パチンコ球カウンターの取付構造
【課題】取り付け取り外しが容易で球流通経路を流れるパチンコ球の数を必要に応じて計数できるようにするパチンコ球カウンターの取付構造を提供する。
【解決手段】パチンコ球が流下する球流通経路4と、カウンター本体30と、該カウンター本体30を球流通経路4の側壁外側に着脱自在に固定する固定手段50とからなり、球流通経路4は側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅がパチンコ球の直径よりも小さい窓孔20が形成され、カウンター本体30はケース体34の一側からスプロケット35の爪先36が突出するように該スプロケット35が該ケース体34内に回転自在に軸支されているとともに該スプロケット35の回転数を電気信号として出力する信号出力手段を備え、前記固定手段50により爪先36を窓孔20から球流通経路4中に突出させた状態でカウンター本体30が球流通経路4の側壁外側に固定されるようにした。
【解決手段】パチンコ球が流下する球流通経路4と、カウンター本体30と、該カウンター本体30を球流通経路4の側壁外側に着脱自在に固定する固定手段50とからなり、球流通経路4は側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅がパチンコ球の直径よりも小さい窓孔20が形成され、カウンター本体30はケース体34の一側からスプロケット35の爪先36が突出するように該スプロケット35が該ケース体34内に回転自在に軸支されているとともに該スプロケット35の回転数を電気信号として出力する信号出力手段を備え、前記固定手段50により爪先36を窓孔20から球流通経路4中に突出させた状態でカウンター本体30が球流通経路4の側壁外側に固定されるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球流通経路に取り付けることにより、該経路を流れるパチンコ球の数を計数し得るようにするパチンコ球カウンターの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技店の島台にある球供給樋から各パチンコ機の景品球タンクにパチンコ球を補給するために設けられている球補給装置には、従来から下記特許文献1、2等に示されたように、必要に応じてパチンコ球カウンターが取り付けられ、該カウンターから出力される電気信号によって各パチンコ機に補給されたパチンコ球の数が遊技中常に計数され、各パチンコ機の稼働状況を把握したり、不正行為を防止するのに役立つようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−265518号公報
【特許文献2】特開平7−265534号公報
【特許文献3】特許第4433806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のパチンコ球カウンターは、この特許文献1、2にも示されたように、スプロケットが収納されたケース体の一側に管状の球通路部が一体に形成され、該スプロケットの爪先を該球通路部に突出させてなるものであった。一方、球補給装置の一部にこのパチンコ球カウンターをセットするためのカウンター設置用スペースが形成され、該設置用スペースにはパチンコ球カウンターの上記球通路部の上端開口に相対する球入口と上記球通路部の下端開口に相対する球出口が上下に相対するように形成されていて、これらを合致させるようにパチンコ球カウンターをこのスペースにセットすることにより、パチンコ球を計数し得るようにするものであった。
このため、パチンコ球カウンターをセットしない場合(遊技店側の要望等によりパチンコ球カウンターが必要でない場合)には、この設置用スペースにアダプター(一側に球通路部が形成された空箱状の部材)をセットすることで、この取付スペースからパチンコ球が外にこぼれ出ることのないようにしていた。
【0005】
このため、従来のパチンコ球カウンターの取付構造では、パチンコ球カウンターの要・不要に拘わりなく、設置用スペースを確保する必要があるので、嵩張り、他の装置の邪魔になり易いという問題があり、しかも該設置用スペースにパチンコ球カウンターをセットしない場合に備えて上記のようなアダプターを別部品として予め用意しておく必要があるので、コストを上昇させる要因が大きいという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献3の図1に、島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器の球出口にパチンコ球カウンターを設けた例が示されているが、このようなスペースにパチンコ球カウンターをセットするためには球供給樋とパチンコ機との間にパチンコ球が自重で流下し得る十分な落差がなければならないので、多数のパチンコ機が横並びに設置される島台では球供給樋を高く設置しないと下流のパチンコ機に対してもパチンコ球カウンターをセットし得る落差が確保できなくなるなど、パチンコ球カウンターをセットすることが球補給システム全体に影響を及ぼすことがあった。
