説明

バイオマス由来のメチルメタクリレートの製造方法

【課題】α−ヒドロキシイソブチルアミドとギ酸メチルとの反応によってα−ヒドロキシイソ酪酸メチルとホルムアミドとを作り、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルを脱水してメチルメタクリレートにするメチルメタクリレートの製造方法。
【解決手段】上記反応で用いるギ酸メチルの少なくとも一部および/または上記反応に用いるα−ヒドロキシイソブチルアミドの少なくとも一部が、バイオマスから始める反応または一連の反応によって得られたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオマス由来のメチルメタクリレートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メチルメタクリレートは多くの重合または共重合反応の出発材料であり、これはアルツグラス(Altuglas、登録商標)およびプレキシグラス(Plexiglas、登録商標)で知られるポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を製造するためのモノマーである。メチルメタクリレートは粉末、顆粒またはシートの形で提供され、種々の物品、例えば自動車産業での各種物品、家庭用品、事務用品、標識およびディスプレー用シート、輸送、建築、ライトおよび衛生陶器の分野、防音壁、芸術作品、フラットスクリーン等の成形に用いられている。
【0003】
メチルメタクリレートは高級メタクリレートの有機合成の出発材料であり、この高級メタクリレートもアクリルエマルションおよびアクリル樹脂の製造に用いられ、ポリ(塩化ビニル)用添加剤の役目をし、多くのコポリマー、例えばメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレンコポリマーの製造でコモノマーとして用いられ、潤滑剤用添加剤の役目をし、さらに多くの用途があり、特に、医療用プロテーゼ、凝集剤、洗浄剤等が挙げられる。アクリルエマルションおよびアクリル樹脂は塗料、接着剤、紙、テキスタイル、インク等の分野で用いられる。アクリル樹脂もPMMAと同じ用途のシートの製造で用いられる。
【0004】
メチルメタクリレートは種々の方法で得ることができる。その一つの方法はアセトンシアノヒドリンを水和させてα−ヒドロキシイソブチルアミド[(H3C)(OH)(CH3)C-CO-NH2]を作り、これをギ酸メチル[HCOOCH3]と反応させ、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル[(H3C)(OH)(CH3)-COOCH3]およびホルムアミド[HCONH2]を生成させる。ホルムアミドはHCN+H2Oに変換された後に再循環する。HCNはアセトンと反応させてアセトンシアノヒドリンにし、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルは脱水してメチルメタクリレートにする。
【0005】
上記プロセスは特許文献1(欧州特許第407,811号公報)に記載され、メチルメタクリレートの収率は90%である。
【0006】
このメチルメタクリレートの合成で用いる出発材料は主として石油由来または合成由来であり、従って、多くのCO2発生源を含み、温室化効果を増加させる原因となる。地球上の石油資源の減少を考慮すると、これらの出発材料の供給源は徐々に枯渇しつつある。
【0007】
バイオマスから得られる出発材料は再生可能な資源であり、環境への影響は少なく、石油製品の精製工程(エネルギーの点で非常にコスト高である)は不必要であり、CO2の発生量が減り、地球温暖化に対する影響が少ない。植物は成長のために大気中のCO2を炭素1モル当たり(炭素12g当たり)44gのCO2の速さで消費する。すなわち、再生可能資源を使用することで大気中のCO2の量の削減ができる。植物材料はほぼ世界中で需要に応じて大量に栽培できるという利点を有する。
【0008】
従って、化石由来の出発材料に依存せずに、バイオマスを出発材料として用いるメチルメタクリレートの合成方法に対するニーズがある。
【0009】
「バイオマス」という用語は、天然で生産される動植物由来の出発材料を意味する。植物材料の特徴は植物が成長するために大気二酸化炭素を消費し、酸素を生成する点にある。動物は成長するためにこの植物出発材料を消費することで大気中のCO2に由来する炭素を取り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第407,811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記の持続可能な発展という課題に対して対応することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の対象は、α−ヒドロキシイソブチルアミドとギ酸メチルとの反応によってα−ヒドロキシイソ酪酸メチルとホルムアミドとを作り、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルを脱水してメチルメタクリレートにするメチルメタクリレートの製造方法において、上記反応で用いるギ酸メチルの少なくとも一部および/または上記反応に用いるα−ヒドロキシイソブチルアミドの少なくとも一部が、バイオマスから始める反応または一連の反応によって得られものであることを特徴とする方法にある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記ギ酸メチルの少なくとも一部は、基本的に一酸化炭素と水素とからなる合成ガス(syngas)から取り出した一酸化炭素を用いたメタノールのカルボニル化で作り、上記合成ガスの少なくとも一部は動植物由来の材料またはセルロースパルプの製造・漂白の廃液を回収して得られる材料のガス化で得る。
【0014】
