説明

バイオマス熱分解油からの燃料ガス製造方法及びタール製造方法

【課題】コストが嵩むことなくバイオマスを熱処理して得られるバイオマス熱分解油から高品質な燃料を製造することのできる燃料ガスを製造する方法を提供することを課題としている。
【解決手段】バイオマスを熱処理して生成したバイオマス熱分解油を添加した原料炭をコークス炉1で乾留して、該バイオマス熱分解油を熱分解し燃料ガスを生成することを特徴とするバイオマス熱分解油からの燃料ガス製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスを熱処理して得られるバイオマス熱分解油から燃料ガスを製造する方法及びタールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
<バイオマスの定義>
化石資源ではない、再生可能な、生物由来の有機性資源をバイオマスと呼ぶ。バイオマスは太陽エネルギーを使い、水と二酸化炭素から生物が生成するものなので、持続的に再生可能な資源である。バイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。しかし、これに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来するので、バイオマスを使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされる。この性質をカーボンニュートラルと呼ぶ。バイオマスは林業系(製材廃棄物、間伐材、製紙廃棄物等)、農業系(稲わら、麦わら、サトウキビ糠、米糠、草木等)、畜産系(家畜廃棄物等)、水産系(水産加工残滓等)、廃棄物系(生ごみ、庭木、建築廃材、下水汚泥等)等に分類される。
【0003】
<バイオマスの従来の利用>
近年、地球温暖化問題に関連してバイオマスエネルギーの役割が強調されている。しかし、例えば間伐材、製材屑、建築廃材、梱包材等の木質バイオマスは大量に排出されているにもかかわらず、一部が燃料チップ等として利用される以外は主に焼却処分され、ほとんどエネルギーとして利用されていないのが現状である。
【0004】
バイオマスをエネルギーとして利用する方法には様々なものがあるが、その一つに特許文献1に開示されているように、バイオマスを石油系有機溶媒と混合して熱処理することにより液体燃料を製造して利用するものがある。バイオマスを発酵させてエタノール等を得る方法では前処理、糖化処理、発酵処理と処理工程が多く効率が低いことに比べて、バイオマスを熱処理して液体燃料を得る方法は、比較的簡便な工程である点で優れている。また、バイオマスを発酵させる方法では、穀物など発酵に適したバイオマス種を選ぶ必要があり食料としての利用との競合が問題視されるが、バイオマスを熱処理して液体燃料を得る方法は基本的にはどんな種類のバイオマスも使える点が優れている。
【0005】
バイオマスを熱処理して得られる液体(以下、バイオマス熱分解油と称する)には、バイオマスを無酸素状態で500℃程度にて急速熱分解して得られる油類(バイオオイルとも称する)や、バイオマスをガス化(部分燃焼)する際に副生して得られる油類や、バイオマスを炭化する際に副生して得られる油類が含まれる。
【特許文献1】特開2006−063310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のバイオマスを熱処理して得られるバイオマス熱分解油の利用は十分になされておらず、次のような課題を残している。
【0007】
これらのバイオマス熱分解油は、特許文献1に見られるように、カーボンニュートラルな液体燃料として注目されているが、燃料としての質が低い。すなわち、水分を多く含み、酸素含有率が高いことなどにより、発熱量が石油系燃料油の1/2に満たないため、バイオマス熱分解油をそのまま燃焼して利用するとしても、適用できる設備は限られ、エンジンや高効率発電設備などへの適用は難しい。また、バイオマス熱分解油は、pHが2〜3と低く、層分離しやすく、不均一であるという問題があり、燃料として使用する際に制約が多い。
【0008】
