説明

バイオマス由来の1種又は複数の長鎖多価不飽和脂肪酸リン脂質を含む油

本発明は、担体として油の中に分散させた乳化剤を使用して、長鎖多価不飽和脂肪酸を供給源から抽出する方法、及びこのような方法から得られる油に関する。本発明は、また、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出を改善するための、油の中での乳化剤の使用、並びに、さらなる態様において、4%以下の量の長鎖多価不飽和脂肪酸及び15%以下の量のリン脂質及び少なくとも1種の乳化剤を含む油組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、担体として油の中に分散させた乳化剤を使用して、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)をバイオマスから抽出する方法、並びに食料品、栄養補助食品、化粧品又は医薬組成物のためのLC−PUFAの供給源としてこのような方法から得られる油に関する。本発明は、また、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出を改善するための、油の中での低HLB乳化剤の使用、並びに、さらなる態様において、4%以下の量のLC−PUFA及び10%以下の量のリン脂質を含む油組成物に関する。
【0002】
[発明の背景]
例えば、アラキドン酸(ARA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)、ジホモ−γ−リノレン酸(DHGLA)等の長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)は、一般の人々の健康において関心が持たれている。数年間、これらの脂肪酸は、代謝経路及び調節プロセスにおける役割について研究されてきた。LC−PUFAは、関節炎の症状の軽減、心血管疾患及び炎症性疾患のリスクの軽減、並びに幼児の発育発達などの多くの健康上の利益と関連している。
【0003】
トリアシルグリセロールの形態のLC−PUFAが豊富である海産物油(marine oil)について、多くの食品用途が開発されてきた。
【0004】
トリアシルグリセロールの形態のLC−PUFAは、例えば、欧州特許第1239022号及び米国特許出願公開第2006/0068076号に記載されているように、乾燥バイオマスと植物油とを混合し、摩砕し、圧搾するプロセスによって得られ得る。この方法は、バイオマスの中でトリアシルグリセロールとして存在する場合、LC−PUFAを得るのに有効であるが、バイオマスからのLC−PUFAが主にリン脂質の形態である場合、この方法は非常に不良な結果をもたらす。
【0005】
近年、LC−PUFAのバイオアベイラビリティ、生物有効性及び酸化安定性を高めるために、リン脂質の形態のLC−PUFAを開発することに関心が高まってきた。実際、いくつかの論文では、例えば、DHAの食物の担体(例えば、トリアシルグリセロール、リン脂質等)として作用するグリセリド構造の性質が、腸細胞レベルにおけるDHAの吸収速度や、その結果、脳又は眼などの標的器官におけるDHAの集積速度に重要な役割を果たし得ると考えている。
【0006】
オキアミ又は甲殻類などの海洋バイオマスは、リン脂質の形態のLC−PUFAの興味深い供給源である。オキアミの脂質組成は、例えば、リン脂質40〜60%、トリアシルグリセロール20〜30%、遊離脂肪酸及びステロールを含むことができる。脂肪酸のEPA及びDHAは、ほぼリン脂質の形態、主にホスファチジルコリンにのみエステル化される。
【0007】
オキアミは乾燥粉末として市販されており、オキアミ油は溶媒抽出又は超臨界二酸化炭素抽出によって得られる。欧州特許第1417211号は、リン脂質の抽出をエタノール、アセトン、ヘキサンなどの有機溶媒を用いた処理によって実施する方法を記載している。しかし、この方法は、リン脂質の劣化を引き起こすことがあり、ごく微量の溶媒を取り除くために多くの精製ステップを必要とする。さらに、このような方法によって得られる油は高価であるだけでなく、匂い及び味が非常に悪いものである。
【0008】
[本発明の目的]
したがって、LC−PUFA、特に、リン脂質の形態のLC−PUFAの、高収率で、有機溶媒の使用を必要としない抽出方法を開発するニーズがある。
【0009】
[本発明の概要]
この目的は、独立請求項によって解決される。従属請求項は、本発明の中心思想をさらに発展させる。
【0010】
したがって、第1の態様において、本発明は、
a.供給源と少なくとも1種の乳化剤を含む油とを混合するステップと、
b.この混合物を湿式摩砕してスラリーを形成するステップと、
c.生じたスラリーを圧搾して、長鎖多価不飽和脂肪酸を含む油を得るステップと
を含む、長鎖多価不飽和脂肪酸を供給源から抽出する方法、並びにこのような方法によって得られる油に関する。
【0011】
例えば、ステップaにおいて使用する油は、少なくとも1種の乳化剤を高濃度化してもよい。
【0012】
追加又は別法として、ステップaは、供給源と油及び少なくとも1種の乳化剤とを混合するステップを含んでもよい。
【0013】
乳化剤は、1:6〜1:1、例えば、1:2〜1:5の範囲の重量比で油に加えてもよい。
【0014】
本発明の別の態様は、バイオマス供給源からのリン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出を改善するための、油の中での少なくとも1種の乳化剤の使用に関する。
【0015】