上記ギ酸メチルの少なくとも一部をメタノールのカルボニル化で作り、メタノールの少なくとも一部を木材の熱分解か、基本的に一酸化炭素と水素とからなる合成ガスを生じる動植物由来の材料のガス化か、農作物、例えば小麦、トウモロコシ、サトウキビまたはテンサイの発酵による発酵性生成物従ってアルコールから作り、メタノール製造用合成ガスの少なくとも一部はセルロースパルプの製造・漂白の廃液の回収物から得ることができる。上記合成ガスは必要に応じて水性ガスシフト反応によって水と反応させてH2/CO比をメタノールの合成に適した比率に調節することができる。
【0015】
上記α−ヒドロキシイソブチルアミドの少なくとも一部をアセトンシアノヒドリンの脱水によって作り、アセトンシアノヒドリンの少なくとも一部はアセトンとシアン化水素酸との反応で得ることができ、シアン化水素酸の少なくとも一部はホルムアミドの再循環物から得ることができ、アセトンおよびシアン化水素酸の少なくとも一つはバイオマスから始める一つの反応または一連の反応で得ることができる。バイオマスから始める一つの反応または一連の反応の詳細は以下に記載する「バイオマスのアセトンとしての有価物回収(varorisation)」および「バイオマスのシアン化水素酸としての有価物回収」の項でさらに詳細に説明する。
【0016】
本発明の別の対象は、上記の方法で製造されたメチルメタクリレートの、ポリ(メチルメタクリレート)製造用モノマーとしての使用、高級メタクリレート有機合成用出発材料としての使用、アクリルエマルションおよびアクリル樹脂請製造での使用、ポリ(塩化ビニル)用添加剤としての使用、コポリマー製造でのコモノマーとしての使用および潤滑剤用添加剤としての使用にある。
【0017】
バイオマスのメタノールとしての有価物回収(varorisation)
既に述べたように、メタノールは、木材の熱分解か、または、動植物由来の任意の材料のガス化で主として一酸化炭素と水素とで構成される合成ガスを作る(必要に応じて水性ガスシフト反応によって水と反応させ、H2/CO比をメタノールの合成に適した比率に調節する)か、または、作物、例えば小麦、トウモロコシ、サトウキビまたはテンサイから始める発酵で発酵性生成物、従って、アルコールを生成することによって得られる。
【0018】
動物由来の材料としては魚の油および脂肪、例えばタラの肝油、鯨油、マッコウクジラの油、イルカ油、アザラシ油、イワシ油、ニシン油またはサメ肝油、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマおよびトリの油および脂肪、例えば獣脂、ラード、乳脂肪、豚脂肪、鶏脂、牛脂、豚脂または馬脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
植物由来の材料としては例えば農業からのリグノセルロース残留物、穀類藁飼料、例えば小麦の藁飼料またはトウモロコシ藁飼料または穂かす飼料、穀類かす、例えばトウモロコシかす;穀粉、例えば小麦粉、穀類、例えば小麦、大麦、ソルガムまたはトウモロコシ;木材または木の廃材および木くず;穀物;サトウキビまたはサトウキビかす;エンドウの巻きひげおよび茎;ビートまたは糖蜜、例えばビート糖蜜;キクイモ、ジャガイモ、ジャガイモ茎またはジャガイモかす;でんぷん;セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの混合物;および製紙工業からの黒液(炭素リッチな材料)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明の一実施例では、メタノールを製造するための合成ガス(syngas)はセルロースパルプの製造および漂白で出る廃液を回収して得る。特にセルロースの製造および漂白で出る廃液のガス化およびメタノール製造を記載したChermecの特許文献2(欧州特許第666,831号公報)またはChermecの特許文献3(米国特許第7,294,225号明細書)および合成ガスからのメタノール製造に関する下記論文(非特許文献1)を参照されたい。
【特許文献2】Chermecの欧州特許第666,831号公報
【特許文献3】Chermecの米国特許第7,294,225号明細書
【非特許文献1】論文「Procedes de petrochimie -Caracteristiques techniques et economiques Tome 1-Editions Technip-le gaz de synthese et ses derives」
【0021】
バイオマスの一酸化炭素としての有価物回収
一酸化炭素は、動植物由来の任意材料をガス化して、主として一酸化炭素と水素とで構成される合成ガスから一酸化炭素を抽出して得られる。
【0022】
バイオマスのアセトンとしての有価物回収
本発明の第1実施例では、C6およびC5糖類のアセトン/ブタノール (場合によってはアセトン/ブタノールとエタノールとの混合物) の発酵でアセトンを作る。アセトンは例えば蒸留、特に共沸蒸留または膜分離(例えばパーベーパレーション膜上で)またはシリカライト上での分離によって分離して得ることができる(下記文献参照)。
【非特許文献2】Revue de l'Institut Francais du Petrole, Vol.36, No.3, 1981, pp339-347;
【非特許文献3】Biotechnology Letters, Vol. 4, No.11, pp759-760 (1982);
【非特許文献4】Advances in Applied Microbiology, Volume 31, 1986, pp 61-92;
【非特許文献5】Prog. Ind. Microbiol., 3(190), 73-90;
【非特許文献6】Separation, Science and Technology [28 (13 & 14), pp 2167-2178, 1993];
【非特許文献7】Biotechnology Letters, Vol. 4, No.11, 759-760 (1982)).