本発明はこのような問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造は、パチンコ球が流下する球流通経路と、カウンター本体と、該カウンター本体を前記球流通経路の側壁外側に着脱自在に固定する固定手段とからなり、球流通経路は側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅がパチンコ球の直径よりも小さい窓孔が形成され、カウンター本体はケース体の一側からスプロケットの爪先が突出するように該スプロケットが該ケース体内に回転自在に軸支されているとともに該スプロケットの回転数を電気信号として出力する信号出力手段を備え、前記固定手段により前記爪先を前記窓孔から前記球流通経路中に突出させた状態でカウンター本体が球流通経路の側壁外側に固定されるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、上記球流通経路がパチンコ球を島台の球供給樋からパチンコ機の球補給装置に供給するために該球補給装置の球入口に設けられた球流通経路であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、上記球流通経路が島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器の底面に形成された傾斜状の球流通経路であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、上記球流通経路がパチンコ機から排出されたアウト球を受けるために島台に設けられたアウト球受器の球排出経路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、球流通経路を流れるパチンコ球の数が必要に応じて計数できるようになるとともに、計数が不要な場合にカウンター本体を球流通経路から外しても球こぼれすることなく、球こぼれ防止のためのアダプター等が不要であるので、取り付け取り外しが容易であると同時にコストも軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ遊技店における島台の背面図。
【図2】本発明の実施形態を示す球流通経路とカウンター本体との分解斜視図。
【図3】本発明の実施形態を示すカウンター本体の縦断面図。
【図4】本発明の実施形態を示す球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の斜視図。
【図5】図4の縦断面図。
【図6】図5のA−A線断面矢視図。
【図7】本発明の実施形態を示す球補給装置に球流通経路を設けた状態の斜視図。
【図8】図7の球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の斜視図。
【図9】本発明の実施形態を示す球流通経路の斜視図。
【図10】図9の球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の正面図。
【図11】島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器にカウンター本体を取り付けた状態の縦断面図。
【図12】アウト球受器にカウンター本体を取り付けた状態の正面図。
【図13】アウト球受器の球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の実施形態を図面に従い説明する。図1は本発明に係るパチンコ球カウンターが設けられる箇所を例示するための島台の背面図で、1は球供給樋、2はパチンコ機、3は球補給装置、4は該球補給装置3の球入口に回転自在に設けられたL字状の球流通経路、5は該球供給樋1から該球補給装置3にパチンコ球を自重で流下させて供給するために球供給樋1と球流通経路4とを繋いでいるフレキシブルなコイルバネ状のホースである。なお、6は球補給装置3を取り付けるために島台の背面に水平に設けられた取付レール、7はその取付用治具を示す。
【0012】
図2に示したように、球流通経路4は、一対の半割筒状部材10a,10bをそれぞれプラスチックにより成形し、その外周縁数箇所に一体に成形されたフランジ部11にビス12を貫挿することによりパチンコ球が一列にて流通し得るL字状に折れ曲がった管状の経路である。該球流通経路4の下方折曲部の先端部13の外周に球補給装置3の球入口に回転自在に嵌挿されるように2条のリング14,14が一体に形成されている。また、図5にも示されるように、該球流通経路4の上端部15は上記ホース5を挿し込み得るように太径に形成されている。また該上端部15の下側の隣接部16は該上端部15よりもやや細径に形成され、やや細径のホースは該隣接部16に挿し込み得るようにすることで、直径の異なる2種類のコイルバネ状ホースに対応し得るようにしている。なお、上端部15および隣接部16の内周面にはそれぞれ該ホースに係合し抜け止めとなるように筋状突起17,18が一体に形成されている。
