バナナの保存方法
本発明は、バナナの熟成を遅延させ、同時に好適な官能的および品質特性を維持することができる方法を提供することを目的とする。無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合する。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、バナナの保存方法に関する。特に、本発明は、特定の濃度範囲内にある亜酸化窒素を包含する、無調整の変性された雰囲気中で行う、バナナの保存方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2種類以上の下記の成分、すなわち亜酸化窒素、アルゴン、酸素、窒素、二酸化炭素および不活性ガスの組合せにおいて、異なる濃度を組み合わせる種々の手順を用いて、果物を保存することは現状技術水準として公知である。
【0003】
そのような手順の目的はすべて、エチレンの合成を遅延させ、それによって果実の熟成過程の開始を遅延させることである。
【0004】
特に、出願人がL'Air Liquideである仏国特許第FR1.582.927号は、果実、とりわけブドウを保存する方法および装置に関するものである。この特許には、酸素を希薄にし、果実から発生する炭酸ガスの少なくとも一部を除去した、特に0℃〜4または5℃に冷却された雰囲気中で行われる方法であって、雰囲気が、大気圧で、実質的に濃度50%〜90%の高亜酸化窒素濃度に維持され、濃度6%〜20%の酸素と混合され、残りの部分が実質的に窒素と少量の炭酸ガスとで構成されることを特徴とする方法が開示されている。
【0005】
より詳細には、この仏国特許に記載されている実施例はすべて、80%濃度の亜酸化窒素と、19%または20%濃度の酸素と1%または微量の炭酸ガスとを組合せて調整された雰囲気を用いることによって、処理を行わない保存よりも優れるブドウの保存が達成されている。
【0006】
一方、上記の仏国特許と同じ出願人によるヨーロッパ特許第EP422995号(スペインでは公開番号ES2053144で発行)には、新鮮な野菜食品を保存する4種類の異なった処理手順が記載されている。
【0007】
特に、この開示されている第一の手順においては、初期段階で、冷蔵温度でかつ0.5〜3×105Paの圧力下で、最初に少なくとも95%の亜酸化窒素もしくはアルゴンまたはそれら2種類の混合物を含む気体状雰囲気中に産物を放置し、その後、雰囲気下、冷蔵温度でかつ常圧で、産物を、半透過性壁を有する容器中に保存する。
【0008】
2段階で行う第二手順も開示されており、初期段階では、冷蔵温度でかつ0.5〜3×105Paの圧力下で、最初に10〜100%の亜酸化窒素もしくはアルゴンまたはそれら2種類の混合物を含み、酸素を含まない気体状雰囲気中に、1時間〜7日間の期間、産物を放置し、続く第二段階で、少なくとも12時間、冷蔵温度で、酸素2〜20%を含む第二雰囲気中で産物を保存する。従属請求項では、亜酸化窒素濃度50%〜100%が好ましく、少なくとも95%がより好ましく、酸素濃度10%〜20%が好ましいことが規定されている。
【0009】
20℃未満のプラス温度で、最初は亜酸化窒素95%〜100%、酸素0〜50%から構成され、残りが不活性ガスである気体状雰囲気を含む、半透過性壁を有する容器/チャンバー中に、産物を入れる工程からなる第三の保存手順も開示されている。
【0010】
最後に、第四の手順としては、20℃未満のプラス温度で、最初は亜酸化窒素70%および酸素30%から構成される気体状混合物を含む気密チャンバー中に、産物を入れる工程かななるものである。
【0011】
第一、第三および第四の手順においては、亜酸化窒素の濃度がそれぞれ少なくとも95%、95〜100%、および70%である。
【0012】
第二手順の第一段階では、最初に濃度10〜100%の亜酸化窒素を含み、酸素を含まない雰囲気を使用し、亜酸化窒素濃度50%〜100%、または少なくとも95%が好ましい。
【0013】
このスペイン特許に記載されている手順の一つでは、亜酸化窒素濃度範囲10%〜100%が規定されているものの、亜酸化窒素濃度が70%未満であり、この段階で雰囲気がさらに酸素を含まない例については開示されていない。
【0014】
従って、本出願人が本発明の目的に最も近い現状技術水準であると考えているこれら2つの特許の内容を考慮すると、一般的に、推奨される亜酸化窒素濃度は、メロン、ラズベリーおよびブドウには80%以上、チェリーには70%のオーダーであること、そして亜酸化窒素の百分率変動がより広い場合には、その手順は酸素が不存在の下で行われることを思い出すべきであり、したがって、当業者が、果実の熟成開始を遅延させる方法で最良の結果を得るためには、濃度が90%を超える調整された雰囲気を使用するであろうことは明らかである。
【0015】
さらに、現状技術水準で開示されている手順には、調整された変性雰囲気中で行える設備の設計や、使用する亜酸化窒素の百分率が高いためにコストに関して、欠点がある。これはすべて、産物の最終コストを高くすることになるため、これらの手順が商業的に有用であるとは考えられない。
【発明の説明】
【0016】
本発明の目的は、工業的に実行でき、バナナの熟成を遅延させ、同時に、好適な官能的および品質特性を維持することができる方法を提供することにある。
