説明

バッグインボックスのバッグ自動収納包装方法及び装置

【目的】ボックス内に収納する充填バッグの口栓(キャップ)の位置が常に上向きで一定位置になるように安定化させて収納できるようにすることにより、段ボールケース内に収納されたバックの収納位置を人手で手直しして口栓位置を修正する労力を解消し、人件費等を削減することにある。
【解決手段】フレキシブルバッグ供給工程と、フレキシブルバッグ1内にスパウト2から内容物を充填する充填工程と、該充填バッグaの前端a1 をコンベア手段10傾斜先端部に突出する前当手段に当接させるバッグシュート位置規制工程と、充填バッグaの当接を解除し、充填バッグaをバッグシューター内にオーバーハングさせて落とし込み開始するバッグ当接解除工程と、充填バッグaを連設フレキシブルバッグAから切離線を介して切り離す切離工程と、充填バッグ落とし込み工程と、バッグ収納工程とを経て収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールケース等のボックス内に液体内容物を充填した柔軟フィルム製のバッグを収納した包装形式のバッグインボックスにおいて、段ボール内に液体内容物を充填したバッグを収納するためのバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバックインボックスのバック自動収納方法は、例えば特許文献1(実開昭63−68425号)や特許文献2(実公平4−15689号)に開示されており、例えば、特許文献2には、図11に示すように液体が充填されたフレキシブルバッグa(内袋)を傾斜ローラー(又はベルト)コンベアや水平ローラー(又はベルト)コンベアなどのコンベア手段bを用いて搬送しながら、そのコンベア手段の先端部に設置されたシューターc内に、前記バッグaを落とし込み、そのシューターc下部の先細り先端部開口部より、バッグdを、立方体形状あるいは直方体形状の空の段ボールケースd内に収納する技術が記載されている。なお、c1 は、シューターcの先細り部であり、d2 は、段ボールケースdの蓋部である。
【0003】
また、同特許文献2においては収納するフレキシブルバッグは、図12(a)〜(b)の側面図に示すようなものであって、バッグ1本体は、柔軟なフラスチックフィルム製の包材を袋状にしたものであり、シール部1bによって袋状にしたバッグ本体1の上部の一部開口部に、内容物注入出用のスパウト2(口栓)を融着して接続し、キャップ2aによって施封されている。なお、1はバッグ本体、1aは注入出開口部、1bはシール部、2はスパウト、2aはキャップ、d1 は段ボールケースdの底部である。
【0004】
そして、バッグ本体1の形態は、図12(a)のように立方体形状のもの、あるいは図12(b)のように偏平形状のもの等がある。
【0005】
一般的に、バッグインボックス型の液体包装における立方体あるいは幅の広さに対して高さの低い(ケース深さの浅い)形状若しくは幅の広さに対して高さの高い(ケース深さの深い)形状の直方体の空の段ボールケースd内に収納される内容物を充填した上記バッグaの姿勢については、前記スパウト(口栓)のキャップ2a部分が常に同じ位置に上側を向いて、段ボールケースd内に収納されることが、内容物である液体を取り出すために、スパウトを段ボールケースから引き出したり、あるいは段ボールケースから引き出したスパウトに、他の排出用チューブやコックなどを取り付けて用いるために必要になっている。
【0006】
上記従来のバックインボックスのバック自動収納方法においては、コンベア手段bの先端部からシューターcを通って1個のバッグaを1個の段ボールケースd内に落下させて収納するものであるが、落下した後のバッグaの段ボールケースd内での姿勢が不揃いになりやすい。
【0007】
そこで、この不都合を解消するための対応技術として、例えば、特許文献3(特開平6−135406号)や特許文献4(特開平9−207244号)などがある。しかしながら、コンベア手段の傾斜ローラー(又はベルト)上や水平ローラー(又はベルト)上、あるいはシューター内で、バッグ(内袋)がフリーな状態となるため、その都度、内袋の姿勢が不規則に変動してバラつく原因となり、結果としてスパウト2(口栓)位置も、約半径200mm程度の範囲にてバラつく。
【0008】
