説明

パケット・データ・サービス・ネットワークからポイント対ポイント・プロトコル(PPP)催促を要求するための方法及び装置

【課題】移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知する方法を提供する。
【解決手段】パケット・データ・サービス・ネットワークからPPP催促を要求するための方法及び装置は別のPDSNの近傍を離れるとき到着したパケット・データ・サービス・ノード(PDSN)に開始メッセージを送信するために構成された移動局を含む。メッセージは移動局の新しい位置の新しいPDSNを報知し、移動局に関連する休止中のPPP催促の数とそのような各PPP催促についてのサービス参照識別子との両方を指示する。メッセージ内のフラグはPPP催促が休止中である(例えば、移動局が呼出し中である)かどうかを指示するために使用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
I. 発明の分野
本発明は一般に通信の分野に関わり、特にパケット・データ・サービス・ネットワークからポイント対ポイント・プロトコル(PPP)催促を要求することに関する。
【背景技術】
【0002】
II.背景
無線通信及びインターネット応用の両者の普及に伴って、この二つを結び付ける製品及びサービスに対する市場が立ち上がってきた。その結果、無線電話または端末のユーザーが電子メール、及び他のネットワーク資源に接続できる無線インターネット・サービスを提供するため種々の方法及びシステムが開発中である。インターネット上の情報は個別のデータの“パケット”に構造化されるため、これらのサービスは多くの場合“パケット・データ・サービス”と呼ばれている。
【0003】
無線パケット・データ・サービスを提供するために使用されるいろいろなタイプの無線通信システムの中には符号分割多元接続(CDMA)システムがある。
【0004】
CDMA変調技術の使用は多数のシステム・ユーザーが存在する場合に通信を容易にするための色々な技術の一つである。CDMA無線ネットワークを介するインターネット・プロトコル(IP)のフレーム化及び伝送はこの技術分野では周知であり、以後IS−707として引用される、“拡散スペクトル・システムのためのデータ・サービス方法(DATA SERVICE OPTIONS FOR SPREAD SPECTRUM SYSTEMS)と題する、TIA/EIA/IS 707Aに記載されている。
【0005】
時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、及び振幅圧伸単側波帯(ACSSB)のようなAM変調法といった、他の多元接続通信システム技術はこの技術分野では周知である。これらの技術は別の会社で製造される装置間の通信を容易にするために標準化されてきた。米国においてCDMA通信システムは、以後IS−95として引用される、“二重モード広帯域拡散スペクトラム・セルラ・システムのための移動局−基地局互換規格(MOBILE STATION-BASE STATION COMPATIBILITY STANDARD FOR DUAL-MODE WIDEBAND SPREAD SPECTRUM CELLULAR SYSTEMS)”と題する米国電気通信工業会TIA/EIA/IS−95−Bで標準化されてきた。
【0006】
最近、国際電気通信連合(ITU)は無線通信チャンネル上における高データ率及び高品質音声サービスを提供するための方法の提案を要請した。この提案の第一は、cdma2000 ITU−R RTT候補提案”と題し、以後cdma2000として引用されるもので、米国電気通信工業会から発行された。この提案の第二は、“ETSI UMTS地上無線接続(UTRA)ITU−R RTT候補提案”と題し、“広帯域CDMA”としても知られ、以後W−CDMAとして引用されるもので、ヨーロッパ電気通信標準化協会により発行された。第三の提案は、“UWC−136候補提案”と題し、以後EDGEとして引用されるもので、U.S.TG8/1により提出された。これらの提案の内容は公開記録であり、この技術分野においては周知である。
【0007】
幾つかの規格はインターネットを使用する移動パケット・データ・サービスを容易にするためインターネット工学作業部会(IETF)により開発された。モバイルIPはその一規格であり、ネットワーク(または複数ネットワーク)を介して物理的に移動しながらIPアドレスを有する装置(デバイス)がインターネットとデータを交換できるように設計された。モバイルIPは“IP移動性支援(IP Mobility Support)”と題され、引用文献として組込まれている、IETF注釈要請(RFC)中に詳細に記述されている。
【0008】
