説明

バースト信号生成システム、バースト信号生成装置及び光信号送信装置

【課題】本発明は、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することを目的とする。
【解決手段】本発明は、光信号からバースト信号を生成する光バースト信号生成装置1と、光信号を光バースト信号生成装置1に送信する光信号送信装置2と、を備えるバースト信号生成システムであって、光バースト信号生成装置1は、バースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定するバースト信号制御部12と、送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される宛先を光信号送信装置2に通知するバースト信号制御部12及び光送信器13と、を備え、光信号送信装置2は、送信予定時刻に送信される宛先への光信号を送信予定時刻までに光バースト信号生成装置1に到着させる電気バッファ読出制御部22及び光送信器24と、を備えるバースト信号生成システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システムの光バースト信号生成に関する。
【背景技術】
【0002】
全光ネットワーク実現に向けた光バーストスイッチングの研究開発が活発になされている。光バーストスイッチングを用いることにより、制御用信号を元に、伝送される信号を光/電気/光変換することなくスイッチングすることが可能となるため、将来の大容量化時に課題となるルータにおけるスイッチング処理の消費電力増大の解決手法として期待できる。
【0003】
光バーストスイッチングでは、伝送されるバースト信号のフレームのうち、制御用信号のみ光/電気/光変換され、データ信号は光のまま伝送されるので、データ信号を長くすることにより、消費電力を抑えたスイッチング処理が可能となる。ただし、データ信号の長さがその都度大幅に変動すると、光バーストスイッチング網におけるバースト信号への波長割当等の制御が複雑になるため、運用制御が難しくなる。また、データ信号を長くするためには、バースト信号生成時間がより長く必要となるため、その分信号の遅延が問題となる。
【0004】
上記問題の解決手法として、非特許文献1に記載のバースト信号生成方式がある。従来技術の光バースト信号生成装置の処理を図1に示す。図1の方式では、光バースト信号生成装置1に到着する信号を2つの条件によりバースト信号にする。
【0005】
条件1では、到着した信号を電気バッファに蓄え、蓄えられた信号のデータ長がある閾値以上になった場合に、それをバースト信号として送信する。図1の場合、同じあて先の信号S1〜S6が光バースト信号生成装置1に伝送されてくるとき、電気バッファの閾値が越される信号S4が到着した時点で光バースト信号生成を行い、信号S1〜S4をひとつの光バースト信号として送信する。条件1を用いて光バースト信号生成をすることにより、光バースト信号を一定長以下にすることができるので、光バースト信号の長さが大幅に変動しなくなり、その結果、前述の運用制御の問題を回避することができる。
【0006】
条件2では、到着した信号を電気バッファに蓄え、先頭の信号が到着してから一定時間内に到着した信号をバースト信号にする。図1の場合、同じあて先の信号S1〜S6が光バースト信号生成装置1に伝送されてくるとき、信号S1が到着してから一定時間内に到着した信号S1、S2をひとつの光バースト信号として送信する。条件2を用いて光バースト信号生成をすることにより、遅延時間を一定時間内に抑制することができるため、必要な遅延時間を保証することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Yijun Xiong et al.,“Control Architecture in Optical Burst−Switched WDM Networks”,IEEE Journal on Selected Areas in Communications,Vol.18,No.10,October 2000.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1の方式においては、光バースト信号生成装置1に伝送されてくる信号に対し、何もタイミング制御を加えていないため、条件2をもとにした光バースト信号生成がなされてしまう可能性がある。条件2をもとにした光バースト信号生成の場合、光バースト信号が短くなってしまうことがあるため、前述した光バーストスイッチングによる消費電力削減効果が低くなってしまうことがあるという問題が生じてしまう。
【0009】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
バースト信号生成システムは、光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置と、光信号をバースト信号生成装置に送信する光信号送信装置と、を備える。ここで、バースト信号生成装置は、出力予定時刻及び出力予定時刻に出力される宛先を、光信号送信装置に通知することとした。そして、光信号送信装置は、出力予定時刻に出力される宛先への光信号を、出力予定時刻までにバースト信号生成装置に到着させることとした。
【0011】
具体的には、本発明は、光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置と、光信号を前記バースト信号生成装置に送信する光信号送信装置と、を備えるバースト信号生成システムであって、前記バースト信号生成装置は、バースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定する送信予定時刻決定部と、前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記光信号送信装置に通知する送信予定時刻通知部と、前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記光信号送信装置から受信する光信号受信部と、を備え、前記光信号送信装置は、前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記バースト信号生成装置から受信する送信予定時刻受信部と、前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記バースト信号生成装置に到着させる光信号送信部と、を備えることを特徴とするバースト信号生成システムである。
