説明

バーナの破裂に備えて閉鎖手段を備えるランプ

本発明は、バーナ(10)であって、該バーナ(10)内に収容される或る量の水銀と、イオン化可能な充填物とを備えるバーナ(10)を有するランプ、例えばUHPランプであって、前記バーナの破裂を検出すると、前記ランプの全ての吸気口及び/又は排気口を、直ちに且つ/又は密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖して、該ランプ内に前記水銀を閉じ込める少なくとも1つの閉鎖手段(40、50)を持つランプに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水銀を収容しているランプ、例えばUHP(超高圧)ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の技術のUHPランプにおいては、ランプの適切な動作を達成するためには水銀を使用することが必要である。使用量は、ランプ1個当たり10乃至20mgの範囲内にすぎないが、ランプの破裂が起きた場合には、ランプの周囲が、水銀にさらされ、水銀によって汚染されるかもしれないという懸念が高まっている。このような破裂は、今日でも、最高水準のランプであっても、いまだに回避されることが出来ない。このようなランプの破裂の主な2つの理由は、以下の通りである。
1) ランプの寿命が略々終わっている場合、石英バルブの再結晶化のための爆発により破裂が起こる。これらの爆発は、ランプ電圧をモニタすることにより、或る条件が満たされる場合にランプが消される場合には、回避され得る。例えば、欧州特許出願公報第EP1076478号において、制御装置が開示されている。
2) 石英における張力(tension)のために破裂が起こる。これは、今日でも、検出され得ず、バルブが動作される間いつでも破裂をもたらし得る。
【0003】
ランプの破裂のリスクは排除され得ないことから、このような破裂が起こる場合には、ランプの内部に収容されている水銀が周囲に放出されないよう取り計らわれなければならない。
【0004】
それ故、例えば、参照により本願明細書に全て盛り込まれる米国特許出願公開公報第US 2003/0071977 A1号及び特開2002-333670などにおいて、破裂が起きた場合にはランプのあらゆる吸気口及び/又は排気口(in- and/or outlets)を閉鎖するであろう封止又は遮断機構をランプに設ける試みが幾つかあった。しかしながら、これらの文献において提案されているような機構は、破裂が起きた場合に全ての水銀がランプ内に密封されることを確実にすることは出来ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、本発明の目的は、破裂が起こる場合に、ランプ内に収容されている水銀が該ランプの周囲に進行することを効果的に妨げることが出来る装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、本願の請求項1に開示されているようなランプによって達成される。従って、バーナであって、該バーナ内に収容される或る量の水銀と、イオン化可能な充填物とを備えるバーナを有するランプであって、前記バーナの破裂を検出すると、前記ランプの全ての吸気口及び/又は排気口を、直ちに且つ/又は密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖して、該ランプ内に前記水銀を閉じ込める少なくとも1つの閉鎖手段を持つランプが提供される。本発明の意味において「直ちに」という用語は、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口が、前記バーナの破裂後≧0ms且つ≦1sの範囲内で、好ましくは≧0ms且つ≦100msの範囲内で閉鎖されることを意味する。本発明の意味において「密封して」という用語及び「不可逆的に」という用語は、詳細には、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口が、簡単には、例えば弁を動かす又は蓋を移動することによっては、開けられないようにして閉鎖されることを意味する。これは、特に、ランプの交換中及び廃棄中に重要である。
【0007】
本発明の意味における「検出」という用語は、詳細には、前記閉鎖手段が、前記ランプの特性(例えば内圧及び/又はランプ電圧)の変化に反応して該ランプの前記吸気口及び/又は排気口を閉鎖することを意味する。前記閉鎖手段は、測定及び/又は分析手段又は装置の形の検出手段を含み得るが、幾つかの用途では、これは必要とされないかもしれない。
【0008】