幾つかの他のIETF規格は上に名を挙げた引用文献に引用された技術を発布した。ポイント対ポイント・プロトコル(PPP)はこの技術分野において周知であり、“ポイント対ポイント・プロトコル(PPP)”と題し、1994年7月に発行され、以後PPPとして引用される、IETF RFC 1661に記載されている。PPPはPPP回線上で異なるネットワーク層プロトコルを確立及び設定するために使用される回線制御プロトコル(LCP)及びネットワーク制御プロトコル(NCP)を含む。その一つのNCPはインターネット・プロトコル制御プロトコル(IPCP)で、この技術分野では周知であり、1992年5月に発行され、以後IPCPとして引用される、“PPPインターネット・プロトコル制御プロトコル(IPCP)”と題する、IETF RFC 1332に記述されている。LCPに対する拡張はこの技術分野では周知であり、1994年1月に発行され、以後LCPとして引用される、“PPP LCP拡張”と題する、IETF RFC 1570に記述されている。
【0009】
例えば、インターネット接続をもつセルラまたはPCS電話といった、移動局はパケット・データ・サービス・ノード(PDSN)とPPP接続(またはPPP催促、またはPPPセッション)を確立することによりネットワーク上でパケット・データを一般に伝送する。移動局は、例えばCDMAインタフェースといったRFインタフェースを通して基地局またはパケット制御機能(function)にパケットを送信する。基地局またはパケット制御機能はPDSNとPPP催促を確立する。一以上のその催促は(例えば、電話及びラップトップがそれぞれ接続を要求すれば)同時に確立されてもよい。データ・パケットは特定のPPP催促にしたがってIPネットワークを経由してPDSNからホーム・エージェント(HA)に発送される。基地局に送信されるパケットはHAからIPネットワークを経由してPDSNへ、PPP催促を経由してPDSNから基地局またはパケット制御機能へ、そしてRFインタフェースを経由して基地局またはパケット制御機能から移動局へ発送される。
【0010】
移動局があるPDSNの近傍から離れ、別のPDSNの近傍に入ると、移動局は開始メッセージを送信する。移動局がデータ呼出し中であれば、開始メッセージは関連するPPP催促の再接続または確立を要求する。さもなければ、開始メッセージは移動局の新しい位置の新しいPDSNを報知する。それでもなお、移動局が新しいPDSNと確立されたPPP催促を持たないために移動局に送信されるデータ・パケットはどれも古いPDSNに発送されるかもしれない。したがって、移動局に行くことになっているパケットは喪失されるかもしれない。斯くして、新しく到着する移動局のために確立されるべきPPP催促の数及び同一性をPDSNに報知する方法が必要である。
【発明の概要】
【0011】
本発明は新しく到着する移動局のために確立されるべきPPP催促の数及び同一性をPDSNに報知する方法に関する。したがって、本発明の一局面において、移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知する方法が提供される。この方法は移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から送信する方法を含めるとよい。
【0012】
本発明の別の局面において、移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知するために構成された移動局が提供される。この移動局は、アンテナ;アンテナに接続されたプロセッサ;及びプロセッサにより利用可能で、移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から変調及び送信するためプロセッサにより実行可能な命令セットを含むプロセッサ可読媒体を含めるとよい。
【0013】
本発明の別の局面において、移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知するために構成された移動局が提供される。この移動局は移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から送信するために構成された装置(デバイス)を含めるとよい。
【0014】
本発明の別の局面において、移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知するために構成された移動局が提供される。この移動局は移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から送信する手段を含めるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】パケット・データ・ネットワーキングを実行するために構成された無線通信システムのブロック図である。
【図2】パケット・データ・サービス・ノード(PDSN)のブロック図である。
【図3A】移動局(MS)が新しいPPP催促を確立しないで第二のPDSNの近傍に移動した場合における、無線接続ネットワーク(RAN)に接続された二つのPDSNのブロック図である。
【図3B】MSが第二のPDSNの近傍に移動し、新しいPPP催促を確立した場合における、RANに接続された二つのPDSNのブロック図である。
【図4】確立されるために要求されるPPP催促のPDSNを報知するため移動局により実行される方法処理を説明するフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい実施例の詳細な説明
