説明

パケット送信間隔調整機能を有するIP−PBX

【課題】 IPネットワークを用いた通信システムにおいて、帯域やトラフィック量に応じたパケット通信量を決定する際に、伝送性能テストを行うことなく、ネットワーク上のすべてのIP内線端末に対して、即時に端末の接続環境に応じたパケット送信間隔を決定し、パケット送信間隔を調整する機能を提供する。
【解決手段】 パケット送信間隔決定手段は、固有ID識別手段で抽出したIP内線端末またはルータが有する固有ID(MACアドレス値)、または端末種別識別手段で抽出した該IP内線端末の端末種別情報に対応するパケットの送信間隔を決定し、制御パケット送信手段は前記パケット送信間隔決定手段が決定した送信間隔で制御パケットを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP内線端末を制御するIPパケットの送信間隔を調整する機能を備えたIP−PBXに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のIPネットワークを用いた通信システムでは、狭帯域もしくはトラフィック量の多い伝送路上のパケット通信量を低減するために、例えば、特許文献1に示す手段のように、パケット送信の成功率を計測し、その計測結果(成功率)に応じてパケットの送信間隔を調整することが知られていた。
【0003】
また、特許文献2に示す手段のように、無線LANアクセスポイントにおいて一部のキープアライブメッセージを無線端末に送らず、無線LANアクセスポイントが無線端末に代わって応答パケットを返送することにより、実際に端末に到達するIPパケットの送信間隔を調整することが知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−82436号公報
【特許文献2】特開2009−88934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示された方法では、パケット送信の成功率を計測するために専用のIPパケットを多量に送受信する必要があった。そのためトラフィックの増加や、計測結果を得るまでの時間を要するといった不都合がある。
【0006】
また特許文献2に示された方法では、無線LANアクセスポイントの配下に属する端末のみに対して有効であり、その他のネットワーク上の端末に対しては効果が得られないといった不都合がある。
【0007】
そこで本発明の課題は、パケット送信間隔を決定するまでの判定時間を短縮し、かつネットワーク全体に対して適用できるパケット送信間隔の調整機能を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、1ないし複数のIP内線端末またはルータを収容するIP−PBXであって、前記IP内線端末またはルータを識別する固有ID情報もしくは端末種別情報を識別情報として前記IP内線端末またはルータから受信する識別情報受信手段と、前記IP内線端末へ所定の制御パケットを送信する制御パケット送信手段と、を有し、前記制御パケット送信手段は、前記識別情報受信手段が受信した識別情報に応じて前記制御パケットを送信する間隔を予め定められた方法で決定し、前記決定した送信間隔のタイミングで前記制御パケットを当該IP内線端末へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、IP−PBXが制御パケットの送信開始時に行うMACアドレス解決シーケンスによって得られた相手端末またはルータの固有ID情報(MACアドレス値)、または相手端末の起動時に通知される端末種別情報から、IP−PBXと相手端末との接続経路を認識することにより、従来のようにIPパケット送信の成功率を判定するために専用のIPパケットを送受信せずに、認識した接続経路に対応するパケット送信間隔を即時に決定することが可能となる。
【0010】
また主装置に接続経路の識別機能とパケット送信間隔の変更機能を具備させたことにより、主装置に収容されるすべてのネットワーク上の内線端末に対してパケット送信間隔の調整を行い、単位時間辺りのパケット送信量を調整してネットワーク全体のトラフィックを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるIP−PBXを含む全体構成図およびブロック構成図である。
【図2】MACアドレスを認識してパケット送信間隔を制御するIP−PBXの動作フローチャートである。
【図3】MACアドレスをもとにパケット送信間隔を決定するパケット送信間隔決定部に記憶された判断条件の一例を示す図である。
【図4】は、各IP内線端末とIP−PBX間のパケット送信シーケンスの一例を示す図である。