このようなバイオマス熱分解油の燃料としての質が低いという問題を解決するために、バイオマス熱分解油を水素添加反応等により改質して、燃料としての質を向上させる方法があるが、非常にコスト高になる。また、バイオマス熱分解油をガス化して高濃度の水素に転換しようとする検討も進められているが、やはりコスト高である。このようにバイオマス熱分解油を改質や水素転換して燃料としての品質を向上させることはコスト高になるし、品質向上にも限界がある。
【0009】
このように、バイオマス熱分解油はカーボンニュートラルな液体燃料として注目されている一方で、その燃料としての品質の低さから、有効に利用することが難しい。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、コストが嵩むことなくバイオマスを熱処理して得られるバイオマス熱分解油から高品質な燃料を製造することのできる燃料ガスを製造する方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者が検討した結果、バイオマスを熱処理して得られるバイオマス熱分解油は、石油系の重質油や石炭系のタール類に比べて、熱分解により可燃ガス成分が得られ易い性質があることを見出した。また、バイオマス熱分解油を熱分解して可燃ガスを得るのに好適な温度は、800〜1000℃前後であることが分かり、製鉄所のコークス炉で原料炭を乾留してコークスを製造するプロセスを有効利用できる温度域であることを見出した。
【0012】
その結果、本発明を想到するに至った。
【0013】
本発明に係る燃料ガス製造方法は、バイオマスを熱処理して生成したバイオマス熱分解油を添加した原料炭をコークス炉で乾留して、該バイオマス熱分解油を熱分解し燃料ガスを生成することを特徴としている。
【0014】
コークス炉で原料炭を乾留してコークスを製造するプロセスを説明する。
【0015】
コークス炉は、炭化室と燃焼室が隔壁を介して交互に配置されており、原料炭は炭化室に装入され、該炭化室に隣接する燃焼室内で燃料が燃焼され隔壁を通して炭化室内の原料炭を加熱、乾留してコークスを製造する。原料炭中の揮発分はガス化し、各炭化室からそれぞれに設けられた上昇管を経て集められ、このコークス炉ガス(COガス)は冷却され、タール等を分離し、精製された後、コークス炉や製鉄プラントの燃料として利用される。
【0016】
コークス炉ガスの代表的な組成は、水素50〜60体積%、メタン25〜35体積%、一酸化炭素5〜8体積%、二酸化炭素2〜5体積%、窒素3〜7体積%である。
【0017】
このような本発明にしたがい、コークス炉炭化室内の雰囲気でバイオマス熱分解油の熱分解とガス化が進むかどうかを確かめたところ、原料炭が加熱される雰囲気で熱分解とガス化が進み、可燃ガスが高効率で得られることが確認された。ここでバイオマス熱分解油から得られたガスの成分は、H,CO,CH,C,C,COなどが主成分であり、高発熱量の燃料ガスとして非常に高品質のガスである。
【0018】
本発明によると、このように、バイオマス熱分解油をコークス炉に装入する原料炭に添加して、コークス炉で原料炭を乾留することによりバイオマス熱分解油を熱分解・ガス化させ、バイオマス熱分解油から燃料ガスを製造することができる。
【0019】
また、これまで製鉄所で利用されていなかったバイオマス燃料をコークス炉でのコークス製造に利用することができる。その結果、製鉄所においてカーボンニュートラルな資源であるバイオマス熱分解油を有効利用することができるので、CO量削減を実現できる。
【0020】
また、バイオマス熱分解油を原料炭が加熱される雰囲気で熱分解し生成したタールには、ベンゼンなど高価値成分が多く含まれていることが分かった。バイオマス熱分解油から生成したタールは、コークス炉ガス中のコールタール成分と共に、コークス炉ガスから分離され、有用成分を回収することができる。
【0021】
このように、バイオマス熱分解油を原料炭に添加し、コークス炉で原料炭を乾留し、バイオマス熱分解油を熱分解することにより、ガス化したガス成分は燃料ガスとして有効利用され、タール成分についても有効利用される。
【0022】