一実施例において、パケット・データ・ネットワーキングを実行するための無線通信システム100は第1図に図示された要素を含む。移動局[n1](MS)102は一またはそれ以上の無線パケット・データ・プロトコルを都合良く実行することが可能である。一実施例において、MS102はIP準拠Webブラウザ・アプリケーションを実行する無線電話である。一実施例において、MS102はラップトップといった、いずれの外部装置にも接続されていない。別の実施例において、MS102は外部装置に接続された無線電話で、そこではIS−707に記載されたネットワーク層Rmインタフェース・プロトコル・オプションに等価なプロトコル・オプションが使用される。代わって別の実施例において、MS102は外部装置に接続された無線電話で、そこでは前述のIS−707に記載されたリレー層Rmインタフェース・プロトコル・オプションに等価なプロトコル・オプションが使用される。
【0017】
特定の実施例に置いて、MS102は無線接続ネットワーク(RAN)との無線通信によってインターネット・プロトコル(IP)ネットワーク104と通信する。MS102はIPネットワーク104のためにIPパケットを生成し、パケット・データ・サービング・ノード(PDSN)108に向けられるフレーム中にIP−パケットをカプセル化する。一実施例において、IPパケットはポイント対ポイント・プロトコル(PPP)を用いてカプセル化され、そしてそのPPPバイト・ストリームは無線回線プロトコル(RLP)を用いて符号分割多元接続(CDMA)ネットワークを介して伝送される。
【0018】
MS102はフレームを変調及び伝送することによりアンテナ110を介してRAN106にフレームを送信する。フレームはアンテナ112を介してRAN106により受信される。RAN106は受信フレームをPDSN108に送信し、そこでIPパケットが受信フレームから取出される。PDSN108がデータ・ストリームからIPパケットを取出した後、PDSN108はIPパケットをIPネットワーク104に発送する。逆に、PDSN108はRAN106を介してMS102にカプセル化されたフレームを送信することができる。
【0019】
一実施例において、PDSN108はMS102を認証するためのユーザー・サービスの遠隔認証ダイアル(RADIUS)サーバー114に接続される。PDSN108はまたモバイルIPプロトコルを支援するためのホーム・エージェント(HA)116に接続される。HA116はMS102を認証することができ、モバイルIPが使用されるときMS102にIPアドレスの使用を認可する構成要素を含むとよい。RADIUSサーバー114はDIAMETERサーバーまたは別の認証、委任、及び課金(AAA)サーバーと取換えできることを当業者は理解するであろう。
【0020】
一実施例において、MS102はIPパケットを生成し、そしてPDSN108はIPネットワーク104に接続される。当業者は代わりの実施例がIP以外のフォーマット及びプロトコルを使用できることを理解するであろう。その上、PDSN108はIP以外のプロトコルを使用できるネットワークに接続することができる。
【0021】
一実施例において、RAN106及びMS102は無線拡散スペクトラム技術を使用してお互いに通信する。特定の実施例において、本発明の譲請人に譲渡され、ここに引用文献として完全に組込まれた、米国特許第5,103,459及び4,901,307号に記載されているように、データはCDMA多元接続技術を使用して無線で伝送される。当業者はこの中に記述された方法及び技術がTDMA、cdma2000、W−CDMA,及びEDGEを含め、いくつかの代わりの変調技術と共に使用できることを理解するであろう。
【0022】
一実施例において、MS102はRLP、PPP、課題ハンドシェーク認証プロトコル(CHAP)、及びモバイルIPを実行する能力を有する。特定の実施例において、RAN106はRLPを使用してMS102と通信する。一実施例において、PDSN108は回線制御プロトコル(LCP)、CHAP、及びPPPインターネット・プロトコル制御プロトコルを含めて、PPP機能を支援する。一実施例において、PDSN108、RADIUSサーバー114,及びHA116は異なる物理装置内に物理的に設置される。代わりの実施例において、これらの一またはそれ以上の構成要素は同じ物的装置内に設置することができる。
【0023】
一実施例において、第2図に示されたように、PDSN200は制御プロセッサ202、ネットワーク・パケット・スイッチ204、IPネットワーク・インタフェース206、及びRANインタフェース208を含む。IPネットワーク・インタフェース206はネットワーク・パケット・スイッチ204に接続される。ネットワーク・パケット・スイッチ204は制御プロセッサ202及びRANインタフェース208に接続される。RANインタフェース208はRAN(図示してない)からデータ・パケットを受信する。RANインタフェース208は物理インタフェース上でパケットを受信する。一実施例において、物理インタフェースは45Mbpsの伝送率を有する標準ディジタル遠距離通信インタフェース、T3である。物理T3インタフェースはT1インタフェース、イーサネット(登録商標)・インタフェース、またはデータ・ネットワーキングに使用される別の物理インタフェースと取換えることができる。