【0017】
本発明のバナナ保存方法は、無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合する、ことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の方法によれば、有利なことに、温度および存在する雰囲気の両方を制御できるような複雑で経費の掛かる設備を必要とせずに、バナナの熟成開始を大幅に遅延させることができる。
【0019】
特に、本発明の方法は、バナナの輸送中および貯蔵中に、厳密な温度制御装置を必要とせずに、保存することができる。
【0020】
熟成の開始は、バナナの呼吸効果として、エチレン生成の顕著な増加および二酸化炭素生成の増加が開始されるので、容易に検出できる。
【0021】
本発明の方法の好ましい実施態様としては、温度12℃〜15℃、より好ましくは12℃、大気圧下で、純粋な亜酸化窒素を導入して、亜酸化窒素濃度が45%〜55%、より好ましくは50%、かつ酸素濃度が亜酸化窒素濃度に応じて9%〜11%、より好ましくは10.5%にそれぞれなるまで、換気空気と混合する。
【0022】
酸素濃度は導入する亜酸化窒素の濃度により決定し、酸素の減少により自動的に変性雰囲気を造り出すのが有利である。従って、本発明の手順により、知る必要があるのは導入される亜酸化窒素濃度のみであり、混合物の種々の成分を制御する複雑な装置を必要としないため、確実に工業的に実行できる手順である。
【0023】
処理全体にわたり、一定濃度の亜酸化窒素を使用し、連続的に処理するのが好ましく、これによってバナナの熟成開始を遅延させることができる。
【実施例】
【0024】
試験および結果
濃度を変えてN2O処理を行うことにより、種々の実験をバナナで行った。処理した試料の主要品質パラメータ、ならびに各種の生物化学的および生理学的パラメータに対するN2Oの影響を、未処理(比較)試料との比較で研究した。
【0025】
試料はすべて前もって殺真菌剤(1g/lBenlate、3g/lDithane)で処理し、空気流量が既知である閉鎖容器に入れ、呼吸の発生をIRGA装置(Cosma Cristal 300)を使用し、エチレン生成をガスクロマトグラフィー装置(Carlo Erba GC 6000)を使用して時間と共に監視した。組織、可溶性固体、pHおよび酸性度の基礎的な品質パラメータも分析した。
【0026】
試験は、Ibizaおよびカナリア諸島から得たバナナを用いて行ったので、基礎的な品質パラメータを、カナリア諸島のバナナによる結果と比較できるように試験および分析し、バナナの産地によって異なる収穫後の品質に、N2Oによる処理が影響するか否かを確認した。
【0027】
最初の試験において、N2O(20%)のバナナに対する影響を、常温(22℃)および温度13℃(バナナの冷蔵保存に最適な温度)で、未処理試料と比較して研究した。
【0028】
第二の試験では、20℃で保存したバナナに対するN2Oの(20%)の影響を20時間の処理により試験した。
【0029】
上記2種類の試験において、主要品質パラメータおよび生理学的パラメータ(エチレン呼吸および合成)を熟成過程全体にわたって監視した。最後に、パルプ(明らかなクリマクテリック応答を示す)と皮(クリマクテリック応答無し)との差を測定した。
【0030】
得られた結果から、20%N2Oのバナナ熟成の開始に対する影響は、時間および温度に全く関係ないか、または実質的に関係のないことが結論付けられた(図1参照)。
【0031】
続く実験で、バナナに、温度20℃で40%亜酸化窒素処理を施した。この場合、処理を熟成の開始が起こるまで連続的に行い、その時点で処理を停止した(図2および3参照)。
【0032】
これらの図から、濃度40%での亜酸化窒素処理は、バナナの熟成開始を比較用バナナに対して大幅に(例えばこの実験では11日間)遅延させることが容易に推定される。
【0033】
図4、5および6は、比較用バナナおよび20%および40%N2Oで処理したバナナの品質パラメータをそれぞれ示す。明るさ(図4)は、バナナの色に直接反映する品質パラメータであり、この値は黒に対して0であり、白に対して100である。すでに熟成した、黄色のバナナは、熟成していない状態より0に近いL値を示す。これらの図から、40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータは、比較用バナナの品質パラメータに類似しているといえる。
【0034】
別の実験においては、バナナに、温度20℃で60%亜酸化窒素処理を施した。この場合も、処理を熟成の開始が起こるまで連続的に行い、その時点で処理を停止した(図7および8参照)。
【0035】
これらの図から、濃度60%での亜酸化窒素処理は、バナナの熟成開始を比較用バナナに対して大幅に(例えばこの実験では40日間)遅延させることが観察される。
【0036】
従って、試料の、20%亜酸化窒素による48および72時間の処理から得た結果は、熟成開始の遅延にそれほど重大な結果を示さないが、40%亜酸化窒素を使用する120時間の処理では、明らかに熟成抑制効果を示した。従って、亜酸化窒素で120時間処理した試料は熟成開始の抑制効果が低く、連続的に処理した試料は、バナナの熟成開始に、40%亜酸化窒素では比較試料に対して約18日間、60%亜酸化窒素では30日間の、明らかな遅延を示した。以下に詳細に説明するように、品質パラメータは、亜酸化窒素含有量40%および60%で処理した試料で悪影響を受けなかった。
