆起電力を上アームまたは下アームにおいて還流させることができるので、キャリア(エンジン)の回転を維持する方向のトルク(エンジンの回転数を持ち上げるトルク)を発電機から出力することができる。これにより、リングギヤの回転数とキャリアの回転数との差が大きくなるのを抑制することができるので、ピニオンギヤの過回転が発生するのを抑制することができる。
【0014】
上記ハイブリッド車両において、制御装置は、ピニオンギヤの過回転が発生するか否かを判定するための過回転判定フラグを有しており、過回転判定フラグがオンである場合に、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていてもよい。
【0015】
このように構成すれば、ピニオンギヤの過回転が発生するおそれがある場合に、キャリアの回転を維持する方向のトルクを発電機から出力することにより、ピニオンギヤの過回転が発生するのを抑制することができる。
【0016】
上記制御装置が過回転判定フラグを有するハイブリッド車両において、制御装置は、エンジンの回転数が共振帯に滞留するか否かを判定するための共振帯滞留判定フラグを有しており、過回転判定フラグがオンであるとともに、共振帯滞留判定フラグがオフである場合に、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていてもよい。
【0017】
このように構成すれば、エンジンの回転数が共振帯に滞留していない場合に、キャリアの回転を維持する方向のトルクを発電機から出力するとともに、エンジンの回転数が共振帯に滞留している場合に、発電機からトルクを出力しないようにすることにより、エンジンの回転数が共振帯を抜けやすくすることができる。
【0018】
上記制御装置が共振帯滞留判定フラグを有するハイブリッド車両において、走行用の電力を蓄電する蓄電装置を備え、制御装置は、蓄電装置に対する充電が禁止されるか否かを示す充電禁止フラグを有しており、過回転判定フラグがオンであるとともに、共振帯滞留判定フラグがオフであり、かつ、充電禁止フラグがオンである場合に、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていてもよい。
【0019】
このように構成すれば、充電が禁止される場合に、逆起電力を還流させることにより、充電することなく、キャリアの回転を維持する方向のトルクを発電機から出力することができる。
【0020】
上記制御装置が充電禁止フラグを有するハイブリッド車両において、インバータと蓄電装置との間に設けられた昇降圧コンバータを備え、インバータの各アームは、第1スイッチング素子と並列に設けられた第1整流素子と、第2スイッチング素子と並列に設けられた第2整流素子とを含み、制御装置は、過回転判定フラグがオンであるとともに、共振帯滞留判定フラグがオフであり、かつ、充電禁止フラグがオフである場合に、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子をオフ状態にするとともに、発電機により発電して蓄電装置を充電するように昇降圧コンバータを制御するように構成されていてもよい。
【0021】
このように構成すれば、充電が許容される場合に、逆起電力を整流して蓄電装置に充電しながら、キャリアの回転を維持する方向のトルクを発電機から出力することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のハイブリッド車両によれば、走行中に車両システムの停止操作がされた場合に、ピニオンギヤの過回転が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両の全体構成を示した図である。
【図2】図1のハイブリッド車両の動力分割機構を説明するために走行状態の一例を示した共線図である。
【図3】図1のハイブリッド車両のHVバッテリを示したブロック図である。
【図4】図1のハイブリッド車両のPCUを示したブロック図である。
【図5】図1のハイブリッド車両のPCUのインバータを示した回路図である。
【図6】図1のハイブリッド車両のHVECUを示したブロック図である。
【図7】図1のハイブリッド車両おける走行中のハイブリッドシステムの停止処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のピニオン過回転判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図7の共振帯滞留判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7の充電禁止判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1のハイブリッド車両おける走行中のハイブリッドシステムの停止処理時の動力分割機構の動作を説明するための共線図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
−機械的構成−
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両100の機械的構成(駆動機構)について説明する。
【0026】
ハイブリッド車両100は、たとえば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式であり、左右の前輪(駆動輪)9を駆動する。このハイブリッド車両100は、図1に示すように、エンジン(内燃機関)1と、ジェネレータMG1と、モータMG2と、動力分割機構2と、リダクション機構3と、減速装置4と、デファレンシャル装置5と、ドライブシャフト6とを備えている。
【0027】
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置である。エンジン1は、たとえば、吸気通路に設けられたスロットルバルブのスロットル開度(吸気空気量)、燃料噴射量、点火時期などの運転状態を制御可能に構成されている。
【0028】
エンジン1の出力は、クランクシャフト1aおよびダンパ7を介して動力分割機構2のインプットシャフト2aに伝達される。ダンパ7は、たとえば、コイルスプリング式トランスアクスルダンパであってエンジン1のトルク変動を吸収する。
【0029】
ジェネレータMG1は、主に発電機として機能し、状況によっては電動機としても機能する。ジェネレータMG1は、たとえば、交流同期発電機であり、インプットシャフト2aに対して回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを有する。なお、ジェネレータMG1は、本発明の「発電機」の一例である。
【0030】
モータMG2は、主に電動機として機能し、状況によっては発電機としても機能する。モータMG2は、たとえば、交流同期電動機であり、永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを有する。なお、モータMG2は、本発明の「電動機」の一例である。
【0031】
