説明

パチンコ遊技機

【課題】入賞口装置において、開閉式の可変入賞口へ遊技球をガイドするガイド壁に、そのガイド機能を妨げる入賞障害部を設けて、可変入賞口への遊技球の入賞率を適当に調節することができる、パチンコ遊技機を提供すること。
【解決手段】可変入賞口11bと、この可変入賞口11bを開閉する開閉部材11cと、この開閉部材11cを開閉駆動する開閉駆動機構70とを備えた入賞口装置11を遊技盤に装備したパチンコ遊技機1において、入賞口装置11は、開位置の開閉部材11cの上側に設けられ遊技球を可変入賞口へガイドするガイド壁54a,54bと、このガイド壁54a,54bにそのガイド機能を妨げるように設けられた入賞障害部55a,55bとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ遊技機に関し、特に、開閉式の可変入賞口へ遊技球をガイドするガイド壁に、そのガイド機能を妨げる入賞障害部を設けた入賞口装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くのパチンコ遊技機には、所謂電チューを含む入賞口装置が遊技盤に装備され、その入賞口装置は、開閉式の可変入賞口と、この可変入賞口を開閉する左右1対の開閉部材と、この1対の開閉部材を開閉駆動する開閉駆動機構とを備えている。
【0003】
近年主流のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入賞により行われる大当り抽選で当選した場合、開閉式の大入賞口が複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技状態が発生する。ここで、始動口として開閉式の可変始動口を有する始動口装置を、前記入賞口装置と同構造として遊技盤に装備したものが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この始動口装置では、ゲートへの遊技球の入賞により行われる当り抽選で当選した場合、可変始動口が1又は複数回開閉する。可変始動口が開放した場合に閉塞した場合よりも、可変始動口に遊技球が入賞し易くなるが、更に、特定の遊技状態では、他の遊技状態よりも、可変始動口の開閉頻度を高く、また、開放時間を長くして、遊技性が高められる。
【0005】
また、始動口装置において、特許文献1のように、可変始動口の直ぐ上側に固定始動口を設けて多機能にしたものが周知であり、この固定始動口、可変始動口、開閉部材、開閉駆動機構をユニット化して、始動口装置を構成することも一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−296132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、始動口等の入賞口への遊技球の入賞率を適当に調整するために、入賞口の入口付近に少なくとも1対の調整釘(障害釘)を設けており、遊技ホ―ル側も、これら調整釘の傾きを調整して入賞率を微調整することができる。しかし、可変始動口の入口付近に1対の調整釘を設けた場合、それら調整釘の間や、調整釘と開閉部材との間に遊技球が引っ掛かる球詰まりが発生する可能性が高くなる。そして、始動口装置や調整釘の遊技盤への組付け負荷が増大する虞もある。
【0008】
また、始動口装置の構成によって、入賞率を適当に調整できる位置に調整釘を配置できない場合がある。特許文献1のような始動口装置では、可変始動口の入口付近に1対の調整釘(障害釘)を設けることが可能であるが、上記課題が発生するうえ、この1対の調整釘によって、始動口装置を構成する上で制約を受けてしまう(つまり、始動口装置の構成の自由度が制限される)。また、1対の調整釘を設けることで、遊技者に可変始動口に遊技球が入りにくいという悪い印象も与えかねない。
【0009】
本発明の目的は、入賞口装置において、開閉式の可変入賞口へ遊技球をガイドするガイド壁に、そのガイド機能を妨げる入賞障害部を設けて、可変入賞口への遊技球の入賞率を適当に調節することができる、パチンコ遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、可変入賞口(11b)と、この可変入賞口(11b)を開閉する開閉部材(11c)と、この開閉部材(11c)を開閉駆動する開閉駆動機構(70)とを備えた入賞口装置(11)を遊技盤(4)に装備したパチンコ遊技機(1)において、前記入賞口装置(11)は、開位置の開閉部材(11c)の上側に設けられ遊技球を可変入賞口(11b)へガイドするガイド壁(54a),(54b)と、このガイド壁(54a),(54b)にそのガイド機能を妨げるように設けられた入賞障害部(55a),(55b)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ガイド壁(54a),(54b)は、下方ほど可変入賞口(11b)の中心を通る鉛直線に近づくように傾斜していることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記入賞障害部(55a),(55b)は、開位置の開閉部材(11c)の上面と直交し且つ開閉部材(11c)の先端を通る直線の近傍に配置されたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記入賞障害部(55a),(55b)は、ガイド壁(54a),(54b)の長さ方向途中部にガイド壁(54a),(54b)から外部へ突出するように形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記入賞障害部(55a),(55b)は、ガイド壁(54a),(54b)の長さ方向途中部に形成された凹部からなることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記可変入賞口(11b)は遊技球の入賞により大当り抽選がなされる可変始動口(11b)であることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記入賞口装置(11)は、可変始動口(11b)の上方に設けられた固定始動口(11a)と、固定始動口(11a)と可変始動口(11b)との間に設けられた始動口電飾部(50)とを備え、前記始動口電飾部(50)の側面にガイド壁(54a),(54b)が形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記入賞口装置(11)が、固定始動口(11a)、可変始動口(11b)、開閉部材(11c)、開閉駆動機構(70)、始動口電飾部(50)をユニット化して構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1のパチンコ遊技機によれば、入賞口装置において、開位置の開閉部材の上側にガイド壁を設けたので、そのガイド壁により遊技球を可変入賞口へガイドすることができ、しかし、このままでは可変入賞口への遊技球の入賞率が高くなり過ぎるところ、ガイド壁に入賞障害部を設けたことで、その入賞障害部によりガイド壁のガイド機能を妨げて、可変入賞口への遊技球の入賞率を適当に調整することができる。
【0019】
請求項2のパチンコ遊技機によれば、ガイド壁は、下方ほど可変入賞口の中心を通る鉛直線に近づくように傾斜しているので、そのガイド壁により遊技球を可変入賞口へ確実にガイドすることができる。
【0020】
請求項3のパチンコ遊技機によれば、入賞障害部は、開位置の開閉部材の上面と直交し且つ開閉部材の先端を通る直線の近傍に配置されたので、可変入賞口への遊技球の入賞率を所望の入賞率に調整できるようになる。
【0021】
請求項4のパチンコ遊技機によれば、入賞障害部は、ガイド壁の長さ方向途中部にガイド壁から外部へ突出するように形成されたので、その入賞障害部によりガイド壁のガイド機能を確実に妨げることができる。
【0022】
請求項5のパチンコ遊技機によれば、入賞障害部は、ガイド壁の長さ方向途中部に形成された凹部からなるので、請求項4と同様の効果を奏する。
【0023】
請求項6のパチンコ遊技機によれば、可変入賞口は遊技球の入賞により大当り抽選がなされる可変始動口であるので、遊技する上で重要なこの可変始動口への遊技球の入賞率を適当に調整することができる。
