説明

バーコード印刷制御装置

【課題】印刷に使用する用紙等の特性に合わせた、きめ細かなバーコード印刷制御を行うことができるバーコード印刷の制御装置を提供すること。
【解決手段】印刷ジョブの印刷データ中にバーコードBの領域Aを指定するデータが存在する場合に、属性情報中に定義されている記録紙の種類や、記録紙のバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分Rの色味に応じて、ナローバーを印刷した際のインク滲み度合いに応じた補正内容を決定し、決定した補正内容で補正したバーコード印刷用多値データを用いてバーコードBの印刷を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチドロップ方式のインクジェットプリンタによるバーコード印刷の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナローバー(黒ベタ部分)とスペースバー(白部分)とが交互に配置されたバーコードをインクジェットプリンタで印刷する際には、インクの滲みによる読取精度の低下を抑制することが重要である。
【0003】
その観点から、ナローバーの一部分やエッジ部分を他の部分よりも小径のドットを印刷する技術や(例えば、特許文献1)、バーコードのナローバーの輪郭線よりも表や罫線等ナローバー以外の輪郭線を太くする技術が(例えば、特許文献2)、既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−66831号公報
【特許文献2】特開2008−3994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ナローバーの印刷に小径のドットを単に用いるだけでは、印刷に使用する用紙等の特性に合わせた、きめ細かなバーコード印刷制御を行うことができない。バーコード以外の輪郭線よりもナローバーの輪郭線を単に細くするだけでも、同様の問題が生じる。
【0006】
また、全体的に印刷濃度を下げて滲みの低減効果を狙う考え方もあるが、本来黒ベタであるべき部分にドット間の隙間ができて埋まらなくなってしまったり、ナローバーとスペースバーとのコントラスト差が小さくなって、バーコードとしての読取精度に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、マルチドロップ方式のインクジェットプリンタにおいて、印刷に使用する用紙等の特性に合わせた、きめ細かなバーコード印刷制御を行うことができるバーコード印刷の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載した本発明のバーコード印刷制御装置は、
入力された印刷ジョブによる印刷画像中のバーコードを、同一画素に吐出するインク液滴のドット数が可変なマルチドロップ方式のインクジェットプリンタにより記録紙に印刷するバーコード印刷を制御する装置であって、
前記印刷ジョブの印刷データに基づいて、前記印刷画像中のバーコードの存在を検出する検出手段と、
前記印刷画像の印刷に用いる前記記録紙の種類に基づいて、前記印刷画像を前記種類の記録紙に印刷する際の該記録紙上におけるインクの滲み度合いを判別する判別手段と、
前記印刷画像中のバーコードの存在を前記検出手段が検出した場合に、前記印刷データ中のバーコードのデータ内容から生成されるバーコード印刷用多値データを、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記種類の記録紙上に印刷されるバーコードの形状が前記印刷データによって表されるデータ上のバーコードの形状に近づくように補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載した本発明のバーコード印刷制御装置は、請求項1に記載した本発明のバーコード印刷制御装置において、前記判別手段が、さらに、前記印刷データ中の前記バーコードの背景色を示す属性情報に基づいて、前記インクの滲み度合いを判別することを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に記載した本発明のバーコード印刷制御装置は、請求項1又は2に記載した本発明のバーコード印刷制御装置において、前記判別手段が、さらに、前記印刷画像中のバーコードの存在を前記検出手段が検出した場合に、前記印刷データ中の、前記記録紙における前記バーコードの裏側箇所の印刷画像の色味を示すデータに基づいて、前記インクの滲み度合いを判別することを特徴とする。
【0011】
なお、本発明の変形例に係るバーコード印刷制御装置のように、請求項1、2又は3に記載した本発明のバーコード印刷制御装置において、前記補正手段が、前記バーコードをブラックインク単色で印刷するように前記バーコード印刷用多値データを補正することを特徴とする構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した本発明のバーコード印刷制御装置によれば、バーコードを含む印刷画像の印刷ジョブが入力されると、記録紙に印刷されるバーコードの形状が印刷ジョブの印刷データによって表されるデータ上のバーコードの形状に近づくように、印刷データから生成されるバーコード印刷用多値データが、印刷に使用する記録紙の種類に応じて補正される。したがって、記録紙の種類に応じた適切な多値データでバーコードを、データ上の形状に近い形状で記録紙に印刷させることができる。
