説明

バックライトユニット

【課題】厚さ及び重量を減らすことが可能で、製造原価を節減させることが可能であり、かつ放熱効率を増大させることが可能なスリム型バックライトユニットを提供する。
【解決手段】スリム型バックライトユニットは、一つ以上の貫通口202が形成される軟性印刷回路基板200と、上記貫通口と対応される部位の上記軟性印刷回路基板の上側に結合されるエルイーディーパッケージ300とを含んで構成される。バックライトユニットは、エルイーディーパッケージに電流を伝達するための部材として金属印刷回路基板の代わりに軟性印刷回路基板を使用するため、厚さ及び重量減少によりスリム化及び軽量化が可能となり製造原価が節減され、さらに放熱接着剤500によってエルイーディーパッケージが底板に直接結合されるので、エルイーディーパッケージから発生される熱をより速かに放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エルイーディーを利用して光を発散するバックライトユニットに関し、さらに詳しくは厚さ及び重量を減らすことが可能で、製造原価を節減させることが可能であり、かつ放熱効率を増大させることが可能なスリム型バックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にエルイーディー(LED:Light Emitting Diode)とは、発光ダイオードとも呼ばれ、これは化合物半導体の特性を利用して電気信号を赤外線、可視光線または光の形態に変換させるのに用いられる素子である。
【0003】
通常エルイーディーの使用範囲は家庭用家電製品、リモートコントローラ、電光板、標示器、各種自動化器機などに用いられ、その種類は大きくIRED(Infrared Emitting Diode)とVLED(Visible Light Emitting Diode)に分けられる。
【0004】
上記のようなLEDは出力される光の強さに応じて家庭用家電製品、電光板などに用いられるが、情報通信器機の小型化、スリム化の傾向により印刷回路基板(Printed Circuit Board)に直接装着され得るよう、表面実装素子(Surface Mount Device)型で製作されている。
【0005】
また、上記のようにエルイーディーの使用領域が広くなるにつれて、生活に使用される電灯、救助信号用電灯などに求められる輝度の量も益々高くなり、近年では高出力エルイーディーが広く用いられている。しかし、このような高出力エルイーディーは多量の熱が発生されるためバックライトユニットのように装着区域の狭い製品に装着される場合、エルイーディーから発生される熱が円滑に放熱できないため、製品の効率が低下されたり動作に異常が発生する場合が発生した。
【0006】
上記のような問題点を解決するために、近年では放熱性の優れたバックライトユニットが考案されている。
【0007】
以下、添付された図面を参照して従来のバックライトユニットについて詳しく説明する。
【0008】
図1は従来バックライトユニットの分解斜視図であり、図2は従来バックライトユニットの断面図である。
【0009】
図1及び図2に示すように従来のバックライトユニットは、各部品を実装するための底板10と、上記底板10の上面に安着される金属印刷回路基板(Metal Core Printed Circuit Board : MCPCB)20と、上記金属印刷回路基板20の上面に安着されるエルイーディーパッケージ30と、上記エルイーディーパッケージ30から発光される光を処理するための光学シート40とを含んで構成される。
【0010】
また、金属印刷回路基板20の上面には電流の流れのためのパターン22が形成され、上記エルイーディーパッケージ30はリードフレーム32によってパターン22に連結され、エルイーディーパッケージ30の底面と金属印刷回路基板20の上面との間には熱伝導性接着剤50が備えられエルイーディーパッケージ30を固定させる。
【0011】
エルイーディーパッケージ30から発生される熱は、熱伝導性接着剤50を介して金属印刷回路基板20に伝達された後、再び底板10に伝達されることにより外部へ放出される。この際、金属印刷回路基板20はアルミニウムなどのように熱伝導率の高い金属で製作されエルイーディーパッケージ30から発生される熱をより速やかに外部に放出させるので、エルイーディーパッケージ30から発生される熱によって製品の効率が低下されたり、動作されない現象が発生しなくなる。
【0012】
しかし、上記のような金属印刷回路基板20はエルイーディーパッケージ30の熱を速やかに伝達するという長所がある一方、厚さが比較的厚いためバックライトユニット全体の厚さが厚くなり、比重が高いためバックライトユニットの全体重さを増加させるばかりでなく、高コストのためバックライトユニットの製造原価を上昇させるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたもので、その目的はエルイーディーパッケージに電流を伝達するための部材の厚さ及び重量を減少させることによりスリム化及び軽量化が可能で、エルイーディーパッケージから発生される熱をより速かに放出することが可能であり、かつ製造原価を下げることができるように構成されるバックライトユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための本発明によるスリム型バックライトユニットは、一つ以上の貫通口が形成される軟性印刷回路基板と、上記貫通口と対応される部位の上記軟性印刷回路基板の上側に結合されるエルイーディーパッケージと、を含んで構成される。
