説明

ハンガー式検針装置

【課題】搬送手段が往復走行する方式のハンガー式検針装置にもかかわらず、移送手段の元位置への復帰後すぐに衣類を自動的に供給でき、生産性を向上させることができるハンガー式検針装置を提供すること。
【解決手段】ハンガー1に吊下げられた衣類2が通過する通路12の側方に配置され衣類中に残存する針を検知する検針機10と、通路内を往復走行する搬送手段20と、衣類2を通路12の入口側に供給する供給手段30と、供給手段から衣類2を受け取って搬送手段20へ渡す受渡手段40とを備え、受渡手段40は、通路12の入口側に設けられ搬送手段20へハンガー1を移動させる案内レール41と、案内レール41の上方に揺動可能に支承されハンガー1の移動に伴い揺動する揺動レバー42と、搬送手段20が入口側へ復帰したとき以外のときに揺動レバー42の前側への揺動を規制する規制部43とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫製後の衣服に残存する待ち針、虫ピン、ミシン針の破損片等を、衣服をハンガーに吊した状態で検出するハンガー式検針装置に関する。
【背景技術】
【0002】
縫製後の衣服は、ハンガーに吊下げられて次の作業工程に送られる。縫製後の衣服には、確率はきわめて低いものの待ち針、虫ピン、ミシン針の破損片等が残存することがあり、これを取除くために、これら金属を含んだ衣服を検出する必要がある。
【0003】
従来、検知装置としては、衣服を水平なテーブル上に載せ、この衣服をコンベア等で移動させながら金属を検出する検知装置が多用されている。しかしながら、この検知装置では、衣服をハンガーに吊下げた状態では金属の検出ができないという問題がある。
【0004】
他方、特許文献1には、ハンガーに吊下げた状態で金属の検出ができる「服飾品の検針装置」が開示されている。これは、ハンガー吊り状態の衣類を空気シリンダを利用した搬送手段により往復移動させ、往動時に検針ユニットを通過させて針を検知するものである。衣類が排出ラインへ排出されると、搬送手段は元位置まで復帰するという構成である。
【0005】
また、フィーダーで導入されたハンガー吊り状態の衣類を受け取って搬送手段の走行可動部のフック部に掛けるために垂直に上昇する受渡し機構が配置されている。これは、衣類を上方へ持ち上げた後に落としてフックに掛けるようにされている。
【特許文献1】実開平6−30122号公報(図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の「服飾品の検針装置」においては、往復走行する搬送手段により衣類を移動させる機構であり、搬送手段が一旦元位置に復帰した後、次の衣類を検針ユニットに供給するので、一般的に、作業効率が悪く、生産性が低下すると考えられている。
【0007】
そのうえ、ハンガーの供給が、受渡し機構の垂直上昇により、衣類を持ち上げて落とすという動作を経るので、その分の時間のロスが生じる。搬送手段の復帰後にすぐ衣類が供給されない場合が生じ得、作業効率が悪く、生産性が低下するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送手段が往復走行する方式のハンガー式検針装置にもかかわらず、搬送手段の元位置への復帰後すぐに衣類を自動的に供給でき、生産性を向上させることができるハンガー式検針装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るハンガー式検針装置は、ハンガーに吊下げられた衣類が通過する通路の側方に配置した検針機と、前記通路内を往復走行する搬送手段と、前記衣類を前記通路の入口側に供給する供給手段と、該供給手段から前記衣類を受け取って前記搬送手段へ渡す受渡手段とを備えたハンガー式検針装置であって、前記受渡手段は、前記通路の入口側に設けられ前記搬送手段へ前記ハンガーを移動させる案内レールと、該案内レールの上方に揺動可能に支承され前記ハンガーの移動に伴い揺動する揺動レバーと、前記搬送手段が前記入口側へ復帰したとき以外のときに前記揺動レバーの前側への揺動を規制する規制部とを備えているところに特徴を有する。
【0010】
すなわち、これは、案内レール上をハンガー吊り状態の衣類が移動するときに、ハンガーの重さが揺動レバーを斜めにする。ここで、搬送手段が入口側へ復帰していないときに限り、規制部により揺動レバーが更に斜めになることを規制して、ハンガーの自重で揺動レバーが斜めになった状態に保持するものである。なお、通常は揺動レバーが何の規制もなく自由に揺動する。
【0011】
