説明

バイオプローブと、その製造方法、それを利用した分析装置及び分析方法

本発明は、基板と、上記基板の表面に付着された無機ナノ粒子とを含むバイオプローブと、その製造方法並びにそれを利用した分析装置及び分析方法に関する。本発明のバイオプローブにおいて、基板に導入された無機ナノ粒子が抗体などのような標的志向性物質が結合されることができるリンカーとしての役目を行いながら、基板自体の比表面積を増加させて、検出しようとする標的物質が基板と接触することができる比表面積を増加させることができ、これにより、さまざまなバイオ分子又はその他の化学物質の検出、定量又は分析などに効果的に利用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオプローブと、その製造方法並びにそれを利用した分析装置及び分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ技術(NT;Nano Technology)は、物質を原子又は分子水準で調節及び制御する技術であって、新物質や新素子の創出に適しているので、その応用分野が電子、材料、通信、機械、医薬、農業、エネルギー及び環境分野など非常に多様である。
【0003】
このようなナノ技術は、現在多様に発展しており、大きく、3つの分野に分類されている。第一に、ナノ素材から超極細サイズの新しい物質と材料を合成する技術に関する。第二に、ナノサイズの材料を組み合わせるか、配合して、一定の機能を発揮するナノ装置を製造する技術に関する。第三に、ナノ技術を生命工学分野に応用するナノ−バイオ技術に関する。
【0004】
ナノ−バイオ技術において、ナノ粒子は、ナノスケールで導き出される独特の特性及びさまざまな有機/無機化合物を使用して機能化が容易であるという特色があるため、さまざまな疾病と関連したバイオ分子の検出、定量及び分離などに多様に適用されている。
【0005】
例えば、韓国特許公開第2008−0011856号(特許文献1)は、さまざまな生体分子と特異的に結合する単鎖の核酸及び上記単鎖の核酸と複合体を形成することができる金ナノ粒子などを使用して、標的物質を分析する方法を開示している。金ナノ粒子は、水溶相などの媒質でよく分散されているときは、赤色を呈するが、粒子が集まって集合体となったときは、紫色に変わるが、上記技術では、このような原理を利用して金ナノ粒子の表面に単鎖の核酸を付けて、生体分子を反応させることによって、金ナノ粒子の集合を誘発させて、溶液の色変化を通じて分析効果をもたらすことができるようにする。
【0006】
また、韓国特許公開第2008−0060841号(特許文献2)は、金ナノ粒子が分散されて結合された基質をin situで製造して、金ナノ粒子を基質上に3次元的に分布させた後、このような3次元的な分布によって固定化される生分子、特にタンパク質の高密度化及び固定化を可能にする技術を開示している。
【0007】
しかしながら、上記技術では、金ナノ粒子が高分子媒質内に分散された状態に存在するので、抗体などのような標的志向性物質の固定が不可能であり、これにより、検出することができる標的物質の種類が制限されるという短所を持っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許公開第2008−0011856号
【特許文献2】韓国特許公開第2008−0060841号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、多様な標的物質、例えば、非常に小さいサイズを有する少量の標的物質の場合にも、精密な検出、定量及び分離などが可能なバイオプローブと、その製造方法並びにそれを利用した分析装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板の表面に付着された無機ナノ粒子と、を含むバイオプローブを提供する。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、基板及び作用基含有化合物を接触させて、基板上に作用基を導入する第1段階(第1のステップ)(第1の工程)と、作用基が導入された基板及び無機ナノ粒子を接触させて、基板上に上記無機ナノ粒子を結合させる第2段階(第2のステップ)(第2の工程)と、を含むバイオプローブの製造方法を提供する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、本発明によるバイオプローブと、上記バイオプローブから発散される信号を検出することができる測定装置と、を含む分析装置を提供する。