【0013】
また、請求項2に記載した本発明のバーコード印刷制御装置によれば、請求項1に記載した本発明のバーコード印刷制御装置において、バーコードの背景色に応じて印刷に使用するインクの色が異なると、その温度や組成の違いによりインクの滲み度合いが異なる場合にも、使用するインクの色に応じて適切な多値データでバーコードを、データ上の形状に近い形状で記録紙に印刷させることができる。
【0014】
さらに、請求項3に記載した本発明のバーコード印刷制御装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明のバーコード印刷制御装置において、両面印刷における記録紙の裏側に印刷された画像の色味によって、記録紙の表側のバーコードの印刷に用いるインクの滲み度合いが異なる場合にも、裏面の印刷画像の色味に応じて適切な多値データでバーコードを、データ上の形状に近い形状で記録紙に印刷させることができる。
【0015】
なお、本発明の変形例に係るバーコード印刷制御装置によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバーコード印刷制御装置において、バーコードをブラックとそれ以外の複数色のインクによるコンポジット印刷ではなく、ブラックインクのみによる単色印刷とすることにより、各色のインクによるバーコードの印刷箇所がずれて、各色のインクによる印刷に補正されたバーコード印刷用多値データを用いることのメリットが損なわれてしまうのを、防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明が適用されるマルチドロップ方式のインクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の制御ユニットに入力される印刷ジョブ中のバーコードの印刷データによるデータ上の形状を拡大して示す説明図である。
【図4】図3の印刷データによりバーコードBを印刷した場合のインクの滲み度合いの一例を示す説明図である。
【図5】図2の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行うバーコード印刷用多値データの補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図2のクライアント端末の入力部及び出力部を用いて印刷画像中のバーコード領域を指定する場合の説明図である。
【図7】図6のバーコード領域の裏側に印刷する印刷画像の色味によってバーコードのナローバーのインクの滲み度合いが変わる様子を示す説明図である。
【図8】図5のバーコード印刷用多値データの補正処理中の裏面色味判定処理において行う手順の概要を示す説明図である。
【図9】図5の裏面色味判定処理中に行う色相チェックの手順を示す説明図である。
【図10】図5のバーコード端部補正処理の概要を示す説明図である。
【図11】図1のインクジェットプリンタにより普通紙にバーコードを印刷した場合の背景色別のナローバーとスペースバーとの印刷幅差を示す説明図である。
【図12】図1のインクジェットプリンタによりIJ用紙にバーコードを印刷した場合の背景色別のナローバーとスペースバーとの印刷幅差を示す説明図である。
【図13】図1のインクジェットプリンタによりIJマット紙にバーコードを印刷した場合の背景色別のナローバーとスペースバーとの印刷幅差を示す説明図である。
【図14】図5のバーコード端部補正処理の別例の概要を示す説明図である。
【図15】図5のバーコード端部補正処理を行ったバーコード印刷用多値データと行っていないバーコード印刷用多値データとを用いてそれぞれ印刷したバーコードのナローバー及びスペースバーの印刷結果を、理想的な印刷結果と比較して示す説明図である。
【図16】図5のバーコード端部補正処理を行ったバーコード印刷用多値データと行っていないバーコード印刷用多値データとを用いてそれぞれ印刷したバーコードのスキャナによる読取信号の出力波形を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0018】
図1は本発明が適用されるライン型インクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態のライン型インクジェットプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と略記する。)1は、原稿上の印刷画像を読み取って画像信号を出力するスキャナ部101と、スキャナ部101から出力された画像信号に基づいて記録紙S(片面又は両面)に印刷画像を印刷(記録)するプリンタ部102と、各種表示入力用のディスプレイ103と、全体制御用の制御ユニット10とを備えている。プリンタ部102における印刷画像の印刷に使用する記録紙Sは、給紙部105からプリンタ部102を介して排紙部109に搬送される。
