バッキング及びそれを用いたマット
【課題】確実にマットのズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にマットのズレを防止できるバッキング及びそれを用いたマットを提供する。
【解決手段】多数の貫通孔18を有する樹脂バッキング17aであって、樹脂バッキングの多数の貫通孔毎にモノフィラメント束21がタフティングされ、該樹脂バッキングの一方面側に前記多数の貫通孔から前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端21aが突出しており、さらに樹脂バッキングの一方面側には、前記樹脂バッキングを熱成形することで形成されたズレ防止用突起19が突出している。
【解決手段】多数の貫通孔18を有する樹脂バッキング17aであって、樹脂バッキングの多数の貫通孔毎にモノフィラメント束21がタフティングされ、該樹脂バッキングの一方面側に前記多数の貫通孔から前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端21aが突出しており、さらに樹脂バッキングの一方面側には、前記樹脂バッキングを熱成形することで形成されたズレ防止用突起19が突出している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車や列車、航空機などの乗り物の床面に敷設されるカーペットやマット、建物の室内や廊下の床面に敷設されるカーペットやマット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入口に敷設される床面用マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、玄関マットなどに適用されるバッキング及びそれを用いたマットに関する。詳細には、確実にマットのズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にマットのズレを防止できるバッキング及びそれを用いたマットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ズレ防止機能を有するマットは種々提案されている。例えば図10に示すマット1は、樹脂バッキング2の裏面側に多数のズレ防止用突起3を形成したものである(特許文献1参照)。
【0003】
このマット1にあっては、ファーストカーペットとしてフェルトを敷設した床面に載置したときは、樹脂バッキング2の裏面側に多数のズレ防止用突起3が十分に床面を捉えることができず、ズレを生じることがあった。
【0004】
このような事情を考慮して本発明者は、図11に示すように、不織布バッキング4中に分割型極太複合繊維5が含まれており、前記不織布バッキング4の裏面側に前記分割型極太複合繊維5の分割された繊維5aが突出しているマット6を提案している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−307418号公報
【特許文献2】特開2009−112358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、このマット6にあっては、ファーストカーペットとしてフェルトを敷設した床面に載置したときは、不織布バッキング4の裏面側に突出する分割型極太複合繊維5の分割された繊維5aが、床面を捉え、該マットのズレを確実に防止できるものの、ファーストカーペットとしてカットパイルカーペットを敷設した床面に載置したときは、分割型極太複合繊維5の分割された繊維5aでは十分に床面を捉えることができず、ズレを生じることがあった。
【0007】
近年、自動車床面に載置したマットがズレてブレーキペダルの下側に入り込んだ為に生じたペダル操作不能を原因とする事故をきっかけとして、安全運転のため、マットのズレ防止の必要性が一層求められるに至っている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、確実にマットのズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にマットのズレを防止できるバッキング及びそれを用いたマットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、樹脂バッキング又は繊維バッキングにモノフィラメント束が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング又は繊維バッキングの一方面側に前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とするバッキングをその要旨とした。
【0010】
請求項2に記載の発明は、多数の貫通孔を有する樹脂バッキングであって、前記樹脂バッキングの多数の貫通孔毎にモノフィラメント束がタフティングされ、該樹脂バッキングの一方面側の前記多数の貫通孔から前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とする請求項1に記載のバッキングをその要旨とした。
【0011】
請求項3に記載の発明は、樹脂バッキングの一方面側にモノフィラメント束のカット端が突出していると共に該樹脂バッキングを熱成形することで形成されたズレ防止用突起が突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッキングをその要旨とした。
【0012】
請求項4に記載の発明は、吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッキングをその要旨とした。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のバッキングの上面に繊維基材を設けたことを特徴とするマットをその要旨とした。
【0014】
請求項6に記載の発明は、繊維基材に吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項5に記載のマットをその要旨とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバッキング及びそれを用いたマットにあっては、樹脂バッキング又は繊維バッキングにモノフィラメント束が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング又は繊維バッキングの一方面側に前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出しているので、確実にズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、確実にズレを防止でき、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にズレを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のバッキングを用いたマットを示す斜視図。
【図2】図1に示すマットの断面図。
【図3】図1に示すマットの要部拡大断面図。
