説明

パチンコ機の遊技盤取付装置

【課題】遊技盤の遊技機枠への取付と、遊技盤の電気部品と遊技機枠の電気部品との接続との両立を図る。
【解決手段】枠側取付構造体1が可動枠6の盤収納室7の内部からの可動枠6の前側に横方向に回転され、盤側取付構造体2の上滑走係合部14が枠側取付構造体1の上滑走係合部16に嵌め込まれ、盤側取付構造体2の下滑走係合部15が枠側取付構造体1の下滑走係合部17に嵌め込まれた後、遊技盤8の左側部が枠側取付構造体1の方向に直線的に押し込まれるのに伴い、可動枠6の電気部品に接続された枠側電気接続構造体10と遊技盤8の電気部品に接続された盤側電気接続構造体18とが互いに適切に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品の搭載された遊技盤を電気部品の搭載された遊技機枠に取り付けることによって、遊技盤の電気部品と遊技機枠の電気部品との接続も行える、パチンコ機の遊技盤取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機には、遊技機枠を前側から見た場合、遊技機枠の左側部に上下一対の枠側取付構造体を前後方向に回転可能に設け、枠側取付構造体を遊技機枠から前側に回転させた状態において、電気部品の搭載された遊技盤を遊技盤の左側部を電気部品の搭載された遊技機枠の前側から枠側取付構造体に挿入し、遊技盤の右側部を人が前側から後側に押すことによって、遊技盤を遊技機枠に取り付けるものが知られている(特許文献1参照)。また、遊技機枠の裏側に溝状の枠側取付構造体とコネクタとを設け、コネクタおよび電気部品の搭載された遊技盤を遊技機枠の一側方から枠側取付構造体に嵌め込むことによって、遊技盤のコネクタと遊技機枠のコネクタとを互いに接続するものも知られている(特許文献2参照)。そこで、前者の回転可能な枠側取付構造体に後者のコネクタを設けることによって、電気部品の搭載された遊技盤を電気部品の搭載された遊技機枠に取り付けるのに伴い、遊技盤のコネクタと遊技機枠のコネクタとを嵌め合わせることによって、遊技盤の電気部品と遊技機枠の電気部品との接続を行うことが考えられる。しかしながら、遊技盤のコネクタおよび遊技機枠のコネクタには、コネクタピンと呼ばれる電気接続端子の本数の多いコネクタが用いられることから、遊技盤を遊技機枠に取り付けるのに伴い、本数の多い電気接続端子どうしを適切に嵌め合わせるために、遊技盤と枠側取付構造体とをがたつくことがないように組み合わせる構造が必要であり、遊技盤と枠側取付構造体とをがたつくことがないように組み合わせるようにした場合、遊技盤の枠側取付構造体への取付作業が面倒となり、にわかに採用しがたいものである。
【特許文献1】特開平8−19647号公報
【特許文献2】特開平8−173615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、電気部品の搭載された遊技盤を電気部品の搭載された遊技機枠に取り付けるのに伴い、遊技盤の電気部品と遊技機枠の電気部品との接続も行える構造が、にわかに採用しがたいという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るパチンコ機の遊技盤取付装置は、枠側電気接続構造体が枠側取付構造体の枠側コネクタ取付部と平行な縦横方向に移動可能に取り付けられるか、または、盤側電気接続構造体が盤側取付構造体の盤側コネクタ取付部と平行な縦横方向に移動可能に取り付けられ、枠側取付構造体が可動枠の左側部に回転可能に取り付けられ、盤側取付構造体が遊技盤の左側部に固定的に設けられ、枠側取付構造体が可動枠の盤収納室の内部からの可動枠の前側に横方向に回転された状態において、遊技盤が取り付けられる場合、盤側取付構造体の上部に位置する上滑走係合部が枠側取付構造体の上部に位置する上滑走係合部に嵌め込まれ、盤側取付構造体の下部に位置する下滑走係合部が枠側取付構造体の下部に位置する下滑走係合部に嵌め込まれた後、遊技盤の左側部が枠側取付構造体の方向に直線的に押し込まれることによって、盤側取付構造体が枠側取付構造体に嵌め合わせて取り付けられたことを最も主要な特徴とする。本発明に係るパチンコ機の遊技盤取付装置において、枠側電気接続構造体が役割分担した枠側内部コネクタおよび枠側外部コネクタを備えたり、盤側電気接続構造体が役割分担した盤側内部コネクタおよび盤側外部コネクタを備えたり、枠側電気接続構造体が枠側位置決め部を備えるとともに盤側電気接続構造体が盤側位置決め部を備えたりしてもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るパチンコ機の遊技盤取付装置は、盤側取付構造体が枠側取付構造体に嵌め合わせて取り付けられるのに伴い、可動枠の電気部品に接続された枠側電気接続構造体と遊技盤の電気部品に接続された盤側電気接続構造体とが互いに適切に接続されるので、遊技盤の電気部品と可動枠の電気部品との相互接続が行えるという利点がある。枠側電気接続構造体が役割分担した枠側内部コネクタおよび枠側外部コネクタを備えるか、または、盤側電気接続構造体が役割分担した盤側内部コネクタおよび盤側外部コネクタを備えれば、可動枠の電気部品と枠側電気接続構造体との配線が整頓できたり、遊技盤の電気部品と盤側電気接続構造体との配線が整頓できたりするという利点がある。枠側電気接続構造体が枠側位置決め部を備えるとともに盤側電気接続構造体が盤側位置決め部を備えれば、枠側外部コネクタの電気接続端子と盤側外部コネクタの電気接続端子とが適切に接続されるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1乃至図12は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、遊技機枠5と遊技盤8とを分解して示す。図2のa図は枠側取付構造体1を前側から示す。図2のb図は枠側取付構造体1を裏側から示す。図3は、枠側電気接続構造体10を枠側取付構造体1に取り付ける構造を示す。図4は、枠側電気接続構造体10が枠側取付構造体1に取り付けられた構造を示す。図5のa図は、上ヒンジ3を可動枠6に回転可能に取り付ける構造を示す。図5のb図は、上ヒンジ3が可動枠6に回転可能に取り付けられた構造を示す。図6のa図は、下ヒンジ4を可動枠6に回転可能に取り付ける構造を示す。図6のb図は、下ヒンジ4が可動枠6に回転可能に取り付けられた構造を示す。図7のa図は、枠側取付構造体1が可動枠6の前側に開放された構造を示す。図7のb図は、図7のa図をB−B線に沿い切断した断面を示す。図8のa図は盤側取付構造体2を前側から示す。図8のb図は盤側取付構造体2を裏側から示す。図9は、盤側取付構造体2が取り付けられた遊技盤8を裏側から示す。図10は、盤側電気接続構造体18を盤側取付構造体2に取り付ける構造を示す。図11のa図およびb図は、嵌合確認機構78;180の作用を示す。図12は、遊技盤取付装置によって遊技盤8が盤収納室7に取り付けられ、前扉9が閉じられた、平面的な断面を示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態に遊技機枠5および遊技盤8を置いて矢印Aで示す前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
