説明

バンパースポイラーとその装着構造ならびにバンパースポイラーの装着方法

【課題】スポイラーを装着する車種と装着しない車種のバンパーを装着孔が形成されない共通の一種類とし、該バンパーに装着できると共に安定した装着状態が維持できるスポイラーを提供する。
【解決手段】スポイラー100は、本体部110と脚部120とスポイラーの長手方向の端末に係止具150を備える。脚部は、バンパー10の収容凹溝20に嵌合可能な嵌合突条部を有する。係止具は、スポイラー側係止部155、バンパー側係止部160および弾性変形可能部165とを有する。脚部を収容凹溝に装着するとき、スポイラー側係止部をスポイラーの長手方向の端末部分に係止させ、弾性変形可能部を弾性変形させて引張力を発生させてバンパー側係止部をバンパーの長手方向の端末に係止させ、引張力をスポイラーに伝達させると共に伝達された引張力の一部を、バンパーの表面にスポイラーを押し付ける力に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバンパーに装着可能なバンパースポイラーと、スポイラーの装着構造とスポイラーの装着方法に関する。
【0002】
自動車等の車両のフロントバンパーには、バンパースポイラー(エアースポイラー、チンスポイラー、エアーダム、バンパースカート、アンダースポイラー等ともいわれる。以下単にスポイラーという。)が装着されている。かかるスポイラーは、車両が走行するときの空気抵抗を減少させて、これにより車両の燃費の向上を実現することができる。
公知のスポイラーとして、例えば特許文献1には、バンパースポイラー本体部と一体に形成された複数の挿入取付部をバンパーに形成された複数個の挿入取付孔にそれぞれ装着したとき、係止部が取付孔の上縁と下縁の少なくともいずれか一方に弾性係止可能であるバンパースポイラーが記載されている。特許文献2には、取付部の内部に硬質の樹脂よりなる芯部を埋設し、その表面を軟質の樹脂で被うことにより、取付部の剛性を強固なものとすると共に、表層部においてはアンダースポイラーの伸縮量を吸収させることができるアンダースポイラーが記載されている。特許文献3には、リップを有する取付部と、ヒレ部とを備えるアンダースポイラーであって、少なくとも取付部はフロントバンパーと同程度の線膨張係数を有する材料により形成されている発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−168288号公報
【特許文献2】特開2005−132206号公報
【特許文献3】特開2003−237639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、スポイラーを装着するためにバンパーの幅方向に所定の間隔を保ってバンパーの表面に複数の装着孔を設ける必要がある。これに起因してスポイラーを装着する車種用のバンパーと、装着しない車種用のバンパーの二つが設定されたときはこれらを製造するのに二種類の成形型を必要とする。さらに、装着孔を有するバンパーでは、これを射出成形する際に前記装着孔の近傍に外観品質を損なうウェルドラインが発生しやすい。
また、スポイラーを装着することを前提として製造したバンパーにスポイラーを装着しない場合、前記装着孔が外側(特に車両の前面)から目視され装飾性を損なう。逆に、スポイラーを装着しないことを前提として製造したバンパーにスポイラーを装着する場合、前記バンパーの成形後に前記装着孔を追加の別工程で形成する必要がある。
さらに、スポイラーを装着することを前提として製造したバンパーにスポイラーを装着しない場合、車両の走行中に前記の装着孔の部分で空気の流れに乱れ(乱流や過流)が生じて異音を発生させる虞がある。
さらにまた、スポイラーに取付部を成形する際に、スポイラーの取付部を部分的に除去して取付部を成形する必要があるため必然的に材料の端材が発生してしまう。
【0005】
また、特許文献3の発明では、横断面形状が略U字形の取付部がバンパーの突条を単に上下方向から挟んでいるだけなので、長期間にわたる取付安定性に課題がある。さらに、バンパーに係止するリップ(係止部)はポリマー材料から成形されており、その弾性反発力を利用してバンパーに係止しているので、使用中の温度変化により前記リップがクリープ変形を生じることで弾性反発力が減少し、スポイラーの取付部に緩みが生じる等長期間にわたる取付安定性に課題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するべく創出されたものであり、その目的は、スポイラーを装着する車種のバンパーと装着しない車種のバンパーを装着孔が形成されない共通の一種類のバンパーとすることができ、前記共通の一種類のバンパーに装着できると共に安定した装着状態が維持できるスポイラーとスポイラーの装着構造ならびにスポイラーの装着方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するべく本発明によって車両用バンパーに装着されるバンパースポイラーが提供される。
即ち、本発明のバンパースポイラーは、請求項1に記載のとおり、バンパーの表面に長手方向に沿って形成された(i)収容凹溝を有する装着部または(ii)挿入突条を有する装着部を備えた長尺状の車両用バンパーに装着可能である長尺なバンパースポイラーである。
本発明に係るスポイラーは、前記バンパーの長手方向に沿って装着されたとき、上下方向に向けて配置される弾性変形可能なポリマー材料製の本体部と、前記本体部の裏面から突出し、該本体部と一体的に成形された弾性変形可能なポリマー材料製の脚部と、前記スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末には、係止具が備えられている。
前記脚部は、(i)前記収容凹溝に嵌まり込んで嵌合可能な嵌合突条部、または(ii)前記挿入突条を上下両側から挟み込んで嵌合可能な嵌合凹溝、のいずれかを有している。
前記係止具は、前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止するスポイラー側係止部と、前記バンパーの長手方向の端末部分に係止可能なバンパー側係止部と、前記スポイラー側係止部と前記バンパー側係止部との間に弾性変形して両係止部間の距離を調整できる弾性変形可能部とを有している。
前記スポイラーの前記脚部を前記バンパーの前記装着部に長手方向に沿って装着するとき、前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止させ、前記弾性変形可能部を弾性変形させて両係止部間に引張力を発生させて前記バンパー側係止部をバンパーの長手方向の端末に係止させ、前記スポイラー側係止部を介して前記弾性変形可能部の引張力を前記スポイラーに伝達させると共に、前記スポイラーに伝達された引張力の一部を、前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換して前記スポイラーを前記バンパーの表面に装着可能とされていることを特徴とする。
【0008】
かかる構成の本発明のスポイラーは、スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末部分に係止具のスポイラー側係止部が係止している。係止具の弾性変形可能部を弾性変形させて(典型的には弾性変形可能部を長手方向に引っ張ることで弾性変形させて)バンパー側係止部とスポイラー側係止部との間に引張力(弾性変形可能部が元に戻ろうとする復元力)を発生させた状態でバンパー側係止部がバンパーの長手方向の端末部分に係止される。このとき、弾性変形可能部で発生している引張力はスポイラー側係止部を介してスポイラーを長手方向に引っ張る引張力としてスポイラーに伝達される。そして、伝達された引張力の一部は、スポイラーをバンパーの表面に押し付ける力(以下、押付力ともいう。)へと変換されて該変換された力によってスポイラーをバンパーの表面に装着する(係止させる)。
従って、本発明のスポイラーによると、バンパーにはスポイラーを装着するための装着孔を設ける必要がないので、スポイラーを装着する車種用と装着しない車種用に、装着孔を有しない一種類のバンパーを共通して使用することができる。
また、上述のとおり、スポイラーはスポイラーの長手方向に引張力を発生させた状態でバンパーに装着され、スポイラーの長手方向のほぼ全長に亘って押付力が作用するため、スポイラーは長手方向のほぼ全長に亘ってバンパーに押し付けられた状態でバンパーに係止する。このため、両者の間に緩みが生じたりスポイラーがバンパーから外れたりするようなことがなく、安定した取付状態が得られる。さらに、スポイラーをバンパーに装着した後に温度変化を伴う使用環境下においてスポイラー及びバンパーの長手方向の伸縮長さに違いが生じた場合であっても、弾性変形可能部がその伸縮長さの違いを吸収するため安定した装着状態が得られる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1のバンパースポイラーにおいて、前記本体部と前記脚部は、ゴムまたは熱可塑性エストラマーから成る弾性ポリマー材料から横断面形状が一定の長尺状に成形されていることを特徴とする。
かかる構成によると、上述した構造の本体部と脚部をより簡単に製造することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2のバンパースポイラーにおいて、前記本体部および前記脚部の少なくともいずれかには、該本体部および該脚部よりも伸縮の少ない材料から形成されている長尺な芯材が長手方向に沿って一体的に埋設されていることを特徴とする。
かかる構成によると、スポイラーをバンパーに装着した際に、スポイラーの長手方向に引っ張られても、スポイラーに過度の伸びが生じるのを阻止することができる。また、温度変化によるスポイラーの長手方向の伸縮が少なくなるので、スポイラーをバンパーに装着したときに、スポイラーとバンパーとの長手方向の伸縮長さ(伸縮量)の差を小さくすることができ、スポイラーとバンパー間の緩み等を防止することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3のバンパースポイラーにおいて、前記芯材は横断面形状が長方形の帯板であり、該帯板の幅広面が前記本体部の幅広面と平行に配置されるように前記本体部または前記脚部に埋設されていることを特徴とする。
