説明

ハンドレールの表面上に画像を有する方法

【課題】 取り除き可能なフィルムをハンドレールの表面に施しハンドレールの表面上に広告する画像を設ける。
【解決手段】 ハンドレール外周とハンドレールの肩表面の少なくとも一部を被覆するのに十分な幅と、ハンドレールの連続した手すりの長さより長い長さを有する軟質フィルムを供給する工程と、ハンドレール上にフィルムを被着し、軟質フィルムがハンドレールの肩表面の少なくとも一部の外周に延び、ハンドレールの長さ方向に沿って連続している工程と、軟質フィルムを設定した期間、ハンドレール上に保持する工程と、軟質フィルムがハンドレール上にある期間に基づいてハンドレール上の画像の提供の料金を請求する工程と、設定期間が終了したら、ハンドレールを再使用できるようにするためハンドレールから軟質フィルムを取り除いてハンドレールを洗浄する工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータ及び動く歩道のハンドレールに関し、特に、保護フィルム(任意的に、広告材料又は他の目に見える材料を含む)をかかるハンドレールの表面に被着させることに関する。
【背景技術】
【0002】
広告主は広告を載せる新しい場所を絶えず探している。種々の形態の大量交通機関が広告にとって良い機会を提供していることが、ある時に認識されるようになった。必然的に、大量交通機関は、多数の潜在的な聴衆をもたらし、比較的少数のよく配置された広告が多数の人の目に触れる。大量交通機関を使って旅行することは通常、かなり時間のかかることであり、それ故、かかるシステムの旅行者が広告を見たり読んだりする時間がたくさんあることが多く、これはまた、かかる広告をビジネスにとって魅力のあるものにしている。これは、従来よく認識されたことであり、広告主は広告を載せる種々の場所を探し求めていた。
【0003】
エスカレータ及び動く歩道は、多くの大量交通機関の共通の構成要素であり、歩行者の交通量が非常に多い他の多くの場所、例えば、大きなオフィスビル、ショッピングセンター、大型店舗等でも見受けられる。エスカレータでの移動は例えば地下鉄を用いる旅と比較的すぐに比較されるが、それにもかかわらず、エスカレータに乗ることにより、広告主にとって潜在的な聴衆となっている。エスカレータに乗っている時間は比較的短いが、乗っている人が広告に気づいてこれを読むには十分に長いことは確実である。さらに、エスカレータに乗っている人が、エスカレータを利用している間、なにか他のこと、例えば本を読んだり新聞を読んだりすることは殆ど無い。
【0004】
広告主は、これを長い間認識しており、よく利用されているエスカレータについて、種々の広告用パネルを見かけることが多い。かくして、従来のポスターによる広告は、エスカレータのシャフトの壁を内張りした状態で見受けられることが多い。さらに、広告主は、上りのエスカレータと下りのエスカレータの手すりを分離するストリップの頂部上に設けられた小型のパネルに小型のポスター状の広告を載せるよう努力している。一般に、広告は、上りのエスカレータと下りのエスカレータの両方に乗る人に広告を提供するよう両側に載せられる。
【0005】
創意工夫に長けている広告主は、エスカレータに対して他の広告方法を探し求めていた。かくして、エスカレータのハンドレールに広告を載せることが思い浮かんだ人もいる。これは、エスカレータのハンドレールが未使用の表面を提供しているので魅力的である。何か物を掴むにあたって、エスカレータに乗る人は本能的にまず最初にハンドレールに目をやり、その場所を確認することになる。これにより、ハンドレールはしばしば各ユーザ又は乗る人によって少なくとも一目見られることになる。これは、簡単な広告、例えば周知の会社のロゴ及び他の広告器具にとって魅力的である。
【0006】
かくして、特開昭57−130883号公報は、エスカレータのハンドレールに一定間隔で配置されるようになった移し絵又はステッカーを提供する方法を開示している。これらステッカーは、或る種の接着材料と第1のフィルム及び第1のフィルムの裏側に塗布された印刷インキを含む。
をハンドレール上に個々に且つ別々に配置しなければならないということである。これは難しく、時間がかかり、しかも、これらが正確かつ一様に位置合せされているように注意を払う必要がある。さらに、個々のステッカーは各々、引っ掛かる場合のある多数の縁部を備え、これによりステッカーが取れがちになる。かくして、ステッカーの前縁部及び後縁部は、ハンドレール駆動機構の要素によって捕捉されやすい縁部となっている。接着ステッカーが偶発的に取れると、ステッカーが駆動機構内で絡まるようになるので、これが非常に望ましくないことは理解されよう。さらに、これら縁部は、移し絵の側縁部と一緒に、ユーザの目に触れやすくなり、多くのユーザ又はエスカレータに乗っている人はわざと又は何気なくこれら縁部をつまんで持ち上げる傾向があると考えられる。これにより、各ステッカーが取れがちになり、あるいは、駆動機構内で一層からまりやすくなる。
【0007】
別の提案が、カナダ国特許1304035号(発明者:アンドリュー・ビー・フレンチ氏)に見られる。これは、エスカレータのハンドレールの構造を大雑把に再設計することを必要とする比較的複雑な構造を提案している。これは、或る種のスロット等及び透明なカバーを備えたハンドレールを提案している。この場合、広告材料は透明なカバーとハンドレールの本体との間に配置される。これは理論的には、上記特開昭57−130883号公報の提案の欠点のうち幾つかを解決している。残念ながら、この提案は、エスカレータのハンドレールについての構造的な要件に全く取り組んでいない。ハンドレールは、相当大きな応力及び歪みを受け、構造的な検討事項を解決しない限り、ハンドレールの断面の実質的な部分を単に減少させることはできない。
【0008】
【特許文献1】特開昭57−130883号公報
【特許文献2】カナダ国特許1304035号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
残念ながら、上述したカナダ国特許1304035号における提案は、エスカレータのハンドレールについての構造的な要件に全く取り組んでいない。ハンドレールは、相当大きな応力及び歪みを受け、構造的な検討事項を解決しない限り、ハンドレールの断面の実質的な部分を単に減少させることはできない。
【0010】
例えば、透明なカバーは、駆動機構に応じて相当大きな引張応力及び(又は)圧縮応力を受ける場合があり、この問題は解決されていない。必然的に、この提案は、広告を付着させようとすれば、各エスカレータハンドレールを本発明のもので完全に置き換えることが必要になる。
【0011】
もう一つの検討事項は、多くの場合、ある形態の保護カバーをエスカレータのハンドレールに提供するだけで望ましい場合があり、これは、上述の従来の提案のいずれによっても解決されていないということである。第1に、多くのエスカレータのハンドレールは、ある使用期間経過後、くすんで擦り切れた外観を呈する場合がある。さらに、これらは、駆動機構又はユーザの動作に起因して、表面上に種々のマーク(印)又は変色(又は、退色)を生じる場合がある。ある状況、例えば豪華ホテル、行楽地等においては、エスカレータのハンドレールが良好な外観を呈することが望ましい。ハンドレールの表面を再仕上げすることは実際的ではない。したがって、或る種のフィルムをエスカレータのハンドレールに被着させる何らかの方法を提供し、それにより新しい外観又は仕上げをハンドレールに提供できるようにすることが望ましい。
【0012】
したがって、現場でエスカレータのハンドレールに容易に被着できるフィルムを提供することが望ましい。かかるフィルムは、ハンドレールへの新しい再仕上げされた外観と広告メッセージ又はロゴのうち一方又は両方を提供できることが必要である。
【0013】
好ましくは、フィルムは、エスカレータの通常の作動の中断を最小限に抑えて容易かつ簡単に被着できることが必要である。これには、ハンドレールの取り外し又は交換を必要としないで達成できることが必要である。
【0014】
さらに、本発明者は、この覆い又はカバーが駆動機構内における偶発的な剥がれ又は絡みを促進させる場合のある縁部等を最小限に抑えるよう十分連続したものであることが必要であると認識した。さらに、これは、ユーザが表面の仕上げ又は覆いを取る機会を最小限に抑えるようなものであるべきである。
【0015】