【0015】
上記軟性印刷回路基板は、電流伝達のためのパターンが上面に形成され、上記エルイーディーパッケージは上記パターンに連結され電流の伝達を受けるリードフレームをさらに備える。
【0016】
上記軟性印刷回路基板は、ポリイミド(Polyimide)から成る。
【0017】
上記軟性印刷回路基板の上面または底面には補強板がさらに備えられる。
【0018】
本発明によるスリム型バックライトユニットは、上記軟性印刷回路基板が安着される底板と、上記貫通口に備えられ上記エルイーディーパッケージの底面と上記底板の上面を結合させる放熱接着剤とをさらに含む。
【0019】
上記エルイーディーパッケージは、上記放熱接着剤が接着される部位にヒートシンク(Heat sink)が位置されるように構成される。
【0020】
上記底板は、金属材質の物質で製作されることが好ましい。
【0021】
本発明によるバックライトユニットは、エルイーディーパッケージに電流を伝達するための部材として金属印刷回路基板の代わりに軟性印刷回路基板を用いるため、厚さ及び重量減少によりスリム化及び軽量化が可能となり、製造原価が低くなり、かつ放熱接着剤によってエルイーディーパッケージが底板に直接結合されるためエルイーディーパッケージから発生される熱をより速やかに放出することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来のバックライトユニットの分解斜視図である。
【図2】従来のバックライトユニットの断面図である。
【図3】本発明によるバックライトユニットの分解斜視図である。
【図4】本発明によるバックライトユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して本発明によるスリム型バックライトユニットの実施例を説明する。
【0024】
図3は本発明によるバックライトユニットの分解斜視図である。図3に示すように本発明によるバックライトユニットは、各部品を実装するための底板100と、電流伝達のためのパターン210が上面に備えられ、一つ以上の貫通口202が形成され、上記底板100の上面に安着される軟性印刷回路基板200(Flexible Printed Circuit Board)と、上記貫通口202と対応される位置の上記軟性印刷回路基板200上に結合されるエルイーディーパッケージ300と、上記エルイーディーパッケージ300の上側に備えられ上記エルイーディーパッケージ300から発光される光を均一に混合する光学シート400とを含んで構成される。
【0025】
上記エルイーディーパッケージ300は、電流の伝達を受けることができるように一側が上記パターン210に連結されるリードフレーム310を含んで構成される。従って、軟性印刷回路基板200に備えられるパターン210に沿って印加される電流はリードフレーム310を通してエルイーディーパッケージ300に伝達され、上記エルイーディーパッケージ300は光学シート400を向かって光を発光するようになる。
【0026】
本実施例では多数のエルイーディーパッケージ300が一列に配列され得るように軟性印刷回路基板200が棒形で形成され、上記貫通口202は軟性印刷回路基板200の長手方向に等間隔をあけて一列に配列されているが、軟性印刷回路基板200の形状や貫通口202の配列構造はエルイーディーパッケージ300の配列に応じて自由に変更され得る。
【0027】
また、本実施例で上記パターン210とリードフレーム310は、本発明の構成をより明確に示すべく軟性印刷回路基板200の幅方向に長さを有し、軟性印刷回路基板200の長手方向に並列配列されるように構成されているが、上記パターン210とリードフレーム310の形状及び配列方向はユーザの選択に応じて自由に変更され得る。例えば、上記パターン210とリードフレーム310は各貫通ホールを連結するように、即ち、軟性印刷回路基板200の長手方向に長さを有するように一列に配列されることもでき、軟性印刷回路基板200の方向にかかわらず自由に配列されることもできる。上記のようなパターン210及びリードフレーム310の構成及び配列構造は従来のバックライトユニットに多様に実現されているので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0028】
上記軟性印刷回路基板200は、エルイーディーパッケージ300を結合させるためのリフロー(Reflow)工程でも変形されたり、損傷されないようにポリイミド(Polyimide)のように、耐熱性及び耐化学性の強い物質で製作されることが好ましい。
【0029】
図4は、本発明によるバックライトユニットの断面図である。図4に示すように、エルイーディーパッケージ300は軟性印刷回路基板200に形成された貫通口202と対応される地点の上側に位置され、貫通口202には熱伝導率の高い放熱接着剤500が備えられている。従って、エルイーディーパッケージ300は上記放熱接着剤500によって底面が底板100の上面に結合される。
【0030】
エルイーディーパッケージ300が動作することにより発生される熱は、放熱接着剤500を介して底板100に直接伝達され外部へ放出される。この際、底板100は放熱接着剤500を介してエルイーディーパッケージ300の熱の伝達をより円滑に受けることができるように金属などのような熱伝導率の高い物質で製作されることが好ましく、上記エルイーディーパッケージ300は発生される熱をより効果的に上記放熱接着剤500に伝達できるよう、上記放熱接着剤500が結合される部位にヒートシンク(図示せず)が位置されるように構成されることが好ましい。
【0031】
