説明

バッグ

【課題】 提げ紐の長さが調節可能であるバッグを提供する。特に、バッグの開閉を行うことによって提げ紐の長さが調節可能であるバッグを提供する。
【解決手段】
展開可能な鞄地1と、鞄地1の外縁に沿って紐渡し区間を隔ててそれぞれ設けられた3以上の紐通し穴21と、全ての紐通し穴21に順に挿通された開閉紐3と、互いに異なる紐渡し区間において開閉紐3に係合され、紐通し穴21を通過できない形状からなる2個の提げ具4と、提げ具4とは異なる紐渡し区間において、開閉紐3に対しスライド可能に取り付けられ、開閉紐3上の任意の2点を連結させる開閉具5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグに係り、さらに詳しくは、バッグを開閉するための開閉紐を備えたバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
バッグを開閉するための開閉紐を備えたバッグが知られている。例えば、開閉紐が、バッグ開口部の外周付近に取り付けられた紐通し具に通され、この開閉紐を結んで提げ紐とするバッグや(例えば、特許文献1)、紐通し具間の開閉紐をそのまま提げ紐とするバッグが知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
特許文献1では、開閉紐を結んで提げ紐とするバッグにおいて、開閉紐を結ぶ位置を変えることによって提げ紐の長さを調節している。このようなバッグでは、バッグの開閉時や提げ紐の調節時に紐を結び直す必要があり、煩雑であるという問題がある。
【0004】
特許文献2では、紐通し具間の開閉紐をそのまま提げ紐とするバッグの開閉紐を何箇所持つのかによって提げ紐の長さを調節している。具体的には、8角形の布地の各頂点付近に配置されている紐通し具の中を吊り下げ用の環状の紐が通され、8角形の布地の各辺付近の紐を何箇所持つのかによって、提げ紐となる紐の長さを調節している。このようなバッグでは、調節後の提げ紐の長さのバリエーションが限られており、細かな長さ調節ができないという問題がある。また、対向している部分の開閉紐を対として持つことができなかった場合、手提げ状態においてバッグが傾いてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−149937号公報
【特許文献2】特開2009−131348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、提げ紐の長さが調節可能であるバッグを提供することを目的とする。特に、バッグの開閉を行うことによって提げ紐の長さが調節可能であるバッグを提供することを目的とする。さらに、バッグの開閉を行うことによって提げ紐の長さを調節する際の煩雑さを低減させたバッグを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、提げ紐の長さを細かく調節することができるバッグを提供することを目的とする。特に、バッグの開閉を行うことによって提げ紐の長さを細かく調節することができるバッグを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、持ち運び時のバランスが良いバッグを提供することを目的とする。さらに、開口部の大きさにかかわらず荷物を収容することができるバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明によるバッグは、展開可能な鞄地と、上記鞄地の外縁に沿って紐渡し区間を隔ててそれぞれ設けられた3以上の紐通し穴と、上記紐通し穴に挿通された開閉紐と、互いに異なる上記紐渡し区間において上記開閉紐に係合され、上記紐通し穴を通過できない形状からなる2個の提げ具と、上記提げ具とは異なる上記紐渡し区間において、上記開閉紐に対しスライド可能に取り付けられ、上記開閉紐上の任意の2点を連結させる開閉具とを備えて構成される。
【0010】
この様な構成により、紐通し穴に開閉紐が挿通され、この開閉紐上の任意の2点を連結させる開閉具が、開閉紐に対しスライド可能に取り付けられており、この開閉具を内向きにスライドさせることによってバッグを閉じることができる。このようなバッグにおいて、開閉具の位置を調節することによって、提げ具が設けられている紐渡し区間における開閉紐の長さ、つまり、提げ紐の長さを調節することができる。