【0024】
請求項7のパチンコ遊技機によれば、入賞口装置は、可変始動口の上方に設けられた固定始動口と、固定始動口と可変始動口との間に設けられた始動口電飾部とを備え、始動口電飾部の側面にガイド壁が形成されたので、入賞口装置を多機能にし、そして、始動口電飾部の側面を利用してガイド壁を簡単に確実に設けることができる。
【0025】
請求項8のパチンコ遊技機によれば、入賞口装置が、固定始動口、可変始動口、開閉部材、開閉駆動機構、始動口電飾部をユニット化して構成されたので、この入賞口装置の組付け負荷を著しく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技盤の正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。
【図4】始動入賞口装置の正面図である
【図5】始動入賞口装置の正面側からの斜視図である。
【図6】始動入賞口装置の裏面側からの斜視図である。
【図7】始動入賞口装置の分解斜視図である。
【図8】第1の変更形態に係る始動入賞口装置の正面図である。
【図9】第2の変更形態に係る始動入賞口装置の正面図である。
【図10】第3の変更形態に係る始動入賞口装置の正面図である。
【図11】パチンコ遊技機の機能ブロック図である。
【図12】複数種類の遊技状態と各遊技状態からの移行先の遊技状態を示す図である。
【図13】遊技制御基板が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。
【図14】始動口SW処理のフローチャートである。
【図15】第1先読み演出実行判定処理のフローチャートである。
【図16】第2先読み演出実行判定処理のフローチャートである。
【図17】特別図柄処理のフローチャートである。
【図18】電チュー処理のフローチャートである。
【図19】演出制御基板が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。
【図20】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図21】先読み電飾処理のフローチャートである。
【図22】変動電飾処理のフローチャートである。
【図23】入賞電飾処理のフローチャートである。
【図24】リセット電飾処理のフローチャートである。
【図25】入賞点灯パターンの選択に用いるテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のパチンコ遊技機は、可変入賞口と、この可変入賞口を開閉する開閉部材と、この開閉部材を開閉駆動する開閉駆動機構とを備えた入賞口装置を遊技盤に装備し、入賞口装置は、開位置の開閉部材の上側に設けられ遊技球を可変入賞口へガイドするガイド壁と、このガイド壁にそのガイド機能を妨げるように設けられた入賞障害部と、を備えたものである。以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1,図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールに取付けられる外枠に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉枠2には遊技盤4が装着され、その遊技盤4の前面側に遊技領域5が形成されている。開閉扉3には窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着され、その透明板3bにより遊技領域5の前側が覆われている。
【0029】
開閉扉3の窓3aの下側に、遊技球を貯留する貯留皿6、遊技領域5に遊技球を発射させるために操作する発射ハンドル7、ボタン操作有効期間中に操作して遊技演出に参加可能な演出ボタン17が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿6から発射位置に導入された遊技球が発射され、ここで、貯留皿6に複数の遊技球が存在する場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域5の上部に投入される。
【0030】
図1〜図7に示すように、遊技盤4には、遊技領域5に、多数の障害釘10、本案特有の入賞口装置に相当する始動入賞口装置11、ゲート12、大入賞口装置13、複数の一般入賞口14、センタ役物15、画像表示器16が装着され、遊技領域5外に遊技表示盤18が装着され、遊技盤4の裏面側に制御装置20が装着されている。
【0031】
始動入賞口装置11は、センタ役物15の下側に配置され、所謂電チューを含む構成で、上側の第1始動入賞口11a、下側の第2始動入賞口11b、第2始動入賞口11bを開閉する開閉部材11c、始動入賞口11a,11bに入賞した遊技球を検出する第1,第2始動口SW11d,11e、開閉部材11cを開閉駆動する電チューSOL11fなどを有する。第1,第2始動入賞口11a,11bは、遊技球の入賞により大当り抽選がなされる始動口である。尚、SWはスイッチを意味し、SOLはソレノイドアクチュエータを意味する。始動入賞口装置11については、後で詳細に説明する。
【0032】
ゲート12は、センタ役物15の右部下側かつ始動入賞口装置11の右側に配置され、このゲート12を通過した遊技球を検出するゲートSW12aが付設されている。ゲート12を遊技球が通過することを契機に行われる当り(補助遊技)抽選で当選した場合に、補助遊技が発生し、始動入賞口装置11が作動して、通常は閉塞の第2始動入賞口11bが開放するように開閉部材11cを1又は複数回開閉動作させる。
【0033】
大入賞口装置13は、ゲート12の下側かつ始動入賞口装置11の右側に配置され、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。開閉部材13bは、その下端側の左右方向の軸回りに前後に回動するように構成され、閉塞位置で大入賞口13aへの遊技球の入賞を不可能にし、開放位置で大入賞口13aへの遊技球の入賞を可能にする。
【0034】
始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞を契機に行われる大当り抽選で当選した場合に、大当り遊技が発生し、大入賞口装置13が作動して、通常は閉塞の大入賞口13aが開放するように開閉部材13bを複数ラウンドに亙って開閉動作させる。各一般入賞口14には入賞した遊技球を検出する一般入賞口SW14aが付設されている。
【0035】
画像表示器16は、液晶ディスプレイからなり、センタ役物15に大きく設けられている。この画像表示器16には、始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞を契機に大当り抽選演出が表示され、その大当り抽選演出では、演出図柄を用いて図柄変動や大当り抽選の結果が表示され、また、大当り遊技中には大当り演出が表示され、その大当り演出では、大当り遊技後に移行する遊技状態を示唆する遊技状態示唆演出が表示される。
【0036】
遊技表示盤18は、遊技領域5の下部右側に前方へ向けて配置され、第1特別図柄表示器18a、第2特別図柄表示器18b、普通図柄表示器18c、第1特別図柄保留ランプ18d、第2特別図柄保留ランプ18e、普通図柄保留ランプ18fを備えている。
【0037】
第1特別図柄表示器18aには、第1始動入賞口11aへの遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄が図柄変動後に停止表示され、第2特別図柄表示器18bには、第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄が図柄変動後に停止表示される。第1又は第2特別図柄表示器18a又は18bに大当り図柄が停止表示された場合、前記の大当り遊技状態が発生する。
【0038】
普通図柄表示器18cには、ゲート12への遊技球の入賞に基づいて普通図柄が図柄変動後に停止表示される。普通図柄表示器18cに当り図柄が停止表示された場合、前記の補助遊技が発生する。
【0039】