【0023】
6およびC5糖類は特に下記の中から選択される糖類の含有量が高い材料から得るのが有利である:農業からのリグノセルロース残留物および植物由来の任意材料、例えば穀類藁飼料、例えば小麦の藁飼料またはトウモロコシ藁飼料、穂かす飼料、穀類かす、例えばトウモロコシかす;穀粉、例えば小麦粉、穀類、例えば小麦、大麦、ソルガムまたはトウモロコシ;木材または木くずおよび木の廃材;穀物;サトウキビまたはサトウキビかす;エンドウの巻きひげおよび茎;ビートまたは糖蜜、例えばビート糖蜜;キクイモ、ジャガイモ、ジャガイモ茎またはジャガイモかす;でんぷん;セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの混合物。必要に応じてこれらに機械的処理、例えば破砕、粉砕または押出および/または化学的処理、例えば酸性または塩基性経路による蒸気処理および/または酵素加水分解処理を行い、C6およびC5糖類を放出させる。
【0024】
上記の機械的処理および化学的予備処理は結合を開裂させてセルロースの結晶化度を低下させ、セルロースと酵素との接触表面積を増大させることを目標とするものである。
加水分解段階では特にでんぷんを糖化してでんぷんをグルコースに変換するか、スクロースをグルコースに変換することができる。
【0025】
特に、アセトン/ブタノール発酵は嫌気性細菌、例えば下記のものを用いて実施した:クロストリジウムベイジェリンキ, 例えばVPI 5481 (ATCC 25732), 4635, 2697, 4419 (ATCC 11914), クロストリジウムブチリカム, 例えばVPI 13436 (NRRLB-592), クロストリジウム オーランチブチリカム, 例えばVPI 4633 (ATCC 17777), 10789 (NCIB 10659), クロストリジウム アセトブチリカム, 例えばVPI2673 (McClung 633), 13697 (ATCC 4259), 13698 (NRRL B -527 欺mdash ATCC824), 13693 (ATCC8529), 2676 (McClung 635), 破傷風菌, その突然変異体または遺伝子組み換え生物 (非特許文献8参照)。
【非特許文献8】応用環境微生物学, Mar. 1983, pp.1160-1163, Vol.45, No.3; Biotechnology Letters, Vol.4, No.8 (1982), 477-482
【0026】
これらの発酵法は当業者に周知であり、当業者は所定タイプの植物材料に対する最良の作業条件を選択できる。
【非特許文献9】Microbiological Reviews, Dec. 1986, Vol.50, No.4, pp.484-524;
【非特許文献10】Bioresource Technology, 42 (1992), 205-217;
【非特許文献11】Appl. Microbiol. Biotechnol. (1985), 23, 92-98;
【非特許文献12】Energy from Biomass, W. Palz, Elsevier, Applied Science, London(1985), pp.692-696
【0027】
本発明の第2実施例では、573Kの下水スラッジで熱水液化して炭化水素を含む黒液を得る。次いで、この黒液を蒸気雰囲気中で酸化鉄に担持されたジルコニアまたはジルコニア/アルミナをベースにした触媒上で触媒クラッキングし、続いて上記のようにして、すなわち、例えば蒸留、特に共沸蒸留または膜分離またはシリカライト上での分離によってアセトンを分離してアセトンを得る(非特許文献13参照)。
【非特許文献13】Applied CatalysisB: Environmental, 68 (2006), 154-159
【0028】
本発明の第3実施例では、ヤシ油残留物を酸化鉄に担持されたジルコニアまたはジルコニア/アルミナから成る触媒上で触媒変換し、続いて上記のようにして、すなわち、例えば蒸留、特に共沸蒸留、または膜分離またはシリカライト上での分離によってアセトンを分離することができる(非特許文献13参照)。
【0029】
バイオマスのシアン化水素酸としての有価物回収
本発明の第1実施例では、メタンのアンモ酸化によってシアン化水素酸を得る。このメタンは酸素の非存在下で動物および/または植物有機物質、例えばブタ糞尿、家庭廃棄物または産業廃棄物の発酵によって得る。この発酵では主としてメタンと二酸化炭素気体とからなるバイオガスを作り、このバイオガスは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアミンの塩基性水溶液を用いるか、加圧下で水を用いてを洗浄するか、メタノールのような溶剤に吸収させて二酸化炭素気体を除去する。
