説明

バーナーの破裂の場合に環境への水銀の汚染の低減のためのハウジング構成を有するランプ

本発明は、ランプであって、例えば、少なくとも1つのポート(40)を有するハウジング(30,60;20,30)を有する、充填物及びそれに含まれる水銀量を有するバーナーを有するUHPランプであり、ポートの内側開口表面(50)の面積は、バーナー(10)の破裂後に外側に飛散する水銀の量を低減するように適合されている、ランプに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水銀を有するランプ、例えば、UHP(超高性能)ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
UHPランプの技術においては、ランプの動作を適切に達成するためには水銀を使用する必要がある。その使用量はランプ当たり10乃至25mgのみであるが、ランプの破裂の場合に、ランプの環境は水銀を浴び、汚染される可能性があるという心配が高まってきている。そのような破裂は、今日まで、高性能の標準的ランプを用いる場合でさえ、決して回避することができなかった。そのようなランプの破裂の主な2つの理由は次のようなものである。
1)破裂は、石英バルブの結晶化による破壊のために、ランプの寿命が略終了するときに起こる。ランプ電圧をモニタリングすることにより、特定の基準に達するとき、ランプをオフに切り換える場合、それらの破壊を回避することができる。制御装置については、例えば、欧州特許第1076478号明細書に開示されている。
2)破裂は、石英の応力のために起こる。この応力は、今日まで、認識されていず、石英バルブが動作している何れのときにも、破裂に繋がる可能性がある。
【0003】
ランプの破裂のリスクを排除することはできないため、そのような破裂が起こった場合、ランプ内部に含まれている水銀が放出されないように注意しなければならない。
【特許文献1】欧州特許第1076478号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、本発明の目的は、破裂が起こる場合に、ランプに含まれる水銀が全てでないにしても、ランプの環境に対して良好になるように、多くの量を有効に低減することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのような目的は、本出願の請求項1に記載されているランプにより達成される。したがって、イオン化可能な充填物及びそれに含まれる水銀量を有するバーナーを有するランプが提供され、バーナーはハウジングにより囲まれ、ハウジングは、開口を有する少なくとも1つのポートを有し、その内側開口表面の面積は0mm以上及び20mm以下である。
【0006】
好適には、内側開口表面の面積は1mm以上及び15mm以下、更に好適には、3mm以上及び10mm以下である。
【0007】
したがって、丸い開口が用いられる場合、開口についての好適な直径は0mm以上及び10mm以下であり、好適には、1mm以上及び7mm以下、更に好適には、2mm以上及び4mm以下である。その場合、2つ以上の開口が存在し、それらの開口の直径は互いから独立して選択される。
【0008】
本発明者は、バーナーの破裂後に環境に曝された水銀の量を低減する問題点を研究し、次のようなことが分かった。
【0009】
バーナーの破裂が起こった後、ガス及び/又は流体の多くの量が、破裂の前にバーナーにあった成分と共に、放出される。それ故、ポートを有しないハウジング中にバーナーを備えることは、過剰圧力に繋がるために不利である。特に、前面ガラスは過剰圧力の影響を受け易く、例えば、その前面ガラスは破壊される、又は前面ガラスの封止は壊される。
【0010】
他方、ポートの内側開口は大き過ぎてはならず、それは、流体及び/又はガスの流量が過剰に多くなり、それ故、水銀の過剰な量がハウジングの外側に流れ出るようになるためである。更に、より小さい内側開口を有することは有利であり、それは、破裂の前にバーナーにあった一部の粒子は、大き過ぎてポートを通り抜けることができないために、ランプのハウジングから出ることができないためである。バーナーがポートを有しないハウジングにおいて動作され、且つハウジングが空気を通さない場合、ハウジングにおいては圧力上昇が生じる。このことは、そのデザインを更に複雑にする。ポートが存在するとき、ランプの動作中の圧力変化は存在しない。実際には、バーナーの破裂の後、一部のアプリケーションにおいては、圧力上昇が存在するが、その圧力上昇は制限されている。
【0011】
一方で、流量が遅過ぎる場合、過剰圧力がまた、もたらされるために不利である。それ故、ハウジングの内側開口は特定の最小の大きさを有することが必用である。孔の直径は、流れ抵抗を介して、バーナーの破裂後の、空気が逃げる速度を決定する。
【0012】
特に、次のような6つの因子で起こる破裂の後に、ランプのハウジングを出るようになる水銀(Hg)の量は、次のように述べることができると更に考えられる。