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、(1)本発明によるバイオプローブを分析対象試料と接触させる段階(ステップ)(工程)と、(2)上記段階(1)を経たバイオプローブから発散される信号を検出する段階(ステップ)(工程)と、を含む分析方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のバイオプローブにおいて、基板に導入された無機ナノ粒子が抗体などのような標的志向性物質(標的特異的物質)が結合されることができるリンカーとしての役目を行いながら、基板自体の比表面積を増加させて、検出しようとする標的物質が基板と接触することができる比表面積を増加させることができ、これにより、さまざまなバイオ分子又はその他の化学物質の検出、定量又は分析などに効果的に利用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一態様に係る実施例において組職特異的結合成分が結合されたバイオプローブを製造する過程を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施例で合成された金ナノ粒子の透過電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明の実施例で製造された金ナノ粒子が結合された基板のFT−IRスペクトルを示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施例で製造されたアミン基で改質された基板及び金ナノ粒子が結合された基板のUV−vis吸収スペクトルを示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施例で暗視野顕微鏡を使用して測定した金ナノ粒子の光散乱イメージを示す。
【図6】図6a乃至図6dは、本発明の実施例で製造されたバイオプローブのAFM分析結果を示す図である。
【図7】図7a乃至図7cは、本発明の実施例で製造されたバイオプローブの癌細胞検出能分析結果を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施例で製造されたバイオプローブの癌細胞検出能分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、基板と、上記基板の表面に付着された無機ナノ粒子とを含むバイオプローブに関する。
以下、本発明のバイオプローブを詳しく説明する。
【0017】
本発明のバイオプローブは、所定の基板上に付着された無機ナノ粒子を含む。本発明のバイオプローブにおいて、上記無機ナノ粒子は、抗体などの標的志向性物質(標的特異的物質)が結合されることができるリンカーの役目を行うことができると共に、基板の粗さを増加させて、全体的な比表面積を上昇させることができる。これにより、例えば、本発明のバイオプローブに標的志向性物質を結合させて、さまざまなバイオアッセイに適用する場合、非常に小さいサイズを有する標的物質(バイオ分子、細胞、又はその他の化学物質)を極めて少量で含む試料から、高精度の検出及び分離などが可能である。
【0018】
本発明において使用することができる基板の種類は、この分野において一般的に使用されているものなら特に限定されず、例えば、ガラス、シリコン基板、石英、金属及び高分子フィルム(例えば、シクロオレフイン重合体、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリエチレンイミン又はポリアクリル酸など)などの1種又は2種以上を使用することができる。本発明において、より好ましくは、上記基板として、ガラス基板、シリコン基板又は前述した各基板にシリコン処理を行った基板(例えば、シリコーンガラススライド(siliconized glass slide))などを使用することができるが、これに制限されるものではない。
【0019】
本発明のバイオプローブは、上記のような基板上に結合されている無機ナノ粒子を含む。上記無機ナノ粒子は、基板にさまざまな標的志向性物質(例えば、抗体)が導入されることができるリンカーとしての役目を行うことができ、また、基板の表面粗さを増加させる役目を行うことができる。これにより、上記無機ナノ粒子が付着された本発明のバイオプローブは、その平均粗度(平均粗さ)が10nm乃至1μmであることが好ましい。上記で使用した用語『平均粗度』(平均粗さ)は、バイオプローブの断面プロファイルの中心線から上記断面プロファイルまでの平均高さを意味し、このような平均粗度は、AFM(atomic force microscope)のようなSPM(scanning probe microscope)機器を使用して測定することができる。本発明において、上記平均粗度が10nm未満なら、基板の表面積の増加効果が低下し、バイオ分子又はその他の化学物質を検出する能力が低下するおそれがある。1μmを超過すれば、バイオ分子又は検出物質が含まれた試料の流れに邪魔になって、検出効率が減少するおそれがある。
【0020】
また、本発明のバイオプローブにおいて、上記無機ナノ粒子が基板の単位面積(μm)当たり10乃至50個の量で存在することが好ましい。上記単位面積当たり個数が10個未満なら、無機ナノ粒子と結合される標的志向性物質の数が減少し、検出効果が低下するおそれがある。50個を超過すれば、比表面積が減少するなどの理由でバイオプローブの性能も低下するおそれがある。
【0021】