【0024】
RANインタフェース208は受信されたパケットをネットワーク・パケット・スイッチ204に供給する。典型的な実施例において、ネットワーク・パケット・スイッチ204とRANインタフェース208との間の接続はメモリ・バス接続からなる。RANインタフェース208とネットワーク・パケット・スイッチ204との間の接続はイーサネットまたはこの技術分野では周知の別の種類の通信回線とすることができる。RANインタフェース208はまた同じ接続上でネットワーク・パケット・スイッチ204からパケットを受信し、パケットをRANに送信できるとよい。
【0025】
ネットワーク・パケット・スイッチ204は種々のインタフェース間でパケットを発送できる構成可能なスイッチであるとよい。一実施例において、ネットワーク・パケット・スイッチ204はRANインタフェース208及びIPネットワーク・インタフェース206から受信された全てのパケットが制御プロセッサ202に発送されるように構成される。代わりの実施例において、ネットワーク・パケット・スイッチ204はRANインタフェース208からの受信フレームの部分集合がIPネットワーク・インタフェース206に供給され、RANインタフェース208からの受信フレームの残りの部分集合が制御プロセッサ202に供給されるように構成される。一実施例において、ネットワーク・パケット・スイッチ204は共有メモリ・バス接続を経由して制御プロセッサ202にパケットを供給する。RANインタフェース208とネットワーク・パケット・スイッチ204との間の接続はイーサネットまたは別の種々の型の周知の通信回線にすることができる。ネットワーク・パケット・スイッチ204はRANインタフェース208及びIPネットワーク・インタフェース206に接続できると同時に、当業者はネットワーク・パケット・スイッチ204が少数または多数のインタフェースに接続できることを理解するであろう。ネットワーク・パケット・スイッチ204が単一ネットワーク・インタフェースに接続される実施例において、そのネットワークはIPネットワーク(図示してない)及びRANの両方に接続される。代わりの実施例において、制御プロセッサ202が直接にネットワーク・インタフェースと通信するように、ネットワーク・パケット・スイッチ204は制御プロセッサ202に組込まれる。
【0026】
MS(図示してない)との接続が求められると、制御プロセッサ202はRANインタフェース208と情報パケットを交換する。MSとの接続が求められていることを指示する情報パケットを受信した後、制御プロセッサ202はMSとPPPセッションを協議する。PPPセッションを協議するため、制御プロセッサ202はPPPフレームを生成し、RANインタフェース208にPPPフレームを送信し、それからRANインタフェース208から受信されたMSからの回答を解釈する。制御プロセッサ202により生成されたフレーム型はLCPフレーム、IPCPフレーム、及びCHAPフレームを含む。「無線遠距離通信システムにおける認証のための方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR AUTHENTICATION IN A WIRELESS TELECOMMUNICATIONS SYSTEM)」と題し、本発明の譲請人に譲渡され、ここに引用文献として完全に組込まれた、出願番号が未だ割当てられてない1999年12月3日出願の米国特許出願に記載された方法にしたがってMSを認証することができる。
【0027】
制御プロセッサ202はAAAサーバー(図示してない)及びモバイルIP Has(図示してない)と交換のためのパケットを生成する。その上、確立された各PPPセッションについて、制御プロセッサ202はIPパケットをカプセル化及び逆カプセル化する。制御プロセッサ202はフィールド−プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)、プログラマブル論理デバイス(PLDs)、一またはそれ以上のマイクロプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、または上述のPDSN機能を実行できる別のデバイスを使用して実装できることを当業者は理解するであろう。
【0028】
一実施例において、パケットはネットワーク・パケット・スイッチ204に供給され、代わって、それ(ネットワーク・パケット・スイッチ)はIPネットワークに供給のためにパケットをIPネットワーク・インタフェース206に供給する。IPネットワーク・インタフェース206は物理インタフェース上でパケットを伝送する。一実施例において、物理インタフェースは45Mbpsの伝送率を有する標準遠距離通信インタフェース、T3である。物理T3インタフェースはT1インタフェース、イーサネット・インタフェース、またはデータ・ネットワーキングに使用される別の物理インタフェースと取換えることができる。IPネットワーク・インタフェース206はまた同じ物理インタフェース上でパケットを受信できるとよい。