1.バーナーに導入される最初のHgの量
好適には、その最初のHgの量は、5乃至30mgの範囲内にあり、更に好適には、10乃至25mgの範囲内にある。
2.ランプの通常動作中のバーナーにおけるHg圧力
好適には、そのHg圧力は、100乃至400barの範囲内にあり、更に好適には、200乃至350barの範囲内にある。
3.バーナーの内側ボリューム
好適なバーナーの内側ボリュームは、バーナーの外側直径に依存する。約9mmの外側直径を有するバーナーについては、好適な内側ボリュームは、40mm以上及び70mm以下であり、更に好適には、50mm以上及び60mm以下であり、約10mmの外側直径を有するバーナーについては、好適な内側ボリュームは、45mm以上及び75mm以下であり、更に好適には、55mm以上及び70mm以下であり、最も好適には、60mm以上及び65mm以下である。
4.ハウジングのボリューム
ハウジングはできるだけ大きいことが好ましい。一方で、ハウジングの大きさは、アプリケーションにおける利用可能な大きさにより決定され、それ故、それらをできるだけ小さくする方向付けがなされる。
5.規定されるリーク方式の流れ抵抗
この抵抗は、ハウジング中の空気が逃げる速度を決定する。この流れ抵抗は、特に、ハウジングにおけるポートの直径、長さ、形状により決定される。
6.破裂後に、ハウジング内の空気の温度をどのように低下させるか
バーナーの破裂後、ハウジング内の圧力上昇が存在する。その圧力は、ハウジングの外側に空気が逃げることにより、環境の圧力まで減少する。上記のように、その速度は流れ抵抗により決定される。他方、破裂後にはまた、ハウジング内の空気の温度は低下し、ハウジング内の圧力の低下がもたらされる。ハウジング内の空気のための冷却時間は、ハウジングから逃げる空気の量に影響することが予測される。
【0013】
破裂後に、圧力平衡が存在するとき、ハウジング中の空気の冷却中に、新鮮な空気がハウジング中に吸入される。
【0014】
因子1乃至4及び6は、ランプが用いられるように意図されたアプリケーションにしばしば依存することに留意する必要がある。
【0015】
0mm以上及び20mm以下の内側開口表面の面積を選択することにより、それ故、因子5に関して与えられることにより、過剰圧力を伴わずにランプ及び/又はハウジングの外側に進む水銀の量を効果的に低減することが可能である。
【0016】
本発明の好適な実施形態にしたがって、ランプが備えられ、
− ハウジングは内側ボリュームVを有し、
− バーナー(10)は、内側ボリュームV及び内側圧力pを有し、ハウジングのポートの全内側開口表面の面積Aは、あなたが私にくれたデータからこの値(アプリケーションにおいては他の値)を計算した方法で与えられる。
− 全内側開口表面の面積A(mm)対V(mm)の比は1:20000以上及び1:1000000以下であり、並びに/若しくは
− 全内側開口表面の面積A(mm)対Vxp(mmbar)の比は1:400以上及び1:30000以下である。
【0017】
それ故、ハウジングにおける開口の全ての内側開口表面の面積の和であるとして本発明において定義されている全内側開口表面の面積Aは、ハウジングの内側ボリュームに、バーナーの内側ボリュームとバーナーの内側圧力との積に、又はそれら両方に適合されることは有利である。幾つかの開口及び/又はポートが存在することが可能であるため、全内側開口表面の面積Aは、ハウジングから出る流体の流量を所望のレベルに保ち、過剰圧力を回避するように、特定のバーナーにおいて維持されることは有利である。
【0018】
内側開口表面の面積Aがハウジングの内側ボリュームに適合する場合、全内側開口表面の面積A(mm)対V(mm)の比は1:20000以上及び1:1000000以下であり、好適には、1:50000以上及び1:500000以下であり、更に好適には、1:75000以上及び1:400000以下であり、そして最も好適には、1:100000以上及び1:300000以下である。
【0019】
内側開口表面の面積Aが、バーナーの内側ボリュームとバーナーの内側圧力との積に適合する場合、全内側開口表面の面積A(mm)対Vxpを(mmbar)の比は1:400以上及び1:30000以下であり、好適には、1:750以上及び1:20000以下であり、更に好適には、1:1000以上及び1:10000以下であり、そして最も好適には、1:1500以上及び1:5000以下である。
【0020】
そのように行うことにより、ハウジングの環境に曝された水銀の量は非常に減少される一方、過剰圧力の危険性は最小化される。好適には、全内側開口表面の面積Aは、ハウジングの内側ボリューム、又はバーナーの内側ボリュームとバーナーの内側圧力との積に適合される。
【0021】
好適には、本発明にしたがったランプは、ランプの方への流体(例えば、空気又はガス)の流れにより冷却されないことに留意する必要がある。しかしながら、冷却装置(例えば、ファンのような)を備えることは可能である。
