説明

バーナ

【課題】着火性および燃焼性がよく、かつ逆火の恐れもない、小型化の可能なバーナを得る。
【解決手段】燃料ガス供給用のバーナ内管11と、それを包囲しかつ空気供給路を形成するするバーナ外管13とを備え、バーナ内管11の先端にバーナコーン15を有するバーナにおいて、バーナコーン15のバーナ内管11との接続部16に燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を導入することのできる第1の空気孔25を形成する。また、バーナコーン15に多段に燃焼用空気噴出孔20a〜20cを形成する。また、バーナコーン15内にバーナ内管11から噴出する燃料ガスをバーナコーン15の周側面に向けて誘導することのできるガス誘導盤30を配置する。また、バーナコーン15の先端にはバーナ内管15内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気を噴出させる第2の空気孔26を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバーナに関し、限定されないが、特に、燃料電池用の水素製造装置のための加熱源として好適なバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池を運転する際の発電用ガスとして、都市ガスや天然ガスなどの供給体制が整っている炭化水素を原燃料とし、これを改質器によって水素リッチに改質した改質ガスが用いられる。改質器における改質反応は触媒による吸熱反応であるため、改質器を作動させるには、触媒を加熱してその温度を上げる必要があり、この加熱には、通常、バーナが用いられる。このバーナ用の燃料としては、都市ガスや天然ガス、燃料電池から排出される未反応の改質ガスであるオフガスや、改質器で生成される改質ガスが燃料ガスとして使用される。
【0003】
改質器の運転開始時には、オフガスや改質ガスをバーナの燃料ガスとすることはできない。そこで、改質器の運転開始時には、原燃料として改質器に供給される都市ガスや天然ガスなどの一部をバーナの燃料として用いて改質器の触媒を加熱する。触媒温度が上昇すると、改質器が立ち上がり、改質ガスまたはオフガスが生成されるので、その時点でバーナ燃料を、都市ガスまたは天然ガスから、生成された改質ガスまたはオフガスに切り換えることが行われる。
【0004】
しかし、都市ガスまたは天然ガスとオフガスまたは改質ガスとは、その発熱量が大きく異なるため、これらの燃料ガスを切り換えて燃焼させるバーナには大きな絞り比が要求され、また、オフガスや改質ガスには水素が多く含まれているため、燃焼速度が速く、逆火を起こし易いので、改質器用のバーナは逆火の恐れのないものでなければならない。これらの技術的課題に応えるべく、従来から種々の改質器用バーナが提案されており、例えば、特許文献1には、都市ガスまたは天然ガスとオフガスまたは改質ガスのいずれを燃料ガスとして用いた場合でも、安定した燃焼を実現でき、かつ逆火の恐れのない、構造が簡単な燃料電池の改質器用バーナが提案されている。
【0005】
具体的に、前記改質器用バーナは、内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを備えており、前記バーナ内管の後端である燃料ガス供給口に寄った位置には、前記バーナ外管内に供給される燃焼用空気の一部が流入する一次空気流入口が形成されている。
【0006】
この改質器用バーナでは、燃料ガス供給口からバーナ内管内に供給される燃料ガスはバーナ内管内に供給される一次空気と混合することで予混合ガスとなり、燃焼室を形成するバーナコーン内に噴出し着火される。燃料として、都市ガスや天然ガスを使用しているのであれば、予混合ガスであることから良好な着火性が得られる。予混合ガスは、バーナコーンの壁面に設けられた複数の空気噴出口から供給され 、周囲に渦流を発生させながら勢い良く噴出する二次空気とさらに混合する。それにより、燃焼性のよい空気比の混合ガスが形成され、燃焼炎はバーナコーン壁面に張り付いた良好な燃焼炎となる。また、バーナを設計する際、その一次空気の量を調節することによって、バーナ内管内で形成される燃料ガスと空気との予混合ガスを、その空気比を逆火の恐れがない範囲とするか、好ましくは、水素リッチなオフガスにおいても燃焼範囲から外れたものとして、燃焼室であるバーナコーン内に供給することができるので、燃料ガスが、都市ガスまたは天然ガスの場合でも、水素リッチなオフガスまたは改質ガスの場合でも、ともに安定した燃焼を実現できるメリットがある。