動力分割機構2は、エンジン1の出力を、左右の前輪9を駆動する動力と、発電のためにジェネレータMG1を駆動する動力とに分割する機構であり、たとえば、遊星歯車機構である。
【0032】
具体的には、動力分割機構2は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤ2Sと、サンギヤ2Sに外接(噛合)しながらその周辺を自転しつつ公転する外歯歯車のピニオンギヤ2Pと、ピニオンギヤ2Pと噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤ2Rと、ピニオンギヤ2Pを支持するとともに、このピニオンギヤ2Pの公転を通じて自転するプラネタリキャリア2Cとを有する。
【0033】
プラネタリキャリア2Cは、エンジン1側のインプットシャフト2aに回転一体に連結されている。サンギヤ2Sは、ジェネレータMG1のロータMG1Rに回転一体に連結されている。
【0034】
また、リングギヤ2Rの外周部にはカウンタドライブギヤ4aが一体に設けられている。このカウンタドライブギヤ4aは、カウンタドリブンギヤ4bに噛み合っている。カウンタドリブンギヤ4bには、ファイナルドライブギヤ4cが一体に設けられており、ファイナルドライブギヤ4cは、デファレンシャル装置5のデフドリブンギヤ5aに噛み合っている。なお、カウンタドライブギヤ4a、カウンタドリブンギヤ4b、ファイナルドライブギヤ4c、および、デフドリブンギヤ5aなどにより、減速装置4が構成されている。
【0035】
この動力分割機構2を設けることにより、エンジン1から出力された動力が、プラネタリキャリア2Cから、サンギヤ2Sに伝達される動力と、リングギヤ2Rに伝達される動力とに分割される。
【0036】
これらの分割された動力のうち、サンギヤ2Sに伝達された動力は、ジェネレータMG1のロータMG1Rに伝達され、その動力によりロータMG1Rが駆動されることにより、ジェネレータMG1で発電が行われる。なお、エンジン1の始動時には、HVバッテリ13から供給される電力によりジェネレータMG1が駆動されることによって、エンジン1がクランキングされる。すなわち、ジェネレータMG1はエンジン1の始動時にはスタータモータとしても機能する。
【0037】
一方、エンジン1からリングギヤ2Rに伝達された動力は、モータMG2が出力した動力と統合されて、リングギヤ2R(カウンタドライブギヤ4a)から、減速装置4、デファレンシャル装置5およびドライブシャフト6を介して前輪9に伝達され、その伝達された動力により前輪9が駆動される。
【0038】
ここで、動力分割機構2のサンギヤ2S、プラネタリキャリア2Cおよびリングギヤ2Rの関係を示す共線図を図2に示した。なお、図2では、ハイブリッド車両100が走行しているときの一例を示している。
【0039】
この共線図の三本の縦軸は、左から順にサンギヤ2S、プラネタリキャリア2C、リングギヤ2Rの回転数を示す軸である。すなわち、Nsがサンギヤ2Sの回転数であり、Ncがプラネタリキャリア2Cの回転数であり、Nrがリングギヤ2Rの回転数である。
【0040】
そして、プラネタリキャリア2Cの回転数を示す軸は、サンギヤ2Sの回転数を示す軸とリングギヤ2Rの回転数を示す軸との間を1:ρに内分する位置に配置されている。なお、ρは、サンギヤ2Sの歯数をTNs、リングギヤ2Rの歯数をTNrとすると以下の式で表される。
【0041】
ρ=TNs/TNr
また、ジェネレータMG1の回転数をNg、エンジン1の回転数をNe、モータMG2の回転数をNm、後述するリダクション機構3の減速比をkとすると以下の関係が成り立つ。
【0042】
Ns=Ng
Nc=Ne
Nr=k×Nm
そして、動力分割機構2の共線図上では、サンギヤ2Sの回転数Nsと、プラネタリキャリア2Cの回転数Ncと、リングギヤ2Rの回転数Nrとを結ぶと直線で表される。すなわち、サンギヤ2Sの回転数Ns、プラネタリキャリア2Cの回転数Ncおよびリングギヤ2Rの回転数Nrのうち、いずれか2つの回転数が決定されると、残りの1つの回転数が決定される。具体的には、以下の関係が成り立つ。
【0043】
Nc={ρ/(1+ρ)}×Ns+{1/(1+ρ)}×Nr
リダクション機構3は、モータMG2の回転を減速し、駆動トルクの増幅を行う機構であり、たとえば、遊星歯車機構である。
【0044】
具体的には、リダクション機構3は、図1に示すように、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤ3Sと、サンギヤ3Sに外接しながら自転する外歯歯車のピニオンギヤ3Pと、ピニオンギヤ3Pと噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤ3Rとを有する。
【0045】
リダクション機構3のリングギヤ3Rと、動力分割機構2のリングギヤ2Rと、カウンタドライブギヤ4aとは互いに一体となっている。また、サンギヤ3SはモータMG2のロータMG2Rと回転一体に連結されている。
【0046】
このリダクション機構3を設けることにより、モータMG2が駆動したときには、このモータMG2の出力(動力)が、エンジン1から動力分割機構2のリングギヤ2Rに伝達された動力に統合される。これにより、エンジン1の出力を補助(アシスト)することができ、前輪9の駆動力を高めることができる。なお、低速の軽負荷走行時などには、エンジン1を停止させたまま、モータMG2の動力のみで走行(EV走行)を行うことができる。また、回生制動時には、モータMG2が運動エネルギを電気エネルギに変換することにより発電を行うことができる。
【0047】
なお、ジェネレータMG1、モータMG2、動力分割機構2、リダクション機構3、減速装置4、デファレンシャル装置5およびダンパ7などによりトランスアクスル8が構成されている。このトランスアクスル8には、クランクシャフト1aを介してエンジン1が連結されるとともに、駆動シャフト6を介して前輪9が連結されている。
【0048】
−電気的構成−
次に、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両100の電気的構成(電気系統)について説明する。
【0049】
ハイブリッド車両100は、図1に示すように、HVECU11と、エンジンECU12と、HVバッテリ13と、PCU(パワーコントロールユニット)14とを備えている。
【0050】
[HVECU]
HVECU11は、ハイブリッド車両100を統括的に制御するように構成されている。たとえば、HVECU11は、ハイブリッドシステム(車両システム)を実行してハイブリッド車両100の走行を制御する。なお、HVECU11は、本発明の「制御装置」の一例である。
【0051】
ここで、ハイブリッドシステムとは、エンジン1の運転制御、ジェネレータMG1およびモータMG2の駆動制御、エンジン1、ジェネレータMG1およびモータMG2の協調制御などを含む各種制御を実行することにより、ハイブリッド車両100の走行を制御するシステムである。
【0052】