本発明は、連続であってかつ取り除き可能なフィルムをハンドレールの表面に施すという考え方に立脚している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の特徴によれば、ハンドレールの細長い連続した手すりを備えた動くハンドレールの表面上に広告する画像を有する方法において、
(a) 第1のフィルム層と、この第1のフィルム層の下面に被着されており軟質フィルムをハンドレールに着脱自在に取り付ける第1の接着剤層と、前記軟質フィルムに設けられた画像とを有し、前記ハンドレール外周とハンドレールの肩表面の少なくとも一部を被覆するのに十分な幅と、前記ハンドレールの連続した手すりの長さより長い長さを有する軟質フィルムを供給する工程と、
(b) 前記ハンドレール上に前記フィルムを被着し、前記軟質フィルムが前記ハンドレールの肩表面の少なくとも一部の外周に延び、前記ハンドレールの長さ方向に沿って連続している工程と、
(c) 前記軟質フィルムを設定した期間、前記ハンドレール上に保持する工程と、
(d) 前記軟質フィルムが前記ハンドレール上にある期間に基づいて前記ハンドレール上の前記画像の提供の料金を請求する工程と、
(e) 設定期間が終了したら、前記ハンドレールを再使用できるようにするため前記ハンドレールから前記軟質フィルムを取り除いてハンドレールを洗浄する工程を含む方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を一層よく理解するために、また本発明をどのように実施するかを明らかに示すために、次に、本発明の好ましい実施形態を示す添付の図面を例示として参照する。
【0018】
まず最初に、図1及び図3aを参照すると、フィルムをエスカレータのハンドレールに被着させる装置は、全体が符号10で示されている。装置10は、管状で正方形の横断面の主支持部材12を有している。支持部材12は、その下端部が逆T字形のものであり、異なる長さの2つの下方に延びる部分14を有している。各部分14の下端部のところには、吸着盤16が設けられている。所望ならば、支持部材12を横方向にずらすと(図3a及び図3b)、装置をハンドレールに対して所望の位置に配置することができる。
【0019】
支持部材12の上方端部のところには、第1の横方向部材19への連結手段となるピボット連結部18が設けられている。公知のように、ピボット連結部18は、部材12,19に固定された互いにオーバーラップするフランジ及びフランジを互いにクランプするよう調節可能なナットとボルトを有している。
【0020】
滑り回り継手20が第1の横方向部材19に取り付けられており、この回り継手は、第1の横方向部材19に沿って摺動可能なブラケットを有している。ねじ山付き捩じ込み部材21により、このブラケットを横方向部材19に対して締め付けることができる。
【0021】
回り継手20のブラケットの底端部は、第2の横方向部材23への第2のピボット連結部22を有している。同様に、このピボット連結部22をナットとボルトの組合せを用いてロックし又は固定することができる。下方に延びる部材24が、第2の横方向部材23の一端から延びている。
【0022】
部材12,19,23,24とピボット連結部18,22と滑り回り継手20から成る構造全体は、垂直方向と水平方向の両方において、即ち、図3a及び図3bの平面内において下方に延びる部材24の下端部について所望の自由度をもたらすようになっている。
【0023】
実際のアプリケータ(以下に詳細に説明する)は、部材24の下端部に取り付けられるので、これにより、アプリケータをハンドレールに対して所望の位置に調節することができる。かくして、ピボット連結部18,22により、垂直方向位置を調節することができ、この調整により、下方に延びる部材24の下端部のある程度の側方又は水平方向運動が必然的に生じることになろう。横方向部材19に沿う滑り継手の動作により、水平方向位置を調節することができる。
【0024】
図1及び図3aは、横方向部材19,23が全体として互いに反対側の方向に延びる自由端部を備えている一取付け構造を示している。変形例としての取付け構造では、垂直方向に差し向けられた部材12,24は互いに密接して配置され、横方向部材の自由端部は部材12,24から遠ざかるのと同一方向に延びている。
【0025】
一般に、装置10は常に、手すり198の内面に取り付けられることになり、手すりは接近可能な外面を平行しないことが多いであろう。かくして、図3a及び図3bの構造の両方は、エスカレータ又は動く歩道の各側で2つのハンドレールに必要であろう。
【0026】
下方に延びる部材24の下端部は、長手方向に延びる部材32に連結され(これは、以下の説明から明らかになるように、エスカレータのハンドレールに対して長手方向に延びるものとして説明されている)、この長手方向に延びる部材32は、フィルムを被着させるための実際のアプリケータの本体を形成する。
【0027】
部材32の後方端部は、L字形ブラケット34に固定されている。さらに、横方向部材36,37が、長手方向に延びる部材の中間及び前方端部から垂直に延びている。突起38が、横方向部材36,37相互間で、長手方向に延びる部材32から上方に延びる状態でこれに取り付けられている。
【0028】
L字形ブラケット34は、水平方向要素40を有している。後ローラ41が、水平方向要素40の後方端部から下方に延びる2つの突起41aに取り付けられている。一対の互いに平行で間隔をおいた側部材及び接合用横方向部材から成る小形フレーム42が、要素40の前端部から上方及び前方に突出した2つの小突起44に回動自在に取り付けられている。ローラ46が、フレーム42の側部材の自由端部相互間に回転自在に取り付けられている。
【0029】
次に、図1、図2a及び図2bを参照すると、フレーム42及びかくしてローラ46を下方に付勢するために、L字形ブラケット34の垂直方向要素50にばね機構48が取り付けられている。ばね機構48は、螺旋コイルばね48a(図1)、プランジャ52、上方ディスク49a及び下方ディスク49bを有している。プランジャ52は、その下端部が、フレーム42からの側突出部に回動自在に連結されている。螺旋ホイールばねの底部は、下方ディスク49bに当接し、ばね48aの頂端部は、上方ディスク49aに当接している。下方ディスク49bはプランジャ52に固着され、上方ディスク49aはプランジャに摺動自在に取り付けられている。上方ディスク49aもまた、垂直方向に差し向けられたクランク部材54に回動自在に取り付けられている。クランク部材54は、クランクシャフト(図示せず)により垂直方向要素50の反対側の側部に設けられた水平方向に差し向けられている取っ手56に取り付けられており、クランクシャフトは要素50のボア内に回転自在に設けられている。取っ手56が水平であって後方に向いているとき(図2bの場合のように)、クランク部材54は後方に向いてばね48aを圧縮する。ばね48aの圧縮により、フレーム42は下方に付勢される。取っ手56は、ラチェット58によって定位置に保たれる。ラチェットを解除して取っ手56を前方に向いた水平位置まで回転させると、クランク部材54は上方に向き、ばねの圧縮を解除する(図2aに示すように)。ラチェット58は、垂直方向要素50に設けられた開口部内に回動自在に設けられ、したがって、これを取っ手56から遠ざけるとハンドルを解除することができるようになっている。
【0030】
揺動アーム60が、突起38に回動自在に取り付けられ、この揺動アーム60は、以下に明らかになる理由で揺動アーム60を長手方向に延びる部材32から遠ざけた状態に間隔保持するスペーサ要素62を有している。揺動アーム60は、継手61により互いに固着された2つの別個の部材60a,60bから成るのがよい。揺動アーム60は、簡単なロック機構63によって図2aに示すような水平方向位置にロックできる。ロック機構63は、一端が長手方向に延びる部材32に回動自在に取り付けられている簡単なL字形部材である。その他端は、揺動アームの最下端部に当接し、アームが落下するのを阻止している。ロック機構63を回動させて揺動アーム60から遠ざけることにより揺動アーム60を外すことができる。
【0031】
第1のスピンドル64及び第2のスピンドル66が、揺動アーム60に回転自在に取り付けられており、スピンドル66の詳細を図6a及び図6bを参照して以下に説明する。
【0032】