【図4】本発明のバッキングを用いたマットの別例を示す要部拡大断面図。
【図5】図1に示すマットを構成する繊維基材であって、親水性吸排水繊維束と親水性消臭繊維束とを含む繊維基材を示す模式図。
【図6】図5に示す繊維基材に含まれる親水性吸排水繊維束を示す模式図。
【図7】図5に示す繊維基材に含まれる親水性消臭繊維束を示す模式図。
【図8】図1に示すマットを構成する繊維基材であって、親水性吸排水消臭繊維束を含む繊維基材を示す模式図。
【図9】図8に示す繊維基材に含まれる親水性吸排水消臭繊維束を示す模式図。
【図10】従来のズレ防止機能を備えたマットを示す要部拡大断面図。
【図11】従来のズレ防止機能を備えたマットの別例を示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のバッキング及びそれを用いたマットをさらに詳しく説明する。本発明のバッキングは、例えば自動車や列車、航空機などの乗り物の床面に敷設されるカーペットやマット、建物の室内や廊下の床面に敷設されるカーペットやマット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入口に敷設される床面用マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、玄関マットなどに好適に使用される。
【0018】
図1〜図3は、樹脂バッキング17aにモノフィラメント束21が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング17aの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aが突出しているバッキング17を用い、このバッキング17に繊維基材10又は20を設けたマット30を示し、図4は、繊維バッキング17bにモノフィラメント束21が所定間隔毎にタフティングされており、前記繊維バッキング17bの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aが突出しているバッキング17を用い、このバッキング17に繊維基材10又は20を設けたマット30を示すものである。まず、図1〜図3に示す形態について説明する。
【0019】
図1〜図3に示す例において、樹脂バッキング17aは連続気泡構造となっており、その裏面側にはズレ止め用の多数のズレ防止用突起19が形成されている。樹脂バッキング17aを構成する樹脂としては、例えばスチレンーブタンジエンースチレン共重合体、アクリルニトリルーブタジエン系共重合体、ウレタン樹脂等の高分子、スチレンーブタンジエンゴム、アクリルニトリルーブタンジエンゴム、ブタンジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴム高分子、またはこれらを複数種混合したものなどを例示することができる。また、上記樹脂には必要に応じて充填剤や増粘剤を加えてもよい。
【0020】
充填剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アンチモンなどが例示できる。増粘剤としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、ポリビニルアルコール、カゼイン、発酵多糖類などが挙げられるが、好ましくは低分子量のポリアクリル酸ソーダである。
【0021】
また、図1〜図3に示す樹脂バッキング17aは、表裏に貫通する多数の貫通孔18を有している。これら多数の貫通孔18を通してマット30の繊維基材10又は20側に空気が出入りするようになっており、この結果、優れた吸音性が発揮されるようになっている。尚、貫通孔18の数、大きさ、形状、並びに間隔や配置は任意であり、要求される吸音性に応じて適宜変更すると良い。
【0022】
この樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18毎にモノフィラメント束21がタフティングされているのである。樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18毎にモノフィラメント束21をタフティングすることにより、樹脂バッキング17aの両表面には多数のモノフィラメント束21のループが形成され、樹脂バッキング17の一方面側に形成されたパイルをカットすることで、図1〜図3に示すように、そのカット端21aが樹脂バッキング17aの一方面側に突出するようになっているのである。このため、例えば自動車床面にカットパイルカーペットが敷設されていても、樹脂バッキング17aの一方面側に突出するモノフィラメント束21のカット端21aが、自動車床面を捉えて、該マットのズレを確実に防止するようになる。また、このような形態とすることで、樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18内を音が通過するときに、モノフィラメント束21と衝突を繰り返すことになり、貫通孔18による吸音効果と相俟ってより効果的な吸音がなされるようになっている。
【0023】
尚、樹脂バッキング17aの一方面側に突出するモノフィラメント束21のカット端21aの長さは任意であるが、要求されるズレ防止機能の大小に応じて適宜変更すると良い。図1〜図3に示す形態では、後述するズレ防止用突起19とほぼ同じ突出長さとした。
【0024】
尚、フィラメント束21は、樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18毎にタフティングする場合の他に、貫通孔18とは関係なく樹脂バッキング17aの一方面側に所定間隔毎にタフティングして、該樹脂バッキング17aの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aを突出させ、マットのズレを防止するようにしてもよい。尚、この場合、タフティングの間隔は、狭くすればするほどズレ防止機能が大きくなる反面、タフティング、カットの手間がかかることになり、間隔を広くすればするほどタフティング、カットの手間はかからない反面、ズレ防止機能が小さくなるため、要求されるズレ防止機能の大小に応じて適宜変更すると良い。
【0025】
また、図1〜図3に示す形態では、モノフィラメント束21のカット端21aが突出している樹脂バッキング17aの一方面側にはズレ防止用突起19が該樹脂バッキング17aと共に樹脂成形されている。このため、図1〜図3に示すバッキング17にあっては、モノフィラメント束21のカット端21aとズレ防止用突起19とが自動車床面を捉え、該マットのズレをより確実に防止するようになっている。特にこの形態の場合、自動車床面に先端がカットパイルカーペットが敷設されていても、フェルトが敷設されていても、いずれの場合も確実に該マットのズレを防止することができるという利点がある。
【0026】
樹脂バッキング17aにタフティングされるモノフィラメント束21を構成するモノフィラメントとしては、ナイロンモノフィラメントやポリエステルモノフィラメントが好ましく、200〜400デニールの太さに束ねたものが好ましい。
【0027】
