説明

バッテリパックにおける過度な不足電圧の回復

1つの実装において、バッテリシステムを充電する方法が提供される。方法は、充電器がバッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることを含み、バッテリシステムは、1つ以上のセルと、充電可能なトランジスタとを含む。方法はまた、セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回ったかを決定することを可能にすることを含む。セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回った場合には、低下された速度においてセルの充電を可能にすることは、充電トランジスタのゲート端子に印加される電圧を調節することにより、充電器によって検知された電圧を所定の第2の電圧レベルを下回るレベルに調整することを含む。さらに、セルの電圧が所定の第1の低電圧レベルに到達したときには、方法は、充電トランジスタを実質的に完全に動作可能にすることにより、充電器によって全速で充電することを可能にすることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの現在のポータブルデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、メディアプレーヤ、携帯端末(PDA)、ゲームコンソールなど)は、バッテリパックを含む。従来のバッテリパックの1つの特定のタイプは、1つ以上の集積回路(IC)チップに接続された1つ以上のバッテリセルを含む。チップは、一般的に、コントローラ(例えば、マイクロコントローラ)と回路とを含み、そして、特に、バッテリセルの管理と保護とを提供する。
【0003】
一部の従来のバッテリパックは、Li−イオン(リチウムイオン)バッテリセルを含み、該Li−イオンバッテリセルは、本質的に、円筒の内側にパッケージされた揮発性の化学反応である。電位エネルギーが各セルに格納されており、バッテリセルが仕様から外れた条件にさらされている場合には、セルは、過熱したり、燃えたり、爆発したりし得る。これらの揮発性セルを用いて構成された従来のバッテリパックは、一般的に、危険な状況(例えば、過電流の充電または放電、短絡など)を検出するための、そして、バッテリセルおよび/またはデバイスに対する損傷を防止し、かつ、エンドユーザを保護する調整動作を取るためのフェールセーフ回路を含む。
【0004】
従来の再充電可能なバッテリは、放電の後に、充電器を用いて充電され得る。あるバッテリ技術(例えば、Li−イオンおよびリチウムポリマ)が充電されるときには、危険な状況を回避するために充電システムに制約が置かれる。1つのかかる制約は、セルの電圧が、一般的に過度な不足電圧(DUV)の状態と呼ばれる一定のレベルを下回ったときに、これらのセルを充電することに関する。過度な不足電圧の状態は、過度な放電またはバッテリパックが最初に充電されるときに生じ得る。過度な不足電圧の状態からセルを充電するときには、一般的に、通常よりも低い充電電流が、一定の期間(すなわち予備充電期間)使用される。セル電圧が一定のレベルに上昇したあとに、充電器は、セルに対する充電時間を最小にするために通常の充電モードに切り替わり得る。記述されたような従来のシステムにおいて、充電器は、主に、充電器が検知したセルの電圧レベルに基づいて、予備充電から通常充電または急速充電への切り替えが生じるときを決定する。
【0005】
一部の従来のバッテリパックにおいて、2つの外部トランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ(FET))は、バッテリセルと直列で接続され、そして、セルの充電および放電を可能にするように動作可能および動作不能にされる。トランジスタは、セルが1つ以上のモニタリングされた条件に基づいて充電器またはデバイスのいずれかから接続を断たれることを可能にすることにより、不適切な動作または危険な動作を回避する。ハイサイドのソリューションと呼ばれる1つの構成において、2つのトランジスタが、セルの正極端子と正極バッテリパックの端子(例えば、デバイスに対する外部の正極端子インタフェース)との間で直列に接続される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実装において、装置、方法およびコンピュータプログラム製品が、バッテリシステムを充電するために使用される。概して、一局面において、バッテリシステムを充電する方法が提供される。方法は、充電器がバッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることを含み、該バッテリシステムは、1つ以上のセルと、充電可能なトランジスタとを含む。方法はまた、セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回ったかを決定することを可能にすることを含む。セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回った場合には、低下された速度においてセルの充電を可能にすることは、該可能にすることは、充電トランジスタのゲート端子に印加される電圧を調節することにより、充電器によって検知された電圧を所定の第2の電圧レベルを下回るレベルに調整することを含む。さらに、セルの電圧が所定の第1の低電圧レベルに到達したときには、方法は、充電トランジスタを実質的に完全に動作可能にすることにより、充電器によって全速で充電することを可能にする。
【0007】
方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。充電トランジスタのゲート端子に印加される電圧を調節することは、充電トランジスタを部分的に動作可能にすることを含み得る。充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、セルの電位が所定の第1の低電圧レベルを超過するまで充電トランジスタを部分的に動作可能にすることを含み得る。充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、セルの電位とバッテリシステムのバッテリシステムモニタ回路に電力を供給するために必要とされる最小動作電圧との間の差よりも高くなるように、充電トランジスタにおける電位を調節することを含み得る。充電トランジスタを部分的に動作可能にすることはまた、充電器によって検知された電圧が、充電器が低下された充電速度から通常の充電速度に切り替わる電圧レベルよりも低くなるように、充電トランジスタにおける電位を調節することを含み得る。
【0008】
バッテリシステムは、バッテリモニタリング回路を含むバッテリ管理システムを含み得、そして、充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、充電トランジスタに対する駆動信号を調節することにより、バッテリ管理システムに対する入力において検知された電圧を、セルの電位とバッテリ管理システムに対する最小動作電圧との間の差よりも高いレベルに維持することを含み得る。バッテリシステムは、バッテリモニタリング回路を含むバッテリ管理システムを含み得、そして、充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、充電トランジスタに対する駆動信号を調節することにより、バッテリ管理システムに対する入力において検知された電圧を、充電器がバッテリ管理システムに対する低下された充電速度から通常の充電速度に切り替わる電圧レベルよりも低いレベルに維持することを含み得る。
【0009】
方法はさらに、低下された速度においてセルを充電することに先立ち、バッテリシステムにおけるモニタリング回路を動作可能にすることと、セルの低下された速度の充電をモニタリングすることとを含み得る。方法は、さらに、充電の間に、前記バッテリシステムの安全をモニタリングすることと、充電の間に、バッテリシステムのセルの容量の変化をモニタリングすることとを含み得る。
【0010】
充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、バッテリシステムの動作電圧が、事前に定められた最大値を上回っているかを決定することを含み得、上回っている場合には、充電トランジスタに与えられる駆動電圧を増加させる。さらに、充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、バッテリシステムの動作電圧が事前に定められた最小値を下回っているかを決定することを含み、下回っている場合には、充電トランジスタに与えられた駆動電圧を減少させる。
