パチンコ遊技機
【課題】連結材を付けた不正な遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできるパチンコ遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機は、球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成される。このパチンコ遊技機では、遊技球Bが、可撓性を有した紐状の連結材Sを付けられた状態で、球受け皿を経て発射された際に、遊技球Bの移動のための連結材Sの操作を不能にできる。球受け皿44から入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側には、遊技球Bに連結された連結材Sの接触時に、連結材Sを切断可能とする切断部位CT1が、配設される。切断部位は、緊張状態の連結材Sとの接触時、連結材Sを切断可能な刃部103と、刃部103と遊技球Bとの直接接触を防止するカバー部101と、を備える。
【解決手段】パチンコ遊技機は、球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成される。このパチンコ遊技機では、遊技球Bが、可撓性を有した紐状の連結材Sを付けられた状態で、球受け皿を経て発射された際に、遊技球Bの移動のための連結材Sの操作を不能にできる。球受け皿44から入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側には、遊技球Bに連結された連結材Sの接触時に、連結材Sを切断可能とする切断部位CT1が、配設される。切断部位は、緊張状態の連結材Sとの接触時、連結材Sを切断可能な刃部103と、刃部103と遊技球Bとの直接接触を防止するカバー部101と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が、可撓性を有した紐状の連結材を付けられた状態で、球受け皿を経て発射された際に、遊技球の移動のための連結材の操作を不能にできて、不正行為を防止できるパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、パチンコ遊技機において、不正に賞球を得る不正行為として、可撓性を有した細い(0.1〜0.3φ程度)釣り糸のような連結材を、遊技球に取り付け、その遊技球を発射装置から遊技領域に打ち出し、そして、普通入賞口等の入賞口の入賞スイッチの部位で、連結材を操作して、遊技球を往復移動させることにより、入賞スイッチを何回もオンさせて、不正に賞球を得る行為があった。
【0003】
なお、連結材を遊技球に取り付けて行う不正行為としては、他に、連結材を把持した状態で、遊技球を計数機に投入し、連結材を操作して、遊技球を玉センサ部分で往復移動させることにより、計数値を多くするものがあった(例えば、特許文献1参照)。そして、従来、このような不正行為の対策としては、玉センサ部分での反転するような遊技球の異常な移動を、所定のレバースイッチで検知し、その不正行為を報知していた。
【0004】
そこで、パチンコ遊技機において、遊技球に付けた連結材の操作による不正行為に対し、上記のレバースイッチ等を入賞スイッチ付近に設けて対処することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−85441号公報(第5〜7頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のパチンコ遊技機では、入賞口の数が多く、各入賞口に、反転する遊技球の移動をセンシングするレバースイッチ等を配置することは、レバースイッチ等に連結する電源線や信号線を含めて、設置スペースや部品点数の増加を招くことから、好ましくない。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、連結材を付けた遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパチンコ遊技機は、球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成されるパチンコ遊技機であって、
球受け皿から入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路における内側の通路面側に、遊技球に連結された可撓性を有する紐状の連結材の接触時に、連結材を切断可能とする切断部位が、配設され、
切断部位が、緊張状態の連結材との接触時、連結材を切断可能な刃部と、刃部と遊技球との直接接触を防止するカバー部と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るパチンコ遊技機では、遊技球に連結された連結材が、緊張状態で、切断部位の刃部に対して接触すれば、刃部により切断される。なお、連結材が、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿側に連結材の操作把持側を残した状態で、遊技球が落下する重量を連結材にかけた際や、遊技球が発射装置により発射されて連結材を牽引した際、あるいは、遊技球がパチンコ遊技機内に入り込んだ状態で、連結材の操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材の緊張状態では、切断部位が、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側に、配設されていれば、連結材が、刃部に対して、削られたり引き切りされるように摺動したり、あるいは、押し切りされるように押圧されて、刃部が、容易に、連結材を切断できる。
【0010】
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、連結材が、切断部位の刃部に対して、緊張状態として接触する部位に、単に、切断部位を、配設するだけで、容易に、連結材を切断できて、簡便な構成で、遊技球の操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部が、遊技球の刃部との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球を傷付けることもない。
【0011】
なお、刃部は、金属製やセラミック製の薄板状の切刃を持ったカッターや、切断砥石・やすり・サンドペーパ等の細かい凹凸を設けた研削具、から形成することができ、そして、刃部は、周囲のカバー部と一体的に形成したり、適宜、一体的に形成後、後加工して、形成してもよい。さらに、刃部は、緊張状態の連結材との接触時、削ったり、引き切り、押し切り等で切断できる位置に、切刃や研削面を配置させればよい。
【0012】
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、切断部位を、遊技球の進入不能な開口幅として、曲がった通路を通過する遊技球の移動方向に沿って延び、底部側にかけて開口幅を狭める溝部を設けて、構成し、
刃部を、緊張状態の連結材と接触可能として、溝部の底部側に、配置させ、
カバー部を、溝部における刃部の周囲から、構成することが望ましい。
【0013】
このような構成では、遊技球が刃部に接触しない状態として、連結材が、遊技球の曲がった通路におけるコーナ部等の内側の通路面側を、摺動しつつ通過する際、円滑に、溝部内の狭まった底部側に入り込んで、刃部と接触することから、刃部が、容易に、連結材を切断することができる。
【0014】
この場合、刃部が、先端に切刃を備えていれば、切刃は、溝部の形成方向と交差する方向に沿い、かつ、緊張状態の連結材と接触可能に、配設させることが望ましい。このような構成では、緊張状態の連結材が、切刃に接触すれば、容易に、切刃に、削られたり、引き切りや押し切りされ易くなって、迅速に、切断可能となる。
