説明

ハニカム構造体の製造方法

【課題】成形性に優れ、生産効率が高く、更に、得られるハニカム構造体について安定した気孔率を確保でき、必要な強度を維持することができるハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】平均粒子径0.1〜40μmのタルク、平均粒子径0.1〜20μmのカオリン、平均粒子径0.05〜10μmのアルミナ源原料、及び平均粒子径0.1〜20μmのシリカを混合して形成されたコージェライト化原料、バインダ、界面活性剤、水、及び吸水後の平均粒子径が2〜200μm、且つ吸水倍率が2〜100倍の吸水性樹脂を含有する坏土をハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、前記ハニカム成形体を焼成して気孔率40%未満のハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関し、更に詳しくは、成形性に優れ、生産効率が高く、更に、得られるハニカム構造体について安定した気孔率を確保でき、必要な強度を維持することができるハニカム構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の排ガスに含有されるNO、CO及びHC等を、担持した触媒等により吸着・吸収するために、熱膨張率の低いコージェライトからなるハニカム構造体が使用されている。このようなハニカム構造体としては、触媒等を担持するため、通常、隔壁に細孔(気孔)が形成されたものが用いられている。細孔の形成方法としては、成形原料中に中実粒子や中空粒子からなる造孔剤を配合し、成形体を焼成する際に造孔剤を焼失させて細孔を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、造孔剤として吸水性樹脂を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献4,5参照)。また、造孔剤を用いずに、隔壁に細孔を有するハニカム構造体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献6,7参照)。
【特許文献1】特許第2938740号公報
【特許文献2】特開2003−40687号公報
【特許文献3】特開2004−315346号公報
【特許文献4】国際公開第WO2005/63360号パンフレット
【特許文献5】特開平11−71188号公報
【特許文献6】特公平7−61892号公報
【特許文献7】特開昭63−40777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1〜3に記載の発明は、押出成形によりハニカム成形体を得た後、この成形体を焼成してハニカム構造体を得る多孔質セラミックス構造体の製造方法であって、造孔剤として中実もしくは中空な可燃性粒子を用い、焼成時に当該粒子が焼失することで気孔を形成するものである。しかしながら、中実粒子を造孔剤として使用した場合は、粒子が中実であるため、成形原料の混合・混練時にそれら粒子が潰れにくく、安定した気孔率が得られるという利点はあるが、それら粒子が押出金型に詰まり成形体に隔壁欠け等の欠陥を生じさせるという問題があり、更に、押出圧力が増大し押出金型に変形を生じるという問題があった。また、それら粒子の焼成時の発熱量が大きいため、熱応力によるクラック、内部欠陥等の不良が多発するという問題があった。一方、中空粒子を造孔剤として使用した場合は、粒子が中空であるため焼成時の発熱量が小さいため前記のような欠陥の発生は抑えられるが、成形原料の混合・混練・成形時に粒子が潰れやすいため、安定した気孔率が確保できず、フィルタ特性が悪化するという問題があった。
【0004】
上記特許文献4に記載の発明は、造孔剤として吸水性樹脂を配合した成形原料を押出成形してハニカム成形体を得た後、この成形体を焼成してハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法である。この方法は、特に成形時に必要な圧力を低減することができ、さらに欠陥や変形を抑制でき、歩留まりに優れていたが、40%以上の気孔率のものしか得られないという問題があった。特に自動車排ガス浄化に用いられる薄壁ハニカムでは、気孔率が40%以上になると強度が低下するという問題があった。
【0005】
上記特許文献5に記載の発明は、押出成形によりペレット状の成形体を得た後、この成形体を造粒して球状成形体とし、その後この球状成形体を乾燥させて焼成することにより多孔質体を得るものであり、押出成形後造粒するものであるから、押出成形時の欠陥(押出成形時の成形性)に製品特性が左右されることはないという利点を有する。特許文献5に記載の発明は、ハニカム構造体の製造方法に関するものではないが、この製造方法をハニカム成形体に適用した場合には、吸水性樹脂の吸水倍率が100倍を超えると、ハニカム構造に成形された成形体が多くの水を含有しているため、乾燥時間が長くなるという問題があるばかりでなく、乾燥の電力を多く必要として乾燥コストが大きくなるという問題がある。また、ハニカム構造の成形体の硬度が低下したり、乾燥割り掛けが増大したりするため、変形しやすくなって歩留まりが低下することがあるという問題がある。また、ゲル強度が下がり、成形時に吸水性樹脂が潰れやすいため、安定した気孔率が確保できず、フィルタ特性が悪化するという問題がある。