第1特別図柄保留ランプ18dには、第1始動入賞口11aに入賞した遊技球の数であって第1特別図柄表示器18aでの図柄変動に未だ供していない第1保留数が4個まで表示され、第2特別図柄保留ランプ18eには、第2始動入賞口11bに入賞した遊技球の数であって第2特別図柄表示器18bでの図柄変動に未だ供していない第2保留数が4個まで表示され、普通図柄保留ランプ18fには、ゲート12に入賞した遊技球の数であって普通図柄表示器18cでの図柄変動に未だ供していない保留数が4個まで表示される。
【0040】
発射ハンドル7を回動操作することで、発射され遊技領域5の上部に投入された遊技球は、複数の障害釘10に当たって方向を変えながら落下して、入賞口11a,11b,13a,14の何かに入賞した場合、そこから遊技領域5外へ排出され、入賞口11a,11b,13a,14の何れにも入賞しなかった場合には、最終的に、遊技領域5の下端部に形成されたアウト口9から遊技領域5外へ排出される。
【0041】
パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置20は、メイン制御装置21とサブ制御装置25とで構成されている。メイン制御装置21は、遊技制御基板22にCPUとROMとRAMを備えて構成されている。遊技制御基板22は、盤用外部情報端子基板23に接続されている。
【0042】
サブ制御装置25は、払出制御基板26、演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29を備え、この複数の制御基板26〜29に夫々CPUとROMとRAMを備えて構成され、更に、演出制御基板27はRTCを備えている。払出制御基板26は枠用外部情報端子基板24に接続されている。
【0043】
遊技制御基板22は、第1,第2始動口SW11d,11e、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、一般入賞口SW14aからの球検出信号と、払出制御基板26からの制御情報を受けて、電チューSOL11f、大入賞口SOL13d、図柄表示器18a,18b,18c、図柄保留ランプ18d,18e,18fを制御し、払出制御基板26と演出制御基板27と盤用外部情報端子基板23に制御情報(遊技情報)を出力する。
【0044】
払出制御基板26は、遊技制御基板22からの制御情報と、払出球検出SW31、球有り検出SW32、満タン検出SW33からの球検出信号を受けて、払出駆動モータ30を制御し、入賞口11a,11b,13a,14への遊技球の入賞1個について、入賞口11a,11b,13a,14毎に設定された数の遊技球を貯留皿6に払出し、遊技制御基板22と枠用外部情報端子基板24に制御情報(払出情報)を出力する。
【0045】
演出制御基板27は、遊技制御基板22からの制御情報と、演出ボタン17からの操作検出信号を受けて、画像制御基板28に制御情報を出力し、更に、画像制御基板28からの制御情報を受けて、演出ボタン17を制御し、ランプ制御基板29に制御情報を出力する。画像制御基板28は、演出制御基板27からの制御情報を受けて、画像表示器16とスピーカ34とを制御し、演出制御基板27に制御情報を出力する。ランプ制御基板29は、演出制御基板27からの制御情報を受けて、主に画像制御基板28による制御に同期させて、枠ランプ35と盤ランプ36とを制御する。また、始動入賞口装置11の電飾装置60を制御する。
【0046】
次に、始動入賞口装置11について詳細に説明する。
図4〜図7に示すように、始動入賞口装置11は、前記のように、第1,第2始動入賞口11a,11b、開閉部材11c、第1,第2始動口SW11d,11e、電チューSOL11fを備えるとともに、始動口ベース部材41、電飾装置60などを備えている。始動入賞口装置11は、図7に示す複数の部材・構成をユニット化して構成されて遊技盤4に取り付けられている。第1始動入賞口11aは、第2始動入賞口11bの上方に設けられ、第1始動入賞口11aが固定始動口(固定入賞口)に相当し、第2始動入賞口11bが可変始動口(可変入賞口)に相当する。
【0047】
始動口ベース部材41について説明する。
始動口ベース部材41は、その略全体が合成樹脂材料で構成され、ベース本体部材42、ベース本体部材42にその上部から前方へ突出状に設けられた第1始動口ベース部材43、ベース本体部材42にその下部から前方へ突出状に設けられた第2始動口ベース部材44を有する。ベース本体部材42は、電飾板部材45と、電飾板部材45の後面部に取り付けられた透明ケース部材46を有する。
【0048】
電飾板部材45は、正面視にて略逆T字状に形成され、遊技盤4の盤面と略同一平面上に位置するように配置されている。透明ケース部材46が、遊技盤4に形成された取付孔(図示略)に嵌合され、電飾板部材45の外周部分が、前記取付孔の周辺の遊技盤4の前面に当接した状態で複数のビスにより遊技盤4に固定されている。電飾板部材45の上端部分に第1始動入賞口11aに連通する第1球通過穴45aが形成され、電飾板部材45の下部に第2始動入賞口11bに連通する第2球通過穴45bが形成されている。透明ケース部材46には、第1,第2球通過穴42a,42bから夫々延びる球誘導路46a,46bが形成されている。
【0049】
電飾板部材45の下部には、第2球通過穴45bの近傍から外側へ広がるように延びる複数のリブ45cが形成され、複数のリブ45cの間に多数の微細な凹凸や網目模様(多数の細かなピラミッドカット)等が夫々形成された複数(例えば、11枚)の光拡散透過部47が設けられている。複数の光拡散透過部47は、その後側に設けられた複数(例えば、10個)のLED62aの光を拡散させて前方へ透過させる。電飾板部材45の上部の大部分に光通過口45dが形成され、この光通過口45dは、その後側に設けられ複数(例えば、4個)のLED62bの光を前方へ通過させる。
【0050】
第1始動口ベース部材43は、その上端部に上方へ開放する第1始動入賞口11aを有し、第1始動入賞口11aの下側に、正面視にて上方へ向かって広がる鳥の羽に模した扇形形状の始動口電飾部50を有する。電飾板部材45の光通過口45dは、始動口電飾部50の正面視形状と略同形状に形成され、第1始動口ベース部材43は、光通過口45dの前側に配置されて電飾板部材45に取り付けられている。始動口電飾部50の前面部には、その下端部から上側へ広がるように延びる複数のリブ50aが形成され、複数のリブ50aの間に多数の微細な凹凸や網目模様(多数の細かなピラミッドカット)等が夫々形成された複数(例えば、5枚)の光拡散透過部51が設けられている。複数の光拡散透過部51は、光通過口45dを通過した複数のLED62bの光を拡散させて前方へ透過させる。第1始動口ベース部材43の上端部の前面部に光拡散透過部52が設けられている。尚、この光拡散透過部52により、その後側に設けられたLEDの光を拡散させて前方へ透過させてもよい。
【0051】
第2始動口ベース部材44は、上方へ開放可能な第2始動入賞口11bを有し、正面視にて炎に模した楕円形状に形成されている。第2始動口ベース部材44は、その前面部上端が第1始動口ベース部材43の前面部下端に近接するように配置されて電飾板部材45に取り付けられている。こうして、始動口電飾部50が第1,第2始動入賞口11a,11bの間に設けられている。第2始動口ベース部材44の前面部には、多数の微細多数の微細な凹凸や網目模様(多数の細かなピラミッドカット)等が形成された略円形の光拡散透過部57が設けられている。光拡散透過部57は、その後側に設けられたLED62cの光を拡散させて前方へ透過させる。
【0052】
開閉部材11cと、電チューSOL11fを含む開閉駆動機構70について説明する。
図4〜図7に示すように、開閉部材11cは、左右1対の対称構造をなす比較的短い羽根部材65a,65bからなる。1対の羽根部材65a,65bは、ベース本体部材42の電飾板部材45と第2始動口ベース部材44の前面部との間に配設され、1対の羽根部材65a,65bの下端部が、夫々、ベース本体部材42と第2始動口ベース部材44に、前後両端部が支持された前後の枢支軸65cを介して回動自在に支持されている。1対の羽根部材65a,65bの下端部には、夫々、枢支軸65cよりも内側下方の部分から後方へ延びる連動軸65dが一体的に設けられている。
【0053】