【0015】
また、本発明に係るパチンコ遊技機では、球受け皿から発射装置の発射レールに落下させるまでの遊技球の通路であって、曲がった通路の内側の通路面側に、切断部位を、配設してもよい。このような構成では、遊技球がレール部や遊技領域に至るまで、すなわち、連結材を付けた遊技球が、球受け皿からパチンコ遊技機内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材を切断できることから、不正行為者が連結材の切断される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
【0016】
さらに、パチンコ遊技機において、外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の内側レール部の上端側に、遊技領域側に打ち出された遊技球のレール部への戻りを防止可能な戻り防止片が、揺動可能に配設される場合には、戻り防止片の上縁側に、レール部から遊技領域側に向かう方向に貫通しつつ、下方に凹む溝部を形成して、切断部位を構成する刃部とカバー部とを、配設してもよい。
【0017】
このような構成では、内側レール部の上端側に設けられる戻り防止片は、遊技領域の最上位置付近に配置されることから、遊技領域内に打ち出された遊技球は、戻り防止片から下方の位置に落下する状態となり、戻り防止片の上縁側が、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側となる。そして、戻り防止片の上縁には、遊技球の重量や落下運動する遊技球の慣性力が加わって、連結材が引っ掛かり易い。そのため、連結材が、下方に引っ張られて、戻り防止片の上縁側に設けた切断部位の溝部に入り、そして、刃部と接触して、円滑に、切断可能となる。すなわち、上記の構成では、遊技球を操作しようと、球受け皿側の連結材の操作把持部を引っ張る前に、連結材を切断可能となる。勿論、遊技球が遊技領域に打ち出されて落下した直後に、連結材が切断されなくとも、その後の連結材の引っ張り操作時には、連結材が刃部と摺動するため、刃部は円滑に連結材を切断可能となる。
【0018】
この場合、戻り防止片は、上縁側の揺動を確保した状態として、遊技盤面近傍の連結材を溝部内に導入可能に、後縁側を遊技盤面に埋め込むように、配設することが望ましい。このような構成では、遊技盤面と戻り防止片との間に、連結材が嵌ること無く、円滑に、連結材を、切断部位の溝部内に導入させ、そして、刃部によって、切断できる。
【0019】
さらに、切断部位は、外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の内側レール部に、配設してもよい。内側レール部は、遊技領域を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側を構成することとなる。そして、遊技球が、発射装置から発射され、レール部を経て、遊技領域に打ち出されようとすれば、遊技球に連なる連結材は、内側レール部の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、切断部位の溝部内に入り込んで、円滑に、刃部と摺動して、切断されることとなる。
【0020】
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、切断部位を設けた部材を、着脱可能な交換部品とすれば、既存のパチンコ遊技機において、交換して、切断部位を設けた部品を取り付けることができて、容易に、連結材を付けた遊技球による不正行為対策を図ることができる。このような交換部品としては、球受け皿から発射装置に遊技球を送る球送り装置や、戻り防止片、等が例示できる。
【0021】
勿論、上記のような交換部品としなくとも、別途、切断部位を設けた部材、あるいは、切断部位自体を、パチンコ遊技機に設けるようにしてもよく、その場合には、発射装置に至るまでの部位やレール部の部位ばかりでなく、入賞口における入賞スイッチの直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物の右上部付近等に、切断部位を配設することができる。
【発明の効果】
【0022】
したがって、本発明に係るパチンコ遊技機では、連結材を付けた遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1実施形態のパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】第1実施形態のパチンコ遊技機における本体枠に対して、前面枠を開けた状態を示す概略部分斜視図であり、遊技盤を省略している。
【図3】図2に示す状態から、球送り装置を外した状態を示す概略部分斜視図である。
【図4】図3に示す状態の本体枠側の発射装置に対し、球送り装置を配置させた状態と、球送り装置を外した状態と、を示す概略斜視図である。
【図5】第1実施形態のパチンコ遊技機の本体枠側を示す概略正面図である。
【図6】第1実施形態の球送り装置を示す概略背面図である。
【図7】第1実施形態の球送り装置の概略分解斜視図である。
【図8】第1実施形態の球送り装置に切断部位を配設するための切断用部品の左側面図である。
【図9】第1実施形態の球送り装置に使用される切断用部品の斜め左後方向から見た部分断面背面図である。
【図10】第1実施形態の球送り装置に使用される切断用部品の斜め左前方向から見た正面図である。
【図11】連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略斜視図である。
【図12】連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略斜視図であり、図11の後の状態を示す。
【図13】連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略拡大平面図である。
【図14】連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態を、第1実施形態の球送り装置の背面側から示した概略図である。
【図15】第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態の二態様をそれぞれ示す概略平面図である。
【図16】第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態を示す概略背面図である。
【図17】第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された他の状態を示す概略背面図である。
【図18】第2実施形態の切断部位を設けた戻り防止片の概略斜視図である。
【図19】第2実施形態の戻り防止片の作動時を順に示す概略部分断面正面図である。
【図20】第2実施形態の変形例の戻り防止片の概略正面図である。
【図21】図20のXXI−XXI部位の概略部分断面図である。
【図22】図20に示した戻り防止片の作動時を順に示す概略部分断面正面図である。
【図23】第2実施形態の戻り防止片の他の変形例を示す概略斜視図である。
【図24】図23に示す戻り防止片の概略平面図と概略左側面図である。
【図25】第3実施形態の切断部位を設けたレール部を示す概略正面図である。
【図26】第3実施形態のレール部に切断部位を設けるための切断用部品の斜視図である。
【図27】第3実施形態の切断用部品を使用して連結材を切断する状態を説明する概略図である。
【図28】第4実施形態の切断部位を設けたレール部を示す概略正面図である。