第1のスピンドル64は、駆動歯車68に固定され、第2のスピンドルは被動歯車70に固定されている。遊び歯車72は、駆動歯車68と被動歯車70の両方と噛み合うように揺動アームに回転自在に取り付けられている。駆動歯車68は、被動歯車70よりも実質的に大径であり、したがって、第2のスピンドル66は第1のスピンドル64よりも早い速度で駆動されるようになっている。
【0033】
スピンドル64,66とローラ46の構造は、接着フィルムをハンドレールの頂面に被着させることを目的としている。フィルムがハンドレールの側縁部の周り及びハンドレールの下に少なくとも部分的に一様に被着されるようにするために、加圧機構90が設けられている。加圧機構90は、第1の半部92a及び第2の半部92bを備えたトラフ形要素92を有している。トラフ形要素の半部92a,92bは各々、浅いスロット又はスリーブを形成するよう結合する要素94を有している。横断面が逆T字形の支持部材96が横方向部材36,37の各々から下方に延びていて、要素94によって形成されたスリーブに係合する縁部を提供している。これは、トラフ形要素の半部92a,92bを側方に摺動自在に取り付けており、その他の場合、これらの運動を制限する。
【0034】
図1、図8a及び図8bで最もよく分かるように、オーバセンタ機構100が、トラフ形要素の半部92a,92bにそれぞれ回動自在に取り付けられた第1のアーム101及び第2のアーム102を有している。第2のアーム102は、鈍角をなし、2つの全体として互いに平行な側部材から形成されている。第2のアーム102の自由端部104は、操作ハンドルとなっている。第1のアーム101は、第2のアーム102に、この中で全体として鈍角をなして回動自在に取り付けられている。公知のように、もしハンドルの端部104を持ち上げて長手方向に延びる部材32に向かって回動させると、これにより、トラフ形要素の半部92a,92bは逆T字形部材96(図8b)に沿って互いに離れて摺動する。ハンドルの端部104を図8aに示す位置に移動させると、トラフ形半部92a,92bは図示の位置に互いに引き寄せられる。第1のアーム101は、図8a及び図8bに示すようなナット105とボルト105aの組合せ又は組立体を有している。ナット105は、第1のアーム101を短くするのに用いられる。第1のアーム101を短くすると、トラフ形要素の半部92a,92bは、閉じ位置にあるとき互いに密接するようになる。これにより、種々の寸法のハンドレールに合わせてトラフ92の幅を調節することができる。
【0035】
次に、図1、図9a〜図9f、図10及び図11a〜図11fを参照すると、一連のローラ110,111,112,113,114,115が、要素半部92a,92bの各々の内側に設けられたローラ取付け機構に回転自在に取り付けられている。ローラ110〜115は、ローラ110が装置10の中心線及びハンドレールの中心線に比較的近くに位置するように設けられている。ローラ110は、位置110a(図10)のところでは要素半部92a,92bの後部に向かって設けられている。他のローラ111,112,113,114,115は、フィルムをハンドレールに徐々に巻き付けるためにそれぞれ位置111a,112a,113a,114a,115aのところで中心線から次第に一層離れて且つ機構の前部に次第に近づいて設けられている。ローラ取付け機構212(図11a及び図11d)に設けられた全体を符号210で示すローラ110〜113は、フレーム214に取り付けられている。フレーム214は、2つの側部材216と3つの横方向部材218,220,222とから成る。ローラ210は、横方向部材218に回転自在に取り付けられている。フレーム214は、ローラ機構のベース226から延びる2つの突起224に回動自在に取り付けられている。螺旋ねじりばね228が横方向部材222に取り付けられている。ばねの一端は、ベース226に圧接され、他端は横方向部材220に圧接されている。かくして、ばね228は、フレーム214及びローラ210をハンドレール200に向かって内方に付勢するよう働いている。ベース226は、トラフ形半部92a,92bの各々に取り付けられている。
【0036】
次に主として図11b、図11c、図11e及び図11fを参照すると、ローラ114,115は同様に、ローラ取付け機構内部に設けられているが、幾つかの例外がある。第1に、ローラ114,115は、ローラ110〜113よりも直径が小さい。さらに、ローラ114,115は間隔保持要素230によりばね228から側方へ距離をおいた状態で設けられている。これら相違の両方は、スペースが限られている場合に、ローラがフィルムをハンドレールの肩に圧接させることができるよう設計されている。
【0037】
図2a、図9e、図9f及び図10に最もよく示すように、トラフ形要素の半部92a,92bは、前方延長部116を有している。これら延長部116の各々には、ブラケット118,119が取り付けられている。ローラ114は、第1のブラケット118に回転自在に取り付けられ、ローラ115は、第2のブラケット119に回転自在に取り付けられている。
【0038】
次に、図6a及び図6bを参照すると、これらの図は、スピンドル66のクラッチ機構及びスピンドル64,66の両方の摩擦取付け機構の詳細を示している。スピンドル64,66は各々、回転自在に取り付けられたスピンドル本体120を有し、これらスピンドル本体は各々、歯車68,70にそれぞれ取り付けられている。しかしながら、スピンドル66だけが、クラッチ機構を有している。
【0039】
スピンドル66のスピンドル本体120は、シャフト124に取り付けられた内部管状支承体122を有している。シャフト124は、拡大ヘッド126を有している。螺旋コイルばね128が、拡大ヘッド126と、支承体122の端部に当接したワッシャ130との間に設けられている。コイルばね128は、スピンドル本体120を、シャフト124に取り付けられた歯車70に圧接している。
【0040】
シャフト124は、揺動アーム60に設けられた支承穴134を貫通し、ワッシャ136が、揺動アーム60の各側に設けられている。ワッシャ136は、シャフト124に固定され、又はこれと一体に設けられている。
【0041】
スピンドル本体120の中には、突出したレバー端部又は作動部分140を含むレバー138が設けられている。レバー138は、符号142のところで回動自在に取り付けられ、ばね144がレバーを半径方向外方に付勢している。支承突出部146が、管状スピンドル本体120に設けられた開口部を貫通して半径方向に延びている。
【0042】
したがって、使用にあたり、図6aに示すように、剥離シートをフィルムから剥がすためのロール150を取り付けるために、レバー端部140を半径方向内方に押して突出部146を半径方向内方に動かす。これにより、ロール150をスピンドル66に嵌着させることができる。ロール150が定位置にある状態で、レバー138を離すのがよい。すると、ばね144は、支承突出部146をロール150の内側に圧接させてスリーブをしっかりと取り付けるよう働く。すると、トルクをスリーブ150とスピンドル本体120との間で伝達させることができる。
【0043】
スピンドル66のばね128と関連要素の構造は、管状スピンドル本体120とシャフト124との間のトルク伝達を制限するクラッチとしての役目を果たす。特に、2つのスピンドル64,66相互間に必要な駆動比は、2つのスピンドルに取り付けられるボールのサイズが変わるにつれて変わる。完全に正確な比を常時維持することは不可能である。
【0044】
したがって、駆動歯車68と被動歯車70との比は、スピンドル66に取り付けられるロールの有効サイズの全てについて、少なくとも第2のスピンドル66が所要速度よりも僅かに早い速度で駆動されるようなものである(有効サイズは、スピンドル66に巻き付けられる材料を含む任意の時点におけるロールの直径である)。次に、速度が過剰であれば、これをスピンドル66内のクラッチ機構により効果的に無くす。使用中、これにより、剥離シートを巻取りがちな一定のトルクが維持されることになる。
【0045】
次に、図4、図5、図7、図8、図12及び図13を参照して好ましいフィルムの構造及び装置の使用方法を説明する。
【0046】
まず最初に図12を参照すると、フィルムの断面が概略的に示されている。この断面は、ハンドレールの長手方向に対して横断方向に示されている。このフィルムは、符号160で示されており、第1のフィルム層162を有し、このフィルム層162の下面には第1の接着剤層164が設けられている。フィルムを被着させるまでこれを保護し、そしてフィルムをスリーブ150上に巻き取ることができるようにするために、剥離シート166が従来通り設けられている。