本発明の好ましい実施例においては、前記バーナの前記破裂は、前記ランプ特性の急変を介して、好ましくは、前記ランプ電圧及び/又はランプ電流の急変を介して検出される。例えばUHPランプにおいて、前記ランプの前記バーナが破裂する場合、ランプ電圧の急変があるであろう。この作用は、前記閉鎖手段に前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を閉鎖させるのに用いられ得る。
【0009】
検出のために用いられ得る前記ランプ特性の変化は、
・ ≧1ms且つ≦1sの間の、≧50V、好ましくは≧100V且つ≦500Vのランプ電圧の増大、及び/又は
・ ≧1ms且つ≦1sの間の、開ループ電圧の75%までの増大、及び/又は
・ ≧10ms、好ましくは≧20ms且つ≦1sの間の、定格電流と比べて≧50%且つ≦100%のランプ電流の減少である。
【0010】
本発明の好ましい実施例においては、前記バーナの破裂は、該バーナの該破裂によってもたらされる衝撃波を介して検出される。好ましくは、本発明の範囲内で用いられるべきランプ内の前記バーナの前記内圧は、≧20bar且つ≦500barの範囲内であり、より好ましくは≧40bar且つ≦300barの範囲内である。本発明の範囲内で用いられるべきランプ内の前記バーナの内部体積は、≧10mm2且つ≦1000mm2の範囲内であり、より好ましくは≧20mm2且つ≦500mm2の範囲内である。前記ランプの反射室(reflector room)の内部体積は、≧10cm2且つ≦1000cm2の範囲内であり、好ましくは≧20cm2且つ≦500cm2の範囲内である。従って、前記バーナが破裂すると、該バーナの高い内圧のために衝撃波があるであろう。この衝撃波は、前記閉鎖手段に前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を閉鎖させるのに用いられ得る。
【0011】
本発明の好ましい実施例によれば、前記吸気口及び/又は排気口の内径は、好ましくは≧0.1mm且つ≦10mmの範囲内であり、より好ましくは≧0.5mm且つ≦5mmの範囲内である。
【0012】
本発明の好ましい実施例においては、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口は、融解手段であって、好ましくは、前記バーナの破裂を検出すると、電流源に起因して融解する融解手段の融解によって閉鎖される。本発明の好ましい実施例においては、前記ランプは、前記バーナの破裂を検出すると前記融解手段を加熱する加熱手段を有する。
【0013】
この融解手段及び/又は加熱手段は、好ましくは、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口が、かなり低い融点を持つ材料でできているノズルを有するようにして設計される。前記バーナの前記破裂が起こる場合、前記ノズルは、加熱され、融解し、その結果、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を閉鎖する。これを達成するために、前記ノズルには、好ましくは、加熱コイル又は渦巻線(spiral)の形の加熱手段が装備されており、前記加熱手段は、ミリ秒の範囲内で前記ノズルを効果的に加熱する。好ましくは、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口全体が、好ましくは、該ランプの通常動作中には融解が起こらないように選ばれる低い融点を備える材料から成る。好ましくは、前記融点は、≧200℃且つ≦600℃の範囲内であり、より好ましくは≧250℃且つ≦450℃の範囲内である。
【0014】
好ましくは、前記材料は、熱可塑性物質、はんだガラス(soldering glass)及びその混合物を有するグループから選択される。前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口の適切な閉鎖を達成するために、該吸気口及び/又は排気口の内径は、好ましくは≧0.1mm且つ≦10mmの範囲内であり、より好ましくは≧0.5mm且つ≦5mmの範囲内である。
【0015】
他の例においては又は更に、前記融解手段及び/又は加熱手段は、好ましくは、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口が、好ましくは管の内側に配置されたコイル又は渦巻線の形の、加熱フィラメントを有するようにして設計される。その場合、このフィラメントは、破裂が起こる場合に融解されるであろう。好ましくは、このフィラメントは、上記のように、好ましくは、前記ランプの通常動作中には融解が起こらないように選ばれる低い融点を備える材料から成る。好ましくは、前記融点は、≧200℃且つ≦600℃の範囲内であり、より好ましくは≧250℃且つ≦450℃の範囲内である。