【図29】第4実施形態の切断部位を設けたレール部の部分斜視図である。
【図30】第4実施形態のレール部を使用して連結材を切断する状態を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、本体枠2と、本体枠2にヒンジ結合されて開閉可能な前面枠3と、を備えて構成されている。本体枠2は、外枠(機枠)2aと、外枠2aにヒンジ結合されて開閉可能とし、遊技盤5を設けてなる中枠(内枠)2bと、を備えて構成されている。前面枠3は、遊技盤5の前方側に配置される透明なガラス部41と、ガラス部41の下方に配置されて、球受け皿44を設けた皿ユニット部43と、を備えて構成されている。皿ユニット部43には、遊技球を遊技盤5の遊技領域12に打ち出すために操作するハンドル48や皿球抜きボタン49、通路球抜きボタン50、演出ボタン51が配設されている。
【0025】
遊技盤5の外縁側には、外側レール部9と内側レール部10とを有してなるレール部8が配設され、レール部8の内側の遊技領域12には、中央に配置された画像表示装置15を設けてなるセンター役物14や、その周囲に配置される図示しない釘、風車17、普通入賞口18、賞球の無い入賞口(ゲート)19、第1始動口20、第2始動口(電動チューリップ)21、大入賞口(アタッカー)22、アウト口23等の公知の部材が、配設されている。
【0026】
このパチンコ遊技機1では、ハンドル48を操作すれば、皿ユニット部43の内部に設けられた球送り装置60の後述する送り部材70(図7参照)と、遊技盤5の下方に配置された発射装置30の発射杆32(図5,6参照)と、が連動するように作動されて、球受け皿44上の遊技球が、球送り装置60の送り部材70によって、1球ずつ、発射装置30の後述する発射レール35上に送られ、ついで、発射装置30の発射杆32が、発射レール35上の遊技球を、叩いて発射させることから、遊技球が、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されることとなる。
【0027】
そして、遊技領域12に打ち出された遊技球は、普通入賞口18、ゲート19、第1始動口20、第2始動口21、大入賞口22、アウト口23のいずれかに入球する。この時、遊技球が、普通入賞口18、第1始動口20、開放時の第2始動口21や大入賞口22に入賞すれば、所定数の遊技球が球受け皿44上に払い出され、ゲート19を通過すれば、抽選により第2始動口21を所定時間若しくは所定回数開放させることとなる。また、遊技球が、第1始動口20や開放時の第2始動口21に入賞すれば、抽選により、大当たり、中当たり、小当たり等の当たりや外れが決定され、当たりとなれば、大入賞口22を、その当たりに応じて開放時間、開放回数、入賞個数等を制限して、開放することとなる。これらの作動や遊技フローは、公知のものであり、遊技盤5の背面側(後面側)に配置された図示しないメイン制御基板が、入賞時のセンシングに基づき、各種の作動信号を出力し、そして、メイン制御基板からの当たりや外れ等の抽選結果に基づいて、図示しないサブ制御基板が、所定数の遊技球を払い出したり、所定のランプ27やスピーカ28等を作動させつつ、所定の演出を画像表示装置15に表示することとなる。
【0028】
このようなパチンコ遊技機1に対し、不正行為者は、可撓性を有した0.1〜0.3φ程度の細い釣り糸のような連結材Sを付けた遊技球Bを、通常の遊技球と同様に、球受け皿44から、ハンドル48を操作し、球送り装置60を経て、発射装置30に送り、発射装置30から遊技領域12へ打ち出す。その際、連結材Sの元部端側は、球受け皿44側に残しておく。そして、不正行為者は、その連結材Sの元部側を引張ったり繰出したりして、遊技球Bを操作し、遊技球Bを、賞球のある既述の入賞口18,20,21,22に入球させ、それらの入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の部位で、連結材Sを操作して、遊技球Bを往復移動させることにより、入賞スイッチ25を何回もオンさせて、賞球を得ようと、不正を働くこととなる。
【0029】
発射装置30について説明すると、発射装置30は、図4〜6に示すように、前方側をカバー33に覆われた発射杆32と、発射通路34と、を備えて構成されている。発射杆32は、揺動中心部32aから放射状に延びる打球部32bとアーム部32cとを備え、揺動中心部32aが図示しないロータリソレノイドの通電によって回動されれば、発射杆32が、正面視で、打撃位置BPまで時計回り方向に回転し、発射通路34の発射レール35上にある遊技球Bを打球部32bによって叩き、ついで、ロータリソレノイドの通電停止により、発射杆32が、図示しない磁石の吸着力と自重とにより、反時計回り方向に回転して、原位置FPに復帰することとなる。なお、アーム部32cは、発射杆32の打撃位置BPと復帰位置(原位置)FPとへの配置を的確に行えるように、図示しない所定のストッパに当接して、発射杆32を一定位置に配置できるように、構成されるとともに、所定位置に配置される磁石に対応して、発射杆32の復帰時に吸着される部位、として形成されている。
【0030】
発射通路34は、板金製として上面側をV字状に凹ませた発射レール35と、その周囲の下ガイドレール36及び上ガイドレール37と、を備えて構成され、さらに、後面側を、発射装置30のベース板31に囲われ、前面側を、前面枠3側の球送り装置60等の部材に囲われて、構成されている。
【0031】
そのため、発射レール35上で打球部32bに叩かれた遊技球Bは、図5に示すように、発射通路34を上昇し、中枠2bに設けられた転動路2c等を経て、レール部8側に発射され、そして、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出される。
【0032】
なお、レール部8の下方には、図2,5に示すように、前面枠3側に設けられた球案内樋部53が配設されている。この球案内樋部53は、発射装置30によって発射された遊技球Bが遊技領域12に打ち出されずにレール部8内を戻ってくる遊技球Bを、球受け皿44側に戻す戻し通路54を備えて構成され、外側レール部9の下端9aの下方に、戻し通路54の流入口54aを開口させている。さらに、球案内樋部53には、戻し通路54の後方側に配置されて、賞球や貸し出しで払い出される遊技球を、球受け皿44側に転動させる払出側通路55も、配設されている。図2に示す符号55aの部位は、払出側通路55の流入口である。さらに、図2に示す符号56は、発射通路34を上昇する遊技球を転動させる転動路56である。
【0033】
そして、このパチンコ遊技機1では、図6〜10に示すように、球送り装置60に、第1実施形態の切断部位CT1を設けている。
【0034】
球送り装置60は、図2〜4に示すように、球受け皿44の遊技球Bの転動路45(図1参照)における終端(下端)の排出口46に連なるように、配設されている。なお、排出口46は、図3に示すように、前面枠3の後面に開口されており、その下縁側には、通路球抜きボタン50の操作により、スライドして、球送り装置60側ではなく、球受け皿44から下方に遊技球を排出するように開口するシャッタ47(図13参照)が、配設されている。
【0035】
球送り装置60は、図7に示すように、ケース61、ソレノイド64、揺動プレート65、送り部材70、ガイドレール部材77、及び、切断用部品90、を備えて構成され、ケース61は、相互に締結される前カバー62と後カバー63とを備えて構成されている。実施形態の場合、ケース61や切断用部品90以外のソレノイド64等の部品は、前カバー62と後カバー63との少なくとも一方に組み付けられたり、あるいは、前カバー62と後カバー63との両者の締結時に、位置決めされるように、ケース61に組み付けられている。