【0011】
また、紐通し穴を通過できない形状からなる2個の提げ具が、互いに異なる紐渡し区間において開閉紐に係合されるとともに、開閉具が提げ具とは異なる紐渡し区間に配置されている。このため、提げ具の移動範囲が紐通し穴により挟まれた紐通し区間に制限され、提げ具の位置が大きくずれるのを防止している。
【0012】
また、鞄地が展開可能であるため、開口部が広く、大きな荷物でも容易に収容することができる。また、開いた状態のバッグを敷物として用いることもできる。
【0013】
第2の本発明によるバッグは、上記構成に加え、上記紐通し穴及び上記開閉具をさらに備え、上記開閉具が、互いに異なる上記紐渡し区間において上記開閉紐に取り付けられ、2個の上記開閉具及び2個の上記提げ具が、上記鞄地の外縁に沿って交互に配置されて構成される。
【0014】
この様な構成により、2個の開閉具及び2個の提げ具が、鞄地の外縁に沿って交互に配置され、各提げ具の両側には開閉具が配置されている。このため、両方の開閉具をスライドさせれば、2個の開閉具からそれぞれ引き出される開閉紐の長さを略同一にすることができる。従って、1個の開閉具のみを備えているバッグに比べ、閉じた状態で開閉具から引き出されている開閉紐の長さを短くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるバッグは、紐通し穴に開閉紐が挿通され、この開閉紐上の任意の2点を連結させる開閉具が、開閉紐に対しスライド可能に取り付けられているため、この開閉具を内向きにスライドさせることによってバッグを閉じることができる。このようなバッグにおいて、上記開閉具の位置を調節することによって提げ紐の長さを調節することができる。従って、従来技術のように紐を結ぶ煩雑さがなく、また、提げ部の長さを細かく調節することができる。
【0016】
また、紐通し穴を通過できない形状からなる2個の提げ具が、互いに異なる紐渡し区間において開閉紐に係合されている。このため、これらの提げ具の間、及び、提げ具と開閉具との間には紐通し穴がそれぞれ介在しており、これらの紐通し穴によって、提げ具の位置が大きくずれるのを防止している。特に、2個の提げ具の位置が互いに大きくずれることに起因して、持ち運び時にバッグのバランスがとり難くなるのを防止している。
【0017】
また、鞄地が展開可能であるため、開口部の狭さに起因して荷物が収容できないということがなく、また、例えば、開いた状態のバッグを敷物として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1によるバッグ100が開いている状態の一例を示した外観図である。
【図2】図1のバッグ100が閉じている状態の一例を示した平面図である。
【図3】図1のバッグ100が閉じている状態の一例を示した側面図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるバッグ101が開いている状態の一例を示した外観図である。
【図5】図4のバッグ101が閉じている状態の一例を示した外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
図1〜図3は、本発明の実施の形態1によるバッグ100の一例を示した図である。図1は、バッグ100が開いている状態を示した図であり、鞄地1を展開させ、バッグ100の全体が略平面状になっている状態が示されている。図2及び図3は、バッグ100を閉じた状態を示した平面図及び側面図であり、開閉紐3を用いて鞄地1を立体的に変形させた状態が示されている。
【0020】
バッグ100は、鞄地1、開閉紐3、開閉具5、2個の提げ具4及び12個の紐通し具2を備えている。12個の紐通し具2は、鞄地1の外縁に沿って、互いに紐渡し区間を隔てて設けられている。これらの紐通し具2には、1本の通し紐からなる開閉紐3が順に挿通され、開閉紐3上の任意の2点を連結させる開閉具5が、この開閉紐3に対しスライド可能に取り付けられている。
【0021】