かかる構成によると、スポイラーの幅方向(脚部の突出方向)への変形は許容するが、スポイラーの上下方向(車両の高さ方向)への変形は阻止することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3のバンパースポイラーにおいて、前記芯材は、横断面形状が円形の線状部材であることを特徴とする。
かかる構成によると、曲げ易いためスポイラーをバンパーに容易に装着することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記弾性変形可能部は、(1)弾性を有する金属材料の成形品、(2)弾性を有するゴム材料の成形品、および(3)弾性を有する金属線材の曲げ加工品、のうちの少なくともいずれかにより形成されていることを特徴とする。
かかる構成によると、弾性変形可能部に求められる性能や機能に最も適した材料や形状を選択して使用することができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記弾性変形可能部は、コイル状、ジグザグ状または帯板状のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする。
かかる構成によると、スポイラーがバンパーに装着されたときに、弾性変形可能部において容易に引張力を発生させることができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記スポイラーの長手方向の両端末に前記係止具がそれぞれ備えられており、該係止具の一方は、前記バンパーの長手方向の一方の端末に係止することができ、該係止具の他の一方は、該バンパーの長手方向の他の一方の端末に係止することができることを特徴とする。
かかる構成によると、スポイラーをバンパーに装着したとき、それぞれの係止具の弾性変形可能部の引張力がスポイラーに伝達されるため、スポイラーをバンパーにより強固に係止させることができる。さらに、スポイラーの両端末の弾性変形可能部においてそれぞれ発生している引張力が互いに逆向きであるため、スポイラーの長手方向の移動を阻止することができる。以上より、より安定した取付状態が得られる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記スポイラーの長手方向の端末において、前記脚部の一部が除去されることにより少なくとも一つの脚部側係止部が形成されており、該脚部側係止部に前記スポイラー側係止部および/または前記弾性変形可能部が係止していることを特徴とする。
かかる構成によると、脚部の長手方向の端末の一部を除去して脚部側係止部を形成するので、スポイラー側係止部を係止させる部位や弾性変形可能部を配置させる空間を脚部の範囲内に容易に設けることができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記バンパーは、前記バンパーが車両に取り付けられる際に車両の前方に沿って配置される前方部と、該前方部の長手方向の両端末から連続して曲がり車両の側方に沿って延びる側方部とを有し、該側方部の端末には、前記バンパーの前記装着部の長手方向に沿って延長線上に前記バンパーを貫通して形成された挿入孔を有し、前記スポイラーは、長手方向の少なくとも一方の端末で前記本体部の少なくとも一部が前記脚部を残して除去されて前記挿入孔に挿入可能な形状に形成されていることを特徴とする。
かかる構成によると、バンパーの側方部分の端末に形成された挿入孔にスポイラーの脚部が挿入されたとき、脚部の端末がバンパーから離れる方向(脚部の幅方向)に移動することを阻止することができ、より安定した取付状態が得られる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記脚部は、該脚部の長手方向に沿って連続する前記嵌合突条部を有していることを特徴とする。
かかる構成によると、バンパーに形成されている装着部が収容凹溝を有する場合に、好ましく適用することができる。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1から10のいずれかのバンパースポイラーにおいて、前記脚部は、該脚部の長手方向に沿って連続すると共に上下方向で平行な複数の係合突条部を有しており、該複数の係合突条部の間には、前記嵌合凹溝が形成されていることを特徴とする。
かかる構成によると、バンパーに形成されている装着部が挿入突条を有する場合に、好ましく適用することができる。
【0020】
さらに、上記目的を実現するべく本発明によってバンパースポイラーの装着構造が提供される。
即ち、本発明のバンパースポイラーの装着構造は、請求項13に記載のとおり、車両用バンパーの表面に長尺なバンパースポイラーが装着されてなるスポイラー装着構造である。
前記バンパーには、長手方向に沿って形成された(i)収容凹溝を有する装着部または(ii)挿入突条を有する装着部が備えられている。前記スポイラーは、前記バンパーの長手方向に沿って装着され上下方向に向けて配置される弾性変形可能なポリマー材料製の本体部と、前記本体部の裏面から突出し、該本体部と一体的に成形された弾性変形可能なポリマー材料製の脚部とを有している。
前記脚部は、(i)前記収容凹溝に嵌まり込んで嵌合している嵌合突条部、または(ii)前記挿入突条を上下両側から挟んで嵌合している嵌合凹溝、のいずれかを有している。
前記スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末または前記バンパーの長手方向の少なくとも一方の端末には、前記スポイラーを前記バンパーに係止する係止具が備えられており、前記スポイラーが前記係止具を介して前記バンパーに装着されている。
前記係止具は、前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止したスポイラー側係止部と、前記バンパーの長手方向の端末部分に係止したバンパー側係止部と、前記スポイラー側係止部と前記バンパー側係止部との間に弾性変形して両係止部間の距離を調整できる弾性変形可能部とを有している。そして、弾性変形した前記弾性変形可能部で発生した引張力を前記スポイラー側係止部を介して前記スポイラーに伝達させて、該伝達された引張力の一部を前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換して前記スポイラーを前記バンパーに係止させていることを特徴とする。
【0021】
かかる構成の本発明のバンパースポイラーの装着構造は、バンパースポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末またはバンパーの長手方向の少なくとも一方の端末に係止具が備えられており、スポイラーが係止具を介してバンパーに装着されている。係止具のスポイラー側係止部がスポイラーの端末部分に係止されてバンパー側係止部がバンパーの端末部分に係止されているため、係止具の弾性変形可能部が弾性変形して弾性変形可能部には引張力が発生しており、該引張力はスポイラーに伝達される。伝達された引張力の一部がスポイラーをバンパーの表面に押し付ける力(押付力)へと変換されて、変換された力によってスポイラーをバンパーに装着している(係止させている)。
従って、本発明のスポイラーの装着構造によると、バンパーにはスポイラーを装着するための装着孔を設ける必要がないので、スポイラーを装着する車種用と装着しない車種用に、装着孔を有しない一種類のバンパーを共通して使用することができる。
また、上述のとおり、スポイラーはスポイラーの長手方向に引張力を発生させた状態で装着され、スポイラーの長手方向のほぼ全長に亘って押付力が作用するため、スポイラーは長手方向のほぼ全長に亘ってバンパーに押し付けられた状態でバンパーに係止している。これにより、両者の間に緩みが生じたり、スポイラーがバンパーから外れたりするようなことがなく、安定した取付状態を維持することができる。さらに、温度変化を伴う使用環境下においてスポイラー及びバンパーの長手方向の伸縮長さに違いが生じても、弾性変形可能部がその伸縮長さの違いを吸収できるため安定した装着状態が得られる。
【0022】
請求項14の発明は、請求項13のバンパースポイラーの装着構造において、前記本体部および前記脚部の少なくともいずれかには、該本体部および該脚部よりも伸縮の少ない材料から形成されている長尺な芯材が長手方向に沿って一体的に埋設されていることを特徴とする。
かかる構成によると、弾性変形可能部で発生している引張力によってスポイラーに過度の伸びが生じることを阻止することができる。また、温度変化によってスポイラーの長手方向に伸縮が生じても、スポイラーの伸縮が少なくなるのでバンパーとスポイラーの伸縮長さの違いが小さくなり、緩み等を生じることなくスポイラーをバンパーに装着することが実現される。
【0023】
請求項15の発明は、請求項13または14のバンパースポイラーの装着構造において、前記スポイラーの長手方向の端末において、前記脚部の一部が除去されることにより少なくとも一つの脚部側係止部が形成されており、該脚部側係止部に前記スポイラー側係止部および/または前記弾性変形可能部が係止していることを特徴とする。
かかる構成によると、脚部の長手方向の端末の一部を除去して脚部側係止部を形成しているため、係止具(特に弾性変形可能部)を係止させる空間を脚部に設けることができ、別の部材を用いることなくスポイラーをバンパーに装着することが実現される。
【0024】
請求項16の発明は、請求項13から15のいずれかのバンパースポイラーの装着構造において、前記バンパーは、車両の前方に沿って配置される前方部分と、該前方部分の長手方向の両端末から連続して曲がり車両の側方に沿って延びる側方部分とを有し、該側方部分の端末には、前記バンパーの前記装着部の長手方向に沿って延長線上に前記バンパーを貫通して形成された挿入孔を有し、前記スポイラーは、長手方向の少なくとも一方の端末で前記本体部の少なくとも一部が前記脚部を残して除去されて前記挿入孔に挿入されていることを特徴とする。
かかる構成によると、スポイラーの長手方向端末において本体部の少なくとも一部が除去された部分の脚部をバンパーに形成された挿入孔に挿入しているので、脚部の端末がバンパーから離れる方向(脚部の幅方向)に移動することはない。これにより、スポイラーをバンパーにより確実に装着することが実現される。