そのために、燃料電池用の水素製造装置のための加熱源として好適なバーナとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−32084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記した特許文献1に記載のバーナは、予混合燃焼方式を採用しており、都市ガスや天然ガスにおいては、良好な着火性が得られる。また、バーナコーン壁面から二次空気を噴出させることで、燃焼性のよい空気比の混合ガスが形成される。しかし、バーナ内管内で予混合ガスが形成される形式であることから、オフガス燃焼時等においてバーナ内管内で逆火が生じるのを防止するために、予混合ガスの空気比を狭い燃焼領域に制御する必要があり、ポンプなどの補器類には精度の高いものが求められる。また、ポンプ故障などが発生しても、逆火する空気比の領域にならないように安全に停止する安全機構も必要とされている。
【0009】
構造的にも、より完全に予混合したガスを得るためにはバーナ内管を長くする必要があり、バーナ全体が長くなっていた。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃料ガスとして、都市ガスまたは天然ガスと、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスのそれぞれの燃料ガスを使用して燃焼できる形態のバーナにおいて、精度の高い補器類を必要とせずに運転中に逆火が発生するのを確実に抑制することができ、かつ全体形状も小型化することのできる、より改良されたバーナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決すべく、本発明者らは多くの実験と研究を反復して行うことにより、内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、その内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを少なくとも備えたバーナにおいて、バーナ内管内で予混合ガスを形成しなくても、バーナコーンに形成する燃焼用空気の取り入れ口の位置等を適切に配置することで、あるいはバーナ内管から噴出する燃料ガスを適切に分散させることで、すなわち、完全先混合構造のバーナとしても、燃料ガスが、都市ガスまたは天然ガス、または、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスのいずれであっても、良好な着火性と良好な燃焼火炎が得られることを知見した。本発明は、本発明者らが得た上記の知見に基づいている。
【0012】
すなわち、本発明は、内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを少なくとも備えた基本形態のバーナにおいて、
その第1の形態は、前記バーナコーンの前記バーナ内管の先端との接続部には燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を導入することのできる第1の空気孔がさらに形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明者らの実験では、上記第1の形態のバーナでは、バーナ内管の燃料ガス供給口に寄った位置に燃焼用空気の一部が流入する一次空気流入口を設けなくても、バーナコーンにおけるバーナ内管との接続部に形成した第1の空気孔から燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気が供給されることで、燃料ガスと燃焼用空気との混合が良好となり、燃料ガスの流速が早い場合であっても、広い範囲の空気比において、バーナコーンの根元部に設けた着火ロッドとの間で良好な着火性が得られた。
【0014】
本発明によるバーナの第2の形態は、前記基本形態のバーナにおいて、前記バーナコーン内にはバーナ内管から噴出する燃料ガスをバーナコーンの前記周側面に向けて誘導することのできるガス誘導盤が備えられていることを特徴とする。
【0015】
本発明者らの実験では、上記第2の形態のバーナでは、バーナ内管から噴出する燃料ガスは、ガス誘導盤によりバーナコーンの内側面に沿って下流側に流れるように誘導される。その流れの過程で、バーナコーンの周側面に形成した複数個の燃焼用空気噴出孔から噴出する空気が形成する渦流によって、燃料ガスと空気とが積極的に混合されることで、燃焼火炎を安定させることができた。結果として、高空気比においても、良好な着火性が得られた。また、ガス誘導盤を設置することで、燃料ガスがバーナの中心付近に流れにくくなった。これにより、従来バーナであれば、バーナコーンの周側面に形成した燃焼用空気噴出孔から噴出する空気と、バーナの中心付近に流れる燃料ガスが混ざらず、燃焼性が良くなかった。燃料ガスがバーナの中心付近に流れにくくなったことで、燃焼性を改善することが出来た。