【0030】
この発酵はメタン化ともよばれ、有機廃棄物を含む埋立地で自然発生的に起こるが、例えば下水スラッジ、産業廃棄物または農業有機廃棄物、ブタ糞尿または家庭ごみを処理するための消化装置で行うこともできる。
発酵混合物は、バイオマスを発酵させてメタンを発生させる微生物の成長に必要な窒素を導入する役目をする動物の糞尿を含むのが好ましい。非特許文献14に記載の従来公知の各種メタン化技術および廃水処理のための既存の各種生物学的方法、例えばLindeのLaran(登録商標)プロセスを参照されたい。
【非特許文献14】「都市固形廃棄物処理用の嫌気性消化技術の現状の検討」(1998年、11月、RISE-AT)
【0031】
メタンのアンモ酸化が挙げられる。この方法では空気および任意成分としての酸素の存在下で、ロジウム/白金ガーゼから成る触媒を用いて約1050〜1150℃の温度でアンモニア(バイオマスから得ることができる)をメタンと反応させる。CH4/NH3のモル比は一般に1.0〜1.2であり、全(CH4/NH3)/O2モル比は1.6〜1.9であり、圧力は一般に1〜2バールである。
【0032】
本発明の第2実施例では、メタノールのアンモ酸化によってシアン化水素酸を得ることができる。このメタノールは上記の「バイオマスのメタノールとしての有価物回収」の項に記載の方法で得ることができる。
メタノールのアンモ酸化によってHCNを製造する方法:
CH3OH+NH3+O2 −> HCN+3H2
は特に1950年代のDistillers社の特許文献4(英国特許第718,112号公報)および特許文献5(英国特許第913,836号公報)に記載されており、340℃〜450℃の温度で酸化モリブデンをベースにした触媒を用いるか、350℃〜600℃の温度でアンチモンと錫とをベースにした触媒を用いる。非特許文献15に記載の論文も参照されたい。
【特許文献4】英国特許第718,112号公報
【特許文献5】英国特許第913,836号公報
【非特許文献15】Process Economics Reviews PEP'76-3、1977年6月のWalter Sedricks
【0033】
この方法は種々の改良、特に使用する触媒系の改良の対象となってきた。例えば、シリカに担持されたモリブデン/ビスマス/鉄の混合酸化物をベースにした系(住友の特許文献6、Standard Oil Company社の特許文献7、三菱の特許文献8)または日東化学工業(特許文献9、特許文献10、特許文献11、非特許文献16、非特許文献17、Science and Technology in Catalysis, 1998, pages 335-338, Applied Catalysis A: General, 194-195, 2000, 497-505)または三菱(特許文献12、特許文献13、特許文献14)に記載のFe/Sb/Oをベースにした触媒が挙げられる。
【特許文献6】米国特許第3,911,089号明細書
【特許文献7】米国特許第4,511,548号明細書
【特許文献8】日本国特許第2002−097017号公報
【特許文献9】欧州特許第340,909号公報
【特許文献10】欧州特許第404,529号公報
【特許文献11】欧州特許第476,579号公報
【特許文献12】日本国特許第2002−097015号公報
【特許文献13】日本国特許第2002−097016号公報
【特許文献14】欧州特許第832,877号公報
【非特許文献16】触媒作用における科学技術、1998, 335-338頁
【非特許文献17】応用触媒作用 A:General 194-195, 2000, 497-505
【0034】
本発明を用いることで炭素の少なくとも一部が再生可能な材料に由来するメチルメタクリレートを得ることができる。
【0035】
再生可能な出発材料またはバイオ資源の出発材料は天然の動物または植物の資源であり、これらは人間の時間では短期間に再構成することができる。特に、これら資源は消費速度以上の速さで再生可能である。
【0036】
化石原料に由来する材料とは違って、再生可能な出発材料は大気中のCO2と同じ比率で14Cを含む。生物(動物または植物)から得られる全ての炭素のサンプルは3つの同位元素:12C(約98.892%)、13C(約1.108%)および14C(痕跡量:1.2×10-10%)の混合物である。生物組織の14C/12C比は大気のそれと同じである。環境中では14Cは主として2つの形:無機の形すなわち二酸化炭素ガス(CO2)の形と、有機の形すなわち有機分子中に一体化された炭素の形で存在する。
【0037】