【図5】は、端末種別情報を認識してパケット送信間隔を制御するIP−PBXの動作フローチャートである。
【図6】は、端末種別情報をもとにパケット送信間隔を決定するパケット送信間隔決定部に記憶された判断条件の一例を示す図である。
【図7】は、IP内線端末が端末種別情報を含む端末登録パケットをIP−PBXに通知するシーケンスの一例を示す図である。
【図8】は、IP内線端末がIP−PBXに通知する端末種別情報を含む端末登録パケットの情報内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明によるIP−PBXを含む全体構成図およびブロック構成図である。
本発明によるIP−PBXは、電話交換機能を有する主装置3である(以後、本発明によるIP−PBXを主装置3と呼称する)。主装置3には外線インタフェース部301から通信回線2を介して電話網1が接続され、内線インタフェース部302にはLAN配線4を介して無線LANアクセスポイント5、ルータ6、主装置インタフェース部701を含むIP内線端末7が接続されている。
【0013】
さらに前記無線LANアクセスポイント5からアンテナ809を介して、無線LANインタフェース部801を有するIP内線端末8が接続されており、前記ルータ6のWANインタフェース605から携帯電話網10、アンテナ909を介して、無線インタフェース部901を有しIP内線端末機能を実現するスマートホンであるIP内線端末9が接続されている。
【0014】
主装置3の交換制御部310は、外線インタフェース部301を介して電話網1の回線状態(着信の有無等)を検知する。
【0015】
制御パケット送信部311は、端末情報問い合わせ部312から通知されたMACアドレスを使用して、IP内線端末7、8、9に該回線状態の表示や電話機の動作を指示する制御パケットを所定の周期で送信する。
【0016】
端末情報問合せ部312は制御パケットの送信に先立ち、制御パケットの送信先IPアドレスに対応するネットワーク上の固有ID情報(以後、MACアドレス値と呼称する)を問い合わせて取得し、制御パケット送信部311に通知する。尚、取得したMACアドレス値は、制御パケット送信部311と音声パケット送信部321に記憶された後、所定の期間経過で破棄され、再度パケット送信が必要となった際に問い合わせを行う。
【0017】
制御パケット受信部314はIP内線端末7、8、9から送信される制御パケット(ACK)を受信する。
【0018】
パケット送信間隔決定部313は、前記端末情報問合せ部312で受信したIP内線端末7、8とルータ6のMACアドレス値、またはIP内線端末7、8、9から通知された端末種別情報から、後述する図3もしくは図6の判断条件に基づいて制御パケットの送信周期(送信間隔)を決定する。
【0019】
またIP内線端末7、8、9と外線とが通話状態にあるとき、交換制御部310は、パケット送信間隔決定部313で決定された音声パケットの符号形式と送信間隔を音声符号変換部320に指示して、外線インタフェース部301と音声符号変換部320と音声パケット送信部321と音声パケット受信部322と内線インタフェース部302を介して、通話音声信号をIP内線端末7、8、9と外線との間で転送する。
【0020】
IP内線端末7、8、9には、主装置3と接続するための主装置インタフェース部701、無線LANインタフェース部801とアンテナ809、無線インタフェース部901とアンテナ909を備える。また、主装置3と制御パケットまたは音声パケットを送受信するパケット送信部705、805、905と、パケット受信部702、802、902と、内線端末機能を制御する端末制御部703、803、903と、操作部707、807、907と、受信した通話音声信号を出力する音声再生部706、806、906と、送話音声を入力して通話音声信号として送信する音声入力部708、808、908と、主装置3の端末情報問合せ部312の問合せに対して自端末のMACアドレス値または端末種別情報を通知する端末情報送信部704、804、904を備える。
【0021】
LAN配線4に接続されたIP内線端末7は、端末情報送信部704よりMACアドレス値(図4に示すXX−XX−XX−XX−で始まる値)を送信する。無線LANアクセスポイント5を介して接続されたIP内線端末8は、端末情報送信部804よりMACアドレス値(図4に示すYY−YY−YY−YY−で始まる値)を送信する。また、ルータ6を介して接続されたIP内線端末9は、ルータ6の端末情報置換中継部603が、WANインタフェース部605でIP内線端末9から受信したパケットに含まれるMACアドレス値を、端末情報記憶部604に記憶したルータ6のMACアドレス値に置換してLANインタフェース部601から出力し、ルータ6のMACアドレス値(図4に示すZZ−ZZ−ZZ−ZZ−ZZ−ZZ)を送信する。主装置3の端末情報問合せ部312は各々のMACアドレスを受信し、IP内線端末7、8、9の接続先区分の識別を行う。