【0025】
請求項17の発明は、請求項16のバンパースポイラーの装着構造において、前記バンパーに備えられる前記装着部は前記(i)収容凹溝を有するものであり、該バンパーの少なくとも一方の端末において、該収容凹溝と連通する前記挿入孔が長手方向に沿って形成されており、
前記脚部は前記(i)嵌合突条部を有するものであり、前記スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末では、該(i)嵌合突条部を残して前記本体部が除去されており、前記嵌合突条部が前記挿入孔に挿入されて、該嵌合突条部の端末部分と前記バンパーの裏面側の端末部分とが前記係止具により係合されていることを特徴とする。
かかる構成によると、バンパーの裏面側の端末部分に装着された係止具をバンパーの挿入孔に挿入された嵌合突条部(スポイラーの脚部)の端末部分に係合させることで、スポイラーに長手方向の引張力が伝達される。伝達された引張力の一部がスポイラーをバンパーの表面に押し付ける力へと変換されて、変換された力によってスポイラーをバンパーに装着することが実現される。
【0026】
請求項18の発明は、請求項13から17のいずれかのバンパースポイラーの装着構造において、前記バンパーの前記装着部の近傍には、補強用リブが該バンパーと一体的に形成されていることを特徴とする。
かかる構成によると、補強用リブによってバンパーの表裏方向の曲げ強度を高めることができるので、スポイラーがバンパーに係止している状態でバンパーの端末部分においてバンパーの幅方向(車両の車幅方向)に撓むことはなく、スポイラーのバンパーに対する安定した装着状態が実現される。
【0027】
請求項19の発明は、請求項13から18のいずれかのバンパースポイラーの装着構造において、前記スポイラーの長手方向の両端末に前記係止具がそれぞれ備えられており、該係止具の一方は、前記バンパーの長手方向の一方の端末に係止しており、該係止具の他の一方は、該バンパーの長手方向の他の一方の端末に係止していることを特徴とする。
かかる構成によると、それぞれの係止具の弾性変形可能部の引張力がスポイラーに伝達されているため、より強固にスポイラーをバンパーに装着することが実現される。さらに、スポイラーの両端末に係止している弾性変形可能部においてそれぞれ発生している引張力が互いに逆向きであるため、スポイラーの長手方向の移動を阻止しているため、より安定した取付状態が実現される。
【0028】
さらに、上記目的を実現するべく本発明によってバンパースポイラーの装着方法が提供される。
即ち、本発明のバンパースポイラーの装着方法は、請求項20に記載のとおり、車両用バンパーに係止具を介して長尺なバンパースポイラーを装着する方法である。前記車両用バンパーには、長手方向に沿って形成された(i)収容凹溝を有する装着部または(ii)挿入突条を有する装着部が備えられている。
前記スポイラーは、前記バンパーの長手方向に沿って装着されたとき、上下方向に向けて配置される弾性変形可能なポリマー材料製の本体部と、
前記本体部の裏面から突出し、該本体部と一体的に成形された弾性変形可能なポリマー材料製の脚部とを有している。前記脚部は、(i)前記収容凹溝に嵌まり込んで嵌合可能な嵌合突条部、または(ii)前記挿入突条を上下両側から挟んで嵌合可能な嵌合凹溝を有している。
前記係止具は、前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止可能なスポイラー側係止部と、前記バンパーの長手方向の端末部分に係止可能なバンパー側係止部と、前記スポイラー側係止部と前記バンパー側係止部との間に弾性変形して両係止部間の距離を調整できる弾性変形可能部とを有しており、
以下の(1)または(2):
(1)前記係止具の前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末における前記脚部に予め係止させて、前記装着部の長手方向に沿って前記脚部を嵌め合わせて、前記弾性変形可能部を弾性変形させて両係止部間に引張力を発生させ、スポイラー側係止部を介して該引張力を前記スポイラーに伝達させると共に、前記スポイラーに伝達された引張力の一部を、前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換した状態で、前記バンパー側係止部を前記バンパーの長手方向の端末部分に係止させる;または
(2)前記係止具の前記バンパー側係止部を前記バンパーの長手方向の端末に予め係止させて、前記装着部の長手方向に沿って前記脚部を嵌め合わせて、前記弾性変形可能部を弾性変形させて両係止部間に引張力を発生させ、スポイラー側係止部を介して該引張力を前記スポイラーに伝達させると共に、前記スポイラーに伝達された引張力の一部を、前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換した状態で、前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止させる;
のいずれかにより前記スポイラーを前記バンパーへ装着することを特徴とする。
【0029】
かかる構成の本発明のバンパースポイラーの装着方法は、スポイラー側係止部をバンパースポイラーの長手方向の端末における脚部に予め係止させて、弾性変形可能部において発生した引張力の一部を、バンパーの表面にスポイラーを押し付ける力に変換した状態で
バンパー側係止部をバンパーの長手方向の端末部分に係止させる。または、バンパー側係止部をバンパーの長手方向の端末に予め係止させて、弾性変形可能部において発生した引張力の一部を、バンパーの表面にスポイラーを押し付ける力(押付力)に変換した状態でスポイラー側係止部をスポイラーの長手方向の端末部分に係止させる。
従って、本発明のスポイラーの装着方法によると、バンパーにはスポイラーを装着するための装着孔を設ける必要がないので、スポイラーを装着する車種用と装着しない車種用に、装着孔を有しない一種類のバンパーを共通して使用することができる。
また、スポイラーは、スポイラーの長手方向に引張力を発生させた状態でバンパーに装着され、スポイラーの長手方向のほぼ全長に亘って押付力が作用するため、スポイラーは長手方向のほぼ全長に亘ってバンパーに押し付けられた状態で係止する。このため、両者の間に緩みが生じたり、スポイラーがバンパーから外れたりするようなことがなく、安定した取付状態が得られる。さらに、温度変化を伴う使用環境下においてスポイラー及びバンパーの長手方向の伸縮長さに違いが生じても、弾性変形可能部がその伸縮長さの違いを吸収するので安定した装着状態が得られる。
【0030】
請求項21の発明は、請求項20のバンパースポイラーの装着方法において、前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末に予め係止させることを特徴とする。
かかる態様によると、係止具の構成が複雑である場合であっても容易に該係止具をスポイラーに装着することができる。
【0031】
請求項22の発明は、請求項20のバンパースポイラーの装着方法において、前記バンパー側係止部を前記バンパーの長手方向の端末に予め係止させることを特徴とする。
かかる態様によると、効率よく確実な装着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係るバンパースポイラーが取り付けられた車両(自動車)を模式的に示す正面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿う縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るバンパースポイラーを示す部分平面図である。
【図4】図2中のIV−IV線に沿う横断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るスポイラーの長手方向の端末部分を模式的に示す縦断面図である
【図6】本発明の第1実施形態に係る係止具の縦断面図である。
【図7】図4中のVII−VII線に沿う縦断面図であって、スポイラーおよびバンパーの長手方向の端末部分の構造と係止状態を模式的に示す部分断面図である。
【図8】図2中のVIII−VIII線に沿う横断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る固着具の正面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る固着具の側面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る固着具の平面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るバンパーの長手方向の端末部分の構造を模式的に示す縦断面図である。
【図13】図12中のXIII−XIII線に沿う横断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係るスポイラーの長手方向の端末部分の構造を模式的に示す縦断面図である。
【図15A】本発明の第2実施形態に係る係止具の正面図である。
【図15B】本発明の第2実施形態に係る係止具の平面図である。
【図15C】本発明の第2実施形態に係る係止具の側面図である。
【図16】第2実施形態に係るスポイラーおよびバンパーの長手方向の端末部分の構造と係止状態を模式的に示す部分断面図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る係止具を示す斜視図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係るスポイラーおよびバンパーの長手方向の端末部分の構造と係止状態を模式的に示す部分断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係る係止具を示す斜視図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係るスポイラーおよびバンパーの構造と装着状態を模式的に示すものであって、図2におけるIV−IV線に相当する横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば押出成形等によるスポイラーの製造に関する一般的な事項)は、従来技術に基づく設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