【0012】
また、本発明は、光信号送信装置から送信された光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置であって、バースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定する送信予定時刻決定部と、前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記光信号送信装置に通知する送信予定時刻通知部と、前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記光信号送信装置から受信する光信号受信部と、を備えることを特徴とするバースト信号生成装置である。
【0013】
また、本発明は、光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置に光信号を送信する光信号送信装置であって、前記バースト信号生成装置がバースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定した際に、前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記バースト信号生成装置から受信する送信予定時刻受信部と、前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記バースト信号生成装置に到着させる光信号送信部と、を備えることを特徴とする光信号送信装置である。
【0014】
この構成によれば、送信予定時刻を適切に設定することで、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。
【0015】
また、本発明は、前記光信号送信装置から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、前記送信予定時刻の間隔が長いことを特徴とするバースト信号生成システムである。
【0016】
また、本発明は、前記光信号送信装置から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、前記送信予定時刻の間隔が長いことを特徴とするバースト信号生成装置である。
【0017】
また、本発明は、前記光信号送信部から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、前記送信予定時刻の間隔が長いことを特徴とする光信号送信装置である。
【0018】
この構成によれば、バースト長が短くなりすぎないため、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。
【0019】
また、本発明は、前記バースト信号生成装置の前記送信予定時刻通知部は、さらにバースト長の上限を前記光信号送信装置に通知し、前記光信号送信装置の前記送信予定時刻受信部は、さらにバースト長の上限を前記バースト信号生成装置から受信し、前記光信号送信装置の前記光信号送信部は、バースト長の上限に従った前記宛先への光信号を前記バースト信号生成装置に送信し、前記バースト信号生成装置の前記光信号受信部は、バースト長の上限に従った前記宛先への光信号を前記光信号送信装置から受信することを特徴とするバースト信号生成システムである。
【0020】
この構成によれば、バースト長が長くなりすぎないため、バースト長の変動による運用制御の困難やバースト長の増大による遅延の増大を回避することができる。
【0021】
また、本発明は、前記光信号送信装置は、送信の優先度が互いに異なる信号を蓄積する複数のバッファ、をさらに備え、前記光信号送信装置の前記光信号送信部は、前記複数のバッファのうち送信の優先度が高い信号を蓄積するバッファに対して、前記光信号送信装置の前記送信予定時刻受信部が受信した前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先に関わらず、優先的に読み出しを行ない、前記複数のバッファのうち送信の優先度が低い信号を蓄積するバッファに対して、前記光信号送信装置の前記送信予定時刻受信部が受信した前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先に基づいて、非優先的に読み出しを行なうことを特徴とするバースト信号生成システムである。
【0022】
この構成によれば、送信の優先度が高い信号に対して、遅延の増大を回避することができ、送信の優先度が低い信号に対して、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来技術の光バースト信号生成装置の処理を示す図である。
【図2】実施形態1のバースト信号生成システムの構成を示す図である。
【図3】実施形態2のバースト信号生成システムの構成を示す図である。
【図4】実施形態3の光信号送信装置の構成を示す図である。
【図5】実施形態4の光信号送信装置の構成を示す図である。
【図6】実施形態5のバースト信号生成システムの構成を示す図である。
【図7】実施形態6のバースト信号生成システムの構成を示す図である。
【図8】実施形態7の光信号送信装置の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0026】
(実施形態1)
実施形態1のバースト信号生成システムの構成を図2に示す。バースト信号生成システムは、光バースト信号生成装置1及び光信号送信装置2から構成される。光バースト信号生成装置1は、光信号からバースト信号を生成する。光信号送信装置2は、光信号を光バースト信号生成装置1に送信する。