【0016】
本発明によるバーナの第3の形態は、前記基本形態のバーナにおいて、前記バーナコーンの前記バーナ外管に衝接する周側面部位には、前記バーナ内管内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気を噴出させる第2の空気孔がさらに形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明者らの実験では、上記第3の形態のバーナでは、前記第2の空気孔から噴出する空気によって燃焼領域がバーナコーンの先端よりもより下流側に拡大し、それにより幅の広い空気比でも安定して燃焼を継続させることが可能となった。すなわち、燃焼用空気と燃料ガスとの混合が後流側により幅の広い範囲で行われるようになり、燃焼火炎が形成する範囲が広くなり、燃焼火炎が安定した。また、バーナコーン内では空気流速が全体的に遅くなったことで、火炎が吹き消えることもなくなった。
【0018】
本発明によるバーナでは、いずれの形態であっても、燃料ガスと一次空気とを予混合することを要しないので、バーナ内管は予混合に必要な距離を必要とせず、結果として、バーナ内管を短くすることができる。それにより、バーナ全体の長さを短くすることができ、バーナの小型化が可能となる。さらに、予混合をせず、完全先混合での燃焼であることから、バーナ内管へ逆火することはなく、それにより、バーナの運転に必要な補器類に特に精度の高いものを必要とせず、バーナの低コスト化および運転制御の容易化が可能となる。
【0019】
本発明によるバーナは、前記第1の形態、第2の形態および第3の形態の特徴事項を選択的に組み合わせたものであってもよい。その一例として、本発明によるバーナの第4の形態は、前記基本形態のバーナにおいて、前記バーナコーン内にはバーナ内管から噴出する燃料ガスをバーナコーンの前記周側面に向けて誘導することのできるガス誘導盤が備えられており、前記バーナコーンの前記バーナ外管に衝接する周側面部位には、前記バーナ内管内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気を噴出させる第2の空気孔がさらに形成されていることを特徴とする。
【0020】
前記第4の形態において、前記バーナコーンの前記バーナ内管の先端との接続部には燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を導入することのできる第1の空気孔がさらに形成されていてもよい。本発明者らの実験では、上記第4の形態のバーナでは、第1、第2および第3の態様のバーナと比較して、着火性および保炎性において、一層の向上が観察できた。
【0021】
本発明によるバーナの他の態様では、上記した各態様のバーナにおいて、前記バーナコーンの前記周側面に形成した複数個の燃焼用空気噴出孔は周側面の拡開方向に間隔をおいて多段に形成されていることを特徴とする。より好ましい態様では、前記各段での燃焼用空気噴出孔の数は前記第2の空気孔よりも少ないもしくは同じ数とされていることを特徴とする。上記の態様のバーナにおいて、それが前記ガス誘導盤を備える場合に、該ガス誘導盤は、前記バーナコーンにおける最上流側の燃焼用空気噴出孔の段と最下流側の燃焼用空気噴出孔の段との間に配置されていることが好ましい。
【0022】
上記のようにバーナコーンに形成する第1の空気孔、燃焼用空気噴出孔および第2の空気孔の相互の位置関係およびガス誘導盤との相互の位置を設定することで、バーナの燃焼性はさらに改善される。
【0023】
本発明によるバーナにおいて、バーナコーンの形状は、下流側に向けて次第に拡開する形状であれば任意の形状であってよく、例として、円錐形、角錐形などが挙げられる。前記ガス誘導盤は、円錐形の場合は円盤状、角錐形の場合は矩形状のように、バーナコーンの内周面形状に沿う形状のものが選択される。好ましくは、バーナコーンは円錐形であり、ガス誘導盤は円盤である。また、ガス誘導盤は、外形輪郭がバーナコーンの内周面形状に沿う形状のものであればよく、板状に限らず、筒状のものであってもよい。
【0024】
