説明

ハンドラベラ

【課題】 ラベルホルダの閉位置での保持を確実にして、ガタつきを防止し、ラベル連続体の送出を円滑にするとともに、安定して使用できるようにする。
【解決手段】 上側に開放口2を有した本体1と、ラベル連続体LAが巻回されたラベルロールRを保持するとともに本体1に回動可能に支持されるラベルホルダ20と、本体1に揺動軸30を中心に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベルロールRからラベル連続体LAを送出させてラベルLに所要の印字を行わせるためのレバー5とを備え、本体1の側壁4間に支持軸Qを架設し、支持軸Qを揺動軸30で構成し、ラベルホルダ20に、その閉時に支持軸Qに係合する係合部40を設け、係合部40を、可撓性部材で形成し、支持軸Qの前側に係合する前側係合片41と、支持軸Qの後側に係合する後側係合片42とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スーパーマーケット等で価格等を表示したラベルをレバー操作により物品に貼付するハンドラベラに係り、特に、ラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するラベルホルダを備えたハンドラベラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のハンドラベラとしては、例えば、図5及び図6に示すように、本願出願人が先に提案したものが知られている(特表2010−511575号公報参照)。
このハンドラベラHaは、上側に開放口101を有した空間102を左右一対の側壁103間に形成した本体100と、ラベル連続体LAが巻回されたラベルロールRを保持するとともに本体100に回動可能に支持され回動により本体100の開放口101を開放する開位置X及び本体の開放口101を覆う閉位置Yの二位置に位置させられるラベルホルダ104と、本体100に揺動軸105を中心に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベルロールRからラベル連続体LAを空間102内の移送路に送出させてラベル連続体LAのラベルLに印字ヘッド105により所要の印字を行わせるためのレバー106とを備えて構成されている。
【0003】
図6に示すように、ラベルホルダ104は、一方の側壁103(a)側の支持板107と、支持板107に基端が片持ち支持された巻芯保持軸108とを備えている。巻芯保持軸108の先端には、ラベルロールRの側面を保持することができるスライド可能な脱落防止部材109が設けられている。また、本体100の一方の側壁103(a)にはその開放口101の縁部で構成されL字状に折曲形成された係止部110が設けられる一方、ラベルホルダ104の下端にはラベルホルダ104の閉時に係止部110に係止しラベルホルダ104の開時に係止部110から離脱する突起からなる被係止部111が舌片112を介して設けられている。図5中、符号113は、本体100に設けられたグリップ、114は本体100の出口115から突出したラベルLを物品(図示せず)に押圧する貼付ローラである。
【0004】
ラベル連続体LAは、帯状の台紙Dに複数のラベルLを列設して仮着したもので、ロール状に巻回されてラベルロールRとして装填される。このラベルロールRの装填の際には、ラベルホルダ104を開位置Xに回動し、ラベルホルダ104に設けた巻芯保持軸108に装着し、ラベル連続体LAの先端側を引き出して、空間102内部に挿入し、台紙DからのラベルLを剥離する剥離板116で折り返して、台紙Dをこれに係合して移送する移送輪117に巻き掛け、後方の出口118に引き通す。それから、ラベルホルダ104を閉位置Yに回動する。閉位置Yでは、ラベルホルダ104は、ラベルホルダ104の被係止部111が本体100の係止部110に係合することにより本体100に保持される。
【0005】
ラベルLを物品に貼付するときは、グリップ113とともにレバー106を握持すると、レバー操作により印字ヘッド105が駆動させられて所要のラベルLに印字を行い、レバー106を開放すると、移送輪117が回転させられてラベル連続体LAが所要量引っ張られ、ラベルホルダ104に支持したラベルロールRが回転してラベル連続体LAが巻き戻されて送出される。これにより、剥離板116により台紙DからのラベルLが剥離されて、本体100の出口115から突出する。そして、レバー106を開放状態のままにして、突出したラベルLを物品に接触させ、貼付ローラ114で押圧して、ラベルLを貼付する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2010−511575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来のハンドラベラHaおいて、その使用中には、ラベルホルダ104に支持したラベルロールRが回転してラベル連続体LAが送出されるが、ラベルホルダ104の被係止部111は一方の側壁103(a)側の係止部110に係止しているだけなのでラベルホルダ104が変形しやすく、巻芯保持軸108が撓んでガタついてしまうという問題があった。