【0036】
ソレノイド64は、コ字形の支持プレート66に保持されて、通電時、揺動プレート65を吸着する。揺動プレート65は、上端を、支持プレート66に締結される引張りコイルばね67と連結させ、上下方向の中間の支持部65aを支持プレート66の係止片66a,66aに支持させている。そのため、揺動プレート65は、支持部65aを揺動中心として、ソレノイド64の通電により、先端部65bをソレノイド64側に接近させ、ソレノイド64の通電停止により、コイルばね67の付勢力により、先端部65bをソレノイド64から離すように、揺動する。
【0037】
送り部材70は、図7,13に示すように、平面視としてU字状として、「U」の字の底部71に軸支部71aを配置させ、軸支部71aに、後カバー63に上下両端を支持される支持ピン68を挿通させることにより、支持ピン68を中心に、左右方向に揺動可能に配設されている。そして、送り部材70は、底部71の上面に、湾曲した半割り円筒状の突起74,75を突設させ、突起74,75間に、揺動プレート65の先端部65bを嵌め込んでいる。そのため、ソレノイド64の通電と通電停止とにより、揺動プレート65が左右に揺動すれば、送り部材70は、支持ピン68を中心として、左右に揺動する。
【0038】
また、送り部材70は、底部71から左右両側の前方に延びる二つの規制杆部72,73を備え、規制杆部72,73の間に、1個分の遊技球Bを収納できる凹部70aを形成している。規制杆部72は、ソレノイド64の非通電時における揺動プレート65がソレノイド64から離れた位置に配置されている際、球受け皿44側の排出口46の後方を塞ぐ位置に、前面の受止面72aを配置させて、球受け皿44側の排出口46に位置する遊技球Bの球送り装置60側への流入を阻止している。そして、ソレノイド64の通電に伴って、揺動プレート65がソレノイド64に接近する方向に揺動すれば、規制杆部72が、右方に回転し、受止面72aを排出口46から右方にずらすため、排出口46に配置されていた遊技球Bが凹部70a内に進入する。ついで、ソレノイド64への通電停止により、コイルばね67の付勢力が作用して、揺動プレート65がソレノイド64から離れれば、規制杆部72が、排出口46を塞ぐように復帰する。そしてその際、規制杆部73は、下方側に延びるような厚さ寸法を小さくした板状として、かつ、その下方のガイドレール部材77の転動路79の底壁80が、左下がりに傾斜しているため、凹部70a内に収納していた遊技球Bは、規制杆部73の下方を潜り抜けるように、左下がりの転動路79の底壁80上を、左方に転動していくこととなる。そのため、ソレノイド64の1サイクル分の通電・通電停止により、送り部材70が1回分左右に揺動し、排出口46を経てガイドレール部材77の流入口78側に流入しようと待機していた遊技球Bが、1個ずつ、転動路79を経て、そして、転動路79の終端の流下口82を経て、発射装置30に送られることとなる。
【0039】
ガイドレール部材77は、図6,7,11〜14に示すように、排出口46に連通するように、排出口46の後方に遊技球Bの流入口78を配置させ、そして、流入口78から遊技球Bを転動させるように転動路79を配設させている。転動路79の終端は、遊技球Bを落下させる流下口82としており、流下口82は、発射装置30の発射レール35の上面に遊技球を落下可能な位置に配置されている。
【0040】
転動路79は、流入口78から左方に傾斜して下がり、さらに、斜め右後方側に反転するように、曲がりながら下がって、流下口82に向かうように配設されている。この転動路79は、底壁80と、転動路79の曲がる外周側に配置される側壁81と、を備えて構成されている。
【0041】
そして、第1実施形態では、転動路79の右後方に反転するような反転部(曲がり部)79aにおける内側の通路面IF側に、すなわち、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、切断用部品90を配設させている。この切断用部品90は、図7〜13に示すように、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成されており、底壁80に固定する三角板状の取付座91と、ガイド壁92と、柱状部93と、を備えて構成されている。取付座91には、切断用部品90を底壁80に取り付けるための取付孔91aと、底壁80の位置決め孔85に嵌合される位置決め突起91bと、が配設されている。なお、切断用部品90を取り付ける際には、ねじ87が使用され、底壁80側には、ねじ87を螺着させる取付孔84が形成されている。
【0042】
ガイド壁92は、取付座91の前縁側から上方に延びるように配設されて、送り部材70の規制杆部73の下方を潜り抜ける遊技球Bを、底壁80上で左方に転動させるように案内する。
【0043】
柱状部93は、ガイド壁92の左端で三角柱状に、取付座91から上方に延びるように形成されている。そして、柱状部93の通路面IF側におけるコーナ部94には、上下に3つの溝部96(96A,96B,96C)が形成されている。
【0044】
各溝部96は、遊技球Bの底壁80上を転動する移動方向に沿って、換言すれば、底壁80に沿って、前側から後下がりに延びるように、形成され、凹んだ底部97を挟んで、上下方向で対向する対向壁部98,99を備えて構成されている。なお、各溝部96の形成される方向は、曲がった通路LRを通る遊技球Bの移動方向に沿って形成されており、連結材Sを付けた遊技球Bが、遊技球Bの転動する上流側の流入口78から、コーナ部94(反転部79a)を回るように底壁80上を転動して、下流側の流下口82に到達すれば、連結材Sは、流入口78から流下口82まで連なるように延びて、結果的に、連結材Sが遊技球Bの転動する移動方向と一致して延びる状態となる。そのため、緊張状態となる連結材Sは、溝部96に沿った状態で直線状となって、溝部96内の全域に進入し易くなる。
【0045】
そして、各溝部96は、開口96a側から底部97側にかけて対向壁部98,99相互の対向面98a,99aが狭まるように、相互に相対的に傾斜して形成されている。すなわち、各溝部96は、開口96aの上下方向の開口幅を、底部97側にかけて狭めるように形成されている。さらに、実施形態では、底部97において、対向面98a,99aの少なくとも一方が凹んで、上下方向の幅を広くするような広口部97aを形成している(図9参照)。
【0046】
実施形態の場合、上部側の二つの溝部96A,96Bにおける下方側の対向壁部99が、その対向面99aの底部97側を凹ませて、副溝部99bを形成するようにして、広口部97aを形成している。また、下端の溝部96Cの対向する対向壁部98,99相互が、共に、対向面98a,99aの底部97側を凹ませて、副溝部98b,99bを形成するようにして、広口部97aを形成している。
【0047】
そして、第1実施形態の切断部位CT1では、各溝部96の底部97側に、刃部103を埋設させて、形成され、切断用部品90が、三つの切断部位CT1を配設させて、構成されている。実施形態の場合、刃部103は、金属製のカッタから形成され、切断用部品90の成形時に、インサート成形したり、あるいは、別途、成形後に上下に貫通するような取付孔を設けて、その取付孔から刃部103を差し込んで取り付けられている。そして、刃部103は、各溝部96の形成方向と略直交方向で交差する方向、換言すれば、曲がった通路LRの通路面IFを転動する遊技球Bの移動方向と略直交するように、実施形態では、上下方向に沿うように配置させ、さらに、先端の切刃104を、底部97から開口96a側に向けるように、コーナ部94の曲率中心側からコーナ部94の頂部94aに向かって、配置させている。
【0048】