本発明によるバーナは任意の場所で使用することができるが、前記したように、燃料ガスとして、都市ガスまたは天然ガスと、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスの双方が選択的に用いられるような場所での使用、例えば、燃料電池用の水素製造装置のための加熱源としての使用、あるいは、メンブレン型の水素製造装置のための加熱源としての使用が、特に好適である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、例えば、燃料ガスとして、都市ガスまたは天然ガスと、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスの双方を、選択的に用いる形態のバーナにおいて、精度の高い補器類を必要とせずに運転中に逆火が発生するのを確実に抑制することができる。また、全体形状も小型化することができる。そのために、バーナの低コスト化および運転制御の容易化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるバーナの一実施の形態を示す断面図。
【図2】本発明の第1の形態によるバーナでのバーナコーンとその近傍を示す図。
【図3】本発明の第2の形態によるバーナでのバーナコーンとその近傍を示す図。
【図4】本発明の第3の形態によるバーナでのバーナコーンとその近傍を示す図。
【図5】本発明の第4の形態によるバーナでのバーナコーンとその近傍を示す図。
【図6】第4の形態によるバーナの変形例でのバーナコーンとその近傍を示す図。
【図7】各バーナにおける全体空気比とピークCO濃度との関係を示すグラフ。
【図8】バーナコーン内に配置したガス誘導盤の位置と全体空気比とピークCO濃度との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
図1は、本発明によるバーナ1の一例を示す断面図である。図において、11はバーナ内管であり、その根元側には燃料ガス供給口12が設けられ、バーナ内管11の先端側端部は開口している。13はバーナ内管11の外側にバーナ内管11と同軸に配置されたバーナ外管であり、14はバーナ外管13に設けられた空気供給口である。燃料ガス供給口12と空気供給口14には、図示しないバーナ燃焼制御装置を介して、燃料ガスと空気とが、それぞれの流量をコントロールされた状態で供給される。
【0028】
バーナ内管11の先端にはバーナコーン15が取り付けられる。バーナコーン15はバーナ内管11と同じ中心軸線を持ち、バーナ内管11の先端との接続部16と、該接続部16の先端から前記バーナ外管13の内周面に向けて次第に拡開する円錐形の周側面17と、該周側面17の先端部の垂直面18とからなり、該垂直面18はバーナ外管13の内周面に接続している。そして、円錐形の周側面17には複数の燃焼用空気噴出孔20が形成されている。
【0029】
21は絶縁用セラミックで被覆されたスパークプラグとフレームロッド(火炎検知)を兼用している電極であり、バーナ内管11の内側に、バーナ内管11と同軸に配置されており、バーナコーン15内側の燃焼室内にその一部が電極として機能する先端部22を突出させている。
【0030】
上記の構成は、本発明によるバーナ1の基本構成であって従来知られた構成である。本発明によるバーナ1は、前記バーナコーン15に空気孔がさらに形成される点、およびバーナコーン内にガス誘導盤が設置される点に、特徴を有する。以下、その特徴点について順次説明する。
【0031】
図2は、本発明によるバーナ1の第1の形態でのバーナコーン15とその近傍を示しており、図2(a)は断面図であり、図2(b)は先端側から見た側面図である。第1の形態のバーナ1Aは、バーナコーン15の前記バーナ内管11先端との接続部16に、そこを流れる燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を噴出することのできる第1の空気孔25が形成されていることを特徴とする。第1の空気孔25の数に特に制限はないが、図示のものでは、周方向に等しい間隔をおいて8個の第1の空気孔25が形成されている。
【0032】
バーナコーン15の周側面17に形成する燃焼用空気噴出孔20にも特に制限はないが、図示のものでは、前記接続部16側に近い位置に形成された第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと、そこから先端側に離れた位置に形成された第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと、そこからさらに先端側に離れた位置に形成された第3段目の燃焼用空気噴出孔20cとで構成されている。第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと第3段目の燃焼用空気噴出孔20cは、ともに周方向に好ましくは等しい間隔をおいて形成された4個の噴出孔からなり、図2(b)に示すように、各噴出孔は周方向に45度位相をずらして形成されている。
【0033】