前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口の適切な閉鎖を達成するために、該吸気口及び/又は排気口の一部である前記管の内径は、好ましくは≧0.1mm且つ≦10mmの範囲内であり、より好ましくは≧0.5mm且つ≦5mmの範囲内である。更に、前記加熱フィラメントが配置される前記管は、好ましくは、不導体であり、ガラス、セラミック又はその混合物を有する材料でできている。
【0016】
他の例においては又は更に、前記融解手段及び/又は加熱手段は、好ましくは、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口が、好ましくは、低い融点を備える材料で前記内側からコーティングされている管の外側に配置されたコイル又は渦巻線の形の、加熱フィラメントを有するようにして設計される。この場合には、前記フィラメントは、前記管を加熱し、それは、次いで、前記材料を融解させる。前記フィラメント及び前記管は無傷なままである。好ましくは、この材料の前記融点は、≧200℃且つ≦600℃の範囲内であり、より好ましくは≧250℃且つ≦450℃の範囲内である。前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口の適切な閉鎖を達成するために、該吸気口及び/又は排気口の一部である前記管の内径は、好ましくは≧0.1mm且つ≦10mmの範囲内であり、より好ましくは≧0.5mm且つ≦5mmの範囲内である。更に、前記加熱フィラメントが配置される前記管は、好ましくは、不導体であり、ガラス、セラミック又はその混合物を有する材料でできている。
【0017】
本発明の好ましい実施例においては、前記ランプは、該ランプの前記吸気口及び/又は排気口内に配置される少なくとも1つの封止手段を有し、前記バーナの破裂を検出すると、前記少なくとも1つの封止手段が前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を封止する。本発明の意味における封止は、詳細には、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口の少なくとも一部において、前記封止手段が、自身を伸張し、且つ/又は該吸気口及び/若しくは排気口の直径全体をふさぐことを意味する。好ましくは、前記封止は、密封して、詳細には、該封止が行なわれた後に該封止が自然に且つ/又はひとりでに再び開くことが出来ないようにして行なわれる。これは、例えば、
・ (例えば封止部が圧点を超えて動き、その後、逆の動きが不可能である)機械的手段、並びに/又は
・ 前記ランプの前記吸気口及び/若しくは排気口並びに/又は前記封止部の粘着面、並びに/又は
・ 前記ランプの前記吸気口及び/若しくは排気口並びに/又は前記封止部の幾何学的寸法の適切な構成によって達成され得る。
【0018】
前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口の適切な閉鎖を達成するために、該吸気口及び/又は排気口の一部である前記管の内径は、好ましくは≧0.1mm且つ≦10mmの範囲内であり、より好ましくは≧0.5mm且つ≦5mmの範囲内である。好ましくは、前記封止手段は、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口をしっかりとふさぐようにして設計される材料を有する。好ましくは、前記封止手段の前記材料は、ケイ素、PTFE若しくはカルレッツ(Kalrez)(登録商標)又はその混合物を有するグループから選ばれる。他の例においては又は更に、前記封止手段は、よりしっかりとした封止のために、前記管の前記吸気口及び/又は排気口を封止する場合に少なくとも部分的に融解させられてもよい。
【0019】
本発明の好ましい実施例においては、前記封止手段は、前記ランプの前記バーナが通常動作中である場合には流体が該ランプの前記吸気口及び/又は排気口を流れることを可能にするが、該バーナが破裂する場合には該封止手段が該ランプの該吸気口及び/又は排気口を封止することを可能にする位置に該封止手段を保持する少なくとも1つの保持手段を有する。
【0020】
本発明の好ましい実施例においては、前記封止手段は、前記バーナが破裂する場合に該バーナの破裂の前記衝撃波によって前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を封止させられる。好ましくは、前記衝撃波は、前記封止手段が前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を封止する位置に該封止手段を押し込む。