請求項2に係るハンガー式検針装置は、請求項1記載のハンガー式検針装置において、規制部は、出口側へ付勢され搬送手段が入口側に復帰したときに押しつけられる一方のシャフトと、該一方のシャフトに連動して前記復帰したときに揺動レバーの揺動経路上から待避する他方のシャフトとを備えているところに特徴を有する。
【0012】
すなわち、これは、一対のシャフトを設け、一方のシャフトを、搬送手段が入口側に復帰したときに入口側に押さえつけるように構成し、他方のシャフトを、これに連動して、揺動経路上から待避待避するように構成して、復帰時に揺動レバーの前側への揺動が解除するようにしたものである。これにより、衣類が円滑に搬送手段に供給される。
【0013】
請求項3に係るハンガー式検針装置は、請求項1又は2に記載のハンガー式検針装置において、案内レールは、揺動レバーの揺動を許容する開口を備える一対の支承杆を備え、揺動レバーは、該案内レールの開口に貫装するように垂下させた板状体からなるところに特徴を有する。
【0014】
すなわち、これは、案内レールを一対の支承杆により構成することにより、ハンガーの真下にかかる力がずれることを防止して、ハンガーの姿勢が斜めになることを防止する。さらに、支承杆の開口に板状体を貫装するように垂下させることで、揺動レバーがハンガーの移動に伴い揺動可能となり、規制されたときにハンガーの移動を確実にとめるようにするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明に係るハンガー式検針装置によれば、ハンガーに吊下げられた衣類が通過する通路の側方に配置した検針機と、前記通路内を往復走行する搬送手段と、前記衣類を前記通路の入口側に供給する供給手段と、該供給手段から前記衣類を受け取って前記搬送手段へ渡す受渡手段とを備え、前記受渡手段は、前記通路の入口側に設けられ前記搬送手段へ前記ハンガーを移動させる案内レールと、該案内レールの上方に揺動可能に支承され前記ハンガーの移動に伴い揺動する揺動レバーと、前記搬送手段が前記入口側へ復帰したとき以外のときに前記揺動レバーの前側への揺動を規制する規制部とを備えているので、ハンガー吊り状態の衣類は、搬送手段が入口側へ復帰したとき以外のときは案内レール上で待機するようにされる一方で、搬送手段が入口側へ復帰したときには供給するようにされ、搬送手段の往復走行にもかかわらず、搬送手段の元位置への復帰後すぐに衣類を自動的に供給でき、生産性を向上させることができるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項2の発明に係るハンガー式検針装置によれば、請求項1記載のハンガー式検針装置の奏する効果に加えて、規制部は、出口側へ付勢され搬送手段が入口側に復帰したときに押しつけられる一方のシャフトと、該一方のシャフトに連動して前記復帰したときに揺動レバーの揺動経路上から待避する他方のシャフトとを備えているので、搬送手段が入口側へ復帰したときに規制が解除されてハンガー吊り状態の衣類が供給され、搬送手段の往復走行にもかかわらず、搬送手段の元位置への復帰後すぐに衣類を自動的に供給でき、生産性を向上させることができるという効果を奏する。
【0017】
請求項3に係るハンガー式検針装置によれば、請求項1又は2に記載のハンガー式検針装置の奏する効果に加えて、案内レールは、揺動レバーの揺動を許容する開口を備える一対の支承杆を備え、揺動レバーは、該案内レールの開口に貫装するように垂下させた板状体からなるので、ハンガーの姿勢が斜めになることを防止することができ、ハンガーの搬送手段への供給を確実にし、かつ揺動レバーが規制されたときに確実にハンガーを待避状態にすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。図1は、本発明に係るハンガー式検針装置の外観形状の一例を示す斜視図である。
【0019】
ハンガー式検針装置100は、縦長の検針機10を側方に配置した通路12を設け、ハンガー1に吊下げられた衣類2をハンガー吊り状態のままですべて通過させることにより衣類中に残存することのある針を検知するようにしたものである。
【0020】
その構成は、少なくとも、検針機10と、搬送手段20と、供給手段30と、受渡手段40とを備えている。なお、検針機10を通過した衣類2を移送する排出手段50と、排出手段50に設けられていて針が検知されたハンガー吊り状態の衣類2を仕分ける仕分手段60と、これらを制御する制御手段70とを備えている。
【0021】
検針機10は、公知の技術であって、衣服2内に残存する針等の金属を検知するものである。縦長のものを使用し、衣類2を表側と裏側から検針できるように、所定間隔を有して通路12の両側に配置してある。
【0022】
これにより、ハンガー吊り状態の衣服2が通路12内を通過する間に検針するようにしてある。通路12には、搬送レールを設けて通路12内を往復走行する搬送手段20を設けてある。