また、バッグ(内袋)の姿勢は、コンベア手段の傾斜ローラー(又はベルト)や水平ローラー(又はベルト)あるいはシューター内面の滑り性にも大きな影響を受けるため、バッグ収納作業開始から徐々にバッグの段ボールケース内の収納位置が変動してバッグの口栓位置が変動する傾向があり、そのために段ボールケース内のバックの収納位置を人手で手直しして口栓位置を修正する手間が掛かっていた。
【0009】
以下に、本願に関連する先行技術文献を記載する。
【特許文献1】実開昭63−68425号
【特許文献2】実公平4−15689号公報
【特許文献3】特開平6−135406号公報
【特許文献4】特開平9−207244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、内容物を充填しながら搬送されるフレキシブルバッグ(内袋)を所定の段ボールケース内へ収納するためのバックインボックスのバック自動収納において、充填後のフレキシブルバッグの口栓(キャップ)の位置が、常に上向きで一定位置になるように収納されるように安定化させて収納できるようにすることにより、段ボールケース内に収納されたバックの収納位置を人手で手直しして口栓位置を修正する労力を解消すると共に、人件費等を削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明は、
a)スパウト付フレキシブルバッグ1を各1バッグ毎に切離線を介して長尺シート状に連設した連設フレキシブルバッグAを、水平乃至下方傾斜状態のコンベア手段10上に供給する連設フレキシブルバッグ供給工程と、
b)供給された連設フレキシブルバッグA先端のフレキシブルバッグ1又は該バッグ1より後方のフレキシブルバッグ1内にスパウトから充填手段にて内容物を充填する充填工程と、
c)充填された先端の充填バッグaを連設フレキシブルバッグAと共に前記コンベア手段10にて搬送して該充填バッグaの前端a1 をコンベア手段10傾斜先端部に突出する前当手段に当接させ、且つコンベア手段10による搬送を一旦停止させてバッグシュート位置を規制するバッグシュート位置規制工程と、
d)前記前当手段を没入させて充填バッグaの当接を解除し、先端の充填バッグaをコンベア手段10先端傾斜部の下方に配設した角筒状のバッグシューター内にオーバーハングさせて落とし込み開始するバッグ当接解除工程と、
e)当接解除されてオーバーハングした前記先端の充填バッグaを、連設フレキシブルバッグAから切離線を介して切り離す切離工程と、
f)切り離された前記充填バッグaを、前記コンベア手段10による搬送の再開により前記バッグシューター内に落とし込む充填バッグ落とし込み工程と、
g)落とし込まれた充填バッグaを、該バッグシューターを介してボックス8内に収納するバッグ収納工程と、
を経て、バッグaを段ボールd内に収納包装することを特徴とするバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法である。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るバッグインボックスのバッグ自動
収納包装方法において、前記コンベア手段10傾斜先端部の下方に配設した前記角筒状バッグシューターにおいて、該コンベア手段10傾斜先端部下の角筒内面と対向する他の角筒内面に、その対向間隔を調整可能な調整面を備え、前記バッグ当接解除工程にて、角筒状のバッグシューター内にオーバーハングさせた充填バッグaの前面に、前記他の角筒内面の調整面をその対向間隔を調整して接触させながら落とし込みを開始するようにすることを特徴とするバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法である。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、
a)スパウト付フレキシブルバッグ1を各1バッグ毎に切離線を介して長尺シート状に連設した連設フレキシブルバッグAを、水平乃至下方傾斜状態のコンベア手段10上に供給する連設フレキシブルバッグ供給手段と、
b)供給された連設フレキシブルバッグA先端のフレキシブルバッグ1又は該バッグ1より後方のフレキシブルバッグ1内に、スパウトから充填手段にて内容物を充填する充填手段と、