【0011】
概して、一局面において、バッテリシステムを充電する方法が提供される。方法は、充電器がバッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることを含み、該バッテリシステムは、1つ以上のセルと、充電可能なトランジスタと、充電モニタ制御回路とを含む。方法はまた、セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回ったかを決定することを可能にすることを含む。セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回った場合には、方法は、低下された速度において該セルを充電することを可能にすることを含み、該可能にすることは、充電トランジスタを部分的に動作可能にすることを含む。セルの電圧が所定の第1の低電圧レベルに到達したときには、充電トランジスタ実質的に完全に動作可能にすることにより、充電器によって全速で充電することを可能にする。充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、充電器によって検知された電圧を所定の第2の電圧レベルを下回るレベルに調整することを含み得る。
【0012】
概して、別の局面において、バッテリシステムを充電する方法が提供される。方法は、充電器が充電トランジスタによってバッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることを含む。方法はまた、バッテリシステムの1つ以上のセルが低下された速度の充電を可能にする所定の第1の閾値を下回る電圧にある間に、充電トランジスタを部分的に動作可能にされた状態にすることを可能にすることを含む。さらに、方法は、決定された電圧レベルが全速の充電を可能にする所定の第1の閾値以上である場合に、充電トランジスタを完全に動作可能にされた状態にすることを可能にすることを含む。
【0013】
概して、一局面において、方法が提供される。方法は、充電器がバッテリシステムに接続されていることを決定することを可能にすることを含む。バッテリシステムは、1つ以上のセルと、1つ以上のセルの充電レベルをモニタリングするモニタリング回路と、1つ以上のセルの充電を可能にする充電トランジスタと、充電トランジスタのゲート端子を駆動する駆動回路とを含む。方法はまた、1つ以上のセルの電圧レベルをモニタリングすることと、モニタリングされた電圧レベルが第1の閾値の電圧レベルを下回っているかを決定することとを含む。モニタリングされた電圧レベルが第1の閾値レベルを下回った場合には、方法は、低下された速度においてセルを充電することを可能にすることを含み、該可能にすることは、充電トランジスタのゲート端子を部分的に動作可能にすることを含む。モニタリングされた電圧が第1の閾値の電圧レベルを超過したときには、方法は、充電トランジスタを実質的に完全に動作可能にすることを含む。低下された速度で充電することを可能にすることは、充電器によって検知された電圧を調整することを含み得る。
【0014】
概して、一局面において、バッテリ管理システムが提供される。システムは、バッテリパックの1つ以上のセルの電圧レベルを検出するように動作できるモニタを含む。システムはまた、少なくとも3つのモードのうちの1つで充電トランジスタを駆動するように動作できる駆動回路を含む。駆動回路は、第1の低電圧モードにおいて充電トランジスタを駆動するように動作できる、該駆動することは、充電トランジスタが外部充電器によって検知された電圧を調整することを部分的に可能にすることを含み、該駆動することは、第2の停止モードにおいて充電トランジスタを駆動することにより、充電を不能にするように動作でき、そして、該駆動することは、第3の駆動モードにおいて充電トランジスタを駆動することにより、完全な充電を可能にするように動作できる。
【0015】
概して、別の局面において、装置が提供される。装置は、ハイサイドのNFET充電トランジスタと、ハイサイドのNFET充電トランジスタを駆動する駆動回路と、充電されるバッテリセルの電圧レベルをモニタリングするモニタ回路とを含む。装置の駆動回路は、バッテリセルの電圧レベルが、充電器の存在している間に、第1の閾値レベルを下回っている場合には、ハイサイドのNFETの充電トランジスタを部分的に動作可能にするように動作できる。
【0016】
概して、一局面において、装置が提供される。装置は、バッテリパックの充電トランジスタを駆動する駆動回路と、充電されるバッテリセルの電圧レベルをモニタリングするモニタ回路とを含む。駆動回路は、バッテリセルの電圧レベルが、充電器の存在している間に、第1の閾値レベルを下回っている場合には、充電トランジスタを部分的に動作可能にするように動作できる。
【0017】
概して、一局面において、方法が提供される。該方法は、バッテリパックと関連付けられるセルの電圧レベルをモニタリングすることにより、モニタリングされた電圧レベルが第1の閾値の電圧レベルを下回っているかを決定することを含む。方法はまた、充電器がバッテリパックに接続されたかを決定することを可能にすることと、セルの電位が第1の閾値レベルを超過するまで充電器によって検知された電位を調整することとを含む。
【0018】
本発明の局面は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。充電サイクル全体における充電プロセスのモニタリングを可能にするバッテリ充電システムが提案される。モニタリングを可能にするために、過度な不足電圧の条件から回復するときでさえ、充電モニタ回路が電力を供給され、充電の開始に先立って動作可能にされ得る。さらに、過度な不足電圧の条件からの充電サイクルにおいて、充電トランジスタが、特定のバッテリ構成に対して作動され得る。部分的充電モードは、セルの電位が急速充電モードまたは通常充電モードにいてセルの安全な充電を可能にするために充分なレベルに上昇するまで維持され得る。
【0019】
提案されたシステムにおいて、充電器がバッテリ管理システムに接続されたときに、充電トランジスタは部分的に動作可能にされる。部分的な動作可能化は、充電器によって(すなわち、急速モードのレベル/通常モードのレベルを下回るレベルにおいて)検知された電圧レベルの調整が、充電器がモードを切り替えることを防止することを可能にする。提案されたシステムにおいて、これは、最小の動作レベルを上回る、バッテリ管理システム(例えば、マイクロコントローラ(例えば、1つのチップまたは複数のチップ)を含む集積回路コンポーネント)に対する供給電圧を維持している間に達成される。バッテリ管理システムコンポーネントの動作電圧を維持することによって、モニタリング機能が、(例えば、過度な不足電圧の回復からのモニタリングと、セルに加えられる電荷を正確にモニタリングすることとを確実にするために)充電サイクル全体の間に動作可能にされ得る。
【0020】
一実装において、提案されたシステムは、ハイサイドのNFETトランジスタを用いた過度な不足電圧の回復を可能にし、かかるシステムは、より費用効果が高く、費用効果の高い高電圧CMOSプロセスで製造されることが可能である。さらに、NFETは、同様のサイズのPFETよりも低いオン抵抗を有する。したがって、ハイサイドのNFETトランジスタを含む提案されたシステムは、より安価なおよび/またはより少ないトランジスタを用いて実装され得る。
【0021】
提案されたハイサイドソリューションはまた、従来のローサイドソリューションよりも有利である。ローサイドのFETソリューションに対する従来のドライバは、CMOS内に容易には実装されない。なぜならば、接地よりもかなり低い出力電圧が、FETを動作不能にするために必要とされるからである。ローサイドのFETを有する従来のバッテリパックは、バイポーラ技術またはBiCMOS技術を必要とする。1つの提案されたソリューションは、完全に統合されたハイサイドソリューションを含み、該ハイサイドソリューションにおいては、高電圧のフロントエンドコンポーネントと、マイクロコントローラと、不揮発性メモリとが単一のチップに組み込まれている。完全に統合されたCMOSソリューションと比較して、バイポーラソリューションは、マイクロコントローラユニットと不揮発性メモリとの費用効果の高い統合を可能にしない。BiCMOS技術は、実行するためにかなり費用がかかる。