【0019】
図2は、図1の制御ユニット10の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御ユニット10には、外部インタフェース部11を介して、後述するクライアント端末14の外部インタフェース部15が接続されている。この接続には、例えば、100BASE−TXの有線LANが用いられる。このクライアント端末14から制御ユニット10は、印刷画像の印刷ジョブを受け取る。この印刷ジョブは、ポストスクリプトデータ(又はGDIデータ)と印刷環境データとを含んでいる。制御ユニット10は、受け取った印刷ジョブのポストスクリプトデータ(又はGDIデータ)により印刷画像のラスタデータを生成する。インクジェットプリンタ1は、印刷ジョブの印刷環境情報において指定された条件で、印刷画像の記録紙Sへの印刷をプリンタ部102において実行する。
【0020】
プリンタ部102は、同一画素にノズル(図示せず)から吐出するドットを最大5ドットまで変化させることができるマルチドロップ方式のインクジェット方式で印刷画像の印刷を行うインクジェットヘッド(図示せず)を、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色別にそれぞれ有している。各画素の各色のインクジェットヘッドからのインク液滴の吐出ドット数を規定する印刷用多値データは、クライアント端末14から入力される印刷ジョブの印刷データに基づいて、制御ユニット10のCPU90によって生成される。
【0021】
また、制御ユニット10のCPU90には、ディスプレイ103が接続されている。このディスプレイ103は、図1に示すように、インクジェットプリンタ1の上部に配置されている。このディスプレイ103は、スキャナ部101によって記録紙Sから画像を読み取るスキャナモードでインクジェットプリンタ1を使用する場合に、読み取った画像の電子データ化や自己診断等のメニューをユーザが選択入力する入力操作部として利用することができる。
【0022】
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェットプリンタ1の制御ユニット10は、図2に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ103から入力設定される内容に応じたスキャナ部101やプリンタ部102の動作を制御する。
【0023】
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92にはディスプレイ103から入力されたメニュー選択内容等が随時記憶される。また、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータ(又はGDIデータ)からCPU90が生成する、印刷画像のラスタデータが、プリンタ部102に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
【0024】
また、制御ユニット10にはフラッシュメモリ93が設けられている。このフラッシュメモリ93は、インクジェットプリンタ1に対する給電が絶たれても記憶内容を保持できる不揮発性メモリである。フラッシュメモリ93には、ディスプレイ103、プリンタ部102のカラーマッチングシステム及びプリンタエンジン、並びに、スキャナ部101のファームウェアが、使用する領域を分けてそれぞれ記憶されている。
【0025】
クライアント端末14は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成されるものであり、ROM17に格納された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16と、CPU16のワーキングエリアとして機能するRAM18と、キーボードやマウス等から構成される入力部19と、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20とを備えている。
【0026】
CPU16には、上述した外部インタフェース部15の他に、外部記憶装置21とディスクドライブ22とが接続されている。外部記憶装置21には、印刷画像のデータを生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域や、インクジェットプリンタ1のプリンタドライバプログラムの格納領域、アプリケーションプログラムを用いて生成された印刷画像のデータのデータベース領域、及び、プリンタドライバプログラムにおける印刷環境情報の、標準的な内容やユーザによってカスタマイズされた内容等のデータベース領域が確保されている。印刷環境情報は、印刷ジョブ中の印刷情報データとして制御ユニット10に出力される。
【0027】