更にまた、ハンドラベラHaは、その使用時には、比較的手荒に取り扱われることも多く、ハンドラベラHaを落としてしまうこともしばしばあり、その場合には、ラベルホルダHaの被係止部111が本体100の係止部110から外れて、ラベルホルダ104が開位置Xに開き、ラベル連続体LAが裂けて、再びセティングし直さなければならなくなる等の問題もあった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、ラベルホルダの閉位置での保持を確実にして、ガタつきを防止し、ラベル連続体の送出を円滑にするとともに、落下してもラベルホルダが本体から外れにくくし、安定して使用できるようにしたハンドラベラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のハンドラベラは、上側に開放口を有した空間を左右一対の側壁間に形成した本体と、ラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するとともに上記本体に回動可能に支持され回動により上記本体の開放口を開放する開位置及び上記本体の開放口を覆う閉位置の二位置に位置させられるラベルホルダと、上記本体に揺動軸を中心に揺動可能に設けられ揺動操作により上記ラベルロールから上記ラベル連続体を上記空間内の移送路に送出させて該ラベル連続体のラベルに所要の印字を行わせるためのレバーとを備えたハンドラベラにおいて、
上記本体の側壁間に支持軸を架設し、上記ラベルホルダに、該ラベルホルダの閉時に上記支持軸に係合してラベルホルダを閉位置に保持し上記ラベルホルダの開時に上記支持軸から離脱する係合部を設け、該係合部を、可撓性部材で形成し、上記支持軸の前側に係合する前側係合片と、上記支持軸の後側に係合する後側係合片とを備えて構成している。
【0010】
これにより、ラベルロールの装填の際には、ラベルホルダを開位置に回動し、ラベルホルダにラベルロールを装着し、ラベル連続体の先端側を引き出して、空間内部に挿入して、ラベル連続体のセッティングを行う。それから、ラベルホルダを閉位置に回動する。閉位置では、ラベルホルダは、ラベルホルダの係合部が支持軸に係合する。この場合、係合部は、その前側係合片が支持軸の前側に係合し、後側係合片が支持軸の後側に係合するので、支持軸を挾持するようになる。
そして、ラベルを物品に貼付するときは、レバー操作により所要のラベルに印字を行うとともにラベル連続体を送出し、ハンドラベラを持ったまま印字されたラベルを物品に貼付する。この場合、ラベルホルダに支持したラベルロールからラベル連続体が送出されるが、係合部は、前側係合片及び後側係合片で支持軸を挾持しているので、ラベル連続体の送出によって、前後にラベルホルダが変形して動こうとしてもその動きを規制することができ、そのため、ガタつきを防止して、ラベル連続体の送出を円滑に行わせることができるようになる。また、ハンドラベラは、その使用時には、比較的手荒に取り扱われることも多く、ハンドラベラを落としてしまうこともしばしばあり、その場合には、ラベルホルダが開位置に開こうとすることがあるが、係合部は、前側係合片及び後側係合片で支持軸を挾持しているので、支持軸から外れにくくなっており、そのため、ラベルホルダが開位置に開きにくく、安定して使用できるようになる。
【0011】
そして、必要に応じ、上記前側係合片及び後側係合片の少なくともいずれか一方を、上記支持軸の外面に略倣った弧面を備えて構成している。係合片が弧面に形成されるので、支持軸の外面に沿うことから、より一層ガタつきを防止することができるとともに、支持軸から外れにくくすることができる。
【0012】
また、必要に応じ、上記係合部を支持軸の長手方向の中心に対して左右対称に形成した構成としている。支持軸に対して左右対称になるので、支持のバランスが良くなり、加重応力が均等に分散するので偏りがなく、この点でも、より一層ガタつきを防止することができるとともに、支持軸から外れにくくすることができる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記支持軸を上記レバーの揺動軸で構成している。支持軸を別途設けなくても、レバーの揺動軸で兼用できるので、部品点数を節約できる。また、揺動軸は比較的強度が高いので耐久性も安定する。
【0014】
