説明

バグフィルター

【課題】
ダスト集中による局所的な負荷に対して優れた耐久性を発揮するとともに衝撃に対して適度な柔軟性を発揮し、さらに集塵機の天板部分にバグフィルターを鉛直に取り付けて密封性を保つことが可能なバグフィルターを提供する。
【解決手段】
ポリフェニレンサルファイド繊維を主成分とする不織布からなる筒状体と該筒状体の両端部に縫合されたあて布とを有するバグフィルターであって、前記筒状体は不織布の端部を13〜20mm重ね合わせて融着することにより形成されたものであり、前記筒状体の一方の端部に縫合されたあて布は、スナップリングおよびフェルトパッキンを内包しているバグフィルターとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアスファルト合材プラント、セメント製造所、石炭火力発電所等で好適に使用される集じん用のバグフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から高温の排気ガスを集じんするバグフィルターについて様々の素材が提案されている。例えば石炭火力発電所で発生する排気ガスの集じんにはポリフェニレンサルファイド(以下PPS)繊維からなる不織布を円筒状に形成してなるバグフィルターが多く使用されており、該バグフィルターはその一方の端部(頭部)を集塵機に固定し、吊り下げられた状態で使用されるのが一般的である。該バグフィルターの使用中には集じんしたダストがバグフィルター表面に堆積し、バグフィルターの自重に加え、多い場合には10kg程度のダストが付着し、負荷のかかった状態で使用される。また、バグフィルターにダストが堆積すると、バグフィルター上部からバグフィルター円筒内面に向かってダストを払い落とす間欠的な衝撃を圧縮空気によって付加し、ダストを払い落とす操作が繰り返し行われる。バグフィルター上部においては、該払い落とし操作を均一に行うため、圧縮空気の噴射口付近に圧縮空気の流れを制御する金属製のベンチュリーが設置されている。
【0003】
しかしながら、昨今、ベンチュリーの摩滅によりバグフィルター頭部にダストが集中し、バグフィルターの破損を生じたケースが報告されている。また、該払い落とし操作が均一に行われないために、バグフィルター頭部に圧縮空気が集中し、ダストの重量も相まってバグフィルター頭部が破れて落下するようなケースも報告されている。さらに、集塵機内に吊り下げられたバグフィルターは長いもので8500mmにも達するが、バグフィルターを吊り下げる時には必ずしも鉛直に吊り下げることができないため、バグフィルターの下部同士が接触し、バグフィルター下部において破損が生じるといった問題も報告されている。
【0004】
更にまた、使用後のバグフィルターを注意深く観察すると、バグフィルター頭部におけるあて布と不織布からなる筒状体との接合部において、あて布の長さが十分でなかったために磨耗劣化を生じているものや、フェルトパッキンを併用していなかったため集塵機の天板部分と十分な密封性が得られなかったもの、さらには、あて布と筒状体とを接合するために縫合糸を多く用いすぎていたために使用中の熱で該接合部が硬化して柔軟性を失ってしまっていたものや、縫い糸がほつれてしまっていたものが多く観察され、この部分からのダスト漏れが問題となっていた。
【0005】
これらの問題は集塵機の構造や使用方法の不適切さを改善することで解決される可能性もあるが、バグフィルターそのものに改善策が要望されているものであった。
【0006】
たとえば従来技術の一例として、ポリアミド、ポリエステル、オレフィン繊維などの熱可塑性繊維の布を筒状にし、端部を重ね合わせて溶融することにより長手方向に接合されたフィルター・バッグが提案されている(例えば特許文献1参照)。この従来技術においては、縫製ではなく溶融して接合することで、例えば縫合の場合に多数の布の層が存在するため縫い目の所で殆ど濾過が行われないという問題を解決する手法を提案するものであった。
【0007】
しかしながら、この技術は長手方向の接合方法について一つの手法を提案するものであったが、上記したような、不織布からなる筒状体とあて布との接合部で発生する問題点や、フェルトパッキンを使用しない場合に発生する問題点については何ら解決策を提案するものではなかった。また、ポリアミド繊維やポリエステル繊維からなる不織布を用いていることからも明らかなように、たとえば130℃以上といった高温で使用されるバグフィルターについては着想すら無いものであった。
【0008】
また、別の従来技術として、ガラス繊維などの織布、不織布を基布に用い、PPS繊維などを短繊維ウェブに用いたフェルトを積層して円筒状に形成した後、端部の重なった部分を縫製、接着剤による接合、熱融着繊維による接合などの方法でバグフィルターを構成する方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。この従来技術は、織布などの原反を円筒状に形成し、端部同士を縫製または接着する方法で見られる問題点、すなわち、濾布が膨張、振動したときに応力がこの縫製部または接着部に集中し、この部分で破損が発生するという問題点を解決するものではある。