本発明において、バイオマス熱分解油を原料炭に塗布または含浸した該原料炭をコークス炉で乾留することができる。すなわち、コークス炉へ原料炭を装入する前、装入中または装入後に、原料炭にバイオマス熱分解油を散布し塗布または含浸させる。コークス炉の燃焼室に燃料が供給されて燃焼し、隔壁を介して炭化室の原料炭を加熱し乾留する。原料炭に添加されたバイオマス熱分解油は加熱され蒸発し800〜1000℃程度で熱分解されガス化される。
【0023】
本発明において、バイオマス熱分解油を原料炭量に対して0.1重量%以上で1.5重量%以下の添加比率で添加した原料炭をコークス炉で乾留することができる。
【0024】
バイオマス熱分解油を原料炭に添加してコークス炉内で原料炭を乾留する際に熱分解ガス化させるのに適したバイオマス熱分解油の原料炭量に対する添加比率について調べた。バイオマス熱分解油の添加比率が少なすぎると発生させる燃料ガスが少なく添加するための手段を設ける意味がないし、また、高すぎると、炭化室から発生したコークス炉ガスを導出する上昇管内壁に付着する炭化物が増加するため、操業に好ましくない場合があることが分かった。その点について更に検討した結果、バイオマス熱分解油の原料炭量に対する添加比率が0.1重量%以上で1.5重量%以下であれば効果が十分得られると共に問題が起きないことが分かった。1.5重量%以下であれば、付着炭化物の原因となる物質量の増加と、吸熱反応に伴う上昇管部温度低下によっての炭化物付着反応速度の低下とが相殺しあって、結果として上昇管に付着する炭化物の増加が起きないためと推定できる。
【0025】
本発明において、バイオマスを熱処理して生成したバイオマス熱分解油を添加した原料炭をコークス炉で乾留して、該バイオマス熱分解油を熱分解しタールを生成することができる。
【0026】
さらには、バイオマス熱分解油の成分によっては、コークス炉内で原料炭を乾留する際の加熱を利用して熱分解・ガス化させることで、もともとバイオマス熱分解油がもつ熱量よりも増加した熱量をもつ燃料ガスが得られることが分かった。
【0027】
このことは、原料炭を乾留する際の加熱を利用して、バイオマス熱分解油を吸熱反応により熱分解・ガス化して、乾留する際の加熱エネルギーを、燃料ガスの化学エネルギーに変換できることを意味している。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、以上のように、バイオマスを熱処理して生成したバイオマス熱分解油を添加した原料炭をコークス炉で乾留して、該バイオマス熱分解油を熱分解し燃料ガスを生成することとしたので、高発熱量の燃料ガスを得られる。
【0029】
また、本発明によると、これまで製鉄所で利用されていなかったバイオマス燃料をコークス炉でのコークス製造に利用することができる。その結果、製鉄所においてカーボンニュートラルな資源であるバイオマス熱分解油を有効利用することができるので、CO量削減を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態装置の概要構成図である。
【0032】
図1において、符号1はコークス炉を示し、該コークス炉1は炉内に原料としての石炭(以下「原料炭」という)が供給される炭化室と、該炭化室と隔壁をへだてて形成された燃焼室とを有している。外部から燃焼室へ供給された燃料の燃焼により、上記炭化室内の原料炭は無酸素状態で上記隔壁を介して間接加熱されて乾留される。この乾留により、固体分としてコークス、気体分としてコークス炉ガスを得る。コークス炉ガスは、コークス炉1の上部から取り出される。乾留の過程で発生したガス状のタールがコークス炉ガスに含まれる。かかるコークス炉1自体は公知であり、これ以上の詳述は省略する。
【0033】
コークス炉1へ装入される原料炭は、炉外に設けられた添加装置2にて、バイオマス熱分解油が添加された後に、コークス炉1へ装入される。
【0034】
かかるコークス炉1は、コークス炉ガスを排出する上昇管を上部に有し、この上昇管が、煙道を介してコークス炉ガスからタールを分離し精製する精製装置3に接続されている。この精製装置3は、分離されたタール、若干のチャーを取り出す取出口3Aを下部に有し、また、精製後のクリーンなガス分としての燃料ガスを貯蔵する貯蔵ホルダー4に接続されている。