また、図1〜図3に示すように、樹脂バッキング17aの他方面側には、カットされたモノフィラメント束21が樹脂バッキング17aから抜け落ちるのを防止するために抜け止め層を設けるのが望ましい。モノフィラメント束21の抜け止め層としては、蜘蛛の巣状の透孔性接着シートからなるものを挙げることができる。この透孔性接着シートには、接着時の熱およびまたは圧力で薄膜化されて成るもの、ホットメルト樹脂などの接着樹脂中に発泡剤を入れて混練、シート化したものなどを用いることができる。図3に示す例では、この透孔性接着シート16bを樹脂バッキング17aの他方面側に配置し熱プレスすることで、該透孔性接着シート16bが薄膜(フィルム)状となってモノフィラメント束21の抜けを止めるようになっている。また、薄膜(フィルム)状となった透孔性接着シート16bは、同時にモノフィラメント束21の根本を固める役割をすることから、これにより該モノフィラメント束21の樹脂バッキング17の一方面側に突出するカット端21aに腰が強くなり、該マットのズレ防止効果はより高まるようになる。
【0028】
次に、図4に示すマットについて説明する。このマット30は、繊維バッキング17bにモノフィラメント束21が所定間隔毎にタフティングされ、前記樹脂バッキング17aの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aが突出しているバッキング17を用いたものである。尚、図4に示すバッキング17は、モノフィラメント束21をタフティングする繊維バッキング17b以外は、モノフィラメント束21、モノフィラメント束21のタフティングの間隔、カット端の突出長さ、抜け止め層などは、図1〜図3に示す樹脂バッキング17aと同じであるため、ここでの説明は割愛する。
【0029】
図4に示すバッキング17における繊維バッキング17bとしては、不織布、織物、編物、またはこれらを組み合わせた複合材を用いることができる。不織布、織物又は編物の構成繊維としては、例えば木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維を挙げることができる。
【0030】
図1〜図3に示す樹脂バッキング17aを用いたバッキング17の上面、並びに図4に示す繊維バッキング17bを用いたバッキング17の上面には、それぞれ繊維基材10又は20が圧着されてマット30が造られている。尚、マット表層部分を構成する繊維基材としては、従来より知られる不織布、織物、編物或いはこれらを複合した複合物からなるもの、または所定のボリュームとなるようにパイル糸をタフティングしたものなど、特に限定されない。以下は、マット表層部分を構成する繊維基材として好適な繊維基材10又は20について説明する。図1〜図3並びに図4に示す繊維基材10又は20は、いずれも親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B、又は親水性吸排水消臭繊維束11Cを含んでおり、優れた吸排水性、消臭性、抗アレルゲン性及び抗菌性を有している。
【0031】
まず、図5〜図7に示す親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11Bを含有する繊維基材10について説明する。親水性吸排水繊維束11Aとしては、例えば図6に示すように、吸排水性ポリマーを含む吸排水性繊維12を芯部とし、前記芯部の周りに天然繊維 、合成繊維 、半合成繊維 または再生繊維からなる親水性繊維14を鞘部としたものを挙げることができる。
【0032】
吸排水性繊維12としては、親水性繊維の表面に吸排水性ポリマーをバインダーを介して付着させたもの、或いは親水性繊維の繊維内部に吸排水性ポリマーを含ませたものを挙げることができ、親水性繊維としては、例えば木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維を挙げることができる。
【0033】
吸排水性ポリマーとしては、特に限定されないが、取り扱い性が良好であり、かつ吸排水性の制御が容易であることから、吸水性に優れると共に一旦吸水した後、温度変化に伴って吸水率が変化して排水する機能を持つ感温吸排水性ポリマーが好ましい。感温吸排水性ポリマーとしては、感温点が10−45℃の温度領域にあるものがより好ましく、感温点が35℃のものがさらに好ましい。図6及び図9の例では、感温点が35℃の感温吸排水性ポリマーを吸排水性ポリマーとして用いた。
【0034】
このような感温吸排水性ポリマーとしては、イソプロピルアクリルアミド構造を含むポリマーの他に、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド誘導体、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、アクリル酸ステアリンアクリレート共重合体などのポリマーを挙げることができる。
【0035】
鞘部を構成する繊維には、吸排水性繊維のベースとした親水性繊維と同じく、木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維などの親水性繊維を用いることができる。
【0036】
尚、親水性吸排水繊維束は、芯部を構成する吸排水性繊維の含有割合によっては、該吸排水性繊維中の感温吸排水性ポリマーが吸水により膨潤し、親水性吸排水繊維束自体の繊維強度を低下する恐れがあるが、吸水時の親水性吸排水繊維束の繊維強度の低下を抑えるため、繊維束中にポリエステルなどの熱接着性繊維を混入させても良い。
【0037】
親水性消臭繊維束11Bとしては、例えば図7に示すように、フタロシアニン化合物を含む消臭繊維13を芯部とし、前記芯部の周りに天然繊維 、合成繊維 、半合成繊維 または再生繊維からなる親水性繊維14を鞘部としたものを挙げることができる。
【0038】
消臭繊維としては、親水性繊維の表面にフタロシアニン化合物をバインダーを介して付着させたもの、或いは親水性繊維の繊維内部にフタロシアニン化合物を含ませたものを挙げることができ、親水性繊維としては、例えば木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維を挙げることができる。
【0039】
フタロシアニン化合物としては、下記化学式1で表されるものであり、式中のMは、鉄、マンガン、チタン、バナジウム、ニッケル、銅、タングステンから選択される金属である。
【化1】
【0040】
鞘部を構成する繊維には、吸排水性繊維のベースとした親水性繊維と同じく、木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維などの親水性繊維を用いることができる。
【0041】
親水性吸排水繊維束及び親水性消臭繊維束を含む繊維基材の好ましい形態としては、例えば図5に示すように、吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束11Aとフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束11Bとを構成繊維とする不織布、織物、編物、紙などの形態を採ることができ、この繊維基材10を単独で使用するほかに、繊維基材10に不織布、織物、編物、紙、プラスチックネットなどの補強シートを積層し、部分接着あるいは絡合処理などにより一体化した複合体の形態を採ることもできる。