【0023】
搬送手段20は、空圧式ロッドレスシリンダを利用したものであり、フック部21を有する走行可動部がレールに沿って往復走行するように構成してある。フック部21に掛けられた衣類2は、走行可動部の走行により通路12内を通過し、この間に検針機10,10により検針される。
【0024】
通路12の入口12a側には衣類2を供給するための供給手段30を配置し、供給手段30から受渡手段40へハンガー吊り状態の衣類2を供給するようにしてある。
【0025】
供給手段30は、モータMで回転する螺旋状のフィーダー31を地平線と略平行に配置して、衣類2がフィーダー31の回転に伴って先端方向に移動するようにしてあり、フィーダー31の先端部側に設けられたスクリュー部32で受渡手段40に供給される。
【0026】
受渡手段40は、搬送手段20が入口12a側に復帰したときにハンガー吊り状態の衣類2を搬送手段20へ受渡しをするものである。ただし、搬送手段20が入口12a側に復帰していないときには、待機位置で待機するようにするものである。
【0027】
制御手段70は、中央演算処理装置がインストールされたプログラムを実行することにより、上記制御とともに検針機10により衣服2から針等が検知されたとき制御等も行うようにしてある。制御手段70は、通路12の入口12a側の下方に設けてある。
【0028】
図2は、この光電センサー71〜73の配置と、実施例の検針装置100の受渡手段40を示す拡大図である。受渡手段40は、図2に示すように、案内レール41と、揺動レバー42と、規制部43とを備えている。
【0029】
案内レール41は、ハンガー1を搬送手段20のフック部21へ案内するものである。通路12の上方に案内レール41を吊設するアングル211を設け、アングル211を介してスクリュー部32の下方からフック部21の上方まで傾斜する一対の円柱状の支承杆241,241を設けて構成してある。
【0030】
支承杆241,241をハンガー1が滑落することで、フック部21への移動を案内する。この際の抵抗をできる限り低減すべく円柱状で細径としてある。支承杆241,241相互の間隔は、ハンガー1の吊輪部1aの幅と同等ないしはそれ以内に形成してある。
【0031】
この所定間隔を有する支承杆241,241の両端部のみを溶着し、中央部を溶着しないで、案内レール41の略中央部に揺動レバー42の揺動を許容する開口41aを有するようにしてある。開口41aは、揺動レバー42の揺動を許容する大きさである。
【0032】
揺動レバー42は、下方が案内レール41の開口41aに貫装するように垂下させた板状体からなり、中央部を入口12a側に設けたアングル212を介して支承してある。これにより、揺動レバー42は、ハンガー1の自重により斜めに傾き、さらにハンガー1の移動に伴い更に傾いてハンガー1が滑落し、揺動する。
【0033】
ハンガー1が滑落する先には、フック部21が存し、フック部21の側方には、規制部43を設けてある。
【0034】
規制部43は、搬送手段20が入口12a側へ復帰したとき以外のときに揺動レバー42の前側への揺動を規制するものである。規制部43は、一対のシャフト243,244を備えている。
【0035】
一対のシャフト243,244は、通路12の上方に搬送レールを跨いで吊設した取付具213を介して設けてある。シャフト243,244の出口側への突出部分に連結具245を設けて連結し、相互に連動するようにしてある。
【0036】
また、一対のシャフト243,244には、連結具245との間にバネ246,247を設けてある。これにより、シャフト243,244が、バネ246,247の弾発力に付勢された状態で入口12a側から出口側へ突出するようにしてある。
【0037】
シャフト243は、搬送手段20の搬送経路上に設けてあり、その出口側の端部がフック部21に当接するようにしてある。他方のシャフト244は、シャフト243より長く形成してあり、揺動レバー42の前側への揺動経路上に突出するように設けてある。
【0038】
他方のシャフト244は、揺動レバー42の経路上に突出して前側への揺動を規制し、連結具245の連結によりシャフト243が入口12a側に押しつけられたときにこれに連動し揺動レバー42の経路上から待避する長さとしてある。
【0039】
また、通路12の入口12a側には、制御手段70へ各種の検出信号を提供する複数の光電センサー71〜73を所定位置に設けてあり、制御手段70が、光電センサー71〜73からの信号を検出して、供給手段30のモータM及び搬送手段20を制御するようにしてある。
【0040】
