ハンマーグラブ
【課題】シェルの駆動機構につながる油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩じれて切れたりするの確実に防止できるハンマーグラブを提供する。
【解決手段】筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、シェル取付枠3に複数個のシェル4,4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用シリンダ5を配置し、筒状基枠2内に昇降枠6を昇降可能に設け、昇降枠6内に軸受7を介して相対回転可能に取り付けた連結用ロッド8にシリンダ5の下端側を連結し、シリンダ5の上端側には内軸体9aとこれに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、外筒体9bを筒状基枠2側に固定すると共に、内軸体9aの上端側に吊り下げ接続部10を設け、昇降枠6とシェル4,4とをリンク機構12により連動連結し、シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によってシェル4,4を開閉させる。
【解決手段】筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、シェル取付枠3に複数個のシェル4,4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用シリンダ5を配置し、筒状基枠2内に昇降枠6を昇降可能に設け、昇降枠6内に軸受7を介して相対回転可能に取り付けた連結用ロッド8にシリンダ5の下端側を連結し、シリンダ5の上端側には内軸体9aとこれに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、外筒体9bを筒状基枠2側に固定すると共に、内軸体9aの上端側に吊り下げ接続部10を設け、昇降枠6とシェル4,4とをリンク機構12により連動連結し、シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によってシェル4,4を開閉させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所打ち杭工法その他の基礎工事におけるケーシング内側の掘削排土作業や適当な手段で切断又は破砕した既製杭等の掴み出し作業などに使用されるハンマーグラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より場所打ち杭工法その他の基礎工事において、地盤中に打ち込んだケーシングとしての鋼管内をハンマーグラブを使用して掘削する手段が用いられている。例えば図12の作業状態図に示すように、地盤G中に全周回転駆動装置Aを用いてケーシング(鋼管)Cを打ち込み、クレーンBのジブD先端から垂下した吊り下げ用ワイヤーEによりハンマーグラブHを吊支してケーシングC内に降下させ、シェルFを開閉させて地中掘削、排土作業等を行なう。
【0003】
従来のハンマーグラブは、図示の詳細は省略するが、下端にバケットとしての湾曲したスコップ形の複数個(通常は一対)のシェルが開閉可能に枢着されており、その開放姿勢でケーシング内に落下させることにより、土砂層にシェルを突き立て、次いでシェルを閉鎖姿勢に転換させて土砂を掬い取り、閉じたシェル間に土砂を保持した状態で全体を引き上げ、地上でシェルを開放姿勢にして土砂を排出する(例えば、特許文献1〜3)。また、ケーシング内における岩石や適当な手段で切断又は破砕した既設杭のような埋入障害物についても、ハンマーグラブを用い、そのシェルを開放姿勢から閉鎖姿勢側へ内向き回動させる動作で掴み、その状態で該ハンマーグラブを引き上げることによって地上へ掴み出す方法が採られている。
【特許文献1】特開平7−11859号公報
【特許文献2】特開2004−76361号公報
【特許文献3】特開2006−348469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成のハンマーグラブでは、筒状のケーシングの回転掘進に並行して内側の掘削土や岩石のような埋入障害物の掴み出しを行ったり、打ち込んだケーシング内に回転筒式の切断機や破砕機と一緒に挿入し、その切断機による既設杭等の埋入障害物の切断や、破砕機による地下コンクリート構造物の破砕等と相前後して切断物や破砕物の掴み出しを行ったりする場合に、ハンマーグラブが前記の回転するケーシングや切断機、破砕機と接触して共回りすることが多々あり、この共回りによって地上側からシェルの駆動機構に繋がる油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩れて切れることがあった。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑み、ハンマーグラブとして、ケーシングの回転掘進に並行して掘削排土や埋入障害物の掴み出しを行ったり、ケーシング内に回転筒式の切断機や破砕機と一緒に装填して切断物や破砕物の掴み出しを行ったりする場合に、回転するケーシングや切断機、破砕機と接触しても全体の共回りを生じず、従ってシェルの駆動機構につながる油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩じれて切れたりするの確実に防止できるハンマーグラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、シェル取付枠3に複数個のシェル4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用のシリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降可能に設け、この昇降枠6内に軸受7を介して同心状で相対回転可能に取り付けた連結用ロッド8に前記シリンダ5の下端側を連結し、シリンダ5の上端側には内軸体9aとこれに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の前記内軸体9aを同心状に連結し、その外筒体9bを筒状基枠2側に固定すると共に、内軸体9aの上端側に吊り下げ接続部10を設け、前記昇降枠6と前記シェル4,4とをリンク機構12により連動連結し、前記シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によって前記シェル4,4を開閉させるようにしてなることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1に記載のハンマーグラブにおいて、前記筒状基枠2には、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングC内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するためのプッシャー28を有するスタビライザー29を一体的に設けてなることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項1又は2に記載のハンマーグラブにおいて、前記吊り下げ接続部10には複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにしてなることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係るハンマーグラブは、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、シェル取付枠3に複数個のシェル4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用のシリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降可能に設け、この昇降枠6を前記シリンダ5の下端側に同心状に連結し、シリンダ5の上端側には内軸体9aとこれに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、前記シリンダ5の上端側を筒状基枠2側に固定し、スイベル機構9の外筒体9bに吊り下げ接続部10を設け、前記昇降枠6と前記シェル4とをリンク機構12により連動連結し、前記シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によって前記シェル4を開閉させるようにしてなることを特徴とする。
【0010】
請求項5は、請求項4に記載のハンマーグラブにおいて、前記筒状基枠2には、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングC内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するためのプッシャー28を有するスタビライザー49を一体的に設けてなることを特徴とする。
【0011】
請求項6は、請求項4又は5に記載のハンマーグラブにおいて、前記吊り下げ接続部10には複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにしてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6からなる一連の部材2,3,4,6と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結したスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aとが相対回転可能であって、スイベル機構9の内軸体9aの上端に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6の一連の部材2,3,4,6が回転フリーとなるから、場所打ち杭工法その他の基礎工事においてケーシングの回転掘削に並行してケーシング内側の掘削排土作業や途中で切断又は破砕した既製杭等の掴み出し作業を行なう際に、シェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6の一連の部材が共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持され、油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩じれて破損するおそれがない。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4、昇降枠6及びスタビライザー29からなる一連の部材2,3,4,6,29と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、このシリンダ5の下端側に連結した連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結したスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aとが相対回転可能であるから、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合は、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、貫入したケーシングCの内周面にスタビライザー29のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させて引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を容易に引き抜くことができる。