【0022】
同様に、通信ポートを含む提案されたバッテリ管理システムは、通信信号のレベルとバッテリ管理システムの接地とに関連付けられる、ローサイドソリューションによってもたらされる困難を伴うことなく、ハイサイドソリューションにおいて容易に実装され得る。しかしながら、ローサイドソリューションが、なお、望ましい場合には、充電トランジスタの部分的動作可能化に関連する、本明細書において記述された教示が、それでもやはり、開示されたような利点を提供する。さらに、NFETソリューションが記述されているが、充電トランジスタの部分的動作可能化は、PFETソリューションにおいても同様に使用され得る。
【0023】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面と以下の記述とにおいて述べられる。本発明の他の特徴、対象、および利点は、記述および図面ならびに特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
様々な図面における同様な参照記号は、同様な要素を示す。
【0025】
ワンチップバッテリ管理システムに参照が行われ、該ワンチップバッテリ管理システムにおいては、マイクロコントローラと不揮発性メモリと他の回路コンポーネントとが、単一の集積回路に統合されている。あるいは、提案される方法およびシステムは、マルチチップソリューションで実現され得る。開示される方法とシステムとは、当業者には理解されるように、これらのアーキテクチャと他のアーキテクチャとにおいて実装され得る。方法と装置とシステムとが、ある方法における過度な不足電圧(すなわち、非常に低いセル電圧)の回復に対して記述されており、該方法は、適切な電力がバッテリ管理システムの回路素子に供給される(例えば、適切な供給がバッテリ管理システムに提供されるので、モニタリング機能が動作可能にされ得る)ことを確実にし、同時に、関連付けられる充電器が、過度な不足電圧の回復中を含み、システムのセルを充電するように適切に構成されることを同様に確実にする。
【0026】
(バッテリ管理システムを含むバッテリパック)
ここで、図1Aを参照すると、用途50における使用のためのバッテリパック100が示されている。バッテリパック100は、デバイス102または充電器104のいずれかに結合され得る。充電器104に接続されるときには、バッテリパック100の端子(すなわち、正極端子および負極端子、ならびに任意的に通信端子)が、媒体106によって、充電器104の対応する端子(すなわち、正極端子および負極端子ならびに通信端子)に接続されることにより、バッテリパック100と関連付けられるセルの充電を可能にする。媒体106は、ワイヤ、導線、ピン、または他の電気接続手段の形態のものであり得る。充電が以下でさらに詳細に考察される。
【0027】
同様に、デバイス102に接続されるときには、バッテリパック100の端子(すなわち、正極端子および負極端子ならびに通信端子)は、媒体108によって、デバイス102の対応する端子(すなわち、正極端子および負極端子ならびに通信端子)に接続されることにより、デバイス102の動作を可能にする。媒体108は、ワイヤ、導線、ピン、または他の電気接続手段の形式のものであり得る。一部の実装において、バッテリパック100はまた、それぞれの通信ポートにおいて、デバイス102と充電器104とに接続される。通信ポートは、デバイス102および/または充電器104とバッテリパック100との間の情報(例えば、命令および制御)の伝送を可能にする。交換され得る情報の一例は、バッテリ充電レベル(すなわち、容量)を含む。
【0028】
ここで、図1Bを参照すると、バッテリパック100に対して、より詳細な概略図が提供されている。バッテリパック100は、1つ以上のバッテリセル120と、ディスクリートトランジスタ110およびディスクリートトランジスタ112と、分流抵抗器114と、バッテリ管理システム130とを含む。バッテリ管理システム130は、以下で記述されるように、複数のコンポーネントを含み、該複数のコンポーネントは、単一のパッケージに統合され得る(例えば、単一の集積回路に統合され得る)。あるいは、バッテリ管理システム130のコンポーネントは、別個にパッケージされ得る。ディスクリートトランジスタ110とディスクリートトランジスタ112とは、バッテリ管理システム130から分離されて別個のパッケージに含まれたり、バッテリ管理システム130のコンポーネントと共にパッケージされたりし得る。
【0029】
ディスクリートトランジスタ110とディスクリートトランジスタ112とは、外部のバッテリパックの端子(外部のバッテリパックの正極端子140および負極端子150)からバッテリセル120の接続を断つために使用される。示された実装において、2つのディスクリートトランジスタが示されており、該2つのディスクリートトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)の形態のものであり得る。他のトランジスタ技術が使用され得るが、FETは、処理、性能(例えば、オン抵抗)、コスト、サイズなどの点で利点を示す。示された実装において、2つのトランジスタが提供され、別個の充電トランジスタ110と放電トランジスタ112とを示す。充電トランジスタ100は、バッテリセル120の安全な充電を可能にするために使用される。放電トランジスタ112は、バッテリセル120の安全な放電を可能にするために使用される。充電トランジスタ110と放電トランジスタ112とは、直列で接続されている。一実装において、2つのNFETトランジスタが使用され、かつ、直列の構成においてドレインとドレインとで接続される。あるいは、2つのPFETが使用され、ソースとソースとで接続され得る。PFETソリューションにおいて、示されていない追加のダイオードがバッテリ管理システム130に電力を提供するために(すなわち、Vfetを供給するために)必要とされ得る。
【0030】
示された実装において、充電トランジスタ110と放電トランジスタ112とは、ハイサイド構成において接続される(すなわち、直列のトランジスタが、ローサイド構成とは対照的に、バッテリセルのハイサイドに接続される)。示されたハイサイド構成において、充電トランジスタ110の1つの端子(NFETの実装におけるソース)がバッテリセル120−1の正極端子に接続される。放電トランジスタ112の1つの端子(同様にNFETの実装におけるソース)が外部のバッテリパックの正極端子150に接続される。充電トランジスタ110および放電トランジスタ112のそれぞれの第2の端子は、互いに接続される(NFETの実装におけるドレインドレイン接合を形成する)。充電トランジスタ110および放電トランジスタ112のゲートが、入力OCおよび入力ODのそれぞれにおいてバッテリ管理システム130に接続される。同様に、トランジスタ110とトランジスタ112との接合部がチップ入力(時には、本明細書においてVfetと呼ばれ、そして、図1BにおいてVfetとラベル付けられている)においてバッテリ管理システム130に接続されている。チップ入力は、動作電力をバッテリ管理システム130に提供する。
【0031】
示された実装において、2つのトランジスタが両方向への電流フローを遮ることを可能にすることを必要とされる。さらに詳細には、FETは、寄生ダイオード(それぞれ110−1および112−1とラベル付けされている)を含み、したがって、単一のFETを有することは、両方向への電流フローの不能化を可能にしない。2つのFETが直列(ソースからソースまたはドレインからドレインのいずれか)で使用されるときには、バッテリセルへの電流フローおよびバッテリセルからの電流フローが不能にされ得る。同様に、2つのトランジスタが使用されるときには、選択的な制御が用いられることにより、所与の時間において単一方向のみの電流フローを可能にし得る(すなわち、充電は可能にされるが、充分な充電がバッテリセルに行われるまで放電は可能にされない)。
【0032】