【0022】
本発明の好適な実施形態にしたがって、生じた破裂の後にハウジングから少なくとも1つの開口を通って出るように与えられる、開口(40)の内側開口表面の面積及び/又は全内側開口表面の面積Aは、0mm/sec以上及び1/10V/secである。それらの境界において生じる破裂の後にハウジングから少なくとも1つの開口を通って出る流体の流量を維持することは、ハウジングの外側に進む水銀の量の良好な低減を達成すること及び過剰圧力の危険性に対する荒涼を与えることの両方について最も適切であることが示された。好適には、報じた破裂の後にハウジングから少なくとも1つの開口を通って出る流体の流量は、1mm/sec以上及び10mm/sec以下であり、更に好適には、2mm/sec以上及び8mm/sec以下であり、最も好適には、3mm/sec以上及び5mm/sec以下である。
【0023】
本発明の好適な実施形態にしたがって、ハウジングのすぐ外側で測定される圧力の増加は、生じたバーナーの破裂の後の時間の期間、0sec以上及び100sec以下の間、0mbar以上及び100mbar以下である。
【0024】
本発明の好適な実施形態にしたがって、ハウジングは円筒形形状であって、好適には、高さは70mm以上及び140mm以下であり、更に好適には、90mm以上及び120mm以下であり、最も好適には、100mm以上及び110mm以下であり、直径は70mm以上及び140mm以下であり、更に好適には、90mm以上及び120mm以下であり、最も好適には、100mm以上及び110mm以下である、円筒形形状を有する。これは、実際に、ハウジングについての最適な寸法であることが明らかにされたものである。
【0025】
しかしながら、本発明においては、ハウジングについての他の形状もまた好ましい。本発明の好適な実施形態にしたがって、ハウジングは、正方形又は長方形形状であって、好適には、高さは70mm以上及び140mm以下であり、更に好適には、90mm以上及び120mm以下であり、最も好適には、100mm以上及び110mm以下であり、長さは70mm以上及び140mm以下であり、更に好適には、90mm以上及び120mm以下であり、最も好適には、100mm以上及び110mm以下である、正方形又は長方形形状を有する。これは、実際に、ハウジングについての最適な寸法であることが明らかにされたものである。
【0026】
本発明の好適な実施形態にしたがって、ランプは、ハウジングに隣接して備えられた少なくとも1つのチャンバーを有し、
− 少なくとも1つのチャンバーは、ハウジングの少なくとも1つのポートを介してハウジングと流体的に接続された第1ポートを有し、それ故、流体はハウジングからチャンバー内部に通ることができ、
− 少なくとも1つのチャンバーは、流体がチャンバーの外側に通ることができる少なくとも1つの第2開口を有する少なくとも第2ポートを有する。
【0027】
そのように行うことにより、バーナーの破裂の後にハウジングから外に進む流体は先ず、環境に達する前に、少なくとも1つのチャンバーを通る。表現“ハウジングと流体的に接続された”はまた、チャンバーが更なるチャンバー(例えば、下で説明する図7において示されているもの)を介してハウジングと流体的に接続されることが可能であることを意味することに留意する必要がある。上記のようにチャンバーの外側の方に進み、続いて、上記のような他のチャンバー(例えば、下で説明し、図7に示している)に入ることが可能である流体については説明しないで進める。
【0028】
本発明にしたがった1つ(又はそれ以上の)チャンバーを用いるとき、チャンバーのポートは、流体がチャンバーに入った後、チャンバーから出る前に、チャンバーの内側ボリュームの50%以上及び100%以下が通るような方法で設定されることは有利である。好適には、流体は、チャンバーを出る前に、チャンバーの内側ボリュームの70%以上、より好適には80%以上、最も好適には90%以上が通る。このことは、流体が冷却される時間を要するために、それにより、圧力及び流量を低減することができるために、有利である。好適には、チャンバーの第1及び第2ポートは、チャンバーの第1及び第2ポートが同じ高さにない点で、互いから分離され、及び/又は、互いに対してシフトされる。
【0029】
本発明の好適な実施形態にしたがって、チャンバーは、円筒形形状であって、好適には、直径が40mm以上及び90mm以下であり、更に好適には、50mm以上及び80mm以下であり、最も好適には、60mm以上及び70mm以下であり、そして高さが10mm以上及び25mm以下であり、更に好適には、12mm以上及び20mm以下であり、最も好適には、15mm以上及び18mm以下である、円筒形形状を有し、その場合、幾つかのチャンバーが存在し、それらのチャンバーの寸法及び形状は、互いから独立して選択される。チャンバーについてそれらの寸法を選択することにより、バーナーの破裂のためのボリュームの増加は、ランプの外側に進む水銀の量を最小化するように最適に対処されることができる。