【0006】
上記特許文献6,7に記載の発明は、何れも造孔剤を用いずに多孔質のハニカム構造体を製造する方法である。これらの方法は、造孔剤として吸水性樹脂を用いる製造方法と比較すると、押出成形時の成形原料の流動性が低く、成形性に劣るという問題があった。また、成形性を向上させる目的で吸水性樹脂を成形助剤として併用する着想はなく、従って、吸水性樹脂を用いながら、ハニカム構造体として必要な強度を維持するために必要な、コージェライト化原料の粒度の検討が全くなされていなかった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成形性に優れ、生産効率が高く、更に、得られるハニカム構造体について安定した気孔率を確保でき、必要な強度を維持することができるハニカム構造体の製造方法を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって以下のハニカム構造体の製造方法が提供される。
【0009】
[1] 平均粒子径0.1〜40μmのタルク、平均粒子径0.1〜20μmのカオリン、及び平均粒子径0.05〜10μmのアルミナ源原料を含有するコージェライト化原料、バインダ、界面活性剤、水、並びに吸水後の平均粒子径が2〜200μm、且つ吸水倍率が2〜100倍の吸水性樹脂を含有する坏土をハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、前記ハニカム成形体を焼成して気孔率40%未満のハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法。
【0010】
[2]前記坏土が、前記コージェライト化原料100質量部に対して、前記吸水性樹脂を0.01〜20質量部含有する[1]に記載のハニカム構造体の製造方法。
【0011】
[3] 前記ハニカム構造体の隔壁の厚さが、35〜260μmである[1]又は[2]に記載のハニカム構造体の製造方法。
【0012】
[4] 前記吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径が、前記ハニカム構造体の隔壁の厚さの90%以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【0013】
[5] 平均粒子径が10μmを超える前記コージェライト化原料のなかの少なくとも一種についての平均粒子径に対して、前記吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径が、0.1〜20倍である[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【0014】
[6] 前記コージェライト化原料が、平均粒子径0.1〜20μmのシリカを更に含有する[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、コージェライト化原料を形成するタルク等の平均粒子径を所定の範囲とし、成形助剤として吸水性樹脂を用い、吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径を2〜200μm、且つ吸水倍率を2〜100倍としたため、気孔率40%未満のハニカム構造体を得ることが可能となる。得られるハニカム構造体の気孔率が40%未満であるため、ハニカム構造体が必要な強度を維持することができる。また、吸水性樹脂を用いたことより、(1)吸水後の吸水性樹脂が有する弾力性故に、押出成形時に吸水性樹脂が詰まることがないため、(2)坏土の保水性が上がり、押出成形時の潤滑性が上がるため、成形性に優れ、更に、吸水性樹脂が、コージェライト化原料の混合、押出成形時に潰れることがないため安定した気孔率を確保することができる。更に、吸水性樹脂の吸水倍率が100倍以下であるため、乾燥時間を短くすることができ、また、吸水性樹脂の吸水倍率が100倍以下であるため、乾燥割り掛けも増大せず、得られるハニカム構造体の変形等による歩留まりの低下も抑制されることにより、生産効率を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0017】