4%以下の量の長鎖多価不飽和脂肪酸及び10%以下の量のリン脂質を含む油組成物も、本発明の一部を形成する。
【0016】
本発明の第3の態様は、化粧及び/又は治療的処置における使用に対する請求項11〜13のいずれか一項に記載の油組成物に関する。
【0017】
最後に、請求項11〜13のいずれか一項に記載の油組成物の食品における使用も、本発明の一部を形成する。
【0018】
本発明を、図1に例示している好ましい実施形態を参照して以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の方法の種々の段階を示すフローチャートである。
【図2】揮発性プロファイル(青曲線は市販のエビ油、黒曲線はソフト抽出したエビ油)を示すグラフである。
【0020】
[発明の詳細な説明]
本発明は、長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出に関する。長鎖多価不飽和脂肪酸とは、炭素少なくとも18個の炭素の脂肪族鎖を有する脂肪酸を意味する。長鎖多価不飽和脂肪酸は、リノール酸、α−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等を含む。好ましくは、抽出された長鎖多価不飽和脂肪酸は、リン脂質の形態である。したがって、脂肪酸はホスホグリセロール骨格とエステル結合している。
【0021】
長鎖多価不飽和脂肪酸は、植物性脂肪、動物性脂肪などのいくつかの自然源の中だけでなく、魚、動物性プランクトン、甲殻類、微細藻類、真菌などの微生物の中にも存在する。
【0022】
本発明において、好ましい供給源は乾燥バイオマスである。より好ましくは、乾燥海洋バイオマスである。このバイオマスは、動物性プランクトン(例えば、オキアミ)、甲殻類(例えば、ホッコクアカエビ(Pandalus Borealis))、微細藻類(例えば、ハプト藻(Isochrysis Galbana))又は魚の頭、内蔵等などの漁業からの副産物から選択されてもよい。これらのバイオマスは、リン脂質の形態の脂肪酸を抽出しようとする場合、特に有用である。
【0023】
本発明の方法は、供給源と少なくとも1種の乳化剤を含む油とを混合する第1のステップを伴う。
【0024】
油は、中鎖トリグリセリド(MCT)油、植物油、精油又はそれらの任意の混合物のいずれから選択されてもよい。精油は、例えば、リモネンであってもよい。好ましくは、使用される油は、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、ヤシ油、ココナッツ油又はそれらの混合物から選択される植物油である。
【0025】
乳化剤は、親水性親油性バランスが7未満である任意の乳化剤から選択することができる。界面活性剤の親水性親油性バランス(HLB)は、どの程度親水性又は親油性であるかの尺度であり、1949年(Journal of the Society of Cosmetic Chemists 1 (1949):311)及び1954年(Journal of the Society of Cosmetic Chemists 5 (1954):259)にGriffinによって記載されているように、分子の種々の領域の値を計算することによって決定される。簡単に述べると、HLBは以下のように計算することができる。
HLB=20*M/M
式中、Mは分子の親水性部分の分子質量で、Mは全分子の分子質量である。
【0026】
得られるHLBは、0〜20の任意の尺度の数字である。HLB値が0であるということは完全な疎水性分子に相当し、値が20であるということは完全に親水性成分から作られた分子に相当しよう。
【0027】
好ましくは、使用される乳化剤は食品級である。より好ましくは、乳化剤は、モノグリセリド、ジグリセリド、ソルビタンモノエステル、たとえば、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタンなど、ポリプロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル又はそれらの任意の混合物から選択される。最も好ましくは、乳化剤はモノグリセリドである。
【0028】
油対乳化剤の重量比は、1:1〜6:1、例えば、2:1〜5:1の範囲であってよい。したがって、その重量比は2:1、3:1、4:1、5:1又は任意の中間値であってよい。油の中の乳化剤の濃度は、5〜50%、例えば、10%〜40%の範囲であってよい。
【0029】
バイオマスは、好ましくは、5:95〜50:50の重量比で油に混合される。
【0030】
その後、LC−PUFAリン脂質の供給源及び少なくとも1種の乳化剤を含む油は、本発明の第2のステップにおいて摩砕され、スラリーを形成する。
【0031】
この粉砕ステップは、任意の種類のミル、好ましくは、コロイドミル(colloidal mill)を用いて実施してもよい。このステップは、好ましくは、60℃未満、より好ましくは、約50℃で実施する。
【0032】
摩砕は、10秒間〜2分間の範囲の時間で実施する。好ましくは、摩砕は、1分間実施する。
【0033】
供給源と油/乳化剤混合物とを摩砕することによって得られたスラリーは、主に供給源から生じる粒子を含む。好ましくは、スラリー中の粒子の少なくとも90%は、500ミクロン未満、好ましくは、300ミクロン未満の粒径を有する。粒径は、粒径測定器、例えば、レーザー散乱を使用して当該技術者により、簡単に測定できる。
【0034】