【0014】
請求項3に係る発明のように、吊り下げ接続部10に複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにすれば、それにより吊り下げ接続部10の回転を阻止できるから、特別な回転阻止手段が不要で、設備が簡単となる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとが互いに一体的に連結されていて、この一連の部材2,3,4,5,6,9aと、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であって、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、上記一連の部材2,3,4,5,6,9aが回転フリーとなり、従って場所打ち杭工法その他の基礎工事においてケーシングの回転掘削に並行してケーシング内側の掘削排土作業や途中で切断又は破砕した既製杭等の掴み出し作業を行なう際に、シェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2とシェル取付枠3と油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aからなる一連の部材2,3,4,5,6,9aが共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持されるから、吊り下げ用ワイヤー27、油圧配管チューブ、動力ケーブル、その他のワイヤーが捩じれて破損するおそれがない。
【0016】
請求項5に係る発明のように、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとスタビライザー49とが互いに一体的に連結されていて、これら一連の部材2,3,4,5,6,9a,29と、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であって、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することにより、上記一連の部材2,3,4,5,6,9a,29が回転フリーとなるから、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合は、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、地盤中に貫入されたケーシングCの内周面にスタビライザー49のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させながら引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を地上ヘ容易に引き出すことができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、吊り下げ接続部10に複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにすれば、それにより吊り下げ接続部10の回転を阻止できるから、特別な回転阻止手段が不要で、設備が簡単となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、先ず図1の(a) は本発明に係るハンマーグラブ1の全体を示す縦断面図、(b) は同ハンマーグラブ1の吊り下げ接続部の平面図、図2は同ハンマーグラブ1の上部側の拡大図、図3は下部側の拡大図である。
【0019】
このハンマーグラブ1は、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、このシェル取付枠3に一対のシェル4,4を枢着し、筒状基枠2内にはシェル開閉駆動用の油圧シリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降のみ可能に取り付け、そして昇降枠6内に軸受7を介して同心状で相対回転のみ可能に取り付けた連結用ロッド8を油圧シリンダ5のピストンロッド5bに一体的に連結し、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aには、内軸体9aとこれに回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、その外筒体9bを筒状基枠2側に固定すると共に、内軸体9aの上端側に吊り下げ接続部10を設け、昇降枠6とシェル4とをリンク機構12により連動連結し、しかして油圧シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によってシェル4を開閉させるようにしたものである。
【0020】
上記ハンマーグラブ1の構造について更に詳しく説明すれば、筒状基枠2は、上下両端にフランジa,bを有する円筒状本体2aと、この円筒状本体2aの外周面に周方向一定間隔おきに配設された補強リブ2bとからなる。この筒状基枠2の円筒状本体2a内の下部に配置された昇降枠6は、油圧シリンダ5の伸縮作動により図1の実線で示す下限位置から仮想線で示す上限位置までの所定ストロークを昇降するもので、図3に示すように、内筒部材6aと外筒部材6bと両部材6a,6bをつなぐ連結部材6cとから構成され、そして図示は省略するが、外筒部材6bの外周側と円筒状本体2aの内周側の何れか一方側に軸方向に延びる凸条部が形成され、他方側には凸条部にスライド可能に嵌合する凹条部が形成され、この凹条部と凸条部との凹凸嵌合によって、昇降枠6が、筒状基枠2の円筒状本体2aに沿って筒状基枠2と一体回転可能な状態で昇降するようになっている。
【0021】
図3から分かるように、昇降枠6の内筒部材6a内に連結用ロッド8が軸受7を介して相対回転のみ可能に嵌挿されている。図3において、52,53は内筒部材6aの上下両端に固着された上下の蓋部材を示す。
【0022】
また、図3に示すように、昇降枠6の内筒部材6aの下端部に下部蓋部材53を介して一体に設けてあるロッド取付部材13の両端部側には一対のコネクティングロッド14,14の夫々の一端部がピン54で枢着されている。一方、筒状基枠2の下端部に一体的に取り付け固定されたシェル取付枠3には一対のシェル4,4が夫々ピン55で枢着されていて、両シェル4,4の揺動レバー4a,4aの夫々先端部と両コネクティングロッド14,14の他端部とが夫々ピン56で枢着されている。尚、ロッド取付部材13、一対のコネクティングロッド14,14、両シェル4,4の揺動レバー4a,4a及びピン54,55,56がリンク機構12が構成する。
【0023】
従って、図1に示すように、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のピストンロッド5bが伸長作動して昇降枠6が実線図示のような下限位置にある時、両シェル4,4が開放姿勢にあり、しかしてこの状態から油圧シリンダ5のピストンロッド5bが収縮作動して昇降枠6が下限位置から仮想線図示のような上限位置まで上昇すると、両シェル4,4は、前記リンク機構12によって開放姿勢から仮想線図示のような閉鎖姿勢となる。
【0024】
スイベル機構9は、図2から分かるように、内軸体9aと、この内軸体9aに軸受15,16を介して相対回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなるもので、内軸体9aの下端フランジ部17と、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aの上端フランジ部18とがボルト19で接合され、それによって内軸体9aがシリンダ本体5aの上端部に同心状に一体的に連結されている。外筒体9bは、固定用ブラケット20を介して筒状基枠2の上端部に固定されている。
【0025】
このスイベル機構9の内軸体9a側には、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口22,23が設けられ、これらの給排油口22,23は、内軸体9aに設けられた通油路24,25によってシリンダ本体5aの給排油口に通じている。図示は省略するが、内軸体9aの給排油口22,23は、油圧配管チューブを介して油圧源に接続される。また、吊り下げ接続部10は、内軸体9aの上端に水平姿勢に固着された水平台板10aからなるもので、水平台板10a上には両端部側に2個のシーブ26,26が軸着され、両シーブ26,26には、クレーン(図示省略)のジブ先端から垂下される吊り下げ用ワイヤー27が掛装されている。このように吊り下げ接続部10の水平台板10a上に並設した2個のシーブ26,26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装することにより、ハンマーグラブ1の吊り下げ時に吊り下げ接続部10の回転を阻止して固定状態に保持することができる。
【0026】
上記のように構成されるハンマーグラブ1にあっては、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6からなる一連の部材2,3,4,6と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、このシリンダ5の下端側に連結された連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結されたスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aが相対回転可能であるから、スイベル機構9の内軸体9aの上端に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6からなる一連の部材2,3,4,6が回転フリーとなる。
【0027】