1対の羽根部材65a,65bは、起立姿勢になって第2始動入賞口11bを閉塞する閉位置と、逆八字状の傾斜姿勢になって第2始動入賞口11bを開放する開位置とに亙って左右に開閉する。1対の羽根部材65a,65bが開位置のとき、この羽根部材65a,65bの上面は、例えば、水平から約20度傾斜した状態になり、その上面によって遊技球を受け止めて第2始動入賞口11bへ案内する案内機能を有する。尚、羽根部材65a,65bを合成樹脂材料で中空状に形成して軽量化し、慣性モーメントを小さくして開閉動作の応答性を高めることができる。
【0054】
図7に示すように、開閉駆動機構70は、1対の羽根部材65a,65b(開閉部材11c)を閉位置と開位置とに亙って開閉駆動するものである。この開閉駆動機構70は、左右1対の揺動部材71と、1対の揺動部材71を一体的に連結する連結軸72と、1対の揺動部材71を揺動駆動する電チューSOL11fとを有し、この揺動部材71、連結軸72、電チューSOL11fが、ケース部材73に取り付けられ、このケース部材73と共にユニット化されている。
【0055】
1対の揺動部材71は、1対の羽根部材65a,65bの連動軸65d間の間隔と同じ間隔を左右にあけて配置され、図示略の枢支軸を介して上下に揺動するようにケース部材73に支持されている。1対の揺動部材71には、1対の連動軸65dの後端部に夫々係合する1対の二股状の係合部71aが前端部に形成され、内側へ突出する1対の係合ピン71bが上端部に設けられている。
【0056】
電チューSOL11fは、ケース部材73に前向きに固定され、オンされると前方突出状のプランジャ(図示略)が退入され、また、プランジャを前方へ付勢する付勢バネ(図示略)を有する。そのプランジャの前端部にピン連結部材74が取り付けられ、このピン連結部材74の円形溝74aに1対の係合ピン71bが摺動自在に係合している。電チューSOL11fがオン・オフされることで、この電チューSOL11fと付勢バネにより、1対の揺動部材71が上下に揺動駆動されて、1対の羽根部材65a,65bが左右に開閉駆動される。
【0057】
ここで、始動口ベース部材41には、透明ケース部材46の後端部に取り付けられる透明背面板63を有し、この透明ケース部材46と透明背面板63には、その内部に大部分が収容されるLED基板61(プリント基板61)が取り付けられている。透明背面板63とLED基板61には揺動板通過穴61aが形成されている。そして、ケース部材73が透明背面板63に後側から取り付けられ、1対の揺動部材71が揺動板通過穴61aを通って1対の連動軸65dに係合するように配設されている。
【0058】
さて、図4〜図7に示すように、始動入賞口装置11は、開位置の1対の羽根部材65a,65b(開閉部材11c)の上側に設けられ遊技球を第1始動入賞口11bへガイドする左右1対のガイド壁54a,54bと、この1対のガイド壁54a,54bにそのガイド機能を妨げるように設けられた左右1対の入賞障害部55a,55bとを備えている。1対のガイド壁54a,54b及び1対の入賞障害部55a,55bは夫々左右対称に構成されている。
【0059】
1対のガイド壁54a,54bは、正面視にて上方へ向かって広がる鳥の羽に模した扇形形状の始動口電飾部50を利用し、その始動口電飾部50の下半部の両側面に形成されている。下方ほど第2始動入賞口11bの中心を通る鉛直線に近づくように傾斜して、緩やかな内側凹のカーブを描く湾曲状に形成されている。
【0060】
ガイド壁54a,54bの下端部は、開位置の羽根部材65a,65bの基端部(下端部)の近傍に位置し、ガイド壁54a,54bの長さは羽根部材65a,65bの長さの約2倍程度であり、ガイド壁54a,54bの傾斜角度は約60度程度である。障害釘等で跳ね返った遊技球がガイド壁54a,54bに当たった場合、そのガイド壁54a,54bによって、殆どの遊技球が第2始動入賞口11bの方へ向かうように跳ね返される。
【0061】
左側のガイド壁54aは、遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように遊技球を発射させる所謂左打ちに対して機能し、右側のガイド壁54bは、遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように遊技球を発射させる所謂右打ちに対して機能する。尚、後述の通常遊技状態と潜確遊技状態のときには左打ちを行う方が有利になり、後述の大当り遊技状態と確変遊技状態と時短遊技状態のときには右打ちを行う方が有利になる。
【0062】
1対の入賞障害部55a,55bは、夫々、開位置の羽根部材65a,65b(開閉部材11c)の上面と直交し且つ羽根部材65a,65bの先端を通る直線の近傍に配置され、ガイド壁54a,54bの長さ方向途中部にガイド壁54a,54bから外部へ突出するように一体形成されている。尚、入賞障害部55a,55bを、ガイド壁54a,54bとは別体に形成し、ガイド壁54a,54bに接着剤等で固着して設けてもよい。
【0063】
具体的に、入賞障害部55a,55bは、前記直線よりも少しだけ第2始動入賞口11bの中心を通る鉛直線に近い位置に配置され、ガイド壁54a,54bの長さ方向に細長い(例えば、遊技球の直径程度の長さを有する)正面視にて略矩形状に形成されている。入賞障害部55a,55bの上端部はガイド壁54a,54bの長さ方向と直交するように形成され、入賞障害部55a,55bの下端部は、入賞障害部55a,55bの側面に対して、その下端からガイド壁54a,54bに向かって傾斜するテーパに形成されている。また、入賞障害部55a,55bは、ガイド壁54a,54bの前後幅と略同じ前後幅を有するものに形成されている。
【0064】
ここで、右打ちを行った場合に発射された遊技球の殆どが、障害釘等の配置によって第2始動入賞口11bに近づくように構成し、実際に右打ちを適当時間行って、第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞率を計測した。その前に比較例として、入賞障害部55bの無いもので行った結果、ガイド壁54bが機能し過ぎて、入賞率が約9割に達した。この約9割の入賞率は、所望の入賞率を大幅に上まわり、下方修正の必要性が生じた。これに対して、入賞障害部55bを設けたものでは、適当数の遊技球が入賞障害部55b(特に、その上側部分)に当たって、入賞障害部55bが無い場合は第2始動入賞口11bに入賞するところを、第2始動入賞口11bに入賞しないように弾かれ、所望の約6割の入賞率となる計測結果を得ることができた。
【0065】
次に、電飾装置60について説明する。
図4〜図7に示すように、電飾装置60は、前記の複数の光拡散透過部47、複数の光拡散透過部51を含む始動口電飾部50、光拡散透過部57(52)、LED基板61、複数のLED62a,62b,62c等で構成されている。この電飾装置60が、第2始動入賞口11b(及び第1始動入賞口11a)の周辺に設けられた電飾手段に相当し、その複数のLED62a,62b,62cがランプ制御基板29により制御される。
【0066】
LED基板61は、電飾板部材45と類似する形状に形成されて、電飾板部材45の後側に配置され、このLED基板61の前面に複数のLED62a,62b,62cが実装されている。LED基板61の前面及び後面は、複数のLED62a,62b,62cに繋がる導電線が形成されるとともに、LED基板61の後面にコネクタ61bが実装され、このコネクタ61bに、複数のLED62a,62b,62cの駆動制御系側の複数の電気コードが接続されている。
【0067】
以上説明したように、始動入賞口装置11において、開位置の開閉部材11cの上側にガイド壁54a,54bを設けたので、そのガイド壁54a,54bにより遊技球を第2始動入賞口11bへガイドすることができ、しかし、このままでは第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞率が高くなり過ぎるところ、ガイド壁54a,54bに入賞障害部55a,55bを設けたことで、その入賞障害部55a,55bによりガイド壁54a,54bのガイド機能を妨げて、第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞率を適当に調整することができる。
【0068】