【0022】
図2は、本発明によるMACアドレス値を認識してパケット送信間隔を制御するIP−PBXの主装置の動作フローチャートである。
【0023】
主装置3に電源が投入された後(S3000)、制御パケット送信部311から目的のIP内線端末7、8、9に対して制御パケットを送信する場合に(S3001,Y)、該IP内線端末のMACアドレス値が取得できていなければ(S3002,N)、端末情報問合せ部312からネットワーク(LAN配線4)上にARP問合せコマンドを送信する(S3003)。
【0024】
次に、端末情報問合せ部312が、該IP内線端末からのARP応答レスポンスを受信すると(S3004,Y)、ARP応答レスポンスのパケットから目的のIP内線端末7、8またはルータ6のMACアドレス値を抽出して制御パケット送信部311に一時記憶する(S3005)。
【0025】
次に、パケット送信間隔決定部313は、図4に示す判断条件に従い、端末情報問合せ部312で抽出したMACアドレス値に対応する接続先区分を識別し、制御パケット、音声パケットの送信間隔を決定し、交換制御部310を介して制御パケット送信部311、音声パケット送信部321にパケットの送信間隔を設定(送信タイマを起動)する(S3006)。
【0026】
次に、制御パケット送信部311、音声パケット送信部321は、送信要求に従って制御パケットまたは音声パケットをIP内線端末7、8、9宛に送信し(S3008)、ステップ3007で設定した次のパケット送信時期を待つ(S3009)。
【0027】
またパケット送信間隔を制御するタイマが満了し、次のパケット送信時期に至った場合(S3009,Y)、ステップ3002以降の処理を繰り返す。
【0028】
図3は、MACアドレス値をもとにパケット送信間隔を決定する、パケット送信間隔決定部313に記憶された判断条件の一例を示す図である。
【0029】
主装置3の端末情報問合せ部312で抽出したMACアドレス値(V3121)に対応する、接続先区分(V3131)と、制御パケットの送信間隔(V3132)と、音声パケットのペイロードを構成する符号形式(V3133)と、音声パケットの送出間隔(V3134)があらかじめ記録されている。
【0030】
図3によれば、“XX−XX−XX−XX−”で始まるMACアドレス値を抽出した場合は、LAN配線4に有線で接続されたIP内線端末7であると認識し、制御パケットの送信間隔を0.2秒に、音声パケットの符号形式をG.711、音声パケットの送信間隔を10ミリ秒(V3135)が選択される。また“YY−YY−YY−YY−”で始まるMACアドレス値を抽出した場合は、LAN配線4に無線LANで接続されたIP内線端末8であると認識し、制御パケットの送信間隔を4秒に、音声パケットの符号形式をG.711、送信間隔を20ミリ秒(V3136)が選択される。また“ZZ−ZZ−ZZ−ZZ−ZZ−ZZ”のMACアドレス値を抽出した場合は、携帯電話網経由でルータ6を介してLAN配線4に接続されるスマートホン等のIP内線端末9であると認識し、制御パケットの送信間隔を30秒に、音声パケットの符号形式をG.726、送信間隔を20ミリ秒(V3137)が選択される。
【0031】
このとき音声パケットのペイロードは、G.711よりもG.726の符号形式の方が少なく、また送信間隔が長い方が少なくなり、このペイロード形式を切り替えることにより、さらにパケットの送信量を抑える事ができる。
【0032】
図4は、IP内線端末7、8、9と主装置3間のパケット送信シーケンスの一例を示す図である。
【0033】
IP内線端末7、8、9に対する最初のパケット送信要求(R311c0、R311b0、R311a0)が発生した際、端末情報問合せ部312からIP内線端末7、8、9に対して、指定したIPアドレス値からMACアドレス値を得るためのARP要求コマンド(M3001、M3005、M3009)を送信する。
【0034】
このARP要求コマンドを受信したIP内線端末7、8、9は、指定されたIPアドレス値が自己のIPアドレス値と一致した場合に、自端末のMACアドレス値を記載したARP応答レスポンス(M3002、M3006、M3010)を返送する。
【0035】
端末情報問合せ部312は、ARP応答レスポンスから抽出したMACアドレス値を制御パケット送信部311に記憶すると共に、パケット送信間隔決定部313によって、該MACアドレス値に対応するパケット送信間隔を決定し、交換制御部310を介して制御パケット送信部311に指示する。
