説明

ハロホスホラン及びその製造

本発明は、一般式(I)の化合物の製造方法に関する。一般式(I)の化合物は、ホスホラン触媒、特にビスホスホラン触媒の製造のための有利な前駆体である。本発明は従って同様に、これらの触媒の製造のための、前記物質の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)
【化1】

の化合物の製造方法に関する。
【0002】
一般式(I)の化合物は、ホスホラン触媒、特にビスホスホラン触媒の製造のための有利な前駆体である。本発明は従って同様に、かかる化合物、及び、これらの触媒の製造のためのこの物質の使用をも提供する。
【0003】
エナンチオマー濃縮したキラルリガンドは、非対称合成及び非対称触媒作用において使用される。ここで本質的な因子は、リガンドの電子的な特性及び立体化学的特性が、この特定の触媒作用の課題に対して最適に適合されることである。このクラスの化合物の成功の重要な観点は、これらのリガンド系による金属中心の特に非対称な環境の作製に寄与される。キラリティの効率的な移行のためにこのような環境を利用するために、この非対称誘導の固有の制限として、このリガンド系の柔軟性を制御することが有利である。
【0004】
リン含有リガンドの物質クラス内では、環式ホスフィン、特にホスホランが、特別な意義を達成する。二座のキラルホスホランは、例えば、非対称触媒作用において使用されるDuPhos及びBPEリガンドである。理想的な場合には、しかしながら、様々に修飾可能なキラルリガンドテンプレートが利用可能であり、前記テンプレートは、その立体的かつ電子的な特性に関して幅広い範囲内で変動されることができる。
【0005】
例えば、二座のキラルホスホランの製造は一般的には、完成したホスホラン単位と触媒骨格との反応により実施される(WO2005/049629; EP1490379; DE102005014055)。この文脈における成功した方法は、リン原子上でトリアルキルシリル置換したホスホランでもって作用し、これは、相応してハロゲン置換した骨格化合物と反応し、例えば次のスキームにより反応する:
【化2】

【0006】
更なる経路は、芳香族−(PH22化合物の反応であり、これは、塩基性触媒作用下で、以下の種類の化合物と反応する(EP0592552, US5329015)。
【化3】

【0007】
説明した調整経路において、出発化合物は相応して、極めて良好な逃核性の脱離基を有する骨格化合物(上記参照)であるか、又は、酸化−感受性のホスフィン置換された芳香族系が使用される。
【0008】
本発明の課題は、ホスホラン触媒の製造のための更なる方法を特定することであり、その際、製造すべき触媒は、特に簡易かつ穏和に得られるものである。先行技術の背景に対して、本発明による方法は、経済的な、そして環境保全的な観点から眺めた場合に有利であるように見えるものである。
【0009】
これらの、及び、詳細に記載されないが、先行技術から明白な更なる課題は、請求項1の主題の特徴を有する方法により解決される。本方法の有利な実施態様は、請求項1に従属する従属請求項に説明される。請求項5は、請求項6にかかる本発明による使用において使用される新規ホスホランに関する。
【0010】
一般式(I)
【化4】

[式中、
*は、立体中心であり、
X=Cl、Br、I、特に有利にはCl、
1、R4は、それぞれ独立して、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、HO−(C1〜C8)−アルキル、(C2〜C8)−アルコキシ−アルキル、(C6〜C18)−アリール、(C7〜C19)−アラルキル、(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C4〜C19)−ヘテロアラルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C6〜C18)−アリール、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、(C3〜C8)−シクロアルキル−(C1〜C8)−アルキル、
2、R3はそれぞれ独立して、R1、OH、又はH、又はR1及びR2及び/又はR2及びR3及び/又はR3及びR4、又はR1及びR3及び/又はR1及びR4は、一緒になって(C3〜C5)−アルキレン橋を形成する]
の化合物を製造するための方法において、
一般式(II)
【化5】