【0007】
図1を参照し、パチンコ機の遊技盤取付装置における構造について説明する。遊技盤取付装置は、図2で詳述する枠側取付構造体1と図9で詳述する盤側取付構造体2とを備える。枠側取付構造体1は、上ヒンジ3および下ヒンジ4を中心として、遊技機枠5における可動枠6の前側で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、可動枠6における盤収納室7の左側部に前後方向に回転可能に取り付けられる。盤側取付構造体2は、遊技盤8の左側部に固定的に取り付けられる。
【0008】
そして、遊技機枠5の前扉9が前側に開けられ、枠側取付構造体1が人によって可動枠6の前側に回転され、枠側取付構造体1の枠側電気接続構造体10が可動枠6の前面に対し斜め前側に向き、可動枠6の開度保持部11と枠側取付構造体1の開度保持部12とが互いに係合し、枠側取付構造体1の前側に回転された位置が保持される。このように開度保持部11と開度保持部12とが互いに係合した状態において、枠側取付構造体1に前側に回転するような外力が加わった場合、枠側取付構造体1が盤収納室7の左側部に設けられた開度規制部120に衝突し、上記開度保持部11と開度保持部12との係合が保たれ、枠側取付構造体1がそれ以上前側に回転しない。よって、開度保持部11および開度保持部12は、互いに係合することによって、枠側取付構造体1を前側に回転されて最大に開いた角度の位置に保持するものであり、開度規制部120は、前側に回転される枠側取付構造体1を受け止めることによって、枠側取付構造体1を前側にそれ以上回転しないように、枠側取付構造体1の開き角度を規制するものである。
【0009】
次に、人が遊技盤8を手で持ち、遊技盤8の前面が前側に向けられ、遊技盤8の裏面13が可動枠6の前面に対し斜めに向けられ、遊技盤8の左側部が可動枠6に前側から近づけられ、盤側取付構造体2の上滑走係合部14および下滑走係合部15が枠側取付構造体1の上滑走係合部16および下滑走係合部17に前側から個別に嵌め込まれる。この場合、開度保持部11と開度保持部12とが互いに係合していることによって、枠側取付構造体1が前後方向に回転しがたい状態となっているので、遊技盤8を枠側取付構造体1に挿入する場合、枠側取付構造体1が後側に逃げにくくなり、遊技盤8を枠側取付構造体1に挿入する作業性がよい。その後、遊技盤8の左側部が枠側電気接続構造体10の方向に近くなるように、遊技盤8が人によって押し動かされると、上滑走係合部14が上滑走係合部16を滑走し、下滑走係合部15が下滑走係合部17を滑走し、盤側取付構造体2の盤側電気接続構造体18が枠側電気接続構造体10に接触する。枠側電気接続構造体10と盤側電気接続構造体18とが互いに接触するのに伴い、枠側電気接続構造体10が枠側取付構造体1に対し矢印X1で示す横方向と矢印Y1で示す縦方向とに移動し、枠側電気接続構造体10と盤側電気接続構造体18との位置が互いに整合し、枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが互いに接続される。これによって、遊技盤8の下縁部が可動枠6の盤棚19と平行な態様になり、遊技盤8の枠側取付構造体1に取り込まれた左側部が可動枠6の盤収納室7に配置される。
【0010】
引き続き、遊技盤8の右側部が人によって前側から可動枠6の方向に押されると、枠側取付構造体1が可動枠6の方向に回転し、開度保持部11と開度保持部12との係合が解除された後、遊技機枠5のロック操作部20が遊技盤8のロック挿入孔22に後側から挿入されて前側に突出する。その状態において、人がロック操作部20を例えば左方向に90度回転操作すると、ロック操作部20がロック挿入孔22の周りの前面に係合し、遊技盤8が可動枠6の盤収納室7に取り付けられる。遊技盤8が取り付けられた後、前扉9が閉じられる。これによって、パチンコ機が構成される。このパチンコ機は、遊技盤8が遊技機枠5の内部に格納され、遊技盤8の前側が前扉9で覆われ、遊技盤8の遊技領域が遊技機枠5の前側から前扉9の前面パネル24を通して視認し得る形態である。
【0011】
遊技機枠5の構造について説明する。遊技機枠5は、固定枠25の前側に可動枠6を、左側に位置するヒンジ26を中心として固定枠25の前側で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、片開き可能に備え、可動枠6の前側に前扉9および球皿構造体27を、左側に位置するヒンジ28を中心として可動枠6の前側で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、個別に片開き可能に備える。固定枠25は、パチンコ店の図外の遊技機設置構造体に取り付けるための外枠とも呼ばれる。可動枠6は、遊技盤8を取り付ける前枠とも呼ばれ、盤収納室7を内部に備える。盤収納室7の左側部には、枠側取付構造体1が回転可能に設けられる。可動枠6の右縦片部には、施錠装置31と複数のロック機構32;33;34およびロック解除操作体35が設けられる。可動枠6は、遊技盤8を装着する前側に開口した盤収納室7の背壁36に前後方向に貫通する中央開口部37を備える。背壁36の右側部には、横長なロック操作部20を回転可能に備える。
【0012】