【0009】
しかしながら、この方法も、上記したような不織布からなる筒状体とあて布との縫合部で発生する問題点やフェルトパッキンを使用しない場合に発生する問題点については何ら解決策を提案するものではなかった。
【特許文献1】特開昭48−40061号公報
【特許文献2】実開平6−39113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来技術における問題点を解消せんとするもので、ダスト集中による局所的な負荷に対して優れた耐久性を発揮するとともに衝撃に対して適度な柔軟性を発揮し、さらに集塵機の天板部分にバグフィルターを鉛直に取り付けて密封性を保つことが可能なバグフィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち上記課題を解決するための本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維(以下、PPS繊維という)を主成分とする不織布からなる筒状体と該筒状体の両端部に縫合されたあて布とを有するバグフィルターであって、前記筒状体は不織布の端部を13〜20mm重ね合わせて融着することにより形成されたものであり、前記筒状体の一方の端部に縫合されたあて布は、スナップリングおよびフェルトパッキンを内包しているバグフィルターを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のバグフィルターによれば、ダスト払い落とし時に圧縮空気による衝撃が基本的に付与される胴体部に特定の融着方法を用いるとともに、使用状態によっては圧縮空気による衝撃が集中しやすく集塵機の天板部分との密封性も要求されるバグフィルター頭部、およびバグフィルター同士が接触して破損を生じやすい下部に、特定の部材を選択的に用いることで、衝撃に対して高い耐久性と適度な柔軟性を発揮し、さらに集塵機の天板部分にバグフィルターを鉛直に取り付けて密封性を保つことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、前記課題、つまり衝撃に対して高い耐久性と柔軟性を示し、かつ、バグフィルターの頭部や下部と胴体部との接合部分に特徴的に出現する破損を大幅に改善することのできるバグフィルターについて鋭意検討した結果、PPS繊維を主成分とする不織布からなるバグフィルターであって、バグフィルター頭部、胴体部、下部のそれぞれに特定の部材と融着方法を選択的に用いることで、これらの課題を解決することを見出し、本発明に至ったものである。
【0014】
以下、本発明のバグフィルターについて、図1〜図4を参照しながら最良の形態を説明する。図1は、バグフィルターの側面図で、1はバグフィルター使用時の頭部に相当する一方の端部、2は胴体部に相当する筒状体、3は下部に相当する他方の端部である。図2は、図1におけるバグフィルター頭部の部分断面図、図3は、図1におけるバグフィルター胴体部の部分拡大図で、不織布の融着状態を示す図、図4は、図1におけるバグフィルター下部の部分断面図である。
【0015】
本発明のバグフィルターは、図1〜4に示すように、PPS繊維を主成分とする不織布からなる筒状体2と該筒状体の両端部1、3に縫合されたあて布5、14などから構成される。
【0016】
PPS繊維とは、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性に優れていることで知られている繊維であり、該繊維はその構成単位の90%以上が−(C−S)−で構成されるフェニレンサルファイド構造単位を含有する重合体からなる繊維である。PPS繊維は常時130℃を越える高温でも優れた耐久性能を有することから、アスファルト合材プラント、セメント製造所、石炭火力発電所等で使用される集じん用のバグフィルターを構成する繊維として好適に用いることができる。
【0017】
不織布は、PPS繊維を主成分とする繊維の短繊維をカーディング装置等でシート化し、所定の重量まで積層した後にニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法により繊維同士を絡合し、熱処理とプレス処理によって熱安定化と緻密化がなされた不織布である。なお、主成分とは、不織布を構成する繊維の50重量%以上含有することをいう
筒状体2を構成する不織布の重量は300〜700g/mが好ましい。不織布の重量が300g/m以上であるとバグフィルターとしてより強度の高いものとなるので好ましい。また、不織布の重量が700g/m以下であれば、バグフィルターとしての通気量も十分維持できるので、使用中に圧力損失が高くなりにくい。したがって、不織布の重量は300〜700g/mが好ましい。
【0018】