この刃部103の配置位置は、各溝部96の開口96aの周縁が、遊技球Bを受け止めるカバー部101となって、各溝部96の開口96aの周縁に遊技球Bが当たっても、刃部103に遊技球Bが接触しない位置としている。さらに、実施形態の場合、溝部96の形成方向に沿った方向における中間位置で、すなわち、溝部96の前方側から斜め右下後方向に延びる方向に沿った溝部96の中間位置で、底部97側からコーナ部94の頂部94a側へ向かうように、切刃104を向けて、配置されている。特に、実施形態では、切刃104が、対向壁部98,99の副溝部98b,99bの対向面部98c,99cとの間に、隙間hを残して、配設されている。
【0049】
この第1実施形態の切断部位CT1を設けた球送り装置60では、不正行為者が、ハンドル48を操作して、連結材Sを付けた遊技球Bを、球受け皿44の転動路45と排出口46と経て、球送り装置60に流入させ、さらに、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出そうとする際、その球送り装置60の部位では、図11〜13に示すような挙動となる。
【0050】
すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、送り部材70の左右の揺動により、排出口46から流入口78を経て、ガイドレール部材77の転動路79に流入して、規制杆部73の下方を潜り抜けて、切断用部品90付近に到達する(図11のA〜C、図13のAの二点鎖線参照)。その後、遊技球Bは、さらに転動して、反転部79aを通過して、流下口82から発射装置30の発射レール35上に流下しようとする(図12のA,B、図13のBの実線参照)。
【0051】
その際、遊技球Bから延びる連結材Sが、切断用部品90の何れかの溝部96に進入し、溝部96の底部97側の刃部103と接触可能な状態となる。そして、遊技球Bに連結された連結材Sが、緊張状態で、切断部位CT1の刃部103に対して接触すれば、刃部103により切断される(図13のBの二点鎖線、図14参照)。
【0052】
なお、連結材Sが、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿44側に連結材Sの操作把持側を残した状態で、遊技球Bが落下する重量を連結材Sにかけた際や、遊技球Bが発射装置30により発射されて連結材Sを牽引した際、あるいは、遊技球Bが遊技領域12に打ち出された状態で、連結材Sの操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材Sの緊張状態では、切断部位CT1が、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配設されていれば、連結材Sが、刃部103に対して、切刃104と略直交方向に摺動して、切刃104に削られたり、あるいは、切刃104に沿って摺動して、切刃104に引き切りされる状態となったり、さらには、切刃104に押し切りされるように押圧されて、刃部103が、容易に、連結材Sを切断する。
【0053】
そして、第1実施形態では、連結材Sが、切断部位CT1の刃部103に対して、緊張状態として接触する部位に、単に、切断部位CT1を、配設するだけで、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部101が、遊技球Bの刃部103との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0054】
したがって、第1実施形態の球送り装置60を備えたパチンコ遊技機1では、連結材Sを付けた遊技球Bを使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球Bの操作を不能にできる。
【0055】
そして、第1実施形態では、切断部位CT1を、遊技球Bの進入不能な開口幅として、曲がった通路LRを通過する遊技球Bに沿って延び、底部97側にかけて開口幅を狭める溝部96を設けて、構成し、刃部103を、緊張状態の連結材Sと接触可能として、溝部96の底部97側に、配置させ、カバー部101を、刃部103の周囲における溝部96の開口96aの周縁から、構成している。そのため、遊技球Bが切刃104に接触しない状態として、連結材Sが、遊技球Bの曲がった通路LRにおけるコーナ部(反転部、曲がり部)97a等の内側の通路面IF側を、摺動しつつ通過する際、円滑に、対向面98a,99aを滑って溝部96内の狭まった底部97側に入り込んで、刃部103と接触することから、刃部103が、容易に、連結材Sを切断することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、球受け皿44から発射装置30の発射レール35に落下させるまでの遊技球Bの通路、すなわち、球送り装置60の転動路79であって、曲がった通路LRの内側の通路面IF側に、切断部位CT1を、配設している。そのため、第1実施形態では、遊技球Bがレール部8や遊技領域12に至るまで、すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、球受け皿44からパチンコ遊技機1内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材Sを切断できることから、不正行為者が連結材Sの切断される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
【0057】
さらに、第1実施形態では、切断部位CT1を設けた部材を、着脱可能な交換部品としている球送り装置60としており、既存のパチンコ遊技機において、交換して、切断部位CT1を設けた部品(球送り装置)60を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
【0058】
また、第1実施形態の切断部位CT1では、刃部103の切刃104が、対向壁部98,99の副溝部98b,99bの対向面部98c,99cとの間に、隙間hを残して、配設されている。このような副溝部98b,99bは、溝部96の底部97側で、底部97の開口幅を広げるように、配設されており、連結材Sが底部97側から離れようとしても、副溝部98b,99bにおける底部97と対向する対向面部98c,99cが、抜けようとする連結材Sを係止して、連結材Sが副溝部98b,99b内から離脱することを防止できる。そのため、緊張状態の連結材Sが、一旦、緩んで、再度、緊張状態となる場合、副溝部98b,99bから外れていないことから、直ちに、切刃104に接触して、迅速に、切断される。
【0059】
なお、実施形態の場合、切刃104と対向面部98c,99cとの間の隙間hの寸法は、連結材Sの直径より大きく設定されているが、隙間hの寸法を、連結材Sの直径と同等、若しくは、若干、小さくすれば、連結材Sが隙間hに進入する際、連結材Sが、切刃104に沿って摺動して、切刃104に引き切りされ易くなる。
【0060】
さらに、発射装置30に至るまでの通路に、切断部位CT1を設ける場合には、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に設ければよく、例えば、図15〜17に示すように、球送り装置60の流下口82の下縁88側や左縁89側に設けてもよい。下縁88側は、遊技球Bが流下口82から発射レール35上に落下することから、遊技球Bの下方に曲がった通路LRの内側の通路面IF側となる。また、左縁89側は、発射レール35上の遊技球Bが発射されれば、流下口82から左斜め上方に曲がった通路LRにおける内側の通路面IFとなる。
【0061】