一方、本発明で使用する用語「無機ナノ粒子」は、ナノスケールを有し、全部又は主成分が無機物で構成された粒子を意味する。このような無機ナノ粒子の種類は、基板の表面に露出した状態で結合され、標的志向性物質(標的特異的物質)が結合することができる領域を提供することができるものなら、その具体的な種類は特に限定されない。本発明において、例えば、上記無機ナノ粒子として、金属ナノ粒子又は磁性ナノ粒子を使用することができる。金属ナノ粒子の種類として、金(Au)ナノ粒子、白金(Pt)ナノ粒子、銀(Ag)ナノ粒子又は銅(Cu)ナノ粒子などを挙げることができ、磁性ナノ粒子の例として、金属物質、磁性物質又は磁性合金を有することができる。また、金属物質の例として、上記金属ナノ粒子と同一の種類を挙げることができ、磁性物質の例として、Co、Mn、Fe、Ni、Gd、Mo、MM’及びM(M及びM’は、各々独立的にCo、Fe、Ni、Mn、Zn、Gd又はCrを示し、x及びyは、各々式「0<x≦3」及び「0<y≦5」を満足する)よりなる群から選択された1つ以上を挙げることができ、磁性合金の例として、CoCu、CoPt、FePt、CoSm、NiFe及びNiFeCoよりなる群から選択された1つ以上を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0022】
本発明において、上記無機ナノ粒子は、平均粒径(直径)が1nm乃至100nm、好ましくは、1nm乃至50nm、より好ましくは、1nm乃至20nmの範囲にあり得る。上記平均粒径が1nm未満なら、標的志向性物質などの結合効率又は比表面積の増加効果などが低下するおそれがある。100nmを超過すれば、表面積などが低下するなどバイオプローブの性能が低下するおそれがある。
【0023】
また、本発明では、上記無機ナノ粒子がアミン基及びチオール基よりなる群から選択された1つ以上の官能基を媒介にして基板の表面に結合されることができる。このように無機ナノ粒子が所定の官能基を媒介にして基板上に露出した状態に直接結合されることによって、基板の比表面積を増加させて、標的志向性分子(標的特異的物質)との結合のためのサイト(部位)を提供することができる。このような官能基を基板に導入する方法は特に限定されず、例えば、上記基板がガラス、シリコン基板又はシリコン処理された基板などである場合に、前述の官能基を含む通常のシラン化合物で本発明の基板を処理することによって導入することができる。
【0024】
また、本発明のバイオプローブは、上記無機ナノ粒子に結合された標的志向性物質をさらに含むことができる。この場合、本発明のバイオプローブに含まれる無機ナノ粒子は、上記標的志向性物質と基板とを連結するリンカーとしての役目を行うことができる。
【0025】
本発明において使用する用語「標的志向性物質」(標的特異的物質)とは、検出しようとする特定の成分と特異的に結合することができるバイオ分子又はその他の化学物質などを意味するものであって、その例として、抗原、抗体、RNA、DNA、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、プロテインA、プロテインG、レクチン、セレクチン、放射線同位元素標識物質、アプタマー及び腫瘍マーカーと特異的に結合することができる物質などの1種又は2種以上を含むが、これらに限定されるものではない。
【0026】
上記標的志向性物質の具体例のうち、腫瘍マーカーと特異的に結合することができる物質は、本発明のバイオプローブが腫瘍と関連した多様な疾病、例えば、胃癌、肺癌、乳房癌、卵巣癌、肝癌、気管支癌、鼻咽腔癌、喉頭癌 、膵膓癌、膀胱癌、結腸癌及び子宮頸部癌などの診断に適用される場合に有用に利用されることができる。上記で使用する用語「腫瘍マーカー」は、正常細胞ではほとんど又は全然生産されないが、腫瘍細胞では特異的に発現又は分泌される特定物質を意味する。そのような腫瘍マーカーと特異的に結合することができる物質を本発明のバイオプローブに導入する場合、腫瘍の診断に有用に利用することができる。当業界には、多様な腫瘍マーカーだけでなく、これらと特異的に結合することができる物質が知られている。
【0027】
腫瘍マーカーが抗原である場合には、上記抗原と特異的に結合することができる物質を本発明によるバイオプローブに導入することができ、その例として、上記抗原と特異的に結合することができる受容体(レセプター)又は抗体を挙げることができる。本発明において利用可能な抗原及びこれと特異的に結合することができる受容体又は抗体の例として、EGF(epidermal growth factor)とanti−EGFR(例えば、セツキシマブ(Cetuximab))、シナプトタグミンのC2とホスファチジルセリン、アネキシンVとホスファチジルセリン、インテグリンとその受容体、VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)とその受容体、アンジオポイエチンとTie2受容体、ソマトスタチンとその受容体又はバソインテスチナルペプチド(血管作動性腸ペプチド)、癌胎児性抗原(大膓癌標識抗原)とハーセプチン(Genentech、USA)、HER2/neu抗原(乳癌標識抗原)とハーセプチン、前立腺特異抗原(前立腺癌標識抗原)とリツキサン(IDCE/Genentech、USA)とその受容体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