【0037】
結論として、濃度40%未満のN2Oでは、バナナの熟成を抑制または遅延させなかったこと、そして濃度40%〜60%で連続的に処理することにより、熟成の開始が著しく、例えば30日間まで遅延し、同時に、優れた果実品質および官能特性が維持されるといえる。
【0038】
40および60%濃度の亜酸化窒素による試験で得た熟成開始の遅延を、エチレン生成、およびエチレンの直前前駆物質からエチレンが生物合成される原因となる酵素ACOの活性によっても示す。Clendenenらは、ACOの最大発現が皮に対して、特にパルプに最も近い区域で起こることを示しているが、皮におけるエチレンの自己触媒作用合成の開始には、パルプにおける最小ACO活性が必要であり、不可欠であることが分かっている。
【0039】
図9は、40%および60%濃度の亜酸化窒素で10日間処理したバナナの皮におけるACCオキシダーゼ(ACO)活性の発生が、比較用バナナにおけるACO活性の発生に匹敵することを示している。
【0040】
バナナは、完熟果実であるので、その熟成過程は、エチレンの固有レベルにより制御され、従って、処理したバナナにおける熟成に関連するすべての試験したパラメータは、生成するエチレンのレベルにより同時に影響される。従って、完熟呼吸、可溶性固体(糖)の増加、果実の堅さ低下、ならびに、熟成に関連する測定可能なpHおよび酸性度の変化が遅延する。40および60%N2Oで行った処理のいずれも、分析した品質パラメータに対する悪影響を及ぼしていない、すなわち完熟の開始が遅延されても、品質パラメータは完熟前の試料と同じレベルに維持され、完熟に到達した時でも、未処理試料に対する通常のレベル内に維持されている。品質パラメータ(組織、酸性度およびpH)は、それらの発生以外は、処理によって影響されず、それらの発生は、試料中のエチレンレベルによってのみ左右される。
【0041】
基礎的品質パラメータおよび処理されたバナナの生理学および生物化学を分析するために、通常の冷蔵(20℃)下で保存したバナナで、亜酸化窒素処理を40および60%で行った。大部分の実験は12℃でも行った。
【0042】
図10および11は、40%および60%濃度の亜酸化窒素で処理したバナナの皮組織およびパルプ組織が、比較用バナナのそれと同等であることを示している。
【0043】
80%濃度の亜酸化窒素で行った実験では、バナナの熟成開始が大きく遅延することが示されたが、果実の品質特性は十分ではなかった。特に、80%亜酸化窒素で処理した果実は、正常なバナナ熟成過程を経ずに、異常な皮変色や皮の熟成よりも速いパルプ熟成が明らかに見られた。さらに、亜酸化窒素濃度80%で処理したバナナは、バナナ表面全体で皮の色が均質に展開せず、皮の脱緑色化が劣るために、褐色−黄色の区域もあれば、まだ緑色の区域もあった。
【0044】
図12および13は、段階1(未熟バナナ)、E3(完熟開始)、E4(完熟ピークに続く)およびE5(十分に熟成したバナナ)に関する品質パラメータを示す。特に、図12では、80%亜酸化窒素で処理したバナナが、60%濃度で処理したバナナおよび比較用バナナよりも速い段階で可溶性固体の増加を示すことが観察される。これは、60%濃度で処理したバナナおよび比較用バナナにおけるよりも、パルプがより急速に分解することを示唆している。図13は、80%亜酸化窒素で処理したバナナのパルプ組織が、60%濃度で処理したバナナおよび比較用バナナと比較して、皮組織よりも急速に熟成することを示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】nl C2H4/g*hで測定したエチレンの生成と、収穫日から数えた日数との関係を示したものである。図1において、−◆−は、比較用バナナの平均に関し、−□(中黒)−は、20%N2Oで48時間処理したバナナの平均に関し、−▲−は、20%N2Oで72時間処理したバナナの平均に関し、−X−は、20%N2Oで120時間処理したバナナの平均に関する。
【図2】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。図2において、−◆−は熟成開始まで40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図3】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。図3において、−◆−は熟成開始まで40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図4】比較用バナナと比較した、20%および40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータを示したものである。図4は、明るさと熟成段階の関係を示し、−◆−は比較用バナナに関し、−□(中黒)−は20%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図5】比較用バナナと比較した、20%および40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータを示したものである。