有機生物体中では炭素が環境と絶えず交換しているので、14C/12C比は新陳代謝によって一定に保たれる。大気中の14Cの比率は一定であるので、その比は生物中でも同じである。生きている間、生物は12Cと一緒に14Cも吸収し、14C/12C比の平均値は1.2×l0-12に等しい。炭素-14は大気窒素(14)の衝撃によって得られ、大気中の酸素で自然に酸化され、CO2を生成する。人類史上で、14CO2の含有量は大気圏内核実験が行われた後に増加し、この年以降、このような実験が中止された後も減少していない。
【0038】
12Cは安定しており、サンプル中の12C原子の数は経時的に一定である。一方、14Cは放射性であり(生物中の炭素の1グラム当たり毎分、13.6個の14C同位元素が崩壊)、サンプル中のこの原子の数は下記の式に従って時間(t)の関数で減少する:
n=no exp(−at)
【0039】
(ここで、
oは開始時(生物、動植物の死)の14C原子の数であり、
nは時間tの終了後に残った14C原子の数であり、
は崩壊定数(または放射性定数)で、これは半減期に関係する)
【0040】
半減期(または半減時間)とは所定の種の放射性核または不安定粒子の数が崩壊によって半分になるまでの期間であり、半減期T1/2は式1/2=ln2によって崩壊定数と関係する。14Cの半減期は5730年である。50,000年で、14Cの含有量は初期含有量の0.2%以下となるので、検出は困難になる。従って、石油製品または天然ガスまたは石炭は14Cを全く含まない。
14Cの半減期(T1/2)を考慮すると、14Cの含有量は再生可能な出発材料を抽出してから、本発明のメチルメタクリレートを製造し、さらにはその使用終了までほぼ一定である。
【0041】
本発明で得られるメチルメタクリレートは再生可能な出発材料から生じる有機炭素を含む。そのため、14Cを含むことを特徴とする。
特に、上記のメチルメタクリレートは炭素の少なくとも1重量%が再生可能な材料に由来する。上記のメチルメタクリレートは炭素の少なくとも20重量%が再生可能な材料に由来するのが好ましい。上記のメチルメタクリレートは炭素の少なくとも40重量%が再生可能な材料に由来するのがさらに好ましい。上記のメチルメタクリレートは炭素の少なくとも60重量%、さらには少なくとも80重量%が再生可能な材料に由来するのが特に好ましい。
【0042】
本発明で得られるメチルメタクリレートは炭素の全重量に対して少なくとも0.01×10-10重量%、好ましくは少なくとも0.2×10-10重量%の14Cを含む。上記メチルメタクリレートは少なくとも0.4×10-10重量%の14C、特に少なくとも0.7×10-10重量%の14C、さらには少なくとも0.9×10-10重量%の14Cを含むのが特に好ましい。本発明で得られるメチルメタクリレートは炭素の全重量に対して0.2×10-10〜1.2×10-10重量%の14Cを含むのが有利である。
【0043】
本発明の好ましい実施例では、本発明で得られるメチルメタクリレートは100%の再生可能な出発材料から得られる有機炭素を含む、従って、炭素の全重量に対して1.2×10-10重量%の14Cを含む。
【0044】
メチルメタクリレートの14Cの含有量は例えば下記の方法に従って測定できる:
(1)液体シンチレーションを用いたスペクトロメトリ:
この方法の基本は14Cの崩壊で生じた「β」粒子をカウントすることにある。質量(炭素原子数)が分かっているサンプルに由来するβ線を一定時間測定する。この「放射能」は14C原子の数に比例し、それは求めることができる。サンプル中に存在する14Cはβ線を発し、それが液体発光物質(シンチレータ)と接触すると光子が出る。この光子は種々のエネルギー(O〜156Kev)を有し、14Cスペクトルを形成する。この方法には2つの変形法があり、適当な吸収剤の溶液中で炭素化サンプルを燃焼して予め出したCO2を測定するか、炭素化サンプルを予めベンゼンに変換してベンゼンを測定する。
【0045】
(2)マススペクトル分析:
サンプルをグラファイトまたはCO2ガスにし、質量分析機で分析する。この方法では14Cイオンを12Cイオンから分離するための加速器と質量分析装置とを使用して、2つの同位元素の比を求める。
【0046】
材料中の14Cの量を測定するこれらの方法はASTM D6866規格(特にD6866−06)およびASTM D7026規格(特に7026−04)に記載されている。これらの方法でサンプル中のデータを測定し、再生可能な材料に由来する炭素が100%の参照サンプルのデータと比較することで、各サンプル中の再生可能な材料に由来する炭素の相対百分比を求めることができる。
メチルメタクリレートの場合に用いるのに好ましい測定方法はASTM D6866−06規格に記載のマススペクトル分析である。
【0047】