【0030】
しかしながら、本発明においては、チャンバーについて、他の形状もまた好ましい。本発明の好適な実施形態にしたがって、チャンバーは、正方形又は長方形形状であって、好適には、長さが40mm以上及び90mm以下であり、更に好適には、50mm以上及び80mm以下であり、最も好適には、60mm以上及び70mm以下であり、そして高さが10mm以上及び25mm以下であり、更に好適には、12mm以上及び20mm以下であり、最も好適には、15mm以上及び18mm以下である、正方形又は長方形形状を有する。これは、実際に、ハウジングについての最適な寸法であることが明らかにされたものである。
【0031】
本発明の好適な実施形態にしたがって、少なくとも1つの第2開口は内側開口表面の面積を有し、その内側開口表面の面積は、少なくとも1つのチャンバーの第2開口の内側開口表面の面積の、ハウジングの少なくとも1つのポートの開口の内側開口表面の面積に対する比が1:1000以上及び1:70000以下であるような方式で備えられている。そのように行うことにより、環境へのチャンバーに対するハウジングからの圧力低下は、所望の方法で調節されることが可能である。
【0032】
好適には、少なくとも1つのチャンバーの第2開口の内側開口表面の面積の、ハウジングの少なくとも1つのポートの開口の内側開口表面の面積に対する比は、好適には、1:2000以上及び1:50000以下であり、更に好適には、1:3500以上及び1:20000以下であり、そして最も好適には、1:5000以上及び1:10000以下である。
【0033】
本発明の好適な実施形態にしたがって、少なくとも1つのチャンバーは内側ボリュームを有し、少なくとも1つのチャンバーの内側ボリュームの、ハウジングの内側ボリュームに対する比は、1:7.5以上及び1:3.5以下である。これは、好適には、幾つかのチャンバーが“連続して”いる、即ち、流体が第1チャンバー、続いて第2チャンバー、続いて更なる付加チャンバーにおいてハウジングから外側に流れるような方式にある、アプリケーションにおいて行われる。上記のように内側ボリュームに対する比にチャンバーの内側ボリュームを調整することにより、流体の流量が所望の方式で調節されることができることが分かった。好適には、少なくとも1つのチャンバーの内側ボリュームのハウジングの内側ボリュームに対する比は、好適には、1:10以上及び1:30以下であり、更に好適には、1:12.5以上及び1:25以下であり、そして最も好適には、1:15以上及び1:20以下である。
【0034】
本発明の好適な実施形態にしたがって、少なくとも1つのチャンバーの各々は内側ボリュームを有し、全内側ボリュームVは少なくとも1つのチャンバーの各々の内側ボリューム各々の和であり、ハウジングの内側ボリュームに対する比は1:1以上及び1:35以下である。これは、好適には、幾つかのチャンバーが“並列”であるアプリケーションにおいて、即ち、流体がハウジングから第1チャンバーの第1ポートを介して及び幾つかの他のチャンバーの更なるポートを介して流れるような方式で行われる。上記のように、内側ボリュームに対する比でチャンバーの内側ボリュームを調節することにより、流体の流量が所望の流量比の範囲内にあることが確実にされることが分かった。好適には、Vのハウジングの内側ボリュームに対する比は、好適には、1:2以上及び1:30以下であり、更に好適には、1:4以上及び1:20以下であり、そして最も好適には、1:5以上及び1:10以下である。
【0035】
本発明の好適な実施形態にしたがって、チャンバーの少なくとも1つは、ハウジングを有する共通壁部を有する。そのように行うことにより、コンパクトなランプのデザインが可能であり、必用な部品の数を減らすことができる。好適には、このようなハウジングを有する少なくとも共通壁部はポートの開口を有する。
【0036】
本発明の好適な実施形態にしたがって、チャンバーの少なくとも1つは、水銀吸収/吸着及び/又はボロキング手段を備えている。そのように行うことにより、チャンバーから環境に進む水銀全てでないとしても、一部を妨げることが可能である。
【0037】
本発明にしたがったランプは、好適には、次のアプリケーションの1つ又はそれ以上において用いるためにデザインされたシステムに組み込まれる。
− 商店の照明
− 家庭の照明
− ヘッドランプ
− アクセント照明
− スポット照明
− 劇場の照明
− オフィスの照明
− 職場の照明
− 自動車のフロント照明
− 自動車の補助照明
− 自動車のインテリア照明
− 顧客のテレビジョンアプリケーション
− 光ファイバーアプリケーション
− 投射システム
上記の構成要素、請求項の構成要素及び上記実施形態における本発明にしたがって用いられる構成要素は、大きさ、形状、材料選択、及び適切な分野で既知の選択基準が制限を伴わずに適用されるような技術概念に関連する何れの特別な例外とはならない。