本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態は、平均粒子径0.1〜40μmのタルク、平均粒子径0.1〜20μmのカオリン、及び平均粒子径0.05〜10μmのアルミナ源原料を含有するコージェライト化原料、バインダ、界面活性剤、水、並びに吸水後の平均粒子径が2〜200μm、且つ吸水倍率が2〜100倍の吸水性樹脂を含有する坏土をハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、上記ハニカム成形体を焼成して気孔率40%未満のハニカム構造体を得るものである。ここで、ハニカム構造体は、複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する筒状の構造体である。
【0018】
(坏土)
本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態は、まず、コージェライト化原料、バインダ、界面活性剤、水、及び吸水性樹脂を混合、混練して坏土を形成する。コージェライト化原料とは、焼成によりコージェライトとなる原料を意味し、シリカ(SiO)が42〜56質量%、アルミナ(Al)が30〜45質量%、マグネシア(MgO)が12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように所定の原料が混合されたセラミックス原料である。本実施形態において、配合すべき上記「所定の原料」は、平均粒子径0.1〜40μmのタルク、平均粒子径0.1〜20μmのカオリン、及び平均粒子径0.05〜10μmのアルミナ源原料である。そして、コージェライト化原料(上記、所定の原料)として、平均粒子径0.1〜20μmのシリカを含有してもよい。シリカを含有することにより、気孔率が調整できるという利点がある。タルク、カオリン、アルミナ源原料、又はシリカ(シリカを含有した場合)の平均粒子径が、上記それぞれの範囲の下限値より小さいと、原料粒子が凝集し、それら粒子が押出金型に詰まり成形体に隔壁欠け等の欠陥を生じさせるため好ましくなく、更に、押出圧力が増大し押出金型に変形を生じるため好ましくない。タルク、カオリン、アルミナ源原料、又はシリカ(シリカを含有した場合)の平均粒子径が、上記それぞれの範囲の上限値より大きいと、得られるハニカム構造体の気孔率が40%以上となるため好ましくない。上記コージェライト化原料は、タルクについては平均粒子径1〜30μm、更には3〜15μm、更には5〜15μm、カオリンについては平均粒子径0.5〜10μm、更には1〜10μm、アルミナ源原料については平均粒子径0.1〜10μm、更には1.1〜10μm、シリカについては平均粒子径0.5〜15μm、更には1〜10μmであることが、それぞれ一層好ましい。平均粒子径5〜15μmのタルク、平均粒子径1〜10μmのカオリン、平均粒子径0.1〜10μmのアルミナ源原料、及び平均粒子径1〜10μmのシリカを混合したものであることが最も好ましい。平均粒子径は、堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、レーザー回折法により測定したメジアン径を指す。尚、アルミナ源原料とは、アルミニウム酸化物、水酸化アルミニウム等、焼成により酸化物化し、コージェライトの一部を形成する原料のことを言う。
【0019】
上記吸水性樹脂は、吸水後の平均粒子径が2〜200μm、且つ吸水倍率が2〜100倍である。吸水後の平均粒子径がこのような範囲であるため、これを用いた坏土が成形性に優れ、更に、得られるハニカム構造体について安定した気孔率を確保できるという利点を有する。吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径が、2μmより小さいと、所望の成形性向上効果が得られないため好ましくなく、200μmより大きいと、吸水後の吸水性樹脂が弾力性を有するといっても押出金型のスリットが細い場合には詰まりが発生し易くなるため好ましくない。吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径は、2〜200μmであり、10〜100μmであることが好ましい。また、吸水性樹脂の吸水倍率が、2倍より小さいと、吸水後の吸水性樹脂の弾力性が不足するため好ましくなく、100倍より大きいと、押出成形後のハニカム成形体を乾燥させる時間が長くなり生産効率が低下するという問題が生じ、また、ハニカム成形体中の水の量が多くなるため、ハニカム成形体の硬度が低下するという問題が生じる。更に、吸水樹脂の吸水倍率が100倍より大きいと、乾燥時に除去される水の量が多いことより、乾燥割り掛けが増大してハニカム構造体の変形等が生じ、これにより歩留まりが低下するため、生産効率が低下するという問題が生じる。吸水性樹脂の吸水倍率は、2〜100倍であり、10〜50倍であることが好ましい。
【0020】
吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径は、得られるハニカム構造体の隔壁の厚さの90%以下であることが好ましく、2%より大きく75%以下であることが更に好ましく、5〜60%であることが特に好ましい。吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径を、ハニカム構造体の隔壁の厚さの90%以下とすることにより、ハニカム構造体に必要な強度の確保に寄与するという利点を有する。90%を超えると、ハニカム成形体を焼成した後に隔壁の厚さに対して粗大な細孔が形成され易くなり、強度不足となることがある。吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径を、得られるハニカム構造体の隔壁の厚さの2%より大きく75%以下とすることにより、当該平均粒子径と押出成形時の坏土の流路幅(押出金型のスリット幅)とのバランスが最適となるため、スリット幅中にコーディエライト化原料粒子と吸水性樹脂とが分散して共存することができ、原料粒子の流れの潤滑を高め、ハニカム成形体を押出成形するときの成形性をより向上させることができる。
【0021】
また、吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径は、平均粒子径が10μmを超えるコージェライト化原料のなかの少なくとも1種のコージェライト化原料についての平均粒子径に対して0.1〜20倍であることが好ましく、0.5〜10倍であることが更に好ましい。更に、平均粒子径が10μmを超えるコージェライト化原料のなかの全ての種類のコージェライト化原料の平均粒子径に対して、0.1〜20倍であることが好ましく、0.5〜10倍であることが特に好ましい。「平均粒子径が10μmを超えるコージェライト化原料のなかの少なくとも1種についての平均粒子径」とは、コージェライト化原料から、平均粒子径10μm以下の原料種を除外し、残りの平均粒子径10μmを超える各コージェライト化原料のなかの少なくとも1種のコージェライト化原料について測定した、平均粒子径である。吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径をこのような範囲とすることにより、吸水性樹脂と、コージェライト化原料の中でも坏土の押出金型中での流動性に影響を与え易い大粒子径原料との、粒子径のバランスがよくなり、成形性が一層向上する。吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径が、コージェライト化原料のなかの平均粒子径10μmを超える種の平均粒子径全てに対して0.1倍未満、又は20倍を超えると、相互の粒子径のバランスが悪くなって、坏土の流動性が不十分となり、成形性が低下する。
【0022】
吸水性樹脂は、吸水により発現する弾力性によって、押出成形時にスリットやスリットへの粗大粒子混合を防ぐスクリーンを、自らが変形しながら通過するため、押出金型に詰まることがない。また、焼成時の発熱量が小さいため、クラックの発生等の不良を低減することができる。更に、シェア荷重を受けても潰れず、造孔能力を損なうことがないため、気孔率変動を小さく抑え、安定した気孔率を確保することができる。
【0023】
吸水性樹脂としては、具体的には、デンプン系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、セルロース系、合成ポリマー系等の吸水性樹脂を用いることができる。
【0024】
坏土中の吸水性樹脂の含有量は、コージェライト化原料100質量部に対して、乾燥状態の質量で0.01〜20質量部が好ましく、0.05〜15質量部が更に好ましく、0.1〜10質量部が特に好ましい。坏土中の吸水性樹脂の含有量をこのような範囲とすることにより、ハニカム成形体の成形性をより向上させ、より安定してハニカム構造体の気孔率を40%未満とすることができる。吸水性樹脂の含有量を、コージェライト化原料100質量部に対して、0.01質量部より少なくすると、ハニカム成形体を押出成形するときの成形性向上効果が発現しないことがあり、20質量部より多くすると、ハニカム構造体の気孔率を40%未満に調整し難いことがある。坏土中に吸水性樹脂が含まれると、坏土の可塑性が上がるため、ハニカム成形体の成形性が向上する。つまり、坏土の保水性が上がり、押出成形時の潤滑性が上がる効果が生じる。
【0025】
本実施形態のハニカム構造体の製造方法において、坏土に含有させるバインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
本実施形態のハニカム構造体の製造方法において、坏土に含有させる界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、又は両イオン性のいずれの界面活性剤であってもよい。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩等を挙げることができる。また、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン(又はソルビトール)脂肪酸エステル等を挙げることができる。界面活性剤は、原料粒子の分散性を向上させるとともに、押出成形時には原料粒子を配向しやすくする働きがある。