このため、開いたバッグ100に対して、開閉具5から外側に延びている開閉紐3を持ちながら、この開閉具5を鞄地1に向かう方向へスライドさせることにより、この開閉具5と隣接している紐通し具2が内側に押し込まれて鞄地1の外縁が絞られ、バッグ100を閉じることができる。このようなバッグ100において、開閉具5の位置を調節することによって、提げ具4が設けられている紐渡し区間の開閉紐3の長さ、つまり、提げ紐の長さを調節することができる。
【0022】
鞄地1は、バッグ100の底面部及び側面部を形成するシート材である。鞄地1は、開閉紐3を用いて外縁を絞ることにより立体的形状となる一方、開閉紐3を緩めて外縁を開放すれば、略平面となるように展開させることができる。このため、開口部が広く、大きな荷物でも容易に収容することができる。
【0023】
鞄地1は、提げ具4に対応しない紐渡し区間において、提げ具4に対応する紐渡し区間よりも、折れ曲がり易くなっていることが望ましい。ここでは、提げ具4が設けられていない紐渡し区間の鞄地1には折り癖が施されているのに対し、提げ具4が設けられている紐渡し区間の鞄地1には折り癖が施されていない。このため、バッグ100を閉じた状態において、提げ具4に対応していない紐渡し区間の鞄地1が曲がっているのに対し、提げ具4に対応する紐渡し区間の鞄地1は略曲がっていない。なお、提げ具4に対応していない紐渡し区間の鞄地1には、提げ具4に対応する紐渡し区間の鞄地1よりも折れ曲がり易い素材を用いることもできる。また、提げ具4に対応する紐渡し区間の鞄地1のみに型紙やワイヤーを埋め込んでいても良い。
【0024】
鞄地1の展開状態における形状は任意であり、円形、楕円形、多角形などを採用することができる。また、鞄地1の素材には、例えば、布、革又は合成樹脂を採用することができ、表地及び裏地が異なる素材からなるものであってもよい。例えば、裏地に肌触りの良い素材を用いる一方、表地に防水性のある素材を用いれば、開いた状態のバッグ100を敷物として用いるのに適している。
【0025】
紐通し具2は、開閉紐3と係合させるための係合手段であり、開閉紐3を挿通するための紐通し穴21を備え、長手方向に移動可能となるように開閉紐3を保持している。ここでは、紐通し具2が、細長い基材の両端を鞄地1の外縁周辺に固定具22を用いて固着することにより形成されるループ形状からなり、このループ形状の内側に開閉紐3を挿通させるための紐通し穴21が形成されている。なお、紐通し穴21は、鞄地1の外縁付近に形成された孔であっても良い。
【0026】
開閉紐3は、鞄地1の外縁に沿って設けられた全ての紐通し具2に順に挿通されており、バッグ100の開閉に用いられる。この開閉紐3は、鞄地1の外周よりも長く、開閉紐3を緩めれば、略平面となるまで鞄地1を展開させ、バッグ100を開くことができる。また、開閉紐3を絞り、鞄地1の外縁に沿っている開閉紐3の長さを短くすれば、バッグ100を閉じることができる。つまり、鞄地1の外縁に沿っている開閉紐3の長さは、開口部が開いている状態に比べて、開口部が閉じている状態のほうが短くなっている。
【0027】
なお、バッグ100の持ち運び時には、開閉具5が開閉紐3に対しスライドしないことが望ましい。そこで、開閉紐3は、開閉具5に対し適度な摩擦が生じる素材及び形状からなり、例えば、表面が凹凸の形状からなる。
【0028】
提げ具4は、手提げ用のハンドル又は肩かけ用の肩当てであり、バッグ100では、2個の提げ具4が互いに異なる紐渡し区間において開閉紐3に係合されている。また、提げ具4は、紐通し穴21を通過できない形状からなるため、紐通し穴21を越えて移動せず、同じ紐渡し区間内に保持され、1本の提げ紐に2個の提げ具4が係合することがない。
【0029】
ここでは、各提げ具4が互いに略対向して開閉紐3に係合しているため、これらの提げ具4が持ち運び時にバッグ100の重心軸の近くに位置し、バッグ100のバランスがとり易くなる。なお、提げ具4は、開閉紐3上で移動可能に係合されており、その位置の調節を行うことができる。
【0030】
開閉具5は、開閉紐3上の2点を連結する部品であり、開閉紐3に対しスライド可能に取り付けられており、開閉具5上をスライドさせることにより、開閉紐3上の任意の2点を連結することができる。ここでは、開閉具5が2個の孔を有し、これらの孔に1本の開閉紐3の両端を挿通させることによって、開閉紐3の両端付近を連結してループ状にしている。なお、開閉具5は、紐通し穴21を通過できない形状からなることが望ましい。
【0031】