盤収納室7の下縁部は、遊技盤8を搭載する左右方向に平坦な面としての盤棚19を形成する。盤棚19から下方に延設された前壁38の前面には、球発射機構39、球発射レール40、戻り球取入口41、払出球中継樋42が設けられる。前壁38の裏面には、機外排出樋43が設けられる。球発射レール40は、球皿構造体27の球供給口44から供給された1個の球を受け取る。球発射機構39は、電力の供給と遮断とを交互に受けることによって、球皿構造体27の球皿部45から球発射レール40に供給された球を遊技盤8の遊技領域に向けて1個ずつ発射する。球発射レール40は、球発射機構39から発射された球を、遊技盤8における球発射通路の入口に誘導する。払出球中継樋42は、可動枠6の裏側に設けられた図外の球払出装置から払い出された球を球皿構造体27の球取入口46に排出する。機外排出樋43は、遊技盤8の裏側から排出された球を受け取って遊技機設置構造体における捕球機構に排出する。前扉9は、パネル枠とも呼ばれ、前後方向に貫通する窓47を囲む額縁形状である。前扉9には、前面パネル24が、窓47を裏側から覆うように取り付けられる。前面パネル24は、ガラスまたは合成樹脂など、光を透過する性質の有る材料からなる板状である。球皿構造体27の前面には、球皿部45および球発射操作機構48が設けられる。球皿部45は、遊技に使用する球を受ける上方に開口した上方から下方に窪む容器である。球発射操作機構48は、遊技者が球を発射するために操作するものである。球皿構造体27の裏面には、球取入口46および球供給口44が設けられる。球取入口46は、払出球中継樋42から排出された球を球皿部45に供給する部分である。球供給口44は、球皿部45から球発射機構39に球を供給する部分である。
【0013】
遊技機枠5では、可動枠6や前扉9および球皿構造体27が閉じられてロック機構32;33;34で固定枠25に開閉不能に支持された場合、遊技店の店員が図外のキープレート(鍵)を遊技機枠5の前側から施錠装置31の鍵穴49に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠25と可動枠6とのロック機構32による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が可動枠6を前側に引くことによって、可動枠6はヒンジ26を中心として固定枠25の前側に片開きされる。また、上記施錠装置31の鍵穴49に挿入されたキープレートが例えば左側に90度回転操作されると、可動枠6と前扉9とのロック機構33による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が前扉9を前側に引くことによって、前扉9はヒンジ28を中心として可動枠6の前側に片開きされる。このように、前扉9が前側に開かれた状態において、店員が可動枠6の前面に設けられたロック解除操作体35を操作すると、可動枠6と球皿構造体27とのロック機構34による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が球皿構造体27を前側に引くことによって、球皿構造体27はヒンジ28を中心として可動枠6の前側に片開きされる。
【0014】
遊技盤8の裏側の構造について説明する。遊技盤8の裏面13には、盤側取付構造体2と盤側配線51および球案内構造体52が設けられる。球案内構造体52は、セット板とも呼ばれ、遊技盤8の前面における図外の内ガイドレールと外ガイドレールとで囲まれた内側の遊技領域から入賞部品やアウト口に取り込まれて遊技盤8の裏側に排出されたパチンコ球と呼ばれる球を、下方に誘導して排出する。遊技盤8の裏側には、遊技盤8の前面に設けられた遊技部品の裏機構が、遊技盤8に形成された図外の逃孔や球案内構造体52に形成された逃孔53を経由して遊技盤8の裏側および球案内構造体52の裏側に突出する。遊技盤8の裏側に突出した裏機構を有する遊技部品は、図柄表示器54;55、可動部品56、図外の入賞部品、図外のサイドランプなどである。図柄表示器54は、遊技領域の中央に設けられ、液晶表示器、CRT表示器、プラズマディスプレイなどのような電気的に表示形態を変えられる画像を表示画面に表示する画像表示器により形成され、裏機構として図柄制御装置57を備える。図柄表示器55は、遊技領域の右側下部に設けられ、複数の図柄の印刷された図柄表示体をステップモータで回転する構造であって、裏機構としてステップモータを備える。
【0015】
球案内構造体52の裏面には、盤側配線51と主制御装置58および演出制御装置59が設けられる。盤側配線51は、遊技盤8に設けられた電気部品と接続された多数本の箔形状の図外の電線が、可撓性を有する合成樹脂基板の表面に付設された構造である。盤側配線51における電線の表面は、レジスト膜のような電気絶縁材で被覆され、人や球などの接触から保護される。盤側配線51で接続される遊技盤8に設けられた電気部品としては、図柄表示器55の駆動源、可動部品56の駆動源、図柄制御装置57、主制御装置58、演出制御装置59、入賞部品の球検出器、可変入賞部品60の駆動源および球検出器、図外のサイドランプの表示灯である。遊技盤8の右側部には、ロック挿入孔22が前後方向への貫通孔として設けられる。
【0016】
図2を参照し、枠側取付構造体1の構造について説明する。枠側取付構造体1は、縦骨格部64に、上ヒンジ3、下ヒンジ4、開度保持部12、上滑走係合部16、下滑走係合部17、コネクタ取付部65、上骨格部68、下骨格部72、嵌合確認機構78を備える。縦骨格部64は、金属板を直角に折り曲げたことにより、縦長な縦骨格後基盤66と、縦骨格後基盤66の左縁部から前側に直角に突出た縦長な縦骨格左基盤67とを備える。縦骨格部64の上部には、上骨格部68が設けられる。上骨格部68は、縦骨格後基盤66の上端部から右側に直線的に突出した縦板状の上滑走係合部16と、上滑走係合部16の上縁部から前側に直角に折り曲げられた上骨格上基盤69と、上骨格上基盤69の前縁部から下側に直角に折り曲げられた上骨格前基盤70とを備える。上滑走係合部16と上骨格上基盤69および上骨格前基盤70は、上誘導溝71を下方および右側に開口した形状に構成する。上骨格上基盤69には、上ヒンジ3が、上骨格部68から上方に直線的に突出した、ヒンジピンと呼ばれる金属製の丸棒として設けられる。縦骨格部64の下部には、下骨格部72が設けられる。下骨格部72は、縦骨格後基盤66の下端部から右側に直線的に突出した縦板状の下滑走係合部17と、下滑走係合部17の下縁部から前側に直角に折り曲げられた下骨格下基盤73と、下骨格下基盤73の前縁部から上側に直角に折り曲げられた下骨格前基盤74とを備える。下滑走係合部17と下骨格下基盤73および下骨格前基盤74は、下誘導溝75を上側および右側に開口した形状に構成する。
【0017】