このHVECU11は、図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、バックアップRAM114と、入出力インターフェース115と、通信インターフェース116とを含んでいる。
【0053】
CPU111は、ROM112に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。ROM112には、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。RAM113は、CPU111による演算結果や各センサの検出結果などを一時的に記憶するメモリである。
【0054】
バックアップRAM114は、イグニッションをオフする際に保存すべきデータなどを記憶する不揮発性のメモリである。具体的には、バックアップRAM114には、過回転判定フラグ114a、共振帯滞留判定フラグ114bおよび充電禁止フラグ114cが記憶されている。
【0055】
過回転判定フラグ114aは、動力分割機構2のピニオンギヤ2Pの過回転が発生するか否かを判定するためのフラグである。共振帯滞留判定フラグ114bは、エンジン1の回転数が共振帯に滞留するか否かを判定するためのフラグである。充電禁止フラグ114cは、後述するバッテリモジュール131に対する充電が禁止されるか否かを示すフラグである。なお、過回転判定フラグ114a、共振帯滞留判定フラグ114bおよび充電禁止フラグ114cについては、後で詳細に説明する。
【0056】
入出力インターフェース115は、各センサの検出結果などが入力されるとともに、各部に制御信号などを出力する機能を有する。たとえば、入出力インターフェース115には、ハイブリッド車両100の車速を検出する車速センサ21、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ22、クランクシャフト1aの回転を検出するクランクポジションセンサ23、ジェネレータMG1のロータMG1Rの回転を検出するレゾルバ24、モータMG2のロータMG2Rの回転を検出するレゾルバ25、および、ハイブリッドシステムを起動および停止させるためのパワースイッチ26が接続されている。通信インターフェース116は、各ECU(たとえば、エンジンECU12)と通信するために設けられている。
【0057】
HVECU11は、車速センサ21およびアクセルペダルポジションセンサ22の検出結果などに基づいてトータル出力を算出するとともに、そのトータル出力が前輪9に出力されるようにエンジン1、ジェネレータMG1およびモータMG2を制御する。
【0058】
[エンジンECU]
エンジンECU12(図1参照)は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、入出力インターフェースおよび通信インターフェースなどを含んでいる。エンジンECU12は、HVECU11からの出力要求に応じて、吸入空気量制御、燃料噴射量制御および点火時期制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。
【0059】
[HVバッテリ]
HVバッテリ13は、図3に示すように、走行用の高電圧電源であるバッテリモジュール131と、バッテリモジュール131を監視する電池監視ユニット132と、電気部品が収納されたジャンクションブロック133とを含んでいる。
【0060】
バッテリモジュール131は、ジェネレータMG1およびモータMG2を駆動する電力を供給するとともに、ジェネレータMG1およびモータMG2により発電された電力を蓄電するように構成されている。このバッテリモジュール131は、たとえば、充放電可能なニッケル水素電池またはリチウムイオン電池である。バッテリモジュール131は、ジャンクションブロック133を介してPCU14に接続されている。なお、バッテリモジュール131は、本発明の「蓄電装置」の一例である。
【0061】
電池監視ユニット132には、バッテリモジュール131の充放電電流を検出する電流センサ13a、バッテリモジュール131の電圧を検出する電圧センサ13b、および、バッテリモジュール131の温度(電池温度)を検出する温度センサ13cが接続されている。そして、電池監視ユニット132は、バッテリモジュール131に関する情報(充放電電流、電圧および電池温度)をHVECU11に送信する。これにより、HVECU11は、たとえば、充放電電流の積算値に基づいてバッテリモジュール131のSOC(State of Charge:充電状態)を演算するとともに、SOCおよび電池温度に基づいて入力制限Winおよび出力制限Woutを演算する。
【0062】
ジャンクションブロック133は、システムメインリレー133a〜133cを含んでいる。
【0063】
システムメインリレー133a〜133cは、バッテリモジュール131とPCU14とを接続または遮断するために、バッテリモジュール131とPCU14との間に設けられている。システムメインリレー133a〜133cは、HVECU11からの制御信号に基づいてオン/オフ状態が切り替えられる。
【0064】
具体的には、システムメインリレー133aは、オン状態のときに電源ラインPL1およびPL2を接続するとともに、オフ状態のときに電源ラインPL1およびPL2を遮断する。システムメインリレー133bは、オン状態のときに接地ラインNL1およびNL2を接続するとともに、オフ状態のときに接地ラインNL1およびNL2を遮断する。
【0065】
なお、システムメインリレー133cは、始動電流(突入電流)の発生を抑制するために設けられている。システムメインリレー133cには抵抗器133dが直列に接続され、システムメインリレー133cおよび抵抗器133dは、システムメインリレー133bに並列に接続されている。そして、バッテリモジュール131がPCU14に接続される際には、システムメインリレー133aおよび133cがオン状態にされた後、システムメインリレー133bがオン状態にされるとともに、システムメインリレー133cがオフ状態にされる。
【0066】
すなわち、システムメインリレー133aおよび133bがオン状態の場合には、バッテリモジュール131の電力をPCU14に供給可能であり、かつ、PCU14から供給される電力によりバッテリモジュール131を充電可能である。また、システムメインリレー133a〜133cがオフ状態の場合には、バッテリモジュール131をPCU14と電気的に分離することが可能である。
【0067】
[PCU(パワーコントロールユニット)]
PCU14は、図4に示すように、昇降圧コンバータ141と、インバータ142および143と、MGECU144と、DC/DCコンバータ145とを含んでいる。
【0068】
昇降圧コンバータ141は、HVバッテリ13の直流電圧を昇圧してインバータ142および143に供給するために設けられている。また、昇降圧コンバータ141は、ジェネレータMG1により発電され、インバータ142により直流に変換された電圧を降圧してHVバッテリ13に供給するとともに、モータMG2により発電され、インバータ143により直流に変換された電圧を降圧してHVバッテリ13に供給する機能も有する。