【0013】
また、半割筒状部材10a,10bの互いの接合縁の一部に切欠を形成することにより、球流通経路4の側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅wをパチンコ球の直径よりも小さくした窓孔20が形成される。また、該窓孔20の周縁に外方に突出する起立縁21が一体に成形される。なお、該窓孔20が形成された部分の該球流通経路4の周囲に2条のリング22,22が一体に形成される。
【0014】
一方、カウンター本体30は、一対の略正方形状の半割状部材31a,31bをそれぞれプラスチックにより成形し、その外周縁数箇所に一体に成形されたフランジ部32にビス33を貫挿して半割状部材31a,31bを合着することにより、略正方形状のケース体34を形成し、図3に示されるように、該ケース体34内に支軸37を設けてスプロケット35を回転自在に軸支し、該スプロケット35の爪先36を該ケース体34の一側に形成された開口38から外に突出させている。スプロケット35はプラスチック製で一側面に隔壁40によって区画された円筒状の室39が形成され該室39内に磁石41が揺動自在に収容されている。また、42はケース体34の内面に固着された信号出力手段たるリードスイッチ、43は該リードスイッチから離してケース体34の内面に固着された固定磁石である。このため、スプロケット35が回転すると、磁石41も回転し、該磁石41がリードスイッチ42に接離することにより該リードスイッチ42の接点を開閉させ、該スプロケット35の回転数が電気信号として出力される。なお、固定磁石43はスプロケット35の回転途中における磁石41によるリードスイッチ42のチャタリングを防止するために設けられている。また、44は該スプロケット35の空回りを防ぐためのガンギで、枢軸45によって支持された該ガンギ44の一端に鉤部46が形成され、他端に重錘47が設けられ、該鉤部46と重錘47部とがスプロケット35に交互に係合することで該スプロケット35の空回りが防止され、パチンコ球を正確に計数し得るようにしている。なお、48はソレノイドで、該ソレノイドを励磁し、そのスピンドル49によってガンギ44を制動することによりスプロケット35が回転しないようにすることができる。
【0015】
また、カウンター本体30には該カウンター本体30を球流通経路4の外周に着脱自在に固定する固定手段50が設けられる。該固定手段50は、前記した2条のリング22,22の間隔に等しい幅寸法の幅広帯状であって該球流通経路4の外周面に合致する曲率の円弧状に形成されたプラスチック製の一対の固定バンド51,52がケース体34における前記開口37の両側縁にそれぞれ形成され、該固定バンド51の先端部にはさらに固定バンド53が枢着され、該固定バンド53の先端と固定バンド52の先端に互いに係合し得る係合片54,55が形成され、該固定バンド51,52,53をリング22,22間の球流通経路4の外周に巻着し、該係合片54,55を係合することにより、カウンター本体30が該球流通経路4に固定されるようしている。なお、この固定時に前記起立縁21をケース体34の開口37内に嵌合させることにより、正確な位置決めがなされ、カウンター本体30を球流通経路4にズレなく固定することができる。
【0016】
このようにカウンター本体30を球流通経路4に固定することにより、スプロケット35の爪先36が窓孔20から球流通経路4内に突出する。このため、該球流通経路4を流下するパチンコ球が一個ずつ該スプロケット35の爪先36に当たって流下し、該スプロケット35を回転させ、該スプロケット35の回転が前記リードスイッチ42を開閉させることから、該球流通経路4を流下するパチンコ球の数が電気信号として出力され計数される。また、ソレノイド48を励磁させスプロケット35の回転を停止させたときはパチンコ球の流下が止められる。
【0017】
なお、窓孔20の内幅wはパチンコ球の直径よりも小さいので、カウンター本体30を取り外しても該開口20からパチンコ球がこぼれ出すおそれはない。このためパチンコ球の計数が不要な場合もカウンター本体30に代えてアダプターのようなものを取り付ける必要がない。このように本発明では、カウンター本体30は必要に応じて簡単に取り付け取り外しできるので、アダプター等のコストが軽減されると同時に使い勝手が向上する。また、営業中にカウンター本体30の計数不良(故障)が確認され、該カウンター本体を交換する必要が生じた場合にも、本発明によれば容易に対処することができる。
【0018】
図7は、球流通経路4を球補給装置3に取り付けると共に、ホース5を該球流通経路4の上端部15に連結した状態を示す。球流通経路4の取付用治具7は、取付レール6に対し長手方向に摺動自在なるように遊嵌された摺動部材60と、該摺動部材60に対し上下にスライド可能に設けられた板状主部材62と、該板状主部材62の下縁部に前後方向に移動可能に設けられた棚状部材64とからなり、該棚状部材64に球補給装置3を支持している。61は取付レール6と摺動部材60と板状主部材62とを締め付けている蝶ナットで、該蝶ナット61を緩めることにより摺動部材60が左右に摺動自在となり位置調節可能になると同時に、板状主部材62が上下スライド可能になり高さが調節可能になる。また、63は板状主部材62と棚状部材64とを締め付けている蝶ナットで、該蝶ナット63を緩めることにより棚状部材64を前後方向に位置調節可能にする。