下骨格部72には、嵌合確認機構78が設けられる。嵌合確認機構78は、図1の可動枠6に遊技盤8を取り付ける場合に枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが正常に接続されたことを音で人に知らせる機構である。図2に戻り、嵌合確認機構78は、レバー軸79、確認レバー80、ばね81を備える。レバー軸79は、金属製の丸棒であって、下滑走係合部17に固定され、下滑走係合部17の裏面から裏側に直線的に突出する。確認レバー80は、金属板からなり、レバー軸79に下滑走係合部17の裏面と平行するように上下方向に回転可能に取り付けられる。ばね81は、金属からなるコイルばねにより構成される。ばね81の一端部が下滑走係合部17に固定され、ばね81の他端部が確認レバー80に固定されることによって、ばね81が確認レバー80のレバー軸79よりも上方に突出した先端部を矢印W3で示す下側から上側の方向に付勢する。確認レバー80がばね81で付勢されることによって、確認レバー80の先端部が下滑走係合部17に設けられたストッパー82に衝突してそれ以上前側に行かないように停止する。嵌合確認機構78の作用は、図11により後述する。開度保持部12は、前側に回転した上ヒンジ3を中心とする1つの円周上に位置し、上骨格上基盤69に上下方向への貫通孔として設けられる。コネクタ取付部65は、縦骨格後基盤66の右端部から後側に直角に折り曲げられた縦板状である。
【0018】
図3を参照し、枠側電気接続構造体10のコネクタ取付部65への取付構造について説明する。枠側電気接続構造体10は、枠側コネクタ基板91が枠側コネクタ容器92の前面に固定され、枠側コネクタ容器92がコネクタ取付部65の前面に対し矢印X1;Y1で示す左右上下方向に移動可能に取り付けられた、構造である。枠側コネクタ基板91は、プリント配線板からなる回路基板に、枠側内部コネクタ93および枠側外部コネクタ94を実装した、構造である。枠側内部コネクタ93の合成樹脂からなるコネクタボディおよび枠側外部コネクタ94の合成樹脂からなるコネクタボディが回路基板に固定され、枠側内部コネクタ93のコネクタピンと呼ばれる電気接続端子および枠側外部コネクタ94のコネクタピンと呼ばれる電気接続端子が、互いに、電気を伝達するように、回路基板に設けられた箔状の電線で接続される。枠側コネクタ基板91の上部および下部には、位置決め孔95およびねじ挿入孔96が、前後方向への貫通孔として、個別に設けられる。枠側内部コネクタ93には、可動枠6の裏面に取り付けられた電気部品が枠側配線で接続される。可動枠6の裏面に取り付けられた電気部としては、電源装置、発射払出制御装置、球発射機構39(図1参照)、表示灯、スピーカなどである。枠側外部コネクタ94は、図10の盤側外部コネクタ159と接続される。
【0019】
枠側コネクタ容器92は、合成樹脂からなり、板状の枠側基板固定部98および枠側位置決め部99を備える。枠側基板固定部98の上部および下部には、枠側取付台100が枠側基板固定部98の前面から前側に突出する。枠側取付台100には、位置決め突起101およびねじ取付孔102が、個別に設けられる。位置決め突起101は、位置決め孔95をがたつくことがないように嵌め込むものであって、枠側取付台100の前面から前側に突出する。ねじ取付孔102は、枠側取付台100の前面と枠側基板固定部98の裏面とに貫通する。そして、枠側内部コネクタ93および枠側外部コネクタ94が前側に向けられ、位置決め孔95が枠側コネクタ容器92の前側から位置決め突起101に嵌め込まれると、ねじ挿入孔96とねじ取付孔102とが互いに前後方向で対向する。その後、タッピングスクリューのような止ねじ103が枠側コネクタ基板91の前側からねじ挿入孔96を経由してねじ取付孔102に締結されることによって、枠側コネクタ基板91が枠側基板固定部98に固定される(図4参照)。
【0020】
枠側位置決め部99は、枠側基板固定部98の上部から上方に突出するとともに枠側基板固定部98の下部から下方に突出するように、枠側基板固定部98の上部および下部に個別に連接され、前面から内部に窪む形状である。枠側位置決め部99を囲む周壁104は、枠側基板固定部98の左側部および前側に開口し、枠側基板固定部98の右側部を囲む形状である。周壁104の内側に位置する前縁部は、後側から前側に行くにしたがって外側に傾斜する案内面105を形成する。枠側位置決め部99の後壁には、支柱107およびねじ取付孔108が個別に設けられる。支柱107が枠側位置決め部99の後壁から後側に突出する。ねじ取付孔108は、枠側位置決め部99における後壁の前面および支柱107の後面にわたり前後方向への貫通孔として設けられる。枠側位置決め部99における後壁の裏面は、可動用孔110の口径よりも大きな外径を有する平坦面を形成する。
【0021】
コネクタ取付部65には、容器逃部109および可動用孔110が設けられる。容器逃部109は、コネクタ取付部65の右側と前後方向とに開口する。可動用孔110は、容器逃部109よりも上部および下部に位置し、支柱107の外径よりも大きな口径を有し、前後方向への方形な貫通孔として形成される。抜止体112は、可動用孔110の口径よりも大きな外径を有する。抜止体112には、支柱107を嵌め込むための支柱受部113が、抜止体112の中心に位置し、抜止体112の前面から内部への窪みとして設けられる。抜止体112の前面は、平坦面を形成する。支柱受部113の後壁には、ねじ挿入孔114が、前後方向への貫通孔として設けられる。
【0022】
図4を参照し、枠側電気接続構造体10が縦骨格部64に設けられたコネクタ取付部65に取り付けられた構造について説明する。枠側コネクタ容器92の支柱107が、コネクタ取付部65の前側から可動用孔110に個別に挿入され、コネクタ取付部65から後側に突出した支柱107の後端部には、抜止体112の支柱受部113が、コネクタ取付部65の後側から嵌め込まれ、タッピングスクリューのような止ねじ115が、抜止体112の後側からねじ挿入孔114を経由して枠側位置決め部99のねじ取付孔108に締結され、抜止体112の前面と枠側位置決め部99における後壁の裏面との間の寸法T1が、コネクタ取付部65における前後方向の寸法T2よりも大きい寸法となり(T1>T2)、コネクタ取付部65が枠側コネクタ容器92における枠側位置決め部99の後壁と抜止体112との間に存在する。これによって、枠側電気接続構造体10がコネクタ取付部65の前面と平行な縦横方向に移動可能に取り付けられる。つまり、縦骨格部64が図1の可動枠6に縦方向に取り付けられた場合、支柱107が枠側電気接続構造体10の自重で可動用孔110の下縁部に接触して搭載されているが、支柱107の外径が可動用孔110の口径よりも細いので、枠側電気接続構造体10は支柱107の外径と可動用孔110の口径との差の範囲でコネクタ取付部65の前面と平行な方向に自由に移動することができる。116は、枠側外部コネクタ94をコネクタ基板91に取り付けた止ねじである。
【0023】