制御パケット送信部311は、先のパケット送信要求に基づき制御パケット(M3003、M3007、M3011)を送信し、この制御パケットを受信したIP内線端末7、8、9は、ACKパケット(M3004、M3008、M3012)を返送する。
【0036】
引き続き制御パケット送信部311は、IP内線端末毎に設定された制御パケット送信間隔に従ってパケット送信要求を発生させ、制御パケット(M3013、M3015、M3017、M3019、M3021)をIP内線端末7、8、9に送信し、この制御パケットを受信したIP内線端末7、8、9は、ACKパケット(M3014、M3016、M3018、M3020、M3022)を返送する。
図4では、IP内線端末9に対するパケット送信要求の発生間隔(R311c0とR311c1の間隔)を30秒とし、IP内線端末8に対するパケット送信要求の発生間隔(R311b0、とR311b1の間隔)を4秒とし、IP内線端末7に対するパケット送信要求の発生間隔(R311a0、R311a1、R311a2、R311a3の間隔)を0.2秒としている。
【0037】
図5は、本発明による端末種別情報を認識してパケット送信間隔を制御するIP−PBXの主装置3の動作フローチャートである。
【0038】
IP内線端末7、8、9は、呼制御にSIP(Session Initiation Protocol)を用い、起動時及び所定の周期で端末種別情報(User−Agent情報要素)を含む端末登録パケットを主装置3に送信するREGIST機能を有している。
【0039】
主装置3に電源が投入され(S3100)、制御パケットおよび音声パケットの送信間隔を初期化した後(S3101)、制御パケット受信部314でIP内線端末7、8、9が送信した前述の端末登録パケットを受信した場合(S3102,Y)、該パケットに端末種別情報が含まれているかを判断し(S3103)、端末種別情報が含まれていた場合には(S3103,Y)、パケット送信間隔決定部313は、図4に示す判断条件に従い、受信した端末種別情報に対応する接続先区分を識別し、制御パケットおよび音声パケットの送信間隔を決定し、交換制御部310を介して制御パケット送信部311および音声パケット送信部321にパケットの送信間隔を設定(送信タイマを起動)する(S3104)。
【0040】
次に、パケット送信間隔を制御するタイマが満了し、次のパケット送信時期に至った場合(S3106,Y)、制御パケット送信部311および音声パケット送信部321は、送信要求に従って制御パケットまたは音声パケットを目的のIP内線端末宛に送信し(S3107)、ステップ3102に戻る。
【0041】
ステップ3102において、制御パケットの受信を検知しなかった場合には(S3102,N)、ステップ3106に遷移して、ステップ3104及びステップ3105で決定された送信間隔でパケットの送信を繰り返す。
【0042】
図6は、端末種別情報をもとにパケット送信間隔を決定するパケット送信間隔決定部313に記憶された判断条件の一例を示す図である。
【0043】
主装置3の制御パケット受信部314で抽出した端末種別情報(V3141)に対応する接続先区分(V3131)と制御パケットの送信間隔(V3132)と音声パケットのペイロードを構成する符号形式(V3133)との送出間隔(V3134)があらかじめ記録されている。
【0044】
図6によれば、“Wired−Phone”の端末種別情報を抽出した場合は、構内のLAN配線4に有線接続されたIP内線端末7であると認識し、制御パケットの送信間隔を0.2秒に、音声パケットの符号形式をG.711、送信間隔を10ミリ秒(V3135)が選択される。“WiFi−Phone”の端末種別情報を抽出した場合は、構内のLAN配線4に無線LANで接続されたIP内線端末8であると認識し、制御パケットの送信間隔を4秒に、音声パケットの符号形式をG.711、送信間隔を20ミリ秒(V3136)が選択される。“3G−Phone”の端末種別情報を抽出した場合は、携帯電話網経由でルータ6を介してLAN配線4に接続されるスマートホン等のIP内線端末9であると認識し、制御パケットの送信間隔を30秒に、音声パケットの符号形式をG.726、送信間隔を20ミリ秒(V3137)が選択される。
【0045】
図7は、IP内線端末が主装置に通知する端末種別情報を含む端末制御パケットの情報内容の一例を示す図である。
【0046】
いずれかのIP内線端末に電源が投入され起動されると、主装置3に対して端末種別情報を含む端末登録パケット(M3101)(以後、REGISTERリクエストと呼称する)を送信する。
次に、主装置3の制御パケット受信部314は、受信したREGISTERリクエストに含まれる端末種別情報(図8に一例を示す)を抽出し、パケット送信間隔決定部313において、制御パケットおよび音声パケットの送信間隔を決定し、交換制御部310を介して制御パケット送信部311、音声パケット送信部321に該パケットの送信間隔(タイマ値)を設定する。