バッテリセル120は、再充電可能なバッテリであり、リチウムイオン(Li−イオン)またはリチウムポリマ(Li−ポリマ)の形態のものであり得る。他のバッテリ技術のタイプが可能である。複数のセルが提供される場合には、バッテリセル120は、直列で接続される。示された2つのセルの実装において、バッテリセル120−1の最上部の正極端子が、(例えば、バッテリの電圧レベルの検出を可能にするために)バッテリ管理システム130に接続され、かつ、ディスクリートトランジスタのうちの1つ(すなわち、充電トランジスタ110)に接続される。最上部のバッテリセル120−1の負極端子と、最低部のバッテリセル120−2の正極端子とが共に接続され、かつ、入力170においてバッテリ管理システム130に接続される。直列における最低部のバッテリセル120−2の負極端子は、(例えば、バッテリの電圧レベルの検出を可能にするために)バッテリ管理システム130に接続され、かつ、分流抵抗器114の1つの端子に接続される。2つのバッテリセルの実装が示されているが、他の数のバッテリセルが、単一セル構成または多重セル構成を含むバッテリパック100に含まれ得る。分流抵抗器の第2の端子がローカル接地(高性能バッテリのローカル接地)に接続され、(分流抵抗器114を通る電流フローの測定を可能にするために)バッテリ管理システム130に接続され、そして、バッテリパック100の外部バッテリパックの負極端子140に接続される。
【0033】
バッテリ管理システム130は、不適切な動作の場合にバッテリパックを保護する監督電子機器と、残存バッテリ容量を推定するモニタリング電子機器と、システムの制御ならびにバッテリパックに接続されたデバイスおよび/または充電器との通信のためのコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)と、メモリ(例えば、EEPROM、フラッシュROM、EPROM、RAMなど)とを含む。上に記述されたように、あるバッテリ技術は、不適切に使用された場合に、危険な状況を作り出し得る。例えば、Li−イオンバッテリおよびLi−ポリマバッテリが、あまりに急速に過充電されたり、過放電されたりした場合には、Li−イオンバッテリおよびLi−ポリマバッテリは、過熱したり、爆発したり、自然発火したりし得る。さらに、Li−イオンバッテリおよびLi−ポリマバッテリが、あまりにも過度に放電された場合には、Li−イオンバッテリおよびLi−ポリマバッテリは、かなりの量の充電容量を失い得る。バッテリ管理システム130は、監視電子機器を含むことにより、障害のない動作を確実にし、該障害のない動作のうちの1つは、過度な不足電圧の状態からの回復である。過度な不足電圧からの回復が、以下でさらに詳細に考察される。
【0034】
バッテリ管理システム130の一部分であるモニタリング電子機器が、残存バッテリ容量を推定するために使用され得る。バッテリの容量情報は、通信ポート端子160によってバッテリ管理システム130と接続されたデバイス/充電器との間で通信され得る。以下でさらに詳細に考察されるように、マイクロコントローラ(および関連付けられるメモリ)は、バッテリ管理システム130の中に含まれ得、そして、システムの制御と、接続されたデバイス/充電器との通信とを提供し得る。
【0035】
(バッテリ管理システム)
図2は、バッテリパック100において使用される例示的なバッテリ管理システム130のブロック図を示す。バッテリ管理システム130は、概して、プロセッサ202(例えば、RISCアーキテクチャに基づいた低電力のCMOS8ビットマイクロコントローラ)と、バッテリ保護回路204と、電流フローコントローラ206と、電力監視210と、充電検出器212と、クロック生成器214と、ポート216と、メモリ218と、電圧基準220と、ウォッチドッグタイマ222とを含む。プロセッサ202と、ポート216と、バッテリ保護回路204と、電圧基準220とが、それぞれデータバス224に接続される。
【0036】
バッテリ管理システム130の実際の実装は、他のコンポーネントと他のサブシステムとを含み得、該他のコンポーネントと該他のサブシステムとは、明瞭さのために図2からは取り除かれている。例えば、チップ130は、バッテリのモニタリングのための回路(例えば、アナログデジタルコンバータ)と、セルの電圧の均衡を保つためのセルバランシング回路(例えば、セルバランシングFET)と、外部デバイスと通信するための通信デバイスと、ノイズ抑制回路と、警鐘タイマーと、他のモニタまたは他の制御回路とを含み得る。
【0037】
メモリ218は、セルの均衡を保つこと、バッテリの保護、充電のレベルを決定するために電流を測定することなどの様々なタスクを行うためにプロセッサ202によって実行され得る命令を用いてプログラムされ得る。
【0038】
一部の実装において、電流フローコントローラ206は、いくつかの出力(例えば、OC、OD)を有し、該いくつかの出力(例えば、OC、OD)は、外部デバイスに接続され、該外部デバイスは、電流フローコントローラ206によって構成され得ることにより、バッテリセルとデバイスまたは充電器との間の電流フローを制御し得る。電流フローコントローラ206は、出力(OCおよびOD)において電圧を生成するために様々な回路およびロジック(例えば、演算増幅器、制御レジスタおよびステータスレジスタ、トランジスタ、コンデンサ、ダイオード、インバータ、ゲートなど)を含む。一部の実装において、OC出力は、高電圧の出力であり、該高電圧の出力は、充電イベント中に電流フローを制御するために充電FETを完全にまたは部分的に動作可能にしたり、動作不能にしたりするために、充電FET(例えば、充電トランジスタ110)のゲートに接続されている。OD出力は、高電圧の出力であり、該高電圧の出力は、放電イベント中に電流フローを制御するために放電FETを完全にまたは部分的に動作可能にしたり、動作不能にしたりするために、放電FET(例えば、放電トランジスタ112)のゲートに接続されている。図1Bは、電流フローコントローラ206からの制御電圧に応答して電流フローを制御するための、ハイサイドの実装におけるFETデバイスの例示的な構成を示す。
【0039】
電流フローコントローラ206は、インタフェース240によってバッテリ保護回路204に接続されている。バッテリ保護回路204は、バッテリセルの電圧および充電電流/放電電流をモニタリングするための回路(例えば、差動増幅器)を含むことにより、障害状況を検出し、かつ、バッテリパック100を損傷から保護する行動(例えば、充電FETおよび放電FETを動作不能にしたり、部分的に動作不能にしたりすること)を開始する。障害状況の例は、限定するものではないが、放電中の過度な不足電圧と、放電中の短絡と、充電および放電中の過電流とを含む。一部の実装において、電流センスレジスタ(Rsense、すなわち、分流抵抗器114)は、バッテリ保護回路204のPPI入力およびNNI入力を横切って接続され得、PPIは、電流センスレジスタからのフィルタリングされていない正の入力であり、NNIは、電流センスレジスタからのフィルタリングされていない負の入力である。電流センスレジスタは、図1Bに関して記述されたように、バッテリセル120とバッテリ管理システム130とに接続され得る。
【0040】
(過度な不足電圧の回復回路を含むゲートドライバ)
ここで、図3を参照すると、バッテリパック100の高電圧の前端における充電トランジスタ(OC FET)と関連付けられる駆動回路300が示されている。駆動回路300は、図2の電流フローコントローラ206の一部分を形成し、ゲートドライバ302と、高イネーブル信号304および低イネーブル信号306のそれぞれと、過度な不足電圧の回復モード信号308と、回復回路310と、DUVR最大312とDUVR最小314とでそれぞれラベル付けされた2つの基準信号とを含む。
【0041】