筒状体2を構成する不織布の厚みは0.7〜1.8mmのものが好ましい。不織布の厚みが0.7mm以上であると、バグフィルターとして使用中に集じんするダスト磨耗に対してより十分な耐久性を有するものとなるので好ましい。また、不織布の厚みが1.8mm以下であればフィルターとしての通気量を十分維持できるので、使用中に圧力損失が高くなりにくい。したがって、不織布の厚みは0.7〜1.8mmが好ましい。
上記のような不織布は、図3に示すように筒状に丸め、端部11を13〜20mmの範囲で重ね合わせて融着することで、バグフィルターの胴体部となる筒状体2を構成する。バグフィルターの胴体部は集じん機能を主として担う重要な部分であり、不織布のフィルター性能を損なわない方法で、かつ、使用中の衝撃に対しても充分な耐久性を有するよう融着することが肝要であるが、重なり12を13mm以上とすることで、該重なり部の接合強度を高くすることができ、使用中の衝撃により破損する可能性を低減できる。また、重なり12を20mm以下とすることで、有効濾過面積を高いまま維持できる。すなわち、バグフィルターの直径は一般的に170mm以下であり、円周長に換算すると534mm以下である。該重なりが20mm以下であれば、全円周長における重ね部分の割合が4%を越えず、フィルターの有効濾過面積も4%を越えて減少しないので、バグフィルターの構造的な圧力損失を低く抑えるという効果を奏する。さらに重なり12を上記範囲内にすることにより、後述する実施例、比較例でも示すように、バグフィルター使用時頭部に相当する一方の端部に設けられるあて布等との結合状態を強固なものにすることができる。従ってバグフィルターの胴体部分は13〜20mmの範囲内で重ね合わせ、融着することが肝要である。
【0019】
またこのとき、筒状体2を構成する不織布の融着は、重ね合わせた不織布の互いに対向する面のPPS繊維を溶融させて融着するものの、該対向する面の裏側の面ではPPS繊維が非溶融状態で存在するようにすることが好ましい。こうすると、前記裏側の面における繊維が柔軟性を維持し、当該重ね合わせ部の剛軟度が高くなり過ぎない。その結果、バグフィルターとして使用中にダストを払い落とす衝撃が繰り返し加わっても、重なり部分が割れてしまうような問題を誘発しにくくなる。
【0020】
重ね合わされた不織布が、互いに対向する面の繊維が溶融して融着し、該対向する面の裏側の面の繊維が非溶融状態で存在するようにするためには、たとえば、該対向する面のみを予め超音波や高周波、あるいは接触式のヒーターにて処理し繊維を溶融させ、しかる後に不織布を重ね合わせて熱伝導性に優れた金属ロールにて加圧しながら対向する面を接着させる方法を採用することが好ましい。加圧ロールに金属製のロールを用いることで、対向する面を融着するものの該対向する面の裏側の面は融着させないことが可能となる。なお、融着時の不織布の送り速度は、不織布の厚みによって適宜調整すればよい。
【0021】
上記のように構成された不織布からなる筒状体2の両端部1、3には、図2、図4に示すように、あて布5、14が縫合される。あて布は、不織布からなる筒状体と後述するフェルトパッキン等との接合等のために用いられる部材であり、使用時におけるバグフィルター頭部に相当する一方の端部1では、スナップリング4とフェルトパッキン6とを内包し、かつ、筒状体と接合させる重要な部材である。そのため、当て布は、筒状体との一体性、場合によってはスナップリングやフェルトパッキンと筒状体との一体性を発現し、かつ、使用中の摩耗劣化に対する高い耐久性や、取り付け作業の容易性をも兼備する必要がある。したがって、あて布5、14はPPS繊維を主成分とする不織布からなるものを用いることが好ましい。
【0022】
当て布5、14には、重量(目付)が300〜700g/m、厚みが0.7〜1.8mmのものが好ましい。当て布5、14の重量を300g/m以上とすることで、ダストに起因する払い落とし操作時の局所的な衝撃に対する耐久性をさらに高めることができる。一方、当て布の重量が700g/m以下であれば、取り付け時に適度な柔軟性を有するものとなる。また、当て布の厚みを0.7mm以上とすることでもダストによる払い落とし操作時の局所的な衝撃に対する耐久性を高めることができる。さらに、当て布の厚みを1.8mm以下とすれば当て布5、14と不織布からなる筒状体2との縫製も容易に実施できる。
【0023】
使用時のバグフィルター頭部に相当する側のあて布5は、図2に示すように、スナップリング4およびフェルトパッキン6を内包した状態で、不織布からなる筒状体2に縫合される。
【0024】
スナップリング4の材質は、SK鋼(炭素工具鋼)又はPH鋼(析出硬化型ステンレス鋼)が高温でも充分な弾性を有することから好ましい。
【0025】