c)充填された先端の充填バッグaを、連設フレキシブルバッグAと共に前記コンベア手段10にて搬送して、該充填バッグaの前端a1 をコンベア手段10の傾斜先端部に突出する前当手段に当接させ、且つコンベア手段10による搬送を一旦停止させてバッグシュート位置を規制するバッグシュート位置規制手段と、
d)前記前当手段を没入させて充填バッグaの当接を解除し、先端の充填バッグaをコンベア手段10傾斜先端部の下方に配設した角筒状のバッグシューター内にオーバーハングさせて落とし込み開始するバッグ当接解除手段と、
e)当接解除されてオーバーハングした前記先端の充填バッグaを、連設フレキシブルバッグAから切離線を介して切り離す切離手段と、
を備え、切り離された前記充填バッグaを、前記コンベア手段10による搬送の再開によりバッグシューター内に落とし込み、落とし込まれた充填バッグaを、該バッグシューターを介してボックス8に収納包装することを特徴とするバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置である。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項3に係るバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置において、前記コンベア手段10傾斜先端部の下方に配設した前記角筒状バッグシューターにおいて、該コンベア手段10傾斜先端部下の角筒内面と対向する他の角筒内面に、その対向間隔を調整可能な調整面を備えることを特徴とするバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、内容物を充填されながら搬送されるフレキシブルバッグ(内袋)を段ボールケースなどの所定のボックス内へ収納するためのバックインボックスのバック自動収納において、内容物充填後の充填バッグaを、段ボールケースなどのボックス8内に収納する際に、充填バッグaは、傾斜するコンベア手段10上では自由な搬送状態を無くし、後続のフレキシブルバッグ1(連設フレキシブルバッグA)と接続を保持した状態で先端の充填バッグaを、一旦、前当手段5に充填バッグaの前端a1 (充填バッグaの底部相当部)を当接させて停止させ、先端にある該充填バッグaの姿勢や形状を一定の安定した姿勢や形状状態に保持した後、前当手段5による当接を解除して、その充填バッグaをコンベア手段10先端傾斜部から角筒状のバッグシューター6内に、該充填バッグaの前端a1 の底部相当部を下側、後端部a2 のスパウト2相当部を上側にしてオーバーハングさせて落とし込みの準備を開始した後、該充填バッグaをオーバーハングさせた状態で切離手段7によって切離線に沿って切り離すように構成されている。
【0016】
そして、本発明は、先端の充填バッグaをコンベア手段10先端傾斜部から角筒状のバッグシューター6内にオーバーハングさせ、該充填バッグaのオーバーハングの自重による該充填バッグaと後続のフレキシブルバッグ1(連設フレキシブルバッグA)との張力により連設フレキシブルバッグAを緊張させて落とし込みの準備を開始した後、充填バッグaをコンベア手段10先端傾斜部から角筒状のバッグシューター6内にオーバーハングさせた状態で、切離手段7によって、先端の充填バッグaを後続の連設フレキシブルバッグAから切離線に沿って切り離すように構成されている。
【0017】
そのため、フレキシブルバッグ1に充填した充填バッグaは、そのバッグのスパウト2(口栓、キャップ)の位置が、常に上部の一定位置になるように安定化させて収納でき、ボックス内に収納されたバックの収納位置を人手で手直しして口栓位置を修正するなどの労力を解消でき、バックインボックスのバック収納工程における人件費等を削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法の実施の形態を、図1〜図7に従って詳細に説明する。
【0019】