【0042】
次に、吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束について説明する。親水性吸排水消臭繊維束11Cとしては、例えば図9に示すように、吸排水性ポリマーを含む吸排水性繊維12とフタロシアニン化合物を含む消臭繊維13とを芯部とし、前記芯部の周りに天然繊維 、合成繊維 、半合成繊維 または再生繊維からなる親水性繊維14を鞘部としたものを挙げることができる。
【0043】
親水性吸排水消臭繊維束11Cにおける吸排水性ポリマーを含む吸排水性繊維12、フタロシアニン化合物を含む消臭繊維13、親水性繊維14については、親水性吸排水繊維束11Aの芯部を構成する吸排水性繊維12、親水性消臭繊維束11Bの芯部を構成する消臭繊維13、親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11Bの鞘部を構成する親水性繊維と同じであるため、ここでの説明は割愛する。
【0044】
尚、親水性吸排水消臭繊維束11Cにおける吸排水性繊維12及び消臭繊維13の量は任意であり、本発明の敷物の用途や使用状態において、要求される吸排水性及び消臭性の大小に応じて適宜決定すると良い。
【0045】
親水性吸排水消臭繊維束を含む繊維基材20の好ましい形態としては、例えば図8に示すように、親水性吸排水消臭繊維束11Cを構成繊維とする不織布、織物、編物、紙などの形態を採ることができ、この繊維基材20を単独で使用するほかに、繊維基材20に不織布、織物、編物、紙、プラスチックネットなどの補強シートを積層し、部分接着あるいは絡合処理などにより一体化した複合体の形態を採ることもできる。
【0046】
上述した繊維基材10又は20は、例えば図1〜図3並びに図4に示すように、パイル糸15を所定のボリュームとなるように打ち込んだ形態を採ることもできる。繊維基材10又は20に打ち込まれるパイル糸15には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系の合成繊維が好適に使用される。また、パイル糸15には、上述の親水性吸排水繊維束及び親水性消臭繊維束、又は親水性吸排水消臭繊維束を含ませることができる。図示の例では、パイル糸15には、親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B又は親水性吸排水消臭繊維束11Cが含まれており、これを打ち込んだ繊維基材10又は20の表面層は、意匠性に優れると共に優れた吸放出性、消臭効果、抗アレルゲン効果及び抗菌効果を有するものとなる。
【0047】
パイル糸15を打ち込んだ繊維基材10又は20裏面には、パイル糸の抜け止め層16を設けるのが望ましい。抜け止め層としては、蜘蛛の巣状の透孔性接着シートからなるものを挙げることができる。この透孔性接着シートには、接着時の熱およびまたは圧力で薄膜化されて成るもの、ホットメルト樹脂などの接着樹脂中に発泡剤を入れて混練、シート化したものなどを用いることができる。図3又は図4に示す例では、この透孔性接着シート16aをパイル糸15を打ち込んだ基布10又は20裏面に配置し熱プレスすることで、該透孔性接着シート16aが薄膜(フィルム)状となって基布10又は20内部に浸透し、パイル糸15の抜けを止めるようになっている。
【0048】
親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B又は親水性吸排水消臭繊維束11Cを含む繊維基材10又は20にあっては、図3又は図4中矢印で示すように、該マット表面の水がパイル糸15間またはその構成繊維間を通してパイル糸15基部の繊維基材10又は20内まで浸透し、該繊維基材10又は20に含まれる吸排水性繊維12の吸排水性ポリマーに吸水されるようになっている。また、繊維基材10又は20には、上述したように吸排水性繊維12とともにフタロシアニン化合物を含む消臭繊維13が含まれていることから、吸排水性繊維12中の吸排水性ポリマーの吸水に伴って、これに隣り合う消臭繊維13中のフタロシアニン化合物も水と接触し、該フタロシアニン化合物の持つ消臭効果、さらには抗アレルゲン効果及び抗菌効果がより活性化され、効果的に敷物の消臭、抗アレルゲン及び抗菌がなされるようになっている。
【0049】
繊維基材10又は20中の吸水した吸排水性繊維12に含まれる吸排水性ポリマーは、所定の湿度又は温度となったとき(図示の場合感温点が35°Cの感温吸排水性ポリマーを吸排水性ポリマーとして用いたので、感温点35℃となったとき)、図3又は図4中点線で示すように一旦吸収した水を放出するようになっている。
【0050】
また、図1〜図3に示す樹脂バッキング17a、又は図4に示す繊維バッキング17bには、繊維基材10又は20と同じく親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B又は親水性吸排水消臭繊維束11Cが含まれており、吸排水性ポリマーによる優れた吸排水性とフタロシアニン化合物の持つ消臭効果、抗アレルゲン効果、抗菌効果を奏するようになっている。
【0051】
尚、本発明のバッキング及びそれを用いたマットは、上述した例に限定されるものではなく、例えばバッキング及び繊維基材中に静電気を空中放電させる放電紙やカーボン繊維、金属繊維などの導電性繊維など含ませることで、人がマットに触れたとき、瞬時に静電気を除去する静電気除去性能を付与するなど、特許請求の範囲に記載の範囲で自由に変更することができる。
【符号の説明】
【0052】
10又は20・・・基布
11A・・・親水性吸排水繊維束
11B・・・親水性消臭繊維束
11C・・・親水性吸排水消臭繊維束
12・・・吸排水性繊維
13・・・消臭繊維
14・・・親水性繊維
15・・・パイル糸
17・・・樹脂バッキング
18・・・貫通孔
21・・・モノフィラメント束
21a・・・カット端
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車や列車、航空機などの乗り物の床面に敷設されるカーペットやマット、建物の室内や廊下の床面に敷設されるカーペットやマット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入口に敷設される床面用マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、玄関マットなどに適用されるバッキング及びそれを用いたマットに関する。詳細には、確実にマットのズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にマットのズレを防止できるバッキング及びそれを用いたマットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ズレ防止機能を有するマットは種々提案されている。例えば図10に示すマット1は、樹脂バッキング2の裏面側に多数のズレ防止用突起3を形成したものである(特許文献1参照)。
【0003】
このマット1にあっては、ファーストカーペットとしてフェルトを敷設した床面に載置したときは、樹脂バッキング2の裏面側に多数のズレ防止用突起3が十分に床面を捉えることができず、ズレを生じることがあった。