光電センサー71〜73は、ハンガー1の待機状態か否かを検出する光電センサー71,71と、ハンガー1がフック部21に移載されたか否かを検出する光電センサー72,72と、搬送手段20の入口12a側への復帰したか否かを検出する光電センサー73,73とで構成してある。
【0041】
揺動レバー42は、その上方が光電センサー71,71を遮る位置関係としてあり、ハンガー1の待機状態か否かを検出することにも兼用する。また、通路12の上方には、フック部21にハンガー1が移載されると揺動するバランスウエイトを備えた移載確認レバー214を支承してあり、移載確認レバー214が光電センサー72,72を遮るようにしてある。
【0042】
さらに、規制部43には、シャフト243,244の入口側の端部に光電センサー73、73を遮る遮光部を設け、搬送手段20が入口12a側の元位置へ復帰したときに、遮光部が光電センサー73,73を遮るようにしてある。
【0043】
次に図3及び4をも参照して、ハンガー式検針装置100を用いた検針動作について説明する。図3は、搬送手段20が入口12a側に復帰した状態を示す図である。図4は、搬送手段20が入口12a側に復帰していないときの状態を示す図である。
【0044】
まず、制御手段70は、光電センサー72及び73の信号検出により、搬送手段20が入口12a側へ復帰した状態であって、かつ、ハンガー1がフック部21に存在する状態か否かを検出する。
【0045】
この条件の状態でない場合には、制御手段70は、供給手段30のモータMを動作させ、衣類2を通路12の入口12a側へ供給するように動作させる。供給手段30から供給される衣類2は、ハンガー1の吊環部分1aがスクリュー部32から案内レール41に渡されて移載される。
【0046】
案内レール41に渡された衣類2は、ハンガー1が案内レール41に移載され案内レール41上を滑落することで案内レール41上を移動する。このとき、衣類2は、揺動レバー42が揺動してハンガー1の滑落を阻止しないので、そのまま移動する。
【0047】
案内レール41上を滑落したハンガー1は、図3に示すように、フック部21に掛け渡される。このとき移載確認レバー214が斜傾して光電センサー72,72の遮光を解除する。光電センサー72,72の遮光が解除されたことを制御手段70が検知し、制御手段70は、搬送手段20を走行させる。
【0048】
搬送手段20が走行すると、図4に示すように、移載確認レバー214が元位置に戻り垂下状態となる。これとともに、フック部21で押さえつけられていたシャフト243がバネ246の弾発力により出口側へ突出した状態となる。
【0049】
シャフト243が突出するとともに、シャフト244も連動して突出し、揺動レバー42の前側への揺動経路を遮断する。衣類2が供給手段30からさらに供給されると、案内レール41を滑落し、揺動レバー42を前側へ斜めにする。
【0050】
このとき、バネ247の弾発力で出口側へ突出しているシャフト244に揺動レバー42が当接して規制される。すなわち、揺動レバー42がさらに斜めになってハンガー1を滑落させることを規制する。ハンガー1の自重で揺動レバー42が斜めになった状態を保持する。
【0051】
揺動レバー42が斜めになった状態を保持すると、光電センサー71,71の遮光が常に解除された状態となり、これを制御手段70が検出し、モータMの動作を停止させる。
【0052】
そして、搬送手段20が入口12a側へ戻ってくると、フック部21がシャフト243を付勢力に逆らって入口12a側へ押しつけ、元位置に復帰する。ここで、シャフト243に連動して他方のシャフト244が揺動レバー42の揺動経路上から待避される。
【0053】
他方のシャフト244が待避されると、揺動レバー42の前側への規制が解除され、ハンガー1の自重により揺動レバー42を更に斜めにし、ハンガー1が滑落してフック部21に移載される。
【0054】
移載後においては、上記と同様に、光電センサー72,72の遮光が解除されたことを制御手段70が検知し、制御手段70は、搬送手段20を走行させる。搬送手段20が走行すると、制御手段70は、モータMを動作させ、衣類2の連続供給を行う。
【0055】
以上説明したように、ハンガー式検針装置100によれば、受渡手段40を、案内レール41と、揺動レバー42と、規制部43とから構成したので、ハンガー吊り状態の衣類2を、搬送手段20が入口12a側へ復帰したとき以外のときは案内レール41上で待機するようにできる。
【0056】
他方、搬送手段20が入口12a側へ復帰したときには衣類2を供給するようにできる。これにより、搬送手段20の往復走行にもかかわらず、搬送手段20の元位置への復帰後すぐに衣類2を自動的に供給することができる。ひいては、生産性を向上させることができる。
【0057】