【0029】
第3A図に示されたように、MS300はPDSN304とPPP催促を確立することによりIPネットワーク(図示してない)上でパケット・データを伝送する。MS300は、例えばCDMAインタフェースといったRFインタフェースを通して、パケットをパケット制御機能または基地局(PCF/BS)306に送信する。PCF/BS306はPDSN304とのPPP催促302を確立する。別のPPP催促308が(例えば、電話及びラップトップそれぞれが接続を要求すれば)同時に確立されてもよい。データ・パケットは特定のPPP催促302、308にしたがってIPネットワーク(図示してない)を経由してPDSN304からHA(図示してない)に発送される。MS300に送信されるパケットはHAからIPネットワークを経由してPDSN304に、PPP催促302、308を経由してPDSN304からPCF/BS306に、そしてRFインタフェースを経由してPCF/BS306からMS300に発送される。PCF/BS306はPCF/BS表310を含む。PCF/BS表310はMS識別子(MS_IDs)、サービス参照識別子(SR_IDs)、及びRAN対PDSNインタフェース(R−P)識別子(R−P_IDs)の一覧表を含む。PDSN304はPDSN表312を含む。PDSN表312はIPアドレス、MS_IDs、SR_IDs、及びR−P_IDsの一覧表を含む。PDSN304は一以上のPCF/BS306により取扱われるが、簡単のためただ一個のPCF/BS306がPDSN304に接続されているのが示されている。
【0030】
MS300が休止中の(即ち、電話呼出ししていない)間、MS300はPPPフレームとして短いデータ・バーストを送信する。このような各PPPフレームはどのPPP催促302、308がPPPフレームの行き先であるかを識別するSR_IDを含む。当業者には理解されるように、PPPフレームは他のプロトコルをカプセル化する。典型的な実施例において、PPPは伝送制御プロトコル(TCP)フレームをカプセル化し、カプセル化TCPフレームのプロトコルを識別する。TCPフレームはIPフレームをカプセル化し、IPフレームのプロトコルを識別する。IPフレームはRLPフレームのようなフレームをカプセル化し、また起点ヘッダ及び行き先ヘッダを含む。RLPフレームは、例えば、IS−95Bにしたがって構成されたデータ・フレームをカプセル化してもよい。
【0031】
MS300がPDSN304の近傍を離れ、別のPDSN304の近傍に入るとき、MS300は開始メッセージを送信する。MS300がデータ呼出し中であれば、呼出しは第一のPCF/BS306から第二のPDSN314に接続された第二のPCF/BS316に“ハンドオフ”される。典型的なハンドオフ手順は本発明の譲請人に譲渡され、ここに引例文献により完全に組込まれた、米国特許第5,267,261号に記述されている。MS300はそれからその新しい位置の第二のPDSN314を報知し、その呼出しに関するPPP催促の確立または再接続を要求する開始メッセージを送信する。さもなければ、PPP催促302、308は“休止状態”にあり、そしてMS300は休止状態ハンドオフを実行し、それからMS300の新しい位置の第二のPDSN314を報知する開始メッセージを送信する。第二のPDSN314はまた一以上のPCF/BS316により取扱われるが、簡単のためにただ一個のPDSN314に接続されているのが示されていることは当業者には理解されるであろう。ネットワークはMS300の新しい位置を報知されたけれども、(MS300は休止状態PPPサービス催促302、308に関する二つの休止状態SR_IDsを有するため)MS300は二つの新しいPPP催促が開始されることを要求する。二つの必要なPPPサービス催促が確立されなかったため、新しいPCF/BS316及びPDSN314はSR_IDs及びR−P_IDsを記載する表を持たない。したがって、MS300は新しいPDSN314と確立されたPPP催促を持たないため、MS300に送信されるデータ・パケットは第一のPDSN304に発送されるであろう。この故に、MS300向けのパケットは喪失するであろう。
【0032】
第3B図に示されたように、一実施例において、MS318は第一のPDSN320及び関連するPCF/BS322の近傍から第二のPDSN324及び関連するPCF/BS326の近傍へ移動し、確立されるべきPPP催促の数及び同一性を第二のPDSN324に報知する。第一のPDSN320は、休止状態(例えば、トラフィック・チャンネル・データを伝送するために使用されない)にあった、PDSN320とPCF/BS322との間に二つのPPP催促326、328を確立してきた。確立された種々の接続及びアドレスはPDSN320及びPCF/BS322についてそれぞれの表332、334に含まれる。二つの新しく要求されたPPP催促336、338の数(2)、及び識別子はMS318により伝送される開始メッセージ中に含めるとよい。簡単のためにそれぞれの各PDSN320、324を取扱うことが示されているが、各PDSN320、324を取扱う多数のPCF/BSsが有り得ることは理解されるであろう。