【0069】
具体的には、昇降圧コンバータ141は、接地ラインNL2および電源ラインPL2間の電圧VLを昇圧して接地ラインNL3および電源ラインPL3間に出力可能に構成されるとともに、接地ラインNL3および電源ラインPL3間の電圧VHを降圧して接地ラインNL2および電源ラインPL2間に出力可能に構成されている。
【0070】
この昇降圧コンバータ141は、たとえば、チョッパ型の昇降圧コンバータであり、リアクトルと、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と、ダイオードとを有する。そして、昇降圧コンバータ141は、MGECU144から供給される駆動信号により、IGBTのオン/オフ状態が制御されることによって、昇圧または降圧を行うように構成されている。
【0071】
インバータ142は、エンジン1の動力によりジェネレータMG1で発電された交流電流を直流電流に変換して接地ラインNL3および電源ラインPL3間に出力する(回生制御)とともに、昇降圧コンバータ141から供給される直流電流を交流電流に変換してジェネレータMG1を駆動する(力行制御)。また、インバータ143は、昇降圧コンバータ141から供給される直流電流を交流電流に変換してモータMG2を駆動する(力行制御)とともに、回生制動時にモータMG2で発電された交流電流を直流電流に変換して接地ラインNL3および電源ラインPL3間に出力する(回生制御)。
【0072】
具体的には、インバータ142は、たとえば、図5に示すように、三相ブリッジ回路であり、U相アーム201と、V相アーム202と、W相アーム203とを含んでいる。U相アーム201、V相アーム202およびW相アーム203は、接地ラインNL3および電源ラインPL3の間に並列に接続されている。
【0073】
U相アーム201は、上アームに設けられたIGBT201aおよびダイオード201cと、下アームに設けられたIGBT201bおよびダイオード201dとを有する。V相アーム202は、上アームに設けられたIGBT202aおよびダイオード202cと、下アームに設けられたIGBT202bおよびダイオード202dとを有する。W相アーム203は、上アームに設けられたIGBT203aおよびダイオード203cと、下アームに設けられたIGBT203bおよびダイオード203dとを有する。
【0074】
なお、IGBT201a、202aおよび203aは、本発明の「第1スイッチング素子」の一例であり、IGBT201b、202bおよび203bは、本発明の「第2スイッチング素子」の一例である。また、ダイオード201c、202cおよび203cは、本発明の「第1整流素子」の一例であり、ダイオード201d、202dおよび203dは、本発明の「第2整流素子」の一例である。
【0075】
IGBT201a、201b、202a、202b、203aおよび203bは、MGECU144から出力される駆動信号(PWM信号)がゲートに入力されており、その駆動信号に応じてオン/オフ状態が制御される。
【0076】
IGBT201a、202aおよび203aは、コレクタが電源ラインPL3に接続されるとともに、エミッタが各相アームの中間点201e、202eおよび203eに接続されている。また、IGBT201b、202bおよび203bは、コレクタが各相アームの中間点201e、202eおよび203eに接続されるとともに、エミッタが接地ラインNL3に接続されている。
【0077】
ダイオード201c、202cおよび203cは、カソードが電源ラインPL3に接続されるとともに、アノードが各相アームの中間点201e、202eおよび203eに接続されている。すなわち、ダイオード201c、202cおよび203cは、それぞれ、IGBT201a、202aおよび203aと並列に設けられている。
【0078】
また、ダイオード201d、202dおよび203dは、カソードが各相アームの中間点201e、202eおよび203eに接続されるとともに、アノードが接地ラインNL3に接続されている。すなわち、ダイオード201d、202dおよび203dは、それぞれ、IGBT201b、202bおよび203bと並列に設けられている。
【0079】
また、各相アームの中間点201e、202eおよび203eは、ジェネレータMG1のステータMG1Sの各相コイルの一端に接続されている。なお、各相コイルの他端は、中性点に接続されている。
【0080】
同様に、インバータ143は、三相ブリッジ回路であり、U相アーム211と、V相アーム212と、W相アーム213とを含んでいる。U相アーム211、V相アーム212およびW相アーム213は、接地ラインNL3および電源ラインPL3の間に並列に接続されている。
【0081】
U相アーム211は、上アームに設けられたIGBT211aおよびダイオード211cと、下アームに設けられたIGBT211bおよびダイオード211dとを有する。V相アーム212は、上アームに設けられたIGBT212aおよびダイオード212cと、下アームに設けられたIGBT212bおよびダイオード212dとを有する。W相アーム213は、上アームに設けられたIGBT213aおよびダイオード213cと、下アームに設けられたIGBT213bおよびダイオード213dとを有する。
【0082】
U相アーム211、V相アーム212およびW相アーム213は、各相アームの中間点211e、212eおよび213eがモータMG2のステータMG2Sの各相コイルの一端に接続されている。なお、U相アーム211、V相アーム212およびW相アーム213のその他の構成は、上記したU相アーム201、V相アーム202およびW相アーム203と同様である。
【0083】
図4に示すMGECU144は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、入出力インターフェースおよび通信インターフェースなどを含んでいる。MGECU144は、HVECU11から送信される出力要求を受信するとともに、その出力要求などに基づいて昇降圧コンバータ141、インバータ142および143の駆動信号を生成し、その駆動信号を昇降圧コンバータ141、インバータ142および143に出力する。
【0084】
DC/DCコンバータ145は、接地ラインNL2および電源ラインPL2間の電圧VLを降圧して補機バッテリ15を充電するために設けられている。また、DC/DCコンバータ145は、降圧した電圧を補機類(たとえば、ランプなど)および各ECU(たとえば、HVECU11など)に供給する機能を有する。このDC/DCコンバータ145は、HVECU11の要求に応じて駆動されるように構成されている。
【0085】
補機バッテリ15は、たとえば、充放電可能な鉛蓄電池であり、補機類および各ECUを駆動する電力の供給源として機能する。なお、HVECU11には、補機バッテリ15の電圧を検出する電圧センサ15aおよび補機バッテリ15の温度を検出する温度センサ15bが接続されている。
【0086】