【0027】
光バースト信号生成装置1は、光バースト送信器11、バースト信号制御部12、光送信器13、光受信器14及び電気バッファ15から構成される。光バースト送信器11は、バースト信号を送信予定時刻において宛先に向けて送信する。バースト信号制御部12は、送信予定時刻決定部に対応し、バースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定する。バースト信号制御部12及び光送信器13は、送信予定時刻通知部に対応し、送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される宛先を光信号送信装置2に通知する。光受信器14は、光信号受信部に対応し、送信予定時刻に送信される宛先への光信号を送信予定時刻までに光信号送信装置2から受信する。制御信号Cは、送信予定時刻の情報及び送信予定時刻に送信される宛先の情報を含む。電気バッファ15は、バースト信号制御部12からの制御を受け、光バースト送信器11に信号を出力する。
【0028】
光信号送信装置2は、光受信器21、電気バッファ読出制御部22、電気バッファ23及び光送信器24から構成される。光受信器21は、送信予定時刻受信部に対応し、送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される宛先を光バースト信号生成装置1から受信する。電気バッファ読出制御部22及び光送信器24は、光信号送信部に対応し、送信予定時刻に送信される宛先への光信号を送信予定時刻までに光バースト信号生成装置1に到着させる。信号Sは宛先が送信予定時刻に送信される宛先と一致する信号を含む。電気バッファ23は、電気バッファ読出制御部22からの制御を受け、光送信器24に信号を出力する。
【0029】
ここで、光バースト信号生成装置1及び光信号送信装置2を一度設置すれば、それらの間の信号伝送距離は変化しないため、それらの間の信号伝送時間も変化しない。そこで、光バースト信号生成装置1は、信号伝送時間の情報を保持することにより、送信予定時刻を適切に設定することができる。そして、光信号送信装置2は、信号伝送時間の情報を保持することにより、送信予定時刻までに光バースト信号生成装置1に光信号を到着させることができるかどうかを適切に判断することができる。
【0030】
このように、送信予定時刻を適切に設定することで、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。
【0031】
ここで、光信号送信装置2から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、送信予定時刻の間隔が長いことが好ましい。このときには、バースト長が短くなりすぎないため、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。そして、光信号送信装置2から送信される光信号の単位時間の送信量が多いほど、送信予定時刻の間隔が短いことが好ましい。このときには、バースト長が長くなりすぎないため、バースト長の変動による運用制御の困難やバースト長の増大による遅延の増大を回避することができる。また、送信予定時刻は、光バースト信号生成装置1からバーストスイッチング網へと光信号を送信するにあたり、光信号を他の光信号と時間的に衝突させないように、決定することができる。また、送信予定時刻は、光バースト信号生成装置1にて許容される最大遅延時間を考慮して、決定することができる。
【0032】
(実施形態2)
実施形態2のバースト信号生成システムの構成を図3に示す。実施形態2において実施形態1に加えて追加した点について以下では説明する。
【0033】
バースト信号制御部12及び光送信器13は、さらにバースト長の上限を光信号送信装置2に通知する。光受信器21は、さらにバースト長の上限を光バースト信号生成装置1から受信する。電気バッファ読出制御部22及び光送信器24は、バースト長の上限に従った上記宛先への光信号を光バースト信号生成装置1に送信する。光受信器14は、バースト長の上限に従った上記宛先への光信号を光信号送信装置2から受信する。
【0034】
このように、バースト長が長くなりすぎないため、バースト長の変動による運用制御の困難やバースト長の増大による遅延の増大を回避することができる。
【0035】
(実施形態3、4)
実施形態3の光信号送信装置の構成を図4に示し、実施形態4の光信号送信装置の構成を図5に示す。実施形態3において実施形態1に加えて追加した点について以下では説明し、実施形態4において実施形態2に加えて追加した点について以下では説明する。
【0036】
電気バッファ23は、優先クラスバッファ231及び非優先クラスバッファ232から構成される。優先クラスバッファ231及び非優先クラスバッファ232は、送信の優先度が互いに異なる信号を蓄積する複数のバッファである。優先クラスバッファ231は、例えば遅延条件に厳しいアプリケーションの信号を格納する。非優先クラスバッファ232は、例えば遅延条件に厳しくないアプリケーションの信号を格納する。
【0037】
実施形態3では、電気バッファ読出制御部22及び光送信器24は、優先クラスバッファ231に対して、光受信器21が受信した送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される上記宛先に関わらず、優先的に読み出しを行なう。そして、電気バッファ読出制御部22及び光送信器24は、非優先クラスバッファ232に対して、光受信器21が受信した送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される上記宛先に基づいて、非優先的に読み出しを行なう。
【0038】
実施形態4では、電気バッファ読出制御部22及び光送信器24は、優先クラスバッファ231に対して、光受信器21が受信した送信予定時刻、送信予定時刻に送信される上記宛先及びバースト長の上限に関わらず、優先的に読み出しを行なう。そして、電気バッファ読出制御部22及び光送信器24は、非優先クラスバッファ232に対して、光受信器21が受信した送信予定時刻、送信予定時刻に送信される上記宛先及びバースト長の上限に基づいて、非優先的に読み出しを行なう。