[式中、*、R1、R2、R3、R4はそれぞれ上記で定義したとおりであり、
かつR、R′、R″は、それぞれ独立してR1であってよい]
の化合物と、炭素原子とハロゲン原子の比が1:≧2.5である二重結合不含のハロ炭素化合物、特に塩素炭素化合物、CCl3CN、CCl3COOEt、CCl(3-x)xC(=O)Cl、C2Cl4Br2、Cl2、Br2、I2からなる群から選択されたハロゲン化化合物とを反応させることにより、ホスホラン触媒の製造への経路にある中間体(I)が、これは、例えば、金属化された芳香族化合物からの合成の開始を可能にするが、意外にも簡易な、にもかかわらず有利な様式で得られる。前記芳香族化合物は、脱プロトン、金属−ハロゲン交換、又はオルト金属化により単純な様式で得られることができる(Organometallics in Synthesis. A Manual, 第2版, Wiley 2002, 第1章, 編者 Manfred Schlosser)。この主題となる方法は従って、先行技術と比較して効果的に逆転された極性を有する様式において当該ホスホラン触媒の調整の可能性を提供する。従って、簡易な様式で、冒頭部で詳説された反応条件によっては得られない新規のホスホランリガンド構造を調整することが可能である。
【0011】
有利な様式においては、CCl4、CHCl3、C2Cl6,C2HCl5、C2Cl4Br2、Cl2、Br2、I2からなる群からのハロゲン化された、特に塩素化された化合物が、本発明による方法において使用される。これらは、当該反応のために特に極めて適している。この文脈において傑出して有利なのは、C2Cl6の使用である。
【0012】
この思い浮かべられる反応は、本目的のために、当業者によって使用できると考慮される任意の有機溶媒中で実施されてよい。この溶媒はしかしながら、本発明による方法に関して不活性であることが証明され、かつ、更に、本発明による方法が、実質的に最適に進行することを可能にすることが望ましい。この文脈において、本発明による合成工程を含む触媒の製造のための全体的な方法中に直接的に組み込まれることができる溶媒が、特に有利である。この文脈において、有利な溶媒は、ハロゲン化溶媒、例えばCHCl3又はCH2Cl2からなる群から選択される。当業者は、この反応条件下で、存在するにしてもごく僅かの、極めてわずかな程度にのみ自体がハロゲン化されている溶媒を選択するものである。適当な場合には、溶媒の使用は断念されてよく、又は、溶媒は、同時にハロゲン化剤である。
【0013】
本発明による反応は、当業者によって決定されることができる温度範囲内で進行することができる。この反応は最大の変換率が保証される温度で進行するが、しかしながら他方では、副生成物の形成が大幅に抑制されることが保証されることが望ましい。有利には、この反応は、0〜120℃、有利には20〜80℃、最も有利には30〜50℃の温度で実施される。
【0014】
本発明は同様に、一般式(I)
【化6】

[式中、
*は、立体中心であり、
X=Cl、Br、I、特に有利にはCl、
1、R4は、それぞれ独立して、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、HO−(C1〜C8)−アルキル、(C2〜C8)−アルコキシ−アルキル、(C6〜C18)−アリール、(C7〜C19)−アラルキル、(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C4〜C19)−ヘテロアラルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C6〜C18)−アリール、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、(C3〜C8)−シクロアルキル−(C1〜C8)−アルキル、
2、R3はそれぞれ独立して、R1、OH、又はH、又はR1及びR2及び/又はR2及びR3及び/又はR3及びR4、又はR1及びR3及び/又はR1及びR4は、一緒になって(C3〜C5)−アルキレン橋を形成する]
の化合物を提供する。
【0015】
本発明は同様に、ホスホラン触媒、特にビスホスホラン触媒を調整するための、一般式(I)の化合物の使用を提供する。有利には、これらの触媒は、以下の種類の副次構造(substructure)を含有する:
【化7】

(ドナー=供与結合を形成する意味合いを有する原子、例えばNR2、OR、SR、PR2、その他)。
【0016】
例えば以下の構造の、ビスホスホランリガンド、特にビスホスホランの調整のための一般式(I)の化合物の使用が特に有利である。
【0017】
【化8】