CPU16は、入力部19から入力される起動要求にしたがって外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させ、また、入力部19からのパラメータ入力等により指示された内容の印刷画像のデータを、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された印刷画像のデータは出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21の印刷画像のデータのデータベース領域に記憶される。
【0028】
外部記憶装置21のデータベース領域に記憶された印刷画像のデータは、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19からの読み出し要求が入力された場合に、外部記憶装置21から読み出される。読み出された印刷画像のデータは、出力部20に表示出力することができ、また、アプリケーションプログラム上において加工して新たな印刷画像のデータに生成し直すこともできる。
【0029】
そして、CPU16は、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19から印刷指令が入力された場合に、印刷対象の印刷画像の印刷ジョブを生成して、生成した印刷ジョブを外部インタフェース部15から制御ユニット10の外部インタフェース部11に出力する。この印刷ジョブは、外部記憶装置21に格納されたプリンタドライバプログラムをCPU16が実行することによって、制御ユニット10に出力することができる。
【0030】
また、CPU16は、クライアント端末14のディスクドライブ22により光学ディスク等のディスク状記録媒体50から各種プログラムやデータを読み取って、外部記憶装置21にインストール(記憶)させたりインクジェットプリンタ1側に伝送することができる。
【0031】
図3は、上述したクライアント端末14からインクジェットプリンタ1の制御ユニット10に入力される印刷ジョブ中のバーコードBの印刷データによるデータ上の形状を拡大して示す説明図である。図3のバーコードBは、データ上では、黒ベタのナローバーBnの幅と、2つのナローバーBnの間に存在するスペースバーBsの幅とが、同じ寸法で構成されている。
【0032】
図4は、インクジェットプリンタ1が記録紙Sに図3の印刷データによりバーコードBを印刷した場合のインクの滲み度合いの一例を示す説明図である。図4に示す印刷されたバーコードB1は、ナローバーBnの部分の各画素を一番濃い濃度に応じた5ドットのインク液滴で印刷される。図4では、1つのナローバーBnが5列のドットで印刷される場合を示している。
【0033】
図4に示す印刷されたバーコードB1では、ナローバーBnの幅方向の最外列のドットの滲みにより、ナローバーBnの幅が、図3に示す印刷データ上の正規の寸法よりも広くなってしまい、それに伴い、スペースバーBsの幅が正規の寸法よりも狭くなってしまっている。
【0034】
このようなドットの滲みによる印刷されたバーコードB1のナローバーBnやスペースバーBsの幅の変化は、印刷に使用する記録紙Sやインク色、さらには、両面印刷の場合のバーコードB1の裏側に印刷される印刷画像の色味によって異なる。そこで、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、それらの要素を印刷ジョブから特定して、バーコードB1を記録紙Sに印刷するのに用いるバーコード印刷用多値データの内容を、データ上のバーコードBに応じた内容から補正するようにしている。
【0035】
次に、図1のインクジェットプリンタ1において行うバーコード印刷用多値データの補正処理の手順について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは、図2に示す制御ユニット10のCPU90がROM91に記憶されたプログラムを実行することにより行う処理を示している。
【0036】
図5に示すように、CPU90は、まず、クライアント端末14から入力された印刷ジョブによる印刷画像の印刷データ中に、バーコード領域を指定するデータが存在するか否かを確認する(ステップS1)。ここで、バーコード領域を指定するデータは、図6の説明図に示す印刷ジョブの印刷画像I(ここでは帳票の場合を示している。)を、クライアント端末14の出力部20の液晶ディスプレイに表示させた状態で、入力部19のマウス等を用いてバーコードBの領域Aを入力指定することで、クライアント端末14のCPU16により印刷ジョブの印刷データの一部に組み込ませることができる。
【0037】
図5のフローチャートに戻って、印刷データ中にバーコード領域Aを指定するデータが存在しない場合は(ステップS1でNO)、通常印刷処理を行って(ステップS3)、一連の処理を終了する。ここで、通常印刷処理は、入力された印刷ジョブの印刷データによって示される内容に応じてCPU90が生成した印刷画像の各色の多値データを用いて、各色のインクジェットヘッドによりマルチドロップ方式のインクジェットによる印刷を行う処理である。
【0038】
一方、印刷データ中にバーコード領域Aを指定するデータが存在する場合は(ステップS1でYES)、領域内データモノクロ変換処理を行う(ステップS5)。この処理では、指定された領域内の印刷データ(RGB値)を、K(ブラック)一色のデータ(R,G,B=0,0,0)に変換する。