ゲートドライバ302は、高イネーブル信号入力304と低イネーブル信号306とのそれぞれを含む複数の入力を含む。ゲートドライバ302はまた、入力として、回復回路310の出力信号(例えば、ANDゲート320の出力)を受信する。ゲートドライバ302は、充電ポンプ(図示せず)を含み、該充電ポンプは、図1の充電トランジスタ110のゲートに駆動信号を提供するために使用される。OCでラベル付けされた出力信号は、充電トランジスタ110のゲート入力に接続される。以下でさらに詳細に考察されるように、ゲートドライバは、2つのモード:高モード、低モード、または部分的に動作可能にされたモードのうちの1つにおいて構成され得る。高モードにおいて、充電トランジスタのゲートは、ゲートドライバ302によって提供される駆動信号によって実質的に充分に動作可能にされる(すなわち、高イネーブル信号304に応答する)。低モードにおいて、充電トランジスタのゲートは、ゲートドライバ302によって提供された駆動信号によって実質的に充分に動作不能にされる(すなわち、低イネーブル信号306に応答する)。部分的に動作可能にされたモードにおいて、充電トランジスタのゲートが駆動されることにより、充電トランジスタにおける(すなわち、充電トランジスタのドレインソース接合における)電位を調整し、それにより、充電器によって検知された電位、およびバッテリパックに対する入力(すなわち、Vfet)において検知された電位を制限する。部分的に動作可能にされたモードにおいて、代替的に、充電トランジスタのゲートに提供される駆動信号が、充電トランジスタをさらに動作可能にするためにゲート駆動信号を増加させるために、(例えば、ゲートドライバにおける充電ポンプによって)ポンピングされたり、(例えば、スイッチ330を切り替え、レジスタ332による放電を可能にすることによって)所定の数のサイクルの間、低減されたりし得る。部分的に動作可能なモードにおいて、ゲートドライバ302は、実質的に一定であり、かつ、DUVR最大およびDUVR最小の基準信号(例えば、DUVR最大312およびDUVR最小314)によって画定される帯域の範囲内にあるレベルに充電器によって検知された電位を維持する(すなわち、Vfet405を調整する)。
【0042】
当業者は、(ゲートドライバ302の充電ポンプのポンピングと、スイッチ330を用いた放電とを含む)上に記述されたような充電トランジスタのゲートの駆動信号の部分的動作可能化は、単なる例示であることを認識する。充電トランジスタの部分的動作可能化は、様々な手段によって達成され得る。充電トランジスタを部分的に動作可能にするシステムが図3と関連して示されている。あるいは、他の構成が可能である。例えば、駆動の詳細を含む部分的イネーブル信号(すなわち、ゲートが駆動される量のレベルにおいて変化させられる信号)が、入力としてゲートドライバ302に提供され得る。部分的イネーブル信号に応答して、充電トランジスタのゲートが、部分的イネーブル信号に示されたレベル(すなわち、部分レベル)において駆動され得る。あるいは、ステップ機能がゲートドライバによって使用され得、部分的イネーブル信号は、単に、次のレベルにステップ(アップまたはダウン)するときを知らせるだけである。ゲートドライバ302の部分的動作可能化の詳細が、回復回路310と関連付けられて、そして、図5において考察される充電プロセスとも関連付けられて以下でさらに詳細に考察される。
【0043】
回復回路310は、過度な不足電圧の回復のための回路を含む。回路310は、一実装において、ゲートドライバ302を部分的に動作可能にすることを制御するために使用され得る。一実装において、回復回路310は、組み合わせロジックと、2つの比較器と、スイッチとを含む。特に、示された実装において、回復回路310は、2つのANDゲート320およびANDゲート322と、2つの比較器324および比較器326と、スイッチ330とを含む。
【0044】
ANDゲート320およびANDゲート322のそれぞれの1つの入力が、DUVRモードの信号308によって提供される。DUVRモードの信号308は、過度な不足電圧モードの信号であり、該過度な不足電圧モードの信号は、例えば、図2のマイクロコントローラ220によって提供され得る。DUVRモードの信号308は、バッテリパックが過度な不足電圧の回復にあるとき(例えば、セルが、過度に放電されたとき、および通常の動作前に特別な充電を必要とするとき)に、動作可能にされる。DUVRモードの信号308は、最小の電位レベルに対するセルの電位レベルの比較に応答して生成され得る。セルの電圧レベルは、例えば、バッテリ管理システム130におけるモニタによって直接的に測定され得る。ANDゲート320に対する第2の入力信号が、比較器324の出力に接続される。ANDゲート322に対する第2の入力信号が、比較器326の出力に接続される。
【0045】
上に記述されたように、ANDゲート320の出力が、ゲートドライバ302の高イネーブル入力に接続される。ANDゲート322の出力は、スイッチ330のゲートに接続される。スイッチ330は、トランジスタの形態のものであり、ANDゲート322の出力は、図3に示されているように、トランジスタ330のゲートを駆動するために使用され得る。示された構成において、スイッチ330と、バッテリ管理システム130に対する接地地点との間の信号経路は、任意的に放電レジスタ332を含み得る。スイッチ330を完全に切り替えること(例えば、ゲートに、トランジスタを実質的に完全に動作可能にさせること)によって、駆動回路300によって充電トランジスタに配信される出力信号が低減させられ得る(したがって、充電トランジスタを部分的に動作不能にする)。スイッチおよびレジスタ322の動作が、ゲートドライバ302と共に以下でさらに詳細に考察される。
【0046】
比較器324および比較器326のそれぞれの1つの入力が、入力信号350によって提供される。さらに詳細には、比較器324に対する第1(「+」または非反転)の入力が入力信号350に接続される。同様に、比較器326の第2(「−」または反転)の入力が入力信号350に接続される。本明細書においてチップ入力またはVfetのいずれかで呼ばれる入力信号350は、バッテリ管理システム130に対する動作電位信号である。入力信号350は、実質的に、直列のトランジスタ間のノードにおいて検知された電位(例えば、NFETのハイサイドソリューションにおける充電OCトランジスタと放電ODトランジスタとのドレイン間のノードにおける電位)を表す。一部のシステムにおいて、これが、バッテリ管理システム130に対するチップ入力、入力電圧、VfetまたはVccと呼ばれる。
【0047】
比較器324に対する第2の入力(「−」入力または反転入力)が、DUVR最大の基準信号312によって提供される。比較器326に対する第1の入力(「+」入力または非反転入力)が、DUVR最小の基準信号314によって提供される。一実装において、DUV最小の基準信号が、バッテリ管理システム130に対する実質的に最も低い動作地点になるように設定される(例えば、Vfetが通常のバッテリ管理システム130の動作に対する最小値にある)。1つの単一セルの実装において、DUVR最小の基準信号のレベルは、実質的に、0.9xボルトであり、ここで、xは、実数の乗数である。1つの多重セルの実装において、DUVR最小の基準信号のレベルは、実質的に、1.8xボルトである。同様に、一実装において、DUV最大の閾値レベルは、充電器における予備充電モードから急速充電モードまたは通常充電モードへのモードの遷移と関連付けられる遷移レベルのすぐ下(すなわち、予備充電の閾値レベルのすぐ下)に設定される。1つの単一セルの実装において、DUVR最大の基準信号のレベルは、実質的に、1.1xボルトである。1つの多重セルの実装において、DUVR最大の基準信号のレベルは、実質的に、2.0xボルトである。
【0048】
(動作)
ここで、図4に示された充電グラフと関連付けて、ゲートドライバ302と回復回路310との動作に、参照が行われる。充電グラフ400は、X軸(時間)とY軸(電位)とを含み、駆動回路と関連付けられる様々な信号の状態(バッテリ管理システムに対する入力電位Vfet405、セル電位VCELL410と、トランジスタを充電する駆動信号VOC415、および充電器によって検知された電位VBATT420(すなわち、バッテリパックの「+」端子において検知された電位))を示す。4つの期間が、リセット(時間1)、充電器の接続および流入(期間1〜2)、部分的充電(期間2〜3)および従来の充電(期間3−4)によって特徴付けられて示されている。
【0049】
時間t=0(実質的に、時間1と一致)において、バッテリパックは、リセットモードにあり、充電器はデバイスに接続されておらず、かつ、関連付けられるバッテリセルの実質的に0の電位を有する(すなわち、VCELLが実質的に0であり、セルが過度な不足電圧の状態にある)。
【0050】
(期間1〜2によって特徴付けられる)時間t≧0において、充電器は、バッテリパックに接続される。バッテリパックに対する充電器の接続は、(グラフ上の地点Aで示された)初期レベルへの(駆動信号VOC415において検知されるような)ゲートドライバの電圧VOCの急上昇をもたらす。バッテリを充電するために、充電トランジスタは、電荷がバッテリに流れ込むこと(したがって、VOC電位における上昇)を可能にすることを少なくとも部分的に可能にされなければならない。ゲートドライバ電圧VOCにおける上昇は、バッテリ管理システム130の入力に対する入力において検知される電位VFET405と、充電器によって検知されるバッテリ電位VBATT420との低下と実質的に一致する。実質的に時間2において、バッテリ管理システム130と関連付けられるマイクロコントローラが、過度な不足電圧の状態を検出し、過度な不足電圧の回復を開始し、該過度な不足電圧の回復は、以下で考察されるように、充電トランジスタの部分的動作可能化を含む。