【0039】
ここで、送信の優先度が高い信号の中には、宛先が送信予定時刻に送信される宛先と一致する信号がないことが考えられ、送信の優先度が低い信号の中には、宛先が送信予定時刻に送信される宛先と一致する信号があることが考えられる。このときであっても、送信の優先度が低い信号が送信の優先度が高い信号より先に読み出されることはない。
【0040】
このように、送信の優先度が高い信号に対して、遅延の増大を回避することができ、送信の優先度が低い信号に対して、光バースト信号生成の効率化を図り、光バーストスイッチングによる消費電力削減効果を増大することができる。
【0041】
(実施形態5、6)
実施形態5のバースト信号生成システムの構成を図6に示し、実施形態6のバースト信号生成システムの構成を図7に示す。実施形態5において実施形態1、2に加えて追加した点について以下では説明し、実施形態6において実施形態3、4に加えて追加した点について以下では説明する。
【0042】
実施形態5では、N台の光信号送信装置2−1、・・・、2−Nが、光バースト信号生成装置1に接続されている。実施形態5の光受信器21−1、・・・、21−N、電気バッファ読出制御部22−1、・・・、22−N、電気バッファ23−1、・・・、23−N及び光送信器24−1、・・・、24−Nは、それぞれ実施形態1、2の光受信器21、電気バッファ読出制御部22、電気バッファ23及び光送信器24に対応する。
【0043】
つまり、バースト信号制御部12及び光送信器13は、光信号送信装置2−1、・・・、2−Nに、制御信号Cを送信する。そして、電気バッファ読出制御部22−1、・・・、22−N及び光送信器24−1、・・・、24−Nは、電気バッファ23−1、・・・、23−Nに対して、送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される上記宛先に基づいて、又は、送信予定時刻、送信予定時刻に送信される上記宛先及びバースト長の上限に基づいて、読み出しを行なう。
【0044】
実施形態6では、N台の光信号送信装置2−1、・・・、2−Nが、光バースト信号生成装置1に接続されている。実施形態6の光受信器21−1、・・・、21−N、電気バッファ読出制御部22−1、・・・、22−N、電気バッファ23−1、・・・、23−N、優先クラスバッファ231−1、・・・、231−N、非優先クラスバッファ232−1、・・・、232−N及び光送信器24−1、・・・、24−Nは、それぞれ実施形態3、4の光受信器21、電気バッファ読出制御部22、電気バッファ23、優先クラスバッファ231、非優先クラスバッファ232及び光送信器24に対応する。
【0045】
つまり、バースト信号制御部12及び光送信器13は、光信号送信装置2−1、・・・、2−Nに、制御信号Cを送信する。そして、電気バッファ読出制御部22−1、・・・、22−N及び光送信器24−1、・・・、24−Nは、優先クラスバッファ231−1、・・・、231−Nに対して、送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される上記宛先に関わらず、又は、送信予定時刻、送信予定時刻に送信される上記宛先及びバースト長の上限に関わらず、優先的に読み出しを行なう。そして、電気バッファ読出制御部22−1、・・・、22−N及び光送信器24−1、・・・、24−Nは、非優先クラスバッファ232−1、・・・、232−Nに対して、送信予定時刻及び送信予定時刻に送信される上記宛先に基づいて、又は、送信予定時刻、送信予定時刻に送信される上記宛先及びバースト長の上限に基づいて、非優先的に読み出しを行なう。
【0046】
光信号送信装置2が複数台接続されている場合には、光信号送信装置2から光バースト信号生成装置1に送信する時刻を指定する、互いに異なる送信タイミング情報や、光バースト信号生成装置1から送信する予定である時刻を指定する、互いに異なる送信予定時刻情報を、それぞれの制御信号Cに付加する必要があることがある。送信タイミング情報は、各光信号送信装置2からの信号が光バースト信号生成装置1に同時に到着して時間的に衝突することを回避する場合等に備えるものである。例えば、TDM(Time Division Multiplexing)−PON(Passive Optical Network)の光アクセス伝送システムで用いられているような、上り光信号のタイミング制御技術等を利用することで、同時の到着や時間的な衝突を回避することが可能となる。
【0047】
(実施形態7)
実施形態7の光信号送信装置の処理を図8に示す。光信号送信装置2の電気バッファ23には、別の光信号送信装置2から伝送されてきた信号が格納されている状況が考えられ、例えば、光信号送信装置2の下流に位置する各ユーザ宅からの上り信号が格納されている状況が考えられる。実施形態7では、光信号送信装置2への到着順、バッファクラスの優先順並びに制御信号Cに含まれる送信予定時刻及び上記宛先に基づいて、又は、光信号送信装置2への到着順、バッファクラスの優先順並びに制御信号Cに含まれる送信予定時刻、上記宛先及びバースト長の上限に基づいて、電気バッファ23からの読み出しを行なう。
【0048】
光信号送信装置2には、B2、A2、C1、B1、A1、C2(A〜C:宛先、1〜2:バッファクラス)の順に信号が到着するものとする。「1」の信号は優先クラスバッファ231、「2」の信号は非優先クラスバッファ232に格納されるものとする。制御信号Cに含まれる上記宛先は「A」であるものとする。信号読出基準の優先順位を、バッファクラスの優先順→制御信号Cに含まれる上記宛先→光信号送信装置2への到着順とする。
【0049】