【0034】
図1は、車両(自動車)1のバンパー(フロントバンパー)10に取り付けられる本実施形態に係る長尺状のバンパースポイラー(以下、単に「スポイラー」と略称する。)100の取付位置を模式的に示す正面図である。バンパー10の表面にはバンパー10の長手方向(車両1の幅方向)に沿って本実施形態に係る装着部である収容凹溝20(図2および図4参照)が形成されている。そして、収容凹溝20に沿って本実施形態に係る長尺なスポイラー100が装着されている。
【0035】
図2は、図1におけるII−II線に沿う縦断面図である。図3は、本実施形態に係るスポイラー100の部分平面図である。図4は、図2におけるIV−IV線に沿う横断面図である。なお、図2において、バンパー10の車両左側(典型的には助手席側)のみ示しているが、車両右側(典型的には運転席側)も同様の構造であるので図示を省略している。また、図3において、スポイラー100は中心位置CL2に対して左右対称形であるため図2と同様に片側の図示を省略している。
図2に示すように、バンパー10は長手方向において湾曲(車両後方に向けて湾曲)した形状をしている。バンパー10は、バンパー10が車両に取り付けられる際に車両の前方に沿って配置される前方部12を備えており、前方部12は所定の曲率半径(車内側を半径中心とする)R1と長手方向の長さL1を有している。さらに、バンパー10は、前方部12の長手方向の両端末から連続して曲がり車両の側方に沿って延びる側方部14(車両右側の側方部は図示せず)を備えている。側方部14は、曲率半径R2と長さL2を有するコーナー部16と、曲率半径R3と長さL3を有する側部18とを有する。ここで、前方部12および側部18の曲率半径R1およびR3は、コーナー部16の曲率半径R2よりも大きい。
【0036】
図2および図4に示すように、本実施形態に係るバンパー10の下端側表面には、バンパー10の長手方向に沿って横断面形状が略U字形状の収容凹溝(装着部)20が形成されている。収容凹溝20は、車両1の高さ方向で略平行に配置されるように形成されている上側壁22、下側壁24および底壁26を備えている。下側壁24には、車両1の後方(側方部14では車両の中心方向)に向けて突出する張り出し壁28がバンパーの長手方向に沿って連続して一体的に形成されている。バンパー10の収容凹溝20の近傍(典型的には、バンパー10の上側壁22、底壁26および張り出し壁28のそれぞれの裏面(車内側の面)と接触する部分)には、長手方向に沿って補強用リブ29がバンパー10と一体的に形成されている。なお、補強用リブ29の長手方向の端末部分では後述する係止具150のバンパー側係止部160がバンパー10に係止することを妨げない形状に形成されている。
また、図2に示すようにバンパー10の側方部14(側部18)の端末部分には、底壁26を除去してなる凹状段差30が形成されている。凹状段差30は、バンパー側係止部160が係止可能であり、バンパー側係止部160の上下方向(車両1の高さ方向)の移動を阻止する形状に形成されている。
さらにまた、本実施形態に係るバンパー10には、バンパー10の長手方向の中心位置CL1(図2参照)における収容凹溝20の内面の底壁26には、底壁26から収容凹溝20の開口方向に向かって(車両前方に向かって)突出する位置決め突起40(図2および図8参照)が形成されている。
【0037】
図2から図4に示すように、本実施形態に係るスポイラー100は、バンパー10に形成された収容凹溝20に装着されたときに上下方向(車両1の高さ方向)に向けて配置される本体部110と、本体部110の裏面から突出して本体部110と一体的に成形された脚部(嵌合突条部)120とを備えている。本体部110と脚部120は、ゴムまたは熱可塑性エラストマーから成る弾性変形可能なポリマー材料(以下、弾性ポリマー材料という。)から横断面形状が一定の長尺な直線状に共押出成形されており、本体部110と脚部120は共押出成形時に熱融着して一体化している。なお、本願において一定の横断面形状の用語は、後述するようにスポイラー100の中心位置CL2の脚部120に脚部側位置決め孔145(図8参照)が形成されている場合等、横断面形状がわずかに異なるものを含む。上記弾性ポリマー材料としては、加硫済みの弾性ゴム(典型的にはエチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)を主体とする材料)やオレフィン系熱可塑エラストマー(TPO)やスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)等が挙げられる。
【0038】
図4に示すように、本体部110の上端には、本体部110の他の部分よりも厚さが薄く、且つ、本体部110から突出し、バンパー10とスポイラー100との間の収容凹溝20を遮蔽する遮蔽突条部130が形成されている。脚部120の上面には、この上面から上側壁22に向けて突出する弾性リップ135が本体部110と同一の材料によって脚部120と一体的に形成されている。弾性リップ135は、収容凹溝20の内壁(本実施形態では上側壁22)に接触(当接)することによって脚部120を収容凹溝20内に係止することができるように形成されている。
本体部110は、車両1の走行中に本体部110が路面または路面の突起物等と接触しても本体部110自体の破損が防止されるという観点から、脚部110よりも軟質で弾性が高い材料から成形するのが好ましい。
【0039】
さらに、図4に示すように、本実施形態に係るスポイラー100の脚部120には、本体部110および脚部120よりも伸縮の少ない材料(例えばスチール板等)から形成された長尺な芯材140が長手方向に沿って一体的に埋設されている。これは、スポイラー100を押出成形するときに押出成形型に芯材140を連続して供給し該型内で一体化させることにより芯材140を脚部120に埋設している。なお、押出成形の際に、芯材に予め接着剤等を塗布しておくことが好ましい。
本実施形態に係る芯材140は、横断面形状が長方形の帯板であり、帯板の幅広面が本体部110の幅広面と平行に配置されるように埋設されている。これにより、スポイラー100をバンパー10に装着した際に、スポイラー100に引張力が加わってもスポイラー100に過度の伸びが発生するのを阻止することができる。
なお、本実施形態ではスポイラー100の脚部120に芯材140が埋設されているが、このような形態に限定されず、本体部110に長手方向に沿って埋設してもよいし、脚部120と本体部110のそれぞれに芯材140を埋設してもよい。また、芯材140の横断面形状は長方形に限定されず、例えば、円形であってもよい。また、芯材140は例えば、ガラス繊維糸や金属細線等から形成される線状部材であってもよい。
【0040】
次に、本実施形態に係るスポイラー100の構造をより詳細に説明する。図5は、スポイラー100の長手方向の端末部分を模式的に示す縦断面図である。
図5に示すように、本実施形態に係るスポイラー100には、スポイラー100の長手方向の端末部分において脚部120の一部が除去されることによって、脚部120の残余の部分に第1の脚部側係止部121と第2の脚部側係止部122が本体部110との間に空間を保つようにそれぞれ形成されている。第1の脚部側係止部121には、第1の脚部側係止部121の幅方向に貫通する貫通孔123が形成されている。この貫通孔123には、フック挿入孔124を有する金属製のカラー127が嵌め込まれており、後述する係止具150のスポイラー側係止部155がフック挿入孔124に挿入されて装着される(係止される)。これによって第1の脚部側係止部121が過度に引っ張られて破損するのを防止している。
第2の脚部側係止部122は、連結部128によって本体部110と連結している。第2の脚部側係止部122の先端部分は、後述する係止具150の弾性変形可能部165が入り込めて、かつ、弾性変形可能部165に長手方向の引張力が作用して弾性変形可能部165が伸長したときにその移動を妨げない形状に形成されている。
なお、本実施形態では脚部120の一部を除去して脚部120の残余の部分に第1の脚部側係止部121と第2の脚部側係止部122とがそれぞれ形成されているが、かかる形態に限定されず、脚部の一部を除去して脚部の残余の部分に別の部品を接着剤等で固着して上記構造と同様の係止部を形成してもよい。
【0041】
次に、本実施形態に係る係止具150について図面を参照しつつ説明する。図6は、本実施形態(第1実施形態)に係る係止具150の縦断面図であって、係止具150がスポイラー100に装着されている状態(弾性変形可能部165が弾性変形していない状態)を示す模式図である。
図6に示すように、係止具150は、スポイラー100の長手方向の端末部分に係止するスポイラー側係止部155と、バンパー10の長手方向の端末部分に係止するバンパー側係止部160と、両係止部155,160との間に配置され弾性変形することによって両係止部155,160との間の距離を調製することが可能な弾性変形可能部165とを備えている。弾性変形可能部165は、弾性を有する金属材料の成形品、弾性を有するゴム材料の成形品および弾性を有する金属線材の曲げ加工品のうちの少なくともいずれかにより形成されている。さらに、弾性変形可能部165は、コイル状、ジグザグ状または帯板状のいずれかの形状に形成されている。本実施形態に係る弾性変形可能部165は、弾性を有する金属線材の曲げ加工品からコイル状に形成されたコイルスプリングである。また、本実施形態に係るスポイラー側係止部155とバンパー側係止部160はそれぞれフック形状に形成された線バネの曲げ加工品である。
係止具150は、例えば以下のようにしてスポイラー100に装着される。まず、フック形状のスポイラー側係止部155をカラー127のフック挿入孔124に挿入して係止させる(典型的には引っ掛ける。)。そして、コイル状の弾性変形可能部165に圧縮力を加えた状態で弾性変形可能部165を第1の脚部側係止部121と第2の脚部側係止部122との間に配置する。上記圧縮力を解除して元の形状に復元したコイル状の弾性変形可能部165の内部に第2の脚部側係止部122を入り込ませることによって係止具150をスポイラー100に装着する。このように、本体部110を残し脚部120の一部を除去してなる第1の脚部側係止部121,第2の脚部側係止部122に係止具150を装着するという形態では、外部から係止具150が視認されず外観の品質が損なわれない。