スナップリング4の形状は、断面が矩形の板状部材を環状にしたものが好ましく、該板状部材の幅(すなわちバグフィルター使用時における筒軸方向の幅)が20〜35mmの範囲内にあるものが好ましい。スナップリングとして断面矩形のものを使用すると、断面丸形のものを使用するよりも集塵機の天板部分とスナップリングとの密着性を更に向上することができるので好ましい。また、スナップリングの幅が20mm以上であれば取り付け強度を充分に高く出来るので好ましく、一方でスナップリングの幅が35mm以下であれば、バグフィルターを取り付ける時にスナップリングが変形しやすく作業性が良いので好ましい。バグフィルターを取り付ける際には、集塵機の天板部分に空いたバグフィルター取り付け穴にバグフィルターを差込み、スナップリングをバグフィルターの内面側に一旦押し曲げることでバグフィルター頭部の直径を一時的に小さくし、スナップリング部分と集塵機の天板部分とを位置合わせした後、押し曲げていたスナップリングを元の形状に戻して密着させて固定させる取り付け手法が採られる。従って、適切な柔軟性を有するスナップリングが好ましい。
【0026】
一方、フェルトパッキン6は、スナップリング4と集塵機の天板との密着性を向上するものであり、PPS繊維を主成分とする不織布からなるものを用いることが好ましい、また、フェルトパッキン6は密度が0.3〜0.8g/cmのものを2枚以上折り畳んで使用することが好ましい。フェルトパッキン6に用いる不織布の密度が0.3g/cm以上であれば、不織布の弾力性により十分な密着性が得られるので好ましい。また、フェルトパッキン6の不織布の密度が0.8g/cm以下であれば、不織布が適度な緻密さと柔軟性とを兼備するので、取り付け作業時の作業性が良くなる。したがって、フェルトパッキン6に用いる不織布の密度は上記範囲が好ましい。さらに折り畳むことで取り扱い性もよくなる。
【0027】
本発明において、バグフィルター頭部に相当する側に縫合するあて布5は、スナップリング4および該スナップリングを外側から覆うように配置されたフェルトパッキン6を内包するとともに、不織布からなる筒状体に重ね合わせられる。このとき、該重なり7が筒状体の筒軸方向に30〜70mmの範囲内となるようにすることが好ましい。該重なり7が30mm以上であると、スナップリング、フェルトパッキンならびに当て布の固定が充分にでき、使用中の衝撃により破損を招く恐れが低くなる。また、該重なり7を70mm以下とすることで、フィルターとしての通気性を高くでき、圧力損失を低くできる。より好ましくは該重なり7は40〜60mmの範囲内である。
【0028】
このとき筒状部2に重ね合わされたあて布5は、筒状体のバグフィルター頭部側端面(すなわち、図2における筒状体2の端面)から5mm以内の範囲に1本以上の縫合部を有するのが好ましい。バグフィルター頭部に相当する側では、あて布5がスナップリング4とフェルトパッキン6とを含むために、縫合するものの厚みが厚くなる。したがって、5mm以内の範囲に1本以上の縫合部を有することでスナップリングやフェルトパッキンがあて布内部で移動しにくく、強固に固定されるので好ましい。より好ましくは5mm以内の範囲に2mmの間隔で2〜3本の縫合部を有するのが良い。また、そのとき同時にあて布の筒状体中央部側端面9から10mm以内の範囲に2本以上の縫合部を有することが好ましい。2本以上の縫合部とすることでバグフィルターの筒状体と当て布とを強固に結合することができるので好ましく、特にあて布の筒状体中央部側端面9から10mm以内に縫合部を設けることで、あて布のばたつきが抑制されるので好ましい。さらに、縫合部の合計本数は3〜8本の範囲内が好ましい。3〜8本の範囲内とすることで、スナップリングおよびフェルトパッキンを内包するあて布と筒状体との結合強度をより高いものとしつつ、かつ、使用中の衝撃に対する柔軟性や自由度を高めることができる。したがって、使用中の衝撃により縫合糸部分に応力が集中しても縫合糸の破損を防止でき、かつ、バグフィルターを取り付ける時に縫合糸が集塵機の天板に接触して損傷する可能性も低くなるので好ましい。
【0029】
一方、使用時のバグフィルター下部に相当する側の当て布14は、2〜6列で縫製されることが好ましい。バグフィルター下部に当て布をこのように縫合することで、バグフィルター同士の接触による破損を予防する役目を担うとともに、バグフィルター使用状態によってダスト払い落としの衝撃がバグフィルター下部に集中したとしても、該衝撃に対する高い耐久性を発現させる役割を担うものである。
【0030】
そして、該当て布を2列以上で筒状体の下部に縫合することで、筒状体と当て布との結合を高くできることから、使用中の衝撃による破損を防ぐことができる。また縫合本数を6列以下にすることで、縫製列部分が強固になり過ぎることを防ぐ。その結果、バグフィルターとして使用中に熱に曝されても、縫合部分が硬化して収縮するような問題や、筒状体の融着部分が破損しやすくなる問題も生じにくい。
【0031】