図5は、パルプ組織と熟成段階の関係を示し、−◆−は比較用バナナに関し、−□(中黒)−は20%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図6】比較用バナナと比較した、20%および40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータを示したものである。図6は、°Brixで表す可溶性固体と熟成段階の関係を示し、−◆−は比較用バナナに関し、−□(中黒)−は20%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図7】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。−◆−は、熟成開始まで60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図8】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。−◆−は熟成開始まで60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図9】40%および60%亜酸化窒素で10日間処理したバナナの皮中でのACCオキシダーゼ(ACO)活性の発生を示したものである。図9において、−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図10】40%および60%亜酸化窒素で10日間処理したバナナの皮組織を示したものである。図10において、−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図11】40%および60%亜酸化窒素で5日間処理したバナナのパルプ組織を示したものである。図11において、−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図12】60%および80%N2Oで処理したバナナの可溶性固体およびパルプ組織を熟成段階との関係を示したものである。−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は80%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図13】60%および80%N2Oで処理したバナナの可溶性固体およびパルプ組織を熟成段階との関係を示したものである。−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は80%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、バナナの保存方法に関する。特に、本発明は、特定の濃度範囲内にある亜酸化窒素を包含する、無調整の変性された雰囲気中で行う、バナナの保存方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2種類以上の下記の成分、すなわち亜酸化窒素、アルゴン、酸素、窒素、二酸化炭素および不活性ガスの組合せにおいて、異なる濃度を組み合わせる種々の手順を用いて、果物を保存することは現状技術水準として公知である。
【0003】
そのような手順の目的はすべて、エチレンの合成を遅延させ、それによって果実の熟成過程の開始を遅延させることである。
【0004】
特に、出願人がL'Air Liquideである仏国特許第FR1.582.927号は、果実、とりわけブドウを保存する方法および装置に関するものである。この特許には、酸素を希薄にし、果実から発生する炭酸ガスの少なくとも一部を除去した、特に0℃〜4または5℃に冷却された雰囲気中で行われる方法であって、雰囲気が、大気圧で、実質的に濃度50%〜90%の高亜酸化窒素濃度に維持され、濃度6%〜20%の酸素と混合され、残りの部分が実質的に窒素と少量の炭酸ガスとで構成されることを特徴とする方法が開示されている。
【0005】
より詳細には、この仏国特許に記載されている実施例はすべて、80%濃度の亜酸化窒素と、19%または20%濃度の酸素と1%または微量の炭酸ガスとを組合せて調整された雰囲気を用いることによって、処理を行わない保存よりも優れるブドウの保存が達成されている。
【0006】
一方、上記の仏国特許と同じ出願人によるヨーロッパ特許第EP422995号(スペインでは公開番号ES2053144で発行)には、新鮮な野菜食品を保存する4種類の異なった処理手順が記載されている。
【0007】
特に、この開示されている第一の手順においては、初期段階で、冷蔵温度でかつ0.5〜3×105Paの圧力下で、最初に少なくとも95%の亜酸化窒素もしくはアルゴンまたはそれら2種類の混合物を含む気体状雰囲気中に産物を放置し、その後、雰囲気下、冷蔵温度でかつ常圧で、産物を、半透過性壁を有する容器中に保存する。
【0008】
2段階で行う第二手順も開示されており、初期段階では、冷蔵温度でかつ0.5〜3×105Paの圧力下で、最初に10〜100%の亜酸化窒素もしくはアルゴンまたはそれら2種類の混合物を含み、酸素を含まない気体状雰囲気中に、1時間〜7日間の期間、産物を放置し、続く第二段階で、少なくとも12時間、冷蔵温度で、酸素2〜20%を含む第二雰囲気中で産物を保存する。従属請求項では、亜酸化窒素濃度50%〜100%が好ましく、少なくとも95%がより好ましく、酸素濃度10%〜20%が好ましいことが規定されている。