なお、弾性変形可能部165は、スポイラー100がバンパー10に装着されたとき、弾性変形した弾性変形可能部165に発生する引張力によってスポイラー100に長手方向の永久伸びを発生させず、バンパー10に永久変形を生じさせず、かつ、スポイラー100に長手方向の弛みが発生しないように、弾性変形可能部165の形状、材料等が調節されている。
【0042】
次に、上記構成のスポイラー100をバンパー10の表面に形成された収容凹溝20内への装着方法および装着状態(装着構造)を説明する。図7は、図4中のVII−VII線に沿う縦断面図であって、スポイラー100およびバンパー10の長手方向の端末部分の構造と係止状態を模式的に示す部分断面図である。
係止具150は、スポイラー100の長手方向の少なくとも一方の端末に装着される(係止する)が、好ましくは、スポイラー100の長手方向の両端末にそれぞれ装着される。本実施形態では、予めスポイラーの長手方向の両端末にそれぞれ係止具150が装着されている(図3参照、一方の係止具は図示せず。)。
図4に示すように、スポイラー100の脚部120をバンパー10の長手方向に沿って収容凹溝(装着部)20内に押し付けて嵌め合わせる。このとき、スポイラー100は、バンパー10の形状(図2参照)に追従して脚部120が内周側となるように湾曲させられてバンパー10に装着されている。さらに、図7に示すように、バンパー10の長手方向の端末部分では、スポイラー側係止部155をカラー127の挿入孔124に係止させた状態で係止具150の弾性変形可能部165をスポイラー100の長手方向(バンパー側係止部160の方向)に沿って弾性変形させることによって、弾性変形可能部165に長手方向の引張力(弾性変形可能部165が元に戻ろうとする復元力)を発生させた状態でバンパー側係止部160をバンパー10の凹状段差30に係止させる(引っ掛ける)。このとき、弾性変形可能部165で発生している引張力がスポイラー側係止部155を介してスポイラー100に伝達される。スポイラー100に伝達された引張力の一部は、スポイラー100を長手方向に引っ張るため、スポイラー100に弛みを生じさせない。さらに、伝達された引張力の一部は、スポイラー100をバンパー10の表面に押し付ける力へと変換されて、該変換された力によってスポイラー100はバンパー10に押し付けられるので、スポイラー100はバンパー10に密着してスポイラー100のバンパー10に対する取付状態が安定する。
かかる構成により、バンパー10にはスポイラー100を装着するための装着孔を設ける必要がないので、スポイラーを装着する車種用と装着しない車種用に、装着孔を有しない一種類のバンパーを共通して使用することができる。
【0043】
図3に示すように、スポイラー100の端末部分以外の部分(図3に示すスポイラー100の中央部分の第1係止位置P1やスポイラー100のコーナー部16近傍の第2係止位置P2)では、本実施形態に係るスポイラー100のように必要に応じて固着具170,170Aを装着してもよい。以下、固着具170,170Aの構造について説明する。図8は、図2中のVIII−VIII線に沿う横断面図である。図9は、一実施形態に係る固着具の正面図である。図10は、一実施形態に係る固着具の側面図である。図11は、一実施形態に係る固着具の平面図である。なお、第2係止位置P2に装着される固着具170Aの底辺部174には、後述する位置決め孔175が必ずしも形成される必要はないが位置決め孔175が形成されていても支障はない。本実施形態においては、固着具170と固着具170Aとは位置決め孔175以外は同様の構造であるため固着具170Aの説明を省略する。
固着具170は、スポイラー100が通常に使用される温度(−30℃〜+80℃)においてクリープ変形が生じず弾性を維持することができる材料であって脚部120を成形する材料よりも高い硬度と高い耐クリープ性と高い弾性を有する材料を用いて成形するのが好ましい。典型的には、例えば、ステンレスバネ鋼板、亜鉛メッキなどの防錆処理をしたバネ鋼板を含む金属板を用いてプレス成形によって成形したものや、ポリアセタール樹脂、ナイロン(ポリアミド系樹脂)等の弾性に富む合成樹脂材料を用いて射出成形によって成形したものが挙げられる。また、弾性的に伸縮するゴムを用いて射出成形によって成形してもよい。
図8から図11に示すように、本実施形態に係る固着具170は、バンパー10の表面に形成された収容凹溝20内に装着されたときに、上側壁22、下側壁24および底壁26とそれぞれ接触(当接)する上辺部171、下辺部176および底辺部174とを有しており、横断面形状が略U字形状である。装着される前の固着具170の横断面の内面形状は、脚部120の外形よりやや大きく、外面形状は収容凹溝20の内面形状とほぼ同一形状であることが好ましい。なお、上辺部171と下辺部176は同様の構造であるため、上辺部171と下辺部176とを上下方向で逆にしても共用して使える。
【0044】
上辺部171と下辺部176のそれぞれの長手方向の両端末には、上辺部171と下辺部176の一部を略三角形状(典型的には直角三角形状)に切り起こした上側突起172,172と下側突起177,177がそれぞれ左右対称に形成されている。上側突起172,172および下側突起177,177は、底辺部174側を底辺とし先端部分が開口179側に尖った鋭角形状であり、固着具170から外方に向けて角度α(例えばおおよそ30度の鋭角、図8参照)をなして突出するようにそれぞれ形成されている。なお、上側突起172,172および下側突起177,177を形成する位置は、固着具170の長手方向の端末に限定されることなく、上辺部171と下辺部176の範囲内であればどこでもよい。
また、固着具170は、上辺部171および下辺部176の開口179側先端部分を互いに対向するように長手方向の全長に亘ってそれぞれ折り曲げて形成された上側突条173および下側突条178を有している。
【0045】
図8および図9に示すように、固着具170の底辺部174には、位置決め孔175が底辺部174を貫通するように形成されている。位置決め孔175は、収容凹溝20内に形成された位置決め突起40と嵌合可能な形状に形成されている。図8に示すように、スポイラー100の長手方向の中心位置CL2(図3参照)の脚部120には、位置決め突起40との干渉を防止するために位置決め突起40を嵌め込み可能な脚部側位置決め孔145が形成されている。位置決め孔175および脚部側位置決め孔145に位置決め突起40を嵌め込むことによってバンパー10の中心位置に対するスポイラー100の長手方向の中心位置決めがなされる。さらに、バンパー5に対するスポイラー100の長手方向への移動を阻止する。
【0046】
スポイラー100に固着具170,170Aを装着する。具体的には、例えば、固着具が塑性変形可能な金属等の材料から成形されているとき、または弾性を有する合成樹脂から成形されているときのいずれの場合でも固着具170,170A内に脚部120を装着可能なように工具等によって上辺部171と下辺部176を固着部170,170Aの外方に向けて弾性変形させる。拡大した開口179に脚部120を嵌め込んで前記工具等を外すことによって、上辺部171と下辺部176との弾性復元力によって固着具170,170Aを脚部120に固着(装着)する。
スポイラー100(脚部120)に固着具170,170Aが装着された状態では、固着具170,170Aに形成されている上側突条173および下側突条178は、脚部(嵌合突条部)120の表面を上下方向からそれぞれ挟むことによって係止している。これにより固着具170,170Aは、スポイラー100に対して、スポイラー100の幅方向(脚部120の突出方向)への移動は阻止される。さらに、固着具170Aにおいては、固着具170Aの上側突条173および下側突条178は脚部110を挟むだけであって脚部120の表面に食い込んではいないのでスポイラー100の長手方向への移動は許容する。なお、固着具170においては、位置決め孔175に位置決め突起40が嵌まり込んで係合しているため、スポイラー100に対して、スポイラー100の長手方向への移動も阻止される。
【0047】
また、スポイラー100に装着された固着具170,170Aを収容凹溝20内に押し付けて固着具170,170Aをバンパー10(収容凹溝20内)に装着する。固着具170,170Aがバンパー10の表面に形成された収容凹溝20内に装着された状態では、固着具170,170Aに形成されている上側突起172,172および下側突起177,177は、収容凹溝20の内面(上側壁22と下側壁24)にそれぞれ食い込んで係止(固着)している。これにより固着具170,170Aは、バンパー10(収容凹溝20)に対して、バンパー10の長手方向の移動が阻止されると共に、幅方向(固着具170,170Aを押圧して装着する方向およびその逆方向)への移動が阻止されるので、固着具170,170Aのバンパー10に対する位置ズレが生じることがなく固着具170,170Aがバンパー10から外れることを阻止する。
なお、図4に示すように、脚部120に係止具150または固着具170,170Aが装着されていない位置では、収容凹溝20に沿って脚部120を嵌め込んで弾性リップ135の弾性反発力によって脚部120を収容凹溝20内に係止させる。
【0048】
上述した実施形態では、バンパー10の表面にはバンパー10の長手方向の全長に亘って装着部である収容凹溝20が形成されているが、本発明はかかる形態に限定されず、例えば、バンパーの側方部において収容凹溝の長手方向に沿って延長線上にバンパーを貫通して形成された挿入孔を有する場合でもよい。
以下、第2実施形態として、挿入孔を有するバンパーに装着されるスポイラーの好適な例を図面を参照しつつ説明する。図12は、本発明の第2実施形態に係るバンパーの長手方向の端末部分の構造を模式的に示す縦断面図である。図13は、図12中のXIII−XIIIに沿う横断面図である。図14は、本発明の第2実施形態に係るスポイラーの長手方向の端末部分の構造を模式的に示す縦断面図である。