本方法の第3のステップにおいて、スラリーを圧搾し、長鎖多価不飽和脂肪酸を含む油を得る。「圧搾」とは、前のステップから生じるスラリーに圧力をかけることを意味する。したがって、圧搾は10バール〜500バールの圧力下で実施できる。この目的のために、メンブランフィルタープレス(membrane filter press)を使用してもよい。これは、一般的に、最大30バールの圧力を加える。あるいは、従来型の油圧プレスを使用してもよい。このような油圧プレスを用いて最大500バールの圧力を達成できる。
【0035】
圧搾後、長鎖多価不飽和脂肪酸を含む油が収集することができる。
【0036】
好ましくは、本方法のステップは、30℃〜80℃の温度で実施する。
【0037】
任意選択で、本方法は、収集した油から微粒子を取り除くステップ及び前記油の臭気を取り除くステップの追加のステップを含んでもよい。一般的に、この微粒子は、ディープフィルター(deep filter)セルロースシートを使用して取り除くことができる。
【0038】
得られた油の臭気の除去は、例えば、1ミリバールの圧力下、80〜140℃の温度で、1時間あたり1%の水蒸気注入速度を使用して、水蒸気ストリッピング(steam stripping)によって行ってもよい。窒素ストリッピングを、例えば、10ミリバールの圧力下、80〜140℃の温度で同様に実施してもよい。あるいは、短経路分子蒸留を実施して、抽出された油の臭気を除去することもできる。
【0039】
したがって、本発明の方法は、従来、極性脂質を抽出するために使用されてきた有機溶媒の使用に頼ることなく、長鎖多価不飽和脂肪酸、特に、リン脂質の形態の長鎖PUFAが高濃度化された油を得ることを可能にする。乳化剤と共に中性油を使用することにより、この方法は自然で、穏やかであり、高収率で極性脂質を抽出することができる。実際に、本方法を使用して、少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%の抽出収率を達成できる。
【0040】
得られた油の純度及びその官能特性も、従来の有機溶媒を用いて又は超臨界法を使用して抽出された油と比較して改良される。
【0041】
したがって、得られた油は食物だけでなく、化粧品、医薬品、栄養補助食品、医療、栄養組成物における使用に特に適しており、より自然な加工処理方法が(例えば、調製粉乳のために)必要とされる。したがって、得られた油は、化粧及び/又は治療的処置においても使用され得る。
【0042】
本発明の一実施形態は、油組成物100gあたり、パルミチン酸約2〜4g、好ましくは約2.5〜3.5g;ステアリン酸約0.5〜4g、好ましくは約1〜2g;オレイン酸約8〜12g、好ましくは約9〜11g;リノール酸約14〜22g、好ましくは約16〜20g;リノレン酸約0〜0.5g、好ましくは約0〜0.2g;エイコサエン酸(EPA)約0.3〜4g、好ましくは約0.5〜2g;及び/又はドコサヘキサエン酸(DHA)約0.3〜4g、好ましくは約0.5〜2gを含む油組成物である。この油組成物は、本明細書に記載の方法によって得られる。
【0043】
本方法は、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出に特に適している。実際、以前の方法では、これらの極性脂質については低収率に悩まされたか、又は費用効果がなく、自然でなく、例えば、極性溶媒の使用に頼らなければならない方法を利用したかのいずれかであった。
【0044】
図1を参照すると、MCT油を、1:1の割合でモノグリセリド(ディモダン(Dimodan))と混合する。その後、油/乳化剤混合物を、オキアミ粉末とそれぞれ55%及び45%の量で混合する。その後、この混合物を、窒素下、15分間、50℃で湿式摩砕してスラリーを生ずる。その後、生じたスラリーを200バールの圧力下で圧搾し、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸及びカロテノイドが高濃度化された油を得る。
【0045】
したがって、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸の供給源からの抽出を改善するための、油の中での少なくとも1種の乳化剤の使用も、本発明の一部である。
【0046】
実際、少なくとも1種の乳化剤を使用すると、長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出収率が大いに改善されることが示された。これまで、リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸の抽出が不十分であったので、これは先行技術を超えて一層有利である。
【0047】
本発明の抽出プロセスを使用すると、使用する供給源に応じて、カロテノイドを含む油を得ることができる。例えば、本発明の好ましい供給源を使用する場合、本プロセスによって得られる油はアスタキサンチンを含む。一般的に、カロテノイドは強力な天然酸化防止剤であるので、本発明の方法を実施する場合、このカロテノイドは、油の中に共に抽出され、油に追加的利点をもたらす。
【0048】
したがって、本方法によって、長鎖多価不飽和脂肪酸及び酸化防止剤を含む油を、得ることができる。
【0049】
本発明の一態様によると、最高4%の量の長鎖多価不飽和脂肪酸及び最高15%の量のリン脂質を含む油組成物が提供される。他の成分はカロテノイドを含む。
【0050】
本油組成物の中の多価不飽和脂肪酸及びリン脂質の量は、供給源からの長鎖多価不飽和脂肪酸及びリン脂質の理論上抽出可能な量の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%に相当する。
【0051】