さらに、使用時のバグフィルター下部に相当する側のあて布14は、筒状体と筒軸方向に60〜120mm重ね合わされて縫合されることが好ましい。このとき、該重なり20は、筒状体2のバグフィルター下部側端面(図4における筒状体2の端面)から15mm以内の範囲に3本以上の縫合部を有するように縫製が施されることが好ましい。当て布の長さを60mm以上とし、さらに、筒状体の外側端面から15mm以内の範囲に3本以上の縫合部を有することで、耐摩耗性を発現することに加え、あて布と筒状体とをより強固に結合できるので好ましい。一方、当て布の長さを120mm以下とすることでフィルターとして必要な通気性が損なわれることが無く好ましい。そして、バグフィルター下部には、筒状体2の端面16をふさぐため、あて布と同じ不織布を円形に切り出し、コの字型に縫合することが好ましい。このようにすることにより、バグフィルターの長さを最大限活かしてダストの効率的な集塵を行うことが可能になる。
【0032】
バグフィルター頭部と下部の当て布は、重ね合わせ部の補強という意味からは、頭部では30mm以上、下部では60mm以上、筒状体に重ね合わせることが好ましい。すなわち頭部と下部とを合わせて90mm以上筒状体に重ね合わせることが好ましい。当て布による補強効果を発現しつつ、当て布部分による通気性の減少も最小限に抑制することが好ましいので、頭部と下部両者の当て布部分はバグフィルター全長において4%以下とすることが好ましい。従ってバグフィルターの全長は2500mm以上であることが好ましい。一方で、バグフィルターの全長を8500mm以下とすれば、バグフィルターの自重が重くなり過ぎず、バグフィルター頭部のスナップリングやフェルトパッキンで充分に自重を支えることが可能となる。したがって、バグフィルターの全長は2500〜8500mmの範囲内にすることが好ましい。
【実施例】
【0033】
以下、実施例と比較例とにより、本発明のバグフィルターについてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等で作成したバグフィルター各1本の評価は以下の手法を用いた。
[測定方法]
(1)胴体の接合部分の破断強力
JIS L 1096:1999 8.12.1のB法(グラブ法)に則り、胴体の接合部分における破断強力を測定した。胴体の接合部分をヨコ方向とし、タテ20cm、ヨコ15cmで試験片2枚を作成した。定速緊張型の試験機にて、つかみ間隔100mm、引っ張り速度200m/minで試験した。つかみチャックは5cm幅のものを用い、得られた測定値の平均値を算出した。
(2)バグフィルターの評価方法
作成したバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入し、1年間使用後の状態で評価した。テスト用の集塵機の条件は下記の通りである。
【0034】
○燃焼物:石炭、一部重油による助撚あり
○排気ガス温度:170℃
○払い落とし方法:15分間隔のタイマー設定で300kPaの圧縮空気(1回の噴射時間は50msec)による
○バグフィルター総数量:40本(1列10本、4列構成)
○ろ過速度:1.1m/分
[参考例1]
PPS繊維として東レ”トルコン”(商標名)タイプS301−2.2dtex×51mmを用いた不織布として市販のフェルトRF−55(目付550g/m、厚み1.4mm、フジコー(株)製)を使用した。
【0035】
2枚のRF−55不織布を使用し、一方の表面にある繊維を、300℃に過熱した接触式のヒーターにて加熱し、2枚の端部を16mm重ねた後に、金属ロールにて加圧しながら融着による結合部分を作成した。結合部分はRF−55不織布のヨコ方向に平行に作成した。
【0036】
得られた接合部分の破断強力は3880Nであった。
【0037】
[参考例2]
実施例1と同様のRF−55不織布を使用し、縫合糸には“ラステックス”(商標名)S012T3−1、1330dtex(ゴアテックス社製)を使用した。RF−55不織布2枚の端部を20mm重ね合わせて3列に縫製して結合した。結合部分はRF−55不織布のヨコ方向に平行に作成した。
【0038】
得られた接合部分の破断強力は3450Nと、参考例1に比べて弱いものであった。
【0039】
[実施例1]
参考例1と同様のRF−55不織布を用い、以下の順で図1〜図4に示すバグフィルターを形成した。なお、縫合糸には“ラステックス”(商標名)S012T3−1、1330dtex(ゴアテックス社製)を使用した。
【0040】
(頭部)
スナップリング4として、断面矩形の板状のPH鋼(0.35mm厚さ、23mm幅)を環状にしたものを使用し、フェルトパッキン6ならびにあて布5にはRF−55不織布を用いた。あて布5はスナップリング4とフェルトパッキン6とを包み込み、後述する筒状体に60mm重ね、5列で縫合した。頭部の縫合線は、筒状体のバグフィルター頭部側端面から5mm以内の範囲に2本、あて布の筒状体中央部側端面から10mm以内の範囲に2本、縫合部の合計本数を5本とした。
【0041】
(胴体部)
RF−55不織布を円周長さ443mmの円筒形とし、不織布端部の一方の表面にある繊維を、300℃に加熱した接触式のヒーターにて加熱し、15mm重ねた後に金属ロールにて加圧して、融着による結合部分を有する筒状体2を作成した。
【0042】
(下部)
あて布14としてRF−55不織布を用い、筒状体2と筒軸方向に75mm重ね合わせて5列で縫合した。下部の縫合線は、筒状体のバグフィルター下部側端面から15mm以内の範囲に3本の縫合線となるように縫合した。