【0021】
本発明の好ましい実施例においては、前記保持手段の力は、前記ランプの前記バーナが通常動作中である場合には、流体が該ランプの前記吸気口及び/又は排気口を流れることを可能にする位置に、該保持手段が前記封止部を保持するように選ばれるが、該バーナが破裂する場合には、該封止手段が該ランプの該吸気口及び/又は排気口を封止するために、該バーナの破裂の前記衝撃波によってもたらされる力によって負かされる。これは、好ましくは、例えば、保持手段としてばねを用いることによって達成されることができ、前記ばねは、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口内に前記封止手段を保持するが、前記ばねの力は非常に弱いので、破裂が起こる場合には、前記衝撃波は、該ばねの力に打ち勝ち、前記ランプの前記吸気口及び排気口を封止するよう前記封止手段を押すことが出来る。
【0022】
本発明の好ましい実施例においては、前記閉鎖手段は、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を直ちに閉鎖する少なくとも1つの第1閉鎖手段と、該ランプの該吸気口及び/又は排気口を密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖する少なくとも1つの第2閉鎖手段とを有する。幾つかの用途では、全て一体になって、前記吸気口及び/又は排気口を、直ちに且つ密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖する閉鎖手段を供給することは不利であるかもしれず、それどころか不可能であるかもしれない。この場合には、前記閉鎖手段は、少なくとも1つの第1閉鎖手段であって、非常に高速な反応時間を持ち、それ故、前記ランプの前記バーナの破裂を検出した直後に該ランプの前記吸気口及び/又は排気口を閉鎖する少なくとも1つの第1閉鎖手段を有するのが好ましい。その場合、より長い反応時間を持つ第2閉鎖手段は、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖することにおいて前記第1閉鎖手段を助け得る。
【0023】
本発明の好ましい実施例においては、前記閉鎖手段は、前記ランプの前記バーナの破裂を検出すると警告信号を送出する警告及び/又は信号手段を有してもよい。特に、前記バーナの前記破裂が、前記ランプ特性、例えば前記ランプ電圧及び/又は電流における変化を介して検出される場合には、この警告信号は、簡単な方法で送出され得る。
【0024】
電子ランプドライバによるバーナの破裂の検出は、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を、直ちに且つ/又は密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖する前記閉鎖手段の主動作をもたらすであろう。更に、例えば、投影システムのディスプレイ上での故障表示、警報音、におい、サービスチームへのメッセージなどのような警告信号が、他の対策を始動させるために送出される。
【0025】
本発明の好ましい実施例によれば、前記閉鎖手段は、少なくとも1つの封止手段と、少なくとも1つの融解手段との両方を有することに注意されたい。これは、幾つかの用途に対して最も効果的であることが分かった。更に、前記警告及び/又は信号手段が、追加的に付加されてもよい。
【0026】
本発明によるランプは、好ましくは、以下の用途、即ち、
− 店舗照明、
− 家庭用照明、
− ヘッドランプ、
− アクセント照明、
− スポット照明、
− 劇場照明、
− オフィス照明、
− 仕事場の照明、
− 自動車用前方照明、
− 自動車用補助照明、
− 自動車用室内照明、
− 民生用TV用途、
− 光ファイバ用途、及び
− 投影システムのうちの1つ以上での使用のために設計されるシステム内に組み込まれる。
【0027】
上記の構成要素、並びに請求項に記載されている構成要素、及び記載されている実施例において本発明に従って用いられている構成要素は、該構成要素の大きさ、形状、材料選択及び技術概念に関して、関連分野において既知の選択条件が制限なしに適用され得るように、如何なる特別な除外もなされない。
【0028】