【0051】
ここで、(期間2〜3によって特徴付けられる)部分的充電期間を参照すると、過度な不足電圧の回復モードが駆動されている。過度な不足電圧の回復が、上で考察されたように、閾値レベルを下回るセルの電圧レベルの検出によって駆動されている。1つの単一セルの実装において、充電するための時間におけるセルの電圧レベルが、約1.0xボルトを下回る場合には、過度な不足電圧の回復が引き起こされる。一実装において、過度な不足電圧の回復モードは、充電パックを充電するためのデフォルトの開始モードである。過度な不足電圧の回復モードにおいて、充電トランジスタのゲートに提供された駆動信号VOC415は、バッテリ管理システム130に対する入力において検知された電位Vfet405が、実質的に、過度な不足電圧の回復と関連付けられる期間(期間2〜3)全体にわたって、あるレベル(例えば、最小の動作レベルを上回るレベル)に制限されるように調整される。図4に見られ得るように、Vfet405は、実質的に、部分的充電期間全体にわたって一定のレベルに維持される。
【0052】
過度な不足電圧の回復モードにおいて、充電することは、例えば、上に記述されたゲートドライバ302と回復回路310との組み合わせによる充電トランジスタの部分的動作可能化によって可能にされるが、充電量は、注意深く制御される。充電グラフにおいて見られ得るように、セルの電位(VCELL410)は、充電が加えられたときに上昇する。充電が継続したときに、充電トランジスタのゲート駆動電位(VOC415)が、(さらにトランジスタを作動させ、充電トランジスタのドレインソース接合における電位の降下を減少させるために)完全な動作可能化に向けて調節される。1つの実装において、調節は、所定の数(例えば、1つ)のサイクルの間の、ゲートドライバ(すなわち、ゲートドライバ302)における充電ポンプの動作可能化を含む。この一致の調節が、充電トランジスタにおけるドレインソース電位を低下させ、バッテリ管理システム130に対する入力において実質的に一定の(すなわち、調整された)電位(すなわち、期間2〜3における実質的に一定のVfet信号トレース)をもたらす。例えば、セルが0.5ボルトの初期電圧を有し、かつ、バッテリ管理システム130の最小動作電位が1.0xボルトである過度な不足電圧の回復において、充電トランジスタは、最初に、部分的に動作可能にされ得るので、ドレインソース接合は、セル電圧と最小動作電位(ここでは、最初は0.7xボルト)との差である電位を実現する。電荷がバッテリセルに流れ込み、かつ、バッテリセルの電位が上昇したときに、充電トランジスタのゲートに提供される駆動信号は、さらに、(ドレインソース接合における抵抗を低下させ、それによりトランジスタにおける電位を低下させるために(例えば、所定の回数だけゲートドライバにおける充電ポンプをポンピングすることによって)増加させられた場合)一定の最小動作レベルを実質的に上回るレベルに、バッテリ管理システム130に与えられる動作電位Vfet405を維持するように調節される。備考、ゲート駆動信号の調節があまりにも過剰である場合(例えば、充電ポンプがあまりにも多くの回数を循環させられ、結果として生じるVfetの動作レベルが、あまりにも低下した場合)には、ゲート駆動信号が、Vfet405の動作電位を上昇させるために、多くの時間または多くのサイクルの間、(例えば、トランジスタ330を切り替え、抵抗器332によるトランジスタの放電を可能にすることによって)低減させられ得る。
【0053】
セルの電圧が上昇し続けると、過度な不足電圧の回復モードが終結させられ得る(期間3−4の開始)。終結において、バッテリパックの充電トランジスタ110の完全な動作可能化を含む従来の充電が開始し得る。
【0054】
(過度な不足電圧の回復方法)
ここで図5Aを参照すると、過度な不足電圧の回復の方法500の流れ図が提供される。回復方法500は、3つの段階を含み、すなわち、セットアップ段階502、部分的充電段階504、および充電段階506を含む。
【0055】
セットアップ段階502において、充電器は、バッテリパック510に接続されると検出される。検出は、放電トランジスタにおける寄生ダイオードによる検出、または、代替的に、(例えば、バッテリ管理システム130における充電器検出回路による)バッテリパックの放電トランジスタと関連付けられない別個の検出を含み得る。検出後、バッテリ管理システムは電力を供給され、関連付けられるバッテリセルまたは充電器512のいずれかから充分な動作レベルにおける電力を提供される。さらに詳細には、ハイサイドのNFET構成において、バッテリ管理システムは、(ここではチップ入力またはVfetと呼ばれる)入力において、充電トランジスタおよび放電トランジスタに存在する寄生ダイオードによって、セル電位と充電電位との間のような最も高い電位レベルまで電力を供給される。充電前のセルまたは充電器のうちの1つによるバッテリ管理システムの電力供給は、(温度および他のデータ収集と共に)セルに対する充電入力の正確な測定と、(すなわち、バッテリ管理システムの様々な保護モードの動作可能化を含む)充電サイクルの完全な制御とを可能にする。バッテリパックにおけるセルの電位レベルが検出される。電位レベルが、(本明細書において部分的充電電圧レベルとして呼ばれる)閾値レベル516を下回った場合、過度な不足電圧の回復が開始され、プロセスはステップ520において継続する。あるいは、バッテリパックが充電器に接続されたときはいつでも、過度な不足電圧の回復モードが開始され得る。セルの電圧レベルが閾値レベルを上回った場合、従来の充電サイクルがステップ550において開始される。従来の充電サイクル550において、バッテリパックの充電トランジスタが、セルの従来の充電または急速充電を可能にするために完全に動作可能にされる。一部の実装において、放電トランジスタが、充電サイクルの間、動作不能にされ得る。放電トランジスタを動作不能にすることが、バッテリパックが充電器から接続を断たれることと、セルの完全な充電または充分な充電に先立ってデバイスに接続されることとを防止する。他の実装において、バッテリパックの放電トランジスタは、充電サイクルの間に動作可能にされる。
【0056】
部分的充電段階504において、充電器は、セルを充電することを可能にされるが、低速モードにおいてセルを充電することを可能にされる。低速モードに充電器を維持するために、充電器によって検知された電圧が調整されなければならない。上で考察されたように2つの動作モード(すなわち、予備充電、および通常充電または急速充電)を有する従来の充電は、充電器によって検知された電圧レベルに基づいて(充電器によって検知された電圧レベルをセル電圧レベルに解釈して)動作モードを切り替える。しかしながら、一部の特定のバッテリ技術は、過度な不足電圧の条件から過度に急速には充電され得ない。従来の充電器が時期尚早に通常モードまたは急速モードに切り替わることを防止するために、バッテリ管理システムに与えられる電圧(すなわち、Vfet)と、したがって、充電器に与えられる電圧とが、調整される(すなわち、Vfetは、充電器によって検知された電圧に対して既知の関係を有し、したがって、適切な充電動作を確実にするように調整され得る)。さらに詳細には、部分的充電モードの間、充電トランジスタに提供される駆動信号は、充電トランジスタのドレインソースの電位レベルがセル電位と必要とされるバッテリ管理システムの動作電位との間の電位差に等しくなるように(またはかかる最小レベルを上回るレベルになるように)調節される。セルの電位レベルが上昇したときに、充電トランジスタのドレインソース接合における電位は、バッテリ管理システムの入力を実質的に妥当な動作電位に維持(すなわち、調整)するように調節(すなわち、降下)される。これは、セルの電位レベルが回復電圧に到達するまで継続し、回復電圧に到達した時点において、過度な不足電圧モード(および関連付けられる部分的充電モード)が終結させられ得る。
【0057】