なお、65は該球補給装置3から下方に垂下している可動レバーで、該レバーにパチンコ機2の景品球タンクが当たることで、該レバーが後方に旋回し、該景品球タンクにパチンコ球が補給されるようになる。図8はこの球流通経路4に上述のようにカウンター本体30を取り付けた状態を示す。このようにカウンター本体30は、必要に応じて簡単に取り付け取り外しができるとともに、カウンター本体30が球流通経路4に直接固定されるので、従来のようにカウンター設置用のスペースを予め空けておく必要はなく、省スペース化が可能となる。
なお、図1に示したように、球流通経路4は鉛直姿勢でなく傾斜状にしてもパチンコ球の自重でスプロケット35を回転させられるので、カウンターを設置するために必要な落差が小さくてもよい。
【0019】
また、図9に示した球流通経路4は、エルボ部4aと直菅部4bとからなり、エルボ部4aの一端に太径に形成された継手部4c中に直菅部4bの端部を回転自在に挿入してなる回転自在継手を介して該エルボ部4aと直菅部4bとを連接してなるもので、その他の構成は図2等に示した上記実施形態と同様であるので、同一部分に対して同一符号を付すことで説明を省略する。この球流通経路4は、エルボ部4aと直菅部4bとがそれぞれ回転自在であることから、図10に使用状態を示したように、直菅部4bを傾斜させると同時に、開口20を上向きにし直菅部4bの傾斜上壁面にカウンター本体30が位置するような姿勢にすることができる。このため、島台の奥行きが狭くても嵩張ることなくカウンター本体30を取り付けることができるとともに、開口20が上部に位置させることにより、パチンコ球に付着して持ち込まれる塵が該開口20からカウンター本体30内に入って動作不良を起こすようなことを防止できる。
【0020】
なお、この実施形態ではカウンター本体30の固定手段として固定バンド51,52,53からなるものを示したが、例えばケース体34に一対の弾性爪(図示せず)を一体に形成し、該弾性爪を球流通経路4の外周に係脱させることでカウンター本体30を球流通経路4に着脱できるようにしてもよい。或いは、ビス、クランプ等の周知の固定手段を使用してもよく、要するに、本発明はこの実施形態に示したような固定手段に限られない。
【0021】
また、この実施形態は球補給装置3にパチンコ球を供給する球流通経路4について説明したが、本発明はこの実施形態に示した球補給装置3に限らず、パチンコ球を流通させるための他の経路にも適用できる。
ちなみに図11に示した実施形態は、島台の球供給樋1に設けられたパチンコ球分流整列器70の底面に形成された傾斜状の球流通経路71に対し下側からカウンター本体30を取り付けた状態を示す。また、図12に示した実施形態は、パチンコ機の背後に配置されたアウト球受器80の傾斜状の球流通経路81に対し下側からカウンター本体30を取り付けることによりアウト球を計数し得るようにしたものである。また、図13に示した実施形態は、同じくアウト球受器80の球排出口にあたる球排出経路82にカウンター本体30を取り付けることによりアウト球を計数し得るようにしたものである。このように本発明では必要に応じてカウンター本体30を簡単に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0022】
1 球供給樋
2 パチンコ機
3 球補給装置
4 球流通経路
5 ホース
20 窓孔
30 カウンター本体
34 ケース体
35 スプロケット
36 爪先
42 リードスイッチ
50 固定手段
w 内幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、球流通経路に取り付けることにより、該経路を流れるパチンコ球の数を計数し得るようにするパチンコ球カウンターの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技店の島台にある球供給樋から各パチンコ機の景品球タンクにパチンコ球を補給するために設けられている球補給装置には、従来から下記特許文献1、2等に示されたように、必要に応じてパチンコ球カウンターが取り付けられ、該カウンターから出力される電気信号によって各パチンコ機に補給されたパチンコ球の数が遊技中常に計数され、各パチンコ機の稼働状況を把握したり、不正行為を防止するのに役立つようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−265518号公報
【特許文献2】特開平7−265534号公報