また、開閉具5は、鞄地1に向かう方向、及び、鞄地1から遠ざかる方向のいずれか一方へスライドすることができる。一方、開閉具5は、バッグ100の持ち運び時には開閉紐3上をスライドしないことが望ましい。そこで、開閉具5は、開閉紐3に対し適度な摩擦を生じる形状又は素材からなる。なお、開閉具5が、スライド動作の停止及び停止解除を制御可能なストッパを備えていても良い。
【0032】
開閉具止め6は、開閉具5が開閉紐3から脱落しないように開閉具5のスライド動作を規制している。ここでは、2個の開閉具止め6が、開閉紐3の両端付近に設けられている。
【0033】
次に、本発明の実施の形態1によるバッグ100の開閉動作を説明する。バッグ100を閉じる動作は、開閉具5を鞄地1に向かう方向へスライドさせることによって行われ、バッグ100を開く動作は、開閉具5を鞄地1から遠ざかる方向へスライドさせることによって行われる。
【0034】
バッグ100を閉じる動作は、ユーザが開閉具5の外側へ延びている開閉紐3を持ちながら、この開閉具5を鞄地1に向かう方向へスライドさせることによって行われる。このため、開閉具5と隣接している紐通し具2が内側へ押し込まれ、鞄地1の外縁に沿っている開閉紐3が短くなり、鞄地1の外縁が絞られるとともに、開閉具5から引き出された開閉紐3の両端部の長さが互いに略同一となった状態で、バッグ100を閉じることができる。
【0035】
このようなバッグ100において、開閉具5の位置を調節することによって、提げ紐の長さを調節することができる。例えば、提げ具4が設けられている紐渡し区間の開閉紐3を鞄地1の外側へ引き出しながら開閉具5を内向きにスライドさせることにより、提げ紐を長く調節しながらバッグ100を閉じることができる。
【0036】
また、提げ具4が紐通し穴21を通過できない形状からなり、開閉具5が、この提げ具4とは異なる紐渡し区間に紐通し具2を隔てて設けられているため、開閉具5を内向きにスライドさせる際、提げ具4が開閉具5の障害になることがない。
【0037】
バッグ100を開く動作は、例えば、鞄地1を把持しつつ、開閉具5を鞄地1から遠ざかる方向へスライドさせることによって行われる。このようにすれば、開閉具5の外側へ引き出されていた開閉紐3が鞄地1側へ移動し、鞄地1の外縁に沿っている開閉紐3が長くなるとともに、鞄地1の外縁が外側へと広がっていき、バッグ100が開く。
【0038】
本実施の形態によれば、紐通し穴21に開閉紐3が挿通され、この開閉紐3上の任意の2点を連結させる開閉具5が、開閉紐3に対しスライド可能に取り付けられているため、この開閉具5を内向きにスライドさせることによってバッグ100を閉じることができる。このようなバッグにおいて、開閉具5の位置を調節することによって提げ紐の長さを調節することができる。従って、バッグ100を閉じる際に提げ紐の長さ調節も可能であり、便利である。さらに、開閉具5の外側に延びている開閉紐3を持ちながら、この開閉具5を内向きにスライドさせることにより、開閉具5から引き出された開閉紐3の両端部の長さが互いに略同一となった状態で、バッグ100を閉じることができる。
【0039】
また、紐通し穴21を通過できない形状からなる2個の提げ具4が、互いに異なる紐渡し区間において開閉紐3に係合されている。このため、これらの提げ具4の間、及び、各提げ具4と開閉具5との間には紐通し穴21がそれぞれ介在しており、これらの紐通し穴21によって、提げ具4の位置が大きくずれるのを防止している。
【0040】
さらに、提げ具4が紐通し穴21を通過できない形状からなり、開閉具5が、この提げ具4とは異なる紐渡し区間に紐通し具2を隔てて設けられているため、開閉具5を内向きにスライドさせる際、提げ具4が開閉具5の障害になることがない。
【0041】
また、鞄地1が展開可能であるため、バッグ100が開いた状態において荷物を鞄地1の上に置いてバッグ100を閉じれば、開口部の狭さに起因して荷物が収容できないということがなく、例えば、開いた状態のバッグ100を敷物として用いることもできる。
【0042】
なお、本実施の形態では、12個の紐通し具2を有するバッグ100の例について説明したが、本発明はこの様な場合のみに限定されない。すなわち、バッグ100は、3個以上の紐通し具2、つまり、3個以上の紐通し穴21を備えていれば良い。
【0043】
実施の形態2.