図5Aに戻ると、部分的充電段階504において、充電トランジスタが、セル520の充電を可能にすることを部分的に可能にされる。部分的充電は、ゲート駆動信号を充電トランジスタに提供することによって行われ得、該部分的充電は、トランジスタを完全に動作可能にするために必要とされるレベルを下回る。あるいは、一連のステップが部分的充電を容易にするために実行され得る。別の実装において、充電トランジスタのゲートドライバが、バッテリ管理システムに対する入力電位と1つ以上の基準信号との間で行われた比較に基づいて(すなわち、高基準信号DUVR最大312と低基準信号DUVR最小314とを比較することにより、充電トランジスタに対する動作帯域を作り出して)、交互に作動(ポンプアップ)されたり、停止(スイッチ330および抵抗器332によって放電)されたりし得る。セルの電位が部分的充電電圧レベルを超えて上昇するまで、部分的充電は継続する522。その後、部分的充電段階504が終結し、通常の充電または急速充電が後に続く550。さらに詳細には、一実装において上で考察されたように、部分的充電モードの間、充電トランジスタに対する駆動信号は、充電トランジスタのドレインソースの電位レベルが、セル電位と必要とされるバッテリ管理システムの動作電位との間の電位差に等しくなるように調節される。
【0058】
部分的充電を制御する1つの実装が、図5Bに示されている(特に、ステップ532〜ステップ540を参照)。この実装において、充電トランジスタのゲートに対する駆動信号が、動作帯域において調節される。ロジックが所望の帯域内に駆動信号を維持するために使用され得る。バッテリ管理システムに対する入力において検知された電位が、(充電中のバッテリセルの電位の増加によって)調節されるので、充電トランジスタが作動される量も調節される。充電トランジスタをもっと多く作動させたり、停止させたりすることによって、ソースドレイン接合における抵抗が変化し、バッテリ管理システムに対する入力において検知された電位の変化を生成する。さらに詳細には、バッテリ管理システムの入力532における電位レベルに関して、決定が行われる。電位レベルが最小のDUVの閾値レベル534を下回った場合には、充電トランジスタと関連付けられる駆動回路が、動作不能にされるように切り替えられる536(一実装において、駆動回路は、ブリーダートランジスタ330と、関連付けられる直列の抵抗器332とが充電トランジスタの出力をゆっくりと放電するように切り替えられる)。充電トランジスタに対する駆動信号を動作不能にすることによって、トランジスタは、より多く停止し、ドレインソース接合における抵抗の増加と、必然的に、トランジスタにおけるより大きな電位(すなわち、電圧降下)とをもたらす。トランジスタにおけるより大きな電位は、バッテリ管理システムの入力に対して与えられるより高い電位レベルに変換される。
【0059】
あるいは、バッテリ管理システムの電位レベルが、DUVR最大の閾値レベル538を上回った場合には、充電トランジスタと関連付けられる駆動回路が、動作可能にされるように切り替えられる(例えば、所定の数のサイクルの間、ゲートドライバ302における充電ポンプによってポンプアップされる)540。充電トンランジスタに対する駆動信号を動作可能にすることによって、トランジスタはより多く作動し、ドレインソース接合における抵抗の減少と、必然的に、トランジスタにおけるより小さい電位(すなわち、電圧降下)とをもたらす。トランジスタにおけるより小さい電位は、バッテリ管理システムの入力に与えられるより低い電位レベルに変換される。いずれの条件534および条件538も満足されない場合には、プロセスは、(必要に応じて)検査を続けることにより、ステップ532においてバッテリ管理システムに与えられた電位を決定する。
【0060】
一実装において、DUVR最小の閾値レベルは、バッテリ管理システムに対する実質的に最小の動作点を上回るように設定される(すなわち、Vfetは、通常のバッテリ管理システムの動作に対する最小値である)。同様に、一実装において、DUVR最大の閾値レベルは、充電器における予備充電モードから急速充電モードまたは通常充電モードへのモードの遷移と関連付けられる遷移レベルのすぐ下(すなわち、ダイオードの降下を下回る予備充電の閾値レベルのすぐ下)になるように設定される。
【0061】
当業者は、一部の従来の充電は、バッテリセルの電位をモニタリングすることにより、予備充電から急速充電に切り替えるときを決定することを認識する。これらの従来のシステムにおいて、充電器は、一般的には、バッテリパックのターミナルにおいてセルの電位をモニタリングする。したがって、バッテリ管理システムに対する入力における電位の調整が、充電器によって検知された電位を調整するように実施され得、それによりバッテリセルの「準備が整う」(例えば、バッテリセルは、適切な時間量で適切な電位までもたらされる)まで、充電器において予備充電モードから急速充電モードへの遷移を防止する。
【0062】
本発明の多数の実施形態が記述されてきた。しかしながら、様々な改変が本発明の精神および範囲を逸脱することなく行われ得ることが理解される。例えば、過度な不足電圧の回復の間に、バッテリ管理システムにおける充電トランジスタを部分的に動作可能にする1つの方法が記述されているが、ドレインソース接合における充電トランジスタの電圧降下を調整する他の方法が考えられる。さらに、他の回路、ロジック、プログラム命令などが、バッテリ管理システムに対する入力において検知された電位と、したがって、接続された充電器に対する入力において検知された電位とを調整するために使用され得る。したがって、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】図1Aは、バッテリパックを含む用途の概略図である。
【図1B】図1Bは、バッテリパックの概略図である。
【図2】図2は、バッテリ管理システムのブロック図である。
【図3】図3は、電荷トランジスタを駆動する駆動回路のブロック図である。
【図4】図4は、バッテリ管理システムにおける入力電位と充電トランジスタの駆動電位との間の関係を含む部分的充電および従来の充電モードを示すグラフである。
【図5A】図5Aは、過度な不足電圧の回復方法の流れ図である。
【図5B】図5Bは、部分的充電モードの流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリシステムを充電する方法であって、
充電器がバッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることであって、該バッテリシステムは、1つ以上のセルと、充電可能なトランジスタとを含む、ことと、
該セルの電圧レベルが、所定の第1の低電圧レベルを下回ったかを決定することを可能にすることと、
該セルの該電圧レベルが該所定の第1の低電圧レベルを下回った場合には、低下された速度において該セルの充電を可能にすることであって、該可能にすることは、該充電トランジスタのゲート端子に印加される電圧を調節することにより、該充電器によって検知された電圧を所定の第2の電圧レベルを下回るレベルに調整することを含む、ことと、
該セルの該電圧が、該所定の第1の低電圧レベルに到達したときには、充電トランジスタを実質的に完全に動作可能にすることにより、該充電器によって全速で充電することを可能にすることと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記充電トランジスタの前記ゲート端子に印加される電圧を調節することは、該充電トランジスタを部分的に動作可能にすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、前記セルの電圧が前記所定の第1の電圧レベルを超過するまで該充電トランジスタを部分的に動作可能にすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、前記セルの電位と前記バッテリシステムのバッテリシステムモニタ回路に電力を供給するために必要とされる最小動作電圧との間の差よりも高くなるように、該充電トランジスタにおける電位を調節することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、前記充電器によって検知された電圧が、該充電器が低下された充電速度から通常の充電速度に切り替わる電圧レベルよりも低くなるように、該充電トランジスタにおける電位を調節することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記バッテリシステムは、バッテリモニタリング回路を含むバッテリ管理システムを含み、そして、前記充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、該充電トランジスタに対する駆動信号を調節することにより、該バッテリ管理システムに対する入力において検知された電圧を、該バッテリ管理システムに対する最小動作電圧よりも高いレベルに維持することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バッテリシステムは、バッテリモニタリング回路を含むバッテリ管理システムを含み、そして、前記充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、該充電トランジスタに対する駆動信号を調節することにより、該バッテリ管理システムに対する入力において検知された電圧を、該充電器が低下された充電速度から通常の充電速度に切り替わる電圧レベルよりも低いレベルに維持することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