【0027】
また、本実施形態のハニカム構造体の製造方法において、坏土には分散媒として水を含有させる。坏土中の水の含有量は、ハニカム成形体の押出成形時における坏土が適当な硬さを有するものとなる量とすることが好ましく、吸水性樹脂の吸水分も含めて、コージェライト化原料100質量部に対し、吸水性樹脂の混合量にその吸水倍率を乗じて得られる値(吸水性樹脂の混合量×吸水倍率)以上の質量部とすることが好ましい。
【0028】
本実施形態のハニカム構造体の製造方法において、コージェライト化原料、バインダ、界面活性剤、水、及び吸水性樹脂を混合する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、プレミキシング等の方法を挙げることができる。特に、吸水性樹脂については、予め吸水させてから(所定の程度まで吸水させても吸水倍率まで吸水させても可)他の原料と混合してもよく、乾燥状態のまま他の原料と混合しながら吸水させてもよいが、後者の方が工程が簡便となる点で好適である。そして、上記混合を行ったものを混練して坏土を形成する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ニーダー、真空土練機等を用いて混練することができる。
【0029】
(成形)
次に、得られた坏土を、ハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製する。ハニカム成形体は、得られた坏土を、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金とそれに応じた目開きのスクリーンを用いて、押出成形することにより作製することが好ましい。押出圧力は、押出金型が変形するのを防ぐため、著しく上昇しないのが好ましい。ハニカム成形体は、焼成してハニカム構造体を形成したときに後述する条件のハニカム構造体が得られるように、作製することが好ましい。
【0030】
(乾燥)
次に、得られたハニカム成形体を乾燥させることが好ましい。乾燥の方法は特に制限はなく、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥法を用いることができる。中でも、成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
【0031】
(仮焼)
次に、ハニカム成形体を焼成する前に仮焼することが好ましい。「仮焼」とは、ハニカム成形体中の有機物(バインダ、吸水性樹脂等)を燃焼させて除去する操作を意味する。一般に、バインダ(有機バインダ)の燃焼温度は100〜300℃程度、吸水性樹脂の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼温度は200〜1000℃程度とすればよい。仮焼時間としては特に制限はないが、通常は、10〜100時間程度である。
【0032】
(焼成)
次に、ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を作製する。焼成により、ハニカム成形体のセラミック原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保することができる。コージェライト化原料の焼成条件(温度、時間)としては、1350〜1440℃で、3〜10時間程度焼成することが好ましい。前述の仮焼と焼成は、連続した工程とすることも、時間的効率、エネルギー効率の面で好ましい。
【0033】
本発明のハニカム構造体の製造方法によって製造されるハニカム構造体の形状は、特に制限されないが、例えば、円筒状、四角柱状、三角柱状、その他角柱状等を挙げることができる。
【0034】
また、ハニカム構造体のセル形状(ハニカム構造体の中心軸方向(セルが延びる方向)に対して垂直な断面におけるセル形状)としては、特に制限はなく、例えば、四角形、六角形、三角形等を挙げることができる。また、ハニカム構造体内で単一のセル形状である必要はなく、例えば、四角形と八角形を互いに組み合わせて構成することも好ましい実施態様である。
【0035】
得られるハニカム構造体の隔壁の気孔率は、40%(体積%)未満であり、15%以上、40%未満であることが好ましく、20〜39%であることが更に好ましく、22〜38%であることが特に好ましい。隔壁の気孔率を40%未満とすることにより、ハニカム構造体の強度を強く維持することができる。隔壁の気孔率が40%以上であると、ハニカム構造体の強度が低下するため好ましくない。一方、15%未満では、触媒のコータビリティが不足する。なお、気孔率は、水銀ポロシメーターにより全細孔容積を測定し、コージェライトの真比重を用いて算出した。隔壁の気孔率は、ハニカム構造体の製造時に、コージェライト化原料の平均粒子径、吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径、及び吸水性樹脂の吸水倍率を、上記各説明のように調節することにより40%未満とすることができる。