実施の形態1では、1個の開閉具5を備え、開閉紐3が1本の通し紐からなるバッグ100の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、2個の開閉具5を備え、開閉紐3が2本の通し紐31,32からなるバッグ101の例について説明する。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態2によるバッグ101の一例を示した図であり、バッグ101が開いている状態が示されている。また、図5は、図4のバッグ101が閉じている状態を示した図である。図1のバッグ100と比較すれば、バッグ101では、開閉紐3が2本の通し紐31,32からなり、2個の開閉具5を備えている点で異なる。
【0045】
2本の通し紐31,32は、紐通し具3の紐通し穴21に挿通され、互いに重複しないように鞄地1の外縁に沿って略半円弧状にそれぞれ配置され、2個の開閉具5によって互いに連結されている。2個の開閉具5は、鞄地1を介して略対向するように配置され、また、2個の提げ具4は、互いに略対向するように配置され、互いに異なる通し紐31にそれぞれ係合している。
【0046】
このような構成により、2個の開閉具5及び2個の提げ具4が、鞄地1の外縁に沿って交互に配置され、各提げ具4の両側には開閉具5が配置されている。このため、両方の開閉具5をスライドさせれば、各開閉具5から引き出された通し紐31の長さを略同一にすることができる。従って、1個の開閉具5のみを有するバッグ100に比べ、閉じた状態で開閉具5から引き出されている通し紐31の長さを短くすることができる。
【0047】
また、1個の開閉具5のみを有するバッグ100の場合は、開閉具5をスライドさせると、通し紐31と提げ具4との間の摩擦によって、この開閉具5の方向に提げ具4が引き寄せられ、提げ具4の位置が偏ってしまう。これに対し、本実施の形態では、提げ具4の両側に開閉具5が配置されているため、両方の開閉具5をスライドさせれば、提げ具4が一方の開閉具5の方向にのみ引き寄せられるのを防ぐことができ、提げ具4の偏りを防ぐことができる。従って、各提げ具4を通し紐31に固定させることもできる。
【0048】
本実施の形態によれば、2個の開閉具5及び2個の提げ具4が、鞄地1の外縁に沿って交互に配置されているため、各提げ具4の両側には開閉具5が配置されている。このため、両方の開閉具5をスライドさせれば、各開閉具5から引き出された通し紐31の長さを略同一にすることができる。従って、1個の開閉具5のみを備えているバッグに比べ、閉じた状態で開閉具5から引き出されている通し紐31の長さを短くすることができる。
【0049】
また、提げ具4の両側に開閉具5が配置されているため、両方の開閉具5をスライドさせれば、提げ具4が一方の開閉具5の方向にのみ引き寄せられるのを防ぐことができ、提げ具4の偏りを防ぐことができる。従って、各提げ具4を通し紐31に固定させることもできる。
【0050】
なお、本実施の形態では、12個の紐通し具2を有するバッグ101の例について説明したが、本発明はこの様な場合のみに限定されない。すなわち、バッグ101は、4個以上の紐通し具2、つまり、4個以上の紐通し穴21を備えていれば良い。
【符号の説明】
【0051】
100,101 バッグ
1 鞄地
2 紐通し具
21 紐通し穴
22 固定具
3 開閉紐
31,32 通し紐
4 提げ具
5 開閉具
6 開閉具止め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開可能な鞄地と、
上記鞄地の外縁に沿って紐渡し区間を隔ててそれぞれ設けられた3以上の紐通し穴と、
上記紐通し穴に挿通された開閉紐と、
互いに異なる上記紐渡し区間において上記開閉紐に係合され、上記紐通し穴を通過できない形状からなる2個の提げ具と、
上記提げ具とは異なる上記紐渡し区間において、上記開閉紐に対しスライド可能に取り付けられ、上記開閉紐上の任意の2点を連結させる開閉具とを備えたことを特徴とするバッグ。
【請求項2】
上記紐通し穴及び上記開閉具をさらに備え、
上記開閉具は、互いに異なる上記紐渡し区間において上記開閉紐に取り付けられ、
2個の上記開閉具及び2個の上記提げ具が、上記鞄地の外縁に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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