【0018】
本発明の化合物、例えば、Hal=Clである一般式(I)の本発明の化合物を調整するためには、この手段は、Appel et al .(Chem. Ber. 1977, 110, 376-378) により説明された方法に類似する。この終わりに、リン原子でシリル置換した適したホスホラン(WO 2003084971, WO 2005049629)が、ハロゲン化剤、有利にはC2Cl6と、不活性な有機溶媒中で混合され、かつ、穏和に加熱される。この反応が完了したら、この溶媒は、減圧下で留去されることができ、かつこの残存する残留物は精製の目的のために蒸留されることができる。引き続き、このハロホスホラン、例えば、Hal=Clである一般式(I)のハロホスホランは、金属化された芳香族化合物と、やはり不活性である有機溶媒中で反応されることができる。この後処理は、調整された化合物の種類により導かれ、かつ、当業者に知られた方法、例えば抽出、蒸留又は結晶化を含む。
【0019】
当業者は、同様にブロモホスホランを、調整かつ反応させることができる。この終わりに、Br2又はBrCl2CCCl2Brは、臭素化剤として使用される。ヨードホスホランは、類似に、I2の使用により得られ、同じ条件下で単離され、かつ更に反応されることができる。
【0020】
本発明による方法は、例えば、金属化された芳香族化合物から出発して、特に簡易にかつ高い収率でビスホスホラン触媒が製造されることを可能にする。金属化芳香族化合物は、有機金属化学の古典的な方法により容易に調整されることができる(Organometallics in Synthesis. A Manual, 第2版,Wiley 2002, 第1章, 編者:Manfred Schlosser)。逐次的な金属化及び一般式(I)のハロホスホラン又は他のハロホスフィン誘導体との反応は従って、適当に、二座の、非対称に置換されたホスフィン−ホスホラン触媒が調整されることをも可能にする(DE102005014055)。更に、単一金属化化合物の使用により、一つのみのホスホラン及び他のドナー原子(例えば、N、S、O)を有するリガンドが、初めて、極めて簡易に調整されることが可能になる。
【0021】
(C1−C8)−アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル、又はこれらの全種の結合異性体を含むものであると解されるべきである。(C1−C8)−アルコキシ基は(C1−C8)−アルキル基に相応するが、但し分子に酸素原子を介して結合している。
(C2−C8)−アルコキシアルキルは、アルキル鎖が、2個の酸素原子が互いに結合していなくてよい少なくとも1個の酸素官能基で中断された基を意味する。炭素原子数は、その基に含まれる炭素原子の全数を規定する。(C3−C5)−アルキレン橋は、3〜5個の炭素原子を有する炭素鎖であり、その鎖は分子に2個の異なる炭素原子を介して結合している。先行する段落中で説明された基は、ハロゲン及び/又は窒素−、酸素−、リン−、硫黄−、ケイ素含有基によって一回又は複数回置換されていてよい。これらの基は、特に、1個以上のこれらのヘテロ原子をその鎖中に含有するか又は分子にこれらのヘテロ原子の1個を介して結合する上述の型のアルキル基である。
【0022】
(C3〜C8)−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル残基、その他を意味すると解される。これらは、1個以上のハロゲン及び/又は窒素−、酸素−、リン−、硫黄−、ケイ素含有基によって置換されていてよく、かつ/又は窒素、酸素、リン、硫黄原子を環中に有していてよく、例えば1−、2−、3−、4−ピペリジル、1−、2−、3−ピロリジニル、2−、3−テトラヒドロフリル、2−、3−、4−モルホリニルである。
【0023】
(C3−C8)−シクロアルキル−(C1−C8)−アルキル基は、この分子に上述のアルキル基を介して結合する上述のシクロアルキル基を示す。
【0024】
本発明の文脈内においては、(C1−C8)−アシルオキシは、最高で8個の炭素原子を有し、かつこの分子にCOO官能基を介して結合する上述のアルキル基を意味する。
【0025】
本発明の文脈内においては、(C1−C8)−アシルは、最高で8個の炭素原子を有し、かつこの分子にCO官能基を介して結合する上述のアルキル基を意味する。
【0026】
(C6−C18)−アリール基は、6〜18個の炭素原子を有する芳香族基を意味すると解される。特に、これは、化合物、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ビフェニル基、又は、この分子に縮合した上述した種類の系、例えばインデニル系を含み、これらは、場合により、ハロゲン、(C1〜C8−アルキル)、(C1〜C8)−アルコキシ、NH2、NH(C1〜C8)−アルキル、N((C1〜C8)−アルキル)2、OH、CF3、NH(C1〜C8)−アシル、N((C1〜C8)−アシル)2、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アシルオキシにより置換されていてよい。
【0027】
(C7−C19)−アラルキル基は、この分子に(C1−C8)−アルキル基を介して結合する(C6−C18)−アリール基である。
【0028】
本発明の文脈内においては、(C3−C18)−ヘテロアリール基は、ヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄を環中に有する、3〜18個の炭素原子を有する5ー、6−又は7員の芳香族環系を示す。かかる複素環式芳香族化合物は、特に、1−、2−、3−フリル、例えば1−、2−、3−ピロリル、1−、2−、3−チエニル、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、6−、7−インドリル、3−、4−、5−ピラゾリル、2−、4−、5−イミダゾリル、アクリジニル、キノリニル、フェナントリジニル、2−、4−、5−、6−ピリミジニルのような基であると解される。前記基は、上述したアリール基と同じ基によって置換されていてよい。
【0029】
(C4−C19)−ヘテロアラルキルは、(C7−C19)−アラルキル基に相応の複素芳香族系を意味すると解される。
【0030】
好適なハロゲン(Hal)は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。
【0031】
PEGは、ポリエチレングリコールを意味する。
【0032】
N−アシル基は、アミノ酸化学において、窒素原子の保護のために一般的に慣用される保護基を意味するものと解される。特定の例は、ホルミル、アセチル、Moc、Eoc、フタリル、Boc、Alloc、Z、Fmocその他を含む。
【0033】
逃核性の脱離基は、ハロゲン原子、特に塩素又は臭素、又はいわゆる偽ハロゲン化物(pseudohalide)を意味するものと実質的に理解される。更なる脱離基は、トシル、トリフラート、ノシラート、メシラートであってよい。
【0034】
本発明の文脈内において、エナンチオマー濃縮した又はエナンチオマー余剰との用語は、その光学的対掌体を有する混合物中での1つのエナンチオマーの、>50%〜<100%の範囲内の割合を意味すると解される。このee値は以下のように計算される:
([エナンチオマー1]−[エナンチオマー2])/([エナンチオマー1]+[エナンチオマー2])=ee値。
【0035】
本発明の文脈内において、本発明の錯体及びリガンドの説明は、全ての可能性のあるジアステレオマーを含み、かつ、特定のジアステレオマーの2つの光学的対掌体をも含むものである。
【0036】
本文献中で引用された参照文献は、開示において含まれるものと解される。
【0037】
逃核性の脱離基は、ハロゲン原子、特に塩素又は臭素、又はいわゆる偽ハロゲン化物を意味すると実質的に理解される。更なる脱離基は、トシル、トリフラート、ノシラート、メシラートであってよい。
【0038】
実施例:
【化9】