【0036】
得られるハニカム構造体の隔壁の厚さは、35〜260μmであることが好ましく、38〜250μmであることが更に好ましく、40〜240μmであることが特に好ましい。隔壁の厚さをこのような範囲とすることにより、本願の目的である成形性向上効果が最大限に得られる。隔壁の厚さが35μmより薄いと、ハニカム構造体の強度が低下することがあり、260μmより厚い場合にも、本実施形態のハニカム構造体の製造方法は適用可能であるが、斯かる場合は、本来原料粒子の押出金型への詰まりのリスクが小さいので、その点での効果は減少する。また、必要以上に隔壁を厚くすることは、圧力損失増加、熱容量増加、担体質量増加等を生じさせる点からも、好ましくない。隔壁の厚さは、ニコン社製、画像測定機NEXIVにより測定した値である。
【0037】
得られるハニカム構造体は、隔壁の平均細孔径が、2〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることが更に好ましい。細孔径の小さな細孔が多すぎると、触媒を担持させた場合等に塞がれてしまう細孔が多くなり過ぎ、圧力損失の増加を招き好ましくなく、細孔径の大きな細孔が多過ぎると、ハニカム構造体の強度が低下するため好ましくない。平均細孔径は、水銀ポロシメーターによる体積基準におけるメディアン細孔直径の値とした。
【0038】
得られるハニカム構造体のセル密度は、特に制限されないが、15〜240セル/cmであることが好ましく、45〜190セル/cmであることが更に好ましい。
【0039】
得られるハニカム構造体の隔壁に触媒を担持することが好ましい。担持する触媒としては、三元触媒、酸化触媒、NOトラップ触媒、SCR触媒等を挙げることができる。
【0040】
本発明のハニカム構造体の製造方法は、目封止を設けない触媒コート用担体、DPF等の製造に適用可能である。これらの中では、DPFは一般に隔壁が厚い場合が多いのに対し、目封止を設けない触媒コート用担体として用いられるハニカム構造体は、一般に隔壁が薄い(押出金型のスリット幅が狭い)ため、本発明を、当該目封止を設けない触媒コート用担体の製造に適用した場合に、より顕著な成形性向上効果を得ることができる。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
(実施例1)
コージェライト化原料として、平均粒子径10μmのタルク、平均粒子径6μmのカオリン、平均粒子径2μmのアルミニウム酸化物(Al)(アルミナ源原料)、及び平均粒子径4μmのシリカを、タルク40質量%、カオリン40質量%、アルミニウム酸化物19質量%、及びシリカ1質量%となるように混合したものを使用した。コージェライト化原料100質量部に、分散媒として水33質量部、乾燥状態の吸水性樹脂0.01質量部、バインダとしてメチルセルロース5質量部、及び界面活性剤であるラウリン酸カリ石鹸を0.5質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。吸水性樹脂としては、吸水倍率が2倍で、吸水後の平均粒子径が2μmのものを用いた。混合、混練はシグマニーダで行い、さらに真空土練機による混練を行って円筒状(70mmφ)に押し出された坏土を得た。
【0043】
得られた坏土を、ラム式押し出し成形機を用いて押出成形し、セル断面形状が四角形で、全体の形状が円筒形のハニカム成形体を作製した。
【0044】
次に、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥法と熱風乾燥法との組み合わせで乾燥させた。なお、誘電乾燥法と熱風乾燥法の組合せ等でもよい。
【0045】
次に、乾燥させたハニカム成形体を焼成することによってハニカム構造体を得た。焼成条件は、最高温度1350〜1440℃とした。
【0046】
得られたハニカム構造体は、直径70mm、中心軸方向長さ100mmの円筒形であり、セル構造が、隔壁の厚さ150μm(6ミリインチ)及びセル密度930キロセル/平方メートル(600セル/平方インチ)であり、隔壁の平均細孔径6μmであった。
【0047】
得られたハニカム構造体について、又はハニカム構造体の製造過程において、以下に示す方法で、「成形時の隔壁欠け」、「押出圧力上昇」、「焼成切れ」、「寸法バラツキ」、「気孔率バラツキ」、「圧縮強度」、「アイソ強度」及び「平均粒径比」を確認した。結果を表2に示す。
【0048】
(成形時の隔壁欠け)
成形時の隔壁欠けは、ハニカム成形体について目視で確認し、隔壁の欠陥が無い場合を隔壁欠け「無」、隔壁の欠陥が有る場合を隔壁欠け「有」とする。
【0049】
(押出圧力上昇)