上記構成を備えた第1の形態のバーナ1Aでは、バーナ内管11内を流れる燃料ガスに対して前記第1の空気孔25から直交する方向に燃焼用空気が供給されるので、燃料ガスと空気とが良好に混合することができ、バーナ内管11における上流側の位置で予混合ガスを形成しなくても、良好な着火性が得られる。また、第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと第2段目の燃焼用空気噴出孔20b、3段目の燃焼用空気噴出孔20cから供給される空気によって、良好な燃焼性が維持される。
【0034】
図3は、本発明によるバーナ1の第2の形態でのバーナコーン15とその近傍を示しており、図3(a)は断面図、図3(b)は先端側から見た側面図であり、図3(c)はそこで用いるガス誘導盤を説明する斜視図である。第2の形態のバーナ1Bは、前記バーナコーン15内に、バーナ内管11から噴出する燃料ガスをバーナコーン15の円錐形の周側面17に向けて誘導することのできる円盤状のガス誘導盤30が備えられていることを特徴とする。ガス誘導盤30は、その周縁とバーナコーン15の周側面17の内周面との間に等しい距離の隙間が形成されることを条件に、バーナコーン15内への取り付け方は任意であってよいが、図示の例では、スパークプラグ21の先端部22に鉛直方向に取り付けられている。
【0035】
この形態のバーナ1Bにおいても、バーナコーン15の周側面17に形成する燃焼用空気噴出孔20の数や位置に特に制限はないが、図示のものでは、前記した第1の形態のバーナ1A同様に、4個の第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと4個の第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと4個の第3段目の燃焼用空気噴出孔20cが、位相を45度周方向にずらして形成されている。そして、前記ガス誘導盤30は、接続部16側である第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと第2段目の燃焼用空気噴出孔20bとの間の位置に取り付けられている。
【0036】
上記構成を備えた第2の形態のバーナ1Bでは、バーナ内管11から噴出する燃料ガスは、前記ガス誘導盤30に衝突してその流れ方向を変え、バーナコーン15の周側面17の内側面に沿って下流側に流れるようになる。そして、その流れの過程で、バーナコーン15の周側面17に形成した各燃焼用空気噴出孔20a,20b,20cから供給される空気と燃料ガスは積極的に混合するようになり、良好な着火性が得られると同時に、良好な燃焼性が維持される。
【0037】
図4は、本発明によるバーナ1の第3の形態でのバーナコーン15とその近傍を示しており、図4(a)は断面図、図4(b)は先端側から見た側面図である。第3の形態のバーナ1Cは、前記バーナコーン15における周側面17の先端部の垂直面18に第2の空気孔26が形成されており、そこから、バーナ内管11内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気を噴出させることを特徴とする。第2の空気孔26の数に特に制限はないが、図示のものでは、周方向にほぼ等しい間隔をおいて8個の第2の空気孔26が形成されている。
【0038】
第3の形態のバーナ1Cにおいても、バーナコーン15の周側面17に形成する燃焼用空気噴出孔20の数や位置に特に制限はないが、図示のものでは、第1および第2の形態のバーナ1A,1Bと同様に、4個の第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと4個の第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと4個の第3段目の燃焼用空気噴出孔20cとが、位相を45度周方向にずらして形成されている。また、8個の第2の空気孔26は、4個が第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと同じ位相位置に、残りの4個が第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと同じ位相位置に、それぞれ形成されている。
【0039】
上記構成を備えた第3の形態のバーナ1Cでは、第2の空気孔26から噴出する空気によって燃焼領域がバーナコーン15の先端よりもより下流側に拡大する。それにより幅の広い空気比でも安定して燃焼を継続させることが可能となる。すなわち、燃焼用空気と燃料ガスとの混合が後流側により幅の広い範囲で行われるようになり、燃焼する範囲が広くなることで燃焼火炎が一層安定する。また、バーナカップ内でのその領域では空気流速が全体的に遅くなることで、火炎の吹き消えも抑制される。
【0040】