最初にバッファクラスの優先順に基づいて、信号C1、B1、A1の順に読み出される。次に制御信号C(宛先:A)に基づいて、信号A2が読み出される。次に光信号送信装置2への到着順に基づいて、信号B2、C2の順に読み出される。実施形態7では、信号読出基準の優先順位及び信号読出基準の組み合わせを様々に設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るバースト信号生成システム、バースト信号生成装置及び光信号送信装置は、全光ネットワークを実現する光バーストスイッチングに適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1:光バースト信号生成装置
2:光信号送信装置
11:光バースト送信器
12:バースト信号制御部
13:光送信器
14:光受信器
15:電気バッファ
21:光受信器
22:電気バッファ読出制御部
23:電気バッファ
24:光送信器
231:優先クラスバッファ
232:非優先クラスバッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置と、
光信号を前記バースト信号生成装置に送信する光信号送信装置と、
を備えるバースト信号生成システムであって、
前記バースト信号生成装置は、
バースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定する送信予定時刻決定部と、
前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記光信号送信装置に通知する送信予定時刻通知部と、
前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記光信号送信装置から受信する光信号受信部と、
を備え、
前記光信号送信装置は、
前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記バースト信号生成装置から受信する送信予定時刻受信部と、
前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記バースト信号生成装置に到着させる光信号送信部と、
を備えることを特徴とするバースト信号生成システム。
【請求項2】
前記光信号送信装置から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、前記送信予定時刻の間隔が長いことを特徴とする、請求項1に記載のバースト信号生成システム。
【請求項3】
前記バースト信号生成装置の前記送信予定時刻通知部は、さらにバースト長の上限を前記光信号送信装置に通知し、
前記光信号送信装置の前記送信予定時刻受信部は、さらにバースト長の上限を前記バースト信号生成装置から受信し、
前記光信号送信装置の前記光信号送信部は、バースト長の上限に従った前記宛先への光信号を前記バースト信号生成装置に送信し、
前記バースト信号生成装置の前記光信号受信部は、バースト長の上限に従った前記宛先への光信号を前記光信号送信装置から受信する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバースト信号生成システム。
【請求項4】
前記光信号送信装置は、
送信の優先度が互いに異なる信号を蓄積する複数のバッファ、
をさらに備え、
前記光信号送信装置の前記光信号送信部は、前記複数のバッファのうち送信の優先度が高い信号を蓄積するバッファに対して、前記光信号送信装置の前記送信予定時刻受信部が受信した前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先に関わらず、優先的に読み出しを行ない、前記複数のバッファのうち送信の優先度が低い信号を蓄積するバッファに対して、前記光信号送信装置の前記送信予定時刻受信部が受信した前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先に基づいて、非優先的に読み出しを行なうことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のバースト信号生成システム。
【請求項5】
光信号送信装置から送信された光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置であって、
バースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定する送信予定時刻決定部と、
前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記光信号送信装置に通知する送信予定時刻通知部と、
前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記光信号送信装置から受信する光信号受信部と、
を備えることを特徴とするバースト信号生成装置。
【請求項6】
前記光信号送信装置から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、前記送信予定時刻の間隔が長いことを特徴とする、請求項5に記載のバースト信号生成装置。
【請求項7】
光信号からバースト信号を生成するバースト信号生成装置に光信号を送信する光信号送信装置であって、
前記バースト信号生成装置がバースト信号を宛先に向けて送信する送信予定時刻をバースト信号ごとに決定した際に、前記送信予定時刻及び前記送信予定時刻に送信される前記宛先を前記バースト信号生成装置から受信する送信予定時刻受信部と、
前記送信予定時刻に送信される前記宛先への光信号を前記送信予定時刻までに前記バースト信号生成装置に到着させる光信号送信部と、
を備えることを特徴とする光信号送信装置。
【請求項8】
前記光信号送信部から送信される光信号の単位時間の送信量が少ないほど、前記送信予定時刻の間隔が長いことを特徴とする、請求項7に記載の光信号送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−81140(P2013−81140A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221226(P2011−221226)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】