腫瘍マーカーが「受容体」である代表的な例として、卵巣癌細胞で発現される葉酸収容体が挙げられる。上記受容体と特異的に結合することができる物質(葉酸受容体の場合には葉酸)が本発明によるバイオプローブに導入されることができ、その例として、上記受容体と特異的に結合することができる抗原又は抗体が挙げられる。
【0029】
前述したように、抗体は、本発明において特に好ましい組職特異的結合物質であり、本発明において、抗体は、 ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗体断片を含む。抗体は、特定の対象だけに選択的で且つ安定的に結合する性質を有しており、抗体のFc領域にあるリシンの−NH2、システインの−SH、アスパラギン酸及びグルタミン酸の−COOHは、抗体が本発明のバイオプローブの無機ナノ粒子に結合するのに有用に利用されることができる。
【0030】
このような抗体は、商業的に入手可能であるか、又は、この分野で公知の方法によって製造することができる。
【0031】
一方、上記「核酸」は、前述の抗原、抗原、受容体又はその一部分をコーディングするRNA及びDNAを含む。核酸は、相補的な配列の間に塩基対を形成する特徴を有しているので、特定の塩基配列を有する核酸は、上記塩基配列に相補的な塩基配列を有する核酸を利用して検出することができる。上記酵素、抗原、抗原又は受容体をコーディングする核酸と相補的な塩基配列を有する核酸を本発明によるバイオプローブに利用することができる。
【0032】
核酸は、5’−及び3’−末端に−NH、−SH又は−COOHなどの作用基を有し、上記作用基は、本発明の無機ナノ粒子への核酸の導入に有用に利用されることができる。
【0033】
このような核酸は、当業界に公知の標準的な方法、例えば、自動DNA合成器(例えば、バイオサーチ、アプライドバイオシステムズなどから購入することができるもの)を使用して合成することができる。例えば、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、文献(Stein et al. Nucl. Acids Res. 1988, vol. 16, p.3209)に記述された方法によって合成することができる。メチルホスホネートオリゴヌクレオチドは、調節されたガラス重合体支持体を使用して製造することができる(Sarin et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1988, vol. 85, p.7448)。
【0034】
以上のような本発明のバイオプローブを製造する方法は、特に限定されない。上記バイオプローブは、例えば、基板及び作用基含有化合物を接触させて、基板上に作用基を導入する第1段階(第1のステップ)(第1の工程)と、作用基が導入された基板及び無機ナノ粒子を接触させて、基板上に上記無機ナノ粒子を結合させる第2段階(第2のステップ)(第2の工程)とを含む方法で製造されることができる。
【0035】
上記バイオプローブの製造方法の第1段階(第1のステップ)は、バイオプローブに含まれる基板上に無機ナノ粒子が吸着されることができる領域を提供するために、基板を作用基含有化合物と接触させる段階である。
【0036】
上記で使用される作用基含有化合物の具体的な種類は、基板上に導入しようとする作用基(官能基)の種類及び基板の材質などを考慮して自由に選択されることができ、当業界では、このような化合物が広く知られている。例えば、ガラス、シリコン基板又はシリコン化されたさまざまな基板上にアミノ基を導入しようとする場合には、アミノアルキルトリアルコキシシラン(例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン又はアミノプロピルトリエトキシシラン)などのシラン系化合物を使用すれば良い。また、本発明において、例えば、基板上にチオール基を導入しようとする場合には、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン又は3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなど)などを使用することができるが、これらに制限されるものではない。
【0037】
上記のような作用基含有化合物を基板と接触させて、作用基(官能基)を導入する方法も特に限定されず、例えば、水などの適切な溶媒内に上記作用基化合物を分散させた後、適正な条件で基板を浸漬させる方法などを使用することができる。
【0038】
上記バイオプローブの製造方法の第2段階(第2のステップ)は、第1段階の処理を通じて作用基が導入された基板を無機ナノ粒子と接触させて、上記無機ナノ粒子を基板に導入する段階である。
【0039】
この際に使用されることができる無機ナノ粒子の種類は、前述した通りであり、このような無機ナノ粒子は、この分野において公知のさまざまな方法で合成することができる。例えば、上記無機ナノ粒子として、金ナノ粒子などの金属ナノ粒子を使用しようとする場合には、上記ナノ粒子を還元法などを用いて製造することができ、また磁性ナノ粒子を使用しようとする場合には、上記ナノ粒子は、一般的な熱分解法などを用いて製造することができる。
【0040】