開始メッセージは、休止中のパケット・サービスの一致及び全体数をPDSN324に確認するためゼロに設定でき、それによりPDSN324がPDSN324とPCF/BS326との間にPPP催促336、338及び必要なR−P回線を確立できる、データ−用意−送信(DRS)フラグを含むとよい。データ呼出しが進行中であれば、MS318はDRSフラグを1に設定し、呼出しに関連するPPP催促328、330の再接続または確立を要求する。呼出しが進行中でなければ、MS318はDRSフラグをゼロに設定し、MS318に関連する全ての休止状態PPPサービス催促328、330(SR_IDs1及び2)を報告する。PCF/BS326はそれからSR_IDs及びMS_IDを含むPDSN324にメッセージを送信する。PDSN324は二つのPPP催促336、338及び二つ(MS318により報告されたSR_IDsの数)のR−P接続を確立する。PDSN324及びPCF/BS326はそれからそれらのそれぞれの表340、342を更新する。斯くして、休止状態のSR_IDsは開始のためにどれだけ多くのPPP催促336、338が必要かをPDSN324に通知し、またR−P/SR_ID表342を更新するために十分な情報をPCF/BS326に与える。
【0033】
一実施例において、MS(示してない)はPDSN(示してない)の近傍を離れ、隣のPDSN(示してない)の近傍に入るとき第4図に図示された方法ステップを実行する。ステップ400において、MSは新しいPDSNに到着しつつあるかどうか判定する。MSが新しいPDSNに到着しつつなければ、MSはステップ400に戻る。それに対して、MSが新しいPDSNに到着しつつあれば、MSはステップ402に進む。ステップ402において、MSはデータ呼出しが行われているかどうかを判定する。MSがデータ呼出し中であれば、MSはステップ404に進む。それに対して、MSがデータ呼出し中でなければ、MSはステップ408に進む。
【0034】
ステップ404において、MSはハンドオフ中である。MSはそれからステップ406に進む。ステップ406において、MSは新しいPDSNにその位置のPDSNを通知する開始メッセージを送信する。開始メセージ中のDRSフラグは1に設定され、MSはデータ呼出しに関連するPPP催促の再接続または確立を要求しつつある。ステップ408において、MSは休止状態のハンドオフ中にある。MSはそれからステップ410に進む。ステップ410において、新しいPDSNにその位置のPDSNを通知する開始メッセージを送信する。開始メセージ中のDRSフラグはゼロに設定され、MSは確立すべきPPP催促の数(MSに関連する休止状態のPPP催促の数)及びそのような各PPP催促に関連するSR_IDを含む。
【0035】
斯く、パケット・データ・サービス・ネットワークからPPP催促を要求する新規で改良された方法及び装置が述べられてきた。当業者はこの中に開示された実施例に関連して記述された種々の図示論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム順が電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、または両方の組合せとして実施できることを理解するであろう。種々の図示部品、ブロック、モジュール、回路、及び方法はその機能性の面から記述されてきた。この機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして実施されるかどうかは特定の応用及び全体システムに課せられた制約に依存する。熟練工はこれらの状況下におけるハードウェア及びソフトウェアの互換性、及び各特定の応用について記述された機能性をいかに最良に実施するかを理解する。例として、この中に開示された実施例に関連して記述された種々の論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム順はディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、例えば、レジスタ及びFIFOといった個別ハードウェア部品、ファームウェア命令セットを実行するプロセッサ、ある通常のプログラマブル・ソフトウェア・モジュール及びプロセッサ、またはその組合せで実施または実行できる。プロセッサはマイクロプロセッサであるとよいが、代わりに、プロセッサはある通常のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであってもよい。ソフトウェア・モジュールはRAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、レジスタ、及びディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、またはこの技術分野で知られている別の型の記憶媒体の中に駐在させることができる。当業者はさらに上の記述を通して参照できるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光学場または粒子、またはそれらのある組合せで表現するとよいことを理解するであろう。