図12に示すように、第2実施形態に係るバンパー210の表面、より詳しくは、バンパー210の前方部212と側方部214(ここでは側部218の端末を除く部分とコーナー部216)には、バンパー210の長手方向に沿って横断面形状が略U字形状の収容凹溝(装着部)220が形成されている。図12および図13に示すように、バンパー210の側方部214の側部218には、収容凹溝220の長手方向に沿って延長線上にバンパー210の側部218を貫通し、上側壁222と下側壁224と底壁226と前面壁232とに囲まれて収容凹溝220と連通する挿入孔250が形成されている。なお、挿入孔250は、バンパー210の少なくとも一方の端末において形成されていればよいが、好ましくは、バンパー210の両端末に形成されていることである。本実施形態では、バンパー210の両端末にそれぞれ形成されている(一方の挿入孔は図示を省略している)。
【0049】
第2実施形態に係るスポイラー300は、その長手方向の長さがバンパー210の長手方向の全長よりも長くなるように形成されている。図14に示すように、スポイラー300は、長手方向の端末において本体部310の少なくとも一部が脚部320(嵌合突条部)を残して除去されて挿入孔250に挿入可能な形状に形成されている。そして、バンパー210の側方部214の端末を越えて突出する脚部320には、脚部320の幅方向に貫通する係止具挿入孔325が形成されている。係止具挿入孔325は、後述する係止具350のスポイラー側係止部355が挿入可能な形状に形成されている。そして、本体部310の一部が除去されて残された脚部320が挿入孔250に挿入されたとき、係止具挿入孔325は側方部214の端末を越える位置に配置され、係止具350のスポイラー側係止部355が係止具挿入孔325に挿入される。なお、本実施形態では本体部310の一部を除去して脚部320を残しているが、挿入孔の形状に対応させて脚部の一部を脚部の幅方向に除去してもよい。
【0050】
次に、本実施形態に係る係止具350について図面を参照しつつ説明する。図15Aは、第2実施形態に係る係止具の正面図である。図15Bは、第2実施形態に係る係止具の平面図である。図15Cは、第2実施形態に係る係止具の側面図である。係止具350は、上記固着具170,170Aと同様の材料、製法によって成形される。
図15Aから図15Cに示すように、係止具350は、横断面形状が略U字形状の同一形状に形成された一対の係止基部370,370と該係止基部370,370の間に所定の間隔を保って配置される弾性アーム375を備えている。2つの係止基部370,370と弾性アーム375とは連結部380において連結している。係止基部370の車内側壁371(バンパー210の長手方向の端末部分の裏面に係止する部分)と車外側壁372(バンパー210の長手方向の端末部分の表面に係止する部分)のそれぞれの先端部分には、係止基部370の内側に向かって折返し状に突出する係止突起(バンパー側係止部)360,360がそれぞれ形成されている。さらに、車内側壁371と車外側壁372の凡そ中央部分には、係止基部370の内側に向けて各側壁371,372の先端側を底辺とする三角形状に切り起こした係合突起373,373がそれぞれ形成されている。係止基部370の車内側壁371と車外側壁372との間の寸法は、バンパー210への係止具350の装着を考慮すると、バンパー210の厚さと同程度に形成することが好ましい。
【0051】
弾性アーム375は、根元部分に帯板状の弾性変形可能部365を有しており、根元部分から角度θ(例えば凡そ15度から50度、好ましくは凡そ20度から40度)をなして係止基部370,370から離れる方向に突出するように形成されている。弾性アーム375の先端部分には、スポイラー300の脚部320の長手方向の端末部分に係止するフック形状(鉤形状)に折り返したスポイラー側係止部355が形成されている。弾性アーム375は、弾性変形可能部365が弾性変形することによって、図15Cの矢印X1および矢印Y1の方向に変位することができる。
【0052】
次に、上記構成のスポイラー300をバンパー210の表面に形成された収容凹溝220内への装着方法および装着状態(装着構造)を説明する。図16は、スポイラー300およびバンパー210の長手方向の端末部分の構造と係止状態を模式的に示す部分断面図である。係止具350は、バンパー210の長手方向の少なくとも一方の端末に装着される(係止する)が、好ましくは、バンパー210の長手方向の両端末にそれぞれ装着されることである。本実施形態では、予めバンパー210の長手方向の両端末にそれぞれ係止具350が装着されている(他の一方の端末に装着されている係止具は図示せず)。
【0053】
図16に示すように、係止具350の係止基部370をバンパー210の長手方向の端末部分の底壁226に嵌め込んで、係止突起(バンパー側係止部)360,360をバンパー210に予め係止させる。このとき、係止突起360,360および係合突起373,373がバンパーの表面と裏面にそれぞれ食い込んで係止具がバンパー210に係止している。そして、スポイラー300の脚部320をバンパー210の収容凹溝(装着部)220内に押し付けて嵌め合わせてスポイラー300をバンパー210に装着する。バンパー210の長手方向の端末部分では、本体部310の一部を除去して残された脚部320をバンパー210の側部218に形成された挿入孔250に挿入する。図16に示すように、挿入孔250に挿入された脚部320の端末部分は、係止具挿入孔325がバンパー210の長手方向の端末を越えるように突出している。係止具350の弾性アーム375(弾性変形可能部365)をスポイラー300の長手方向(図15Cの矢印X1の方向、即ち車両1の前方方向)に弾性変形させて(図16中の点線で示す位置から実線で示す位置に変位させる。)、弾性変形可能部365を長手方向に弾性変形させた状態でフック形状のスポイラー側係止部355を脚部320の係止具挿入孔325に挿入して係止させる(引っ掛ける)。これにより、脚部(嵌合突条部)320の端末部分とバンパー210の裏面側の端末部分(底壁226)とが係止具350によって係合される。このとき、弾性変形した弾性変形可能部365によって発生する引張力がスポイラー側係止部355を介してスポイラー300に伝達される。スポイラー300に伝達された引張力の一部は、スポイラー300を長手方向に引っ張るため、スポイラー300に弛みを生じさせない。さらに、伝達された引張力の一部は、スポイラー300をバンパー210の表面に押し付ける力へと変換されて、該変換された力によってスポイラー300はバンパー210に押し付けられるので、スポイラー300のバンパー210に対する取付状態が安定する。
なお、係止具350のスポイラー側係止部355を挿入孔250に係止させた後に、係止具350の係止基部370をバンパー210の端末部分に嵌め込んで係止突起(バンパー側係止部)360を係止させてもよい。
【0054】
上述した係止具150のスポイラー側係止部155はフック形状に形成されており、脚部120の第1の脚部側係止部121に装着されているがこのような形態に限定されない。以下、係止具150の変更例を図面を参照しつつ説明する。図17は、第3実施形態に係る係止具450を示す斜視図である。図18は、スポイラー500およびバンパー410の長手方向の端末部分の構造と係止状態を模式的に示す部分断面図である。なお、第3実施形態においては、上記第2実施形態に係る係止具350と同様の構造の部材をバンパー側補助部材480としてバンパー410の端末部分に装着する(図18参照)。また、係止具450は、上記固着具170,170Aと同様の材料、製法によって成形される。
【0055】
図17に示すように、第3実施形態に係る係止具450は、スポイラー500の長手方向の端末部分に係止可能な横断面形状が略U字形状であるスポイラー側係止部455を備えている。スポイラー側係止部455は上辺470と下辺471と底辺472とを有しており上辺470と下辺471の開口473側にはそれぞれ、先端が鋭角に尖った略三角形状(典型的には直角三角形状)の上側嵌合突起474と下側嵌合突起475が形成されている。スポイラー側係止部455の横断面の内面形状は、脚部(嵌合突条部)520の外形よりやや大きい形状であることが好ましい。
係止具450は、底辺472の長手方向の一端から開口473側に向かって突出する帯板状の弾性変形可能部465を備えている。さらに、弾性変形可能部465の先端部分には、係止具450がスポイラー500に装着されたときに本体部510の幅広面と平行に配置されるバンパー側係止部460が形成されている。バンパー側係止部460は、バンパー410の長手方向の端末部分、即ち、図18に示すバンパー側補助部材480の弾性アーム481が装着(係止)可能な形状に形成されている。
スポイラー側係止部455は、例えば、脚部520を装着可能なように上辺470を外方へ(開口473が拡大する方向へ)変形させておき、スポイラー側係止部455内に脚部520を嵌め込んで工具等によって上辺470を押し曲げて上側嵌合突起474および下側嵌合突起475を脚部520に食い込ませて係止させる。これにより、スポイラー側係止部455を脚部520に装着することができる。さらに、弾性変形可能部465に長手方向の引張力を作用させたとき、嵌合突起474,475が脚部520に食い込んでいるため、スポイラー側係止部455の長手方向の移動を阻止する。なお、スポイラー側係止部455は脚部520に直接装着することが可能であるので第1実施形態のように脚部に第1の脚部側係止部121を形成する必要がない。
【0056】
図18に示すように、スポイラー500の脚部520をバンパー410の長手方向に沿って収容凹溝(装着部)内に押し付けて脚部520を収容凹溝420に嵌め合わせる。バンパー410の長手方向の端末部分では、係止具450の帯板状の弾性変形可能部465をバンパー410の長手方向の端末部分に向けて弾性変形させて、弾性変形可能部465に長手方向の引張力を発生させた状態でバンパー側係止部460をバンパー側補助部材480の弾性アーム481に係止させる(引っ掛ける)。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0057】
次に、係止具150の他の変更例について説明する。図19は、第4実施形態に係る係止具550を示す斜視図である。なお、第4実施形態においても、上記第2実施形態に係る係止具350と同様の構造の部材をバンパー側補助部材480としてバンパー410の端末部分に装着する。また、係止具550は、上記固着具170,170Aと同様の材料、製法によって成形される。