【特許文献3】特許第4433806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のパチンコ球カウンターは、この特許文献1、2にも示されたように、スプロケットが収納されたケース体の一側に管状の球通路部が一体に形成され、該スプロケットの爪先を該球通路部に突出させてなるものであった。一方、球補給装置の一部にこのパチンコ球カウンターをセットするためのカウンター設置用スペースが形成され、該設置用スペースにはパチンコ球カウンターの上記球通路部の上端開口に相対する球入口と上記球通路部の下端開口に相対する球出口が上下に相対するように形成されていて、これらを合致させるようにパチンコ球カウンターをこのスペースにセットすることにより、パチンコ球を計数し得るようにするものであった。
このため、パチンコ球カウンターをセットしない場合(遊技店側の要望等によりパチンコ球カウンターが必要でない場合)には、この設置用スペースにアダプター(一側に球通路部が形成された空箱状の部材)をセットすることで、この取付スペースからパチンコ球が外にこぼれ出ることのないようにしていた。
【0005】
このため、従来のパチンコ球カウンターの取付構造では、パチンコ球カウンターの要・不要に拘わりなく、設置用スペースを確保する必要があるので、嵩張り、他の装置の邪魔になり易いという問題があり、しかも該設置用スペースにパチンコ球カウンターをセットしない場合に備えて上記のようなアダプターを別部品として予め用意しておく必要があるので、コストを上昇させる要因が大きいという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献3の図1に、島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器の球出口にパチンコ球カウンターを設けた例が示されているが、このようなスペースにパチンコ球カウンターをセットするためには球供給樋とパチンコ機との間にパチンコ球が自重で流下し得る十分な落差がなければならないので、多数のパチンコ機が横並びに設置される島台では球供給樋を高く設置しないと下流のパチンコ機に対してもパチンコ球カウンターをセットし得る落差が確保できなくなるなど、パチンコ球カウンターをセットすることが球補給システム全体に影響を及ぼすことがあった。
本発明はこのような問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造は、パチンコ球が流下する球流通経路と、カウンター本体と、該カウンター本体を前記球流通経路の側壁外側に着脱自在に固定する固定手段とからなり、球流通経路は側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅がパチンコ球の直径よりも小さい窓孔が形成され、カウンター本体はケース体の一側からスプロケットの爪先が突出するように該スプロケットが該ケース体内に回転自在に軸支されているとともに該スプロケットの回転数を電気信号として出力する信号出力手段を備え、前記固定手段により前記爪先を前記窓孔から前記球流通経路中に突出させた状態でカウンター本体が球流通経路の側壁外側に固定されるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、上記球流通経路がパチンコ球を島台の球供給樋からパチンコ機の球補給装置に供給するために該球補給装置の球入口に設けられた球流通経路であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、上記球流通経路が島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器の底面に形成された傾斜状の球流通経路であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、上記球流通経路がパチンコ機から排出されたアウト球を受けるために島台に設けられたアウト球受器の球排出経路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、球流通経路を流れるパチンコ球の数が必要に応じて計数できるようになるとともに、計数が不要な場合にカウンター本体を球流通経路から外しても球こぼれすることなく、球こぼれ防止のためのアダプター等が不要であるので、取り付け取り外しが容易であると同時にコストも軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ遊技店における島台の背面図。
【図2】本発明の実施形態を示す球流通経路とカウンター本体との分解斜視図。
【図3】本発明の実施形態を示すカウンター本体の縦断面図。
【図4】本発明の実施形態を示す球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の斜視図。
【図5】図4の縦断面図。
【図6】図5のA−A線断面矢視図。
【図7】本発明の実施形態を示す球補給装置に球流通経路を設けた状態の斜視図。
【図8】図7の球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の斜視図。
【図9】本発明の実施形態を示す球流通経路の斜視図。