【0009】
20℃未満のプラス温度で、最初は亜酸化窒素95%〜100%、酸素0〜50%から構成され、残りが不活性ガスである気体状雰囲気を含む、半透過性壁を有する容器/チャンバー中に、産物を入れる工程からなる第三の保存手順も開示されている。
【0010】
最後に、第四の手順としては、20℃未満のプラス温度で、最初は亜酸化窒素70%および酸素30%から構成される気体状混合物を含む気密チャンバー中に、産物を入れる工程かななるものである。
【0011】
第一、第三および第四の手順においては、亜酸化窒素の濃度がそれぞれ少なくとも95%、95〜100%、および70%である。
【0012】
第二手順の第一段階では、最初に濃度10〜100%の亜酸化窒素を含み、酸素を含まない雰囲気を使用し、亜酸化窒素濃度50%〜100%、または少なくとも95%が好ましい。
【0013】
このスペイン特許に記載されている手順の一つでは、亜酸化窒素濃度範囲10%〜100%が規定されているものの、亜酸化窒素濃度が70%未満であり、この段階で雰囲気がさらに酸素を含まない例については開示されていない。
【0014】
従って、本出願人が本発明の目的に最も近い現状技術水準であると考えているこれら2つの特許の内容を考慮すると、一般的に、推奨される亜酸化窒素濃度は、メロン、ラズベリーおよびブドウには80%以上、チェリーには70%のオーダーであること、そして亜酸化窒素の百分率変動がより広い場合には、その手順は酸素が不存在の下で行われることを思い出すべきであり、したがって、当業者が、果実の熟成開始を遅延させる方法で最良の結果を得るためには、濃度が90%を超える調整された雰囲気を使用するであろうことは明らかである。
【0015】
さらに、現状技術水準で開示されている手順には、調整された変性雰囲気中で行える設備の設計や、使用する亜酸化窒素の百分率が高いためにコストに関して、欠点がある。これはすべて、産物の最終コストを高くすることになるため、これらの手順が商業的に有用であるとは考えられない。
【発明の説明】
【0016】
本発明の目的は、工業的に実行でき、バナナの熟成を遅延させ、同時に、好適な官能的および品質特性を維持することができる方法を提供することにある。
【0017】
本発明のバナナ保存方法は、無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合する、ことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の方法によれば、有利なことに、温度および存在する雰囲気の両方を制御できるような複雑で経費の掛かる設備を必要とせずに、バナナの熟成開始を大幅に遅延させることができる。
【0019】
特に、本発明の方法は、バナナの輸送中および貯蔵中に、厳密な温度制御装置を必要とせずに、保存することができる。
【0020】
熟成の開始は、バナナの呼吸効果として、エチレン生成の顕著な増加および二酸化炭素生成の増加が開始されるので、容易に検出できる。
【0021】
本発明の方法の好ましい実施態様としては、温度12℃〜15℃、より好ましくは12℃、大気圧下で、純粋な亜酸化窒素を導入して、亜酸化窒素濃度が45%〜55%、より好ましくは50%、かつ酸素濃度が亜酸化窒素濃度に応じて9%〜11%、より好ましくは10.5%にそれぞれなるまで、換気空気と混合する。
【0022】
酸素濃度は導入する亜酸化窒素の濃度により決定し、酸素の減少により自動的に変性雰囲気を造り出すのが有利である。従って、本発明の手順により、知る必要があるのは導入される亜酸化窒素濃度のみであり、混合物の種々の成分を制御する複雑な装置を必要としないため、確実に工業的に実行できる手順である。
【0023】
処理全体にわたり、一定濃度の亜酸化窒素を使用し、連続的に処理するのが好ましく、これによってバナナの熟成開始を遅延させることができる。
【実施例】
【0024】
試験および結果
濃度を変えてN2O処理を行うことにより、種々の実験をバナナで行った。処理した試料の主要品質パラメータ、ならびに各種の生物化学的および生理学的パラメータに対するN2Oの影響を、未処理(比較)試料との比較で研究した。
【0025】
試料はすべて前もって殺真菌剤(1g/lBenlate、3g/lDithane)で処理し、空気流量が既知である閉鎖容器に入れ、呼吸の発生をIRGA装置(Cosma Cristal 300)を使用し、エチレン生成をガスクロマトグラフィー装置(Carlo Erba GC 6000)を使用して時間と共に監視した。組織、可溶性固体、pHおよび酸性度の基礎的な品質パラメータも分析した。
【0026】
試験は、Ibizaおよびカナリア諸島から得たバナナを用いて行ったので、基礎的な品質パラメータを、カナリア諸島のバナナによる結果と比較できるように試験および分析し、バナナの産地によって異なる収穫後の品質に、N2Oによる処理が影響するか否かを確認した。
【0027】
最初の試験において、N2O(20%)のバナナに対する影響を、常温(22℃)および温度13℃(バナナの冷蔵保存に最適な温度)で、未処理試料と比較して研究した。
【0028】
第二の試験では、20℃で保存したバナナに対するN2Oの(20%)の影響を20時間の処理により試験した。