【0039】
次に、CPU90は、入力された印刷ジョブが両面印刷の印刷データであるか否かを確認する(ステップS7)。両面印刷でない場合は(ステップS7でNO)、記録紙Sの裏面の色情報を「白」に設定した後(ステップS9)、後述するステップS23に移行する。両面印刷である場合は(ステップS7でYES)、ステップS11乃至ステップS21の裏面色味判定処理を実行した後、ステップS23に移行する。
【0040】
この裏面色味判定処理は、両面印刷の場合におけるバーコード領域Aの裏側の印刷画像の色味によって、バーコードBのナローバーBnのインクの滲み度合いが変わるため、裏側の印刷画像の色味を特定することを目的として行う処理である。
【0041】
例えば、図7の説明図の上半部に示す、片面印刷の場合に記録紙Sに印刷されるバーコードB1に比べて、同図の下半部に示す、両面印刷で裏面の色味が赤である場合に記録紙Sに印刷されるバーコードB1は、ナローバーBnの幅が狭く、スペースバーBsの幅が広くなっている。即ち、片面印刷の場合よりも両面印刷で裏面の色味が赤である場合の方が、記録紙Sに印刷されるバーコードB1のナローバーBnのインクの滲み度合いが小さいことが判る。
【0042】
そこで、裏面色味判定処理では、図8の説明図に示すように、クライアント端末14から入力された印刷ジョブの印刷データに基づいて、印刷画像の表面画像イメージIfのバーコード領域Aの裏側に位置する、裏面画像イメージIr上の印刷画像部分Rを、それぞれの画素位置から特定する。そして、特定した画素位置の裏面の印刷画像部分Rの画素データをRGBデータ値から例えばL* * * 表色系データに変換し、a* 、b* で表される色度から色相を割り出す。
【0043】
そして、裏面色味判定処理では、具体的には図5に示すように、まず、記録紙Sの裏面の印刷画像部分R(図8)に印刷する印刷画像が無彩色であるか否かを確認する(ステップS11)。無彩色である場合は(ステップS11でYES)、記録紙Sの裏面の色情報を「黒」に設定した後(ステップS13)、裏面色味判定処理を終了してステップS23に移行する。一方、無彩色でない場合は(ステップS11でNO)、記録紙Sの表面のバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)内の各画素について、色相チェックを行う(ステップS15、ステップS17でNO)。
【0044】
そして、印刷画像部分R(図8)内の各画素について色相チェックを行ったならば(ステップS17でYES)、印刷画像部分R内の各画素の色相から全画素の平均色相を決定する(ステップS19)。
【0045】
上述したステップS15乃至ステップS19では、図9の説明図の右半部に示すような手順で処理を行う。即ち、図5のステップS15においては、記録紙Sの裏面の印刷画像部分R(図8)内の各画素について、印刷データ中で規定されたRGB値を、それぞれL* * * 表色系データの値に変換し、a* 、b* で表される色度から色相を割り出す。
【0046】
そして、図5のステップS17で全画素の色相を割り出した(YES)ならば、図5のステップS19において、割り出した各画素の色相を平均することにより、印刷画像部分R(図8)内の全画素の平均色相を決定する。図9の説明図に示す例では、印刷画像部分R内の全画素の平均色相が、図中左半部のL* * * 色空間に照らして、「赤」であると決定した場合を示している。
【0047】
図5のステップS19で印刷画像部分R(図8)内の全画素の平均色相を決定したならば、印刷画像部分Rの色情報を、ステップS19で決定した平均色相の色の色情報(該当色情報:XX)に設定する。そして、裏面色味判定処理を終了し、ステップS23に移行する。
【0048】
ステップS23では、印刷ジョブの属性情報において規定された記録紙Sの種類(用紙種別)と、印刷画像中のバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味(ステップS9、ステップS13、ステップS21で設定された色情報)とを確認する。そして、確認した内容(用紙A、用紙B、…、用紙Nと印刷画像部分Rの色味との組み合わせパターン)によって印刷ジョブを分類する(ステップS25a,ステップS25b,…,ステップS25n)。さらに、分類したパターンにそれぞれ応じた補正処理(濃度パターン・バーコード端部補正処理)をそれぞれ行った上で、印刷処理を行う(ステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27n)。
【0049】
ここで、図10の説明図を参照して、図5のステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nにおいて行うバーコード端部補正処理の概要を説明する。図10に示すように、記録紙Sに印刷されるバーコードB1のナローバーBnを5列のドット列で印刷する場合、その印刷幅は、ナローバーBnの最外列の各画素に対して吐出するインク液滴のドロップ数によって異なる。即ち、ナローバーBnの最外列の各画素に対して吐出するインク液滴のドロップ数が少ないほど、インクの滲み度合いが少なくなって、ナローバーBnの印刷幅が狭くなる。