【0047】
第1の層162の頂部上には、印刷物が符号168で示された状態で設けられている。この印刷物は、テキスト、シンボルマーク、画像等であるのがよく、これは繰り返しパターンから成る場合が多いことが予想される。概略的に示しているが、この印刷物の厚さは、他の層の厚さに著しい影響を与えないよう無視できるほどのものである。この印刷物168は、第1のフィルム層162の頂部上に直接印刷される。
【0048】
印刷物168の付着に続き、接着剤の第2の層172を備えた第2のフィルム層170を第1のシートの頂部に被着させて印刷物168を2つのフィルム層162,170相互間でサンドイッチする。これは、印刷物を保護するのに役立つ。
【0049】
フィルム層162,170は各々好ましくは、厚さが0.075mm(3ミル)のポリウレタンフィルムである。このフィルムは好ましくは、透明なアクリル系感圧接着剤(粘着剤)で覆われた光沢度の高い透明な軟質フィルムである。これらフィルムは、剥離ライナーを備えている。かくして、第1のフィルム層162の頂部にいったん印刷すると、剥離ライナー又はシートを剥がした後、第2のフィルム層170及びその関連の接着剤層172を、第1のフィルム層162の頂部に被着させて図8に示す複合フィルム160を形成する。
【0050】
調達されたままのフィルムの幅は通常は数フィートである。本発明の目的上、これを特定のハンドレール用途に応じて所定の幅に切断する。
【0051】
第1のフィルム層162及び第2のフィルム層170は両方とも透明であると考えられるが、用途によっては、第1のフィルム層162を着色するのが望ましい。かくして、第1の層162は、宣伝材料又は製造業者のロゴに対して適当な背景をなすベタの一様な色のものであるのがよく、しかもこの色は、特定の製品又は製造業者と関連のある色であるのがよい。さらに、第2のフィルム層170は、所望ならば、或る程度の着色性を備えていてもよい。
【0052】
本発明の別の特徴は、エスカレータ又は動く歩道に用いられるハンドレールを保護するだけのフィルムの用途である。この目的のためには、フィルム160は単一の層を有するのがよい。かかる用途の場合、第2のフィルム層170及びその接着剤172を省くのがよい。完全を期すために、かかる用途では、おそらくは、印刷物の中には依然として第1のフィルム層162の頂部上に施すことができるものがあるが、かかる印刷物はこの場合保護されず、ハンドレール駆動機構の通過中、過度の摩耗、マーキング等を受けやすいことが考えられる。
【0053】
次に、図13を参照すると、この図は、本質的には5つの部材で構成された回動式平行四辺形機構から成る位置合せ機構180を示している。この機構180は、一対の横方向要素184に回動自在に取り付けられた一対の側要素182と中央要素186とを有し、この中央要素は、側要素182に平行な状態で長手方向に延びていて、横方向要素184に垂直されている。引張ばね188を省いてもよい。ばね188を省いた場合、ユニットを手で持って中央要素186と横方向要素184の端部との間に設けられた機構を心出しするのに必要な閉じ引張力をもたらすことは簡単なことである。引張ばね188は、側要素182を互いに付勢するよう働き、要素182,184によって形成された平行四辺形を潰す傾向がある。
【0054】
光源190、ここではレーザは中央要素186に取り付けられている。レーザ190は、中央要素186に回動自在に取り付けられたブラケット192内に設けられている。
【0055】
要素182,184相互間のピボット連結部は、ピボットピンによって形成され、かかるピボットピンのうちの1つが符号194で示されている。各ピボットピン194は、それぞれの側要素182の下に円筒形カラー196を備えている。
【0056】
次に、前述した装置の使用法について説明する。まず最初に、フィルムをハンドレールに被着させる前に、ハンドレールを正しく前処理する必要がある。大抵のハンドレールは、或る使用期間後、接着フィルムの適正なくっつきを阻害する汚れ及びグリースの膜を生じているであろう。
【0057】
したがって、まず最初に、ハンドレールを、溶剤、好ましくはEH−101溶剤配合物で洗浄して汚れやグリースをすべて取り除く。EH−101溶剤配合物は、エチルアセテート、ナフサ、トルエン及びベンゼンで構成されている。この目的のため、オペレータは、ゴム手袋を着用し、適当なアプリケータを用いる必要がある。
【0058】
次に、ハンドレールを、被着作用を妨害する傷又は欠陥があるかどうかについて検査する。もし深い傷があると、ハンドレールを、フィルムの被着前に交換する必要がある。
【0059】
深いマーク(印)又は染みがあっても、これらをスクラブパッド及びEH−101溶剤配合物を用いて除去することができる。
【0060】
ハンドレールをクリーニングするには、まず最初にハンドレールの露出走行部をクリーニングし、エスカレータ又は動く歩道のハンドレールの両方を、同時にクリーニングしてもよい。次に、各走行部をチャイナマーカー(china marker)でマーキングする。次に、エスカレータの駆動機構を用いてエスカレータ及びそのハンドレールをマーク付けしクリーニングした領域の端までジョグ送りし、ハンドレールのそれ以上の走行部を露出させる。この手順を繰り返し、そしてエスカレータの両方のハンドレールを全長にわたってクリーニングするまで行う。
【0061】
いったんクリーニングを行うと、ハンドレールをシーラントで被覆してフィルムとハンドレールとの間の接着力を僅かに減少させる。これにより、被着したフィルムを容易に引き剥がすことができるようになる。適当なシーラントを指定された通りに、全体として薄い膜として塗布する。シーラントの膜を、滑らかで光沢のある仕上げ状態にバフ磨きする。この場合もまた、エスカレータの2つの側部のハンドレールを同時に処理するのがよい。ハンドレールをチャイナマーカーでマーキングしてシーラントを施した領域を支持し、そしてエスカレータの駆動機構を用いて前方へジョグ送りし、これを両方のハンドレールが処理されてシーラントが施されるまで繰り返す。
【0062】
エスカレータのフィルムを提供するために、各ハンドレールに一つずつ、フィルムの2つのマッチしたロールを準備する。ハンドレールには別々にフィルムを被着させる。自動的には、両方のフィルムを同時に被着させることができるが、これは通常は実用的ではない。フィルムの被着を注意深くモニターする必要があり、場合によっては調整等が必要とされることが判明した。2つのフィルムを同時にモニターすることは、困難である。
【0063】
エスカレータの場合、各ハンドレールにつき一つずつフィルムの2つのマッチしたロールがオペレータに提供され、ハンドレールは符号200で示され、その手すりが図面においては符号198で示され、フィルムのロールは、符号174で示されている。まず最初に、オペレータは、特定の場所又はエスカレータについて正しいロール174が設けられているかどうかを確認する必要がある。ロールの巻き形状をチェックすべきである。通常、たいていの広告材料は、一方向から見られる必要があり、上りのエスカレータと下りのエスカレータの各々について適当な向きで付着されるべきである。
【0064】
次に、支持部材12だけを取り付けた状態で、即ち、横方向部材及び取り付け部品を取り外した状態で、装置10を図3及び図4に示す手すり198に取り付ける。装置10を下りのエスカレータユニットについてはエスカレータの頂部に、上りのエスカレータユニットについてはエスカレータの底部に取り付けるのが好ましい。障害物によりこれらの位置への取り付けが行えない設備の場合、装置10を端部から遠ざけてハンドレールの真っ直ぐで勾配のついた部分に取り付けてもよい。
【0065】
公知のようにポンプで真空カップ16から空気を抜いてこれらを手すりにしっかりと取り付ける。支持部材12をしっかりと取り付けた状態で、装置又はアプリケータの残部を必要に応じて図3a又は図3bにしたがって回り継手20を第1の横方向部材19上に摺動させることにより取り付ける。
【0066】
揺動アームをロック機構63を用いて引っ込み位置に持ち上げる。次に、フィルムのロール174を第1のスピンドル64に取り付ける。これを、図6a及び図6bに示すように且つ上述したように取り付ける。
【0067】