【0043】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングとフェルトパッキンとを適正に使用したことで、バグフィルターの取り付け性、密着性も良好であった。使用中に衝撃が繰り返し与えられたが、縫合部分や融着して結合した部分いずれにおいても劣化は無かった。また、使用後のバグフィルター全体にわたって不織布が硬化した部分も無く、使用中の衝撃に対しても柔軟性を有することを確認した。また、胴体部は重なり部の割合を適正にしたことから、使用後の目詰まりも少なく、フィルターとして好ましい結果であった。
【0044】
[実施例2]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順で図1〜図4に示すバグフィルターを形成した。
【0045】
(頭部)
あて布5を筒状体2に30mm重ね、筒状体中央部側端面から10mm以内の範囲における縫合本数を1本とし、縫合部の合計本数を5本とした以外は実施例1と同様にした。
【0046】
(胴体部)
RF−55不織布を円周長さ518mmの円筒形とし、不織布の端部11を20mm重ね、全長を5500mmとした以外は実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0047】
(下部)
あて布14を筒状体2と筒軸方向に30mm重ね合わせた以外は実施例1と同様の方法で縫合した。
【0048】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングとフェルトパッキンとを適正に使用したことで、バグフィルターの取り付け性、密着性も良好であった。使用後のバグフィルター全体にわたって不織布が硬化した部分も無く、使用中の衝撃に対しても柔軟性を有することを確認した。また、胴体部は重なり部の割合を適正にしたことから、使用後の目詰まりも少なく、フィルターとして好ましい結果であった。ただし、あて布の長さが短かったため、ダスト磨耗による縫合糸のほつれや筒状体の磨耗痕跡が若干見られた。
【0049】
[実施例3]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順で図1〜図4に示すバグフィルターを形成した。
【0050】
(頭部)
あて布5を筒状体2に120mm重ねた以外は実施例1と同様にした。
【0051】
(胴体部)
不織布の端部11を20mm重ね、全長を8500mmとした以外は実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0052】
(下部)
あて布14を筒状体2と筒軸方向に220mm重ね合わせた以外は実施例1と同様の方法で縫合した。
【0053】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングとフェルトパッキンとを適正に使用したことで、バグフィルターの取り付け性、密着性も良好であった。使用後のバグフィルター全体にわたって不織布が硬化した部分も無く、使用中の衝撃に対しても柔軟性を有することを確認した。また、胴体部は重なり部の割合を適正にしたことから、使用後の目詰まりも少なく、フィルターとして好ましい結果であった。ただ、あて布の長さが長かったため、あて布にダストが多く付着し、払い落とし性が不良な部分が若干見られた。
【0054】
[実施例4]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順で図1〜図4に示すバグフィルターを形成した。
【0055】
(頭部)
頭部の縫合線は、筒状体のバグフィルター頭部側端面から5mm以内の範囲に0本、筒状体中央部側端面から10mm以内の範囲に1本、縫合部の合計本数を3本とした以外は実施例1と同様にした。
【0056】
(胴体部)
実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0057】
(下部)
実施例1と同様の方法で縫合した。
【0058】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングとフェルトパッキンとを適正に使用したことで、バグフィルターの取り付け性は良好であった。使用後のバグフィルター全体にわたって不織布が硬化した部分も無く、使用中の衝撃に対しても柔軟性を有することを確認した。また、胴体部は重なり部の割合を適正にしたことから、使用後の目詰まりも少なく、フィルターとして好ましい結果であった。ただ、使用中に衝撃が繰り返し与えられ、頭部において、筒状体の頭部側端面から5mm以内の範囲の縫合線が0本だったためにスナップリングが移動し、集塵機天板との嵌合せ部分にずれが生じていたものの、スナップリングとフェルトパッキンとを併用したため、ダストが漏れる状態は発生せず、バグフィルターとして使用する上では問題の無いものであった。
【0059】