【0035】
上記貯蔵ホルダー4は、燃料ガスを製品として取り出すことができるようになっていると共に、上記燃料ガスの一部をコークス炉1での燃料として使用できるように該コークス炉1の燃焼室に接続されている。勿論、上記燃料ガスは、製品として取り出さずに、すべてを上記燃焼室へ供給するようになっていてもよい。
【0036】
かかる本実施形態装置において、バイオマス熱分解油の熱分解とその後の処理は、次の要領にて行われる。
【0037】
(1)本実施形態装置に用いられるバイオマス熱分解油は、バイオマスを他装置で熱処理して得られる。バイオマス熱分解油には、バイオマスを無酸素状態で500℃程度で急速熱分解して得られる油類や、バイオマスを部分燃焼する際に得られる油類や、バイオマスを炭化する際に得られる油類が含まれる。かかるバイオマス熱分解油を、コークス炉1への原料炭の、装入前に添加装置2にて、あるいは装入中または装入後に、この原料炭に散布し塗布または含浸させる。
【0038】
(2)コークス炉1の燃焼室に燃料が供給され燃焼し、隔壁を介して炭化室の原料炭を加熱し乾留する。原料炭に添加されたバイオマス熱分解油は加熱され蒸発し800〜1000℃程度で熱分解されガス化される。熱分解ガス化による生成物は、H,CO,CH,CO,C,Cなどが主成分の高カロリーなガスと、タールおよび若干のチャーである。この熱分解ガス化反応は吸熱反応である。
【0039】
(3)バイオマス熱分解油の熱分解により生成したガスは、コークス炉ガスとともにコークス炉1の後段に既設されているガス精製装置3にて精製され、クリーンな燃料ガスとなる。コークス炉ガスにバイオマス熱分解油から生成したガスが混合された混合燃料ガスは、コークス炉ガスと同程度の発熱量を有する燃料ガスとなり、製鉄所内の、コークス炉や各プラントで有効利用される。また、カーボンニュートラルな燃料ガスとして、製品の形で外販することも可能である。本実施形態では、図示のごとく、燃料ガスを製品とすると共に、コークス炉1における燃料としても使用している。
【0040】
液体燃料としては発熱量が低く、水分が多く、安定性も悪いバイオマス熱分解油が、このように、コークス炉内での原料炭の乾留プロセスを有効利用して、クリーンで高カロリーの燃料ガスに転換できることになる。条件によっては、生成する高カロリーガスの熱量は、原料であるバイオマス熱分解油の熱量よりも大きくなる。 コークス炉内での原料炭の乾留プロセスに供給される熱エネルギーが、燃料としての化学エネルギーに変換されていて、熱エネルギーの極めて有効な利用形態であるといえる。
【0041】
もちろん、製鉄所でカーボンニュートラルなバイオマス燃料を利用することで、製鉄所から排出される化石燃料由来のCO排出量の削減につながる。
【0042】
(4)一方、バイオマス熱分解油から生成され上記精製装置3から取り出されるタールには、必ずしも元のバイオマス熱分解油には含まれていないベンゼン、トルエン、キシレン等の軽質分が含まれる。ベンゼン、トルエン、キシレン等は化学原料としての高い価値を持っている。このように、バイオマス熱分解油からクリーンな燃料ガスが得られるだけでなく、高価値の軽質分を含むタールも得ることができ、経済性を一層向上させることができる。これらの軽質分は、コークス炉ガスに含まれるコールタール成分とともにコークス炉の後段に既設されている設備(図示せず)でコールタール回収、加工プロセスにより分離精製され、化学原料として外販される。
【0043】
(5)また、バイオマス熱分解油から若干生成され上記精製装置3から取り出されるチャーなどの固形分は、コークス製造過程に生成されてコークス炉ガスに含まれる固形分と共に、やはりコークス炉の後段に既設されている処理設備(図示せず)で回収処理、リサイクルされる。バイオマス熱分解油に少量含まれる固形分が熱処理を経てなお残留したとしても、同様にコークス炉の後段に既設されている処理設備で処理、リサイクルされるので、液体燃料としては使いづらいバイオマス熱分解油を利用する上で種々の問題を解決できる。
【0044】