【図10】図9の球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の正面図。
【図11】島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器にカウンター本体を取り付けた状態の縦断面図。
【図12】アウト球受器にカウンター本体を取り付けた状態の正面図。
【図13】アウト球受器の球流通経路にカウンター本体を取り付けた状態の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の実施形態を図面に従い説明する。図1は本発明に係るパチンコ球カウンターが設けられる箇所を例示するための島台の背面図で、1は球供給樋、2はパチンコ機、3は球補給装置、4は該球補給装置3の球入口に回転自在に設けられたL字状の球流通経路、5は該球供給樋1から該球補給装置3にパチンコ球を自重で流下させて供給するために球供給樋1と球流通経路4とを繋いでいるフレキシブルなコイルバネ状のホースである。なお、6は球補給装置3を取り付けるために島台の背面に水平に設けられた取付レール、7はその取付用治具を示す。
【0012】
図2に示したように、球流通経路4は、一対の半割筒状部材10a,10bをそれぞれプラスチックにより成形し、その外周縁数箇所に一体に成形されたフランジ部11にビス12を貫挿することによりパチンコ球が一列にて流通し得るL字状に折れ曲がった管状の経路である。該球流通経路4の下方折曲部の先端部13の外周に球補給装置3の球入口に回転自在に嵌挿されるように2条のリング14,14が一体に形成されている。また、図5にも示されるように、該球流通経路4の上端部15は上記ホース5を挿し込み得るように太径に形成されている。また該上端部15の下側の隣接部16は該上端部15よりもやや細径に形成され、やや細径のホースは該隣接部16に挿し込み得るようにすることで、直径の異なる2種類のコイルバネ状ホースに対応し得るようにしている。なお、上端部15および隣接部16の内周面にはそれぞれ該ホースに係合し抜け止めとなるように筋状突起17,18が一体に形成されている。
【0013】
また、半割筒状部材10a,10bの互いの接合縁の一部に切欠を形成することにより、球流通経路4の側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅wをパチンコ球の直径よりも小さくした窓孔20が形成される。また、該窓孔20の周縁に外方に突出する起立縁21が一体に成形される。なお、該窓孔20が形成された部分の該球流通経路4の周囲に2条のリング22,22が一体に形成される。
【0014】
一方、カウンター本体30は、一対の略正方形状の半割状部材31a,31bをそれぞれプラスチックにより成形し、その外周縁数箇所に一体に成形されたフランジ部32にビス33を貫挿して半割状部材31a,31bを合着することにより、略正方形状のケース体34を形成し、図3に示されるように、該ケース体34内に支軸37を設けてスプロケット35を回転自在に軸支し、該スプロケット35の爪先36を該ケース体34の一側に形成された開口38から外に突出させている。スプロケット35はプラスチック製で一側面に隔壁40によって区画された円筒状の室39が形成され該室39内に磁石41が揺動自在に収容されている。また、42はケース体34の内面に固着された信号出力手段たるリードスイッチ、43は該リードスイッチから離してケース体34の内面に固着された固定磁石である。このため、スプロケット35が回転すると、磁石41も回転し、該磁石41がリードスイッチ42に接離することにより該リードスイッチ42の接点を開閉させ、該スプロケット35の回転数が電気信号として出力される。なお、固定磁石43はスプロケット35の回転途中における磁石41によるリードスイッチ42のチャタリングを防止するために設けられている。また、44は該スプロケット35の空回りを防ぐためのガンギで、枢軸45によって支持された該ガンギ44の一端に鉤部46が形成され、他端に重錘47が設けられ、該鉤部46と重錘47部とがスプロケット35に交互に係合することで該スプロケット35の空回りが防止され、パチンコ球を正確に計数し得るようにしている。なお、48はソレノイドで、該ソレノイドを励磁し、そのスピンドル49によってガンギ44を制動することによりスプロケット35が回転しないようにすることができる。
【0015】
また、カウンター本体30には該カウンター本体30を球流通経路4の外周に着脱自在に固定する固定手段50が設けられる。該固定手段50は、前記した2条のリング22,22の間隔に等しい幅寸法の幅広帯状であって該球流通経路4の外周面に合致する曲率の円弧状に形成されたプラスチック製の一対の固定バンド51,52がケース体34における前記開口37の両側縁にそれぞれ形成され、該固定バンド51の先端部にはさらに固定バンド53が枢着され、該固定バンド53の先端と固定バンド52の先端に互いに係合し得る係合片54,55が形成され、該固定バンド51,52,53をリング22,22間の球流通経路4の外周に巻着し、該係合片54,55を係合することにより、カウンター本体30が該球流通経路4に固定されるようしている。なお、この固定時に前記起立縁21をケース体34の開口37内に嵌合させることにより、正確な位置決めがなされ、カウンター本体30を球流通経路4にズレなく固定することができる。