[実施例5]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順で図1〜図4に示すバグフィルターを形成した。
【0060】
(頭部)
実施例1と同様の方法で形成した。
【0061】
(胴体部)
実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0062】
(下部)
筒状体のバグフィルター下部側端面から15mm以内の範囲における縫合本数を1本とした以外は実施例1と同様の方法で縫合した。
【0063】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングとフェルトパッキンとを適正に使用したことで、バグフィルターの取り付け性、密着性も良好であった。また、使用後のバグフィルター全体にわたって不織布が硬化した部分も無く、使用中の衝撃に対しても柔軟性を有することを確認した。また、胴体部は重なり部の割合を適正にしたことから、使用後の目詰まりも少なく、フィルターとして好ましい結果であった。ただ、下部において筒状体のバグフィルター下部側端面から15mm以内の縫合本数が少なかったため、使用中に衝撃が繰り返し与えられ、あて布14が筒状体2から隔離する状態が見られたが、ダストが漏れる状態は発生せず、バグフィルターとして使用する上では問題の無いものであった。
【0064】
[比較例1]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順でバグフィルターを形成した。
【0065】
(頭部)
頭部の縫合線は、筒状体中央部側端面から10mm以内の範囲に1本、縫合部の合計本数を3本とした以外は実施例1と同様にした。
【0066】
(胴体部)
RF−55不織布を円周長さ518mmの円筒形とし、不織布の端部11を12mm重ね、全長を5500mmとした以外は実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0067】
(下部)
実施例1と同様の方法で縫合した。
【0068】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングとフェルトパッキンとを適正に使用したことで、バグフィルターの取り付け性は良好であったが、胴体部の重なりが短かったため、融着接合箇所が劣化して剥離している状態が見られ、結合強度不足であった。剥離した部分からはダスト漏れが発生し、フィルターとして好ましいものではなかった。また、胴体部の重なりが短かったため、頭部において、筒状体中央部側端面から10mm以内の縫合本数を2本設けたにも関わらず、縫合糸の破損並びに融着接合箇所の剥離が発生していた。これは、バグフィルター使用中の衝撃が加わったとき、バグフィルター頭部は円周方向に縫合部があるのに対し、胴体部分は筒軸方向に融着部があるため、頭部の縫合部分と胴体の融着部分が重なる部分において衝撃がうまく分散せずに集中し、胴体部分の十分な重なりが無かったために、縫合糸の破損に至ったと考えられる。
【0069】
[比較例2]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順でバグフィルターを形成した。
【0070】
(頭部)
スナップリング4を用いなかった以外は実施例1と同様の方法で、成型した。
【0071】
(胴体部)
RF−55不織布を円周長さ518mmの円筒形とし、端部11を20mm重ね、全長を5500mmとした以外は実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0072】
(下部)
実施例1と同様の方法で縫合した。
【0073】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、スナップリングを使用しなかったため、バグフィルターの取り付け性、密着性が不十分であった。密着性が不十分だったため、ダストの漏れが発生し、フィルターとして好ましいものではなかった。また、筒状体の重なりを20mmと適正範囲にしたにも関わらず、頭部にスナップリングを使用しなかったため、頭部と胴体部とが重なる部分において縫合糸の破損並びに融着接合箇所の剥離が発生していた。これは、バグフィルター使用中の自重や衝撃が特に鉛直方向、下向きに加わったとき、スナップリングが無かったため頭部と胴体部の接合箇所に多くの力が作用し、融着により接合された部分の柔軟性が少ないために応力が集中したためと考えられる。
【0074】
[比較例3]
実施例1と同様の不織布と縫合糸とを用いて、以下の順でバグフィルターを形成した。
【0075】
(頭部)
フェルトパッキン6を用いなかった以外は実施例1と同様の方法で、成型した。
【0076】
(胴体部)
端部11を20mm重ねた以外は実施例1と同様の方法で筒状体2を作成した。
【0077】
(下部)
あて布14を用いなかった以外は実施例1と同様の方法で縫合した。
【0078】