また、PCU14には、電源ラインPL2と接地ラインNL2との間に電圧変動を平滑化するためのコンデンサ146が設けられ、電源ラインPL3と接地ラインNL3との間に電圧変動を平滑化するためのコンデンサ147が設けられている。電源ラインPL3と接地ラインNL3との間には、ハイブリッドシステムの停止後に電源ラインPL3の電圧を落とすための抵抗器148が設けられている。
【0087】
また、PCU14には、電源ラインPL2と接地ラインNL2との間の電圧VLを検出する電圧センサ14aと、電源ラインPL3と接地ラインNL3との間の電圧VHを検出する電圧センサ14bとが設けられている。電圧センサ14aおよび14bの検出結果は、HVECU11に出力されている。
【0088】
−走行状態−
次に、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両100の走行状態の一例について説明する。
【0089】
たとえば、ハイブリッド車両100は、発進時および低車速の軽負荷走行時などにおいて、エンジン1の運転を停止し、モータMG2を力行制御して走行(EV走行)を行う。
【0090】
また、ハイブリッド車両100は、定常走行時などにおいて、エンジン1を主動力源として走行を行い、ジェネレータMG1を回生制御するとともに、その回生制御で得られた電気エネルギでモータMG2を補助的に力行制御する。
【0091】
また、ハイブリッド車両100は、加速時などにおいて、エンジン1を駆動するとともに、ジェネレータMG1を回生制御して得られた電気エネルギおよびHVバッテリ13の電気エネルギでモータMG2を力行制御して走行を行う。
【0092】
また、ハイブリッド車両100は、減速時(アクセルをオフ時)などにおいて、モータMG2を回生制御することにより、制動トルクを付与するとともに、エネルギ回収を行ってHVバッテリ13の充電を行う。
【0093】
また、ハイブリッド車両100は、後進時には、モータMG2を前進時に対して逆回転方向に力行制御する。
【0094】
−走行中のハイブリッドシステムの停止処理−
次に、図7〜図11を参照して、本発明の一実施形態によるハイブリッド車両100における走行中のハイブリッドシステムの停止処理について説明する。なお、以下の各ステップはHVECU11のCPU111(図6参照)により実行される。
【0095】
まず、図7のステップS1において、走行中にハイブリッドシステムの停止操作がされたか否かが判断される。具体的には、車速センサ21の検出結果に基づいてハイブリッド車両100が走行中であるか否かが判断されるとともに、パワースイッチ26からの信号に基づいて停止操作がされたか否かが判断される。そして、走行中に停止操作がされたと判断された場合には、ハイブリッドシステムが起動中である旨を示すインジケータランプ(Ready−On)が消灯され、ステップS2に移る。その一方、走行中に停止操作がされていないと判断された場合には、ステップS1が繰り返し行われる。すなわち、ハイブリッド車両100は走行中に停止操作がされるまで待機する。
【0096】
次に、ステップS2において、フューエルカットなどによりエンジン1(図1参照)の運転が停止される。ここで、エンジン1の運転が停止されると、エンジン1(クランクシャフト1a)の回転数Neがゼロになるように低下することにより、動力分割機構2のプラネタリキャリア2Cの回転数Ncが低下する。たとえば、図2に示す走行状態であったハイブリッド車両100のエンジン1の運転が停止された場合には、図11に示すように、プラネタリキャリア2Cの回転数Ncが低下することにより、サンギヤ2Sの回転数Nsが低下して正回転領域から負回転領域に移っていく。
【0097】
次に、ステップS3において、動力分割機構2のピニオンギヤ2Pの過回転判定処理が行われる。この過回転判定処理は、バックアップRAM114に記憶された過回転判定フラグ114a(図6参照)のオン/オフを設定(更新)するための処理である。
【0098】
この過回転判定処理では、まず、図8のステップS21において、現在のリングギヤ2Rの回転数Nrが算出される。このリングギヤ2Rの回転数Nrの算出は、たとえば、レゾルバ25の検出結果に基づいて算出されるモータMG2の回転数Nmを用いて行われる。なお、リングギヤ2Rの回転数Nrは、ハイブリッド車両100の車速(車速センサ21の検出結果)に基づいて算出されていてもよい。
【0099】
次に、ステップS22において、エンジン1の回転の停止時におけるピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaが算出される。
【0100】
ここで、ピニオンギヤ2Pの回転数Npは、リングギヤ2Rの回転数Nrとプラネタリキャリア2Cの回転数Ncとの差に比例し、エンジン1の回転の停止時にはプラネタリキャリア2Cの回転数Ncがゼロであることから、ピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaは、ステップS21で算出したリングギヤ2Rの回転数Nrを用いて以下の式により求められる。
【0101】
Npa=Nr−(−Nr/ρ)
次に、ステップS23において、ピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaが第1閾値Np1以上であるか否かが判断される。この第1閾値Np1は、予め設定された値(回転数)であって、たとえば、10000rpmである。そして、推定回転数Npaが第1閾値Np1以上であると判断された場合には、ステップS24において、過回転判定フラグ114aがオンに設定され、ステップS25に移る。その一方、推定回転数Npaが第1閾値Np1以上ではない(推定回転数Npaが第1閾値Np1未満である)と判断された場合には、ステップS25に移る。
【0102】
次に、ステップS25において、ピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaが第2閾値Np2未満であるか否かが判断される。この第2閾値Np2は、予め設定された値(回転数)であって、たとえば、8000rpmである。そして、推定回転数Npaが第2閾値Np2未満であると判断された場合には、ステップS26において、過回転判定フラグ114aがオフに設定され、ピニオンギヤ2Pの過回転判定処理が終了されることにより、図7のステップS4に移る。その一方、推定回転数Npaが第2閾値Np2未満ではない(推定回転数Npaが第2閾値Np2以上である)と判断された場合には、ピニオンギヤ2Pの過回転判定処理が終了され、図7のステップS4に移る。
【0103】
すなわち、ステップS3のピニオンギヤ2Pの過回転判定処理では、ピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaが第1閾値Np1以上である場合に、過回転判定フラグ114aをオンに設定し、ピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaが第2閾値Np2未満である場合に、過回転判定フラグ114aをオフに設定する。なお、ピニオンギヤ2Pの推定回転数Npaが、第2閾値Np2以上であり、かつ、第1閾値Np1未満である場合には、過回転判定フラグ114aは、更新されることなく、過回転判定処理が開始される前の状態が引き継がれる。