【0029】
上記2種類の試験において、主要品質パラメータおよび生理学的パラメータ(エチレン呼吸および合成)を熟成過程全体にわたって監視した。最後に、パルプ(明らかなクリマクテリック応答を示す)と皮(クリマクテリック応答無し)との差を測定した。
【0030】
得られた結果から、20%N2Oのバナナ熟成の開始に対する影響は、時間および温度に全く関係ないか、または実質的に関係のないことが結論付けられた(図1参照)。
【0031】
続く実験で、バナナに、温度20℃で40%亜酸化窒素処理を施した。この場合、処理を熟成の開始が起こるまで連続的に行い、その時点で処理を停止した(図2および3参照)。
【0032】
これらの図から、濃度40%での亜酸化窒素処理は、バナナの熟成開始を比較用バナナに対して大幅に(例えばこの実験では11日間)遅延させることが容易に推定される。
【0033】
図4、5および6は、比較用バナナおよび20%および40%N2Oで処理したバナナの品質パラメータをそれぞれ示す。明るさ(図4)は、バナナの色に直接反映する品質パラメータであり、この値は黒に対して0であり、白に対して100である。すでに熟成した、黄色のバナナは、熟成していない状態より0に近いL値を示す。これらの図から、40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータは、比較用バナナの品質パラメータに類似しているといえる。
【0034】
別の実験においては、バナナに、温度20℃で60%亜酸化窒素処理を施した。この場合も、処理を熟成の開始が起こるまで連続的に行い、その時点で処理を停止した(図7および8参照)。
【0035】
これらの図から、濃度60%での亜酸化窒素処理は、バナナの熟成開始を比較用バナナに対して大幅に(例えばこの実験では40日間)遅延させることが観察される。
【0036】
従って、試料の、20%亜酸化窒素による48および72時間の処理から得た結果は、熟成開始の遅延にそれほど重大な結果を示さないが、40%亜酸化窒素を使用する120時間の処理では、明らかに熟成抑制効果を示した。従って、亜酸化窒素で120時間処理した試料は熟成開始の抑制効果が低く、連続的に処理した試料は、バナナの熟成開始に、40%亜酸化窒素では比較試料に対して約18日間、60%亜酸化窒素では30日間の、明らかな遅延を示した。以下に詳細に説明するように、品質パラメータは、亜酸化窒素含有量40%および60%で処理した試料で悪影響を受けなかった。
【0037】
結論として、濃度40%未満のN2Oでは、バナナの熟成を抑制または遅延させなかったこと、そして濃度40%〜60%で連続的に処理することにより、熟成の開始が著しく、例えば30日間まで遅延し、同時に、優れた果実品質および官能特性が維持されるといえる。
【0038】
40および60%濃度の亜酸化窒素による試験で得た熟成開始の遅延を、エチレン生成、およびエチレンの直前前駆物質からエチレンが生物合成される原因となる酵素ACOの活性によっても示す。Clendenenらは、ACOの最大発現が皮に対して、特にパルプに最も近い区域で起こることを示しているが、皮におけるエチレンの自己触媒作用合成の開始には、パルプにおける最小ACO活性が必要であり、不可欠であることが分かっている。
【0039】
図9は、40%および60%濃度の亜酸化窒素で10日間処理したバナナの皮におけるACCオキシダーゼ(ACO)活性の発生が、比較用バナナにおけるACO活性の発生に匹敵することを示している。
【0040】
バナナは、完熟果実であるので、その熟成過程は、エチレンの固有レベルにより制御され、従って、処理したバナナにおける熟成に関連するすべての試験したパラメータは、生成するエチレンのレベルにより同時に影響される。従って、完熟呼吸、可溶性固体(糖)の増加、果実の堅さ低下、ならびに、熟成に関連する測定可能なpHおよび酸性度の変化が遅延する。40および60%N2Oで行った処理のいずれも、分析した品質パラメータに対する悪影響を及ぼしていない、すなわち完熟の開始が遅延されても、品質パラメータは完熟前の試料と同じレベルに維持され、完熟に到達した時でも、未処理試料に対する通常のレベル内に維持されている。品質パラメータ(組織、酸性度およびpH)は、それらの発生以外は、処理によって影響されず、それらの発生は、試料中のエチレンレベルによってのみ左右される。
【0041】
基礎的品質パラメータおよび処理されたバナナの生理学および生物化学を分析するために、通常の冷蔵(20℃)下で保存したバナナで、亜酸化窒素処理を40および60%で行った。大部分の実験は12℃でも行った。
【0042】
図10および11は、40%および60%濃度の亜酸化窒素で処理したバナナの皮組織およびパルプ組織が、比較用バナナのそれと同等であることを示している。
【0043】
80%濃度の亜酸化窒素で行った実験では、バナナの熟成開始が大きく遅延することが示されたが、果実の品質特性は十分ではなかった。特に、80%亜酸化窒素で処理した果実は、正常なバナナ熟成過程を経ずに、異常な皮変色や皮の熟成よりも速いパルプ熟成が明らかに見られた。さらに、亜酸化窒素濃度80%で処理したバナナは、バナナ表面全体で皮の色が均質に展開せず、皮の脱緑色化が劣るために、褐色−黄色の区域もあれば、まだ緑色の区域もあった。
【0044】