つまり、始動入賞口装置11の構成によって、入賞率を適当に調整できる位置に調整釘を配置しなくても、それを補うことができ、依って、始動入賞口装置11を構成する上で受ける制約を軽減して、始動入賞口装置11の構成(形状・サイズ)の自由度を高めることができ、また、遊技者に第2始動入賞口11bに遊技球が入りにくいという悪い印象を与えることも抑制することができる。
【0069】
ガイド壁54a,54bは、下方ほど第2始動入賞口11bの中心を通る鉛直線に近づくように傾斜しているので、そのガイド壁54a,54bにより遊技球を第2始動入賞口11bへ確実にガイドすることができる。
入賞障害部55a,55bは、開位置の羽根部材65a,65b(開閉部材11c)の上面と直交し且つ開閉部材11cの先端を通る直線の近傍に配置されたので、第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞率を所望の入賞率に調整できるようになる。
【0070】
入賞障害部55a,55bは、ガイド壁54a,54bの長さ方向途中部にガイド壁54a,54bから外部へ突出するように形成されたので、その入賞障害部55a,55bによりガイド壁54a,54bのガイド機能を確実に妨げることができる。
第2始動入賞口11bは遊技球の入賞により大当り抽選がなされる始動口であるので、遊技する上で重要なこの第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞率を適当に調整することができる。
【0071】
始動入賞口装置11は、第2始動入賞口11bの上方に設けられた第1始動入賞口11aと、第1始動入賞口11aと第2始動入賞口11bとの間に設けられた始動口電飾部50とを備え、始動口電飾部50の側面にガイド壁54a,54bが形成されたので、始動入賞口装置11を多機能にし、そして、始動口電飾部50の側面を利用してガイド壁54a,54bを簡単に確実に設けることができる。
【0072】
始動入賞口装置11が、第1始動入賞口11a、第2始動入賞口11b、開閉部材11c、開閉駆動機構70、始動口電飾部50、電飾装置60をユニット化して構成されたので、この始動入賞口装置11の組付け負荷を著しく軽減することができる。
【0073】
次に、入賞障害部55a,55bに代わる幾つかの変更形態について説明する。
(1)図8に示す入賞障害部55aA,55bAは、ガイド壁54a,54bの長さ方向途中部に形成された凹部からなる。適当数の遊技球が入賞障害部55aA,55bA(特に、その下側部分)に当たって、入賞障害部55aA,55bAが無い場合は第2始動入賞口11bに入賞するところを、第2始動入賞口11bに入賞しないように弾かれ、つまり、その入賞障害部55aA,55bAによりガイド壁54a,54bのガイド機能を確実に妨げることができる。
【0074】
(2)図9に示す入賞障害部55aB,55bBは、夫々、ガイド壁54a,54bの長さ方向途中部にガイド壁54a,54bから外部へ突出するように形成された複数の凸部からなる。図4示す入賞障害部55a,55bに比べて、この入賞障害部55aB,55bBによりガイド壁54a,54bのガイド機能を妨げる機能を高め、第2始動入賞口11Bへの遊技球の入賞率を抑えることを期待できる。
【0075】
(3)図10に示す入賞障害部55aC,55bCは、ガイド壁54a,54bの長さ方向途中部に形成された波形状部からなる。図9に示す入賞障害部55aB,55bBと同様の作用効果を奏する。
【0076】
その他、入賞障害部55a,55aA,55aB,55aC,55b,55bA,55bB,55bC以外に、ガイド壁54a,54bのガイド機能を妨げ得る種々の形状の入賞障害部を採用可能である。また、左右に入賞障害部55a,55bの一方を省略してもよい。例えば、右打ちを行った場合にのみ、第2始動入賞口11bへ遊技球が入る可能性が顕著に高くなることがある場合(例えば、確変遊技状態、時短遊技状態)、左側の入賞障害部55aを省略してもよい。また、例えば、左打ちを行った場合にのみ、第2始動入賞口11bへ遊技球が入る可能性が顕著に高くなることがある場合(例えば、確変遊技状態、時短遊技状態)、右側の入賞障害部55bを省略してもよい。
【0077】
さて、図11に示すように、メイン制御装置21(遊技制御基板22)により、乱数取得手段21a、乱数判定手段21b、遊技状態制御手段21c、乱数保留消化手段21d、先読み演出実行判定手段21eが構成され、サブ制御装置25(演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29)により、演出制御手段25aが構成され、この演出制御手段25aが、電飾設定手段25cを含む電飾制御手段25bを有する。
【0078】
乱数取得手段21aは、第1始動入賞口11aへの遊技球の入賞を契機に第1乱数値(大当り乱数値、大当り図柄乱数値、リーチ乱数値)を所定の乱数発生部(例えば、リングカウンタ)から取得し、乱数判定手段21bは、乱数取得手段21aで取得された第1乱数値に基づいて第1特別図柄の種類を判定(選択)し、乱数判定手段21bで判定された種類の第1特別図柄が第1特別図柄表示器18aに図柄変動後に停止表示される。
【0079】
また、乱数取得手段21aは、第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞を契機に第2乱数値(大当り乱数値、大当り図柄乱数値、リーチ乱数値)を所定の乱数発生部(例えば、リングカウンタ)から取得し、乱数判定手段21bは、乱数取得手段21aで取得された第2乱数値に基づいて第2特別図柄の種類を判定(選択)し、乱数判定手段21bで判定された種類の第2特別図柄が第2特別図柄表示器18bに図柄変動後に停止表示される。
【0080】
乱数判定手段21bによる具体的な処理では、先ず、取得された大当り乱数値が所定の低確率(例えば、1/300)又は高確率(例えば、1/30)で大当り特定値と一致した場合、次に、大当り図柄乱数値に基づいて、例えば、確変図柄、通常図柄、突確図柄、突時図柄などの複数種類の大当り図柄の何れか1つが所定の選択率で択一的に選択される。一方、大当り乱数値が大当り特定値と一致しない場合、大当り乱数値が小当り特定値と一致した場合には、例えば、小当り図柄が選択され、大当り乱数値が小当り特定値と一致しない場合には、ハズレ図柄が選択される。
【0081】
図12に示すように、パチンコ遊技機1の遊技状態として、遊技上の有利性が相対的に異なる通常遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態、大当り遊技状態の5種類の遊技状態が存在し、この5種類の遊技状態の何れか1つが択一的に設定される。遊技状態制御手段21cは、大当り遊技状態以外の遊技状態において、大当り図柄が特別図柄表示器18a,18b停止表示された場合、大当り遊技状態を発生させる。
【0082】
乱数取得手段21aと乱数判定手段21bにより、始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞に基づいて、大当り抽選及び小当り抽選が行われることになり、大当り図柄が選択表示されることで、大当り抽選で当選し、小当り図柄が選択表示されることで、小当り抽選で当選したことになる。また、乱数取得手段21aと乱数判定手段21bにより、始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞に基づいて、大当り抽選で当選した場合、確変抽選及び潜確抽選が行われることになり、選択表示された大当り図柄の種類に応じて確変抽選又は潜確抽選で当選したことになる。
【0083】
ここで、通常遊技状態と潜確遊技状態とでは、また、時短遊技状態と確変遊技状態とでは、夫々、大当り抽選の当選確率だけが異なるものとなり、大当り遊技状態終了後、小当り遊技後、遊技者が遊技状態を特定することが難しいが、遊技者により有利な遊技状態になっていることを期待する。
【0084】
尚、本案のパチンコ遊技機1では、始動入賞口装置11の右側にゲート12が設けられているので、通常遊技状態と潜確遊技状態では、ゲート12の入賞に基づく当り抽選に当選した場合でも、開閉部材11cの開放時間は極短時間なので、ゲート12を狙わずに第1始動入賞口11aへの入賞だけを狙う左打ちが望ましい。これに対して、確変遊技状態と時短遊技状態では、当り抽選に当選する確率が高くなり、また、当り抽選に当選した場合の補助遊技期間においては、開閉部材11cの開放時間は長くなるので、ゲート12と同時に第2始動入賞口11bを狙う右打ちが望ましい。