装置10を、トラフ形加圧機構90が開き形態(図8b)にある状態で手すり198に取り付ける。ピボット連結部18,22及び滑り回り継手20を必要に応じて緩めた状態で、装置の水平方向部分及び垂直方向部分を調節する。後ローラ41及びローラ110〜115は、装置がハンドレールに対して正確に位置決めされるようにするのに役立つ。所望ならば、ナットとボルトの組立体105,105aを調節する。装置を正しく配置した状態で、ピボット連結部18,22及び滑り回り継手20をロックするのがよい。最終の角度調節を気泡式水準器を用いて達成する。
【0068】
次に、位置合せ状態及び隙間をチェックすべきである。位置合せ状態は、図13に示す機構を用いてチェックできる。この目的で、剥離シート166の中心線を測定し、定規及びペンでマーキングし、或いは剥離シートは、あらかじめ印刷された中心線を備えていてもよい。まず最初に、位置合せ機構180の側要素182をつかんで側方へ移動させ、そして機構180をハンドレール200に嵌着させる。次に、側部材182を外してばね188により機構180がハンドレール200の側部にぴったりと当接するようにする。これにより、レーザ190はハンドレールの中心に自動的に位置合せされるようになる。所望ならば、レーザ190の角度位置を調節するのがよい。
【0069】
中心線のマークに対するレーザビームの位置により、ロール174が正しく位置合せされているかどうかが分かる。必要ならば、ロールの位置は、スピンドルのレバー140を押し下げてスピンドルの張力を解除し、ロール174をマーク及びレーザが一致するまで摺動させて調節できる。次に、レーザガイドをハンドレールから取り外す。
【0070】
ロック機構63を用いて揺動アーム60を定位置にロックし、加圧機構90を開く。取っ手56を前方方向に回すことにより、ローラ46を図2aに示すように引っ込み位置に配置する。これにより、クランク部材54は前方に向き、ローラ46はハンドレールの上方に上昇することになる。ロール174が定位置にある状態で、フィルムの端部160aを引っ込み状態のローラ46の回りに送り、開いた加圧機構90を通して手動で引っ張り、ハンドレールの長さに沿って差し向ける。フィルムの後端部を、これに対応した長さ分の剥離シート166を引き剥がした後、ハンドレールの側部に巻き付ける。この時点における接着では、しわやエアポケットの生じることが見込まれる。次に、加圧機構90を閉じ、フィルム190から引き剥がした剥離シート166をロール174の回りに且つこの上方に差し向けてテープで巻取りロール178に固定する。ロール178をスピンドル66に取り付ける。クランクをラチェット58から解除し、180°回転させ、するとクランク部材54はこの時点でクランクシャフトに対して下方に向き、ローラ46はばねによってハンドレール200に圧接される(図2b)。次に、揺動アーム60のロックを外してロール174がローラ46に当接してこの後をたどるようにする。揺動アームの重量は、被着中フィルムに及ぼされる力を増大させる。
【0071】
フィルム160がいったんハンドレール200に接触すると、これを短い距離ジョグ送りすれば、フィルムがハンドレール上に正しく掛かった状態を確立して中心合わせを確認することができる。フィルムの縁部は、ハンドレールの肩上で同一高さにあり、且つ対称であるべきである。もしそうでなければ、ロール174の位置を調節するのがよい。
【0072】
次に、端部160aに隣接したフィルム160の先導部分を手作業でハンドレール20に巻き付けて図7cに示す形状にし、それにより気泡がフィルムの下に形成され又は残らないようにする。次に、加圧機構90を閉じ、エスカレータをジョグ送りして約5フィートの試験ストリップを走行させて気泡又はしわが生じないようにする。プランジャ52に取り付けられたばね48aの下に設けられているナット(図示せず)を回すことによりロール46によって及ぼされる圧力を調節することができる。加圧機構90内のロール圧力は、加圧機構の2つの半部の閉じ具合を変えるボルト105aを回すことにより調節される。
【0073】
装置が適切なクリアランスで正しく心出しされると共にフィルム160がしわ、気泡等を生じないで一様に被着されていることがいったん確立すると、エスカレータを作動させてフィルムをハンドレールの全長にわたってぐるりと走行させるのがよい。
【0074】
オペレータは、フィルムの端部160aが装置10に向かって戻ってくるのを監視する。手で押し下げられた端部160aは、ローラ41の下を通過し、これは、フィルムがハンドレールに適度に押し付けられるようにするのに役立つ。端部160aがいったん機構に戻ると、フィルムの一部が約30.5cm(約12インチ)だけ端部160aとオーバーラップするようにする。
【0075】
この時点において、揺動アーム60を持ち上げ、ハンドル56をつかむことによりローラ46に加わる圧力を除く。加圧機構90を開く。フィルムを切断する。ねじ山付きねじ込み部材21を緩めて装置10の上方部分を支持部材12から取り外すことができるようにする。次に、真空カップ16を備えた支持部材12を別個に取り外す。
【0076】
次に、7.6〜10.2cm(3〜4インチ)分の過剰フィルムを引っ張り上げることによりオーバラップスプライス(添え継ぎ部)を形成する。これを、きれいに90°の角度にトリムする。次に、これを手で撫でつけて気泡又はしわが存在しないようにする。この添え継ぎは、ハンドレールに接触するローラ及び他の駆動要素の自然な動作が、フィルムの端を持ち上げようとするのではなく、添え継ぎ部を平らにしようとするようなものであることが注目できる。
【0077】
フィルム160が広告を載せる場合、特定の申し込みだけが設定期間にわたってエスカレータ上に残されることはほとんど確実である。確かに、エスカレータのハンドレール上に広告を載せる料金は、時間を基準にほぼ確実に定められることになる。
【0078】
特定の広告業者の時間が終了し、フィルムを交換することが望ましい場合、既存のフィルムを取り除く必要がある。これを行うため、エスカレータを、フィルムのスプライスを一方のハンドレール上に露出させた状態で停止させる(各ハンドレールを別々に剥ぎ取る必要があることが予想される)。フィルムの端部を上に引き剥がしてハンドレールに被着された端部の終りが現れるようにする。次に、この端部をそれ自体引き剥がすのがよい。フィルムがきれいに剥がれると、エスカレータを始動させ、ストリップをエスカレータの頂部又は底部のところに位置した状態で連続的に取り除く。
【0079】
フィルム160が残留物をハンドレール200上に残す場合、ハンドレール200を一層ゆっくりと進めて注意深く剥がし、クリーニング時間を減少させることが好ましい。この場合、エスカレータをオフにしてローアングルからのままにし、フィルムとリップ領域から頂部フェースまで少しづつ剥ぎ取り、接着剤をこれが進むにつれてきれいに取り除くことが好ましい。
【0080】
ハンドレール上に残っている残りの接着剤を除去する必要がある。接着剤を除去するために、EH−101溶剤配合物、アセトン、オイルフロ(Oil Flo )又はリフトオフ(Liftoff )、或いは他の適当な溶剤を用いるべきであり、この場合も、製造業者の指示にしたがって行う。
【0081】
以前フィルムが被着されているハンドレールの場合であっても、これを上述したように洗浄してシーラントを施すべきである。
【0082】
次に、図14、図15及び図16を参照すると、これらの図は、フィルムをハンドレールから剥ぎ取る又は取り除くための全体を符号210で示した装置を示している。ここでは、一例として、動く歩道等の手摺212が示されており、ハンドレールは符号214で断面で示されている。
【0083】
装置210は、一対の吸着盤216を有し、これら吸着盤は、先の実施形態の吸着盤16と同一であってもよい。支持部材12に対応して、吸着盤216から延びる状態で支持アーム218が設けられている。長手方向部材220が、全体的にL字形の形状をしており、支持アーム218に取り付けられている。部材220は、全体としてL字形をなすように下方に延びる端部222を有している。
【0084】