【0104】
次に、ステップS4において、バックアップRAM114に記憶された過回転判定フラグ114aがオンであるか否かが判断される。そして、過回転判定フラグ114aがオンであると判断された場合には、ピニオンギヤ2Pの過回転が発生するおそれがあるため、ステップS5に移る。その一方、過回転判定フラグ114aがオフであると判断された場合には、ピニオンギヤ2Pの過回転が発生するおそれがないため、ステップS11に移る。
【0105】
次に、ステップS5において、共振帯滞留判定処理が行われる。この共振帯滞留判定処理は、バックアップRAM114に記憶された共振帯滞留判定フラグ114bのオン/オフを設定(更新)するための処理である。
【0106】
この共振帯滞留判定処理では、まず、図9のステップS31において、クランクポジションセンサ23の検出結果に基づいてエンジン1の回転数Neが算出される。
【0107】
次に、ステップS32において、エンジン1の回転数Neが、第1閾値Ne1以上であり、かつ、第2閾値Ne2以下であるか否かが判断される。なお、第1閾値Ne1および第2閾値Ne2は予め設定された値(回転数)であって、たとえば、第1閾値Ne1が200rpmであり、第2閾値Ne2が500rpmである。そして、エンジン1の回転数Neが、第1閾値Ne1以上であり、かつ、第2閾値Ne2以下であると判断された場合には、ステップS33に移る。その一方、エンジン1の回転数Neが第1閾値Ne1未満であると判断された場合、および、エンジン1の回転数Neが第2閾値Ne2を超えると判断された場合には、ステップS35において、共振帯滞留判定フラグ114bがオフに設定され、共振帯滞留判定処理が終了されることにより、図7のステップS6に移る。
【0108】
次に、ステップS33において、エンジン1の回転数Neが、第1閾値Ne1以上であり、かつ、第2閾値Ne2以下である状態が所定の時間継続しているか否かが判断される。この所定の時間は、予め設定された時間であって、たとえば、5秒である。そして、所定の時間継続していると判断された場合には、ステップS34において、共振帯滞留判定フラグ114bがオンに設定され、共振帯滞留判定処理が終了されることにより、図7のステップS6に移る。その一方、所定の時間継続していないと判断された場合には、ステップS35において、共振帯滞留判定フラグ114bがオフに設定され、共振帯滞留判定処理が終了されることにより、図7のステップS6に移る。
【0109】
次に、ステップS6において、バックアップRAM114に記憶された共振帯滞留判定フラグ114bがオンであるか否かが判断される。そして、共振帯滞留判定フラグ114bがオンであると判断された場合には、エンジン1の回転数Neが共振帯に滞留しているため、ステップS11に移る。その一方、共振帯滞留判定フラグ114bがオフであると判断された場合には、エンジン1の回転数Neが共振帯に滞留していないため、ステップS7に移る。
【0110】
次に、ステップS7において、充電禁止判定処理が行われる。この充電禁止判定処理は、バックアップRAM114に記憶された充電禁止フラグ114cのオン/オフを設定(更新)するための処理である。
【0111】
この充電禁止判定処理では、まず、図10のステップS41において、バッテリモジュール131(図3参照)のSOCが算出される。SOCは、たとえば、電流センサ13aにより検出される充放電電流の積算値に基づいて算出される。
【0112】
次に、ステップS42において、バッテリモジュール131のSOCが閾値T1以上であるか否かが判断される。この閾値T1は、予め設定された値であって、たとえば、80%である。そして、SOCが閾値T1以上であると判断された場合には、ステップS47において、充電禁止フラグ114cがオンに設定され、充電禁止判定処理が終了されることにより、図7のステップS8に移る。その一方、SOCが閾値T1以上ではない(SOCが閾値T1未満である)と判断された場合には、ステップS43に移る。
【0113】
次に、ステップS43において、バッテリモジュール131の入力制限Winが算出される。入力制限Winは、たとえば、温度センサ13cにより検出される電池温度とSOCとに基づいて算出される。
【0114】
次に、ステップS44において、バッテリモジュール131に入力されるエネルギが入力制限Winを超えているか否かが判断される。なお、バッテリモジュール131に入力されるエネルギは、電流センサ13aにより検出される電流と、電圧センサ13bにより検出される電圧とを乗算することにより算出される。ここで、電流の充電方向を負とした場合には、入力されるエネルギが入力制限Winよりも小さい場合に、入力制限Winを超えていると判断される。そして、入力されるエネルギが入力制限Winを超えていると判断された場合には、ステップS45に移る。その一方、入力されるエネルギが入力制限Winを超えていないと判断された場合には、ステップS46において、充電禁止フラグ114cがオフに設定され、充電禁止判定処理が終了されることにより、図7のステップS8に移る。
【0115】
次に、ステップS45において、入力制限Winを超えた状態が所定の時間継続しているか否かが判断される。この所定の時間は、予め設定された時間であって、たとえば、3秒である。そして、所定の時間継続していると判断された場合には、ステップS47において、充電禁止フラグ114cがオンに設定され、充電禁止判定処理が終了されることにより、図7のステップS8に移る。その一方、所定の時間継続していないと判断された場合には、ステップS46において、充電禁止フラグ114cがオフに設定され、充電禁止判定処理が終了されることにより、図7のステップS8に移る。
【0116】
次に、ステップS8において、バックアップRAM114に記憶された充電禁止フラグ114cがオンであるか否かが判断される。そして、充電禁止フラグ114cがオンであると判断された場合には、バッテリモジュール131に対する充電が禁止されるため、ステップS9に移る。その一方、充電禁止フラグ114cがオフであると判断された場合には、バッテリモジュール131に対する充電が許容されるため、ステップS10に移る。
【0117】
そして、過回転判定フラグ114aがオンであり、共振帯滞留判定フラグ114bがオフであり、充電禁止フラグ114cがオンである場合には、ステップS9において、ジェネレータMG1を制御するインバータ142(図5参照)が三相オン制御される。なお、この三相オン制御は、予め設定された時間行われ、ステップS12に移る。
【0118】
ここで、三相オン制御とは、インバータ142において、各相アーム201〜203の下アームのIGBT201b、202bおよび203bをオン状態にするとともに、各相アーム201〜203の上アームのIGBT201a、202aおよび203aをオフ状態にすることをいう。
【0119】