本発明方法で得られるメチルメタクリレートは、本発明方法で生じる生成物が、使用する反応物または生成物の種類に関連する不純物を含むという意味で、主としてメチルメタクリレートから成る出発材料で構成される。上記不純物は化石由来の反応物の使用で生成する不純物とは異なる。本発明方法は一つまたは複数の精製段階をさらに含むことができる。
【0048】
本発明方法で得られるメチルメタクリレートは、そのままで、または必要に応じて精製段階後に、MMAの使用で知られる任意用途で出発材料として使用できる。特に、ポリ(メチルメタクリレート)製造用モノマーとして、高級メタクリレート有機合成用出発材料として、アクリルエマルションおよびアクリル樹脂の製造用化合物として、ポリ(塩化ビニル)用添加剤として、コポリマー製造でのコモノマーとして、および、潤滑剤用添加剤として使用できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。以下の実施例において特に記載のない限り部および%は重量部および重量%である。
【実施例】
【0049】
実施例1
合成ガスCO/H2の製造と、一酸化炭素の分離
メタノールのカルボニル化によるギ酸メチルの合成法では、一酸化炭素純度を高くする必要はなく、特に、プロセスを実施できる比較的低い圧力で残留窒素を有することができる。しかし、反応で消費できない任意の不活性不純物、例えば窒素またはアルゴンがCOの希釈に徐々に寄与する。窒素およびアルゴンはプロセス中で化学的に有害ではないが、これらの不純物の含有量はできるだけ制限するのが好ましい。
一酸化炭素の使用圧力も比較的低いが、精製処理によって圧力降下が生じるため、バイオマスのガス化は加圧下で行うのが好ましい。
本実施例では、エタノール/水混合物を用いる。エタノールは糖類のエタノール発酵で得られる。この操作は30バールの圧力および900℃の温度でNi/アルミナ触媒を用いて行う。過剰な水を重質不純物と一緒に反応器の出口で凝縮する。
CO/H2混合物は深冷分離する。混合物を液体窒素トラップに通してCOを保持し、凝縮ガスを再加熱してCOをその他の不純物(メタン、CO2等)から分離する。
【0050】
実施例2
合成ガスからのメタノールの製造
実施例1で得られた合成ガスを用いてメタノールを合成する。合成ガスの組成をH2/CO/CO2比が71/23/6となるように調整し、CO2含有量を6%にする。ガスの全圧は70バールである。
市販のCu/Zn/Al/O触媒であるMegaMx 700を用いる。反応器に気体混合物を70バールで、10,000h-1のHSVで供給し、この混合物を240℃の温度で触媒上に通す。生成した気体混合物の圧力を大気圧に下げ、生成したメタノールを蒸留で分離する。
メタノールの選択率は99%、メタノール収率は95%である。
【0051】
実施例3
ギ酸メチルの製造
200mlのオートクレーブ中で触媒としてナトリウムメトキシドを用いてメタノールと一酸化炭素とを反応させてギ酸メチルを得る。
実施例2で得られたメタノール32gを80℃の温度および60バールのCO下で撹拌しながら200mlのオートクレーブに入れる。COは実施例1と同じようにして得る。3時間反応後、CO圧力を維持しながら、67%のギ酸メチル収率が得られる。
【0052】
実施例4
麦藁を酵素加水分解後にアセトン/ブタノール発酵してアセトンを製造
用いる操作は上記非特許文献2(Revue de l'Institut Franceais du Peochtrole, Vol.36, No.3, May-June 1981, pp339-347)に記載の操作である。
麦藁をシュレッダーで破砕した後、破砕した藁をハンマーミルで粉砕した。続いて、低濃度の酸を用いて100℃の温度で約1時間処理した。酸を中和した後に、媒体のpHを酵素加水分解に必要な約5に戻した。
直列発酵槽中で栄養分の存在下でセルラーゼ溶液を調製した。予備粉砕した藁から始める第1発酵槽では微生物のトリコデルマリーゼイを培養し、続く発酵槽内でセルラーゼを製造する。最後の発酵槽の内容物から遠心分離および濾過によって所望の酵素溶液を分離した。上記の予備処理した藁の酵素加水分解を直列に配置された反応器中で上記酵素溶液を用いて行った。
濾過後、C6およびC5糖類の溶液を回収した。リグニンを含む濾液を燃料として用いられるように乾燥させた。このC6およびC5糖類の溶液のアセトン/ブタノール発酵を微生物のクロストリジウムアセトブチリカムを用いて無菌状態で行った。発酵は2つの連続した段階を含む。第1発酵では酢酸および酪酸が製造され、第2発酵ではアセトン、ブタノールおよびエタノールが下記の重量比率で製造される:ブタノール68%、アセトン29%、エタノール3%。アセトンは共沸蒸留で分離した。
【0053】
実施例5
アセトンシアノヒドリンの合成