還元法に適用されることができる前駆体の例として、ソジウムテトラクロロアウラート(テトラクロロ金(III)酸ナトリウム)、ソジウムテトラブロモアウラート(テトラブロモ金(III)酸ナトリウム)、テトラクロロ金酸、テトラブロモ金酸、ポタシウムテトラクロロアウラート(テトラクロロ金(III)酸カリウム)、ポタシウムテトラブロモアウラート(テトラブロモ金(III)酸カリウム)、テトラクロロ金酸水和物又はテトラブロモ金酸水和物などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。また、上記還元法は、この分野において知られているさまざまな還元剤を使用して行われることもでき、このような還元剤の例として、アスコルビン酸などを挙げることができる。
【0041】
また、上記熱分解法において使用することができるナノ粒子前駆体の具体的な種類も特に限定されず、その例として、金属と−CO、−NO、−C、アルコキシド又はその他の公知のリガンドが結合した金属化合物を挙げることができ、具体的には、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))、フェロセン、又はマンガンカルボニル(Mn(CO)10)などの金属カルボニル系の化合物;又は鉄アセチルアセトネート(Fe(acac))などの金属アセチルアセトネート系の化合物などのさまざまな有機金属化合物を使用することができる。また、ナノ粒子前駆体として、金属とCl、又はNOなどの公知の陰イオンと結合された金属イオンを含む金属塩を使用することができ、その例として、三クロロ化鉄(FeCl)(塩化鉄(III))、二クロロ化鉄(FeCl)(塩化鉄(II))又は鉄ナイトレート(Fe(NO)(硝酸鉄(III))などを挙げることができる。仮に、合金ナノ粒子及び複合ナノ粒子などを合成しようとする場合には、上記で言及した2種以上の金属の前駆体の混合物を使用すれば良い。
【0042】
上記のような還元法又は熱分解法は、例えば、公知のさまざまな溶媒内で行われることもでき、このような溶媒の例として、エーテル系化合物、ヘテロ環化合物、芳香族化合物、スルホキシド化合物、アミド化合物、アルコール、炭化水素及び/又は水などを挙げることができる。具体的に、上記溶媒は、オクチルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、又はデシルエーテルのようなエーテル系化合物; ピリジン、又はテトラヒドロフラン(THF)のようなヘテロ環化合物; トルエン、キシレン、メシチレン、又はベンゼンのような芳香族化合物: ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド化合物; ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド化合物; オクチルアルコール、又はデカノールのようなアルコール; ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、又はヘキサデカンのような炭化水素、又は水を使用することができる。
【0043】
本発明の製造方法において、上記のような無機ナノ粒子を基板に付着させる方法は特に限定されず、例えば、水などの適切な溶媒内に無機ナノ粒子などを分散させた後、適切な条件で基板を浸漬させる方法などを使用することができる。このような過程を進行すれば、例えば、基板上に存在する作用基及び無機ナノ粒子との電荷密度の差異によって、無機ナノ粒子が効果的に基板に付着されることができる。
【0044】
また、本発明のバイオプローブの製造方法において、上記段階に引き続いて、無機ナノ粒子が結合された基板を標的志向性物質と接触させる段階を追加に行うことができる。これに使用される標的志向性物質の具体的な種類は、前述した通りである。この際、上記段階で、基板及び物質を接触させて、標的志向性物質を基板の無機ナノ粒子に導入する方法もやはり特に限定されず、例えば、PBSなどの適切な溶媒を媒介にして上記基板及び物質を接触させる方法を使用すれば良い。
【0045】
また、本発明は、前述したような本発明によるバイオプローブと、上記バイオプローブから発散される信号を検出することができる測定装置とを含む分析装置に関する。
【0046】
前述したように、本発明のバイオプローブにおいて、基板に導入された無機ナノ粒子が抗体などのような標的志向性物質が結合されることができるリンカーとしての役目を行いながら、基板自体の比表面積を増加させて、検出しようとする標的物質が基板と接触することができる比表面積を増加させる役目を行い、さまざまなバイオ分子(例えば、腫瘍細胞、タンパク質、抗原、抗体、その他の生体高分子など)又はその他の化学物質の検出、定量又は分析のための装置に効果的に適用されることができる。
【0047】
本発明の分析装置に含まれることができる測定装置の種類は特に限定されず、この分野において公知の一般的な装置を使用することができる。例えば、本発明において、バイオプローブから発散される蛍光信号などを検出することによって、光学的映像を具現することができる装置を使用することができる。本発明において使用することができる分析装置の具体的な例として、磁気共鳴映像装置(MRI)、落射蛍光顕微鏡(epifluorescence microscope)、光学分光計(optical spectrometry)、CCD(Charge Coupled Device)又はCIS(CMOS Image Sensor)などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0048】