押出圧力上昇は、押出成形時の押出圧力について、通常の押出圧力に対する圧力上昇の有無を確認した。通常の押出圧力に対して、1割以上の圧力上昇がある場合を押出圧力上昇「有(大)」、5分以上1割未満の圧力上昇がある場合を押出圧力上昇「有(小)」とし、圧力上昇が無いか、又は5分未満の圧力上昇がある場合を押出圧力上昇「無」とする。「通常の押出圧力」とは、中実あるいは中空粒子、吸水性樹脂等の造孔材を用いない場合の押出圧力をいう。
【0050】
(焼成切れ)
焼成切れは、ハニカム構造体について目視で確認し、亀裂が無い場合を焼成切れ「無」、亀裂が有る場合を焼成切れ「有」とする。
【0051】
(寸法バラツキ)
寸法バラツキは、ハニカム構造体(N=100)についてノギスで確認し、平均値からのバラツキが±4σの範囲内の場合を寸法バラツキ「小」、±4σの範囲を超える場合を寸法バラツキ「大」とする。σは「標準偏差」のことである。
【0052】
(気孔率)
気孔率は、マイクロメリティックス社製、水銀圧入式ポロシメータ「Autopore 9500」により測定した全細孔容積から算出した。このとき、コージェライトの真比重を2.52とした。
【0053】
(気孔率バラツキ)
気孔率バラツキは、ハニカム構造体(N=100)について測定した気孔率について、仕様を十分に満足するバラツキとして、平均値に対して±1%の範囲内を合格とした。
【0054】
(圧縮強度)
圧縮強度は、ハニカム構造体から、直径1インチ(2.54cm)、長さ1インチの円筒形の試料を切り出して、オートグラフにより流路方向(セルの延びる方向)の圧縮強度を測定する。試料は、隔壁欠け、焼成切れ、等の欠陥が存在しない部分から切り出し採取した。ロードセルは25kN、加重速度は0.5mm/分とする。圧縮強度は、隔壁の厚さ150μm(6ミリインチ)、セル密度930キロセル/平方メートル(600セル/平方インチ)であれば10MPa以上を合格、隔壁の厚さ90μm(3.5ミリインチ)、セル密度1395キロセル/平方メートル(900セル/平方インチ)であれば5MPa以上を合格とした。
【0055】
(アイソスタティック(アイソ)強度)
フレキシブルチューブ内にハニカム構造体を挿入し、水圧による均等圧を掛け、部分破壊を生じた圧力を測定した。測定結果は、実施例1で得られたハニカム構造体についての測定値を100として、相対表示した。尚、アイソスタティック強度の測定は、ハニカム構造体全体を用いて行うため、ハニカム構造体内の欠陥の有無及びその頻度・程度も、測定結果に影響する。
【0056】
(平均粒径比)
コージェライト化原料のなかの平均粒子径が10μmを超えるものについての平均粒子径(B)に対する、吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径(A)の比(A/B)を平均粒径比として算出する。尚、表2のB(μm)の欄においては、平均粒子径が10μmを超える成分について、その平均粒子径を表している。例えば、「14(シリカ)」の表示は、平均粒子径が10μmを超える成分がシリカであり、その平均粒子径が14μmであることを示す。また、平均粒子径が10μmを超える成分が複数存在する場合は、複数の成分について表示している。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
(実施例2〜14)
吸水性樹脂として表1に示す吸水倍率及び吸水後平均粒径のものを用い、吸水性樹脂配合量及び水配合量を表1に示す量とし、コージェライト化原料として、表1に示す平均粒径のタルク、カオリン、アルミニウム酸化物及びシリカを用い、表1に示すセル構造とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。尚、実施例2及び7については、コージェライト化原料中にはシリカを配合していない。また、表1の「セル構造」の欄は、[隔壁の厚さ(mm)]/[セル密度(kセル/m)]を示している。ここで、「kセル」は「キロセル」を意味する。
【0060】
得られたハニカム構造体について、又はハニカム構造体の製造過程において、上記方法で、「成形時の隔壁欠け」、「押出圧力上昇」、「焼成切れ」、「寸法バラツキ」、「気孔率」、「気孔率バラツキ」、「圧縮強度」、「アイソ強度」及び「平均粒径比」を確認した。結果を表2に示す。
【0061】
(比較例1,2,5〜9)
吸水性樹脂として表1に示す吸水倍率及び吸水後平均粒径のものを用い、吸水性樹脂配合量及び水配合量を表1に示す量とし、コージェライト化原料として、表1に示す平均粒径のタルク、カオリン、アルミニウム酸化物及びシリカを用い、表1に示すセル構造とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。尚、比較例6及び7については、コージェライト化原料中にはシリカを配合していない。
【0062】
得られたハニカム構造体について、又はハニカム構造体の製造過程において、上記方法で、「成形時の隔壁欠け」、「押出圧力上昇」、「焼成切れ」、「寸法バラツキ」、「気孔率」、「気孔率バラツキ」、「圧縮強度」、「アイソ強度」及び「平均粒径比」を確認した。結果を表2に示す。