図12および13は、段階1(未熟バナナ)、E3(完熟開始)、E4(完熟ピークに続く)およびE5(十分に熟成したバナナ)に関する品質パラメータを示す。特に、図12では、80%亜酸化窒素で処理したバナナが、60%濃度で処理したバナナおよび比較用バナナよりも速い段階で可溶性固体の増加を示すことが観察される。これは、60%濃度で処理したバナナおよび比較用バナナにおけるよりも、パルプがより急速に分解することを示唆している。図13は、80%亜酸化窒素で処理したバナナのパルプ組織が、60%濃度で処理したバナナおよび比較用バナナと比較して、皮組織よりも急速に熟成することを示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】nl C2H4/g*hで測定したエチレンの生成と、収穫日から数えた日数との関係を示したものである。図1において、−◆−は、比較用バナナの平均に関し、−□(中黒)−は、20%N2Oで48時間処理したバナナの平均に関し、−▲−は、20%N2Oで72時間処理したバナナの平均に関し、−X−は、20%N2Oで120時間処理したバナナの平均に関する。
【図2】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。図2において、−◆−は熟成開始まで40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図3】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。図3において、−◆−は熟成開始まで40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図4】比較用バナナと比較した、20%および40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータを示したものである。図4は、明るさと熟成段階の関係を示し、−◆−は比較用バナナに関し、−□(中黒)−は20%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図5】比較用バナナと比較した、20%および40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータを示したものである。図5は、パルプ組織と熟成段階の関係を示し、−◆−は比較用バナナに関し、−□(中黒)−は20%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図6】比較用バナナと比較した、20%および40%N2Oで処理したバナナに対する品質パラメータを示したものである。図6は、°Brixで表す可溶性固体と熟成段階の関係を示し、−◆−は比較用バナナに関し、−□(中黒)−は20%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図7】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。−◆−は、熟成開始まで60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図8】nl C2H4/g*h、およびmgCO2/kg*hで測定したエチレンおよびCO2のそれぞれの生成と、実験開始から数えた日数との関係を示したものである。−◆−は熟成開始まで60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−□(中黒)−は比較用バナナに対する値に関する。
【図9】40%および60%亜酸化窒素で10日間処理したバナナの皮中でのACCオキシダーゼ(ACO)活性の発生を示したものである。図9において、−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図10】40%および60%亜酸化窒素で10日間処理したバナナの皮組織を示したものである。図10において、−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図11】40%および60%亜酸化窒素で5日間処理したバナナのパルプ組織を示したものである。図11において、−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は40%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図12】60%および80%N2Oで処理したバナナの可溶性固体およびパルプ組織を熟成段階との関係を示したものである。−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は80%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【図13】60%および80%N2Oで処理したバナナの可溶性固体およびパルプ組織を熟成段階との関係を示したものである。−◆−は比較用バナナに対する値に関し、−□(中黒)−は60%N2Oで処理したバナナに対する値に関し、−▲−は80%N2Oで処理したバナナに対する値に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バナナの保存方法であって、無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合する、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記温度が12℃〜15℃である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項3】