【0004】
このような事情を考慮して本発明者は、図11に示すように、不織布バッキング4中に分割型極太複合繊維5が含まれており、前記不織布バッキング4の裏面側に前記分割型極太複合繊維5の分割された繊維5aが突出しているマット6を提案している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−307418号公報
【特許文献2】特開2009−112358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、このマット6にあっては、ファーストカーペットとしてフェルトを敷設した床面に載置したときは、不織布バッキング4の裏面側に突出する分割型極太複合繊維5の分割された繊維5aが、床面を捉え、該マットのズレを確実に防止できるものの、ファーストカーペットとしてカットパイルカーペットを敷設した床面に載置したときは、分割型極太複合繊維5の分割された繊維5aでは十分に床面を捉えることができず、ズレを生じることがあった。
【0007】
近年、自動車床面に載置したマットがズレてブレーキペダルの下側に入り込んだ為に生じたペダル操作不能を原因とする事故をきっかけとして、安全運転のため、マットのズレ防止の必要性が一層求められるに至っている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、確実にマットのズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にマットのズレを防止できるバッキング及びそれを用いたマットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、樹脂バッキング又は繊維バッキングにモノフィラメント束が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング又は繊維バッキングの一方面側に前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とするバッキングをその要旨とした。
【0010】
請求項2に記載の発明は、多数の貫通孔を有する樹脂バッキングであって、前記樹脂バッキングの多数の貫通孔毎にモノフィラメント束がタフティングされ、該樹脂バッキングの一方面側の前記多数の貫通孔から前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とする請求項1に記載のバッキングをその要旨とした。
【0011】
請求項3に記載の発明は、樹脂バッキングの一方面側にモノフィラメント束のカット端が突出していると共に該樹脂バッキングを熱成形することで形成されたズレ防止用突起が突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッキングをその要旨とした。
【0012】
請求項4に記載の発明は、吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッキングをその要旨とした。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のバッキングの上面に繊維基材を設けたことを特徴とするマットをその要旨とした。
【0014】
請求項6に記載の発明は、繊維基材に吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項5に記載のマットをその要旨とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバッキング及びそれを用いたマットにあっては、樹脂バッキング又は繊維バッキングにモノフィラメント束が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング又は繊維バッキングの一方面側に前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出しているので、確実にズレを防止することができ、特には床面に敷設されるファーストカーペットの種類に関係なく、確実にズレを防止でき、ユーザーがどのような床面に適用したとしても、確実にズレを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のバッキングを用いたマットを示す斜視図。
【図2】図1に示すマットの断面図。
【図3】図1に示すマットの要部拡大断面図。
【図4】本発明のバッキングを用いたマットの別例を示す要部拡大断面図。
【図5】図1に示すマットを構成する繊維基材であって、親水性吸排水繊維束と親水性消臭繊維束とを含む繊維基材を示す模式図。
【図6】図5に示す繊維基材に含まれる親水性吸排水繊維束を示す模式図。
【図7】図5に示す繊維基材に含まれる親水性消臭繊維束を示す模式図。
【図8】図1に示すマットを構成する繊維基材であって、親水性吸排水消臭繊維束を含む繊維基材を示す模式図。
【図9】図8に示す繊維基材に含まれる親水性吸排水消臭繊維束を示す模式図。
【図10】従来のズレ防止機能を備えたマットを示す要部拡大断面図。
【図11】従来のズレ防止機能を備えたマットの別例を示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のバッキング及びそれを用いたマットをさらに詳しく説明する。本発明のバッキングは、例えば自動車や列車、航空機などの乗り物の床面に敷設されるカーペットやマット、建物の室内や廊下の床面に敷設されるカーペットやマット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入口に敷設される床面用マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、玄関マットなどに好適に使用される。
【0018】
図1〜図3は、樹脂バッキング17aにモノフィラメント束21が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング17aの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aが突出しているバッキング17を用い、このバッキング17に繊維基材10又は20を設けたマット30を示し、図4は、繊維バッキング17bにモノフィラメント束21が所定間隔毎にタフティングされており、前記繊維バッキング17bの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aが突出しているバッキング17を用い、このバッキング17に繊維基材10又は20を設けたマット30を示すものである。まず、図1〜図3に示す形態について説明する。
【0019】
図1〜図3に示す例において、樹脂バッキング17aは連続気泡構造となっており、その裏面側にはズレ止め用の多数のズレ防止用突起19が形成されている。樹脂バッキング17aを構成する樹脂としては、例えばスチレンーブタンジエンースチレン共重合体、アクリルニトリルーブタジエン系共重合体、ウレタン樹脂等の高分子、スチレンーブタンジエンゴム、アクリルニトリルーブタンジエンゴム、ブタンジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴム高分子、またはこれらを複数種混合したものなどを例示することができる。また、上記樹脂には必要に応じて充填剤や増粘剤を加えてもよい。