また、本発明の分析装置は、上記バイオプローブ及び測定装置などが収納されることができるハウジングなどの一般的な構成をさらに含むことができる。
【0049】
上記のような本発明の分析装置を使用して、標的物質を検出、定量又は分離する方法は特に限定されない。
【0050】
このような方法は、例えば、(1)前述したような本発明によるバイオプローブを分析対象試料と接触させる段階(ステップ)(工程)と、(2)上記段階(1)を経たバイオプローブから発散される信号を検出する段階(ステップ)(工程)、とを含むことができる。
【0051】
本発明の上記分析方法において、バイオプローブ及び分析対象試料を接触させる方法は特に限定されない。例えば、分析しようとする標的物質(例えば、癌細胞、細胞、タンパク質、抗原、ペプチッド、DNA、RNA又はウイルスなど)を含む血漿などの試料を、バイオプローブ上の標的志向性物質などが上記標的物質と結合することができる条件(例えば、抗原−抗体結合が可能な条件)で接触させることができ、当業界において、このような条件などが広く知られている。
【0052】
また、本発明の方法において、標的物質を含む試料及びバイオプローブを接触させた後に、上記バイオプローブ(具体的には、バイオプローブの標的志向性物質と結合された標的物質など)から発散される信号を測定する方法も特に限定されず、例えば、前述のようなさまざまな測定装置の一般的な使用法を適用すれば良い。
【0053】
また、本発明の上記分析方法において、前述の段階(1)が分析対象試料と接触したバイオプローブを蛍光物質で処理する段階をさらに含むことができる。
【0054】
このような段階は、バイオプローブに結合された標的物質の検出効率をさらに向上させるために行われることができ、この際に使用されることができる蛍光物質の例として、Hoechst、FITC(Fluorescein-5-isothiocyanate)、ピレン、 ヨウ化プロピジウム(Propidium iodide)、RITC(Rhodamine isothiocyanate)、DAPI、ロダミンB、ナイルレッド、テキサスレッド、フルオレセインアミン (Fluoresceinamine)、Alexa flour 488、Alexa Fluor 350、Oregon Green 488、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 680、Cy5.5、Cy5又はCy3などの1種又は2種以上を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。また、本発明において、上記のような蛍光物質でバイオプローブ(具体的には、バイオプローブに結合された標的物質)を処理する方法は特に限定されず、この分野において公知の一般的な手法を使用することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明による実施例を通じて本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0056】
実施例1
図1に示されたような過程を経て、シリコン基板上に金ナノ粒子を結合させて、上記ナノ粒子に抗体(セツキシマブ(Cetuximab))を結合させてバイオプローブを製造した。具体的な過程は、下記の通りである。
【0057】
金ナノ粒子製造
金ナノ粒子は、還元剤としてNaOH(1M、0.5mL)及び80wt%のテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロリド(12μL、Sigma製)の存在下に、1.0wt%の テトラクロロ金(III)酸四水和物(2mL、Sigma製)を常温で7分間還元させて製造した。製造された金ナノ粒子は、平均粒径が約10nmの単分子分散した粒子であることを透過電子顕微鏡(TEM)を用いて確認した(図2、scale bar:50nm)。
【0058】
金ナノ粒子が結合された基板を含むバイオプローブの製造
5mLの水に3−アミノプロピルトリメトキシシラン(100μL、Sigma(製))を分散させた後、シリコン処理されたガラススライド(φ=12mm)を入れ、80℃の温度で24時間維持し、アミン作用基で機能化された基板を製造した。製造された基板を過量の水及びエチルアルコールで洗浄した後、上記で製造された金ナノ粒子が分散された水(7×1012粒子/mL、5mL)に入れ、軽く撹拌しながら24時間維持した。引き継いで、基板に結合されていない金ナノ粒子を十分な水とエチルアルコールで洗浄し、表面に金ナノ粒子が結合された基板を製造した。図3は、上記で製造された基板のFT−IRスペクトルを示す。図3で、赤い色の矢印で表示された部分は、各々アミン基のN−H結合のストレッチ(stretch)(3240cm−1)及びベンド(bend)(1650cm−1)を示す。