また、規制部43は、出口側へ付勢され搬送手段20が入口12a側に復帰したときに押しつけられる一方のシャフト243と、シャフト243に連動して搬送手段20が復帰したときに揺動レバー42の揺動経路上から待避する他方のシャフト244とを備えたので、搬送手段20が入口12a側へ復帰したときに規制が解除されてハンガー吊り状態の衣類2を供給するようにすることができる。
【0058】
これにより、搬送手段20の往復走行にもかかわらず、搬送手段20の元位置への復帰後すぐに衣類2を自動的に供給することができる。更に、生産性を向上させることができる。
【0059】
また、規制部43の構成が簡単で、複雑な制御を必要とせずに、自動的供給するようにすることができる。
【0060】
さらに、案内レール41を、揺動レバー42の揺動を許容する開口41aを備える一対の支承杆241,241で構成し、揺動レバー42を、案内レール41の開口41aに貫装するように垂下させた板状体からなるので、ハンガー1の姿勢が斜めになることを防止することができる。
【0061】
さらに、ハンガー1の搬送手段20への供給を確実にし、かつ揺動レバー42が規制されたときに確実にハンガー1を待避状態にすることができる。
【0062】
なお、上述した実施例においては、案内レールを一対の支承杆を備えたもので構成しているが、何らこれに限定されるものではなく、たとえば、開口を有する楕円柱あっても良いし、板状体で構成しても良い。
【0063】
また、揺動レバーについても、案内レールの上方に揺動可能に支承されハンガーの移動に伴い揺動するものであれば良く、実施例において説明した板状体でなくても良い。
【0064】
さらに、規制部を一対のシャフトを備えたもので構成しているが、何らこれに限定されるものではなく、搬送手段が入口側へ復帰したとき以外のときに前記揺動レバーの前側への揺動を規制するものであればいかなるものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、製品に残存する待ち針、虫ピン、ミシン針の破損片等を、製品をハンガーに吊した状態で検出することが要請されるあらゆる産業分野に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るハンガー式検針装置を示す斜視図である。
【図2】実施例のハンガー式検針装置の受渡手段を示す拡大図である。
【図3】搬送手段が入口側に復帰した状態を示す図である。
【図4】搬送手段が入口側に復帰していないときの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 ハンガー
2 衣類
10 検針機
12 通路
12a 入口
20 搬送手段
21 フック部
30 供給手段
40 受渡手段
41 案内レール
41a 開口
42 揺動レバー
43 規制部
241 支承杆
243,244 シャフト
100 ハンガー式検針装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガーに吊下げられた衣類が通過する通路の側方に配置した検針機と、前記通路内を往復走行する搬送手段と、前記衣類を前記通路の入口側に供給する供給手段と、該供給手段から前記衣類を受け取って前記搬送手段へ渡す受渡手段とを備えたハンガー式検針装置であって、
前記受渡手段は、前記通路の入口側に設けられ前記搬送手段へ前記ハンガーを移動させる案内レールと、
該案内レールの上方に揺動可能に支承され前記ハンガーの移動に伴い揺動する揺動レバーと、
前記搬送手段が前記入口側へ復帰したとき以外のときに前記揺動レバーの前側への揺動を規制する規制部とを備えていることを特徴とするハンガー式検針装置。
【請求項2】
規制部は、出口側へ付勢され搬送手段が入口側に復帰したときに押しつけられる一方のシャフトと、
該一方のシャフトに連動して前記復帰したときに揺動レバーの揺動経路上から待避する他方のシャフトとを備えていることを特徴とする請求項1記載のハンガー式検針装置。
【請求項3】
案内レールは、揺動レバーの揺動を許容する開口を備える一対の支承杆を備え、
揺動レバーは、該案内レールの開口に貫装するように垂下させた板状体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のハンガー式検針装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−317376(P2006−317376A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142293(P2005−142293)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000140096)株式会社ハシマ (10)