このハンマーグラブ1の使用による場所打ち杭工法においては、図12に示す従来のハンマーグラブHを使用する場合と同様に、全周回転駆動装置を用いてケーシングCを回転させながら地盤中に打ち込み、クレーンのジブ先端から垂下した吊り下げ用ワイヤー27によりハンマーグラブ1を吊支し、シェル4,4を開放姿勢のままケーシングC内に降下させて土砂等に突き立てた後、シェル4,4を閉鎖姿勢に転換させて土砂等を掬い取り、閉じたシェル4,4間に土砂等を保持した状態でハンマーグラブ1の全体を引き上げて、地上でシェル4,4を開放姿勢にして土砂等を排出する。しかして、この過程でシェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6の一連の部材が共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持されるから、油圧配管チューブ、動力ケーブル、吊り下げ用ワイヤー27その他のワイヤーが捩じれて破損するおそれがない。
【0028】
この実施形態においては、吊り下げ接続部10に2個のシーブ26,26を並設して、両シーブ26,26に掛装した吊り下げ用ワイヤー27によってハンマーグラブ1を吊支しているが、ケリーバーを使用してハンマーグラブ1を吊支するようにしてもよい。しかしながら、この実施形態のように、吊り下げ接続部10に2個のシーブ26,26を並設して両シーブ26,26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにすれば、それによって吊り下げ接続部10の回転を阻止できるから、特別な回転阻止手段が不要で、設備が簡単となる。尚、この実施形態では、水平台板10a上に2個のシーブ26,26を設置しているが、シーブ26は2個以上複数個設置してもよい。
【0029】
図4の(a) は本発明に係る他のハンマーグラブ11の全体を示す縦断面図、(b) は(a) のX−X線断面図、図5は図4の(a) の一部拡大図である。このハンマーグラブ11は、図1〜図3によって説明したハンマーグラブ1と殆ど同様であるが、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対して中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングCの内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するための複数のプッシャー28を有するスタビライザー29を筒状基枠2と一体的に設けた点が異なる。
【0030】
スタビライザー29は、シェル取付枠3やシェル4の外径とほぼ同じ外径の周壁30aを備えた機枠30を有する。この機枠30内には、図4の(a) ,(b) から分かるように、下段側と上段側とに夫々一対のプッシャー28,28が配設され、例えば図4の(b) を参照すると、スイベル機構9の内軸体9aを挟んで左右両側に配置されたプッシャー28,28は、下段側の左右ガイド枠32,32に沿って夫々外向き半径方向に進退可能な左右両スライド部材33,33の夫々先端部に取り付けられ、左右両スライド部材33,33は、下段側の左右ガイド枠32,32に沿ってその両側に配設された油圧式復動形ダブルシリンダ34,34によって同時に進退駆動され、また図4の(b) に関して内軸体9aを挟んでその前後両側に配置されたプッシャー28,28は、上段側の前後ガイド枠35,35沿って夫々外向き半径方向に進退可能な前後スライド部材36,36の夫々先端部に取り付けられ、前後両スライド部材36,36は、上段側の前後ガイド枠35,35に沿ってその両側に配設された復動形ダブル油圧シリンダ37,37によって同時に進退駆動されるるようになっている。
【0031】
しかして、下段側2つのプッシャー28,28と上段側2つのプッシャー28,28を合わせた4つのプッシャー28…は、下段側2つの復動形ダブルシリンダ34,34及び上段側2つの復動形ダブル油圧シリンダ37,37によって同時に外向き半径方向に進退駆動され、その前進駆動時に、機枠30の周壁30aに設けられた前後左右4つの開口部38…から突出して、図4の(b) の仮想線図示のようにケーシングCの内周面に圧接し、それにより機枠30を介して筒状基枠2をケーシングCと一体化させることになり、また後退駆動時はその開口部38…内に退避してケーシングCとの縁を切ることになる。
【0032】
このハンマーグラブ11のスイベル機構9は、図1〜図3に示されるハンマーグラブ1と殆ど同様であるが、内軸体9aが外筒体9bから上方へ長く突出している点が異なる。そして、この長く突出したスイベル機構9の外筒体9bを囲むようにスタビライザー29が同心状に設けられている。即ち、スイベル機構9の外筒体9bは、固定用ブラケット39を介して筒状基枠2の上端部に一体的に固定され、その固定用ブラケット39にスタビライザー29の機枠30が一体的に固定され、それによってスタビライザー29の機枠30が筒状基枠2に一体に取り付け固定されている。
【0033】
また、図5に示すように、スイベル機構9の内軸体9aの上端部には、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口22,23が設けられ、これらの給排油口22,23は、内軸体9aに設けられた通油路24,25に通じ、これら通油路24,25はシリンダ本体5aの給排油口に夫々つながっている。また内軸体9aの上端部には、スタビライザー29のプッシャー駆動用油圧シリンダ34,37に対する圧力油の給排を行なう給排油口40(片方の給排油口のみ図示)が設けられ、これらの給排油口40は夫々通油路41を通って分岐口42,43から油圧配管チューブ(図示せず)を介してスタビライザー29の油圧シリンダ34,37に夫々つながっている。
【0034】
上記のようなスタビライザー29を備えたハンマーグラブ11によれば、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4、昇降枠6及びスタビライザー29からなる一連の部材2,3,4,6,29と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、このシリンダ5の下端側に連結した連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結したスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aとが相対回転可能であるから、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合は、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、図4の(b) に示すように貫入したケーシングCの内周面にスタビライザー29のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させながら引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を容易に引き抜くことができる。この場合のケーシングCの引き抜き力は、ハンマーグラブ11をワイヤーで吊り上げて引き抜く場合の数倍となり、極めて強力なものである。
【0035】
図6は本発明に係る更に他のハンマーグラブ21の全体を示す縦断面図であり、図7の(a) は同ハンマーグラブ21の上端部分の側面図であり、(b) は同ハンマーグラブ21の上端部分の平面図である。また、図8は同ハンマーグラブ21のスイベル機構9部分の拡大断面図である。
【0036】
このハンマーグラブ21は、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、このシェル取付枠3に一対のシェル4,4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用シリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降可能に設け、この昇降枠6を前記シリンダ5のピストンロッド5bに同心状に連結し、シリンダ5のシリンダ本体5aには、内軸体9aとこの内軸体9aに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、前記シリンダ5のシリンダ本体5aを筒状基枠2側に固定し、スイベル機構9の外筒体9bに吊り下げ接続部10を設け、前記昇降枠6と前記シェル4,4とをリンク機構12により連動連結し、前記シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によって前記シェル4,4を開閉させるようにしてなるものである。
【0037】
筒状基枠2は前述したハンマーグラブ1,11のものと同様な構造であって、この筒状基枠2の円筒状本体2a内の下部に配置された昇降枠6は、油圧シリンダ5の伸縮作動によって所定のストロークを昇降するもので、図6に概略示すように円筒状部材からなり、そして図示は省略するが、この円筒状昇降枠6の外周側と、筒状基枠2の円筒状本体2aの内周側の何れか一方側に軸方向に延びる凸条部が形成され、他方側には凸条部にスライド可能に嵌合する凹条部が形成され、この凹条部と凸条部との凹凸嵌合によって、昇降枠6が、筒状基枠2の円筒状本体2aに沿って筒状基枠2と一体回転可能な状態で昇降するようになっている。
【0038】
昇降枠6の下端部にロッド取付部材13が一体的に設けてあり、このロッド取付部材13の両端部側に一対のコネクティングロッド14,14の夫々一端部が枢着されている。また、前記ハンマーグラブ1,11と同様に、筒状基枠2の下端部に一体的に取り付けられたシェル取付枠3に、一対のシェル4,4が夫々枢着されていて、両シェル4,4の揺動レバー4a,4aの夫々先端部と両コネクティングロッド14,14の他端部とが夫々枢着されている。図6に示すように、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のピストンロッド5bが伸長作動して昇降枠6が実線図示のような下限位置にある時、両シェル4,4が開放姿勢にあり、しかしてこの状態から油圧シリンダ5のピストンロッド5bが収縮作動して昇降枠6が下限位置から図示しない上限位置まで上昇すると、両シェル4,4は、リンク機構12によって開放姿勢から閉鎖姿勢となる。
【0039】
スイベル機構9は、図8から分かるように、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aの上端側に同軸状に一体的に連結された内軸体9aと、この内軸体9aに軸受15,16を介して相対回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなり、そして外筒体9bには、吊り下げ接続部10を形成する取付リング10aが同心状に外嵌された状態に固着されると共に、この取付リング10aの下面側には複数の支持片10bが垂設された状態で外筒体9bの外周面に周方向一定間隔で固着され、こうして形成された吊り下げ接続部10上に2個のシーブ26,26を並設され、両シーブ26,26に吊り下げ用ワイヤー27が掛装されている。図6〜図8において、44は筒状基枠2の上端支持枠を示す。