ヨーク224が、下方に延びる部分222に回動自在に取り付けられている。ピン226が、ヨーク224の側アーム228相互間に延び、駆動ドラム又は筒体230が、シャフト226に回動自在に取り付けられている。第1の駆動歯車232が、シャフト226に固着されている。第1のクラッチ板234が、加圧板236に取り付けられ、この加圧板は、シャフト226に摺動自在に取り付けられ、またこの加圧板は、これがシャフト226と一緒に回転するようにするスプライン等を備えている。第2のクラッチ板235が、駆動ドラム230に固定されている。2つのクラッチ板234,236を互いに加圧し、一方のアーム228と加圧板236との間で作用するばね38が設けられている。
【0085】
その結果、使用にあたり、駆動ドラム230を回転させると、以下に詳細に説明するように、駆動ドラムは、駆動力を2つのクラッチ板234,236を介してシャフト226に伝える。これにより、第1の駆動歯車232が駆動される。揺動アーム240が、シャフト226に自由な状態で回動自在に取り付けられている。遊び歯車242が、揺動アーム240の中間に回動自在に取り付けられている。別のシャフト244は、揺動アーム240の他端部に回動自在に取り付けられている。
【0086】
第2の駆動歯車246及びこれに関連した第1のスピンドル247が、互いに且つシャフト244に固定されている。
【0087】
必要な圧力を保つために、付勢ばねを備えた入れ子式シャフトが符号248,249のところに示すように設けられている。シャフト248は、長手方向に延びる部材220及びヨーク224の側アームに回動自在に連結されている。第2の入れ子式シャフト249は、巻取りロール(以下に詳細に説明する)をハンドレールに圧接保持するために長手方向に延びる部材220と揺動アーム240との間に回動自在に連結されている。
【0088】
使用にあたり、装置210を図14に示すように取り付ける。装置210は、真空クランプ216及び支持アーム218を適当に調節することにより駆動ローラ230をハンドレール214の頂部に圧接させた状態で取り付ける。巻取りロール250が、トルク又は駆動力がスピンドル247との間で伝達されるような仕方でスピンドル247に取り付けられている。次に、ハンドレールを矢印252の方向に駆動し、ドラム230を回転させる。駆動歯車232,246は、巻取りロールの250の表面がハンドレール214よりも早い速度で動くように寸法決めされている。以下に詳細に説明するように、フィルムがロール250に連続的に巻かれてこの表面又は周速度が角速度を一定とした場合に増大するようになることは理解されるべきである。クラッチ板234,235によって形成されたクラッチ機構は、例えば上述の装置の場合、この速度の差を補償し、巻取りロール250に一定のトルクが加わった状態を維持するよう測定されている。
【0089】
図示のように、フィルム254がハンドレール214上に位置した状態で、まず最初に、フィルムの自由端部256を手でハンドレール214から離してロール250に十分に巻き付けてこれに固定する。
【0090】
その結果、ハンドレール214が方向252に駆動されると、装置210の機構は、フィルム254を連続的に取り除き、これをロール250に巻く。これを続けてフィルム全体が取り除かれるようにする。この時点において、次に装置210を用いて公知の方法で動く歩道又はエスカレータの反対側の側部上のフィルムを取り除くことができる。この目的のため、支持アーム218は、この装置をエスカレータ及び移動中のハンドレールの両側に取り付けることができるように構成されていることは理解されよう。
【0091】
幅が約12.7cm(5インチ)のフィルムの場合、所要の剥ぎ取り強さ又は荷重は約15.8kg(35ポンド=155ニュートン)であることが判明した。これは相当大きな荷重であり、場合によっては、特にハンドレール駆動機構が比較的低い張力レベルでセットアップされている場合、ハンドレール駆動機構の滑りを生じさせる場合がある。これらの状況の場合、駆動ドラム230は、フィルムの取り除き中、装置210とハンドレールの両方の適切な駆動を保証するよう別個の動力源、例えば電動機を備えるのがよい。変形例として、駆動ドラム230を省いて、別個の駆動装置をスピンドル248に直接連結してもよい。
【0092】
また、装置210は装置10と一体のものであってよいことが考えられる。この目的のため、支持部材12及び支持アーム218は、互いに一体であり、適当な数の吸着盤16,216を設けてもよい。複合装置の場合、2つの吸着盤を設ければ十分であり、或いは3以上の吸着盤を設けることが望ましい場合がある。この場合、装置10の長手方向に延びる部材32と剥ぎ取り装置210の長手方向に延びる部材220は、一体形装置を構成するよう互いに一体であるのがよい。かかる複合装置を用いると、一方のフィルムの剥ぎ取り又は取り除き及び新しいフィルムの取付けと古いフィルムの交換を同時に行うことができる。明らかなこととして、これは、フィルムを剥ぎ取っても、接着剤等の望ましくない跡を生じさせないでハンドレールが十分きれいな状態のままであるような場合にのみ使える。
【0093】
かかる複合装置では、既存のフィルムの取り除きと新しいフィルムの布設の両方を行うのに必要な荷重が大きいので、ハンドレールの偶発的な停動の問題がいっそう顕著であると考えられる。この目的のため、装置を駆動するため、電動機等からのある別個の駆動装置を設けることがいっそう望ましい場合がある。
【0094】
次に、図17a〜図17dを参照すると、これらの図は、フィルムに入れられるミシン目パターンの例を示している。フィルムに比較的強力な接着剤を施すことが提案されているが、以下に説明するように、これにより問題が生じる場合があり、この理由でミシン目が入れられると考えられる。接着剤が正しく働く場合、これにより、フィルムは定位置に位置したままであり、移動して駆動機構と絡み合ったりする傾向がないようになる。それにもかかわらず、種々の理由で、フィルムの縁部又は端部、或いはフィルムの他の部分があれやこれやの理由で離れるようになる場合があることは認識されなければならない。
【0095】
これに関連して、現在提案されているフィルムは相当大きな強度を有し、実際約12.5cm(5インチ)の幅について約112.5kg(250ポンド)の破断強さを有していることは理解されるべきである。もしフィルムの縁部が離れるようになると、これはハンドレールの駆動機構又は案内機構の一部と絡み合うようになる場合がある。考えられることとして、フィルムの端部が案内ローラに巻き付くようになり、次第にフィルムの全長が引き出され、それによりローラに巻き付くようになるので、おそらくは、駆動機構はフィルムの全長が取り出される前に詰まりを生じることになる。いずれの場合においても、これは非常に望ましくなく、大きな保守上の問題を引き起こすことになる。これと関連して、本発明は、比較的未熟な作業員又は少なくともエスカレータ又はハンドレール駆動機構について細かい知識を必要としない作業員によって操作されることが意図されていることは注目される。かかる作業員は、駆動又は案内機構の一部の周りへのフィルムのひどい絡み状態を処理するのに必要な技術を持っていない。
【0096】
したがって、この問題を解決しようとして、ミシン目によってフィルムを弱くすることが提案される。本発明は、もし縁部が駆動機構等の一部にくっつくよう自由になれば、フィルムは、その僅かな部分がフィルムが切り取り点線又はミシン目で分離することによりハンドレールから離れるようになることができるということにある。これは、フィルムの僅かな部分が離れるようになるようにすべきであり、そしてこれはハンドレールの作動を妨害しないようなものであるべきである。もしフィルムを点検し又はフィルムを交換する場合、フィルムの1又は2以上の部分が無くなっていて、これらが駆動機構の隠れた部分に付着した状態になっているという疑いがあれば、これについて後日、有資格保守チームによる調査を行うことができる。
【0097】
上述のように、幅が約12.5cm(5インチ)のフィルムについての剥離強さは、約15.8kg(約35ポンド=155ニュートン)である。ミシン目を入れてフィルムの強度を約20.3kg(約45ポンド=200ニュートン)まで弱くすることが意図されている。これにより、フィルムをハンドレールから剥ぎ取ることができる適当なマージンが得られ、それと同時に、約112.5kg(約250ポンド=1,112ニュートン)のもともとの強度からフィルムが著しく弱くなる。これにより、過度の且つ望ましくない荷重が駆動及び案内機構のどの部分にも加わらないようになる。
【0098】