本発明の油組成物は、化粧及び/又は治療的処置に使用するためのものであってもよい。このような油は、食料品(例えば、調製粉乳、離乳食、乳製品、料理用製品、ココア飲料、チョコレート、アイスクリーム、シリアルバー)の中で、又はカプセル剤の形態、カプセル(gelules)の形態、若しくはガラス状の基質に封入された形態でそれ自体使用され得る。
【0052】
[実施例]
<実施例>
2つの比較実施例を実施した。両方の実施例において、使用した条件は同じであり、すなわち、窒素環境下、50℃で、15秒間、供給源及び油の湿式摩砕を行い、次いで従来型の油圧プレスを使用して200バールに圧搾をし、抽出した油を収集した。
【0053】
第1の例では、抽出プロセスをMCT油のみを用いて実施した。第2の例において、MCT油をモノグリセリド乳化剤と混合したことを除いて、同じプロセスステップを実施した。得られた抽出収率を表に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
上の表の結果は、長鎖多価不飽和脂肪酸(DHA)の抽出において油/乳化剤混合物を使用したときに、長鎖脂肪酸の抽出収率が改善することを明らかに示している。下の表は、本発明者らの抽出物(45%のエビ粉末/55%のMCT/DimodanU混合物)及び有機溶媒(クロロホルム/メタノール)を用いて抽出したエビ油の脂肪酸プロファイルの違いを示す。
【0056】
【表2】

【0057】
ソフト抽出物及び市販の溶媒抽出物の揮発性プロファイルもまた異なることに注意すべきである。以下に示したように、ソフト抽出物においては、アセトン残留物もエタノール残留物もSPME−GCMSによって検出され得ない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.供給源を少なくとも1種の乳化剤を含む油と混合するステップと、
b.前記混合物を摩砕してスラリーを形成するステップと、
c.生じた前記スラリーを圧搾して、長鎖多価不飽和脂肪酸を含む油を得るステップとを含む、
長鎖多価不飽和脂肪酸を供給源から抽出する方法。
【請求項2】
前記長鎖多価不飽和脂肪酸が、リノール酸、α−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸及びそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記長鎖多価不飽和脂肪酸がリン脂質の形態である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給源が、例えば、動物性プランクトン、甲殻類、微細藻類、真菌又は漁業からの副産物から選択される乾燥バイオマスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記油が、MCT油、食用植物油、精油又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記乳化剤が、7未満の親水性親油性バランスを有する乳化剤から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記乳化剤が、モノグリセリド、ジグリセリド、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタンなどのソルビタンモノエステル、ポリプロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル又はそれらの任意の混合物から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
圧搾する前記ステップが10〜500バールの下で実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
リン脂質の形態の長鎖多価不飽和脂肪酸のバイオマスからの抽出収率を改善するための、油の中での少なくとも1種の乳化剤の使用。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって得られる油組成物。
【請求項11】
油組成物100gあたり、パルミチン酸約2〜4g、ステアリン酸約0.5〜4g、オレイン酸約8〜12g、リノール酸約14〜22g、リノレン酸約0〜0.5g、エイコサエン酸(EPA)約0.3〜4g、及びドコサヘキサエン酸(DHA)約0.3〜4gを含む油組成物。
【請求項12】
4%以下の量の長鎖多価不飽和脂肪酸、10%以下の量のリン脂質、及び50%以下の量の少なくとも1種の乳化剤を含む油組成物。
【請求項13】
少なくとも1種のカロテノイドを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の油組成物。
【請求項14】
化粧及び/又は治療的処置における使用のための、請求項10〜13のいずれか一項に記載の油組成物。
【請求項15】
食物における、請求項10〜14のいずれか一項に記載の油組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−530302(P2011−530302A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522459(P2011−522459)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059403
【国際公開番号】WO2010/018049
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】