【0039】
還流凝縮器を備えた三口フラスコに、abs.ジクロロメタン80ml中のヘキサクロロヘキサン12.57g(53mmol)の溶液を初期装入した。撹拌しながら、ジクロロメタン60ml中の1当量(10.0g)のトリメチルシリルホスホランの溶液を滴加により添加した。この操作の間に、この反応混合物は、沸騰まで加熱した。この反応混合物を、更なる半時間沸騰まで加熱し、かつ、この溶媒及び形成されるテトラクロロエチレンを、穏和な真空下での蒸留により除去した(400mbar)。この残りの残留物を次いで蒸留し、無色の液体(b.p.100=85〜95℃、71%)5.7gを得た。
【0040】
NMR:1H NMR(THF−d8):1.20(3H,d,CH3),1.25(3H,d,CH3),1.20−2.65(6H,m,CH+CH2)[詳細な構造は決定せず];13C NMR(THF−d8):14.0(CH3,br),19.1(CH3,br),36.4((CH22,d),41.8(CH−P,br),46.4(CH−P,br);31P NMR(THF−d8):+143.4ppm。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、
*は、立体中心であり、
X=Cl、Br、I、
1、R4は、それぞれ独立して、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、HO−(C1〜C8)−アルキル、(C2〜C8)−アルコキシ−アルキル、(C6〜C18)−アリール、(C7〜C19)−アラルキル、(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C4〜C19)−ヘテロアラルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C6〜C18)−アリール、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、(C3〜C8)−シクロアルキル−(C1〜C8)−アルキル、
2、R3はそれぞれ独立して、R1、OH、又はH、又はR1及びR2及び/又はR2及びR3及び/又はR3及びR4、又はR1及びR3及び/又はR1及びR4は、一緒になって(C3〜C5)−アルキレン橋を形成する]
の化合物の製造方法であって、一般式(II)
【化2】

[式中、*、R1、R2、R3、R4はそれぞれ上記で定義したとおりであり、
R、R′、R″は、それぞれ独立してR1であってよい]
の化合物が、炭素原子とハロゲン原子の比が1:≧2.5である二重結合不含のハロ炭素化合物、CCl3CN、CCl3COOEt、CCl(3-x)xC(=O)Cl、C2Cl4Br2、Cl2、Br2、I2からなる群から選択されたハロゲン化化合物と反応されることを特徴とする、一般式(I)の化合物の製造方法。
【請求項2】
CCl4、CHCl3、C2Cl6、C2HCl5、C2Cl4Br2、Cl2、Br2、I2からなる群からの塩素化された化合物が使用されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
反応が、CH2Cl2、CHCl3からなる群から選択される有機溶媒中で実施されることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
反応が、0〜120℃、有利には20〜80℃、最も有利には30〜50℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
一般式(I)
【化3】

[式中、
*は、立体中心であり、
X=Cl、Br、I、
1、R4は、それぞれ独立して、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、HO−(C1〜C8)−アルキル、(C2〜C8)−アルコキシ−アルキル、(C6〜C18)−アリール、(C7〜C19)−アラルキル、(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C4〜C19)−ヘテロアラルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C6〜C18)−アリール、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C18)−ヘテロアリール、(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1〜C8)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、(C3〜C8)−シクロアルキル−(C1〜C8)−アルキル、
2、R3はそれぞれ独立して、R1、OH、又はH、又はR1及びR2及び/又はR2及びR3及び/又はR3及びR4、又はR1及びR3及び/又はR1及びR4は、一緒になって(C3〜C5)−アルキレン橋を形成する]
の化合物。
【請求項6】
ホスホラン触媒の製造のための請求項5記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−514825(P2009−514825A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538313(P2008−538313)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067050
【国際公開番号】WO2007/051679
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】