本発明において使用する連設フレキシブルバッグAは、内面に熱融着性シーラント樹脂層を有する合成樹脂フィルム製の筒状シート又は二枚重ね状の長尺シートをそのシート長さ方向にそのシート内面を所定幅にヒートシールした筒状シートを、そのシート長さ方向と直交する方向に、そのシート内面を所定幅にヒートシールすることにより、図1に示すように、1単位(1枚)毎の筒状のフレキシブルバッグ1が、そのヒートシールsにて区画され、その複数単位区画(複数枚)が連設されていて、各1単位区画のフレキシブルバッグ1の後方(後端a2 側)にはそれぞれスパウト2が予め熱融着などにて装着されている。そして、各単位区画のフレキシブルバッグ1の所定幅(幅は特に限定されないが、例えば10mm〜30mm程度又は30mm〜50mm程度)のヒートシールsのシール領域内には、その所定幅のヒートシールsの幅中央部に沿って切離線(所定幅のヒートシールsの幅中央部に形成された刻切線又はハーフカット刻設線若しくはミシン目刻設線、描画ラインなど)が形成されている。そして、前記連設フレキシブルバッグAは、その各々ヒートシールsの領域内に形成された前記切離線に沿って各単位のフレキシブルバッグ1として切り離すことができる。
【0020】
図1は、連設フレキシブルバッグ供給工程を説明する側面図であり、連設フレキシブルバッグ供給工程にて、各1単位のスパウト2を取り付けたシート状のフレキシブルバッグ(1枚)毎に前記切離線を介して長尺シート状に連設した連設フレキシブルバッグA(ロール状に巻き取った長尺状バッグA、又はジグザク状に切離線にて折り畳まれた長尺状バッグA)を、そのスパウト2を各フレキシブルバッグ1の後端a2 側にした状態で、バッグ供給手段3により水平状態乃至下方向傾斜状態のコンベア手段10上に供給する。
【0021】
そして、連設フレキシブルバッグAの先端にあるフレキシブルバッグ1のスパウト2、又は該バッグ1及びそれより数バッグ後方のフレキシブルバッグ1のスパウト2が、内容物充填手段4の真下に対峙するように供給搬送する。
【0022】
図2は、内容物充填工程を説明する側面図であり、内容物充填手段4の充填用ノズル4aなどを、その真下に対峙する供給された連設フレキシブルバッグA先端のフレキシブルバッグ1、又は該バッグ1及びそれより後方のフレキシブルバッグ1のスパウト2に差し込み、該内容物充填手段4により、該スパウト2からバッグ1内に内容物の充填を開始する。このようにして内容物充填工程にてバッグ1内に定量の内容物の充填を終了する。
【0023】
そして、この充填開始又は終了とともに、コンベア手段10の傾斜先端部側に配置された昇降動作可能な前当手段5を上昇動作させて、該前当手段5をコンベア手段10の傾斜
先端部より上方に突出させる。なお、フレキシブルバッグ1の供給移動に同期、対応させて、内容物充填手段4は移動、復帰動作可能としてもよい。
【0024】
前記コンベア手段10は、特にその形式、構造を限定するものではないが、複数本のロール11を水平方向、若しくは例えば5°〜15°程度に下向きの傾斜方向に平行に配列して、各々ロール11を自由回転、又はモーターにて駆動回転させるようにしたものでよく、連設フレキシブルバッグAと、それと接続する内容物を充填したフレキシブルバッグ1とを載せて前方(矢印方向)に搬送する。
【0025】
図1及び図2に示すように、コンベア手段10の傾斜先端部側に配置された前記前当手段5の下方には、前面板6a(コンベア手段10に対して反対側)、左右両側面板6b、6c、後面板6d(コンベア手段10側)からなる角筒状のバッグシューター6が、固定又は昇降移動可能に位置設定調整可能に配設され、前記前当手段5は、そのバッグシューター6の前記後面板6d(コンベア手段10側)の真上部分に配設されている。なお、前記バッグシューター6が昇降移動可能に設置されている場合には、前記前当手段5と同期して、あるいは一体的に昇降動作する構造であってもよい。
【0026】
そして、前記バッグシューター6の真下には、モーター駆動ローラコンベアなどの間欠的に搬送動作するボックス搬送手段20上に、段ボール等の収納包装用の各々ボックス8が、その上部が開口した状態で載置されて間欠的動作にて搬送され、位置決めされる。またバッグシューター6真下に相当するボックス搬送手段20下側には、該搬送手段20の上面に突出動作乃至没入動作して、角筒状バッグシューター6の下端部をボックス8の上部開口部内に嵌入させるためのリフター21が配設されている。
【0027】
図3は、バッグシュート位置規制工程の前段を説明する側面図であり、内容物充填工程にてバッグ1内に定量の内容物の充填を終了すると、バッグシュート位置規制工程の前段にて、前記コンベア手段10は、充填された先端の充填バッグaを、それと連続する連設フレキシブルバッグAと共に矢印方向に搬送を開始する。
【0028】