【0085】
乱数保留消化手段21dは、乱数取得手段21aで取得された第1,第2乱数値であって、特別図柄の変動に未だ供していない第1,第2乱数値を夫々4つ(最大設定)まで順次保留するとともに、保留された第1,第2乱数値を特別図柄の変動終了毎に順次消化し、図柄変動後には、消化される乱数値に基づいて乱数判定手段21bで判定された特別図柄の種類が、特別図柄表示器18a,18bの何れかに停止表示される。また、乱数保留消化手段21dは、第1,第2乱数値が共に1以上保留されている場合には、第2乱数値を第1乱数値よりも優先して消化する。
【0086】
先読み演出実行判定手段21eは、始動口11a,11bへの遊技球の入賞時に乱数取得手段21aで取得され且つ保留された乱数値に対して先読み演出を実行するか否か判定する。この先読み演出実行判定手段21eによる判定は、例えば、通常遊技状態と潜確遊技状態のときには第1乱数値に対してのみ行い、時短遊技状態と確変遊技状態のときには第2乱数値に対してのみ行い、夫々、大当り乱数値が大当り特定値の場合に所定割合で肯定判定とする抽選で行われ、大当り乱数値が大当り特定値でない場合には前記所定割合より低い割合で肯定判定とする抽選で行われる。
【0087】
次に、演出制御手段25a、電飾制御手段25b、電飾設定手段25cについて説明する。尚、電飾制御手段25bは始動入賞口装置11に含まれるものとする。
演出制御手段25aは、遊技演出用の画像表示器16等を有する演出手段39を制御し、特に、演出制御手段25aに含まれる電飾制御手段25bが、演出手段39に含まれる電飾装置60の複数のLED62a,62b,62cを制御する。
【0088】
演出制御手段25aは、特別図柄の変動毎に、特別図柄の変動時間と変動後に表示される図柄に応じた遊技演出を複数種類の遊技演出から選択し実行させる。ここで、ボタン操作有効期間中に操作して遊技演出に参加可能な遊技演出が実行された場合、ボタン操作有効期間にその旨を演出手段39に報知させるとともに、演出ボタン17が操作された場合に遊技演出の一部を切換える。また、演出制御手段25aは、先読み演出実行判定手段21eで肯定判定された場合、その判定対象となった乱数値に基づく特別図柄の変動が終了する迄に行われる1又は複数回の特別図柄の変動と同期して、通常に選択実行される遊技演出とは異なる、或いは、その遊技演出の一部を変更した先読み演出を実行させる。
【0089】
電飾制御手段25bは、第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞に基づいた演出を、複数のLED62a,62b,62cの少なくとも一部に実行させる。その電飾制御手段25bによる具体的な制御、及び、その制御に付随する電飾設定手段25cによる具体的な処理は次の通りである。
【0090】
電飾制御手段25bは、第2始動入賞口11bに遊技球が入賞したときに1又は複数のLED62a,62b,62cを点灯又は点滅させ、電飾設定手段25cが、前記入賞における遊技球の個数に応じて、そのLED62a,62b,62cの点灯又は点滅の作動状態(つまり、点灯パターン又は点滅パターン)を設定する。尚、電飾制御手段25bは、第1始動入賞口11aに遊技球が入賞したときに1又は複数のLED62a,62b,62cを点灯又は点滅させてもよい。
【0091】
また、電飾制御手段25bは、特別図柄の変動開始時又は変動中に1又は複数のLED62a,62b,62cを点灯又は点滅させ、或いは、点灯も点滅もさせないようにして、点灯又は点滅させる場合には、電飾設定手段25cが、当該特別図柄の変動開始時に行われた大当り抽選(乱数判定手段21bによる判定)の結果に基づいて、そのLED62a,62b,62cの点灯又は点滅の作動状態(つまり、点灯パターン又は点滅パターン)を設定する。
【0092】
また、電飾制御手段25bは、始動入賞口11a,11bに遊技球が入賞したときに1又は複数のLED62a,62b,62cを点灯又は点滅させ、或いは、点灯も点滅もさせないようにして、点灯又は点滅させる場合には、大当り抽選の判定前に始動入賞口11a,11bへの遊技球の前記入賞に基づいて行われる先読み抽選(先読み演出実行判定手段21eによる判定)の結果に基づいて、そのLED62a,62b,62cの点灯又は点滅の作動状態(つまり、点灯パターン又は点滅パターン)を設定する。
【0093】
次に、図11に示す各手段21a〜21e,25a〜25cの機能を達成するために、メイン制御装置21(メイン制御基板22)が実行する具体的な処理・制御について説明し、その後、サブ制御装置25(演出制御基板27、画像制御基板28)が実行する具体的な処理・制御について説明する。
【0094】
先ず、図13に示すように、遊技制御基板22における微小時間毎のタイマ割込処理では、乱数更新処理(S101)、スイッチ処理(S102)、図柄処理(S103)、電動役物処理(S104)、賞球処理(S105)、出力処理(S106)を順次実行し、リターンする。
【0095】
図14に示すように、S102の始動口SW処理では、第1始動口SW11aがオンの場合(S111;Yes)、第1保留数U1が4未満の場合に(S112;Yes)、第1保留数U1をU1+1に加算し(S113)、第1乱数値(大当り乱数値、大当り図柄乱数値、リーチ乱数値)を取得・格納する(S114)。次に、S113を受けて、第1保留数増加コマンドをセットし(S115)、S114を受けて、第1先読み演出実行判定処理(S116)を実行し、そこで、第1先読み演出を実行する判定となった場合には(S117;Yes)、第1先読み演出コマンドをセットする(S118)。
【0096】
次に、第2始動口SW11bがオンの場合(S119;Yes)、入賞コマンドをセットし(S120)、第2保留数U2が4未満の場合に(S121;Yes)、第2保留数U2をU2+1に加算し(S122)、第2乱数値(大当り乱数値、大当り図柄乱数値、リーチ乱数値)を取得・格納する(S123)。次に、S122を受けて、第2保留数増加コマンドをセットし(S124)、S123を受けて、第2先読み演出実行判定処理(S125)を実行し、そこで、第2先読み演出を実行する判定となった場合には(S126;Yes)、第2先読み演出コマンドをセットする(S127)。尚、S115、S118、S120、S124、S127でセットしたコマンド、及び、その他のステップでセットしたコマンドについては、S106の出力処理により演出制御基板27に送信する。
【0097】
図15に示すように、S116の第1先読み演出実行判定処理では、通常遊技状態又は潜確遊技状態か否か判定し(S131)、S131;Noの場合、リターンする。S131;Yesの場合、今回取得の第1乱数値の大当り乱数値が大当り特定値か否か判定し(S132)、S132;Yesの場合、所定高確率(例えば、1/5)で第1先読み演出を実行とし(S133)、S132;Noの場合、所定低確率(例えば、1/150)で第1先読み演出を実行とする(S134)。
【0098】
図16に示すように、S125の第2先読み演出実行判定処理では、確変遊技状態又は時短遊技状態か否か判定し(S135)、S135;Noの場合、リターンする。S135;Yesの場合、今回取得の第2乱数値の大当り乱数値が大当り特定値か否か判定し(S136)、S136;Yesの場合、所定高確率(例えば、1/5)で第2先読み演出を実行とし(S137)、S136;Noの場合、所定低確率(例えば、1/150)で第2先読み演出を実行とする(S138)。
【0099】
図17に示すように、S103の特別図柄処理では、当り遊技フラグがONでない場合(S141;No)、第1,第2特別図柄の両方が変動中でない場合に(S142;No)、S143へ移行する。当り遊技フラグがONの場合(S141;Yes)、リターンする。S143において、第2保留数U2が1以上の場合(S143;Yes)、第2保留数U2をU2−1に減算し(S144)、第2保留数U2が0の場合(S143;No)、第1保留数U1が1以上の場合に(S145;Yes)、第1保留数U1をU1−1に減算する(S146)。S144又はS146の後、客待ちフラグをOFFにする(S147)。