前記温度が12℃である、請求項2に記載のバナナの保存方法。
【請求項4】
前記亜酸化窒素濃度が45%〜55%、酸素濃度が11%〜9%である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項5】
前記亜酸化窒素濃度が50%、酸素濃度が10.5%である、請求項4に記載のバナナの保存方法。
【請求項6】
熟成の開始まで連続処理を行う、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バナナの保存方法であって、無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合し、熟成の開始まで連続処理を行う、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記温度が12℃〜15℃である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項3】
前記温度が12℃である、請求項2に記載のバナナの保存方法。
【請求項4】
前記亜酸化窒素濃度が45%〜55%、酸素濃度が11%〜9%である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項5】
前記亜酸化窒素濃度が50%、酸素濃度が10.5%である、請求項4に記載のバナナの保存方法。
【請求項1】
バナナの保存方法であって、無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合する、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記温度が12℃〜15℃である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項3】
前記温度が12℃である、請求項2に記載のバナナの保存方法。
【請求項4】
前記亜酸化窒素濃度が45%〜55%、酸素濃度が11%〜9%である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項5】
前記亜酸化窒素濃度が50%、酸素濃度が10.5%である、請求項4に記載のバナナの保存方法。
【請求項6】
熟成の開始まで連続処理を行う、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バナナの保存方法であって、無調整の変性された雰囲気中、温度12℃〜22℃の大気圧下で保存を行い、純粋な亜酸化窒素を導入して、40〜60%の亜酸化窒素濃度、かつ亜酸化窒素濃度に応じて、12%〜8%の酸素濃度にそれぞれなるまで、換気空気と混合し、熟成の開始まで連続処理を行う、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記温度が12℃〜15℃である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項3】
前記温度が12℃である、請求項2に記載のバナナの保存方法。
【請求項4】
前記亜酸化窒素濃度が45%〜55%、酸素濃度が11%〜9%である、請求項1に記載のバナナの保存方法。
【請求項5】
前記亜酸化窒素濃度が50%、酸素濃度が10.5%である、請求項4に記載のバナナの保存方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2006−525012(P2006−525012A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506571(P2006−506571)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001381
【国際公開番号】WO2004/098301
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505241337)ソシエダッド、エスパニョーラ、デ、カルブロス、メタリコス、ソシエダッド、アノニマ (2)
【氏名又は名称原語表記】SOCIEDAD ESPANOLA DE CARBUROS METALICOS, S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001381
【国際公開番号】WO2004/098301
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505241337)ソシエダッド、エスパニョーラ、デ、カルブロス、メタリコス、ソシエダッド、アノニマ (2)
【氏名又は名称原語表記】SOCIEDAD ESPANOLA DE CARBUROS METALICOS, S.A.
【Fターム(参考)】
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