【0050】
そこで、図5のステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nにおいて行うバーコード端部補正処理では、ナローバーBnの最外列の各画素に対して吐出するインク液滴のドロップ数をいくつにするかを決定するようにしている。
【0051】
次に、図11乃至図13の説明図を参照して、インクジェットプリンタ1により記録紙SにバーコードB1を印刷した場合の背景色別のナローバーBnとスペースバーBsとの印刷幅差について説明する。図11乃至図13の説明図中の各表は、記録紙Sに印刷されるバーコードB1の背景色別の、ナローバーBn及びスペースバーBsの印刷幅と両者の差を示している(単位は全てμm)。
【0052】
なお、各図の各表のドロップ数(Drop)は、ナローバーBnの最外列の各画素に吐出するインク液滴のドロップ数(0〜5ドロップ)を示している。また、各図の左上の表は、背景色が無色である場合を示している。さらに、表中の括弧内の数値はマイナスの値であることを示す。
【0053】
図11の説明図は、記録紙Sが普通紙である場合を示している。また、図12の説明図は、記録紙SがIJ(インクジェット)用紙である場合を示している。さらに、図13の説明図は、記録紙SがIJマット紙である場合を示している。各図中の各表から明らかなように、ナローバーBnの印刷幅とスペースバーBsの印刷幅との差は、バーコードB1の背景色(無色を含む)毎に異なり、かつ、ナローバーBnの最外列の各画素に吐出するインク液滴のドロップ数毎に異なる。
【0054】
例えば、図11の説明図に示すように、普通紙については、バーコードB1の背景色がいずれの場合でも、ナローバーBnの最外列の各画素をより少ないドロップ数で印刷する方が、ナローバーBnの印刷幅とスペースバーBsの印刷幅との差が小さくなる傾向にある。
【0055】
一方、図12や図13の説明図に示すように、IJ用紙やIJマット紙については、バーコードB1の背景色によって、ナローバーBnの印刷幅とスペースバーBsの印刷幅との差が最も小さくなるような、ナローバーBnの最外列の各画素に対する吐出インク液滴のドロップ数が異なる。また、IJ用紙とIJマット紙との相互間でも異なる。
【0056】
図11乃至図13の説明図は、印刷するバーコードB1の背景色とナローバーBn及びスペースバーBsの印刷幅差との関係を示しているが、印刷するバーコードB1の裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味とナローバーBn及びスペースバーBsの印刷幅差との間にも、図11乃至図13の説明図にそれぞれ示す傾向と似たような傾向が存在するものと考えられる。
【0057】
そこで、本実施形態では、図5のステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nにおいて、印刷ジョブの属性情報において規定された記録紙Sの種類(用紙種別)と、印刷画像中のバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色情報との組み合わせ内容に応じて、図11乃至図13の説明図に示す傾向を参考にして、バーコードB1の印刷用多値データ(バーコード印刷用多値データ)の補正内容を決定しておくようにしている。
【0058】
決定した補正内容は、例えば、制御ユニット10のRAM92やフラッシュメモリ93に、テーブル(図示せず)として記憶しておき、図5のステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nのバーコード端部補正処理において、補正内容の決定に際してCPU90が参酌するように構成することができる。
【0059】
なお、5列のドット列でバーコードB1のナローバーBnを印刷する場合、図10の説明図に示すように、最外列の各画素だけインク液滴のドロップ数を補正してもまだインクの滲み度合いが大きく、目的の印刷幅でナローバーBnを印刷できない場合が想定される。
【0060】
そこで、図14の説明図の左側に示すように、最外列の一つ内側の列の各画素についても、最外列の各画素と同様に、インク液滴のドロップ数を補正するようにしてもよい。例えば、図14に示す補正パターンでは、最外列の各画素を3ドロップのインク液滴で印刷し、一つ内側の各画素を4ドロップのインク液滴で印刷する場合を示している。
【0061】
このようにすれば、使用する記録紙Sや、印刷するバーコードB1の裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味との関係で、ナローバーBnを印刷したときのインクの滲み度合いが相対的に大きい場合であっても、滲み度合いをより少なくした細い寸法でナローバーBnを印刷できるようにすることが可能となる。
【0062】
また、印刷データ上のバーコードBが、3ドット幅や2ドット幅のように細いナローバーBnを有するものである場合にも、それに応じた補正内容とすることができる。例えば、図14の説明図の中央及び右側にそれぞれ示すように、3ドット幅の最外列の各画素についてインク液滴のドロップ数を5ドロップから4ドロップに補正したり、2ドット幅の片側の列の各画素についてインク液滴のドロップ数を5ドロップから4ドロップに補正する補正内容としてもよい。