【0040】
また図8に示すように、スイベル機構9の外筒体9bには、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口45,46が設けられ、これら給排油口45,46は、スイベル機構9の内軸体9aに設けられた通油路47,48に夫々連通し、これら通油路47,48は、図示しない油圧配管チューブを介してシェル開閉駆動用シリンダ5の給排油口につながっている。
【0041】
上記のように構成されるハンマーグラブ21によれば、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとが互いに一体的に連結されていて、この一連の部材2,3,4,5,6,9aと、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であるから、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、上記一連の部材2,3,4,5,6,9aが回転フリーとなる。
【0042】
このハンマーグラブ21の使用による場所打ち杭工法においては、全周回転駆動装置を用いてケーシングCを回転させながら地盤中に打ち込み、図示しないクレーンのジブ先端から垂下した吊り下げ用ワイヤー27によってハンマーグラブ1を吊支し、シェル4,4が開放した姿勢のままケーシングC内に降下させて土砂等に突き立てた後、シェル4,4を閉鎖姿勢に転換させて土砂等を掬い取り、閉じたシェル4,4間に土砂等を保持した状態でハンマーグラブ1の全体を引き上げて、地上でシェル4,4を開放姿勢にして土砂等を排出する。しかして、この過程でシェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとからなる一連の部材2,3,4,5,6,9aが共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持されるから、吊り下げ用ワイヤー27、油圧配管チューブ、動力ケーブル、その他のワイヤーが捩じれて破損するおそれがない。
【0043】
図9は本発明に係る更に他のハンマーグラブ31の全体を示す縦断面図、図10の(a) は同ハンマーグラブ31の上部側の側面図、(b) は図9のY−Y線断面図、図11は図9の一部拡大図である。ここに示すハンマーグラブ31は、図6〜図8によって説明したハンマーグラブ21と殆ど同様であるが、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対して中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングCの内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するための複数のプッシャー28を有するスタビライザー49を筒状基枠2と一体的に設けた点が異なる。
【0044】
スタビライザー49は、図4及び図5で説明したハンマーグラブ11のスタビライザー29と同様なものであって、シェル取付枠3やシェル4の外径とほぼ同じ外径の周壁30aを備えた機枠50を有する。この機枠50内には、図9及び図10から分かるように、下段側と上段側とに夫々両側一対のプッシャー28,28が配設され、下段側2つのプッシャー28,28は、直径方向に沿って設けられた下段側ガイド枠32の両端部側にスライド部材33,33の夫々先端部に取り付けられていて、両スライド部材33,33間に介設された復動形ダブル油圧シリンダ34により同時に進退駆動され、また上段側2つのプッシャー28,28は、下段側ガイド枠32と直交するように直径方向に設けられた上段側ガイド枠35の両端部側にスライド部材36,36の夫々先端部に取り付けられていて、両スライド部材36,36間に介設された復動形ダブル油圧シリンダ37によって同時に進退駆動されるようになっている。
【0045】
しかして、下段側2つのプッシャー28,28と上段側2つのプッシャー28,28を合わせた4つのプッシャー28…は、下段側の復動形ダブル油圧シリンダ34及び上段側の復動形ダブル油圧シリンダ37によって同時に外向き半径方向に進退駆動され、その前進駆動時に、機枠50の周壁50aに設けられた前後左右4つの開口部38…から突出して図9及び図10(a) ,(b) の仮想線図示のようにケーシングCの内周面に圧接し、それにより機枠50を介して筒状基枠2をケーシングCと一体化させることになり、また後退駆動時にはそれらの開口部38…内に退避してケーシングCとの縁を切ることになる。
【0046】
上記スタビライザー49は、機枠50を筒状基枠2の上端部に取付枠59を介して筒状基枠2と同心状に取付け固定され、しかしてこの機枠50の上端側中央部にスイベル機構9の内軸体9aが筒状基枠2と同心状に立設固定される。
【0047】
このハンマーグラブ31のスイベル機構9は、図6〜図8で説明したハンマーグラブ21と同様に、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aの上端側にスタビライザー49を介して同軸状に一体的に連結された内軸体9aと、この内軸体9aに軸受15,16を介して相対回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなり、外筒体9bに吊り下げ接続部10を設けてなるもので、スイベル機構9の外筒体9bには、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口45,46が設けられ、これら給排油口45,46は、内軸体9aに設けられた通油路47,48に夫々連通し、これら通油路47,48は、図示しない通油管を介してシリンダ本体5aの給排油口につながっている。
【0048】
また、このスイベル機構9の外筒体9bには、スタビライザー49の油圧シリンダ34,37に対する圧力油の給排を行なう給排油口57,58が設けられ、これら給排油口57,58は、図示は省略するが、内軸体9aに設けられた通油路に夫々連通し、それらの通油路は通油管を介して油圧シリンダ34,37の夫々の給排油口につながっている。
【0049】
上記のようなスタビライザー49を備えたハンマーグラブ31によれば、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとスタビライザー49とが互いに一体的に連結されていて、これら一連の部材2,3,4,5,6,9a,29と、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であるから、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、上記一連の部材2,3,4,5,6,9a,29が回転フリーとなる。
【0050】
従って、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合には、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、地盤中に貫入されたケーシングCの内周面にスタビライザー49のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させながら引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を地上ヘ容易に引き出すことができる。
【0051】
上述した実施形態では、シェル開閉駆動用シリンダ5及びスタビライザー29,49のプッシャー駆動用シリンダ34,37として、夫々油圧シリンダを使用しているが、油圧シリンダに代えてエアシリンダを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a) は本発明に係るハンマーグラブの全体を示す縦断面図、(b) は同ハンマーグラブの吊り下げ接続部の平面図である。
【図2】図1に示すハンマーグラブの上部側の拡大図である。
【図3】図1に示すハンマーグラブの下部側の拡大図である。
【図4】(a) は本発明に係る他のハンマーグラブの全体を示す縦断面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。
【図5】図4の(a) の一部拡大図である。
【図6】本発明に係る更に他のハンマーグラブの全体を示す縦断面図である。
【図7】(a) は図6に示すハンマーグラブの上端部分の側面図であり、(b) は同ハンマーグラブの上端部分の平面図である。
【図8】図6に示すハンマーグラブのスイベル機構部分の拡大断面図である。
【図9】本発明に係る更に他のハンマーグラブの全体を示す縦断面図である。
【図10】(a) は(a) 図9に示すハンマーグラブの上部側の側面図、(b) は図9のY−Y線断面図、
【図11】図9の一部拡大図である。
【図12】従来のハンマーグラブを使用して掘削作業を行なっている状態の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
C ケーシング
1 ハンマーグラブ
2 筒状基枠
3 シェル取付枠
4 シェル
5 シェル開閉駆動用シリンダ
6 昇降枠
8 連結用ロッド
9 スイベル機構
9a 内軸体
9b 外筒体
10 吊り下げ接続部
11 ハンマーグラブ
12 リンク機構
21 ハンマーグラブ
26 シーブ
28 プッシャー
29 スタビライザー
27 吊り下げ用ワイヤー
31 ハンマーグラブ
49 スタビライザー
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所打ち杭工法その他の基礎工事におけるケーシング内側の掘削排土作業や適当な手段で切断又は破砕した既製杭等の掴み出し作業などに使用されるハンマーグラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より場所打ち杭工法その他の基礎工事において、地盤中に打ち込んだケーシングとしての鋼管内をハンマーグラブを使用して掘削する手段が用いられている。例えば図12の作業状態図に示すように、地盤G中に全周回転駆動装置Aを用いてケーシング(鋼管)Cを打ち込み、クレーンBのジブD先端から垂下した吊り下げ用ワイヤーEによりハンマーグラブHを吊支してケーシングC内に降下させ、シェルFを開閉させて地中掘削、排土作業等を行なう。
【0003】