図4は、金ナノ粒子が結合される前のアミン基で改質された基板(aminated SGS)及び上記アミン基に金ナノ粒子が結合されている基板(AuNP−SGS)のUV−vis吸収スペクトルを示す。図4に示されたように、金ナノ粒子が結合された基板(AuNP−SGS)の吸収スペクトルは、基板の表面に蒸着された金ナノ粒子の表面プラズマ効果によって金ナノ粒子が結合される前の基板(aminated SGS)と変化を示し、520nmの最大吸収波長を示した。具体的に、金ナノ粒子が結合される前の基板は、520nmで吸収を示さない透明な色であったが、金ナノ粒子が結合された基板(AuNP−SGS)は、赤いワイン色を示した。また、図5は、暗視野顕微鏡(U−DCW、Olympus)を使用して測定した金ナノ粒子の光散乱イメージを示す。
【0059】
金ナノ粒子に標的志向性抗体が結合されたバイオプローブの製造
上記で製造された金ナノ粒子が結合された基板に標的志向性抗体を導入した。具体的には、1mgのCET(Cetuximab、Merck)が溶解されたPBS(Phosphate-buffered saline;10mM、pH7.4、Gibco製)1mL内に上記で製造された金ナノ粒子−結合基板を4時間浸漬した。次に、過量のPBS溶液で金ナノ粒子に結合しないCETを除去し、標的志向性抗体が結合されたバイオプローブを製造した。BACタンパク質分析キット(Pierce)を使用して、結合されたCETの量を定量した。
【0060】
試験例1.表面形態分析
実施例の各段階での基板の表面分析のために、ナノスコープIVコントローラ(Veeco製)を使用した(tapping mode、air、room temperature)。タッピングモデルのAFM(tapping-model AFM)のために、矩形のAFMシリコンカンチレバー(RTESP−TAP300、Metrology Probe、Veeco製)を使用し、スキャン速度、カンチレバーの接触力などによる誤差を最小化するために、基板(SGS)、金ナノ粒子結合基板(AuNP−SGS)及び抗体結合基板(CET−AuNP−SGS)表面の分析時に同一のチップ(tip)及びスキャン速度を使用した。また、表面のグレインサイズ(grain size)のヒストグラムを得るために、AFMデータ分析ソフトウェアを使用し、上記プログラムを使用してAFMから収集されたデータを切り替えた。図6a乃至図6dは、以上のAFM分析結果を示す。図6aは、金ナノ粒子及び抗体が結合されていない基板(SGS)の表面状態、図6bは、金ナノ粒子が結合された基板(AuNP−SGS)の表面状態、図6cは、抗体が結合された基板(CET−AuNP−SGS)の表面状態を各々示し、図6dは、上記各々の基板のグレインサイズダイヤグラムを示す。図6a乃至図6cに示されたように、SGSの場合、基板表面の高さ差がほとんど観測されなかったが、基板に金ナノ粒子及び抗体が結合される場合に、表面高さの変化及び表面粗さが変化することを確認することができた。また、グレインサイズダイヤグラム(図6d)から分かるように、SGSの場合、表面サイズ分布が約0.6nm程度であったが、AuNP−SGSの場合、約11.4nm、そして抗体が結合された場合には、約24.0nmと増加することを確認することができた。
【0061】
試験例2.バイオプローブの検出能確認
製造されたバイオプローブの癌細胞検出能を蛍光顕微鏡(epifluorescence microscope)(BX−21、Olympus製)及び光学分光計(optical spectrometry)(LS−55、Perkin−Elmer)を使用して確認した。具体的には、モデル細胞(MCF7、A431、1×10cells/ml)を培養した後、12ウェルプレート(NUNC、22mm diameter)で30分間抗体結合基板(CET−AuNP−SGS)で処理した。引き継いで、0.2%FBS及び0.02%ナトリウムアジドを含むPBSで3回洗浄し、暗室でHoechst 33258(λ excitation=350nm、λ emission=461nm)で4℃で10分間培養した。引き継いで、培養ウェルを過量のPBSで3回洗浄し、蛍光顕微鏡を使用して、上皮癌細胞に対する検出効率を確認した。追加に、肝癌細胞の検出能は、分光計を使用して測定した。図7a乃至図7c及び図8は、以上の分析結果を示す図である。図7aは、MCF7及びA431細胞で各々処理されたCET−AuNP−SGS及びAuNP−SGSの蛍光顕微鏡映像を示す。図7aから、CET−AuNP−SGSは、上皮性癌細胞(A431 cell)を特異的に検出することができることを確認することができる(図7aのblue spotは、Hoechst 33258によって蛍光標識(fluorescent staining)された細胞核を示す。scale bar=100μm)。図7bの(i)は、MCF7で処理されたCET−AuNP−SGS及びAuNP−SGSからの放出光の蛍光スペクトル、(ii)は、350nm波長で励起後のA431細胞、(iii)は、MCF7及びA431細胞に各々処理されたCET−AuNP−SGS(red)及びAuNP−SGS(black)の細胞密度を示す。図7bから、MCF7細胞で処理されたCET−AuNP−SGSに比べて、A431細胞で処理されたCET−AuNP−SGSが約54倍高い細胞密度を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、及び前記基板の表面に付着された無機ナノ粒子を含むバイオプローブ。