従来のバックライトユニットは、エルイーディーパッケージ30から発生される熱が金属印刷回路基板を通った後底板10に伝達されるので、いくら金属印刷回路基板20の熱伝導性が良くても熱伝逹効率が低下され、これにより放熱効果が低くなるという問題点があった(図2参照)。しかし、本発明によるバックライトユニットは、上記のようにエルイーディーパッケージ300から発生される熱は軟性印刷回路基板200を通さずに、直接底板100に伝達されるのでそれだけ熱伝逹効率が高くなり、これにより放熱性能が向上されるという長所がある。
【0032】
また、従来のバックライトユニットに適用される金属印刷回路基板20は一般的に2乃至3mmの厚さを有するため、金属印刷回路基板20の厚さだけバックライトユニットの全体厚さが増加されるのに対し、本発明によるバックライトユニットは厚さの厚い金属印刷回路基板20を使用する代わりに約0.15mmの厚さを有する軟性印刷回路基板200を使用するので、製品全体の厚さが減少される。
【0033】
また、従来のバックライトユニットに適用される金属印刷回路基板20は熱伝導性を向上すべく金属材質からなるので、バックライトユニットの全体重さが重くなるばかりでなく、製造原価が上昇されるという短所がある一方、本発明によるバックライトユニットでは重さが非常に軽い軟性印刷回路基板200が使用されるのでバックライトユニットの全体重さが軽くなり、製造原価が節減されるという利点がある。
【0034】
一般的に軟性印刷回路基板200は厚さが0.15mmと非常に薄く、可撓性を有する材料で製作されるので強度が非常に低くなる。そのため、軟性印刷回路基板200を結合させる製造工程の際、軟性印刷回路基板200がしわになったり折れるなど、損傷する恐れがある。
【0035】
上記のような問題点を解決するために、上記軟性印刷回路基板200の上面や底面には上記軟性印刷回路基板200より強度の大きい補強板がさらに具備され得る。この際、補強板の厚さが厚すぎるとバックライトユニットの厚さが増加され、補強板の厚さが薄すぎると軟性印刷回路基板200の強度を補強する効果を得ることができないので、上記補強板は約0.3mmの厚さを有するように製造されることが好ましい。
【0036】
上記言及したように、軟性印刷回路基板200に補強板が具備されても全体厚さは約0.45mmに過ぎないので、2乃至3mmの厚さを有する金属印刷回路基板を使用する場合に比べてバックライトユニットの全体厚さを減少させる効果を得ることができる。
【0037】
以上、本発明を好ましい実施例に従って詳しく説明したが、本発明の範囲は特定の実施例に限定されるものではなく、添付された特許請求範囲によって解釈されるべきである。また、この技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲から外れないながらも多様な修正及び変形が可能であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0038】
100 底板
200 軟性印刷回路基板
202 貫通口
210 パターン
300 エルイーディーパッケージ
310 リードフレーム
400 光学シート
500 放熱接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の貫通口が形成される軟性印刷回路基板と、
前記貫通口と対応される部位の前記軟性印刷回路基板の上側に結合されるエルイーディーパッケージと、
を含んで構成されることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項2】
前記軟性印刷回路基板は、電流伝達のためのパターンが上面に形成され、
前記エルイーディーパッケージは前記パターンに連結され電流の伝達を受けるリードフレームをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項3】
前記軟性印刷回路基板は、ポリイミド(Polyimide)で製作されることを特徴とする、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
前記軟性印刷回路基板の上面または底面には補強板がさらに備えられることを特徴とする、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項5】
前記軟性印刷回路基板が安着される底板と、
前記貫通口に備えられ前記エルイーディーパッケージの底面と前記底板の上面を結合させる放熱接着剤とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項6】
前記エルイーディーパッケージは、前記放熱接着剤が接着される部位にヒートシンク(Heat sink)が位置されるように構成されることを特徴とする、請求項5に記載のバックライトユニット。
【請求項7】
前記底板は、金属材質の物質で製作されることを特徴とする、請求項5に記載のバックライトユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−283358(P2010−283358A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152437(P2010−152437)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【分割の表示】特願2006−314002(P2006−314002)の分割
【原出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】