図19に示すように、第4実施形態に係る係止具550は、第3実施形態に係る係止具450と同様の構造のスポイラー側係止部455を備えている。係止具550は、底辺472の長手方向の一端から突出するジグザグ状の弾性変形可能部565を備えている。さらに、弾性変形可能部565の先端部分には、係止具550がスポイラー500に装着されたときに本体部510の幅広面と平行に配置されるバンパー側係止部560が形成されている。バンパー側係止部560は、バンパー410の長手方向の端末部分、即ち、バンパー側補助部材480の弾性アーム481が装着(係止)可能な形状に形成されている。かかる構成により、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
なお、第3実施形態および第4実施形態は、これらの実施形態に係る係止具450,550を上記第2実施形態に適用したものとみなすこともできる。この場合、係止具450,550は、スポイラー側補助部材として脚部320の長手方向の端末部分に装着される。また、係止具450,550のバンパー側係止部460,560は、係止具350のスポイラー側係止部355を係止させるスポイラー側の係止具挿入孔325に相当する。また、脚部320はバンパー210の長手方向の長さとほぼ同じ長さに形成される。なお、脚部320の長手方向の端末部分にスポイラー側補助部材(係止具450,550)が装着されて、係止具350のスポイラー側係止部355がスポイラー側補助部材の係止部460,560に係止するためスポイラー300の脚部320の端末部分には係止具挿入孔325を形成する必要はない。かかる構成により、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0059】
なお、上記第3実施形態および第4実施形態において、バンパー側補助部材480を使用しない構造にすることもできる。即ち、上記第1実施形態に係るフック形状のバンパー側係止部160を一方の端末に備えるコイル状の弾性変形可能部165を、バンパー500の脚部520に係止した係止具450のバンパー側係止部460に連結させることによって、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、係止具550のバンパー側係止部560を上記第1実施形態に係るバンパー側係止部160のようにフック形状に形成することで、上記第1実施形態と同様の効果を得ることもできる。
【0060】
上述した何れの実施形態についてもバンパーの表面に長手方向に沿って収容凹溝が形成されているが、本発明はかかる形態に限定されず、バンパー610の表面に長手方向に沿って装着部として挿入突条615(装着部)が形成されていてもよい。図20は、本発明の第5実施形態に係るスポイラーおよびバンパーの構造と装着状態を模式的に示すものであって、図2におけるIV−IV線に相当する横断面図である。
【0061】
図20に示すように、本実施形態に係るバンパー610の下端側表面には、車両1の高さ方向で略平行に配置されるように上側壁622および下側壁624が形成されており、上側壁622と下側壁624とを連結する底壁626が形成されている。上側壁622と下側壁624との間には、バンパー610の長手方向(即ち、車両1の幅方向)に沿って挿入突条(装着部)615が形成されている。
図20に示すように、第5実施形態に係るスポイラー700は、バンパー610に形成された挿入突条615に装着されたときに上下方向に向けて配置される本体部710と、該本体部710の裏面から突出して該本体部710と一体的に成形された脚部720とを備えている。脚部720は、脚部720の長手方向に沿って連続すると共に上下方向で平行な複数の係合突条部、即ち、上側係合突条部725Aと下側係合突条部725Bとを備えており、該係合突条部725A,725Bの間には、挿入突条615を上側係合突条部725Aおよび下側係合突条部725Bの上下両側から挟みこんで嵌合可能な嵌合凹溝745が形成されている。上側係合突条部725Aと下側係合突条部725Bには、第1実施形態に係る芯材と同様の材料から形成された横断面形状が円形状の芯材740が長手方向に沿って一体的に埋設されている。
【0062】
さらに、本体部710の上端には、遮蔽突条部730が形成されており、上側係合突条部725Aには弾性リップ735が形成されている。なお、弾性リップ735は、係合突条部725A,725Bの外面に形成してもよいし、内面(即ち嵌合凹溝745を形成する面)に形成してもよい。なお、脚部は、本実施形態のように上下二つの係合突条部に限定されず、脚部の長手方向に沿って連続すると共に上下方向で平行な複数の係合突条部(例えば上下方向で平行な3以上の係合突条部)を有していてもよい。
【0063】
図20に示すように、スポイラー700の嵌合凹溝745にバンパー610の挿入突条615を嵌め合わせて、挿入突条615を係合突条部725A,725Bによって上下方向から挟むと共に、弾性リップ735の弾性反発力によって脚部720を挿入突条615に係止させる。バンパー610の長手方向の端末部分では、上記実施形態と同様の構造の係止具を用いてスポイラー700をバンパー610に係止させている。なお、本実施形態においては、上側係合突条部725Aまたは下側係合突条部725Bの少なくともいずれかに上記実施形態と同様の構造の係止具を用いることで、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
以上、本発明の具体例を図面を参照しつつ詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 車両(自動車)
10 バンパー
CL1 中心位置
12 前方部
14 側方部
16 コーナー部
18 側部
20 収容凹溝(装着部)
22 上側壁
24 下側壁
26 底壁
28 張り出し壁
29 補強用リブ
30 凹状段差
40 位置決め突起
100 スポイラー(バンパースポイラー)
CL2 中心位置
P1 第1係止位置
P2 第2係止位置
110 本体部
120 脚部(嵌合突条部)
121 第1の脚部側係止部
122 第2の脚部側係止部
123 貫通孔
124 フック挿入孔
127 カラー
128 連結部
130 遮蔽突条部
135 弾性リップ
140 芯材
145 脚部側位置決め孔
150 係止具
155 スポイラー側係止部
160 バンパー側係止部
165 弾性変形可能部(コイルスプリング)
170 固着具
170A 固着具
171 上辺部
172 上側突起
173 上側突条
174 底辺部
175 位置決め孔
176 下辺部
177 下側突起
178 下側突条
179 開口
210 バンパー
212 前方部
214 側方部
216 コーナー部
218 側部
220 収容凹溝(装着部)
222 上側壁
224 下側壁
226 底壁
232 前面壁
250 挿入孔
300 スポイラー
310 本体部
320 脚部(嵌合突条部)
325 係止具挿入孔
350 係止具
355 スポイラー側係止部
360 係止突起(バンパー側係止部)
365 弾性変形可能部
370 係止基部
371 車内側壁
372 車外側壁
373 係合突起
375 弾性アーム
380 連結部
410 バンパー
420 収容凹溝(装着部)
450 係止具
455 スポイラー側係止部
460 バンパー側係止部
465 弾性変形可能部
470 上辺
471 下辺
472 底辺
473 開口
474 上側嵌合突起
475 下側嵌合突起
480 バンパー側補助部材
481 弾性アーム
500 スポイラー
510 本体部
520 脚部(嵌合突条部)
550 係止具
560 バンパー側係止部
565 弾性変形可能部
610 バンパー
615 挿入突条(装着部)
622 上側壁
624 下側壁
626 底壁
700 スポイラー
710 本体部
720 脚部
725A 上側係合突条部
725B 下側係合突条部
730 遮蔽突条部
735 弾性リップ
740 芯材
745 嵌合凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパーの表面に長手方向に沿って形成された(i)収容凹溝を有する装着部または(ii)挿入突条を有する装着部を備えた長尺状の車両用バンパーに装着可能である長尺なバンパースポイラーであって、
該スポイラーは、前記バンパーの長手方向に沿って装着されたとき、上下方向に向けて配置される弾性変形可能なポリマー材料製の本体部と、
前記本体部の裏面から突出し、該本体部と一体的に成形された弾性変形可能なポリマー材料製の脚部と、
前記スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末には、係止具が備えられており、
前記脚部は、(i)前記収容凹溝に嵌まり込んで嵌合可能な嵌合突条部、または(ii)前記挿入突条を上下両側から挟んで嵌合可能な嵌合凹溝、のいずれかを有しており、
前記係止具は、前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止するスポイラー側係止部と、
前記バンパーの長手方向の端末部分に係止可能なバンパー側係止部と、
前記スポイラー側係止部と前記バンパー側係止部との間に弾性変形して両係止部間の距離を調整できる弾性変形可能部とを有しており、
前記スポイラーの前記脚部を前記バンパーの前記装着部に長手方向に沿って装着するとき、前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止させ、前記弾性変形可能部を弾性変形させて両係止部間に引張力を発生させて前記バンパー側係止部をバンパーの長手方向の端末に係止させ、前記スポイラー側係止部を介して前記弾性変形可能部の引張力を前記スポイラーに伝達させると共に、前記スポイラーに伝達された引張力の一部を、前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換して前記スポイラーを前記バンパーの表面に装着可能とされている、
ことを特徴とするバンパースポイラー。
【請求項2】
前記本体部と前記脚部は、ゴムまたは熱可塑性エストラマーから成る弾性ポリマー材料から横断面形状が一定の長尺状に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のバンパースポイラー。
【請求項3】