従来のハンマーグラブは、図示の詳細は省略するが、下端にバケットとしての湾曲したスコップ形の複数個(通常は一対)のシェルが開閉可能に枢着されており、その開放姿勢でケーシング内に落下させることにより、土砂層にシェルを突き立て、次いでシェルを閉鎖姿勢に転換させて土砂を掬い取り、閉じたシェル間に土砂を保持した状態で全体を引き上げ、地上でシェルを開放姿勢にして土砂を排出する(例えば、特許文献1〜3)。また、ケーシング内における岩石や適当な手段で切断又は破砕した既設杭のような埋入障害物についても、ハンマーグラブを用い、そのシェルを開放姿勢から閉鎖姿勢側へ内向き回動させる動作で掴み、その状態で該ハンマーグラブを引き上げることによって地上へ掴み出す方法が採られている。
【特許文献1】特開平7−11859号公報
【特許文献2】特開2004−76361号公報
【特許文献3】特開2006−348469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成のハンマーグラブでは、筒状のケーシングの回転掘進に並行して内側の掘削土や岩石のような埋入障害物の掴み出しを行ったり、打ち込んだケーシング内に回転筒式の切断機や破砕機と一緒に挿入し、その切断機による既設杭等の埋入障害物の切断や、破砕機による地下コンクリート構造物の破砕等と相前後して切断物や破砕物の掴み出しを行ったりする場合に、ハンマーグラブが前記の回転するケーシングや切断機、破砕機と接触して共回りすることが多々あり、この共回りによって地上側からシェルの駆動機構に繋がる油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩れて切れることがあった。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑み、ハンマーグラブとして、ケーシングの回転掘進に並行して掘削排土や埋入障害物の掴み出しを行ったり、ケーシング内に回転筒式の切断機や破砕機と一緒に装填して切断物や破砕物の掴み出しを行ったりする場合に、回転するケーシングや切断機、破砕機と接触しても全体の共回りを生じず、従ってシェルの駆動機構につながる油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩じれて切れたりするの確実に防止できるハンマーグラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、シェル取付枠3に複数個のシェル4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用のシリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降可能に設け、この昇降枠6内に軸受7を介して同心状で相対回転可能に取り付けた連結用ロッド8に前記シリンダ5の下端側を連結し、シリンダ5の上端側には内軸体9aとこれに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の前記内軸体9aを同心状に連結し、その外筒体9bを筒状基枠2側に固定すると共に、内軸体9aの上端側に吊り下げ接続部10を設け、前記昇降枠6と前記シェル4,4とをリンク機構12により連動連結し、前記シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によって前記シェル4,4を開閉させるようにしてなることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1に記載のハンマーグラブにおいて、前記筒状基枠2には、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングC内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するためのプッシャー28を有するスタビライザー29を一体的に設けてなることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項1又は2に記載のハンマーグラブにおいて、前記吊り下げ接続部10には複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにしてなることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係るハンマーグラブは、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、シェル取付枠3に複数個のシェル4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用のシリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降可能に設け、この昇降枠6を前記シリンダ5の下端側に同心状に連結し、シリンダ5の上端側には内軸体9aとこれに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、前記シリンダ5の上端側を筒状基枠2側に固定し、スイベル機構9の外筒体9bに吊り下げ接続部10を設け、前記昇降枠6と前記シェル4とをリンク機構12により連動連結し、前記シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によって前記シェル4を開閉させるようにしてなることを特徴とする。
【0010】
請求項5は、請求項4に記載のハンマーグラブにおいて、前記筒状基枠2には、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングC内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するためのプッシャー28を有するスタビライザー49を一体的に設けてなることを特徴とする。
【0011】
請求項6は、請求項4又は5に記載のハンマーグラブにおいて、前記吊り下げ接続部10には複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにしてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6からなる一連の部材2,3,4,6と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結したスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aとが相対回転可能であって、スイベル機構9の内軸体9aの上端に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6の一連の部材2,3,4,6が回転フリーとなるから、場所打ち杭工法その他の基礎工事においてケーシングの回転掘削に並行してケーシング内側の掘削排土作業や途中で切断又は破砕した既製杭等の掴み出し作業を行なう際に、シェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6の一連の部材が共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持され、油圧配管チューブ、動力ケーブル、ワイヤー等が捩じれて破損するおそれがない。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4、昇降枠6及びスタビライザー29からなる一連の部材2,3,4,6,29と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、このシリンダ5の下端側に連結した連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結したスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aとが相対回転可能であるから、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合は、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、貫入したケーシングCの内周面にスタビライザー29のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させて引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を容易に引き抜くことができる。
【0014】
請求項3に係る発明のように、吊り下げ接続部10に複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにすれば、それにより吊り下げ接続部10の回転を阻止できるから、特別な回転阻止手段が不要で、設備が簡単となる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとが互いに一体的に連結されていて、この一連の部材2,3,4,5,6,9aと、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であって、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、上記一連の部材2,3,4,5,6,9aが回転フリーとなり、従って場所打ち杭工法その他の基礎工事においてケーシングの回転掘削に並行してケーシング内側の掘削排土作業や途中で切断又は破砕した既製杭等の掴み出し作業を行なう際に、シェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2とシェル取付枠3と油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aからなる一連の部材2,3,4,5,6,9aが共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持されるから、吊り下げ用ワイヤー27、油圧配管チューブ、動力ケーブル、その他のワイヤーが捩じれて破損するおそれがない。
【0016】