図5を参照し、枠側取付構造体1の上部が可動枠6に回転可能に取り付けられる構造について説明する。図5のa図において、可動枠6の盤収納室7における左側部の上部には、上軸受部118と上取付部119が設けられる。上軸受部118は、上ヒンジ3を可動枠6の前側から収納し得る窪みであって、可動枠6の前面および盤収納室7に開口する。上取付部119は、上軸受部118の周囲に位置し、可動枠6の前面から前側に突出する。上取付部119には、ねじ取付孔122が、上取付部119の前面から内部への窪みとして設けられる。上ヒンジ支持体123は、上前面板124および上軸抜止部125を備える。上軸抜止部125は、上前面板124の裏面から後側に突出する。上前面板124には、ねじ挿入孔126および上嵌合部127が設けられる。ねじ挿入孔126は、上軸抜止部125の周囲に位置し、前後方向への貫通孔である。上嵌合部127は、上取付部119を前側から収納し得る窪みであって、ねじ挿入孔126を中心とし、上前面板124の裏面から内部に窪む。
【0024】
そして、枠側取付構造体1の上ヒンジ3が可動枠6の前側から上軸受部118に挿入され、上骨格部68が可動枠6から下方に離れて盤収納室7に配置される。その後、上軸抜止部125が可動枠6の前側から上軸受部118に挿入され、上嵌合部127が上取付部119に前側から嵌め込まれ、タッピングスクリューのような止ねじ128が上ヒンジ支持体123の前側からねじ挿入孔126を経由して可動枠6のねじ取付孔122に締結される。これによって、図5のb図に示すように、上ヒンジ支持体123が可動枠6に取り付けられ、上軸抜止部125が上軸受部118の前部を塞ぎ、上ヒンジ3が上ヒンジ支持体123で上軸受部118に回転可能に取り付けられる。
【0025】
図6を参照し、枠側取付構造体1の下部が可動枠6に回転可能に取り付けられる構造について説明する。図6のa図において、可動枠6の盤収納室7における左側部の下部には、下後軸受部130および下取付部131が設けられる。下後軸受部130は、下ヒンジ4の後半部を前側から収納し得る窪みであって、可動枠6の前面から内部に半円弧状に窪む。下取付部131は、下後軸受部130の周囲に位置し、可動枠6の前面から前側に突出する。下取付部131には、ねじ取付孔133が、下取付部131の前面から内部への窪みとして設けられる。下ヒンジ支持体134には、下前軸受部135とねじ挿入孔136および下嵌合部137が設けられる。下前軸受部135は、下ヒンジ4の前部を前側から収納し得る窪みであって、下ヒンジ支持体134の裏面から前側である内部に半円弧状に窪む。ねじ挿入孔136は、下前軸受部135の周囲に位置し、前後方向への貫通孔である。下嵌合部137は、下取付部131を前側から収納し得る窪みであって、ねじ挿入孔136を中心とし、下ヒンジ支持体134の裏面から前側である内部へ窪む。
【0026】
そして、枠側取付構造体1の下ヒンジ4が可動枠6の前側から下後軸受部130に接触され、枠側取付構造体1の下骨格部72が可動枠6から上方に離れて盤収納室7に配置される。その後、下ヒンジ支持体134の下前軸受部135が可動枠6の前側から下ヒンジ4に嵌め込まれ、下ヒンジ支持体134の下嵌合部137が下取付部131に前側から嵌め込まれ、タッピングスクリューのような止ねじ138が下ヒンジ支持体134の前側からねじ挿入孔136を経由してねじ取付孔133に締結される。これによって、図6のb図に示すように、下ヒンジ4が下後軸受部130と下前軸受部135とで前後から挟まれ、下ヒンジ支持体134が可動枠6に取り付けられ、下ヒンジ4が下ヒンジ支持体134で下後軸受部130に回転可能に取り付けられる。図4乃至図6で述べたように枠側取付構造体1が可動枠6に取り付けられることによって、枠側取付構造体1は、図1に示すように、上ヒンジ3および下ヒンジ4を中心として可動枠6から前側に横方向に開けられるとともに、可動枠6の前側から後側に横方向に閉じられるようになっている。
【0027】
図7のa図を参照し、開度保持部11と開度保持部12と開度規制部120との関係について説明する。開度保持部11は、板ばね83と突起84とを備える。板ばね83は、盤収納室7における背壁36の前面に前側から固定的に取り付けられる。突起84は、板ばね83における背壁36の前面から前側に突出した前端部から下側に突出するように、板ばね83の前端部に設けられる。開度規制部120は、可動枠6の背壁36から前側に突出するように背壁36に設けられた突起である。
【0028】
図7のb図を参照し、枠側取付構造体1が上ヒンジ3および下ヒンジ4を中心として可動枠6から矢印W1で示す前側に横方向に開放された場合と、枠側取付構造体1が上ヒンジ3および下ヒンジ4を中心として可動枠6の前側から矢印W2で示す後側に横方向に閉じられた場合とにおける、可動枠6と枠側取付構造体1との関係について説明する。枠側取付構造体1が、人によって、仮想線で示す位置から矢印W1で示す前側に横方向に開放されて実線で示す位置に到達すると、可動枠6の開度保持部11と枠側取付構造体1の開度保持部12とが互いに係合し、枠側取付構造体1が、それ以上、矢印W1で示す前側に回転しないように停止する。このように開度保持部11と開度保持部12とが互いに係合した場合、枠側取付構造体1の縦骨格後基盤66が開度規制部120に接触するかまたは接触する程度に近づく。そして、枠側取付構造体1に前側に回転するような外力が加わった場合、縦骨格後基盤66が開度規制部120に衝突し、上記開度保持部11と開度保持部12との係合が保たれ、枠側取付構造体1がそれ以上前側に回転しない。これによって、枠側取付構造体1の上骨格部68の前端部および下骨格部72の前端部は、可動枠6の盤収納室7および盤棚19よりも前側に突出する。
【0029】
次に、枠側取付構造体1が実線で示すように開度保持部11と開度保持部12とが互いに係合した状態において、枠側取付構造体1が人または図1の盤側取付構造体2によって開度保持部11における板ばね83のばね力に抗して矢印W2で示す後側に回転されると、板ばね83が上側に撓み、突起84が開度保持部12の周囲における上骨格部68で持ち上げられて開度保持部12から解除され、枠側取付構造体1が、実線で示す位置から矢印W2で示す後側に押されて横方向に閉じられて仮想線で示す位置に到達する。仮想線で示す位置の枠側取付構造体1と実線で示す位置の枠側取付構造体1とからなる枠側取付構造体1の最大開き角度θ1は、例えば、45度になっている。仮想線で示す位置の前扉9における可動枠6の一点鎖線L1で示す前面に対する前側への最大開き角度θ2は、例えば、120度になっている。よって、枠側取付構造体1の最大開き角度θ1は、前扉9の最大開き角度θ2よりも小さい角度である(θ1<θ2)。