【0016】
このようにカウンター本体30を球流通経路4に固定することにより、スプロケット35の爪先36が窓孔20から球流通経路4内に突出する。このため、該球流通経路4を流下するパチンコ球が一個ずつ該スプロケット35の爪先36に当たって流下し、該スプロケット35を回転させ、該スプロケット35の回転が前記リードスイッチ42を開閉させることから、該球流通経路4を流下するパチンコ球の数が電気信号として出力され計数される。また、ソレノイド48を励磁させスプロケット35の回転を停止させたときはパチンコ球の流下が止められる。
【0017】
なお、窓孔20の内幅wはパチンコ球の直径よりも小さいので、カウンター本体30を取り外しても該開口20からパチンコ球がこぼれ出すおそれはない。このためパチンコ球の計数が不要な場合もカウンター本体30に代えてアダプターのようなものを取り付ける必要がない。このように本発明では、カウンター本体30は必要に応じて簡単に取り付け取り外しできるので、アダプター等のコストが軽減されると同時に使い勝手が向上する。また、営業中にカウンター本体30の計数不良(故障)が確認され、該カウンター本体を交換する必要が生じた場合にも、本発明によれば容易に対処することができる。
【0018】
図7は、球流通経路4を球補給装置3に取り付けると共に、ホース5を該球流通経路4の上端部15に連結した状態を示す。球流通経路4の取付用治具7は、取付レール6に対し長手方向に摺動自在なるように遊嵌された摺動部材60と、該摺動部材60に対し上下にスライド可能に設けられた板状主部材62と、該板状主部材62の下縁部に前後方向に移動可能に設けられた棚状部材64とからなり、該棚状部材64に球補給装置3を支持している。61は取付レール6と摺動部材60と板状主部材62とを締め付けている蝶ナットで、該蝶ナット61を緩めることにより摺動部材60が左右に摺動自在となり位置調節可能になると同時に、板状主部材62が上下スライド可能になり高さが調節可能になる。また、63は板状主部材62と棚状部材64とを締め付けている蝶ナットで、該蝶ナット63を緩めることにより棚状部材64を前後方向に位置調節可能にする。
なお、65は該球補給装置3から下方に垂下している可動レバーで、該レバーにパチンコ機2の景品球タンクが当たることで、該レバーが後方に旋回し、該景品球タンクにパチンコ球が補給されるようになる。図8はこの球流通経路4に上述のようにカウンター本体30を取り付けた状態を示す。このようにカウンター本体30は、必要に応じて簡単に取り付け取り外しができるとともに、カウンター本体30が球流通経路4に直接固定されるので、従来のようにカウンター設置用のスペースを予め空けておく必要はなく、省スペース化が可能となる。
なお、図1に示したように、球流通経路4は鉛直姿勢でなく傾斜状にしてもパチンコ球の自重でスプロケット35を回転させられるので、カウンターを設置するために必要な落差が小さくてもよい。
【0019】
また、図9に示した球流通経路4は、エルボ部4aと直菅部4bとからなり、エルボ部4aの一端に太径に形成された継手部4c中に直菅部4bの端部を回転自在に挿入してなる回転自在継手を介して該エルボ部4aと直菅部4bとを連接してなるもので、その他の構成は図2等に示した上記実施形態と同様であるので、同一部分に対して同一符号を付すことで説明を省略する。この球流通経路4は、エルボ部4aと直菅部4bとがそれぞれ回転自在であることから、図10に使用状態を示したように、直菅部4bを傾斜させると同時に、開口20を上向きにし直菅部4bの傾斜上壁面にカウンター本体30が位置するような姿勢にすることができる。このため、島台の奥行きが狭くても嵩張ることなくカウンター本体30を取り付けることができるとともに、開口20が上部に位置させることにより、パチンコ球に付着して持ち込まれる塵が該開口20からカウンター本体30内に入って動作不良を起こすようなことを防止できる。
【0020】
なお、この実施形態ではカウンター本体30の固定手段として固定バンド51,52,53からなるものを示したが、例えばケース体34に一対の弾性爪(図示せず)を一体に形成し、該弾性爪を球流通経路4の外周に係脱させることでカウンター本体30を球流通経路4に着脱できるようにしてもよい。或いは、ビス、クランプ等の周知の固定手段を使用してもよく、要するに、本発明はこの実施形態に示したような固定手段に限られない。
【0021】
また、この実施形態は球補給装置3にパチンコ球を供給する球流通経路4について説明したが、本発明はこの実施形態に示した球補給装置3に限らず、パチンコ球を流通させるための他の経路にも適用できる。