なお、流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた切断部位CT1は、切断用部品90のコーナ部94に設けた三つの溝部96と刃部103とを設けた構造と同様である。但し、下縁88側の切断部位CT1は、三つの溝部96の全てに、左方に凹むように、副溝部99bを設け、また、左縁89側の切断部位CT1は、三つの溝部96の全てに、上方に凹むように、副溝部98bを設けている。すなわち、発射装置30から発射される遊技球Bが、斜め上左方向に向いて、打ち出されることから、連結材Sも、流下口82から斜め上左方向に向いて引っ張られ、その際、連結材Sが、下縁88側では、左側の副溝部99bに進入し易くなり、また、左縁98側では、上側の副溝部98bに進入し易くなるからである。
【0062】
そして、これらの流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた切断部位CT1でも、連結材Sを付けた状態で遊技球Bがレール部8側に発射されれば、何れかの溝部96内に進入して、連結材Sが、切断部位CT1の刃部103に対して、緊張状態として接触する状態(遊技球Bの発射された際、あるいは、発射後の連結材Sの操作時等)となることから、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にでき、不正行為を防止できる。また、カバー部101が、遊技球Bの刃部103との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0063】
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の切断部位CT2を説明すると、図5,18,19に示すように、遊技領域12側に打ち出された遊技球Bのレール部8への戻りを防止可能な戻り防止片120に、切断部位CT2が配設されている。このような戻り防止片120は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10の上端10a側に、配設されている。そして、この戻り防止片120の配置箇所では、レール部8の内側レール部10の上端10aから遊技領域12側に向かって下方に反転するように、遊技球Bが通過することから、戻リ防止片120は、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配置されていることとなる。
【0064】
この戻り防止片120は、第2実施形態の場合、内側レール部10の上端10aに嵌合させて取着される取付基部110に、揺動可能に、保持されている。取付基部110は、内側レール部10の上端10aに嵌合される四角筒形状の結合筒部111と、結合筒部111から上方に延びて戻り防止片120を保持する保持枠部112と、を備えて構成されている。保持枠部112は、前後で対向する支持壁部114,114と、支持壁部114,114相互を遊技領域12側で連結する連結壁部113と、を備えて構成されている。支持壁部114,114には、相互の対向面に、前後方向に沿って配設される支持ピン115を支持する軸支部114aが形成され、軸支部114aに支持された支持ピン115は、戻り防止片120の軸部122に挿通されている。
【0065】
戻り防止片120は、上下方向の中間付近に、支持ピン115を挿通させる軸部122を配設させ、軸部122の左方側において、上方側に略長方形板状の逆止片部123を配設させ、下方側に錘部121を配設させて構成されている。錘部121は、逆止片部123を上下方向に沿って配置させた際、取付基部110の連結壁部113に当接されて、逆止片部123のレール部8側への回転(図19の反時計方向回り)、を規制している。
【0066】
そして、戻り防止片120の逆止片部123の上縁123a側には、レール部8から遊技領域12側に向かう方向に貫通するように、溝部124が形成されている。また、溝部124は、上端側の開口124aから進入する連結材Sが、底部125に移動し易いように、底部125側にかけてテーパ状に前後方向に沿った開口幅を狭めるように、すなわち、底部125から延びる対向壁部126,127を、上方に向かって拡開させるように、配設させている。特に、実施形態では、対向壁部126,127は、遊技球Bの刃部131との接触を防止できるように、底部125側の開口幅を急激に狭めるように、上方へ膨らむような曲面状に、形成されている。
【0067】
そして、溝部124の底部125には、切断部位CT2を構成する刃部131が配設され、その周囲の対向壁部126,127付近を、遊技球Bの刃部131との接触を防止するカバー部129としている。刃部131は、上端側に薄肉の切刃132を備え、その切刃132を、底部125の形成方向(左右方向)と交差するように、前後方向に沿わせて配置させて、底部125の左右方向の中央に配置されている。さらに、切刃132は、下方に凹むように湾曲して形成されている。そして、この刃部131の配置位置は、周囲の対向壁部126,127の縁付近を、遊技球Bの刃部131との接触を防止するカバー部129とするように、底部125に接近させるように、設定されている。
【0068】
この第2実施形態の戻り防止片120は、連結材Sを付けた状態で発射された遊技球Bが、レール部8を上昇してくれば、図19のA,Bに示すように、遊技球Bに押されて、軸部122を回動中心として、遊技領域12側へ上縁123aを倒し、そして、遊技球Bが上縁123aを越え、下方に流下すれば、図19のCに示すように、錘部121の重量により、戻る。その際、遊技球Bから連結材Sが延びていれば、遊技球Bの重量や落下運動する遊技球Bの慣性力が加わって、連結材Sが、緊張状態となって、戻り防止片120の上縁123aに引っ掛かり、さらに、溝部124の開口124aから、対向壁部126,127を案内面とするように、底部125側に滑り、刃部131の切刃132に接触する。そして、連結材Sは、切刃132が下方に凹むように湾曲していることもあいまって、切刃132に引き切りされるように、切断され、あるいは、対向壁部126,127を滑ってくる勢いで、切刃132に押し切りされて、切断される。あるいは、遊技球Bの移動による牽引によって、切刃132に削られるように、連結材Sが切刃132と摺動して、切断される。
【0069】
そのため、第2実施形態の切断部位CT2では、連結材Sが、下方に引っ張られ、緊張状態となって、戻り防止片120の上縁123a側に設けた切断部位CT2の溝部124に入り、そして、刃部131と接触して、円滑に、切断される。すなわち、第2実施形態では、遊技球Bを操作しようと、球受け皿44側の連結材Sの操作把持部を引っ張る前に、遊技球Bを操作不能に、連結材Sを切断させることができる。勿論、遊技球Bが遊技領域12に打ち出されて落下した直後に、連結材Sが切断されなくとも、その後の連結材Sの引っ張り操作時には、連結材Sが、緊張状態となって刃部131と摺動するため、刃部131の切刃132が、連結材Sを部分的に削り取る状態となり、円滑に連結材Sを切断することができる。
【0070】
また、第2実施形態でも、カバー部129が、遊技球Bの刃部131との直接接触を防止できることから、正常遊技時の遊技球を傷付けることもない。
【0071】
さらに、第2実施形態でも、切断部位CT2を設けた部材が、パチンコ遊技機1の交換部品の一つである戻り防止片120であり、既存のパチンコ遊技機において、交換して、切断部位CT2を設けた部品(戻り防止片)120を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
【0072】
なお、第2実施形態の場合、戻り防止片120は、取付基部110に揺動可能に支持されて、取付基部110と一体的な戻り防止部品109として、構成されており、部品交換時には、取付基部110と戻り防止片120とを一体的に組み付けた戻り防止部品109として、交換されることとなる。
【0073】