前記本体部および前記脚部の少なくともいずれかには、該本体部および該脚部よりも伸縮の少ない材料から形成されている長尺な芯材が長手方向に沿って一体的に埋設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバンパースポイラー。
【請求項4】
前記芯材は横断面形状が長方形の帯板であり、該帯板の幅広面が前記本体部の幅広面と平行に配置されるように前記本体部または前記脚部に埋設されていることを特徴とする請求項3に記載のバンパースポイラー。
【請求項5】
前記芯材は、横断面形状が円形の線状部材であることを特徴とする請求項3に記載のバンパースポイラー。
【請求項6】
前記弾性変形可能部は、(1)弾性を有する金属材料の成形品、(2)弾性を有するゴム材料の成形品、および(3)弾性を有する金属線材の曲げ加工品、
のうちの少なくともいずれかにより形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項7】
前記弾性変形可能部は、コイル状、ジグザグ状または帯板状のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項8】
前記スポイラーの長手方向の両端末に前記係止具がそれぞれ備えられており、該係止具の一方は、前記バンパーの長手方向の一方の端末に係止することができ、該係止具の他の一方は、該バンパーの長手方向の他の一方の端末に係止することができることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項9】
前記スポイラーの長手方向の端末において、前記脚部の一部が除去されることにより少なくとも一つの脚部側係止部が形成されており、
該脚部側係止部に前記スポイラー側係止部および/または前記弾性変形可能部が係止していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項10】
前記バンパーは、前記バンパーが車両に取り付けられる際に車両の前方に沿って配置される前方部と、該前方部の長手方向の両端末から連続して曲がり車両の側方に沿って延びる側方部とを有し、該側方部の端末には、前記バンパーの前記装着部の長手方向に沿って延長線上に前記バンパーを貫通して形成された挿入孔を有し、
前記スポイラーは、長手方向の少なくとも一方の端末で前記本体部の少なくとも一部が前記脚部を残して除去されて前記挿入孔に挿入可能な形状に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項11】
前記脚部は、該脚部の長手方向に沿って連続する前記嵌合突条部を有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項12】
前記脚部は、該脚部の長手方向に沿って連続すると共に上下方向で平行な複数の係合突条部を有しており、該複数の係合突条部の間には、前記嵌合凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のバンパースポイラー。
【請求項13】
車両用バンパーの表面に長尺なバンパースポイラーが装着されてなるスポイラー装着構造であって、
前記バンパーには、長手方向に沿って形成された(i)収容凹溝を有する装着部または(ii)挿入突条を有する装着部が備えられており、
前記スポイラーは、前記バンパーの長手方向に沿って装着され上下方向に向けて配置される弾性変形可能なポリマー材料製の本体部と、
前記本体部の裏面から突出し、該本体部と一体的に成形された弾性変形可能なポリマー材料製の脚部とを有しており、
前記脚部は、(i)前記収容凹溝に嵌まり込んで嵌合している嵌合突条部、または(ii)前記挿入突条を上下両側から挟んで嵌合している嵌合凹溝、のいずれかを有しており、
前記スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末または前記バンパーの長手方向の少なくとも一方の端末には、前記スポイラーを前記バンパーに係止する係止具が備えられており、前記スポイラーが前記係止具を介して前記バンパーに装着されており、
前記係止具は、前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止したスポイラー側係止部と、
前記バンパーの長手方向の端末部分に係止したバンパー側係止部と、
前記スポイラー側係止部と前記バンパー側係止部との間に弾性変形して両係止部間の距離を調整できる弾性変形可能部とを有しており、
弾性変形した前記弾性変形可能部で発生した引張力を前記スポイラー側係止部を介して前記スポイラーに伝達させて、該伝達された引張力の一部を前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換して前記スポイラーを前記バンパーに係止させている、
ことを特徴とするバンパースポイラーの装着構造。
【請求項14】
前記本体部および前記脚部の少なくともいずれかには、該本体部および該脚部よりも伸縮の少ない材料から形成されている長尺な芯材が長手方向に沿って一体的に埋設されていることを特徴とする請求項13に記載のバンパースポイラーの装着構造。
【請求項15】
前記スポイラーの長手方向の端末において、前記脚部の一部が除去されることにより少なくとも一つの脚部側係止部が形成されており、
該脚部側係止部に前記スポイラー側係止部および/または前記弾性変形可能部が係止していることを特徴とする請求項13または14に記載のバンパースポイラーの装着構造。
【請求項16】
前記バンパーは、車両の前方に沿って配置される前方部分と、該前方部分の長手方向の両端末から連続して曲がり車両の側方に沿って延びる側方部分とを有し、該側方部分の端末には、前記バンパーの前記装着部の長手方向に沿って延長線上に前記バンパーを貫通して形成された挿入孔を有し、
前記スポイラーは、長手方向の少なくとも一方の端末で前記本体部の少なくとも一部が前記脚部を残して除去されて前記挿入孔に挿入されていることを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載のバンパースポイラーの装着構造。
【請求項17】
前記バンパーに備えられる前記装着部は前記(i)収容凹溝を有するものであり、該バンパーの少なくとも一方の端末において、該収容凹溝と連通する前記挿入孔が長手方向に沿って形成されており、
前記脚部は前記(i)嵌合突条部を有するものであり、前記スポイラーの長手方向の少なくとも一方の端末では、該(i)嵌合突条部を残して前記本体部が除去されており、
前記嵌合突条部が前記挿入孔に挿入されて、該嵌合突条部の端末部分と前記バンパーの裏面側の端末部分とが前記係止具により係合されていることを特徴とする請求項16に記載のバンパースポイラーの装着構造。
【請求項18】
前記バンパーの前記装着部の近傍には、補強用リブが該バンパーと一体的に形成されていることを特徴とする請求項13から17のいずれか一項に記載のバンパースポイラーの装着構造。
【請求項19】
前記スポイラーの長手方向の両端末に前記係止具がそれぞれ備えられており、該係止具の一方は、前記バンパーの長手方向の一方の端末に係止しており、該係止具の他の一方は、該バンパーの長手方向の他の一方の端末に係止していることを特徴とする請求項13から18のいずれか一項に記載のバンパースポイラーの装着構造。
【請求項20】
車両用バンパーに係止具を介して長尺なバンパースポイラーを装着する方法であって、
前記車両用バンパーには、長手方向に沿って形成された(i)収容凹溝を有する装着部または(ii)挿入突条を有する装着部が備えられており、
前記スポイラーは、前記バンパーの長手方向に沿って装着されたとき、上下方向に向けて配置される弾性変形可能なポリマー材料製の本体部と、
前記本体部の裏面から突出し、該本体部と一体的に成形された弾性変形可能なポリマー材料製の脚部とを有しており、
前記脚部は、(i)前記収容凹溝に嵌まり込んで嵌合可能な嵌合突条部、または(ii)前記挿入突条を上下両側から挟んで嵌合可能な嵌合凹溝を有しており、
前記係止具は、前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止可能なスポイラー側係止部と、
前記バンパーの長手方向の端末部分に係止可能なバンパー側係止部と、
前記スポイラー側係止部と前記バンパー側係止部との間に弾性変形して両係止部間の距離を調整できる弾性変形可能部とを有しており、
以下の(1)または(2):
(1)前記係止具の前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末における前記脚部に予め係止させて、前記装着部の長手方向に沿って前記脚部を嵌め合わせて、前記弾性変形可能部を弾性変形させて両係止部間に引張力を発生させ、スポイラー側係止部を介して該引張力を前記スポイラーに伝達させると共に、前記スポイラーに伝達された引張力の一部を、前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換した状態で、前記バンパー側係止部を前記バンパーの長手方向の端末部分に係止させる;または
(2)前記係止具の前記バンパー側係止部を前記バンパーの長手方向の端末に予め係止させて、前記装着部の長手方向に沿って前記脚部を嵌め合わせて、前記弾性変形可能部を弾性変形させて両係止部間に引張力を発生させ、スポイラー側係止部を介して該引張力を前記スポイラーに伝達させると共に、前記スポイラーに伝達された引張力の一部を、前記バンパーの表面に前記スポイラーを押し付ける力に変換した状態で、前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末部分に係止させる;
のいずれかにより前記スポイラーを前記バンパーへ装着することを特徴とするバンパースポイラーの装着方法。
【請求項21】
前記スポイラー側係止部を前記スポイラーの長手方向の端末に予め係止させることを特徴とする請求項20に記載のバンパースポイラーの装着方法。
【請求項22】
前記バンパー側係止部を前記バンパーの長手方向の端末に予め係止させることを特徴とする請求項20に記載のバンパースポイラーの装着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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