【0063】
そして、本実施形態では、図5のステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nにおいて行うバーコード端部補正処理において、5列のドット列によって印刷するバーコードB1のナローバーBnについて、その最外列の各画素に対して吐出するインク液滴のドロップ数をいくつにするかを、ステップS25a,ステップS25b,…,ステップS25nで分類したパターンに応じて、RAM92又はフラッシュメモリ93のテーブルに基づいて決定するようにしている。
【0064】
なお、ステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nにおいてバーコード端部補正処理とバーコードB1の印刷処理とを行ったならば、一連の処理を終了する。
【0065】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図5のフローチャートにおけるステップS1が、請求項中の検出手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図5中のステップS5、ステップS23、及び、ステップS25a〜ステップS25nが、請求項中の判別手段に対応する処理となっている。さらに、本実施形態では、図5中のステップS27a〜ステップS27nが、請求項中の補正手段に対応する処理となっている。
【0066】
このように構成された本実施形態のインクジェットプリンタ1では、印刷ジョブの印刷データ中にバーコードBの領域Aを指定するデータが存在する場合に、属性情報中に定義されている記録紙Sの種類や、記録紙Sのバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味に応じて、ナローバーBnを印刷した際のインク滲み度合いに応じた補正内容を決定し、決定した補正内容で補正したバーコード印刷用多値データを用いてバーコードB1の印刷を行うようにした。
【0067】
このため、印刷されるバーコードB1の形状が印刷データ上のバーコードBの形状に近づくように、印刷データから生成されるバーコード印刷用多値データを補正して、記録紙Sの種類やバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味に応じた適切な多値データで、バーコードB1をデータ上の形状に近い形状で記録紙Sに印刷させることができる。
【0068】
図15は、バーコード印刷用多値データにより印刷したバーコードB1を示す説明図で、(a)は理想的な印刷イメージ、(b)はバーコード印刷用多値データの記録紙Sや印刷画像部分R(図8)の色味に応じた補正を行わない場合の印刷イメージ、(c)は同補正を行った場合の印刷イメージをそれぞれ示す。
【0069】
図15(b)に示す補正なしの場合の印刷イメージでは、ナローバーBnの幅がインク滲みにより図15(a)の理想的な幅に比べて太くなっている。これに対して、図15(c)に示す補正ありの場合の印刷イメージは、インク滲み度合いが補正なしの場合よりも抑制され、図15(a)の理想的な幅に近づくように細くなっている。
【0070】
図16は、図15(a)〜(c)にそれぞれ示す印刷イメージのバーコードB1をスキャナで読み取った場合の出力波形を示す説明図で、(a)は理想的な印刷イメージの場合、(b)はバーコード印刷用多値データの記録紙Sや印刷画像部分R(図8)の色味に応じた補正を行わない印刷イメージの場合、(c)は同補正を行った印刷イメージの場合をそれぞれ示す。
【0071】
図16(b)に示す補正なしの場合の印刷イメージでは、スペースバーBsの読取信号レベルが図16(a)の理想的な印刷イメージの場合に比べて低くなっている。これに対して、図16(c)に示す補正ありの場合の印刷イメージは、インク滲み度合いが補正なしの場合よりも抑制され、スペースバーBsの読取信号レベルが図16(a)の理想的な印刷イメージの場合と同等になっている。即ち、ナローバーBn及びスペースバーBsの各印刷幅が、バーコード印刷用多値データの補正によって、理想的な印刷幅に近づいていることが分かる。
【0072】
なお、上述した図5の手順では、ステップS5において、バーコード領域A内の(バーコードBの)印刷データをブラック一色のデータに変換したが、これを省略しても良い。その場合、ステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nで、記録紙S(用紙)の種類(用紙A、用紙B、…、用紙N)と、印刷画像部分R(図8)の色味との組み合わせに応じて、バーコードB1の印刷に用いるインク色別にバーコード印刷用多値データの補正内容を決定することになる。
【0073】