【0063】
(比較例3)
吸水性樹脂の代わりに中実粒子を用い、中実粒子配合量及び水配合量を表1に示す量とし、コージェライト化原料として、表1に示す平均粒径のタルク、カオリン、アルミニウム酸化物及びシリカを用いた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。中実粒子としては、平均粒子径30μmのPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)を用いた。
【0064】
得られたハニカム構造体について、又はハニカム構造体の製造過程において、上記方法で、「成形時の隔壁欠け」、「押出圧力上昇」、「焼成切れ」、「寸法バラツキ」、「気孔率」、「気孔率バラツキ」、「圧縮強度」、「アイソ強度」及び「平均粒径比」を確認した。結果を表2に示す。
【0065】
(比較例4)
吸水性樹脂の代わりに中空粒子を用い、中空粒子配合量及び水配合量を表1に示す量とし、コージェライト化原料として、表1に示す平均粒径のタルク、カオリン、アルミニウム酸化物及びシリカを用いた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。中空粒子としては、平均粒子径50μmの発泡樹脂を用いた。
【0066】
得られたハニカム構造体について、又はハニカム構造体の製造過程において、上記方法で、「成形時の隔壁欠け」、「押出圧力上昇」、「焼成切れ」、「寸法バラツキ」、「気孔率」、「気孔率バラツキ」、「圧縮強度」、「アイソ強度」及び「平均粒径比」を確認した。結果を表2に示す。
【0067】
表1,2より、実施例1〜12のハニカム構造体の製造方法では、成形時の隔壁欠け、押出圧力上昇及び焼成切れは、いずれも生じなかったことがわかる。実施例13のハニカム構造体の製造方法では、押出圧力上昇が若干生じたが、同じセル構造(押出口金のスリット構造が同じ)の比較例9に比して極小さなものであり実質的には問題のないものであった。また、実施例1〜14のハニカム構造体の製造方法では、気孔率は40%以下であり、寸法バラツキ及び気孔率バラツキはいずれも小さく、圧縮強度及びアイソ強度は高い値を維持していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のハニカム構造体の製造方法は、自動車の排ガスに含有されるNO、CO及びHC等を、担持した触媒等により吸着・吸収するために用いるハニカム構造体を製造するために利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径0.1〜40μmのタルク、平均粒子径0.1〜20μmのカオリン、及び平均粒子径0.05〜10μmのアルミナ源原料を含有するコージェライト化原料、バインダ、界面活性剤、水、並びに吸水後の平均粒子径が2〜200μm、且つ吸水倍率が2〜100倍の吸水性樹脂を含有する坏土をハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製し、前記ハニカム成形体を焼成して気孔率40%未満のハニカム構造体を得るハニカム構造体の製造方法。
【請求項2】
前記坏土が、前記コージェライト化原料100質量部に対して、前記吸水性樹脂を0.01〜20質量部含有する請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項3】
前記ハニカム構造体の隔壁の厚さが、35〜260μmである請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項4】
前記吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径が、前記ハニカム構造体の隔壁の厚さの90%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項5】
平均粒子径が10μmを超える前記コージェライト化原料のなかの少なくとも1種についての平均粒子径に対して、前記吸水性樹脂の吸水後の平均粒子径が、0.1〜20倍である請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項6】
前記コージェライト化原料が、平均粒子径0.1〜20μmのシリカを更に含有する請求項1〜5のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。

【公開番号】特開2009−241343(P2009−241343A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89353(P2008−89353)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】