【0020】
充填剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アンチモンなどが例示できる。増粘剤としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、ポリビニルアルコール、カゼイン、発酵多糖類などが挙げられるが、好ましくは低分子量のポリアクリル酸ソーダである。
【0021】
また、図1〜図3に示す樹脂バッキング17aは、表裏に貫通する多数の貫通孔18を有している。これら多数の貫通孔18を通してマット30の繊維基材10又は20側に空気が出入りするようになっており、この結果、優れた吸音性が発揮されるようになっている。尚、貫通孔18の数、大きさ、形状、並びに間隔や配置は任意であり、要求される吸音性に応じて適宜変更すると良い。
【0022】
この樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18毎にモノフィラメント束21がタフティングされているのである。樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18毎にモノフィラメント束21をタフティングすることにより、樹脂バッキング17aの両表面には多数のモノフィラメント束21のループが形成され、樹脂バッキング17の一方面側に形成されたパイルをカットすることで、図1〜図3に示すように、そのカット端21aが樹脂バッキング17aの一方面側に突出するようになっているのである。このため、例えば自動車床面にカットパイルカーペットが敷設されていても、樹脂バッキング17aの一方面側に突出するモノフィラメント束21のカット端21aが、自動車床面を捉えて、該マットのズレを確実に防止するようになる。また、このような形態とすることで、樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18内を音が通過するときに、モノフィラメント束21と衝突を繰り返すことになり、貫通孔18による吸音効果と相俟ってより効果的な吸音がなされるようになっている。
【0023】
尚、樹脂バッキング17aの一方面側に突出するモノフィラメント束21のカット端21aの長さは任意であるが、要求されるズレ防止機能の大小に応じて適宜変更すると良い。図1〜図3に示す形態では、後述するズレ防止用突起19とほぼ同じ突出長さとした。
【0024】
尚、フィラメント束21は、樹脂バッキング17aの多数の貫通孔18毎にタフティングする場合の他に、貫通孔18とは関係なく樹脂バッキング17aの一方面側に所定間隔毎にタフティングして、該樹脂バッキング17aの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aを突出させ、マットのズレを防止するようにしてもよい。尚、この場合、タフティングの間隔は、狭くすればするほどズレ防止機能が大きくなる反面、タフティング、カットの手間がかかることになり、間隔を広くすればするほどタフティング、カットの手間はかからない反面、ズレ防止機能が小さくなるため、要求されるズレ防止機能の大小に応じて適宜変更すると良い。
【0025】
また、図1〜図3に示す形態では、モノフィラメント束21のカット端21aが突出している樹脂バッキング17aの一方面側にはズレ防止用突起19が該樹脂バッキング17aと共に樹脂成形されている。このため、図1〜図3に示すバッキング17にあっては、モノフィラメント束21のカット端21aとズレ防止用突起19とが自動車床面を捉え、該マットのズレをより確実に防止するようになっている。特にこの形態の場合、自動車床面に先端がカットパイルカーペットが敷設されていても、フェルトが敷設されていても、いずれの場合も確実に該マットのズレを防止することができるという利点がある。
【0026】
樹脂バッキング17aにタフティングされるモノフィラメント束21を構成するモノフィラメントとしては、ナイロンモノフィラメントやポリエステルモノフィラメントが好ましく、200〜400デニールの太さに束ねたものが好ましい。
【0027】
また、図1〜図3に示すように、樹脂バッキング17aの他方面側には、カットされたモノフィラメント束21が樹脂バッキング17aから抜け落ちるのを防止するために抜け止め層を設けるのが望ましい。モノフィラメント束21の抜け止め層としては、蜘蛛の巣状の透孔性接着シートからなるものを挙げることができる。この透孔性接着シートには、接着時の熱およびまたは圧力で薄膜化されて成るもの、ホットメルト樹脂などの接着樹脂中に発泡剤を入れて混練、シート化したものなどを用いることができる。図3に示す例では、この透孔性接着シート16bを樹脂バッキング17aの他方面側に配置し熱プレスすることで、該透孔性接着シート16bが薄膜(フィルム)状となってモノフィラメント束21の抜けを止めるようになっている。また、薄膜(フィルム)状となった透孔性接着シート16bは、同時にモノフィラメント束21の根本を固める役割をすることから、これにより該モノフィラメント束21の樹脂バッキング17の一方面側に突出するカット端21aに腰が強くなり、該マットのズレ防止効果はより高まるようになる。
【0028】
次に、図4に示すマットについて説明する。このマット30は、繊維バッキング17bにモノフィラメント束21が所定間隔毎にタフティングされ、前記樹脂バッキング17aの一方面側に前記モノフィラメント束21のカットされたループのカット端21aが突出しているバッキング17を用いたものである。尚、図4に示すバッキング17は、モノフィラメント束21をタフティングする繊維バッキング17b以外は、モノフィラメント束21、モノフィラメント束21のタフティングの間隔、カット端の突出長さ、抜け止め層などは、図1〜図3に示す樹脂バッキング17aと同じであるため、ここでの説明は割愛する。
【0029】
図4に示すバッキング17における繊維バッキング17bとしては、不織布、織物、編物、またはこれらを組み合わせた複合材を用いることができる。不織布、織物又は編物の構成繊維としては、例えば木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維を挙げることができる。
【0030】
図1〜図3に示す樹脂バッキング17aを用いたバッキング17の上面、並びに図4に示す繊維バッキング17bを用いたバッキング17の上面には、それぞれ繊維基材10又は20が圧着されてマット30が造られている。尚、マット表層部分を構成する繊維基材としては、従来より知られる不織布、織物、編物或いはこれらを複合した複合物からなるもの、または所定のボリュームとなるようにパイル糸をタフティングしたものなど、特に限定されない。以下は、マット表層部分を構成する繊維基材として好適な繊維基材10又は20について説明する。図1〜図3並びに図4に示す繊維基材10又は20は、いずれも親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B、又は親水性吸排水消臭繊維束11Cを含んでおり、優れた吸排水性、消臭性、抗アレルゲン性及び抗菌性を有している。