次に図17a及び図17bを参照すると、これらの図は、別のミシン目パターンを詳細に示している。任意適当なミシン目形態を設けてもよいことは理解されよう。当然のことながら、ミシン目の配列をフィルム上に配される広告材料にしたがって形づくり、そして広告材料の一部として組み込んでもよいことが考えられ、或いはミシン目は、普通のユーザにはそれほど目に見えないようになっている。
【0099】
図17a〜図17dの全てにおいて、ハンドレールの一部が簡単に示されており、ハンドレールの長手方向軸線は、これら全ての図において垂直に延びている。ミシン目パターンは、適当な間隔で、例えば約30cm(12インチ)ごとに繰り返されていることは理解されよう。
【0100】
まず最初に図17aを参照すると、フィルムが符号260で示されていて、ミシン目から成る対角線262を備えている。さらに、図17aは、側縁部264を示している。これら側縁部は、十分なフィルム強度を維持するのに必要であると考えて、フィルムの縁部にミシン目の入っていない帯域を提供することを意図していた。事実、逆のことがいえ、即ち、フィルムの強度を適当なレベルまで減少させるために相当多くのミシン目を幅全体にわたって設けることが必要であることが判明した。この理由により、ミシン目の入らない側縁部はおそらくは設けられないであろう。
【0101】
スリット及びスリット相互間の間隙の長さを変えることができ、以下の表は幾つかの例示の寸法を記載している。
【0102】
スリット長さ(インチ/mm) スリット隙間(インチ/mm)
0.05/1.3 0.2/5.1 0.05/1.3 0.4/10.2 0.05/1.3 0.8/20.3 0.025/0.6 0.8/20.3 図17bは、図17aの小規模な変形例を示している。ここでは、スリットは長さ方向に設けられている。ただし、スリット又はミシン目の配設線はこの場合もまた、45°の対角線方向にある。スリットはこの場合、長さが0.2インチ、相互間隔が0.2インチである。
【0103】
別の変形例が、図17cに示されている。ここでは、全て、ハンドレールについての長手方向軸線に対し45°の角度で延びるが、交互の方向に(ジグザグに)延びる互いに異なる線分から成るミシン目から成る線が設けられている。上記表に示されているようなスリットの長さ及びスリットの間隙をこの形態に用いることができる。
【0104】
図17cはまた、ミシン目についての形態全てを備えた状態、即ち、側縁部を構成する2列の長手方向に延びるミシン目270が設けられた状態で用いることができる別の変形例を示している。ここでは、側縁部は約1.6mm(0.0625インチ)という比較的狭いものであるが、かかる側縁部は、様々な寸法を有していてもよく、例えば約6.35mm(0.25インチ)以上のかなり幅の広いものであってもよい。具体的に説明すると、側縁部は、使用にあたりハンドレールの頂面をちょうど覆うフィルムの一部が、ハンドレールのリップの底部の下に巻き付くフィルムからこれらの長手方向に延びるミシン目270だけ分離されるように寸法決めされるのがよい。
【0105】
最後に、図17dは、ミシン目の簡単な例を示している。ここでは、ミシン目は、フィルムを垂直方向に横切って延びる真っ直ぐな線272の状態に配列されている。この場合もまた、スリット長さ及びスリット間隙は、上述の表から取ることができる。長手方向に延びるミシン目270を設けるのがよいが、このようにするかどうかは任意である。
【0106】
上述したように、フィルムは理想的には、厚さが0.075mm(3ミル)のポリウレタンから成る2つの層で作られている。現時点において予想されることとして、フィルムの下側層の厚さは0.05mm(2ミル)であり、上側層の厚さは0.075mm(3ミル)であるか、あるいは両方の層の厚さが0.05m(2ミル)であると考えられる。これにより、フィルムの総破断強さが減少し、それゆえに、安全上の目的で、妥当な数値まで破断強さを減少させるのに必要なミシン目のレベルが減少することになる。
【0107】
本発明のもう1つの特徴は、クリーニング機能を発揮するようハンドレールに取り付けられる軟質フィルムを提供することにある。かくして、宣伝等を提供するのではなく、フィルムの表面は、エスカレータ又は動く歩道の隠れていて密閉された機構を通っている時にクリーニング機能を発揮するある被膜を備えるのがよい。この目的のため、フィルムが2つの層を有することは必要でないことは理解されよう。図12の構成に関し、層168,170(及び任意的に172)を省いてもよく、即ち、少なくともこの特徴に関し、層162(以下に詳細に説明するように、上述の層とは異なる特性を有している)、接着剤層164及び剥離シート166だけが必要である。
【0108】
例えば、一実施形態では、かかる提案例は、フィルムの頂面上に付着された接着剤、即ち、層172に類似しているが、エスカレータ機構内部から毛羽、ほこり、糸屑等をピックアップするようになった選択された接着性を備えた接着剤を有するのがよい。この目的のため、フィルムを、上述したようにハンドレールに取り付け、ハンドレールを所望の期間にわたって作動させる。次に、フィルムを取り除くと、これと共にピックアップされてフィルムに付着している毛羽、ほこり等が取り除かれる。他の変形例が考えられる。例えば、フィルムは、ハンドレール機構内部の表面から油、グリース等を吸着する多孔性又は吸着構造を備えるのがよく、これを提供するには、この特性を単一層162内に組み込むか、或いは接着剤層172によってフィルム162にくっつけられた別個の層を設けるのがよい。認識されることとして、かかる方法に固有の欠点は、多くのエスカレータの駆動機構がハンドレールに強力な挟み又はピンチ(pinch )荷重を及ぼし、これは当然のことながら、吸着した油、グリース及び他の流体を絞り出す傾向がある。例えば、多くのエスカレータは現在、いわゆる線形駆動装置を採用しており、かかる線形駆動装置は本来、適当な駆動装置を提供するよう高いピンチ荷重を必要とする。
【0109】
かかる構成の場合、吸着剤層は、比較的硬質材料の長手方向に延びるリブ等を備えた開放した多孔性吸着剤の形態であるのがよいことが考えられる。これらリブは、吸着剤と同一平面上に位置するが、ローラのピンチ荷重を伝えて多孔質材料の過度の圧縮を防止し、それにより吸着した流体等が押し出されるのを阻止するのに役立つ。
【0110】
もう1つの考えられることとしては、多層フィルムを設けることである。例えば、底部又はメインフィルムは、両側に接着剤を備え、それによりエスカレータのハンドレールに片方の側でくっつくようにしてもよい。他方の側の接着剤は当初、吸着材料層に接着するのがよい。かかるフィルムをまず最初に走行させて吸着剤層が油、他の流体等をピックアップするようにする。十分に時間がたった後、この吸着剤層を別個に取り除いてフィルムそれ自体及び露出した接着剤層が後に残るようにする。次に、フィルムそれ自体を駆動機構に通って走行させ、露出した接着剤層がほこり、毛羽等をピックアップするようにする。次に、フィルムをエスカレータから剥ぎ取って蓄積したほこり、毛羽等を除去する。
【0111】
現時点において好ましい接着剤フィルムは、ハイパロン(Hypalon )ゴム製ハンドレールにのみ適正にくっつく。ハイパロンは、デュポン社製のクロロスルホン化ゴムであり、これは、UV特性が優れていて、顔料で着色可能である。これは、高価な材料であるが、着色ハンドレールが必要な場合には一般に選択されている。
【0112】
たいていのハンドレールは、SBR(スチレンブタジエンゴム)で作られている。というのは、これは、たいていの用途にとって十分な特性を有し、しかも安いからである。接着剤フィルムは当初くっつくが、SBRから溶出する酸化防止剤成分により、数時間ではなくても、数日以内に剥がれることになる。
【0113】
それゆえに、現時点において好ましい接着剤の場合、たいていのエスカレータの現場では、フィルムの被着に先立って、ハイパロンへのハンドレールの交換/アップグレードが必要となろう。SBRハンドレールに適度に接着する適当な接着剤を見出だすことが可能である。
【0114】
本発明の好ましい実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する多くの設計変更例を想到できることは理解されよう。
【0115】