但し、本実施形態のように図5のステップS5の手順を設けて、バーコードB1をブラックとそれ以外の複数色のインクによるコンポジット印刷ではなく、ブラックインクのみによる単色で印刷すれば、次のようなメリットが得られる。即ち、各色のインクによるバーコードの印刷箇所がずれて、各色のインクによる印刷に補正されたバーコード印刷用多値データを用いることのメリットが損なわれてしまうのを、防ぐことができる。
【0074】
また、上述した図5の手順では、両面印刷を行う場合を例に取って説明したが、片面印刷を行う場合にも本発明は適用可能である。その場合には、印刷画像中のバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味(ステップS9、ステップS13、ステップS21で設定された色情報)に代えて、印刷するバーコードB1の背景色を確認し、それと記録紙Sの種類との組み合わせパターンによって、入力された印刷ジョブをステップS25a,ステップS25b,…,ステップS25nで分類することになる。
【0075】
そして、バーコード印刷用多値データの補正内容を、分類した記録紙Sの種類と印刷する背景色との組み合わせパターンに応じて、本実施形態の場合のようにステップS27a,ステップS27b,…,ステップS27nで決定し、印刷処理することになる。
【0076】
この場合にも、印刷されるバーコードB1の形状が印刷データ上のバーコードBの形状に近づくように、印刷データから生成されるバーコード印刷用多値データを補正して、記録紙Sの種類や印刷するバーコードB1の背景色に応じた適切な多値データで、バーコードB1をデータ上の形状に近い形状で記録紙Sに印刷させることができる。
【0077】
さらに、両面印刷におけるバーコード領域Aの裏側に位置する印刷画像部分R(図8)の色味や、印刷するバーコードB1の背景色の色味を一切考慮せず、単に、記録紙Sのみによって、バーコード印刷用多値データの補正内容を決定するようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、印刷に使用する記録紙Sの種類が印刷ジョブ中の属性情報によって特定される場合について説明した。しかし、インクジェットプリンタ1側で記録紙Sを自動選択する場合等、印刷ジョブの属性情報以外の手段によって特定される記録紙Sの種類を、バーコード印刷用多値データの補正内容決定に用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 ライン型インクジェットプリンタ
10 制御ユニット
11 外部インタフェース部
14 クライアント端末
15 外部インタフェース部
16 CPU
17 ROM
18 RAM
19 入力部
20 出力部
21 外部記憶装置
22 ディスクドライブ
50 ディスク状記録媒体
90 CPU
91 ROM
92 RAM
93 フラッシュメモリ
101 スキャナ部
102 プリンタ部
103 ディスプレイ
105 給紙部
109 排紙部
A バーコード領域
B バーコード
B1 バーコード
Bn ナローバー
Bs スペースバー
I 印刷画像
If 表面画像イメージ
Ir 裏面画像イメージ
R 印刷画像部分
S 記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印刷ジョブによる印刷画像中のバーコードをマルチドロップ方式のインクジェットプリンタにより記録紙に印刷するバーコード印刷を制御する装置であって、
前記印刷ジョブの印刷データに基づいて、前記印刷画像中のバーコードの存在を検出する検出手段と、
前記印刷画像の印刷に用いる前記記録紙の種類に基づいて、前記印刷画像を前記種類の記録紙に印刷する際の該記録紙上におけるインクの滲み度合いを判別する判別手段と、
前記印刷画像中のバーコードの存在を前記検出手段が検出した場合に、前記印刷データ中のバーコードのデータ内容から生成されるバーコード印刷用多値データを、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記種類の記録紙上に印刷されるバーコードの形状が前記印刷データによって表されるデータ上のバーコードの形状に近づくように補正する補正手段と、
を備えることを特徴とするバーコード印刷制御装置。
【請求項2】
前記判別手段は、さらに、前記印刷データ中の前記バーコードの背景色を示すデータに基づいて、前記インクの滲み度合いを判別することを特徴とする請求項1記載のバーコード印刷制御装置。
【請求項3】
前記判別手段は、さらに、前記印刷画像中のバーコードの存在を前記検出手段が検出した場合に、前記印刷データ中の、前記記録紙における前記バーコードの裏側箇所の印刷画像の色味を示すデータに基づいて、前記インクの滲み度合いを判別する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバーコード印刷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−71532(P2012−71532A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219317(P2010−219317)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】