また、戻り防止片に切断部位を設ける場合、遊技領域12に打ち出される遊技球Bから延びる連結材Sは、戻り防止片120の上縁123aにおける前後方向中央付近に配置されて、下方へ引っ張られる状態となり易いが、連結材Sが、遊技盤面6に接近し過ぎて、戻り防止片120の上縁123aからずれてしまうことを考慮して、図20〜22に示すように、戻り防止片120Aを構成してもよい。
【0074】
この戻り防止片120Aでは、逆止片部123Aの後縁123bが、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aを対応させて、遊技盤5に設けた凹部5aに収納させて、遊技盤面6より後方に埋め込まれるように、配設されている。特に、図例の場合には、溝部124の開口124aが、遊技盤面6に進入するように、換言すれば、対向壁部126の上縁126aが、遊技盤面6より後方に位置するように、配設されている。
【0075】
なお、遊技盤5に設けた凹部5aは、遊技球Bの通過を許容できるように、逆止片部123Aの上縁123a側の揺動を可能とした状態で、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aと逆止片部123Aとを収納できるように、構成されている。そして、図例の取付基部110Aは、ねじ117止め等して、揺動可能に支持する戻り防止片120Aを、内側レール部10の上端10aに連なるように、配設させている。
【0076】
この戻り防止片120Aでは、遊技盤面6と戻り防止片120Aとの間に、連結材Sが嵌ること無く、円滑に、連結材Sを、切断部位CT2の溝部124内に導入させ、そして、刃部131の切刃132によって、切断できる。
【0077】
また、戻り防止片に設ける切刃としては、図例のような一枚刃の刃部131でなく、図23,24に示すように、溝部124の底部125側にかけて、切刃132,132を相互に接近させつつ重ねるように、二枚の刃部131Aを底部125に設けてもよい。
【0078】
<第3実施形態>
さらに、レール部に切断部位を設ける場合には、図25〜27に示す第3実施形態の切断部位CT3のように構成してもよい。
【0079】
この第3実施形態の切断部位CT3は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10に、配設され、特に、実施形態の場合、内側レール部10に取り付ける切断用部品140に、設けられている。この内側レール部10は、遊技領域12を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側を構成することとなる。
【0080】
切断用部品140は、内側レール部10に取り付けるための取付基部141と、半割り円柱状の突条部142と、を備えて構成されている。取付基部141は、断面コ字形として、内側の嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌めれば、その部位に、取り付け固定されるように、構成されている。
【0081】
そして、突条部142は、外側レール部9側に、開口143aを開けた溝部143を配設させて、溝部143は、レール部8を通過する遊技球Bの移動方向に沿って、底部144を配置させている。すなわち、底部144から前後で対向するように延びる対向壁部145,146が、取付基部141から外側レール部9側に向かって、相互に拡開するように、配設されている。特に、この第3実施形態でも、対向壁部145,146は、遊技球Bの刃部150との接触を防止できるように、底部125側の開口幅を急激に狭めるように、レール部8を通過する遊技球Bの軌跡側、換言すれば、外側レール部9側の左方側に向かって、膨らむような曲面状に、形成されている。
【0082】
そして、底部144に、第2実施形態と同様に、切断部位CT3を構成する切刃151を有した一枚の刃部150が配設されている。切刃151は、レール部8を通過する遊技球Bの移動方向と直交するように、配設されている。切刃151は、中央を、底部144に接近させるように、凹ませて、構成されている。そして、刃部150の周囲の対向壁部145,146付近が、遊技球Bの刃部150との接触を防止するカバー部148としている。
【0083】
また、切断用部品140は、内側レール部10に取り付けられた際、突条部142の内側レール部10からの突出高さH0を、発射装置30から発射されて外側レール部9の内側面9bを転動してくる遊技球Bが突条部142と接触しないように、設定されている。
【0084】
そして、遊技球Bが内側レール部10の上端10aを経て遊技領域12に打ち出される際、連結材Sが、内側レール部10に接触するように、連結材Sが緊張状態となった際、その緊張状態の連結材Sを折曲させつつ接触できるように、切刃151の内側レール部10からの突出高さH1が、設定されている。換言すれば、遊技球Bがレール部8等の小さな曲率の部位の曲がり通路LRを通過する際には、緊張状態の連結材Sが刃部150と接触できるように、切刃151が溝部143の底部144から突設されている。勿論、切刃151の底部144からの突設状態は、底部144や対向壁部145,146の縁144a,145a,146aからなるカバー部148が、レール部8を上昇する遊技球や遊技領域12に打ち出されずに戻ってくる遊技球Bの刃部150との接触を防止できる範囲内で、設定されている。
【0085】
この第3実施形態では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、切断部位CT3の溝部143内に入り込んで、円滑に、刃部150の切刃151と摺動して、切断されることとなる。この時の連結材Sの切断は、連結材Sが緊張状態で溝部143内に入り込んで、対向壁部145,146を滑り、さらに、切刃151の部位でも部分的に滑って、切刃151に引き切りされたり、切刃151に押し切りされたり、あるいは、切刃151に削られたりして、行われる。さらに、連結材Sの切断は、連結材Sの引っ張り操作時に、連結材Sが、切刃151に削られて、切断される場合もある。
【0086】
そして、この第3実施形態の切断部位CT3でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、切断部位CT3を設けた切断用部品140を、配設するだけで、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部148が、遊技球Bの刃部150との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0087】
そして、この第3実施形態は、内側レール部10に単に組み付けるだけで、内側レール部10に切断部位CT3を配設でき、既存のパチンコ遊技機でも、簡単に、不正行為対策を行うことができる。
【0088】
なお、第3実施形態の切断用部品140では、内側レール部10に取り付ける際、断面コ字形の取付基部141を利用して、その嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌め込むだけで、簡単に行えるワンタッチのクリップタイプを示したが、他に、ねじ止め等で取り付けるように構成してもよい。
【0089】
<第4実施形態>
また、切断部位を内側レール部に設ける場合、図28〜30に示す第4実施形態のように、内側レール部10自体に、切断部位CT4を構成する溝部155を設けてもよい。
【0090】
この溝部155は、内側レール部10の前後方向の中央付近に、内側レール部10に沿って長く延びる長穴状に貫通された開口155aを設けて、形成され、対向壁部157,158が、内側レール部10の開口155aの内周面から形成されている。換言すれば、溝部155は、開口155aの上下端部に底部156,156を設けて、それらの底部156,156間を、開口させて、形成されている。そして、上端側の底部156Uにおける内側レール部10の内周面10b側に、刃部162が固定されている。