図5は、本発明によるバーナ1の第4の形態でのバーナコーン15とその近傍を示しており、図5(a)は断面図、図5(b)は先端側から見た側面図である。第4の形態のバーナ1Dは、上記した第2および第3の形態におけるバーナの特徴事項を取り込んで形成されている。すなわち、図示されるように、バーナコーン15のバーナ内管11先端との接続部16には、第1から第3の燃焼用空気噴出孔20a,20b,20cが形成されており、バーナコーン15内には、バーナ内管11から噴出する燃料ガスをバーナコーン15の円錐形の周側面17に向けて誘導することのできる円盤状のガス誘導盤30が、前記第1の燃焼用空気噴出孔20aと第2の燃焼用空気噴出孔20bとの間に備えられている。さらに、バーナコーン15における周側面17の先端部の垂直面18には、第2の空気孔26が形成されていて、そこから、バーナ内管11内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気が噴出されるようになっている。
【0041】
第4の形態のバーナ1Dにおいても、第2の空気孔26、およびバーナコーン15の周側面17に形成する燃焼用空気噴出孔20a〜20cの数や位置は任意であってよいが、図示のものでは、第2の空気孔26は8個形成されており、燃焼用空気噴出孔20は3段に4個ずつ形成されている。
【0042】
第4の形態のバーナ1Dでは、上記した第2および第3の形態のバーナのそれぞれが備える前記メリットを総和として備えることができるので、一層安定した着火性、保炎性、広い範囲の空気比での燃焼安定性が得られる。
【0043】
図6は、第4の形態のバーナの変形例におけるバーナコーン15とその近傍を示しており、図6(a)は断面図、図6(b)は先端側から見た側面図である。この形態のバーナ1Eは、上記した第1、第2および第3の形態におけるバーナの特徴事項をすべて取り込んで形成されている。すなわち、バーナ1Eは、図5に示した第4形態のバーナ1Dの構成に、さらにバーナコーン15のバーナ内管11先端との接続部16において、そこを流れる燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を噴出することのできる第1の空気孔25をさらに成形した点で、第4形態のバーナ1Dと相違している。他の構成は図にな示した第4形態のバーナ1Dと同じであり、同じ符号を付すことで詳細な説明は省略する。
【0044】
この形態のバーナ1Eでは、上記した第1、第2および第3の形態のバーナのそれぞれが備える前記メリットを総和として備えることができるので、一層安定した着火性、保炎性、広い範囲の空気比での燃焼安定性が得られる。
【0045】
本発明による上記の各バーナは、燃料ガス流路内に逆火が生じるのをほぼ完全に抑制することができるので、バーナの燃料として、都市ガスや天然ガスなどの供給体制が整っている燃料と、燃料電池から排出される未反応の改質ガスであるオフガスや改質器で生成される改質ガスとが選択的に用いられる燃料電池用の水素製造装置用のバーナとして特に有効であるが、使用用途はこれに限らず、多くの分野で有効に用いることができる。一例として、メンブレン型純 水素製造装置の加熱源としての使用が挙げられる。
【実施例】
【0046】
次に、実際に燃焼実験を行ったときに得られた全体空気比とピークCO濃度との関係について説明する。
【0047】
<実施例1>
[実施例と比較例]
前記図2に示した第1の態様のバーナ1A、図3に示した第2の態様のバーナ1B、および図5に示した第4の態様のバーナ1Dについて、燃焼実験を行った。その結果を図7に示した。なお、実験では、燃料ガスとして都市ガス(13A)を用い、空気流量を制御して全体空気比を調整した。ピークCO濃度は島津製作所製の連続分析計(CGT−5000)を用いて測定した。
【0048】
なお、本発明で、全体空気比とは、都市ガスを完全燃焼するために必要な空気量のときを1として定義されるものであり、ピークCO濃度とは、着火開始後、連続的にCO濃度を計測して、最大値となるCO濃度として定義されるものである。
【0049】
また、比較例1として、第1の態様のバーナ1Aであって第1の空気孔25をすべて閉鎖した形態のバーナを用いて同じ燃焼実験を行った。その結果も比較例1として図7に示した。
【0050】
[実施例1の考察]
比較例1のバーナでは、空気比1.2程度の空気比で着火するが、それ以外の空気比では失火してしまい、十分な着火性と火炎の安定性を得られなかった。また、空気比1.2でもピークCO濃度も高く、燃焼性も不十分であった。一方、本発明によるバーナでは、いずれも、高くかつ広い範囲の空気比において安定して燃焼でき、ピークCO濃度も十分に低い値となっている。特に、図5に示した第4の態様のバーナ1Dではその燃焼の改善効果が顕著であった。このことから、本発明による各形態のバーナは、着火性と燃焼性の双方において、従来のバーナよりも優れていることが裏付けられる。