なお、コンベア手段10の傾斜先端部側に配置された昇降動作可能な前当手段5は、この時点で上昇動作させて、コンベア手段10傾斜先端部より上方に突出させるようにしてもよい。
【0029】
図4、図5は、バッグシュート位置規制工程の後段を説明する側面図であり、バッグシュート位置規制工程の前段にて、連続する連設フレキシブルバッグAと充填バッグaの搬送を開始した前記コンベア手段10は、図4に示すように、バッグシュート位置規制工程の後段にて、該充填バッグaの前端a1 を、コンベア手段10の傾斜先端部に突出する前当手段5に当接させる。その際、前記充填バッグaのスパウト2は、該充填バッグaの後端a2 側に位置している。
【0030】
このように本発明においては、充填バッグaの前端a1 をバッグシューター6(後面板6d)の上側にある前当手段5に一旦当接させることにより、次々にコンベア手段10の傾斜先端部に搬送される液状の内容物を充填したフレキシブルに形状が変動しやすい各々充填バッグaの姿勢や形状を、常に同じ姿勢や形状状態にすることができる。
【0031】
そして、図4に示すように、充填バッグaの前端a1 の前当手段5への当接(後続の連設フレキシブルバッグAに僅かに弛みが生じない程度の軽い当接負荷)と同時に、又は図5に示すように、当接から所定長さ(例えば1mm〜数mm程度)搬送経過後(後続の連設フレキシブルバッグAに僅かに弛みが生じる程度の中程度、強度の当接負荷後)に、コンベア手段10による連設フレキシブルバッグA及び充填バッグaの搬送を一旦停止させ
て、バッグシュート位置を規制する。
【0032】
続いて、図5に示すように、ボックス搬送手段20のリフター21が上昇動作することにより、バッグシューター6真下にて停止しているボックス8を上昇させ、そのボックス8の上部開口部内にバッグシューター6を嵌入させる。
【0033】
図6は、バッグ当接解除工程を説明する側面図であり、バッグ当接解除工程にて、前記前当手段5を下降動作させて、コンベア手段10の傾斜先端部から下方に没入させて、充填バッグaの当接を解除し、先端の充填バッグaを、その前端a1 を下側にしてコンベア手段10先端傾斜部の下方に配設した角筒状のバッグシューター6内にオーバーハングさせて落とし込み開始する。なお、その際には前記前当手段5の下降動作と同時にバッグシューター6も下降動作させるようにしてもよい。
【0034】
図7は、充填バッグ切離工程を説明する側面図であり、当接解除されてオーバーハングした前記先端の充填バッグaを、リニアカッターなどの切離手段7を用いて、自動若しくは手動にて、各フレキシブルバッグ1のヒートシールsの領域域内に予め設けた前記切離線(図示せず)に沿って、後続の連設フレキシブルバッグAから切り離す。
【0035】
切離手段7は、コンベア手段10の傾斜する先端部にてオーバーハングしている充填バッグaの荷重による張力により緊張している連設フレキシブルバッグAと充填バッグaとの間のヒートシールs領域域内の前記切離線の上側から下降動作させて切り離すものであり、板状の平面視ストレートな可動刃を備えている。
【0036】
前記可動刃7aの刃の形状は、正面視一つ山形状、二つ山形状、三つ山形状など複数山の形状、あるいは鋸歯形状状等が適当である。一つ山の形状であると、連設フレキシブルバッグAのヒートシールs領域域内の切離線の中央付近から切れはじめ、最後にその切離線の両端が切れて切り離される。この場合、切離線の両端の切れるタイミングに差が生じて切り離した充填バッグaの落下する姿勢が左右の幅方向にずれる傾向がある。そのため、本発明における可動刃7aの刃の形状は、切離線の両端の切れるタイミングに差が生じないように二つ山形状、三つ山形状、複数山の形状に設定されている。
【0037】
このように本発明においては、充填バッグaは、傾斜するコンベア手段10上では自由な搬送状態を無くし、後続のフレキシブルバッグ1とは接続されていて、充填バッグaをコンベア手段10先端傾斜部から角筒状のバッグシューター6内にオーバーハングさせて落とし込みの準備を開始した後に切離手段7によって切離線に沿って切り離すように構成されている。
【0038】
図8は、充填バッグ落とし込み工程を説明する側面図であり、充填バッグ落とし込み工程にて、切離手段7を用いて切り離された前記充填バッグaは、その前端a1 を下側、後端a2 のスパウト2を上側にして、前記コンベア手段10による搬送の再開により又は/及びその充填バッグaの自重により、前記バッグシューター6内に落とし込まれる。