得られたバグフィルターをテスト用の排気ガス集塵機に投入してテストしたところ、フェルトパッキンを使用しなかったため、集塵機天板との密着性が不十分で、ダストの漏れが発生し、バグフィルターは鉛直に設置されなかった。また、フェルトパッキンを使用しなかったため頭部と胴体部とが重なる部分において融着接合箇所の剥離が発生していた。これは、バグフィルター使用中の自重や衝撃が特に鉛直方向、下向きに加わったとき、フェルトパッキンが無かったため頭部と胴体部の接合箇所に多くの力が作用し、融着により接合された部分の柔軟性が少ないために応力が集中したためと考えられる。さらに、下部にあて布14を使用しなかったため、使用中に衝撃が繰り返し与えられ、ダストによる磨耗の痕跡、ならびに、バグフィルター同士が接触したためによる破損の痕跡が見られた。
【0079】
以上の実施例と比較例の結果を纏めたのが次の表1である。
【0080】
【表1】

【0081】
表1の結果から明らかなように、バグフィルターを取り付ける際の良好な作業性、使用中に曝される衝撃に対する高い耐久性、ならびに優れたフィルター性能等を兼備するのは実施例のバグフィルターのみであり、比較例のバグフィルターにおいては、頭部と胴体部の接合箇所において破損が発生し、さらに、場合によっては取り付け不良や集塵機の天板との密着性に問題が見られ、バグフィルター用途に実質的に用いることはできないことが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、使用中の衝撃が集中するバグフィルター頭部、胴体部、下部のそれぞれに、特定の部材ならびに特定の接合方法を選択的に使用するため、高温の集じん用フィルター等に好適に用いることができる。その応用範囲はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施形態を示すバグフィルターの概略側面図である。
【図2】図1のバグフィルターの使用時における頭部の部分断面図である。
【図3】図1のバグフィルターの使用時における胴体部の部分拡大図である。
【図4】図1のバグフィルターの使用時における下部の部分断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1:バグフィルターの一方の端部(バグフィルター使用時の頭部に相当)
2:バグフィルターの筒状体(バグフィルターの胴体部に相当)
3:バグフィルターの他方の端部(バグフィルター使用時の下部に相当)
4:スナップリング
5:あて布
6:フェルトパッキン
7: あて布5と筒状体2との重なり
8:縫合線
9:あて布の筒状体中央部側端面
11:不織布の端部
12:重なり
13:バグフィルター本体
14:あて布
15:縫合線
16:筒状体の外側端面(使用時における筒状体下側端面)
20:あて布14と筒状体2との重なり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンサルファイド繊維を主成分とする不織布からなる筒状体と該筒状体の両端部に縫合されたあて布とを有するバグフィルターであって、前記筒状体は不織布の端部を13〜20mm重ね合わせて融着することにより形成されたものであり、前記筒状体の一方の端部に縫合されたあて布は、スナップリングおよびフェルトパッキンを内包していることを特徴とするバグフィルター。
【請求項2】
前記一方の端部に縫合されたあて布は前記筒状体と筒軸方向に30〜70mm重ね合わされており、該重ね合わされている部分は、筒状体の該一方の端部側端面から5mm以内の範囲に1本以上の縫合部、および、該あて布の筒状体中央部側端面から10mm以内の範囲に2本以上の縫合部を有し、かつ、縫合部の合計本数が8本以下であることを特徴とする、請求項1に記載のバグフィルター。
【請求項3】
前記筒状体の不織布が重ね合わされている部分は、重ね合わされている不織布の互いに対向する面が溶融して融着されてなり、該対向する面の裏側の面では前記ポリフェニレンサルファイド繊維が非溶融状態で存在していることを特徴とする、請求項1または2に記載のバグフィルター。
【請求項4】
前記筒状体の他方の端部に縫合されたあて布は前記筒状体と筒軸方向に60〜120mm重ね合わされており、該重ね合わされている部分は、筒状体の該他方の端部側端面から15mm以内の範囲に3本以上の縫合部を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のバグフィルター。
【請求項5】
全長が2500〜8500mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のバグフィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−56385(P2009−56385A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225257(P2007−225257)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】