また、必要に応じ、上記本体の側壁に、該ラベルホルダの閉時に互いに係止し該ラベルホルダの開時に互いに離脱する係止部及び被係止部のいずれか一方を形成し、上記ラベルホルダに、上記係止部及び被係止部のいずれか他方を形成した構成としている。支持軸と係合部との係合に加えて、係止部と被係止部との係止によってもラベルホルダを押さえるので、より一層ガタつきを防止することができるとともに、係合部を支持軸から外れにくくすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ラベルホルダの閉位置では、係合部は、前側係合片及び後側係合片で支持軸を挾持するので、ラベル連続体の送出によって、前後にラベルホルダが変形して動こうとしてもその動きを規制することができ、そのため、ガタつきを防止して、ラベル連続体の送出を円滑に行わせることができるようになる。また、ハンドラベラは、その使用時には、比較的手荒に取り扱われることも多く、ハンドラベラを落としてしまうこともしばしばあり、その場合には、ラベルホルダが開位置に開こうとすることがあるが、係合部は、前側係合片及び後側係合片で支持軸を挾持しているので、支持軸から外れにくくなっており、そのため、ラベルホルダが開位置に開きにくく、安定して使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るハンドラベラを示す側面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るハンドラベラの要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るハンドラベラにおいてラベルホルダの閉位置の状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るハンドラベラにおいてラベルホルダを示し、(a)は開位置の状態を示す側面図、(b)は閉位置の状態を示す側面図である。
【図5】従来のハンドラベラの一例を示す側面図である。
【図6】従来のハンドラベラにおいてラベルホルダの閉位置の状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るハンドラベラについて説明する。図1乃至図4に示すように、本発明の実施の形態に係るハンドラベラHは、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベルL(ノンセパ(登録商標)ラベル、ライナレスラベルなどとも言われる)に印字を行って発行するものであり、台紙なしラベルLが列設された帯状のラベル連続体LAがロール状に巻回されたラベルロールRが装着される。図3に示すように、ラベル連続体LAにおいてラベルLとラベルLとの間には、後述の移送輪10に設けられた爪11が係合する切り込みKが形成されている。
【0018】
本発明の実施の形態に係るハンドラベラHは、上側に開放口2を有した空間3を左右一対の側壁4間に形成した本体1と、ラベルロールRを保持するとともに本体1に回動可能に支持され回動により本体1の開放口2を開放する開位置X及び本体1の開放口2を覆う閉位置Yの二位置に位置させられるラベルホルダ20と、本体1に揺動軸30を中心に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベルロールRからラベル連続体LAを空間3内の移送路に送出させてラベル連続体LAのラベルLに所要の印字を行わせるためのレバー5とを備えている。揺動軸30は、図3に示すように、本体1の側壁4間に架設されて空間3に露出しており、レバー5を回動可能に支持するとともに後述の支持軸Qとして構成されている。本体1にはレバー5とともに把持するグリップ6が設けられている。
【0019】
本体1内において、図1に示すように、ラベル連続体LAの移送路には、ラベル連続体LAが引き通されてガイドされるガイド孔7を有したガイド部材8が設けられている。レバー5はガイド部材8を囲繞して揺動可能になるようにヨーク状に形成されている。また、ガイド部材8の後流側には、図示外の駆動機構を介して回転させられる移送輪10が設けられている。移送輪10には、ラベル連続体LAの切り込みKに係合してラベル連続体LAを移送する爪11が等角度関係で突設されている。また、本体1内には、移送輪10によって移送されるラベル連続体LAを支持するとともに、移送輪10に連動して駆動されラベル連続体LAを出口に移送する移送機構12が設けられている。移送機構12は、ラベル連続体LAの裏面を支承して移送するエンドレスベルト13と、エンドレスベルト13が架け渡される一対のベルトローラ14と、ベルトローラ14の両端を軸支するとともにエンドレスベルト13の裏面を支持するプラテンフレーム15とを備えている。尚、移送輪10はプラテンフレーム15の後側に回動可能に支持されており、移送機構12とともに本体1に対して一体になってヒンジ機構により開閉可能になっている。
また、レバー5の先端には、レバー5のグリップ6側への握持操作により、プラテンフレーム15に対して進出しエンドレスベルト13上の所要のラベルLに印字を行う印字ヘッド16が設けられている。本体1に設けたラベルLの出口17には、出口17から突出したラベルLを物品に押圧する貼付ローラ18が設けられている。
【0020】