【請求項2】
前記基板がガラス、シリコン基板、石英、金属又は高分子フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項3】
平均粗度が10nm乃至1μmであることを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項4】
前記無機ナノ粒子は、基板の単位面積(μm)当たり10乃至50個の量で付着されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項5】
前記無機ナノ粒子は、金属ナノ粒子又は磁性ナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項6】
前記金属ナノ粒子が金ナノ粒子、白金ナノ粒子、銀ナノ粒子及び銅ナノ粒子よりなる群から選択された1つ以上のものであることを特徴とする請求項5に記載のバイオプローブ。
【請求項7】
前記磁性ナノ粒子が金属物質、磁性物質又は磁性合金であることを特徴とする請求項5に記載のバイオプローブ。
【請求項8】
前記無機ナノ粒子は、平均粒径が1nm乃至100nmであることを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項9】
前記ナノ粒子は、アミン基及びチオール基よりなる群から選択された1つ以上の作用基を媒介にして基板の表面に付着されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項10】
前記無機ナノ粒子に結合された標的志向性物質をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のバイオプローブ。
【請求項11】
前記標的志向性物質が抗原、抗体、RNA、DNA、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、プロテインA、プロテインG、レクチン、セレクチン、放射線同位元素標識物質、アプタマー及び腫瘍マーカーと特異的に結合することができる物質よりなる群から選択された1つ以上のものであることを特徴とする請求項10に記載のバイオプローブ。
【請求項12】
基板及び作用基含有化合物を接触させて、前記基板上に作用基を導入する第1段階、及び、
前記作用基が導入された基板及び無機ナノ粒子を接触させて、前記基板上に前記無機ナノ粒子を結合させる第2段階、
を含むバイオプローブの製造方法。
【請求項13】
前記作用基含有化合物がアミノアルキルトリアルコキシシラン又はメルカプトアルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記無機ナノ粒子が還元法又は熱分解法で製造されることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
前記無機ナノ粒子が結合された基板を標的志向性物質と接触させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項16】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のバイオプローブ、及び前記バイオプローブから発散される信号を検出することができる測定装置を含む分析装置。
【請求項17】
前記測定装置が磁気共鳴映像装置、落射蛍光顕微鏡、光学分光計、CCD又はCISであることを特徴とする請求項16に記載の分析装置。
【請求項18】
(1)請求項1乃至11のいずれか1項に記載のバイオプローブを分析対象試料と接触させる段階、及び、
(2)前記段階(1)を経たバイオプローブから発散される信号を検出する段階、
を含む分析方法。
【請求項19】
前記分析対象試料は、癌細胞、細胞、タンパク質、抗原、ペプチド、DNA、RNA又はウイルスを含むことを特徴とする請求項18に記載の分析方法。
【請求項20】
前記段階(1)が、分析対象試料と接触したバイオプローブを蛍光物質で処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−505580(P2011−505580A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544246(P2010−544246)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001634
【国際公開番号】WO2010/074369
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(510090612)インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーション, ヨンセイ ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】