【0039】
図9は、バッグ収納工程を説明する側面図であり、バッグ収納工程にて、バッグシューター6内に落とし込まれた充填バッグaは、該バッグシューター6内面に沿ってボックス8内に落下し、充填バッグaの前端a1 をボックス8の内底面、該充填バッグaの後端a2 のスパウト2を上側にして収納される。
【0040】
本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法においては、前記コンベア手段10の傾斜先端部の下方に配設した角筒状の前記バッグシューター6において、該コンベア手段10の傾斜先端部下の角筒体の内面(後面板6d)と対向する他の角筒体内面(前
面板6a)に、その対向間隔を調整可能なクッション(弾力)性の調整面板9を備えるようにしてもよい。
【0041】
そして、図6に示すバッグ当接解除工程にて、前記前当手段5を下降動作させて、コンベア手段10の傾斜先端部から下方に没入させて、充填バッグaの当接を解除し、先端の充填バッグaを、その前端a1 を下側にしてコンベア手段10先端傾斜部の下方に配設した角筒状のバッグシューター6内にオーバーハングさせた際に、オーバーハングさせた先端の充填バッグaの前端a1 側に、前記バッグシューター6の他の角筒体内面である前面板6aにある調整面板9を、その対向間隔を予め調整して接触させながら落とし込みを行うようにしてもよい。
【0042】
次に、本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置の実施の形態を、図10に示す装置の全体側面図を参照して、以下に詳細に説明する。
【0043】
本発明装置は、図10に示すように、スパウト2を取り付けたスパウト付フレキシブルバッグ1を、各1バッグ毎にヒートシールsの領域内の切離線を介して複数バッグ1を連設した長尺シート状の連設フレキシブルバッグAを、水平乃至下方傾斜状態のコンベア手段10上に供給する対向する供給ローラー(ニップローラー)等からなる連設フレキシブルバッグ供給手段3を備える。なお、長尺シート状の連設フレキシブルバッグAは、例えば、図示するようにヒートシールsの領域内の切離線を介してジグザグ状に折り畳み集積したものを送り出してもよいし、ロール状に巻取軸に巻取られたものを巻き出すようにして送り出してもよい。
【0044】
連設フレキシブルバッグAの前記供給手段3の後段(例えばコンベア手段10の上側)には、上記コンベア手段10上に供給された連設フレキシブルバッグAの先端のフレキシブルバッグ1内、又は該バッグ1より後方のフレキシブルバッグ1内に、スパウト2に充填ノズル4aを差し込んで液状内容物を注入して充填する充填手段4を備える。なお、フレキシブルバッグ1の供給移動に同期、対応させて、充填手段4は移動、復帰動作可能としてもよい。
【0045】
上記コンベア手段10は、バッグ供給手段3にて送り出される連設フレキシブルバッグAを載置して、充填手段4にて内容物の充填された連設フレキシブルバッグAの先端のフレキシブルバッグ1又は該バッグ1より後方のフレキシブルバッグ1の充填バッグaを、該供給手段3による連設フレキシブルバッグAの送り出し速度に対して過不足のない速度で前方に搬送するために、ローラーコンベア方式やベルトコンベア方式が採用可能であるが、該コンベア手段10による搬送方式は、供給手段3による送り出し供給速度と同期する速度にて搬送可能な駆動方式が採用される。
【0046】
上記コンベア手段10は、図示するように下方に向かって緩やかに傾斜した状態、あるいは水平状態から下方に向かって傾斜した状態となっていて、ローラーコンベア方式の場合は、複数本のロール11を水平方向若しくは例えば5°〜15°程度に傾斜する方向に平行に配列して各々ロール11をギアにて連動させてモーターにて駆動回転させるようにしたものである。
【0047】
上記コンベア手段10の傾斜先端部側には、昇降動作可能な前当手段5が配置されていて、該前当手段5をコンベア手段10の傾斜先端部の上面より上方に上昇突出させることにより、搬送された最先の充填バッグaを該前当手段5に当接させて搬送を停止させ、前当手段5をコンベア手段10の傾斜先端部の上面より下方に下降没入させることにより、当接している最先の充填バッグaを前当手段5の当接から解除する。
【0048】