【0051】
図2に示す第1の態様のバーナ1Aの場合、1.5程度の空気比において、少し高いピークCO濃度を示したが、これはバーナ1Aの形態上、バーナカップの側面部の燃焼用空気噴出孔20から導入された空気とバーナカップ中心を流れる燃料ガスが混合されにくく、当該空気は燃焼に寄与しにくくなっていることによると考えられる。空気比を1.5以上に導入して、第1の空気孔25と上流側の燃焼用空気噴出孔20aおよび20bから噴出する空気のみで燃焼させることで、ピークCO濃度が高くなるのを抑制できると考えられる。
【0052】
<実施例2>
図5に示した第4の態様のバーナ1Dを用いて、バーナコーン15に形成した燃焼用空気噴出孔20a〜20cとガス誘導盤30の位置との関係について、ガス誘導盤30の位置のみを変えて燃焼実験を行った。そのときの全体空気比とピークCO濃度との関係を図8に示した。
【0053】
図8において、曲線S1とS2は、ガス誘導盤30を第1の燃焼用空気噴出孔20aと第2の燃焼用空気噴出孔20bとの間に配置したときの全体空気比とピークCO濃度を示している。曲線S2は第1の燃焼用空気噴出孔20aと第2の燃焼用空気噴出孔20bの間の中央位置にガス誘導盤30を設置させたときであり、曲線S1はそれより2mm上流側にガス誘導盤30を設置させたときである。
【0054】
[実施例2の考察]
図に示されるように、後者のバーナの方が、比較して低い値のピークCO濃度を示しており、ガス誘導盤30を第1段目と第2段目の燃焼用空気噴出孔20a、20bの特定の位置間に配置した場合に、特に優れた燃焼性が発揮されることが裏付けられる。なお、ガス誘導盤30を第2段目の燃焼用空気噴出孔20bよりも後流側に配置した場合には、失火してしまい燃焼が不安定になることを確認している。
【0055】
また、第1の燃焼用空気噴出孔20aより下流側の位置にガス誘導盤30を設置する
と、メタンと水素の混合ガス(燃料電池アノードのオフガス相当)燃焼時に、ガス誘導盤30にカーボンが析出しているのが視認できた。なお、カーボン析出に関しては、前記バーナコーン内の各段での燃焼用空気噴出孔の数を、上流側の空気孔を多くして、バーナコーン上流での空気導入量を増加させることにより、上流側での燃焼温度が上昇し、かつ万遍なく空気が導入されることで、カーボンが析出しなくなることが実験により確認されている。
【0056】
<実施例3>
図5に示した第4の態様のバーナ1Dを用い、第1段目の燃焼用空気噴出孔20a,第2段目の燃焼用空気噴出孔20b、第3段目の燃焼用空気噴出孔20c、および第2の空気孔26の数と配置とを変化させた以外は、同じ条件で燃焼実験を行い、着火時のCO濃度を測定した。その結果を表1に示した。
【0057】
【表1】

【0058】
なお、孔の配列は左側から右側に、第1段目の燃焼用空気噴出孔20a,第2段目の燃焼用空気噴出孔20b、第3段目の燃焼用空気噴出孔20c、第2の空気孔26の数を示している。
【0059】
[実施例3の考察]
試験体バーナ1と試験体バーナ2を比較すると、下流側、すなわち第1の燃焼用空気噴出孔20aの数による着火時のCO濃度の差は見られない。しかし、試験体バーナ2と試験体バーナ5を比較すると、空気孔2,3段目である第2段目の燃焼用空気噴出孔20bおよび第3段目の燃焼用空気噴出孔20cよりも、4段目である第2の空気孔26の数を多くすることで、着火燃焼時のCO濃度を低減できることがわかる。この理由は、4段目の空気量を増やすことで、バーナカップの外に燃焼火炎が形成され、その火炎とカップ内の火炎が相互に燃焼することで、火炎が安定化するためと考えられる。そのことから、本発明によるバーナにおいて、各段での燃焼用空気噴出孔の数が第2の空気孔の数よりも少なくされていることは、好ましい態様であることがわかる。
【0060】
また、配置8−4−4−8である試験体バーナ2,3,4を比較すると、螺旋配置<千鳥配置<直線配置の順に着火燃焼時のCO濃度を低減できることがわかる。この理由は螺旋配置にすることで空気と燃料との混合がより促進されるものと考えられる。
【0061】
なお、ここで、千鳥配置とは、第1と第3の燃焼用噴出孔が同じ角度に配置され、第2の燃焼用噴出孔が45°(空気孔が4つ配置の場合)ずらして配置されている状態を、また螺旋状配置とは第1と第2、第3の燃焼用噴出孔が22.5°ずつ配置をずらした状態をいっている。
【符号の説明】
【0062】
1、1A〜1D…本発明によるバーナ、
11…バーナ内管、
12…燃料ガス供給口、
13…バーナ内管の外側に配置されたバーナ外管、