例示的なようにして、閉鎖装置を備える本発明によるランプの幾つかの好ましい実施例を示す各々の図の以下の説明及び下位クレームにおいて、本発明の目的の更なる詳細、特性及び利点を開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明によるランプの第1実施例の概略的な断面図を示している。ランプ1は、バーナ10と、反射器20と、フロントガラス30と、2つの吸気口及び/又は排気口40とを有する。これらの吸気口及び/又は排気口40は、例えばUHPランプにおいて、ランプの通常動作中、冷却される必要があるバーナに、流体、好ましくは冷気を導く。吸気口及び/又は排気口の数、大きさ及び方向は用途によって異なり得ることに注意されたい。
【0030】
反射器20及びフロントガラス30は、反射室25を形成する。吸気口及び排気口40は、加熱フィラメント50で囲まれている。図2から分かるように、吸気口及び/又は排気口は、ランプの通常動作中には融解は起こらないが、加熱フィラメントによっては容易に融解が引き起こされ得るように選ばれる融点を持つ材料によって内側を被覆される。
【0031】
バーナ10の破裂が起こる場合には、加熱フィラメントは、吸気口及び/又は排気口40を加熱するであろう。好ましくは、バーナ10の破裂によってもたらされるランプ電圧の増大が、フィラメント50の加熱を引き起こす。その場合、図3から分かるように、吸気口及び/又は排気口の内側の材料が、融解し、該吸気口及び/又は排気口を閉鎖するであろう。その場合、バーナ10内に収容されていた全ての水銀が、反射室25内にとどまり、ランプの周囲に放出されないであろう。ランプの不可逆的な、密封した閉鎖のために、何時間後又は何日後であっても、水銀はランプを出て行かないであろうことが保証される。
【0032】
しかしながら、これは、ランプの吸気口及び/又は排気口の適切な閉鎖を達成するための1つの選択肢にすぎないことに注意されたい。ありうる代わりの又は付加的な閉鎖機構は、上に記載されており、破裂が起きた場合に融解するための加熱フィラメント50が吸気口及び/若しくは排気口40の内側に設けられ得る閉鎖機構、又は吸気口及び/若しくは排気口40自体が融解し得る閉鎖機構を含む。
【0033】
図4は、本発明によるランプの第2実施例の概略的な断面図を示している。このランプ1は、図1のランプと大体同じであり、それ故、再度より詳細には記載しない。しかしながら、吸気口及び/又は排気口60は、図5からも分かるように、異なるようにして設計されている。図5は、図4のランプの吸気口及び/又は排気口の詳細な長手方向断面図を示している。図5から分かるように、吸気口及び/又は排気口60は封止手段70を有し、前記封止手段70は、流体、好ましくは冷気が反射室25の方へ又は反射室25から該封止手段70のまわりを流れることを可能にする位置に、ばねの形態の2つの保持手段80によって保持される。バーナの破裂により衝撃波が生じた場合には、封止手段70は、図5の矢印の方向に押される。吸気口及び/又は排気口60のこの設計のため、封止手段は、該封止手段が吸気口及び/又は排気口60をしっかりと封止するように吸気口及び/又は排気口に押し込まれる。この実施例においては2つのばねである保持手段80は、非常に弱いので、衝撃波は、吸気口及び/又は排気口の適切な封止を達成するために、それらの保持力に容易に打ち勝ち得る。更に、封止手段70は、吸気口及び/又は排気口60にしっかりと押しつけるために或る程度柔軟な材料を有する。好ましくは、封止手段は、ケイ素、PTFE若しくはカルレッツ(登録商標)又はその混合物を有するグループから選ばれる材料でできている。この結果、封止手段は、吸気口及び/又は排気口60をしっかりと封止する。
【0034】
封止部材による封止のきつさを高めるために、吸気口及び/又は排気口60は、封止手段70を或る程度まで又は完全に融解する加熱手段も有してもよいことに注意されたい。そうすることによって、吸気口及び/又は排気口のよりしっかりとした封止が達成され得る。封止手段70は、ランプの吸気口及び/又は排気口60の内側に自身をしっかりと押し込むことから、封止手段70によっても、ランプの吸気口及び/又は排気口の密封した且つ/又は不可逆的な封止が達成されることに注意されたい。
【0035】
図6は、本発明によるランプの第3実施例の概略的な断面図を示している。このランプは、該ランプが、ハウジング60であって、該ハウジング60内にバーナ10及び反射器20が配置されるハウジング60を有する点で前に示した実施例によるランプと異なる。ランプがこのようなハウジングを有する場合には、ランプの吸気口及び排気口はハウジングに設けられる。それ故、ランプの吸気口及び排気口40には、加熱フィラメント50などの閉鎖手段が設けられるのが好ましい。この実施例において、ランプの吸気口及び/又は排気口が、代わりに又は更に、第2実施例において示されているような封止手段70を持つようにも設けられ得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるランプの第1実施例の概略的な断面図を示す。