請求項5に係る発明のように、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとスタビライザー49とが互いに一体的に連結されていて、これら一連の部材2,3,4,5,6,9a,29と、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であって、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することにより、上記一連の部材2,3,4,5,6,9a,29が回転フリーとなるから、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合は、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、地盤中に貫入されたケーシングCの内周面にスタビライザー49のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させながら引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を地上ヘ容易に引き出すことができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、吊り下げ接続部10に複数個のシーブ26を並設して、これらのシーブ26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにすれば、それにより吊り下げ接続部10の回転を阻止できるから、特別な回転阻止手段が不要で、設備が簡単となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、先ず図1の(a) は本発明に係るハンマーグラブ1の全体を示す縦断面図、(b) は同ハンマーグラブ1の吊り下げ接続部の平面図、図2は同ハンマーグラブ1の上部側の拡大図、図3は下部側の拡大図である。
【0019】
このハンマーグラブ1は、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、このシェル取付枠3に一対のシェル4,4を枢着し、筒状基枠2内にはシェル開閉駆動用の油圧シリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降のみ可能に取り付け、そして昇降枠6内に軸受7を介して同心状で相対回転のみ可能に取り付けた連結用ロッド8を油圧シリンダ5のピストンロッド5bに一体的に連結し、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aには、内軸体9aとこれに回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、その外筒体9bを筒状基枠2側に固定すると共に、内軸体9aの上端側に吊り下げ接続部10を設け、昇降枠6とシェル4とをリンク機構12により連動連結し、しかして油圧シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によってシェル4を開閉させるようにしたものである。
【0020】
上記ハンマーグラブ1の構造について更に詳しく説明すれば、筒状基枠2は、上下両端にフランジa,bを有する円筒状本体2aと、この円筒状本体2aの外周面に周方向一定間隔おきに配設された補強リブ2bとからなる。この筒状基枠2の円筒状本体2a内の下部に配置された昇降枠6は、油圧シリンダ5の伸縮作動により図1の実線で示す下限位置から仮想線で示す上限位置までの所定ストロークを昇降するもので、図3に示すように、内筒部材6aと外筒部材6bと両部材6a,6bをつなぐ連結部材6cとから構成され、そして図示は省略するが、外筒部材6bの外周側と円筒状本体2aの内周側の何れか一方側に軸方向に延びる凸条部が形成され、他方側には凸条部にスライド可能に嵌合する凹条部が形成され、この凹条部と凸条部との凹凸嵌合によって、昇降枠6が、筒状基枠2の円筒状本体2aに沿って筒状基枠2と一体回転可能な状態で昇降するようになっている。
【0021】
図3から分かるように、昇降枠6の内筒部材6a内に連結用ロッド8が軸受7を介して相対回転のみ可能に嵌挿されている。図3において、52,53は内筒部材6aの上下両端に固着された上下の蓋部材を示す。
【0022】
また、図3に示すように、昇降枠6の内筒部材6aの下端部に下部蓋部材53を介して一体に設けてあるロッド取付部材13の両端部側には一対のコネクティングロッド14,14の夫々の一端部がピン54で枢着されている。一方、筒状基枠2の下端部に一体的に取り付け固定されたシェル取付枠3には一対のシェル4,4が夫々ピン55で枢着されていて、両シェル4,4の揺動レバー4a,4aの夫々先端部と両コネクティングロッド14,14の他端部とが夫々ピン56で枢着されている。尚、ロッド取付部材13、一対のコネクティングロッド14,14、両シェル4,4の揺動レバー4a,4a及びピン54,55,56がリンク機構12が構成する。
【0023】
従って、図1に示すように、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のピストンロッド5bが伸長作動して昇降枠6が実線図示のような下限位置にある時、両シェル4,4が開放姿勢にあり、しかしてこの状態から油圧シリンダ5のピストンロッド5bが収縮作動して昇降枠6が下限位置から仮想線図示のような上限位置まで上昇すると、両シェル4,4は、前記リンク機構12によって開放姿勢から仮想線図示のような閉鎖姿勢となる。
【0024】
スイベル機構9は、図2から分かるように、内軸体9aと、この内軸体9aに軸受15,16を介して相対回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなるもので、内軸体9aの下端フランジ部17と、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aの上端フランジ部18とがボルト19で接合され、それによって内軸体9aがシリンダ本体5aの上端部に同心状に一体的に連結されている。外筒体9bは、固定用ブラケット20を介して筒状基枠2の上端部に固定されている。
【0025】
このスイベル機構9の内軸体9a側には、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口22,23が設けられ、これらの給排油口22,23は、内軸体9aに設けられた通油路24,25によってシリンダ本体5aの給排油口に通じている。図示は省略するが、内軸体9aの給排油口22,23は、油圧配管チューブを介して油圧源に接続される。また、吊り下げ接続部10は、内軸体9aの上端に水平姿勢に固着された水平台板10aからなるもので、水平台板10a上には両端部側に2個のシーブ26,26が軸着され、両シーブ26,26には、クレーン(図示省略)のジブ先端から垂下される吊り下げ用ワイヤー27が掛装されている。このように吊り下げ接続部10の水平台板10a上に並設した2個のシーブ26,26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装することにより、ハンマーグラブ1の吊り下げ時に吊り下げ接続部10の回転を阻止して固定状態に保持することができる。
【0026】
上記のように構成されるハンマーグラブ1にあっては、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6からなる一連の部材2,3,4,6と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、このシリンダ5の下端側に連結された連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結されたスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aが相対回転可能であるから、スイベル機構9の内軸体9aの上端に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6からなる一連の部材2,3,4,6が回転フリーとなる。
【0027】
このハンマーグラブ1の使用による場所打ち杭工法においては、図12に示す従来のハンマーグラブHを使用する場合と同様に、全周回転駆動装置を用いてケーシングCを回転させながら地盤中に打ち込み、クレーンのジブ先端から垂下した吊り下げ用ワイヤー27によりハンマーグラブ1を吊支し、シェル4,4を開放姿勢のままケーシングC内に降下させて土砂等に突き立てた後、シェル4,4を閉鎖姿勢に転換させて土砂等を掬い取り、閉じたシェル4,4間に土砂等を保持した状態でハンマーグラブ1の全体を引き上げて、地上でシェル4,4を開放姿勢にして土砂等を排出する。しかして、この過程でシェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4及び昇降枠6の一連の部材が共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持されるから、油圧配管チューブ、動力ケーブル、吊り下げ用ワイヤー27その他のワイヤーが捩じれて破損するおそれがない。
【0028】
この実施形態においては、吊り下げ接続部10に2個のシーブ26,26を並設して、両シーブ26,26に掛装した吊り下げ用ワイヤー27によってハンマーグラブ1を吊支しているが、ケリーバーを使用してハンマーグラブ1を吊支するようにしてもよい。しかしながら、この実施形態のように、吊り下げ接続部10に2個のシーブ26,26を並設して両シーブ26,26に吊り下げ用ワイヤー27を掛装するようにすれば、それによって吊り下げ接続部10の回転を阻止できるから、特別な回転阻止手段が不要で、設備が簡単となる。尚、この実施形態では、水平台板10a上に2個のシーブ26,26を設置しているが、シーブ26は2個以上複数個設置してもよい。
【0029】
図4の(a) は本発明に係る他のハンマーグラブ11の全体を示す縦断面図、(b) は(a) のX−X線断面図、図5は図4の(a) の一部拡大図である。このハンマーグラブ11は、図1〜図3によって説明したハンマーグラブ1と殆ど同様であるが、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対して中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングCの内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するための複数のプッシャー28を有するスタビライザー29を筒状基枠2と一体的に設けた点が異なる。
【0030】
スタビライザー29は、シェル取付枠3やシェル4の外径とほぼ同じ外径の周壁30aを備えた機枠30を有する。この機枠30内には、図4の(a) ,(b) から分かるように、下段側と上段側とに夫々一対のプッシャー28,28が配設され、例えば図4の(b) を参照すると、スイベル機構9の内軸体9aを挟んで左右両側に配置されたプッシャー28,28は、下段側の左右ガイド枠32,32に沿って夫々外向き半径方向に進退可能な左右両スライド部材33,33の夫々先端部に取り付けられ、左右両スライド部材33,33は、下段側の左右ガイド枠32,32に沿ってその両側に配設された油圧式復動形ダブルシリンダ34,34によって同時に進退駆動され、また図4の(b) に関して内軸体9aを挟んでその前後両側に配置されたプッシャー28,28は、上段側の前後ガイド枠35,35沿って夫々外向き半径方向に進退可能な前後スライド部材36,36の夫々先端部に取り付けられ、前後両スライド部材36,36は、上段側の前後ガイド枠35,35に沿ってその両側に配設された復動形ダブル油圧シリンダ37,37によって同時に進退駆動されるるようになっている。