ラベルホルダ20は、樹脂で形成されており、本体1のグリップ6の基端に設けられた回動軸21に軸支された基端部22(図4)と、基端部22に一体に且つ本体1の一方の側壁4(a)に設けられた支持板23と、支持板23に基端が片持ち支持されラベルロールRを保持する巻芯保持軸24とを備えている。巻芯保持軸24の先端にはラベルロールRの側面を保持することができるスライド可能な脱落防止部材25(図1)が設けられている。支持板23のグリップ6側には巻芯保持軸24に装着されたラベルロールRを覆う半円弧状の覆い板26が設けられている。
【0021】
本体1の側壁4間には空間3に露出した支持軸Qが架設されている。実施の形態では支持軸Qは揺動軸30で構成されている。ラベルホルダ20には、ラベルホルダ20の閉時に支持軸Qに係合してラベルホルダ20を閉位置Yに保持しラベルホルダ20の開時に支持軸Qから離脱する係合部40が設けられている。係合部40は可撓性の樹脂部材であり、覆い板26に一体形成されている。係合部40は、支持軸Qの前側(ラベルホルダ20の開方向前側)に係合する前側係合片41と、支持軸Qの後側(ラベルホルダ20の開方向後側)に係合する後側係合片42とを備えて、断面略U字状に構成されている。前側係合片41及び後側係合片42の少なくともいずれか一方、実施の形態では前側係合片41は、支持軸Qの外面に略倣った弧面を備えて構成されている。後側係合片42は、支持軸Qの接線方向に延びる平面を備えて構成されている。また、係合部40は、図3に示すように、支持軸Qの長手方向の中心Pに対して左右対称に形成されている。後側係合片42の支持軸Qの軸方向長さM1は、前側係合片41の軸方向長さM2よりも長く形成されており、後側係合片42を長くすることで支持軸Qに係合した際のガタつき防止が図れるようになっている。
【0022】
また、図2及び図3に示すように、本体1の一方の側壁4(a)には、ラベルホルダ20の閉時に互いに係止しラベルホルダ20の開時に互いに離脱する係止部43及び被係止部44のいずれか一方が形成され、ラベルホルダ20には、係止部43及び被係止部44のいずれか他方が形成されている。即ち、本体1の支持板23がある側の側壁4(a)にはその開放口2の縁部で構成されL字状に折曲形成された係止部43が設けられる一方、ラベルホルダ20の支持板23の下端にはラベルホルダ20の閉時に係止部43に係止しラベルホルダ20の開時に係止から離脱する突起からなる被係止部44が設けられている。
【0023】
従って、この実施の形態に係るハンドラベラHを使用するときは、以下のようにする。先ず、図1及び図4(a)に示すように、ラベルロールRの装填の際には、ラベルホルダ20を開位置Xに回動する。この場合、ラベルホルダ20は樹脂製で可撓性なので、前側係合片41及び後側係合片42からなる略U字状の係合部40は支持軸Q(揺動軸30)から離脱するとともに、被係止部44が係止部43から外れる。この状態で、ラベルホルダ20にラベルロールRを装着し、図1に示すように、ラベル連続体LAの先端側を引き出して、空間3内部に挿入して、さらに、ガイド部材8のガイド孔7に挿通し、レバー5を複数回握持すると、移送輪10及びエンドレスベルト13上を通して出口17側に搬送されラベル連続体LAのセッティングが行われる。
尚、移送輪10及び移送機構12は、ラベル連続体LAが移送不良、いわゆるジャムリを起こしたときや保守点検などのときに、本体1に対して開閉されるようになっている。
【0024】
それから、図1,図3及び図4(b)に示すように、ラベルホルダ20を閉位置Yに回動する。閉位置Yでは、ラベルホルダ20の係合部40が支持軸Qに係合する。この場合、係合部40は、その前側係合片41が支持軸Qの前側に係合し、後側係合片42が支持軸Qの後側に係合するので、支持軸Qを挾持するようになる。また、被係止部44が係止部43に係止される。
【0025】
そして、ラベルLを物品に貼付するときは、グリップ6とともにレバー5を握持すると、レバー5操作により印字ヘッド16が駆動させられて所要のラベルLに印字を行い、レバー5を開放すると、移送輪10が回転させられるとともに移送機構12のエンドレスベルト13が駆動されてラベル連続体LAが所要量移送される。これにより、ラベルLが本体1の出口17から突出する。そして、レバー5を開放状態のままにして、突出したラベルLを物品に接触させ、貼付ローラ18で押圧して、ラベルLを貼付する。
【0026】
この場合、ラベルホルダ20に支持したラベルロールRからラベル連続体LAが送出されるが、係合部40は、前側係合片41及び後側係合片42で支持軸Qを挾持しているので、ラベル連続体LAの送出によって、前後にラベルホルダ20が変形して動こうとしてもその動きを規制することができ、そのため、ガタつきを防止して、ラベル連続体LAの送出を円滑に行わせることができるようになる。また、ハンドラベラHは、その使用時には、比較的手荒に取り扱われることも多く、ハンドラベラHを落としてしまうこともしばしばあり、その場合には、ラベルホルダ20が開位置Xに開こうとすることがあるが、係合部40は、前側係合片41及び後側係合片42で支持軸Qを挾持しているので、支持軸Qから外れにくくなっており、そのため、ラベルホルダ20が開位置Xに開きにくく、安定して使用できるようになる。