【図2】図1のランプの吸気口及び/又は排気口の詳細な長手方向断面図を示す。
【図3】バーナの破裂が起きた後の図2と同じ図を示す。
【図4】本発明によるランプの第2実施例の概略的な断面図を示す。
【図5】図4のランプの吸気口及び/又は排気口の詳細な長手方向断面図を示す。
【図6】本発明によるランプの第3実施例の概略的な断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナであって、該バーナ内に収容される或る量の水銀と、イオン化可能な充填物とを備えるバーナを有するランプであって、前記バーナの破裂を検出すると、前記ランプの全ての吸気口及び/又は排気口を、直ちに且つ/又は密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖して、該ランプ内に前記水銀を閉じ込める少なくとも1つの閉鎖手段を持つランプ。
【請求項2】
前記バーナの破裂が、前記ランプの特性の急変を介して、好ましくは、ランプ電圧及び/又はランプ電流の急変を介して検出される請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記バーナの破裂が、該バーナの該破裂によってもたらされる衝撃波を介して検出される請求項1又は2に記載のランプ。
【請求項4】
前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口が、融解手段であって、好ましくは、前記バーナの破裂を検出すると、電流源に起因して融解する融解手段の融解によって閉鎖される請求項1乃至3のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項5】
前記ランプが、前記バーナの破裂を検出すると前記融解手段を加熱する加熱手段を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項6】
前記ランプが、該ランプの前記吸気口及び/又は排気口内に配置される少なくとも1つの封止手段を有し、前記バーナの破裂を検出すると、前記少なくとも1つの封止手段が、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を封止する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項7】
前記封止手段が、少なくとも1つの保持手段を有し、前記少なくとも1つの保持手段が、前記ランプの前記バーナが通常動作中である場合には流体が該ランプの前記吸気口及び/又は排気口を流れることを可能にするが、該バーナが破裂する場合には前記封止手段が該ランプの該吸気口及び/又は排気口を封止することを可能にする位置に該封止手段を保持する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項8】
前記閉鎖手段が、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を直ちに閉鎖する少なくとも1つの第1閉鎖手段と、前記ランプの前記吸気口及び/又は排気口を密封して且つ/又は不可逆的に閉鎖する少なくとも1つの第2閉鎖手段とを有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項9】
前記閉鎖手段が、前記ランプの前記バーナの破裂を検出すると警告信号を送出する警告及び/又は信号手段を有し得る請求項1乃至8のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のランプを組み込むシステムであって、以下の用途、即ち、
− 店舗照明、
− 家庭用照明、
− ヘッドランプ、
− アクセント照明、
− スポット照明、
− 劇場照明、
− オフィス照明、
− 仕事場の照明、
− 自動車用前方照明、
− 自動車用補助照明、
− 自動車用室内照明、
− 民生用TV用途、
− 光ファイバ用途、及び
− 投影システムのうちの1つ以上において用いられるシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−500692(P2008−500692A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514246(P2007−514246)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051631
【国際公開番号】WO2005/117067
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】