14…空気供給口、
15…バーナコーン、
16…バーナコーンの接続部、
17…バーナコーンの円錐形の周側面、
18…バーナコーンの周側面先端部の垂直面、
20…バーナコーンの周側面に形成した燃焼用空気噴出孔、
25…バーナコーンの周側面先端部の垂直面に形成された第1の空気孔、
30…バーナコーン内に設置されバーナ内管から噴出する燃料ガスをバーナコーンの周側面に向けて誘導する円盤状のガス誘導盤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを少なくとも備えたバーナであって、
前記バーナコーンの前記バーナ内管の先端との接続部には燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を導入することのできる第1の空気孔がさらに形成されていることを特徴とするバーナ。
【請求項2】
内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを少なくとも備えたバーナであって、
前記バーナコーン内にはバーナ内管から噴出する燃料ガスをバーナコーンの前記周側面に向けて誘導することのできるガス誘導盤が備えられていることを特徴とするバーナ。
【請求項3】
内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを少なくとも備えたバーナであって、
前記バーナコーンの前記バーナ外管に衝接する周側面部位には、前記バーナ内管内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気を噴出させる第2の空気孔がさらに形成されていることを特徴とするバーナ。
【請求項4】
内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンであってその内部に燃焼室を形成するバーナコーンとを少なくとも備えたバーナであって、
前記バーナコーン内にはバーナ内管から噴出する燃料ガスをバーナコーンの前記周側面に向けて誘導することのできるガス誘導盤が備えられており、
前記バーナコーンの前記バーナ外管に衝接する周側面部位には、前記バーナ内管内の燃料ガスの流れに平行方向に燃焼用空気を噴出させる第2の空気孔がさらに形成されていることを特徴とするバーナ。
【請求項5】
請求項4に記載のバーナであって、前記バーナコーンの前記バーナ内管の先端との接続部には燃料ガスの流れに直交する方向に燃焼用空気の一部を導入することのできる第1の空気孔がさらに形成されていることを特徴とするバーナ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のバーナであって、前記バーナコーンの前記周側面に形成した複数個の燃焼用空気噴出孔は周側面の拡開方向に間隔をおいて多段に形成されていることを特徴とするバーナ。
【請求項7】
請求項6に記載のバーナであって、前記バーナコーン内の各段での燃焼用空気噴出孔の数は、前記第2の空気孔よりも少ないもしくは同じ数とされていることを特徴とするバーナ。
【請求項8】
請求項6または7に記載のバーナであって、前記バーナコーン内の各段での燃焼用空気噴出孔の数は上流側よりも下流側の空気孔が少なくされていることを特徴とするバーナ。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載のバーナであって、前記バーナが請求項2に記載のガス誘導盤を備える場合に、該ガス誘導盤は、前記バーナコーンにおける最上流側の燃焼用空気噴出孔の段と最下流側の燃焼用空気噴出孔の段との間に配置されていることを特徴とするバーナ。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のバーナであって、前記バーナコーンは円錐形であることを特徴とするバーナ。
【請求項11】
燃料電池用の水素製造装置のための加熱源であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のバーナ。
【請求項12】
メンブレン型の水素製造装置のための加熱源であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のバーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−202632(P2012−202632A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68689(P2011−68689)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】