ちなみに図11に示した実施形態は、島台の球供給樋1に設けられたパチンコ球分流整列器70の底面に形成された傾斜状の球流通経路71に対し下側からカウンター本体30を取り付けた状態を示す。また、図12に示した実施形態は、パチンコ機の背後に配置されたアウト球受器80の傾斜状の球流通経路81に対し下側からカウンター本体30を取り付けることによりアウト球を計数し得るようにしたものである。また、図13に示した実施形態は、同じくアウト球受器80の球排出口にあたる球排出経路82にカウンター本体30を取り付けることによりアウト球を計数し得るようにしたものである。このように本発明では必要に応じてカウンター本体30を簡単に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0022】
1 球供給樋
2 パチンコ機
3 球補給装置
4 球流通経路
5 ホース
20 窓孔
30 カウンター本体
34 ケース体
35 スプロケット
36 爪先
42 リードスイッチ
50 固定手段
w 内幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ球が流下する球流通経路と、カウンター本体と、該カウンター本体を前記球流通経路の側壁外側に着脱自在に固定する固定手段とからなり、球流通経路は側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅がパチンコ球の直径よりも小さい窓孔が形成され、カウンター本体はケース体の一側からスプロケットの爪先が突出するように該スプロケットが該ケース体内に回転自在に軸支されているとともに該スプロケットの回転数を電気信号として出力する信号出力手段を備え、前記固定手段により前記爪先を前記窓孔から前記球流通経路中に突出させた状態でカウンター本体が球流通経路の側壁外側に固定されるようにしたことを特徴とするパチンコ球計数装置。
【請求項2】
球流通経路がパチンコ球を島台の球供給樋からパチンコ機の球補給装置に供給するために該球補給装置の球入口に設けられた球流通経路であることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造。
【請求項3】
球流通経路が島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器の底面に形成された傾斜状の球流通経路であることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造。
【請求項4】
球流通経路がパチンコ機から排出されたアウト球を受けるために島台に設けられたアウト球受器の球排出経路であることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造。
【請求項1】
パチンコ球が流下する球流通経路と、カウンター本体と、該カウンター本体を前記球流通経路の側壁外側に着脱自在に固定する固定手段とからなり、球流通経路は側壁にパチンコ球流下方向に長い縦長状であって内幅がパチンコ球の直径よりも小さい窓孔が形成され、カウンター本体はケース体の一側からスプロケットの爪先が突出するように該スプロケットが該ケース体内に回転自在に軸支されているとともに該スプロケットの回転数を電気信号として出力する信号出力手段を備え、前記固定手段により前記爪先を前記窓孔から前記球流通経路中に突出させた状態でカウンター本体が球流通経路の側壁外側に固定されるようにしたことを特徴とするパチンコ球計数装置。
【請求項2】
球流通経路がパチンコ球を島台の球供給樋からパチンコ機の球補給装置に供給するために該球補給装置の球入口に設けられた球流通経路であることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造。
【請求項3】
球流通経路が島台の球供給樋に設けられたパチンコ球分流整列器の底面に形成された傾斜状の球流通経路であることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造。
【請求項4】
球流通経路がパチンコ機から排出されたアウト球を受けるために島台に設けられたアウト球受器の球排出経路であることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球カウンターの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−65973(P2012−65973A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215098(P2010−215098)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(593187010)株式会社中京遊技 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(593187010)株式会社中京遊技 (16)
【Fターム(参考)】
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