そして、三相オン制御を行うことにより、惰性で回転するプラネタリキャリア2C(エンジン1)に連れてサンギヤ2S(ジェネレータMG1)が回転されることによりジェネレータMG1において発生する逆起電力が各相アーム201〜203の下アームにおいて還流する。これにより、サンギヤ2Sの回転数Nsを減少させる方向にトルクが発生するので、図11に示すように、サンギヤ2Sが負回転領域であれば、エンジン1の回転数Neを持ち上げる方向のトルクTgが発生する。
【0120】
また、過回転判定フラグ114aがオンであり、共振帯滞留判定フラグ114bがオフであり、充電禁止フラグ114cがオフである場合には、ステップS10において、ジェネレータMG1による発電制御が行われる。なお、この発電制御は、予め設定された時間行われ、ステップS12に移る。
【0121】
具体的には、この発電制御では、接地ラインNL3と電源ラインPL3との間の電圧VHが、惰性で回転するプラネタリキャリア2Cに連れてサンギヤ2Sが回転されることによりジェネレータMG1において発生する逆起電圧Vgよりも低くなるように昇降圧コンバータ141(図4参照)を制御するとともに、インバータ142をゲート遮断することにより、インバータ142を全波整流回路として機能させる。なお、電圧VHは、電圧センサ14bにより検出され、逆起電圧Vgは、レゾルバ24により検出されるジェネレータMG1の回転数に基づいて算出される。また、インバータ142のゲート遮断とは、インバータ142の全てのIGBT(IGBT201a、201b、202a、202b、203aおよび203b)をオフ状態にすることをいう。
【0122】
これにより、ジェネレータMG1で発電された電力がインバータ142で整流されてバッテリモジュール131に充電されるとともに、三相オン制御と同様に、サンギヤ2Sの回転数Nsを減少させる方向にトルクが発生するので、図11に示すように、サンギヤ2Sが負回転領域であれば、エンジン1の回転数Neを持ち上げる方向のトルクTgが発生する。
【0123】
また、過回転判定フラグ114aがオフである場合、および、共振帯滞留判定フラグ114bがオンである場合には、ステップS11において、通常制御が行われる。なお、この通常制御は、予め設定された時間行われ、ステップS12に移る。
【0124】
ここで、通常制御とは、ジェネレータMG1から出力されるトルクがゼロになるように制御することをいう。具体的には、接地ラインNL3と電源ラインPL3との間の電圧VHが、惰性で回転するプラネタリキャリア2Cに連れてサンギヤ2Sが回転されることによりジェネレータMG1において発生する逆起電圧Vgよりも高い場合には、インバータ142をゲート遮断する。また、電圧VHが逆起電圧Vgよりも低い場合には、ジェネレータMG1から出力されるトルクがゼロになるようにインバータ142を駆動制御(弱め界磁制御)する。
【0125】
その後、ステップS12において、車速センサ21の検出結果に基づいて、ハイブリッド車両100の惰性走行が停止されたか否かが判断される。そして、ハイブリッド車両100の惰性走行が停止されたと判断された場合には、電圧VHが落ちたことを確認してイグニッションをオフにし、走行中のハイブリッドシステムの停止処理が終了される。その一方、ハイブリッド車両100の惰性走行が停止されていないと判断された場合には、ステップS3に戻る。
【0126】
−効果−
本実施形態では、上記のように、ピニオンギヤ2Pの過回転が発生するおそれがある場合に三相オン制御を行うことによって、ハイブリッド車両100の走行中にハイブリッドシステムの停止操作がされることにより、エンジン1の運転が停止された場合に、惰性で回転するプラネタリキャリア2C(エンジン1)に連れてサンギヤ2S(ジェネレータMG1)が回転されることによりジェネレータMG1で発生する逆起電力をインバータ142の下アームにおいて還流させることができる。これにより、サンギヤ2Sが負回転領域であれば、プラネタリキャリア2Cの回転を維持する方向のトルク(エンジン1の回転数Neを持ち上げるトルク)をジェネレータMG1から出力することができる。これにより、リングギヤ2Rの回転数Nrとプラネタリキャリア2Cの回転数Ncとの差が大きくなるのを抑制することができるので、ピニオンギヤ2Pの過回転が発生するのを抑制することができる。したがって、動力分割機構2の部品保護を図ることができる。
【0127】
さらに、走行中にハイブリッドシステムの停止操作がされた後であって、ハイブリッド車両100の惰性走行が停止する前に、ハイブリッドシステムの再起動がされた場合に、エンジン1の回転が停止していると、クランキングに伴う発電量が多くなり、クランキングすることが困難になる可能性があるが、本実施形態では、エンジン1の回転数Neを持ち上げることにより、クランキングに伴う発電量を少なくすることができるので、エンジン1をクランキングしやすくすることができる。つまり、本実施形態のハイブリッド車両100では、走行中のハイブリッドシステムの再起動の際に、エンジン1を始動させやすくすることができる。
【0128】
また、本実施形態では、過回転判定フラグ114aがオンであり、充電禁止フラグ114cがオフである場合にジェネレータMG1による発電制御を行うことによって、ジェネレータMG1で発生する逆起電力をインバータ142で整流してバッテリモジュール131に充電しながら、プラネタリキャリア2Cの回転を維持する方向のトルクをジェネレータMG1から出力することができる。
【0129】
また、本実施形態では、共振帯滞留判定フラグ114bがオンの場合に通常制御を行うことによって、エンジン1の回転数Neが共振帯に滞留する場合に、ジェネレータMG1からトルクを出力しないようにすることにより、エンジン1の回転数Neが共振帯を抜けやすくすることができる。
【0130】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0131】
たとえば、本実施形態では、FF方式のハイブリッド車両100に本発明を適用する例を示したが、これに限らず、FR方式または4WD方式のハイブリッド車両に本発明を適用してもよい。
【0132】
また、本実施形態では、2個のモータジェネレータ(ジェネレータMG1およびモータMG2)がハイブリッド車両100に設けられる例を示したが、これに限らず、3個以上のモータジェネレータがハイブリッド車両に設けられていてもよい。たとえば、本実施形態によるハイブリッド車両100において、ジェネレータMG1およびモータMG2に加えて、後輪車軸を駆動するモータジェネレータが設けられていてもよい。
【0133】
また、本実施形態では、過回転判定フラグ114aがオンの場合に三相オン制御またはジェネレータMG1による発電制御を行う例を示したが、これに限らず、走行中にハイブリッドシステムの停止操作がされた後であって、惰性走行中にハイブリッドシステムの再起動がされた場合に、エンジン1をクランキング可能な車速になるまで、三相オン制御またはジェネレータMG1による発電制御を行うようにしてもよい。
【0134】