【0031】
まず、図5〜図7に示す親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11Bを含有する繊維基材10について説明する。親水性吸排水繊維束11Aとしては、例えば図6に示すように、吸排水性ポリマーを含む吸排水性繊維12を芯部とし、前記芯部の周りに天然繊維 、合成繊維 、半合成繊維 または再生繊維からなる親水性繊維14を鞘部としたものを挙げることができる。
【0032】
吸排水性繊維12としては、親水性繊維の表面に吸排水性ポリマーをバインダーを介して付着させたもの、或いは親水性繊維の繊維内部に吸排水性ポリマーを含ませたものを挙げることができ、親水性繊維としては、例えば木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維を挙げることができる。
【0033】
吸排水性ポリマーとしては、特に限定されないが、取り扱い性が良好であり、かつ吸排水性の制御が容易であることから、吸水性に優れると共に一旦吸水した後、温度変化に伴って吸水率が変化して排水する機能を持つ感温吸排水性ポリマーが好ましい。感温吸排水性ポリマーとしては、感温点が10−45℃の温度領域にあるものがより好ましく、感温点が35℃のものがさらに好ましい。図6及び図9の例では、感温点が35℃の感温吸排水性ポリマーを吸排水性ポリマーとして用いた。
【0034】
このような感温吸排水性ポリマーとしては、イソプロピルアクリルアミド構造を含むポリマーの他に、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド誘導体、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、アクリル酸ステアリンアクリレート共重合体などのポリマーを挙げることができる。
【0035】
鞘部を構成する繊維には、吸排水性繊維のベースとした親水性繊維と同じく、木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維などの親水性繊維を用いることができる。
【0036】
尚、親水性吸排水繊維束は、芯部を構成する吸排水性繊維の含有割合によっては、該吸排水性繊維中の感温吸排水性ポリマーが吸水により膨潤し、親水性吸排水繊維束自体の繊維強度を低下する恐れがあるが、吸水時の親水性吸排水繊維束の繊維強度の低下を抑えるため、繊維束中にポリエステルなどの熱接着性繊維を混入させても良い。
【0037】
親水性消臭繊維束11Bとしては、例えば図7に示すように、フタロシアニン化合物を含む消臭繊維13を芯部とし、前記芯部の周りに天然繊維 、合成繊維 、半合成繊維 または再生繊維からなる親水性繊維14を鞘部としたものを挙げることができる。
【0038】
消臭繊維としては、親水性繊維の表面にフタロシアニン化合物をバインダーを介して付着させたもの、或いは親水性繊維の繊維内部にフタロシアニン化合物を含ませたものを挙げることができ、親水性繊維としては、例えば木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維を挙げることができる。
【0039】
フタロシアニン化合物としては、下記化学式1で表されるものであり、式中のMは、鉄、マンガン、チタン、バナジウム、ニッケル、銅、タングステンから選択される金属である。
【化1】
【0040】
鞘部を構成する繊維には、吸排水性繊維のベースとした親水性繊維と同じく、木綿、麻、木質パルプまたは竹パルプのようなセルロース系繊維、羊毛または絹のような蛋白質系繊維から選ばれる天然繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維から選ばれる合成繊維、アセテートレーヨンなどのセルロース系繊維からなる半合成繊維、ビスコースレーヨンなどのようなセルロース系繊維から選ばれる再生繊維などの親水性繊維を用いることができる。
【0041】
親水性吸排水繊維束及び親水性消臭繊維束を含む繊維基材の好ましい形態としては、例えば図5に示すように、吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束11Aとフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束11Bとを構成繊維とする不織布、織物、編物、紙などの形態を採ることができ、この繊維基材10を単独で使用するほかに、繊維基材10に不織布、織物、編物、紙、プラスチックネットなどの補強シートを積層し、部分接着あるいは絡合処理などにより一体化した複合体の形態を採ることもできる。
【0042】
次に、吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束について説明する。親水性吸排水消臭繊維束11Cとしては、例えば図9に示すように、吸排水性ポリマーを含む吸排水性繊維12とフタロシアニン化合物を含む消臭繊維13とを芯部とし、前記芯部の周りに天然繊維 、合成繊維 、半合成繊維 または再生繊維からなる親水性繊維14を鞘部としたものを挙げることができる。
【0043】
親水性吸排水消臭繊維束11Cにおける吸排水性ポリマーを含む吸排水性繊維12、フタロシアニン化合物を含む消臭繊維13、親水性繊維14については、親水性吸排水繊維束11Aの芯部を構成する吸排水性繊維12、親水性消臭繊維束11Bの芯部を構成する消臭繊維13、親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11Bの鞘部を構成する親水性繊維と同じであるため、ここでの説明は割愛する。
【0044】
尚、親水性吸排水消臭繊維束11Cにおける吸排水性繊維12及び消臭繊維13の量は任意であり、本発明の敷物の用途や使用状態において、要求される吸排水性及び消臭性の大小に応じて適宜決定すると良い。
【0045】
親水性吸排水消臭繊維束を含む繊維基材20の好ましい形態としては、例えば図8に示すように、親水性吸排水消臭繊維束11Cを構成繊維とする不織布、織物、編物、紙などの形態を採ることができ、この繊維基材20を単独で使用するほかに、繊維基材20に不織布、織物、編物、紙、プラスチックネットなどの補強シートを積層し、部分接着あるいは絡合処理などにより一体化した複合体の形態を採ることもできる。
【0046】
上述した繊維基材10又は20は、例えば図1〜図3並びに図4に示すように、パイル糸15を所定のボリュームとなるように打ち込んだ形態を採ることもできる。繊維基材10又は20に打ち込まれるパイル糸15には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系の合成繊維が好適に使用される。また、パイル糸15には、上述の親水性吸排水繊維束及び親水性消臭繊維束、又は親水性吸排水消臭繊維束を含ませることができる。図示の例では、パイル糸15には、親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B又は親水性吸排水消臭繊維束11Cが含まれており、これを打ち込んだ繊維基材10又は20の表面層は、意匠性に優れると共に優れた吸放出性、消臭効果、抗アレルゲン効果及び抗菌効果を有するものとなる。