【0030】
図8を参照し、盤側取付構造体2の構造について説明する。盤側取付構造体2は、縦骨格部139に、上骨格部140、下骨格部142、上滑走係合部14、下滑走係合部15、コネクタ取付部143、嵌合確認機構180を備える。縦骨格部139は、金属板を直角に折り曲げたことにより、縦長な縦骨格後基盤144と、縦骨格後基盤144の左縁部から前側に直角に突出た縦長な縦骨格左基盤145とを備える。縦骨格部139の上部には、上骨格部140が設けられる。上骨格部140は、縦骨格後基盤144の上端部から右側に直線的に突出した縦板状の上骨格後基盤146と、上骨格後基盤146の前縁部から前側に直角に折り曲げられた上骨格上基盤147と、上骨格後基盤146の下縁部から後側に離れた後に上側に折り曲げられた上滑走係合部14とを備える。上滑走係合部14と上骨格後基盤146との間には、上誘導溝148が、上側と左側および右側に開口した形状に構成される。上誘導溝148は、図1の上滑走係合部16を移動可能に取り込む溝である。縦骨格部139の下部には、下骨格部142が設けられる。下骨格部142は、縦骨格後基盤144の下端部から右側に直線的に突出した縦板状の下骨格後基盤149と、下骨格後基盤149の下縁部から前側に直角に折り曲げられた下骨格下基盤150と、下骨格後基盤149の上縁部から後側に離れた後に下側に折り曲げられた下滑走係合部15とを備える。下滑走係合部15と下骨格後基盤149との間には、下誘導溝151が、下側と左側および右側に開口した形状に構成される。下誘導溝151は、図1の下滑走係合部17を移動可能に取り込む溝である。コネクタ取付部143は、上下方向の下半部に位置し、縦骨格後基盤144と平行となるように、縦骨格後基盤144の右縁部から右側に直線的に突出した縦板状である。コネクタ取付部143と縦骨格後基盤144と上骨格後基盤146および下骨格後基盤149には、木ねじのような止ねじ152を挿入するためのねじ挿入孔153が設けられる。
【0031】
縦骨格部139には嵌合確認機構180が設けられる。嵌合確認機構180は、図1の可動枠6に遊技盤8を取り付ける場合に枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが正常に接続されたことを音で人に知らせる機構である。図8に戻り、嵌合確認機構180は、レバー軸181、確認レバー182、ばね183を備える。レバー軸181は、金属製の丸棒であって、縦骨格後基盤144に固定され、縦骨格後基盤144の裏面から裏側に直線的に突出する。確認レバー182は、金属板からなり、レバー軸181に縦骨格後基盤144の裏面と平行するように上下方向に回転可能に取り付けられる。ばね183は、金属からなるコイルばねにより構成される。ばね183の一端部が縦骨格後基盤144に固定され、ばね183の他端部が確認レバー182に固定されることによって、ばね183が確認レバー182のレバー軸181よりも下方に突出した先端部を矢印W4で示す上側から下側の方向に付勢する。確認レバー182がばね183で付勢されることによって、確認レバー182の先端部が縦骨格後基盤144に設けられたストッパー184に衝突してそれ以上左側に行かないように停止する。嵌合確認機構180の作用は、図11により後述する。
【0032】
図9を参照し、盤側取付構造体2が遊技盤8に取り付けられた構造について説明する。コネクタ取付部143と縦骨格後基盤144と上骨格後基盤146および下骨格後基盤149が遊技盤8の裏面13に裏側から接触され、上骨格上基盤147が遊技盤8の上端面に接触され、下骨格下基盤150が遊技盤8の下端面に接触され、縦骨格左基盤145が遊技盤8の左端面に接触される。その状態において、止ねじ152が盤側取付構造体2の裏側から図8のねじ挿入孔153を経由して遊技盤8に締結される。これによって、盤側取付構造体2が遊技盤8の左側部に固定的に取り付けられ、盤側電気接続構造体18が遊技盤8の裏面13から後側に突出する。このように盤側取付構造体2を備えた遊技盤8が枠側取付構造体1に取り付けられる場合、盤側取付構造体2が枠側取付構造体1に嵌め込まれるのに伴い、嵌合確認機構78と嵌合確認機構180とが互いに衝突して動き、枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが正常に接続されたことを音で人に知らせる。この嵌合確認機構78と嵌合確認機構180との作用は、図11で後述する。
【0033】
図10を参照し、盤側電気接続構造体18の盤側取付構造体2への構造について説明する。盤側電気接続構造体18は、盤側コネクタ基板156が盤側コネクタ容器157の前面に固定され、盤側コネクタ容器157が盤側取付構造体2のコネクタ取付部143の裏面に固定的に取り付けられた、構造である。盤側コネクタ基板156は、プリント配線板からなる回路基板に、盤側内部コネクタ158および盤側外部コネクタ159を実装した、構造である。盤側内部コネクタ158の合成樹脂からなるコネクタボディおよび盤側外部コネクタ159の合成樹脂からなるコネクタボディが回路基板に固定され、盤側内部コネクタ158のコネクタピンと呼ばれる電気接続端子および盤側外部コネクタ159のコネクタピンと呼ばれる電気接続端子が、互いに、電気を伝達するように、回路基板に設けられた箔状の電線で接続される。盤側コネクタ基板156の上部および下部には、位置決め孔160およびねじ挿入孔161が、前後方向への貫通孔として、個別に設けられる。盤側内部コネクタ158には、図1の盤側配線51が接続される。これによって、盤側内部コネクタ158には、遊技盤8に取り付けられた電気部品が接続される。盤側外部コネクタ159には、図2の枠側外部コネクタ94が接続される。
【0034】
盤側コネクタ容器157は、合成樹脂からなり、板状の盤側基板固定部162と盤側位置決め部163および取付足164を備える。盤側基板固定部162の上部および下部には、盤側取付台165が盤側基板固定部162の裏面から後側に突出する。盤側取付台165には、位置決め突起166およびねじ取付孔167が、個別に設けられる。位置決め突起166は、位置決め孔160をがたつくことがないように嵌め込むものであって、盤側取付台165の裏面から後側に突出する。ねじ取付孔167は、盤側取付台165の裏面と盤側基板固定部162の前面とに貫通する。そして、盤側内部コネクタ158および盤側外部コネクタ159が後側に向けられ、位置決め孔160が盤側コネクタ容器157の後側から位置決め突起166に嵌め込まれると、ねじ挿入孔161とねじ取付孔167とが互いに前後方向で対向する。その後、止ねじ168が盤側コネクタ基板156の後側からねじ挿入孔161を経由してねじ取付孔167に締結されることによって、盤側コネクタ基板156が盤側コネクタ容器157に固定される。