【0038】
本発明の目的の付加的な詳細、特徴及び有利点については、本発明にしたがったランプの幾つかの好適な実施形態を示す、従属請求項、以下の説明及び関連図面に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は、図2のラインI−Iに沿った、本発明にしたがったランプの第1実施形態の断面の模式図であり、図2は、図1のII−IIラインに沿った、ランプのハウジングの壁部分の断面の模式図である。ランプは、バーナー10、リフレクター20、前面ガラス30及びシース60を有する。この実施形態においては、前面ガラス30及びシース60はハウジングを構成し、そのハウジングは内側ボリューム70Vを有する。バーナー10は内側ボリュームV及び内側圧力pを有する。バーナー自体は当該技術分野において知られていて、本発明の一部ではない。しかしながら、本発明において、全てが既知の種類及び構成要素を用いることが可能である。
【0040】
図1及び2から理解できるように、シース60及び前面ガラス30により構成されるハウジングは2つのポート40(図1においては、断面であるため、1つのみが示されている)を有する。それら2つのポートは各々、内側開口表面50a、50bを有し、それらの各々は、0mm以上20mm以下の範囲内、好適には1mm以上15mm以下の範囲内、更に好適には3mm以上10mm以下の範囲内の面積を有する。
【0041】
全内側開口表面Aは、全内側開口表面の面積の和であり、この実施形態においては、内側開口表面50a及び50b両方の和である。内側開口表面Aは、全内側開口表面の面積A(mm)対V(mm)の比が1:20000以上及び1:1000000以下、好適には1:50000以上及び1:500000以下、更に好適には1:100000以上及び1:300000以下であるように適合するように設定される。
【0042】
ポート40及び内側開口50a、50bの示されている直径は、理解できるように拡大されていることに留意されたい。殆どの適用において、それらの構成要素の寸法は実際とは異なっている。
【0043】
更に、この実施形態においては、ポート40は、円筒形のスルーホールとして形成されている。このことは、この場合には必ずしも必要でなく、また、立方体状又は円錐状ポートが本発明で用いられることが可能であり、特定のアプリケーションに対して有利である可能性がある。
【0044】
図3は、付加チャンバーを有する、本発明にしたがったランプの第2実施形態の断面模式図である。このチャンバー100は、ハウジングの少なくとも一部を介してハウジングと流体的に接続されている第1ポートを有し、それ故、流体は、ハウジングからチャンバー100の内側まで通ることができる。この実施形態においては、このポートはポート40と同等である。更に、チャンバー100は、流体がチャンバーの外側まで通る少なくとも1つの第2開口(図示せず)を有する第2ポート90を有する。チャンバー100の第2開口の内側開口表面の面積対ハウジングのポート40の開口の内側開口表面の面積の比は、5:1以上及び1:5以下である。
【0045】
チャンバーのポートは、流体が、ポート40を入った後に、ポート90を出る前に、チャンバー100の内側ボリュームの約90%を通す。このことは、その場合、流体は冷やされる時間を有し、それにより、圧力が低減され、流体を減少させることができるために有利である。
【0046】
更に、チャンバーのボリュームは、チャンバー100の内側ボリューム対ハウジングの内側ボリュームの比が1:7.5以上及び1:3.5以下であるように設定されている。このように、流体が環境の方に進むときの流体の流量は、望ましい方法で更に制御される。
【0047】
チャンバー100は、この実施形態においては、ハウジング60と共に共通壁部65を有するように備えられている。このことは、そのチャンバーに関する限り、製造が容易であり且つチャンバー100が“切り離されている”の構成要素であるときにより安定しているように、よりコンパクトな装置を構築する可能性を与える。
【0048】
しかしながら、チャンバー100はまた、“切り離されている”ことが可能である。これについて、図4に示す。図4は、付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第3実施形態の断面模式図である。このチャンバー100はまた、ハウジングの少なくとも1つのポートを介してハウジングと流体的に接続されている第1ポートを有し、それ故、流体は、ハウジングからチャンバー100の内側まで通ることができる。この実施形態においては、このポートはポート40と同等である。更に、チャンバー100は、流体がチャンバーの外側の方に通ることができる少なくとも1つの第2開口(図示せず)を有する第2ポート90を有する。チャンバー100の第2開口の内側開口表面の面積対ハウジングのポート40の開口の内側開口表面の面積の比は、5:1以上及び1:5以下である。