【0100】
次に、特別図柄判定処理(S148)を実行し、続いて、変動パターン選択処理(S149)を実行し、そこで、S146を経由の場合には、最も先に取得した第1保留乱数値と必要なテーブルとを用いて、第1特別図柄の種類を選択設定(判定)するとともに変動パターン(変動時間)を選択設定し、S144を経由の場合には、最も先に取得した第2保留乱数値と必要なテーブルとを用いて、第2特別図柄の種類を選択設定(判定)するとともに変動パターン(変動時間)を選択設定する。
【0101】
次に、第1又は第2特別図柄を変動開始し(S150)、S148で設定した特別図柄の種類とS149で設定した変動パターン(変動時間)の情報を含む変動開始コマンドをセットする(S151)。次に、S142;Yesの場合、又は、S151の後、S149で設定した変動時間が経過した場合(S152;Yes)、第1又は第2特別図柄を変動停止させ(S153)、S148で設定した図柄を第1又は第2特別図柄表示器19a又は19bに表示させる。続いて、変動停止コマンドをセットし(S154)、停止中処理(S156)を実行する。S145;Noの場合、客待ち設定処理(S157)を実行する。
【0102】
図18に示すように、S104の電チュー処理(電動役物処理)では、補助遊技フラグONの場合(S161;Yes)、第2始動入賞口11bが開放中の場合(S162;Yes)、S167へ移行する。始動入賞口11bが開放中でない場合(S162;No)、確変遊技状態、時短遊技状態の場合には(S163;Yes)、開放時間が約3.5秒にセットされ(S164)、潜確遊技状態、通常遊技状態、大当り遊技状態の場合には(S163;No)、開放時間が約0.2秒にセットされ(S165)、始動入賞口11bが開放され(S166)、S167へ移行する。その後、始動入賞口11bの開放時からS164又はS165でセットされた開放時間が経過したか否か判定さ(S167)、S167;Yesになると、始動入賞口11bが閉塞され(S168)、補助遊技フラグがOFFし(S169)、リターンする。
【0103】
図19に示すように、演出制御基板27における微小時間毎のタイマ割込処理では、コマンド受信処理(S201)、演出ボタン処理(S202)、コマンド送信処理(S203)を順次実行する。S201では、遊技制御基板22(画像制御基板28)からのコマンドを受信し、S203では、後述のステップでセットしたコマンドを画像制御基板28(ランプ制御基板29)へ送信する。
【0104】
図20に示すように、S201のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信した場合(S211;Yes)、保留数加算処理(S212)を実行し、保留数コマンドをセットする(S213)。先読み演出コマンドを受信した場合(S214;Yes)、先読み電飾処理(S215)を実行する。変動開始コマンドを受信した場合(S216;Yes)、変動演出選択処理(S217)を実行し、変動電飾処理(S218)を実行する。変動停止コマンドを受信した場合(S219;Yes)、変動演出終了中処理(S220)を実行する。入賞コマンドを受信した場合(S221;Yes)、入賞電飾処理(S222)を実行し、リセット処理(S223)を実行する。但し、S221;Noの場合、入賞電飾処理を省略して、リセット処理(S223)のみ実行する。オープニングコマンドを受信した場合(S224;Yes)、当り演出選択処理(S225)を実行する。エンディングコマンドを受信した場合(S226;Yes)、エンディング演出選択処理(S227)を実行する。最後に、客待ちコマンド受信処理(S228)を実行する。
【0105】
図21に示すように、S215の先読み電飾処理では、第1先読み演出コマンドを受信した場合(S230;Yes)、第1先読み特定点灯パターンを設定し(S231)、第1先読み電飾コマンドをセットする。第2先読み演出コマンドを受信した場合(S233;Yes)、第2先読み特定点灯パターンを設定し(S234)、第2先読み電飾コマンドをセットする。
【0106】
図22に示すように、S218の変動電飾処理では、第2始動入賞口への入賞に基づく抽選の結果が大当りである場合(S240;Yes)、所定高確率(例えば、1/5)で抽選特定点灯パターンを設定する処理を実行し(S241)、抽選の結果が小当り、リーチ有り外れ、リーチ無し外れの場合(S240;No)、所定低確率(例えば、1/300)で抽選特定点灯パターンを設定する処理を実行する(S242)。抽選特定点灯パターンが設定された場合(S243;Yes)、抽選電飾コマンドをセットし(S244)し、リターンする。抽選特定点灯パターンが設定されてない場合(S243;No)、リターンする。
【0107】
図23に示すように、S222の入賞電飾処理では、補助遊技フラグがオンの場合(S251;Yes)、1回の補助遊技における(つまり、補助遊技フラグがオフ→オンに切換わってからオン→オフに切換わる迄の間に)始動入賞口11bへの遊技球の入賞数INをIN+1に加算し(S251)、第1,第2先読み特定点灯パターンが設定されていない場合(S252;No)、入賞点灯パターン設定処理を実行する(S253)。
【0108】
S253の入賞点灯パターン設定処理では、図25に示すテーブルを用いて、複数種類の入賞点灯パターンの中から、入賞数INに応じた入賞点灯パターンを選択設定する。その後、設定した入賞点灯パターンを示す入賞電飾コマンドをセットし(S254)、リターンする。補助遊技フラグがオフの場合(S250;No)、また、第1,第2先読み特定点灯パターンが設定されている場合(S252;Yes)、リターンする。
【0109】
S253の入賞点灯パターン設定処理では、始動入賞口11bが1又は複数回(例えば、3回)開閉する1回の補助遊技期間に、始動入賞口11bへ遊技球が1個入賞した場合、入賞点灯パターン1がセットされ、2個入賞した場合、入賞点灯パターン2がセットされ、3個入賞した場合、入賞点灯パターン3がセットされ、・・・というように、入賞毎に点灯パターンが変化することになる。
【0110】
図24に示すように、S223のリセット処理では、補助遊技フラグがオフの場合(S255;Yes)、入賞数INが0にリセットされ(S256)、リターンする。尚、補助遊技フラグがオンの場合(S255;No)、入賞数INを0にリセットする必要がないため、リターンする。
【0111】
さて、ランプ制御基板29は、演出制御基板27から、第1先読み電飾コマンド、第2先読み電飾コマンド、抽選電飾コマンド、入賞電飾コマンドを受信した場合、そのコマンドに基づいて、複数のLED62a,62b,62cを制御する。
【0112】
例えば、第1又は第2始動入賞口11a又は11bへの遊技球の入賞時、第1又は第2先読み電飾コマンドを受信した場合、LED62a,62b,62cを、通常とは異なる比較的派手な第1又は第2先読み特定点灯パターンで駆動することで、所謂保留での大当りの期待を高める演出を行うことができる。
【0113】
また、例えば、第2始動入賞口11aへの遊技球の入賞時、入賞電飾コマンドを受信した場合、入賞数が1個の場合には、それを示す入賞点灯パターン1となるように、入賞数が2個の場合には、それを示す入賞点灯パターン2となるように、入賞数が3個の場合には、それを示す入賞点灯パターンとなるように・・・・、LED62a,62b,62cを駆動する。
【0114】
ここで、図23のフローチャート等から判るように、第2始動入賞口11aへの遊技球の入賞時、その大半は、入賞電飾コマンドを受信し、LED62a,62b,62cを、入賞数に応じた入賞点灯パターンで駆動することになるが、第2先読み電飾コマンドを受信した場合、その第2先読み電飾コマンドに基づく制御が優先されることから、その第2先読み特定点灯パターンを、図25に示す複数種類の入賞点灯パターンと明らかに異なるようにして、所謂保留での大当りの期待を高める演出を判り易くすることができる。
【0115】