【0027】
また、この場合、前側係合片41は、支持軸Qの外面に略倣った弧面を備えて構成されているので、支持軸Qの外面に沿うことから、より一層ガタつきを防止することができるとともに、支持軸Qから外れにくくすることができる。更に、係合部40は、支持軸Qの長手方向の中心Pに対して左右対称に形成されているので、支持のバランスが良くなり、加重応力が均等に分散するので偏りがなく、この点でも、より一層ガタつきを防止することができるとともに、支持軸Qから外れにくくすることができる。更にまた、支持軸Qはレバー5の揺動軸30で構成されているので、支持軸を別途設けなくても、レバー5の揺動軸30を兼用できるので、部品点数を節約できる。また、揺動軸30は比較的強度が高いので耐久性も安定する。
【0028】
そしてまた、本体1の側壁4(a)に設けた係止部43とラベルホルダ20に設けた被係止部44とが係止しているので、支持軸Qと係合部40との係合に加えて、係止部43と被係止部44との係止によってもラベルホルダ20を押さえるので、より一層ガタつきを防止することができるとともに、係合部40を支持軸Qから外れにくくすることができる。
【0029】
尚、上記実施の形態において、前側係合片41及び後側係合片42の形状は上述したものに限定されるものではなく、両者を円弧面を備えて構成してよい。また、前側係合片41及び後側係合片42を軸方向に沿って複数設けてよい。尚また、本発明は、台紙なしラベルL用のハンドラベラHに適用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、従来のように台紙付きのラベル連続体用のハンドラベラに適用してもいことは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
H ハンドラベラ
L ラベル
LA ラベル連続体
R ラベルロール
K 切り込み
1 本体
2 開放口
3 空間
4 側壁
5 レバー
6 グリップ
7 ガイド孔
8 ガイド部材
10 移送輪
11 爪
12 移送機構
16 印字ヘッド
17 出口
18 貼付ローラ
20 ラベルホルダ
X 開位置
Y 閉位置
21 回動軸
22 基端部
23 支持板
24 巻芯保持軸
25 脱落防止部材
26 覆い板

30 揺動軸
Q 支持軸(揺動軸30)
40 係合部
41 前側係合片
42 後側係合片
43 係止部
44 被係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に開放口を有した空間を左右一対の側壁間に形成した本体と、ラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するとともに上記本体に回動可能に支持され回動により上記本体の開放口を開放する開位置及び上記本体の開放口を覆う閉位置の二位置に位置させられるラベルホルダと、上記本体に揺動軸を中心に揺動可能に設けられ揺動操作により上記ラベルロールから上記ラベル連続体を上記空間内の移送路に送出させて該ラベル連続体のラベルに所要の印字を行わせるためのレバーとを備えたハンドラベラにおいて、
上記本体の側壁間に支持軸を架設し、上記ラベルホルダに、該ラベルホルダの閉時に上記支持軸に係合してラベルホルダを閉位置に保持し上記ラベルホルダの開時に上記支持軸から離脱する係合部を設け、該係合部を、可撓性部材で形成し、上記支持軸の前側に係合する前側係合片と、上記支持軸の後側に係合する後側係合片とを備えて構成したことを特徴とするハンドラベラ。
【請求項2】
上記前側係合片及び後側係合片の少なくともいずれか一方を、上記支持軸の外面に略倣った弧面を備えて構成したことを特徴とする請求項1記載のハンドラベラ。
【請求項3】
上記係合部を支持軸の長手方向の中心に対して左右対称に形成したことを特徴とする請求項1または2何れかに記載のハンドラベラ。
【請求項4】
上記支持軸を上記レバーの揺動軸で構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のハンドラベラ。
【請求項5】
上記本体の側壁に、該ラベルホルダの閉時に互いに係止し該ラベルホルダの開時に互いに離脱する係止部及び被係止部のいずれか一方を形成し、上記ラベルホルダに、上記係止部及び被係止部のいずれか他方を形成したことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のハンドラベラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−75705(P2013−75705A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217542(P2011−217542)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】