【0047】
パイル糸15を打ち込んだ繊維基材10又は20裏面には、パイル糸の抜け止め層16を設けるのが望ましい。抜け止め層としては、蜘蛛の巣状の透孔性接着シートからなるものを挙げることができる。この透孔性接着シートには、接着時の熱およびまたは圧力で薄膜化されて成るもの、ホットメルト樹脂などの接着樹脂中に発泡剤を入れて混練、シート化したものなどを用いることができる。図3又は図4に示す例では、この透孔性接着シート16aをパイル糸15を打ち込んだ基布10又は20裏面に配置し熱プレスすることで、該透孔性接着シート16aが薄膜(フィルム)状となって基布10又は20内部に浸透し、パイル糸15の抜けを止めるようになっている。
【0048】
親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B又は親水性吸排水消臭繊維束11Cを含む繊維基材10又は20にあっては、図3又は図4中矢印で示すように、該マット表面の水がパイル糸15間またはその構成繊維間を通してパイル糸15基部の繊維基材10又は20内まで浸透し、該繊維基材10又は20に含まれる吸排水性繊維12の吸排水性ポリマーに吸水されるようになっている。また、繊維基材10又は20には、上述したように吸排水性繊維12とともにフタロシアニン化合物を含む消臭繊維13が含まれていることから、吸排水性繊維12中の吸排水性ポリマーの吸水に伴って、これに隣り合う消臭繊維13中のフタロシアニン化合物も水と接触し、該フタロシアニン化合物の持つ消臭効果、さらには抗アレルゲン効果及び抗菌効果がより活性化され、効果的に敷物の消臭、抗アレルゲン及び抗菌がなされるようになっている。
【0049】
繊維基材10又は20中の吸水した吸排水性繊維12に含まれる吸排水性ポリマーは、所定の湿度又は温度となったとき(図示の場合感温点が35°Cの感温吸排水性ポリマーを吸排水性ポリマーとして用いたので、感温点35℃となったとき)、図3又は図4中点線で示すように一旦吸収した水を放出するようになっている。
【0050】
また、図1〜図3に示す樹脂バッキング17a、又は図4に示す繊維バッキング17bには、繊維基材10又は20と同じく親水性吸排水繊維束11A及び親水性消臭繊維束11B又は親水性吸排水消臭繊維束11Cが含まれており、吸排水性ポリマーによる優れた吸排水性とフタロシアニン化合物の持つ消臭効果、抗アレルゲン効果、抗菌効果を奏するようになっている。
【0051】
尚、本発明のバッキング及びそれを用いたマットは、上述した例に限定されるものではなく、例えばバッキング及び繊維基材中に静電気を空中放電させる放電紙やカーボン繊維、金属繊維などの導電性繊維など含ませることで、人がマットに触れたとき、瞬時に静電気を除去する静電気除去性能を付与するなど、特許請求の範囲に記載の範囲で自由に変更することができる。
【符号の説明】
【0052】
10又は20・・・基布
11A・・・親水性吸排水繊維束
11B・・・親水性消臭繊維束
11C・・・親水性吸排水消臭繊維束
12・・・吸排水性繊維
13・・・消臭繊維
14・・・親水性繊維
15・・・パイル糸
17・・・樹脂バッキング
18・・・貫通孔
21・・・モノフィラメント束
21a・・・カット端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂バッキング又は繊維バッキングにモノフィラメント束が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング又は繊維バッキングの一方面側に前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とするバッキング。
【請求項2】
多数の貫通孔を有する樹脂バッキングであって、前記樹脂バッキングの多数の貫通孔毎にモノフィラメント束がタフティングされ、該樹脂バッキングの一方面側の前記多数の貫通孔から前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とする請求項1に記載のバッキング。
【請求項3】
樹脂バッキングの一方面側にモノフィラメント束のカット端が突出していると共に該樹脂バッキングを熱成形することで形成されたズレ防止用突起が突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッキング。
【請求項4】
吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッキング。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のバッキングの上面に繊維基材を設けたことを特徴とするマット。
【請求項6】
繊維基材に吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項5に記載のマット。
【請求項1】
樹脂バッキング又は繊維バッキングにモノフィラメント束が所定間隔毎にタフティングされており、前記樹脂バッキング又は繊維バッキングの一方面側に前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とするバッキング。
【請求項2】
多数の貫通孔を有する樹脂バッキングであって、前記樹脂バッキングの多数の貫通孔毎にモノフィラメント束がタフティングされ、該樹脂バッキングの一方面側の前記多数の貫通孔から前記モノフィラメント束のカットされたループのカット端が突出していることを特徴とする請求項1に記載のバッキング。
【請求項3】
樹脂バッキングの一方面側にモノフィラメント束のカット端が突出していると共に該樹脂バッキングを熱成形することで形成されたズレ防止用突起が突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッキング。
【請求項4】
吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッキング。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のバッキングの上面に繊維基材を設けたことを特徴とするマット。
【請求項6】
繊維基材に吸排水性ポリマーを含む親水性吸排水繊維束及びフタロシアニン化合物を含む親水性消臭繊維束、又は吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物とを含む親水性吸排水消臭繊維束が含まれていることを特徴とする請求項5に記載のマット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−24125(P2012−24125A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162611(P2010−162611)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)
【Fターム(参考)】
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