また、例えば、第1又は第2特別図柄の変動開始時、抽選電飾コマンドを受信した場合、LED62a,62b,62cを、通常とは異なる比較的派手な抽選特定点灯パターンで駆動することで、当該特別図柄の変動で大当りの期待を高める演出を行うことができる。尚、抽選電飾コマンドを受信しない場合、抽選特定点灯パターンと異なる比較的派手でない点灯パターンでLED62a,62b,62cを駆動するようにしてもよい。
【0116】
以上の構成により次の作用・効果を奏する。
ゲート12に遊技球が通過したときに補助遊技抽選が行われ、補助遊技抽選に当選すると開閉部材11cを所定の時間開放させる。通常/潜確遊技状態では、開閉部材11cの開放もコンマ数秒と極短期間に行われ、その期間内に第2始動入賞口11bに遊技球が入賞する可能性は殆どないが、確変/時短遊技状態では、1〜2秒間の開閉部材11cの開放を複数回実行されるので、第2始動入賞口11bへの複数の遊技球の入賞が期待できる。このとき、第2始動入賞口11bへの入賞1個毎にそれまでの入賞個数に応じて、特定の入賞点灯パターンを設定して電飾装置60を点灯させることで、画像表示器16の演出と相まって特有の演出を実行することができる。
【0117】
第2始動入賞口11bへの入賞に基づく大当り抽選の結果、大当りに当選した場合、所定高確率(例えば、1/5)で、電飾装置60を抽選特定点灯パターンにて点灯させることで特有の演出を実行することができる。つまり、大当り当選の場合に、所定高確率で電飾装置60を点灯させることで、画像表示器16の演出と相まって、遊技者には大当り抽選に当選している期待感をより一層持たせることができる。
【0118】
大当り抽選の結果、小当り、リーチ有り外れ、リーチ無し外れの場合、所定低確率(例えば、1/300)で、電飾装置60を大当り当選の場合と同じ抽選特定点灯パターンにて点灯させる。つまり、大当りに当選していない場合でも、所定低確率で電飾装置60を抽選特定点灯パターンにて点灯させることで、遊技者に対して電飾装置60の点灯が必ずしも大当り当選であるという認識を持たせないことができる。
【0119】
大当り抽選の結果の判定前に、第1,第2始動入賞口11a,11bへの遊技球の所定の入賞に基づいて行われる先読み抽選の結果に基づいて、第1,第2先読み演出を実行させる場合、画像表示器16に表示される演出とともに電飾装置60を先読み特定点灯パターンにて点灯させることで特有の演出を実行させることができる。つまり、画像表示器16の第1,第2先読み演出とともに電飾装置60を点灯させることで、画像表示器16の演出と相まって、遊技者には大当り抽選に当選している期待感をより一層持たせることができる。
【0120】
尚、複数の入賞点灯パターン、抽選特定点灯パターン、第1,第2先読み特定点灯パターンとして、例えば、光拡散透過部47に対応する複数のLED62aを赤色に、光拡散透過部51に対応する複数のLED62bを青色に、光拡散透過部57に対応するLED62cを黄色に設定するように、様々な色の組み合わせを選択することができ、仕様条件に応じて種々の点灯パターンを実行させることができる。
【0121】
ここで、本実施例では点灯パターンについて主に説明しているが、点灯パターンに代えて点滅パターンを採用しても良い。例えば、入賞個数点滅パターンとして、入賞個数の増加に応じてLEDの点滅速度を上げる、例えば、抽選特定点滅パターンとして、大当りに当選した場合は全てのLEDを点滅させるなど、種々の点滅パターンに応じて、複数のLED62を制御することができる。
【0122】
つまり、始動入賞口装置11において、第2始動入賞口11bの周辺に電飾手段を構成する電飾装置60を設け、電飾制御手段25bが第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞に基づいた演出を電飾装置60に実行させるように電飾装置60を制御するので、特有の電飾装置60を用いて所定の入賞に基づいた特有の演出を実行させて、演出効果を高めることができる。
【0123】
電飾制御手段25bは、第2始動入賞口11bに遊技球が入賞したときに電飾装置60を点灯又は点滅させるとともに、所定の入賞における遊技球の個数に応じて電飾装置60の点灯又は点滅の作動状態を設定する電飾設定手段25cを有するので、所定の入賞における遊技球の個数に応じた特有の演出を電飾装置60に実行させることができる。
【0124】
第2始動入賞口11bは遊技球の入賞により大当り抽選がなされる可変始動口であるので、遊技する上で重要なこの第2始動入賞口11bへの遊技球の入賞に基づいた演出を電飾装置60に実行させることができる。
【0125】
電飾制御手段25bは、大当り抽選の結果に基づいて電飾装置60の点灯又は点滅の作動状態を設定する電飾設定手段25cを有するので、この大当り抽選の結果に応じた特有の演出を電飾装置60に実行させることができる。
【0126】
電飾制御手段25bは、大当り抽選の判定前に第2始動入賞口11bへの遊技球の前記入賞に基づいて行われる先読み抽選の結果に基づいて電飾装置60の点灯又は点滅の作動状態を設定する電飾設定手段25cを有するので、この先読み抽選の結果に応じた特有の演出を電飾装置60に実行させることができる。
【0127】
始動入賞口装置11は、第2始動入賞口11bの上方に設けられた第1始動入賞口11aを備え、電飾装置60が、第1始動入賞口11aと第2始動入賞口11bとの間に設けられた始動口電飾部50を有するので、始動入賞口装置11を多機能にし、そして、始動口電飾部50を用いて前記入賞に基づいた演出を鮮明に実行させることができる。
【0128】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、始動入賞口装置を備えた種々のパチンコ遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 パチンコ遊技機
11 始動入賞口装置
11a,11b 第1,第2始動入賞口
11c 開閉部材
13 大入賞口装置
16 画像表示器
25b 電飾制御手段
25c 電飾設定手段
50 始動口電飾部
54a,54b ガイド壁
55a〜55aC,55b〜55bC 入賞障害部
60 電飾装置
70 開閉駆動機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変入賞口と、この可変入賞口を開閉する開閉部材と、この開閉部材を開閉駆動する開閉駆動機構とを備えた入賞口装置を遊技盤に装備したパチンコ遊技機において、
前記入賞口装置は、
開位置の開閉部材の上側に設けられ遊技球を可変入賞口へガイドするガイド壁と、
このガイド壁にそのガイド機能を妨げるように設けられた入賞障害部と、
を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記ガイド壁は、下方ほど可変入賞口の中心を通る鉛直線に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記入賞障害部は、開位置の開閉部材の上面と直交し且つ開閉部材の先端を通る直線の近傍に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記入賞障害部は、ガイド壁の長さ方向途中部にガイド壁から外部へ突出するように形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
前記入賞障害部は、ガイド壁の長さ方向途中部に形成された凹部からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項6】
前記可変入賞口は遊技球の入賞により大当り抽選がなされる可変始動口であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項7】
前記入賞口装置は、可変始動口の上方に設けられた固定始動口と、固定始動口と可変始動口との間に設けられた始動口電飾部とを備え、
前記始動口電飾部の側面にガイド壁が形成されたことを特徴とする請求項6に記載のパチンコ遊技機。
【請求項8】
前記入賞口装置が、固定始動口、可変始動口、開閉部材、開閉駆動機構、始動口電飾部をユニット化して構成されたことを特徴とする請求項7に記載のパチンコ遊技機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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