このバッチ合成では還流冷却器を上部に有する撹拌器を備えた1リットルのジャケット付きガラス反応器を用いる。温度はジャケット内でグリコール冷水溶液を再循環することによって調節できる(低温保持装置(cryostat))。
69.5gの純粋なHCNと、実施例4の発酵で予め得られた149.4gのアセトンとを(等モル混合物)予冷した反応器(約0℃)に導入した。混合物の温度が0℃に達したら、34mgの触媒のジエチルアミン(DEA)を導入する。温度は約6分で最大18℃下がり、急速に約0℃で安定する。未反応のHCNの量をモニターするために時間の経過とともにサンプル(約1g)を採取する。シャルパンティエ−フォルハルト法に従って遊離CNを定量的に決定する。この方法はN/10硝酸銀溶液を過剰に用い、且つ、指示薬のFe(SO43溶液の存在下でN/10KSCN溶液を用いて過剰硝酸銀を滴定するシアン化物のCN-イオンの沈殿に基づいている。150分の反応の後、1.53重量%、すなわち0.533mol/lの遊離HCN(10.855mol/lの変換HCNに相当する)を含み且つアセトンシアノヒドリンへの変換率が95.32%である混合物が得られた。
過剰量の硫酸を添加して粗生成物を中和し(塩基性触媒の中和)、次いで、真空蒸留で精製する。未変換アセトンおよび未変換HCNを頂部で除去する(760から30mmHgに徐々に減圧し、最高温度は約100℃)。
【0054】
実施例6
アセトンシアノヒドリンの合成
実施例5の操作を繰り返すが、バイオガスから生じるメタンのアンモ酸化で得られる69.5gのHCNと、実施例4の発酵で予め得られた149.4gのアセトンとを用いる。目標とする反応温度は−15℃である(反応の9分間に−9℃での発熱ピークが観察される)。遊離HCNを実施例5と同じようにモニターする。340分の反応後、1.20重量%、すなわち0.418mol/lの遊離HCN(10.667mol/lの変換HCNに相当する)を含み且つアセトンシアノヒドリンへの変換率が96.23%である混合物が得られる。実施例5の反応生成物を蒸留した後に、99.0〜99.5%に精製されたアセトンシアノヒドリンが得られる。
【0055】
実施例7
α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造
粒径が0.5〜0.8mmの50gのMnO2を内径が15mm、長さが450mmの管状ガラス反応器に入れる。反応器を60℃に加熱する。30重量%のアセトンシアノヒドリンと、10重量%のアセトンと、60重量%の脱イオン水とを含む溶液を30g/時の流量で反応器に供給する。この反応によってα−ヒドロキシイソブチルアミド収率は86%になる。
【0056】
実施例8
α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの製造
粒径が約1mmの50mlのガラスビーズを内径が15mm、長さが300mmの石英管に入れる。この反応器に、実施例7で得られたα−ヒドロキシイソブチルアミドと、実施例3で予め得られたギ酸メチルと、実施例2のメタノールとの溶液(モル比1:2:3)を、17g/時の流量で、50℃で加熱しながら供給する。同時に、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液を0.5g/時の流量で反応器に供給する。生成物を凝縮し、クロマトグラフィで分析する。49%のα−ヒドロキシイソ酪酸メチルの収率が測定される。
【0057】
実施例9
メチルメタクリレートの製造
この実施例では触媒として単位セルパラメータが2.465nmであるZeolystから製造番号C8V100で市販のゼオライトを用いる。
粒径が約1mmの顆粒にした10gの触媒を内径が15mm、長さが450mmの石英管に入れる。触媒を250℃に加熱し、次いで、50重量%のα−ヒドロキシイソ酪酸メチルのメタノール溶液を、蒸発させてから、10g/時の流量で反応器に送る。生成物を凝縮して、クロマトグラフィで分析し、75%のメチルメタクリレート収率が得られる。メタノールの存在によって、エステルが加水分解する反応を制限することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−ヒドロキシイソブチルアミドとギ酸メチルとの反応によってα−ヒドロキシイソ酪酸メチルとホルムアミドとを作り、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルを脱水してメチルメタクリレートにするメチルメタクリレートの製造方法において、
上記反応で用いるギ酸メチルの少なくとも一部および/または上記反応に用いるα−ヒドロキシイソブチルアミドの少なくとも一部が、バイオマスから始める反応または一連の反応によって得られものであることを特徴とする方法。