【0035】
盤側位置決め部163は盤側基板固定部162の上部から上方および後側に突出するとともに盤側基板固定部162の下部から下方および後側に突出するように、盤側基板固定部162の上部および下部に個別に連接される。取付足164は、盤側基板固定部162の上部から後方に突出するとともに盤側基板固定部162の下部から後方に突出するように、盤側基板固定部162の上部および下部に個別に連接される。タッピングスクリューのような止ねじ169が、取付足164の裏側から取付足164を貫通してコネクタ取付部143に締結されることによって、盤側コネクタ容器157が盤側取付構造体2に固定される。
【0036】
図11を参照し、嵌合確認機構78と嵌合確認機構180との作用について説明する。図11のa図に示すように、盤側取付構造体2が枠側取付構造体1に矢印X2で示す方向に嵌め込まれるのに伴い、ストッパー184で受け止められている確認レバー182の先端部が確認レバー80の先端部に衝突し、確認レバー80が確認レバー182で押されてばね81のばね力に抗しレバー軸79を中心として矢印W5で示す方向に回転して確認レバー182を逃げる。この矢印W5で示す方向への回転によって、確認レバー80は、実線で示す状態から仮想線で示す状態となり、確認レバー182の先端部が確認レバー80の先端部を矢印X2で示す方向に通過する。このように、確認レバー80;182が動く過程において、枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが互いに正常に接続される。そして、確認レバー182の先端部が確認レバー80の先端部を矢印X2で示す方向に通過するのに伴い、確認レバー80がばね81のばね力によってレバー軸79を中心として矢印W6で示す方向に回転しストッパー82に衝突して金属音を発生する。この金属音が発生することによって、嵌合確認機構78および嵌合確認機構180が、枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが正常に接続されたことを、音で、人に知らせることができる。
【0037】
図11のb図に示すように、盤側取付構造体2が枠側取付構造体1に矢印X3で示す方向に引き抜かれるのに伴い、ストッパー82で受け止められている確認レバー80の先端部が確認レバー182の先端部に衝突し、確認レバー182が確認レバー80で押されてばね183のばね力に抗しレバー軸181を中心として矢印W7で示す方向に回転して確認レバー80を逃げる。この矢印W7で示す方向に回転によって、確認レバー80は、実線で示す状態から仮想線で示す状態となり、確認レバー182の先端部が確認レバー80の先端部を矢印X3で示す方向に通過する。このように、確認レバー80;182が動く過程において、枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子との接続が解除される。そして、確認レバー182の先端部が確認レバー80の先端部を矢印X3で示す方向に通過するのに伴い、確認レバー182がばね183のばね力によってレバー軸181を中心として矢印W8で示す方向に回転してストッパー184に受け止められる。
【0038】
最良の形態によれば、図1において、枠側取付構造体1が可動枠6の左側部に回転可能に取り付けられ、盤側取付構造体2が遊技盤8の左側部に固定的に設けられており、枠側取付構造体1が可動枠6の盤収納室7の内部からの可動枠6の前側に横方向に回転された状態において、遊技盤8を取り付ける場合、盤側取付構造体2の下骨格部142(図8参照)が枠側取付構造体1の下誘導溝75(図2参照)に嵌め込まれ、盤側取付構造体2の上骨格部140(図8参照)が枠側取付構造体1の上誘導溝71(図2参照)に嵌め込まれた後、遊技盤8の左側部が枠側取付構造体1の縦骨格部64(図2参照)の方向に押し込まれることによって、上滑走係合部16が上誘導溝148(図8参照)に取り込まれ、上滑走係合部14と上滑走係合部16とが互いに嵌まり合って滑走し、下滑走係合部17が下誘導溝151(図8参照)に取り込まれ、下滑走係合部15と下滑走係合部17とが互いに嵌まり合って滑走し、枠側電気接続構造体10と盤側電気接続構造体18とが互いに接続されるので、電気部品の搭載された遊技盤8を電気部品の搭載された可動枠6に取り付けることによって、遊技盤8の電気部品と可動枠6の電気部品との相互接続が行える。
【0039】
図2に示すように、枠側内部コネクタ93には図1の可動枠6に搭載された電気部品が接続され、枠側外部コネクタ94には図10の盤側外部コネクタ159が接続されるというように、枠側電気接続構造体10が役割分担した枠側内部コネクタ93および枠側外部コネクタ94を備えているので、可動枠6の電気部品と枠側電気接続構造体10との配線が整頓できるという利点がある。また、図10に示すように、盤側内部コネクタ158には図1の遊技盤8に搭載された電気部品が接続され、盤側外部コネクタ159には図2の枠側外部コネクタ94が接続されるというように、盤側電気接続構造体18が役割分担した盤側内部コネクタ158および盤側外部コネクタ159を備えているので、遊技盤8の電気部品と盤側電気接続構造体18との配線が整頓できるという利点がある。
【0040】
図3および図10において、枠側電気接続構造体10が枠側取付構造体1のコネクタ取付部65の前面と平行な縦横方向に移動可能に取り付けられ、枠側電気接続構造体10が枠側位置決め部99を備え、盤側取付構造体2に設けられた盤側電気接続構造体18が盤側位置決め部163を備えている。このため、盤側位置決め部163と枠側位置決め部99とが個別に嵌め込まれることによって、枠側電気接続構造体10と盤側電気接続構造体18との位置が整合し、枠側電気接続構造体10の電気接続端子と盤側電気接続構造体18の電気接続端子とが適切に接続されるという利点がある。枠側位置決め部99が周壁104に案内面105を備えているので、盤側位置決め部163が案内面105で誘導されながら枠側位置決め部99に好適に嵌め込まれるという利点がある。
【0041】