また、本実施形態では、充電禁止フラグ114cがオンの場合に、三相オン制御を行い、充電禁止フラグ114cがオフの場合に、ジェネレータMG1による発電制御を行う例を示したが、これに限らず、上記したステップS7およびS8を省略して、過回転判定フラグ114aがオンであり、共振帯滞留判定フラグ114bがオフである場合に、常に三相オン制御を行うようにしてもよい。すなわち、ジェネレータMG1による発電制御を行わないようにしてもよい。
【0135】
また、本実施形態において、サンギヤ2Sが負回転領域の場合にのみ、三相オン制御およびジェネレータMG1による発電制御を行い、サンギヤ2Sが正回転領域の場合には、三相オン制御およびジェネレータMG1による発電制御を行わないようにしてもよい。
【0136】
また、本実施形態では、インバータ142の三相オン制御時に、各相アーム201〜203の下アームのIGBT201b、202bおよび203bをオン状態にするとともに、上アームのIGBT201a、202aおよび203aをオフ状態にする例を示したが、これに限らず、インバータ142の三相オン制御時に、各相アーム201〜203の下アームのIGBT201b、202bおよび203bをオフ状態にするとともに、上アームのIGBT201a、202aおよび203aをオン状態にするようにしてもよい。
【0137】
また、本実施形態では、過回転判定処理において、第1閾値Np1の値と第2閾値Np2の値とが異なる例を示したが、これに限らず、過回転判定処理において、第1閾値Np1の値と第2閾値Np2の値とが同じであってもよい。すなわち、過回転判定処理において、過回転判定フラグ114aをオンまたはオフに必ず設定するようにしてもよい。
【0138】
また、本実施形態では、過回転判定フラグ114a、共振帯滞留判定フラグ114bおよび充電禁止フラグ114cがバックアップRAM114に記憶される例を示したが、これに限らず、過回転判定フラグ、共振帯滞留判定フラグおよび充電禁止フラグがRAM113に記憶されていてもよい。
【0139】
また、本実施形態では、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子の一例としてIGBTを示したが、これに限らず、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子としてパワーMOSFETを用いてもよい。
【0140】
また、本実施形態において示した閾値などの値は、いずれも例示であって、それらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0141】
1 エンジン
2 動力分割機構
2C プラネタリキャリア(キャリア)
2P ピニオンギヤ
2R リングギヤ
2S サンギヤ
9 前輪(駆動輪)
11 HVECU(制御装置)
100 ハイブリッド車両
114a 過回転判定フラグ
114b 共振帯滞留判定フラグ
114c 充電禁止フラグ
131 バッテリモジュール(蓄電装置)
141 昇降圧コンバータ
142 インバータ
201 U相アーム(アーム)
202 V相アーム(アーム)
203 W相アーム(アーム)
201a、202a、203a IGBT(第1スイッチング素子)
201b、202b、203b IGBT(第2スイッチング素子)
201c、202c、203c ダイオード(第1整流素子)
201d、202d、203d ダイオード(第2整流素子)
MG1 ジェネレータ(発電機)
MG2 モータ(電動機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪を駆動するためのエンジンおよび電動機と、
前記エンジンの動力により発電可能な発電機と、
前記エンジンの動力を前記駆動輪および前記発電機に分割して伝達する動力分割機構と、
前記発電機に接続され、複数のアームを含むインバータと、
車両システムを実行して走行を制御する制御装置とを備え、
前記動力分割機構は、前記発電機に連結されたサンギヤと、前記電動機および前記駆動輪に連結されたリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤと噛合するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを支持するとともに、前記エンジンに連結されたキャリアとを含み、
前記インバータの各アームは、上アームに設けられた第1スイッチング素子と、下アームに設けられた第2スイッチング素子とを含み、
前記制御装置は、走行中に前記車両システムの停止操作がされた場合に、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車両において、
前記制御装置は、前記ピニオンギヤの過回転が発生するか否かを判定するための過回転判定フラグを有しており、前記過回転判定フラグがオンである場合に、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項3】
請求項2に記載のハイブリッド車両において、
前記制御装置は、前記エンジンの回転数が共振帯に滞留するか否かを判定するための共振帯滞留判定フラグを有しており、前記過回転判定フラグがオンであるとともに、前記共振帯滞留判定フラグがオフである場合に、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項4】
請求項3に記載のハイブリッド車両において、
走行用の電力を蓄電する蓄電装置を備え、
前記制御装置は、前記蓄電装置に対する充電が禁止されるか否かを示す充電禁止フラグを有しており、前記過回転判定フラグがオンであるとともに、前記共振帯滞留判定フラグがオフであり、かつ、前記充電禁止フラグがオンである場合に、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のうちのいずれか一方をオン状態にするとともに、他方をオフ状態にするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項5】
請求項4に記載のハイブリッド車両において、
前記インバータと前記蓄電装置との間に設けられた昇降圧コンバータを備え、
前記インバータの各アームは、前記第1スイッチング素子と並列に設けられた第1整流素子と、前記第2スイッチング素子と並列に設けられた第2整流素子とを含み、
前記制御装置は、前記過回転判定フラグがオンであるとともに、前記共振帯滞留判定フラグがオフであり、かつ、前記充電禁止フラグがオフである場合に、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオフ状態にするとともに、前記発電機により発電して前記蓄電装置を充電するように前記昇降圧コンバータを制御するように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−99977(P2013−99977A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243555(P2011−243555)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】