【0036】
本発明の好ましい実施例は斯く示され、記述されてきた。しかしながら、多くの変更が本発明の精神または範囲を逸脱することなくここに開示された実施例に対してなし得ることはこの技術分野における通常の熟練者には明白であろう。したがって、本発明は下記の請求に従う以外は限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0037】
100…無線通信システム 102…移動局 104…インターネット・プロトコル・ネットワーク 106…無線接続ネットワーク 108…パケット・データ・サービス・ノード 114…ユーザー・サービスの遠隔認証ダイアル(RADIUS)サーバー 116…ホーム・エージェント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・
サービス・ネットワークを報知する方法であって:
移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から送信するステップを含む方法。
【請求項2】
休止中のネットワーク接続はポイント対ポイント・プロトコル接続を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
第一及び第二の施設要素はパケット・データ・サービス・ノードを含む、請求項1の方法。
【請求項4】
識別子はサービス参照識別子を含む、請求項1の方法。
【請求項5】
メッセージは休止中のネットワーク接続が休止していることの指示器を含む開始メッセージを含む、請求項1の方法。
【請求項6】
移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知するために構成された移動局であって:
アンテナ;
アンテナに接続されたプロセッサ;及び
プロセッサによりアクセス可能で、移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを変調及び伝送するためプロセッサにより実行可能な命令セットを含むプロセッサ可読媒体を含む移動局。
【請求項7】
休止中のネットワーク接続はポイント対ポイント・プロトコル接続を含む、請求項6の移動局。
【請求項8】
第一及び第二の施設要素はパケット・データ・サービス・ノードを含む、請求項6の移動局。
【請求項9】
識別子はサービス参照識別子を含む、請求項6の移動局。
【請求項10】
メッセージは休止中のネットワーク接続が休止していることの指示器を含む開始メッセージを含む、請求項6の移動局。
【請求項11】
移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知するために構成された移動局であって:
移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から伝送するため構成された装置を含む移動局。
【請求項12】
休止中のネットワーク接続はポイント対ポイント・プロトコル接続を含む、請求項11の移動局。
【請求項13】
第一及び第二の施設要素はパケット・データ・サービス・ノードを含む、請求項11の移動局。
【請求項14】
識別子はサービス参照識別子を含む、請求項11の移動局。
【請求項15】
メッセージは休止中のネットワーク接続が休止していることの指示器を含む開始メッセージを含む、請求項11の移動局。
【請求項16】
移動局がパケット・データ・サービス・ネットワークの第一の施設要素からパケット・データ・サービス・ネットワークの第二の施設要素に移動するとき移動局に関連する休止中のネットワーク接続のパケット・データ・サービス・ネットワークを報知するために構成された移動局であって:
移動局に関連する休止中のネットワーク接続の数及び休止中のネットワーク接続に関連する識別子の一覧表を含むメッセージを移動局から伝送するための手段を含む移動局。
【請求項17】
休止中のネットワーク接続はポイント対ポイント・プロトコル接続を含む、請求項16の移動局。
【請求項18】
第一及び第二の施設要素はパケット・データ・サービス・ノードを含む、請求項16の移動局。
【請求項19】
識別子はサービス参照識別子を含む、請求項16の移動局。
【請求項20】
メッセージは休止中のネットワーク接続が休止していることの指示器を含む開始メッセージを含む、請求項16の移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−234380(P2011−234380A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−123591(P2011−123591)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【分割の表示】特願2001−551035(P2001−551035)の分割
【原出願日】平成13年1月3日(2001.1.3)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】