本発明において、バイオマス熱分解油を原料炭に添加し乾留することにより熱分解ガス化し、より多くの燃料ガスを得るには、好適なバイオマス熱分解油の組成範囲があることが分かった。好ましいバイオマス熱分解油の組成は、Cが70重量%以下であり、Oが20重量%以上であり、Hが6重量%以上である。
【実施例】
【0045】
各種のバイオマス熱分解油と、比較のためのコールタールについて熱分解実験を実施した。結果は、次のごとくである。
【0046】
実験に供した供試油は、バイオマス熱分解油No.1〜4及びコールタールである。
【0047】
バイオマス熱分解油No.1とNo.2は、パームヤシの空果房(EFB:Empty Fruit Bunches)のチップを原料として、無酸素雰囲気下で500〜600℃程度で急速熱分解して得られた油である。バイオマス熱分解油No.3は、木材チップを原料として、無酸素雰囲気下で500〜600℃程度で急速熱分解して得られた油である。バイオマス熱分解油No.4は、木材チップを原料として、空気と水蒸気をガス化剤としたガス化反応時に副生した油である。コールタールは、コークス炉にて石炭からコークスを得る際に得られたタールである。
【0048】
バイオマス熱分解油No.1〜4及びコールタールの組成(単位 wt%)、水分率(単位 wt%)、低位発熱量(単位 kcal/kg)を表1に記す。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示される供試油を加熱した石英管に滴下し、窒素ガス気流中1000℃にて熱分解して、得られたガスとチャーを分析した結果を表2に記す。発生ガスの冷ガス効率は、発生したガスの低位発熱量を、供給した供試油の低位発熱量で除した値である。チャー発生率は、発生したチャーの重量を、供給した供試油の重量で除した値である。試験はそれぞれ2回実施し、その平均値を表2に示した。
【0051】
【表2】

【0052】
バイオマス熱分解油はいずれも、コークス炉内温度と同じ1000℃にて、熱分解・ガス化され、チャー発生率がコールタールに比べ低く、熱分解ガス化され易く、得られるガス量が多い。また、バイオマス熱分解油からの発生ガスの冷ガス効率が高く、バイオマス熱分解油から燃料ガスを製造する際に発熱量の高い燃料ガスを得ることができることを確認した。
【0053】
上記の熱分解実験は発生ガスの分析を容易に行うため窒素ガス雰囲気で行ったが、コークス炉内の雰囲気でも、バイオマス熱分解油を熱分解して同様の燃料ガスを得ることができることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態装置の概要構成図である。
【符号の説明】
【0055】
1 コークス炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスを熱処理して生成したバイオマス熱分解油を添加した原料炭をコークス炉で乾留して、該バイオマス熱分解油を熱分解し燃料ガスを生成することを特徴とするバイオマス熱分解油からの燃料ガス製造方法。
【請求項2】
バイオマス熱分解油を原料炭に塗布または含浸させた該原料炭をコークス炉で乾留することを特徴とする請求項1に記載のバイオマス熱分解油からの燃料ガス製造方法。
【請求項3】
バイオマス熱分解油を原料炭量に対して0.1重量%以上で1.5重量%以下の添加比率で添加した該原料炭をコークス炉で乾留することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイオマス熱分解油からの燃料ガス製造方法。
【請求項4】
バイオマスを熱処理して生成したバイオマス熱分解油を添加した原料炭をコークス炉で乾留して、該バイオマス熱分解油を熱分解しタールを生成することを特徴とするバイオマス熱分解油からのタール製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−203336(P2009−203336A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46581(P2008−46581)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】