【0049】
図4に示す実施形態においては、チャンバー100は、2つのポート40、90を有する円筒形管として形成されている。これに関して、チャンバー100の内側の直径は、各々のポート40、90の内側開口の直径より大きい。
【0050】
この実施形態においては、チャンバー100の内側ボリュームはまた、チャンバー100の内側ボリューム対ハウジングの内側ボリュームの比が1:7.5以上及び1:35以下であるように設定されている。このようにして、流体の流量は、その流体が環境の方に進むときに、望ましい方式で更に制御される。
【0051】
図5は、付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第4実施形態の断面模式図である。この実施形態においては、シースは削除されている。それ故、この実施形態にしたがったハウジングは、リフレクター20及び前面ガラス30の外側に形成され、それらリフレクター20及び前面ガラス30は互いに接続されている。そのハウジングの内側ボリューム70は、シースが存在する殆どのアプリケーションにおけるそれらの実施形態におけるより小さい。また、この実施形態においては、2つのポート40、90を有する上記のチャンバー100が存在する。そのチャンバー100は、この実施形態においては、“曲がった管”として形成されている。チャンバー100について何れの形状を選択することができることに留意する必要がある。それ故、チャンバー100は、選択されたアプリケーションについて更なる要求に適合するように設定されることが可能である。
【0052】
図6は、2つの付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第5実施形態の断面模式図である。それら2つのチャンバー100a、100b各々は、上記のように、2つのポート40a、90a及び40b、90bをそれぞれ有する。それらの各々はまた、ハウジングを有する共通壁部65a及び65bをそれぞれ有する。
【0053】
2つのチャンバー100a、100bの2つの内側ボリュームの和である全内側ボリュームV対ハウジングの内側ボリュームVの比は、1:1以上及び1:35以下である。上記の内側ボリュームに対する比でチャンバーの内側ボリュームを調節することにより、流体流が所望の流量比の範囲内にあることを確実にする。好適には、V対ハウジングの内側ボリュームの比は、1:2以上及び1:30以下、好適には1:4以上及び1:20以下、更に好適には1:5以上及び1:10以下である。
【0054】
2つの異なるチャンバー100a、100bは同じサイズを有する必用はないことに留意する必要がある。一部のアプリケーション(例えば、環境中に置かれた装置からの吸気があるとき)については、流体はチャンバーの各々を通過するために要する時間が異なり、それ故、適合されるために、チャンバーのために異なるサイズを有することは有利である。
【0055】
図7は、2つの付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第6実施形態の断面模式図である。それらのチャンバー100a、100bは“連続して”いて、それ故、チャンバー100bは、チャンバー100aを介してハウジングのポート40と流体的に接続されている。図7から理解できるように、2つのチャンバーの内側ボリューム対ハウジングの内側ボリュームの比は、1:7.7以上及び1:35以下である。このことは、流体が、ハウジング及びバーナー10から、一方で、絶えず移動し、他方で、温度が低下するように十分に長い時間の間、チャンバー100a、100bの各々に留まり、それにより、圧力及び流量を低下させることができることを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図2のI−Iラインに沿った本発明にしたがったランプの第1実施形態の断面模式図である。
【図2】図1のII−IIラインに沿ったランプのハウジングの壁部分の断面模式図である。
【図3】付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第2実施形態の断面模式図である。
【図4】付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第3実施形態の断面模式図である。
【図5】付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第4実施形態の断面模式図である。
【図6】付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第5実施形態の断面模式図である。