コンベア手段10の傾斜先端部側に配置された前記前当手段5の下方には、前面板6a(コンベア手段10に対して反対側)、左右両側面板6b、6c、後面板6d(コンベア手段10側)からなる角筒状のバッグシューター6が、固定又は昇降移動可能に位置設定調整可能に配設され、前記前当手段5は、そのバッグシューター6の前記後面板6d(コンベア手段10側)の真上部分に配設されている。なお、前記バッグシューター6が昇降移動可能に設置されている場合には、前記前当手段5と同期して、あるいは一体的に昇降動作する構造であってもよい。
【0049】
前記バッグシューター6の真下には、モーター駆動ローラコンベアなどの間欠的に搬送動作する水平方向のボックス搬送手段20が設置され、ボックス搬送手段20上に、段ボール等の収納包装用の各々ボックス8が、その上部が開口した状態で載置されて間欠的動作にて搬送され、位置決めされる。またバッグシューター6真下に相当するボックス搬送手段20下側には、該搬送手段20の上面に突出動作乃至没入動作して、角筒状バッグシューター6の下端部をボックス8の上部開口部内に嵌入させるためのリフター21が配設されている。
【0050】
前記コンベア手段10上の充填手段4と、該コンベア手段10の傾斜先端部にある前当手段5との間には、当接解除されてオーバーハングした前記先端の充填バッグaを、切り離すためのリニアカッターなどの切離手段7が配置されている。
【0051】
本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置においては、前記コンベア手段10の傾斜先端部の下方に配設した角筒状の前記バッグシューター6の該コンベア手段10の傾斜先端部下の内面(後面板6d)と対向する他の内面(前面板6a)に、その対向間隔を調整可能なクッション(弾力)性の調整面板9を備えるようにしてもよい。
【0052】
そして、内容物が充填された先端の充填バッグaを、その前端a1 を下側にしてコンベア手段10先端傾斜部の下方に配設した角筒状のバッグシューター6内にオーバーハングさせた際に、オーバーハングさせた先端の充填バッグaの前端a1 側を、前記バッグシューター6の前面板6aにある調整面板9に、その対向間隔を予め調整して接触させながら摺動させ、その摩擦力により充電バッグaの落下速度を調整して落とし込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図2】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図3】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図4】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図5】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図6】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図7】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図8】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図9】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法を説明する側面図。
【図10】本発明のバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置を説明する全体側面図。
【図11】従来のバッグインボックスのバッグ収納方法、及び装置を説明する全体斜視図。
【図12】(a)一般的なバッグインボックスのバッグの形態と段ボールケースへのバッグ収納姿勢を説明する側断面図。
【0054】
(b)一般的なバッグインボックスのバッグの形態と段ボールケースへのバッグ収納姿勢を説明する側断面図。
【符号の説明】
【0055】
1…フレキシブルバッグ本体
2…スパウト
a…充填バッグ
a1 …前端
a2 …後端
s…ヒートシール
3…バッグ供給手段
4…充填手段
5…前当手段
6…バッグシューター
6a…前面板
6b、6c…両側面板
6d…後面板
7…切離手段
8…ボックス
9…調整面板
10…コンベア手段
11…コンベアロール
20…ボックス搬送手段