図3および図10において、支柱107が枠側電気接続構造体10の自重で可動用孔110の下縁部に接触して搭載されているので、盤側位置決め部163と枠側位置決め部99とが互いに嵌め込まれる場合、盤側位置決め部163が枠側位置決め部99に挿入されるのに伴い、枠側位置決め部99が盤側位置決め部163で上方に持ち上げられるように、枠側位置決め部99のコネクタ取付部65への取付位置と盤側位置決め部163のコネクタ取付部143への取付位置とが設定されていれば、枠側電気接続構造体10は支柱107の外径と可動用孔110の口径との差の範囲でコネクタ取付部65の前面と平行な方向に自由に移動することができる。
【0042】
図12に示すように、可動枠6に搭載された電気部品の枠側配線171に結線されたコネクタ172が、可動枠6の裏側から盤収納室7に設けられた配線孔173を経由して枠側内部コネクタ93に嵌め込まれる。このコネクタ172と枠側内部コネクタ93との接続は、遊技盤8が可動枠6の盤収納室7に取り付けられたり盤収納室7から取り外されたりされる場合、枠側取付構造体1の図1に示す上ヒンジ3および下ヒンジ4を中心とする回転に伴い、枠側配線171が配線孔173を前後に移動すれば、上記コネクタ172と枠側内部コネクタ93との接続は外しても外さなくてもよい。枠側配線171は、盤側配線51と同じように可撓性配線で構成されてもよい。174は遊技盤8に設けられた外ガイドレール、175は遊技盤8に設けられた内ガイドレール、176は遊技盤8に設けられた球発射通路、177は遊技盤8に設けられた遊技領域である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
盤側電気接続構造体18は、コネクタ取付部143に、コネクタ取付部143の裏面と平行な縦横方向に移動可能に取り付けてもよい。この場合、枠側電気接続構造体10は、コネクタ取付部65に固定しても最良の形態のように縦横方向に移動可能に設けてもよい。枠側取付構造体1の最大開き角度θ1は、45度に限定されるものではなく、図7のb図に示すように、枠側取付構造体1が上ヒンジ3および下ヒンジ4を中心として前側に回転した場合、枠側取付構造体1が前側に開かれた前扉9と衝突しないで、遊技盤8を可動枠6の前側から取り付けたり取り外したりする操作が可能な範囲であればよい。その範囲は、例えば、40度から80度の範囲であろう。図3において、支柱107をコネクタ取付部65に設け、可動用孔110を枠側コネクタ容器92に設けて、支柱107の外径と可動用孔110の口径との差の範囲によって、枠側電気接続構造体10をコネクタ取付部65の前面と平行な方向に自由に移動してもよい。図10において、盤側電気接続構造体18をコネクタ取付部143から後側に直角に折り曲げた縦壁170に当該縦壁170における壁面と平行な縦横方向に移動可能に取り付けてもよい。縦壁170における壁面は、コネクタ取付部143の裏面と直角になる面である。この場合、縦壁170が図10に示すコネクタ取付部143に代る部分となるように図10に示す形態より縦長に形成し、図3の支柱107を縦壁170または盤側コネクタ容器157の一方に設け、図3の可動用孔110を縦壁170または盤側コネクタ容器157の他方に設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】遊技機枠と遊技盤とを示す分解斜視図(最良の形態)。
【図2】枠側取付構造体を示し、a図は前側からの斜視図、b図は裏側からの斜視図(最良の形態)。
【図3】枠側電気接続構造体の取付構造を示す斜視図(最良の形態)。
【図4】枠側電気接続構造体の組立構造を示す縦断面図(最良の形態)。
【図5】上ヒンジの取付構造を示し、a図は分解斜視図、b図は組立斜視図(最良の形態)。
【図6】下ヒンジの取付構造を示し、a図は分解斜視図、b図は組立斜視図(最良の形態)。
【図7】a図は枠側構造躯体の上部が可動枠の前側に開放された構造の前側からの斜視図、b図はa図のB−B線断面図(最良の形態)。
【図8】盤側取付構造体を示し、a図は前側からの斜視図、b図は裏側からの斜視図(最良の形態)。
【図9】盤側取付構造体を備えた遊技盤の裏側からの斜視図(最良の形態)。
【図10】盤側電気接続構造体の取付構造を裏側から示す斜視図(最良の形態)。
【図11】嵌合確認機構の作用を示す模式図(最良の形態)。
【図12】遊技盤を盤収納室に取り付け扉を閉じた平面的な断面図(最良の形態)。
【符号の説明】
【0045】
1 枠側取付構造体
2 盤側取付構造体
3 上ヒンジ
4 下ヒンジ
5 遊技機枠
6 可動枠
7 盤収納室
8 遊技盤
10 枠側電気接続構造体
11 開度保持部
12 開度保持部
14 上滑走係合部
15 下滑走係合部
16 上滑走係合部
17 下滑走係合部
18 盤側電気接続構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠側電気接続構造体が枠側取付構造体の枠側コネクタ取付部と平行な縦横方向に移動可能に取り付けられるか、または、盤側電気接続構造体が盤側取付構造体の盤側コネクタ取付部と平行な縦横方向に移動可能に取り付けられ、枠側取付構造体が可動枠の左側部に回転可能に取り付けられ、盤側取付構造体が遊技盤の左側部に固定的に設けられ、枠側取付構造体が可動枠の盤収納室の内部からの可動枠の前側に横方向に回転された状態において、遊技盤が取り付けられる場合、盤側取付構造体の上部に位置する上滑走係合部が枠側取付構造体の上部に位置する上滑走係合部に嵌め込まれ、盤側取付構造体の下部に位置する下滑走係合部が枠側取付構造体の下部に位置する下滑走係合部に嵌め込まれた後、遊技盤の左側部が枠側取付構造体の方向に直線的に押し込まれることによって、盤側取付構造体が枠側取付構造体に嵌め合わせて取り付けられたことを特徴とするパチンコ機の遊技盤取付装置。
【請求項2】
枠側電気接続構造体が役割分担した枠側内部コネクタおよび枠側外部コネクタを備えるか、または、盤側電気接続構造体が役割分担した盤側内部コネクタおよび盤側外部コネクタを備えたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の遊技盤取付装置。
【請求項3】
枠側電気接続構造体が枠側位置決め部を備え、盤側電気接続構造体が枠側位置決め部に嵌め込まれる盤側位置決め部を備えたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の遊技盤取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−247230(P2006−247230A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70323(P2005−70323)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】