【0031】
しかして、下段側2つのプッシャー28,28と上段側2つのプッシャー28,28を合わせた4つのプッシャー28…は、下段側2つの復動形ダブルシリンダ34,34及び上段側2つの復動形ダブル油圧シリンダ37,37によって同時に外向き半径方向に進退駆動され、その前進駆動時に、機枠30の周壁30aに設けられた前後左右4つの開口部38…から突出して、図4の(b) の仮想線図示のようにケーシングCの内周面に圧接し、それにより機枠30を介して筒状基枠2をケーシングCと一体化させることになり、また後退駆動時はその開口部38…内に退避してケーシングCとの縁を切ることになる。
【0032】
このハンマーグラブ11のスイベル機構9は、図1〜図3に示されるハンマーグラブ1と殆ど同様であるが、内軸体9aが外筒体9bから上方へ長く突出している点が異なる。そして、この長く突出したスイベル機構9の外筒体9bを囲むようにスタビライザー29が同心状に設けられている。即ち、スイベル機構9の外筒体9bは、固定用ブラケット39を介して筒状基枠2の上端部に一体的に固定され、その固定用ブラケット39にスタビライザー29の機枠30が一体的に固定され、それによってスタビライザー29の機枠30が筒状基枠2に一体に取り付け固定されている。
【0033】
また、図5に示すように、スイベル機構9の内軸体9aの上端部には、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口22,23が設けられ、これらの給排油口22,23は、内軸体9aに設けられた通油路24,25に通じ、これら通油路24,25はシリンダ本体5aの給排油口に夫々つながっている。また内軸体9aの上端部には、スタビライザー29のプッシャー駆動用油圧シリンダ34,37に対する圧力油の給排を行なう給排油口40(片方の給排油口のみ図示)が設けられ、これらの給排油口40は夫々通油路41を通って分岐口42,43から油圧配管チューブ(図示せず)を介してスタビライザー29の油圧シリンダ34,37に夫々つながっている。
【0034】
上記のようなスタビライザー29を備えたハンマーグラブ11によれば、筒状基枠2、シェル取付枠3、シェル4、昇降枠6及びスタビライザー29からなる一連の部材2,3,4,6,29と、筒状基枠2内に配置されたシェル開閉駆動用シリンダ5、このシリンダ5の下端側に連結した連結用ロッド8及びシリンダ5の上端側に連結したスイベル機構9の内軸体9aからなる他の一連の部材5,8,9aとが相対回転可能であるから、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合は、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、図4の(b) に示すように貫入したケーシングCの内周面にスタビライザー29のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させながら引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を容易に引き抜くことができる。この場合のケーシングCの引き抜き力は、ハンマーグラブ11をワイヤーで吊り上げて引き抜く場合の数倍となり、極めて強力なものである。
【0035】
図6は本発明に係る更に他のハンマーグラブ21の全体を示す縦断面図であり、図7の(a) は同ハンマーグラブ21の上端部分の側面図であり、(b) は同ハンマーグラブ21の上端部分の平面図である。また、図8は同ハンマーグラブ21のスイベル機構9部分の拡大断面図である。
【0036】
このハンマーグラブ21は、筒状基枠2の下端部にシェル取付枠3を固定し、このシェル取付枠3に一対のシェル4,4を枢着し、筒状基枠2内にシェル開閉駆動用シリンダ5を同心状に配置すると共に、筒状基枠2内の下部に昇降枠6を昇降可能に設け、この昇降枠6を前記シリンダ5のピストンロッド5bに同心状に連結し、シリンダ5のシリンダ本体5aには、内軸体9aとこの内軸体9aに回転可能に外嵌された外筒体9bとからなるスイベル機構9の内軸体9aを同心状に連結し、前記シリンダ5のシリンダ本体5aを筒状基枠2側に固定し、スイベル機構9の外筒体9bに吊り下げ接続部10を設け、前記昇降枠6と前記シェル4,4とをリンク機構12により連動連結し、前記シリンダ5の伸縮作動による昇降枠6の昇降によって前記シェル4,4を開閉させるようにしてなるものである。
【0037】
筒状基枠2は前述したハンマーグラブ1,11のものと同様な構造であって、この筒状基枠2の円筒状本体2a内の下部に配置された昇降枠6は、油圧シリンダ5の伸縮作動によって所定のストロークを昇降するもので、図6に概略示すように円筒状部材からなり、そして図示は省略するが、この円筒状昇降枠6の外周側と、筒状基枠2の円筒状本体2aの内周側の何れか一方側に軸方向に延びる凸条部が形成され、他方側には凸条部にスライド可能に嵌合する凹条部が形成され、この凹条部と凸条部との凹凸嵌合によって、昇降枠6が、筒状基枠2の円筒状本体2aに沿って筒状基枠2と一体回転可能な状態で昇降するようになっている。
【0038】
昇降枠6の下端部にロッド取付部材13が一体的に設けてあり、このロッド取付部材13の両端部側に一対のコネクティングロッド14,14の夫々一端部が枢着されている。また、前記ハンマーグラブ1,11と同様に、筒状基枠2の下端部に一体的に取り付けられたシェル取付枠3に、一対のシェル4,4が夫々枢着されていて、両シェル4,4の揺動レバー4a,4aの夫々先端部と両コネクティングロッド14,14の他端部とが夫々枢着されている。図6に示すように、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のピストンロッド5bが伸長作動して昇降枠6が実線図示のような下限位置にある時、両シェル4,4が開放姿勢にあり、しかしてこの状態から油圧シリンダ5のピストンロッド5bが収縮作動して昇降枠6が下限位置から図示しない上限位置まで上昇すると、両シェル4,4は、リンク機構12によって開放姿勢から閉鎖姿勢となる。
【0039】
スイベル機構9は、図8から分かるように、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aの上端側に同軸状に一体的に連結された内軸体9aと、この内軸体9aに軸受15,16を介して相対回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなり、そして外筒体9bには、吊り下げ接続部10を形成する取付リング10aが同心状に外嵌された状態に固着されると共に、この取付リング10aの下面側には複数の支持片10bが垂設された状態で外筒体9bの外周面に周方向一定間隔で固着され、こうして形成された吊り下げ接続部10上に2個のシーブ26,26を並設され、両シーブ26,26に吊り下げ用ワイヤー27が掛装されている。図6〜図8において、44は筒状基枠2の上端支持枠を示す。
【0040】
また図8に示すように、スイベル機構9の外筒体9bには、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口45,46が設けられ、これら給排油口45,46は、スイベル機構9の内軸体9aに設けられた通油路47,48に夫々連通し、これら通油路47,48は、図示しない油圧配管チューブを介してシェル開閉駆動用シリンダ5の給排油口につながっている。
【0041】
上記のように構成されるハンマーグラブ21によれば、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとが互いに一体的に連結されていて、この一連の部材2,3,4,5,6,9aと、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であるから、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、上記一連の部材2,3,4,5,6,9aが回転フリーとなる。
【0042】
このハンマーグラブ21の使用による場所打ち杭工法においては、全周回転駆動装置を用いてケーシングCを回転させながら地盤中に打ち込み、図示しないクレーンのジブ先端から垂下した吊り下げ用ワイヤー27によってハンマーグラブ1を吊支し、シェル4,4が開放した姿勢のままケーシングC内に降下させて土砂等に突き立てた後、シェル4,4を閉鎖姿勢に転換させて土砂等を掬い取り、閉じたシェル4,4間に土砂等を保持した状態でハンマーグラブ1の全体を引き上げて、地上でシェル4,4を開放姿勢にして土砂等を排出する。しかして、この過程でシェル4やシェル取付枠3が、回転するケーシングCに接触しても、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとからなる一連の部材2,3,4,5,6,9aが共回りするだけで、吊り下げ接続部10は非回転状態に保持されるから、吊り下げ用ワイヤー27、油圧配管チューブ、動力ケーブル、その他のワイヤーが捩じれて破損するおそれがない。
【0043】
図9は本発明に係る更に他のハンマーグラブ31の全体を示す縦断面図、図10の(a) は同ハンマーグラブ31の上部側の側面図、(b) は図9のY−Y線断面図、図11は図9の一部拡大図である。ここに示すハンマーグラブ31は、図6〜図8によって説明したハンマーグラブ21と殆ど同様であるが、地盤中に打ち込まれるケーシングCの内周面に対して中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシングCの内周面に圧接して筒状基枠2をケーシングCと一体化するための複数のプッシャー28を有するスタビライザー49を筒状基枠2と一体的に設けた点が異なる。
【0044】
スタビライザー49は、図4及び図5で説明したハンマーグラブ11のスタビライザー29と同様なものであって、シェル取付枠3やシェル4の外径とほぼ同じ外径の周壁30aを備えた機枠50を有する。この機枠50内には、図9及び図10から分かるように、下段側と上段側とに夫々両側一対のプッシャー28,28が配設され、下段側2つのプッシャー28,28は、直径方向に沿って設けられた下段側ガイド枠32の両端部側にスライド部材33,33の夫々先端部に取り付けられていて、両スライド部材33,33間に介設された復動形ダブル油圧シリンダ34により同時に進退駆動され、また上段側2つのプッシャー28,28は、下段側ガイド枠32と直交するように直径方向に設けられた上段側ガイド枠35の両端部側にスライド部材36,36の夫々先端部に取り付けられていて、両スライド部材36,36間に介設された復動形ダブル油圧シリンダ37によって同時に進退駆動されるようになっている。
【0045】