低下された速度において前記セルを充電することに先立ち、前記バッテリシステムにおけるモニタリング回路を動作可能にすることと、
該セルの該低下された速度の充電をモニタリングすることと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
充電の間に、前記バッテリシステムの安全をモニタリングすることをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
充電の間に、前記バッテリシステムの前記セルの容量の変化をモニタリングすることをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、前記バッテリシステムの動作電圧が、事前に定められた最大値を上回っているかを決定することを含み、上回っている場合には、該充電トランジスタに与えられる駆動電圧を増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記充電トランジスタに印加される電圧を調節することは、前記バッテリシステムの動作電圧が事前に定められた最小値を下回っているかを決定することを含み、下回っている場合には、該充電トランジスタに与えられた駆動電圧を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
バッテリシステムを充電する方法であって、
充電器が該バッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることであって、該バッテリシステムは、1つ以上のセルと、充電可能なトランジスタと、充電モニタ制御回路とを含む、ことと、
該セルの充電を可能にすることに先立ち、該充電モニタ制御回路を動作可能にすることと、
該セルの電圧レベルが所定の第1の低電圧レベルを下回ったかを決定することを可能にすることと、
該セルの該電圧レベルが該所定の第1の低電圧レベルを下回った場合には、低下された速度において該セルの充電を可能にすることであって、該可能にすることは、該充電トランジスタを部分的に動作可能にすることを含む、ことと、
該セルの該電圧が該所定の第1の低電圧レベルに到達したときには、充電トランジスタを実質的に完全に動作可能にすることにより、該充電器によって全速で充電することを可能にすることと
を包含する、方法。
【請求項14】
前記充電トランジスタを部分的に動作可能にすることは、前記充電器によって検知された電圧を所定の第2の電圧レベルを下回るレベルに調整することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
バッテリシステムを充電する方法であって、
充電器が充電トランジスタを介して該バッテリシステムに接続されたかを決定することを可能にすることと、
該バッテリシステムの1つ以上のセルが低下された速度の充電を可能にする所定の第1の閾値を下回る電圧である間に、該充電トランジスタを部分的に動作可能にされた状態にすることを可能にすることと、
該決定された電圧レベルが全速の充電を可能にする所定の第1の閾値以上である場合に、該充電トランジスタを完全に動作可能にされた状態にすることを可能にすることと
を包含する、方法。
【請求項16】
方法であって、
充電器がバッテリシステムに既に接続されていることを決定することを可能にすることであって、該バッテリシステムは、1つ以上のセルと、該1つ以上のセルの充電レベルをモニタリングするモニタリング回路と、該1つ以上のセルの該充電を可能にする充電トランジスタと、該充電トランジスタのゲート端子を駆動する駆動回路とを含む、ことと、
該1つ以上のセルの電圧レベルをモニタリングし、該モニタリングされた電圧レベルが第1の閾値の電圧レベルを下回っているかを決定することと、
下回っている場合には、低下された速度において該セルを充電することを可能にすることであって、該可能にすることは、該充電トランジスタのゲート端子を部分的に動作可能にすることを含む、ことと、
該モニタリングされた電圧が該第1の閾値の電圧レベルを超過したときには、該充電トランジスタを実質的に完全に動作可能にすることと
を包含する、方法。
【請求項17】
低下された速度で充電することを可能にすることは、前記充電器によって検知された電圧を調整することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
バッテリ管理システムであって、
バッテリパックの1つ以上のセルの電圧レベルを検出するように動作できるモニタと、
少なくとも3つのモードのうちの1つで充電トランジスタを駆動するように動作できる駆動回路であって、該少なくとも3つのモードは、
第1の低電圧モードにおいて該充電トランジスタを駆動することであって、該駆動することは、該充電トランジスタが外部充電器によって検知された電圧を調整することを部分的に可能にすることを含む、ことと、
第2の停止モードにおいて該充電トランジスタを駆動することにより、充電を不能にすることと、
第3の駆動モードにおいて該充電トランジスタを駆動することにより、完全な充電を可能にすることと
を行うように動作できる、駆動回路と
を備えている、バッテリ管理システム。
【請求項19】
装置であって、
ハイサイドのNFET充電トランジスタと、
該ハイサイドのNFET充電トランジスタを駆動する駆動回路と、
充電されるバッテリセルの電圧レベルをモニタリングするモニタ回路と
を備え、
該駆動回路は、該バッテリセルの該電圧レベルが、充電器の存在している間に、第1の閾値レベルを下回っている場合には、該ハイサイドのNFETの充電トランジスタを部分的に動作可能にするように動作できる、装置。
【請求項20】
装置であって、
バッテリパックの充電トランジスタを駆動する駆動回路と、
充電されるバッテリセルの電圧レベルをモニタリングするモニタ回路と、
を備え、
該駆動回路は、該バッテリセルの該電圧レベルが、充電器の存在している間に、第1の閾値レベルを下回っている場合には、該充電トランジスタを部分的に動作可能にするように動作できる、装置。
【請求項21】
方法であって、
バッテリパックと関連付けられるセルの電圧レベルをモニタリングすることにより、該モニタリングされた電圧レベルが第1の閾値の電圧レベルを下回っているかを決定することと、
充電器が該バッテリパックに接続されたかを決定することを可能にすることと、
該セルの電位が該第1の閾値レベルを超過するまで該充電器によって検知された電位を調整することと
を包含する、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2009−529849(P2009−529849A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558537(P2008−558537)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/063602
【国際公開番号】WO2007/106715
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(591225523)アトメル・コーポレイション (57)
【氏名又は名称原語表記】ATMEL CORPORATION
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】