【図7】付加チャンバーを有する本発明にしたがったランプの第6実施形態の断面模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン化可能な充填物及び該充填物に含まれる水銀量を有するバーナーを有するランプであって、前記バーナーはハウジングにより囲まれ、前記ハウジングは開口を有する少なくとも1つのポートを有し、内側開口表面の面積は0mm以上及び20mm以下である、ランプ。
【請求項2】
請求項1に記載のランプであって、前記内側開口表面の面積は1mm以上及び15mm以下であり、より好ましくは、3mm以上及び10mm以下である、ランプ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のランプであって:
前記ハウジングは内側ボリュームVを有し;
前記バーナーは内側ボリュームV及び内側圧力pを有し、前記ハウジングの前記ポートの全前記内側開口表面の面積Aは、前記全内側開口表面の面積A(mm)のV(mm)に対する比は1:20000以上及び1:100000以下であり、前記全内側開口表面の面積A(mm)のVxp(mmbar)に対する比は1:400以上及び1:30000以下であるような方式で備えられている;
ランプ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のランプであって、前記開口の前記内側開口表面の面積及び/又は前記全内側開口表面の面積Aは、破裂が生じた後に前記ハウジングから外に前記少なくとも1つの開口を通る流体の流量は0mm/sec以上及び1/10V/sec以下である、ランプ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れ一項に記載のランプであって、前記ランプは、前記ハウジングに隣接して備えられている少なくとも1つのチャンバーを有する、ランプであり:
前記少なくとも1つのチャンバーは、前記ハウジングの少なくとも1つのポートを介して前記ハウジングと流体的に接続されている第1ポートを有し、
前記少なくとも1つのチャンバーは、流体が前記チャンバーの外側に通り抜ける少なくとも1つの第2開口を有する少なくとも第2ポートを有する;
ランプ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れ一項に記載のランプであって、前記少なくとも1つの第2開口の各々は内側開口表面の面積を有し、前記内側開口表面の面積は、前記少なくとも1つのチャンバーの前記第2開口の前記内側開口表面の面積の、前記ハウジングの前記少なくとも1つのポートの前記開口の前記内側開口表面の面積に対する比が5:1以上及び1:5以下であるような方式で備えられている、ランプ。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のランプであって、前記少なくとも1つのチャンバーの各々は内側ボリュームを有し、前記少なくとも1つのチャンバーの前記内側ボリュームの前記ハウジングの前記内側ボリュームVに対する比は1:7.5以上及び1:35以下である、ランプ。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れ一項に記載のランプであって、前記少なくとも1つのチャンバーの各々は内側ボリュームを有し、前記少なくとも1つのチャンバーの各々の内側ボリュームの各々の和である前記全内側ボリュームVの前記ハウジングの前記内側ボリュームVに対する比は1:1以上及び1:35以下である、ランプ。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れ一項に記載のランプであって、前記チャンバーの少なくとも1つは前記ハウジングと共に共通壁部を有する、ランプ。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れ一項に記載のランプを組み込んでいるシステムであって、次のアプリケーション、即ち:
商店の照明;
家庭の照明;
ヘッドランプ;
アクセント照明;
スポット照明;
劇場の照明;
オフィスの照明;
職場の照明;
自動車のフロント照明;
自動車の補助照明;
自動車のインテリア照明;
顧客のテレビジョンアプリケーション;
光ファイバーアプリケーション;及び
投射システム;
のアプリケーションの1つ又はそれ以上で用いられる、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−506228(P2008−506228A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519930(P2007−519930)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052083
【国際公開番号】WO2006/006093
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】