特に、フィルム160をハンドレールに巻き付ける度合を調節でき、これは個々のハンドレールのプロフィール及び設置状態で決まるであろう。フィルムをハンドレールリップの周りに大部分にわたって巻きつける(巻きつけるようにして覆う)のが有利である。というのは、これはフィルムの縁部をユーザから十分遠ざけておくことができ、たとえどんな理由であるにせよ、フィルムを摘んで剥ぎ取ろうとする人には容易には近づけないようにするからである。他方、フィルムがリップ全体を包む場合、これはハンドレールがエンドローラ等の周りに走行する際にしわくちゃになりがちな場合がある。したがって、通常、これら2つのパラメータの間にある妥協点を見出だすことが必要となることが考えられる。
【0116】
一般的に注意することとして、本明細書に記載したフィルムを、通常の階段に用いられるような固定ハンドレールに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】フィルムをエスカレータのハンドレールに被着させる装置の斜視図である。
【図2a】図1の装置を或る位置で示す側面図である。
【図2b】図1の装置を別の位置で示す側面図である。
【図3a】ハンドレールの長手方向に沿って見た図であり、一取り付け構造を示す図である。
【図3b】ハンドレールの長手方向に沿って見た図であり、別の取り付け構造を示す図である。
【図4】図3aに相当するエスカレータの手すりに用いられる装置を示す斜視図である。
【図5】フィルム及び剥離シートの動作の詳細を示すとともにエスカレータのハンドレールへのフィルムの被着状態を示す斜視図である。
【図6a】フィルム又は剥離シートのいずれかのロールを取り付けるスピンドルの詳細図である。
【図6b】フィルム又は剥離シートのいずれかのロールを取り付けるスピンドルの詳細図である。
【図7a】フィルム及び剥離シートの経路及びハンドレールへのフィルムの包装状態を示す概略図である。
【図7b】フィルム及び剥離シートの経路及びハンドレールへのフィルムの包装状態を示す概略図である。
【図7c】フィルム及び剥離シートの経路及びハンドレールへのフィルムの包装状態を示す概略図である。
【図8a】加圧機構の断面図であり、その動作状態を示す図である。
【図8b】加圧機構の断面図であり、その動作状態を示す図である。
【図9a】加圧機構の別の断面図であり、加圧ローラの取付け方法を示す図である。
【図9b】加圧機構の別の断面図であり、加圧ローラの取付け方法を示す図である。
【図9c】加圧機構の別の断面図であり、加圧ローラの取付け方法を示す図である。
【図9d】加圧機構の別の断面図であり、加圧ローラの取付け方法を示す図である。
【図9e】加圧機構の別の断面図であり、加圧ローラの取付け方法を示す図である。
【図9f】加圧機構の別の断面図であり、加圧ローラの取付け方法を示す図である。
【図10】加圧機構の側面図であり、トラフ形加圧機構の半分の詳細を示す図である。
【図11a】加圧機構のローラの間隔保持取付け方式の詳細を示す図である。
【図11b】加圧機構のローラの間隔保持取付け方式の詳細を示す図である。
【図11c】加圧機構のローラの間隔保持取付け方式の詳細を示す図である。
【図11d】加圧機構のローラの間隔保持取付け方式の詳細を示す図である。
【図11e】加圧機構のローラの間隔保持取付け方式の詳細を示す図である。
【図11f】加圧機構のローラの間隔保持取付け方式の詳細を示す図である。
【図12】本発明のフィルムの断面図である。
【図13】本発明の装置を位置合せするための機構の斜視図である。
【図14】フィルムをハンドレールから取り除く装置の斜視図であり、この装置が、ハンドレールに用いられた状態で示されている図である。
【図15a】図14のフィルムを取り除く装置の一部について、他方の側から見た拡大斜視図である。
【図15b】図14のフィルムを取り除く装置の一部の拡大側面図である。
【図15c】図14のフィルムを取り除く装置の図14と類似した拡大斜視図である。
【図16】図14及び図15の装置の断面図である。
【図17a】ハンドレール用フィルムのミシン目パターンの一例の平面図である。
【図17b】ハンドレール用フィルムのミシン目パターンの別の例の平面図である。
【図17c】ハンドレール用フィルムのミシン目パターンの別の例の平面図である。
【図17d】ハンドレール用フィルムのミシン目パターンの別の例の平面図である。
【符号の説明】
【0118】
10 フィルムをエスカレータのハンドレールに被着させる装置
150 スリーブ
160 複合フィルム
162 第1のフィルム層
164 第1の接着剤層
166 剥離シート
168 印刷物
170 第2のフィルム層
172 第2の接着剤層
200 ハンドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドレールの細長い連続した手すりを備えた動くハンドレールの表面上に広告する画像を有する方法において、
(a) 第1のフィルム層と、この第1のフィルム層の下面に被着されており軟質フィルムをハンドレールに着脱自在に取り付ける第1の接着剤層と、前記軟質フィルムに設けられた画像とを有し、前記ハンドレール外周とハンドレールの肩表面の少なくとも一部を被覆するのに十分な幅と、前記ハンドレールの連続した手すりの長さより長い長さを有する軟質フィルムを供給する工程と、
(b) 前記ハンドレール上に前記フィルムを被着し、前記軟質フィルムが前記ハンドレールの肩表面の少なくとも一部の外周に延び、前記ハンドレールの長さ方向に沿って連続している工程と、
(c) 前記軟質フィルムを設定した期間、前記ハンドレール上に保持する工程と、
(d) 前記軟質フィルムが前記ハンドレール上にある期間に基づいて前記ハンドレール上の前記画像の提供の料金を請求する工程と、
(e) 設定期間が終了したら、前記ハンドレールを再使用できるようにするため前記ハンドレールから前記軟質フィルムを取り除いてハンドレールを洗浄する工程を含む方法。
【請求項2】
さらに
(f) 異なる画像を保持している追加の前記軟質フィルムのために必要とされる工程(a)ないし工程(e)を繰り返す工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像は前記軟質フィルムの長さ方向に沿って標準長さごとに繰り返されているひとつのパターンにより構成されている請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程(b)には、オーバーラップした添え継ぎ部が用意されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第2のフィルム層と、この第2のフィルム層を前記第1のフィルム層に接着するための第2の接着剤層とを有し、前記第1のフィルム層を保護するために前記第2のフィルム層は少なくとも第1のフィルム層と同じ幅を有している請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフィルム層と第2のフィルム層との間に画像を有し、これにより、前記第2のフィルム層は前記画像を保護しており、前記第2のフィルム層を少なくとも部分的な透明材料により形成した請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のフィルム層には、ベタの色のひとつと繰り返されたパターンとが形成されている請求項6に記載の方法。
【請求項8】
オーバーラップした添え継ぎ部を有している請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のフィルム層の頂部上には印刷物としての複数の画像が設けられている請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図9f】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図17d】
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【公開番号】特開2008−189477(P2008−189477A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127329(P2008−127329)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【分割の表示】特願2004−184961(P2004−184961)の分割
【原出願日】平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願人】(501149514)
【Fターム(参考)】