21…リフター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)スパウト付フレキシブルバッグ1を各1バッグ毎に切離線を介して長尺シート状に連設した連設フレキシブルバッグAを、水平乃至下方傾斜状態のコンベア手段10上に供給する連設フレキシブルバッグ供給工程と、
b)供給された連設フレキシブルバッグA先端のフレキシブルバッグ1又は該バッグ1より後方のフレキシブルバッグ1内にスパウト2から充填手段3にて内容物を充填する充填工程と、
c)充填された先端の充填バッグaを連設フレキシブルバッグAと共に前記コンベア手段10にて搬送して該充填バッグaの前端a1 をコンベア手段10傾斜先端部に突出する前当手段に当接させ、且つコンベア手段10による搬送を一旦停止させてバッグシュート位置を規制するバッグシュート位置規制工程と、
d)前記前当手段を没入させて充填バッグaの当接を解除し、先端の充填バッグaをコンベア手段10先端傾斜部の下方に配設した角筒状のバッグシューター内にオーバーハングさせて落とし込み開始するバッグ当接解除工程と、
e)当接解除されてオーバーハングした前記先端の充填バッグaを、連設フレキシブルバッグAから切離線を介して切り離す充填バッグ切離工程と、
f)切り離された前記充填バッグaを、前記コンベア手段10による搬送の再開により前記バッグシューター内に落とし込む充填バッグ落とし込み工程と、
g)落とし込まれた充填バッグaを、該バッグシューターを介してボックス8内に収納するバッグ収納工程と、
を経て、バッグaを段ボールd内に収納包装することを特徴とするバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法。
【請求項2】
前記コンベア手段10傾斜先端部の下方に配設した前記角筒状バッグシューターにおいて、該コンベア手段10傾斜先端部下の角筒内面と対向する他の角筒内面に、その対向間隔を調整可能な調整面を備え、前記バッグ当接解除工程にて、角筒状のバッグシューター内にオーバーハングさせた先端の充填バッグaの前面に、前記他の角筒内面の調整面をその対向間隔を調整して接触させながら落とし込みを開始するようにすることを特徴とする請求項1記載のバッグインボックスのバッグ自動収納包装方法。
【請求項3】
a)スパウト付フレキシブルバッグ1を各1バッグ毎に切離線を介して長尺シート状に連設した連設フレキシブルバッグAを、水平乃至下方傾斜状態のコンベア手段10上に供給する連設フレキシブルバッグ供給手段と、
b)供給された連設フレキシブルバッグA先端のフレキシブルバッグ1又は該バッグ1より後方のフレキシブルバッグ1内に、スパウトから充填手段にて内容物を充填する充填手段と、
c)充填された先端の充填バッグaを、連設フレキシブルバッグAと共に前記コンベア手段10にて搬送して、該充填バッグaの前端a1 をコンベア手段10の傾斜先端部に突出する前当手段に当接させ、且つコンベア手段10による搬送を一旦停止させてバッグシュート位置を規制するバッグシュート位置規制手段と、
d)前記前当手段を没入させて充填バッグaの当接を解除し、先端の充填バッグaをコンベア手段10傾斜先端部の下方に配設した角筒状のバッグシューター内にオーバーハングさせて落とし込み開始するバッグ当接解除手段と、
e)当接解除されてオーバーハングした前記先端の充填バッグaを、連設フレキシブルバッグAから切離線を介して切り離す切離手段と、
を備え、切り離された前記充填バッグaを、前記コンベア手段10による搬送の再開によりバッグシューター内に落とし込み、落とし込まれた充填バッグaを、該バッグシューターを介してボックス8内に収納包装することを特徴とするバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置。
【請求項4】
前記コンベア手段10傾斜先端部の下方に配設した前記角筒状バッグシューターにおいて、該コンベア手段10傾斜先端部下の角筒内面と対向する他の角筒内面に、その対向間隔を調整可能な調整面を備えることを特徴とする請求項3記載のバッグインボックスのバッグ自動収納包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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