しかして、下段側2つのプッシャー28,28と上段側2つのプッシャー28,28を合わせた4つのプッシャー28…は、下段側の復動形ダブル油圧シリンダ34及び上段側の復動形ダブル油圧シリンダ37によって同時に外向き半径方向に進退駆動され、その前進駆動時に、機枠50の周壁50aに設けられた前後左右4つの開口部38…から突出して図9及び図10(a) ,(b) の仮想線図示のようにケーシングCの内周面に圧接し、それにより機枠50を介して筒状基枠2をケーシングCと一体化させることになり、また後退駆動時にはそれらの開口部38…内に退避してケーシングCとの縁を切ることになる。
【0046】
上記スタビライザー49は、機枠50を筒状基枠2の上端部に取付枠59を介して筒状基枠2と同心状に取付け固定され、しかしてこの機枠50の上端側中央部にスイベル機構9の内軸体9aが筒状基枠2と同心状に立設固定される。
【0047】
このハンマーグラブ31のスイベル機構9は、図6〜図8で説明したハンマーグラブ21と同様に、油圧シリンダ5のシリンダ本体5aの上端側にスタビライザー49を介して同軸状に一体的に連結された内軸体9aと、この内軸体9aに軸受15,16を介して相対回転のみ可能に外嵌された外筒体9bとからなり、外筒体9bに吊り下げ接続部10を設けてなるもので、スイベル機構9の外筒体9bには、シェル開閉駆動用油圧シリンダ5のシリンダ本体5aに対する圧力油の給排を行なう給排油口45,46が設けられ、これら給排油口45,46は、内軸体9aに設けられた通油路47,48に夫々連通し、これら通油路47,48は、図示しない通油管を介してシリンダ本体5aの給排油口につながっている。
【0048】
また、このスイベル機構9の外筒体9bには、スタビライザー49の油圧シリンダ34,37に対する圧力油の給排を行なう給排油口57,58が設けられ、これら給排油口57,58は、図示は省略するが、内軸体9aに設けられた通油路に夫々連通し、それらの通油路は通油管を介して油圧シリンダ34,37の夫々の給排油口につながっている。
【0049】
上記のようなスタビライザー49を備えたハンマーグラブ31によれば、筒状基枠2とシェル取付枠3とシェル4とシェル開閉駆動用油圧シリンダ5と昇降枠6とスイベル機構9の内軸体9aとスタビライザー49とが互いに一体的に連結されていて、これら一連の部材2,3,4,5,6,9a,29と、スイベル機構9の外筒体9bとが相対回転可能であるから、スイベル機構9の外筒体9bに一体的に設けた吊り下げ接続部10を固定状態に保持することによって、上記一連の部材2,3,4,5,6,9a,29が回転フリーとなる。
【0050】
従って、地盤中に埋設されている既設杭を引き抜くような場合には、その既設杭の上端部をシェル4,4で掴み、地盤中に貫入されたケーシングCの内周面にスタビライザー49のプッシャー28を圧接させて、筒状基枠2をケーシングCと一体化した状態で、全周回転駆動装置によりケーシングCを回転させながら引き抜くことによって、シェル4,4で掴んだ既設杭を地上ヘ容易に引き出すことができる。
【0051】
上述した実施形態では、シェル開閉駆動用シリンダ5及びスタビライザー29,49のプッシャー駆動用シリンダ34,37として、夫々油圧シリンダを使用しているが、油圧シリンダに代えてエアシリンダを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a) は本発明に係るハンマーグラブの全体を示す縦断面図、(b) は同ハンマーグラブの吊り下げ接続部の平面図である。
【図2】図1に示すハンマーグラブの上部側の拡大図である。
【図3】図1に示すハンマーグラブの下部側の拡大図である。
【図4】(a) は本発明に係る他のハンマーグラブの全体を示す縦断面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。
【図5】図4の(a) の一部拡大図である。
【図6】本発明に係る更に他のハンマーグラブの全体を示す縦断面図である。
【図7】(a) は図6に示すハンマーグラブの上端部分の側面図であり、(b) は同ハンマーグラブの上端部分の平面図である。
【図8】図6に示すハンマーグラブのスイベル機構部分の拡大断面図である。
【図9】本発明に係る更に他のハンマーグラブの全体を示す縦断面図である。
【図10】(a) は(a) 図9に示すハンマーグラブの上部側の側面図、(b) は図9のY−Y線断面図、
【図11】図9の一部拡大図である。
【図12】従来のハンマーグラブを使用して掘削作業を行なっている状態の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
C ケーシング
1 ハンマーグラブ
2 筒状基枠
3 シェル取付枠
4 シェル
5 シェル開閉駆動用シリンダ
6 昇降枠
8 連結用ロッド
9 スイベル機構
9a 内軸体
9b 外筒体
10 吊り下げ接続部
11 ハンマーグラブ
12 リンク機構
21 ハンマーグラブ
26 シーブ
28 プッシャー
29 スタビライザー
27 吊り下げ用ワイヤー
31 ハンマーグラブ
49 スタビライザー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状基枠の下端部にシェル取付枠を固定し、シェル取付枠に複数個のシェルを枢着し、筒状基枠内にシェル開閉駆動用のシリンダを同心状に配置すると共に、筒状基枠内の下部に昇降枠を昇降可能に設け、この昇降枠内に軸受を介して同心状で相対回転可能に取り付けた連結用ロッドに前記シリンダの下端側を連結し、シリンダの上端側には内軸体とこれに回転可能に外嵌された外筒体とからなるスイベル機構の前記内軸体を同心状に連結し、その外筒体を筒状基枠側に固定すると共に、内軸体の上端側に吊り下げ接続部を設け、前記昇降枠と前記シェルとをリンク機構により連動連結し、前記シリンダの伸縮作動による昇降枠の昇降によって前記シェルを開閉させるようにしてなるハンマーグラブ。
【請求項2】
前記筒状基枠には、地盤中に打ち込まれるケーシングの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシング内周面に圧接して筒状基枠をケーシングと一体化するためのプッシャーを有するスタビライザーを一体的に設けてなる請求項1に記載のハンマーグラブ。
【請求項3】
前記吊り下げ接続部には複数個のシーブを並設して、これらのシーブに吊り下げ用ワイヤーを掛装するようにしてなる請求項1又は2に記載のハンマーグラブ。
【請求項4】
筒状基枠の下端部にシェル取付枠を固定し、シェル取付枠に複数個のシェルを枢着し、筒状基枠内にシェル開閉駆動用のシリンダを同心状に配置すると共に、筒状基枠内の下部に昇降枠を昇降可能に設け、この昇降枠を前記シリンダの下端側に同心状に連結し、シリンダの上端側には内軸体とこれに回転可能に外嵌された外筒体とからなるスイベル機構の内軸体を同心状に連結し、前記シリンダの上端側を筒状基枠側に固定し、スイベル機構の外筒体に吊り下げ接続部を設け、前記昇降枠と前記シェルとをリンク機構により連動連結し、前記シリンダの伸縮作動による昇降枠の昇降によって前記シェルを開閉させるようにしてなるハンマーグラブ。
【請求項5】
前記筒状基枠には、地盤中に打ち込まれるケーシングの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシング内周面に圧接して筒状基枠をケーシングと一体化するためのプッシャーを有するスタビライザーを一体的に設けてなる請求項4に記載のハンマーグラブ。
【請求項6】
前記吊り下げ接続部には複数個のシーブを並設して、これらのシーブに吊り下げ用ワイヤーを掛装するようにしてなる請求項4又は5に記載のハンマーグラブ。
【請求項1】
筒状基枠の下端部にシェル取付枠を固定し、シェル取付枠に複数個のシェルを枢着し、筒状基枠内にシェル開閉駆動用のシリンダを同心状に配置すると共に、筒状基枠内の下部に昇降枠を昇降可能に設け、この昇降枠内に軸受を介して同心状で相対回転可能に取り付けた連結用ロッドに前記シリンダの下端側を連結し、シリンダの上端側には内軸体とこれに回転可能に外嵌された外筒体とからなるスイベル機構の前記内軸体を同心状に連結し、その外筒体を筒状基枠側に固定すると共に、内軸体の上端側に吊り下げ接続部を設け、前記昇降枠と前記シェルとをリンク機構により連動連結し、前記シリンダの伸縮作動による昇降枠の昇降によって前記シェルを開閉させるようにしてなるハンマーグラブ。
【請求項2】
前記筒状基枠には、地盤中に打ち込まれるケーシングの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシング内周面に圧接して筒状基枠をケーシングと一体化するためのプッシャーを有するスタビライザーを一体的に設けてなる請求項1に記載のハンマーグラブ。
【請求項3】
前記吊り下げ接続部には複数個のシーブを並設して、これらのシーブに吊り下げ用ワイヤーを掛装するようにしてなる請求項1又は2に記載のハンマーグラブ。
【請求項4】
筒状基枠の下端部にシェル取付枠を固定し、シェル取付枠に複数個のシェルを枢着し、筒状基枠内にシェル開閉駆動用のシリンダを同心状に配置すると共に、筒状基枠内の下部に昇降枠を昇降可能に設け、この昇降枠を前記シリンダの下端側に同心状に連結し、シリンダの上端側には内軸体とこれに回転可能に外嵌された外筒体とからなるスイベル機構の内軸体を同心状に連結し、前記シリンダの上端側を筒状基枠側に固定し、スイベル機構の外筒体に吊り下げ接続部を設け、前記昇降枠と前記シェルとをリンク機構により連動連結し、前記シリンダの伸縮作動による昇降枠の昇降によって前記シェルを開閉させるようにしてなるハンマーグラブ。
【請求項5】
前記筒状基枠には、地盤中に打ち込まれるケーシングの内周面に対し中心部側から外向き半径方向に進退移動可能で前進時にケーシング内周面に圧接して筒状基枠をケーシングと一体化するためのプッシャーを有するスタビライザーを一体的に設けてなる請求項4に記載のハンマーグラブ。
【請求項6】
前記吊り下げ接続部には複数個のシーブを並設して、これらのシーブに吊り下げ用ワイヤーを掛装するようにしてなる請求項4又は5に記載のハンマーグラブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−138394(P2009−138394A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314959(P2007−314959)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(390016458)三和機工株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(390016458)三和機工株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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