【請求項2】
ギ酸メチルの少なくとも一部を、基本的に一酸化炭素と水素とからなる合成ガス(syngas)から取り出した一酸化炭素を用いたメタノールのカルボニル化で作り、上記合成ガスの少なくとも一部は動植物由来の材料またはセルロースパルプの製造・漂白の廃液を回収して得られる材料のガス化で得る請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ギ酸メチルの少なくとも一部をメタノールのカルボニル化で作り、メタノールの少なくとも一部を木材の熱分解か、基本的に一酸化炭素と水素とからなる合成ガスを生じる動植物由来の材料のガス化か、農作物、例えば小麦、トウモロコシ、サトウキビまたはテンサイの発酵による発酵性生成物従ってアルコールから作り、メタノール製造用合成ガスの少なくとも一部をセルロースパルプの製造・漂白の廃液の回収物から得ることができる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
α−ヒドロキシイソブチルアミドの少なくとも一部をアセトンシアノヒドリンの脱水によって作り、アセトンシアノヒドリンの少なくとも一部はアセトンとシアン化水素酸との反応で得ることができ、シアン化水素酸の少なくとも一部はホルムアミドの再循環物から得ることができ、アセトンおよびシアン化水素酸の少なくとも一つはバイオマスから始める一つの反応または一連の反応で得たものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
アセトンをC5糖類のアセトン/ブタノール発酵で作り、得られたアセトン/ブタノール混合物(場合によってはエタノールと混合物)から例えば蒸留または膜分離またはシリカライトでの分離によってアセトンを分離する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
573Kの下水スラッジを熱水液化(hydrothermal liquefaction)して炭化水素を含む黒液を作り、得られた黒液を酸化鉄に担持したジルコニアまたはジルコニア/アルミナをベースにした触媒上でスチーム雰囲気中で触媒クラッキングし、例えば蒸留または膜分離またはシリカライト上での分離によってアセトンを分離する請求項4に記載の方法。
【請求項7】
酸化鉄に担持したジルコニアまたはジルコニア/アルミナから成る触媒上でヤシ油残留物を触媒変換してアセトンを作り、例えば蒸留または膜分離またはシリカライト上での分離によってアセトンを分離する請求項4に記載の方法。
【請求項8】
酸素の非存在下で動物および/または植物有機物質、例えばブタ糞尿、家庭廃棄物または産業廃棄物を発酵し、得られた主としてメタンと二酸化炭素気体とから成るバイオガスを水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアミンの塩基性水溶液または水を用いて加圧下で洗浄するか、メタノールのような溶剤に吸収させて二酸化炭素気体を分離してメタンを作り、このメタンをアンモ酸化してシアン化水素酸を作る請求項4に記載の方法。
【請求項9】
木材の熱分解または主として一酸化炭素と水素とからなる合成ガスを生じる動物由来の材料および/または植物由来の材料のガス化か、農作物、例えば小麦、サトウキビまたはテンサイの発酵によって得られる発酵生成物かちアルコールを作り(メタノール製造用の合成ガスの少なくとも一部はセルロースパルプの製造・漂白の廃液の回収物から得ることができる)、このメタノールのアンモ酸化によってシアン化水素酸を得る請求項4に記載の方法。
【請求項10】
炭素の全重量に対して0.2×10-10〜1.2×10-10重量%の14Cを含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法で製造されたメチルメタクリレートの、ポリ(メチルメタクリレート)製造でのモノマーとして、高級メタクリレート有機合成の出発材料として、アクリルエマルションおよびアクリル樹脂製造で用いる化合物として、ポリ(塩化ビニル)の添加剤として、コポリマー製造でのコモノマーとして、および、潤滑剤の添加剤としての使用。

【公表番号】特表2012−509927(P2012−509927A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538021(P2011−538021)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052200
【国際公開番号】WO2010/061097
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】