【0047】
また、主装置3の交換制御部310は、受信したREGISTERリクエストを受け付けたことを示す200OKレスポンス(M3102)の送信を制御パケット送信部311に指示する。
【0048】
以降、制御パケット送信部311、音声パケット送信部321は、指定されたパケット送信間隔(本図では4秒)に従い、制御パケット(以後、NOTIFYリクエストと呼称する)の送信を繰り返す(M3103、M3105)。
【0049】
またNOTIFYリクエストを受信したIP内線端末7、8、9は、受信確認を示す200OKレスポンスを主装置3に返送する(M3104、M3106)。
【0050】
図8は、IP内線端末7、8、9が主装置3に通知する端末種別情報を含むREGISTERリクエストの情報内容の一例を示す図である。
【0051】
User−Agent情報要素(V8041)に、端末種別情報を示すコード(例として“WiFi−Phone”)がコーディングされており、主装置3の制御パケット受信部314で抽出され、パケット送信間隔決定部313において、このコードに対応する接続先区分と各パケット送信間隔(本例では、図6の“構内無線LAN(V3136)”)が選択される。
【0052】
尚、図5から図8は、主装置3とIP内線端末7、8、9との間を、Session Initiation Protocolを用いて制御するIP−PBXを例として説明したが、主装置3とIP内線端末7、8、9との間は、独自のプロトコルやメッセージコーディングを用いて制御するようIP−PBXを構成してもよい。
【0053】
尚、図示しないが音声パケットについては、音声符号変換部320においてパケット送信間隔決定部314で決定された音声符号形式の音声ペイロードが生成され、また音声パケット送信部321においてパケット送信間隔決定部314で決定された間隔で音声パケットが送信される。
【符号の説明】
【0054】
1 電話網
2 通信回線
3 主装置
4 LAN配線
5 無線LANアクセスポイント
6 ルータ
7 IP内線端末(有線LAN接続)
8 IP内線端末(無線LAN接続)
9 IP内線端末(スマートホン)
10 携帯電話網
301 外線インタフェース部
302 内線インタフェース部
310 交換制御部
311 制御パケット送信部
312 端末情報問合せ部
313 パケット送信間隔決定部
314 制御パケット受信部
320 音声符号変換部
321 音声パケット送信部
322 音声パケット受信部
601 LANインタフェース部
603 端末情報置換中継部
604 端末情報記憶部
605 WANインタフェース部
701 主装置インタフェース部
801 無線LANインタフェース部
901 無線インタフェース部
702,802,902 パケット受信部
703,803,903 端末制御部
704,804,904 端末情報送信部
705,805,905 パケット送信部
706,806,906 音声再生部
707,807,907 操作部
708,808,908 音声入力部
809,909 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ないし複数のIP内線端末またはルータを収容するIP−PBXであって、
前記IP内線端末またはルータを識別する固有ID情報もしくは端末種別情報を識別情報として前記IP内線端末またはルータから受信する識別情報受信手段と、前記IP内線端末へ所定の制御パケットを送信する制御パケット送信手段と、を有し、
前記制御パケット送信手段は、前記識別情報受信手段が受信した識別情報に応じて前記制御パケットを送信する間隔を予め定められた方法で決定し、前記決定した送信間隔のタイミングで前記制御パケットを当該IP内線端末へ送信することを特徴とするパケット送信間隔調整機能を有するIP−PBX。
【請求項2】
請求項1に記載のIP−PBXであって、
前記識別情報に応じて音声情報または映像情報を送受信する情報パケットの符号形式と送受信間隔を決定する情報パケット形式決定手段と、前記情報パケット形式決定手段で決定した符号形式のペイロードを、前記情報パケット形式決定手段で決定した送受信間隔で前記情報パケットとして送受信する情報パケット送受信手段と、を更に有し、
前記情報パケット形式決定手段は、前記識別情報受信手段が受信した識別情報に応じて情報パケットの符号形式と送受信間隔とを予め定められた方法で決定することを特徴とするパケット送信間隔調整機能を有するIP−PBX。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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