【0091】
刃部162は、上方へ湾曲するような切刃163を下向きに配設させている。そして、刃部162の周囲の底部156Uや対向壁部157,158における外側レール部9側の縁156a,157a,158a付近が、開口155aの前後方向の開口幅や内側レール部10の肉厚と対応して、遊技球Bの刃部162との接触を防止するカバー部160としている。
【0092】
この第4実施形態の切断部位CT4では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、切断部位CT4の溝部155の開口155a内に入り込んで、円滑に、刃部162の切刃163と摺動して、切断されることとなる。この時の連結材Sの切断は、連結材Sが緊張状態で溝部155内に入り込んで、切刃151に削られたり、引き切りされたり、あるいは、押し切りされて、行われる。さらに、連結材Sの切断は、連結材Sの繰出操作時に、連結材Sが、切刃151に削られて、切断される場合もある。
【0093】
そして、この第4実施形態の切断部位CT4でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、溝部155と刃部162とからなる切断部位CT4を設けるだけで、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部160が、遊技球Bの刃部162との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0094】
<変形例>
なお、各実施形態では、刃部103,131,131A,150,162として、金属製やセラミック製等の薄手の切刃を持ったカッターから形成した場合を示したが、既述したように、刃部は、切断砥石・やすり・サンドペーパ等の細かい凹凸を設けた研削具、から形成することができる。
【0095】
また、刃部103,131,131A,150,162は、各実施形態のように、カバー部101,129,148,160を構成する切断用部品90,140、戻り防止片120,120A、内側レール部10に、別体として組み付けたり、あるいは、各実施形態と相違して、周囲のカバー部と一体的に形成したり、適宜、一体的に形成後、後加工して、形成してもよい。
【0096】
さらに、刃部103,131,131A,150,162は、緊張状態の連結材Sとの接触時、削ったり、引き切り、押し切り等で切断できる位置に、その切刃104,132,151,163や研削面を配置させればよい。
【0097】
また、各実施形態では、切断部位CT1,CT2,CT3,CT4を、遊技球Bが球受け皿44から発射装置30に至るまでの部位、あるいは、レール部8の部位に配設した場合を示したが、他に、入賞口における入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物14の右上部付近等に、切断部位を配設してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…パチンコ遊技機、
6…遊技盤面、
8…レール部、
9…外側レール部、
10…内側レール部、
12…遊技領域、
25…(入賞スイッチ)球検知スイッチ、
30…発射装置、
44…球受け皿、
48…ハンドル、
60…球送り装置、
96,96A,96B,96C,124,143,155…溝部、
97,125,144,156…底部、
101,129,148,160…カバー部、
103,131,131A,150,162…刃部、
104,132,151,163…切刃、
LR…曲がった通路、
IF…内側の通路面、
CT1,CT2,CT3,CT4…切断部位、
S…連結材、
B…遊技球。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が、可撓性を有した紐状の連結材を付けられた状態で、球受け皿を経て発射された際に、遊技球の移動のための連結材の操作を不能にできて、不正行為を防止できるパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、パチンコ遊技機において、不正に賞球を得る不正行為として、可撓性を有した細い(0.1〜0.3φ程度)釣り糸のような連結材を、遊技球に取り付け、その遊技球を発射装置から遊技領域に打ち出し、そして、普通入賞口等の入賞口の入賞スイッチの部位で、連結材を操作して、遊技球を往復移動させることにより、入賞スイッチを何回もオンさせて、不正に賞球を得る行為があった。
【0003】
なお、連結材を遊技球に取り付けて行う不正行為としては、他に、連結材を把持した状態で、遊技球を計数機に投入し、連結材を操作して、遊技球を玉センサ部分で往復移動させることにより、計数値を多くするものがあった(例えば、特許文献1参照)。そして、従来、このような不正行為の対策としては、玉センサ部分での反転するような遊技球の異常な移動を、所定のレバースイッチで検知し、その不正行為を報知していた。
【0004】
そこで、パチンコ遊技機において、遊技球に付けた連結材の操作による不正行為に対し、上記のレバースイッチ等を入賞スイッチ付近に設けて対処することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−85441号公報(第5〜7頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のパチンコ遊技機では、入賞口の数が多く、各入賞口に、反転する遊技球の移動をセンシングするレバースイッチ等を配置することは、レバースイッチ等に連結する電源線や信号線を含めて、設置スペースや部品点数の増加を招くことから、好ましくない。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、連結材を付けた遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパチンコ遊技機は、球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成されるパチンコ遊技機であって、
球受け皿から入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路における内側の通路面側に、遊技球に連結された可撓性を有する紐状の連結材の接触時に、連結材を切断可能とする切断部位が、配設され、
切断部位が、緊張状態の連結材との接触時、連結材を切断可能な刃部と、刃部と遊技球との直接接触を防止するカバー部と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るパチンコ遊技機では、遊技球に連結された連結材が、緊張状態で、切断部位の刃部に対して接触すれば、刃部により切断される。なお、連結材が、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿側に連結材の操作把持側を残した状態で、遊技球が落下する重量を連結材にかけた際や、遊技球が発射装置により発射されて連結材を牽引した際、あるいは、遊技球がパチンコ遊技機内に入り込んだ状態で、連結材の操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材の緊張状態では、切断部位が、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側に、配設されていれば、連結材が、刃部に対して、削られたり引き切りされるように摺動したり、あるいは、押し切りされるように押圧されて、刃部が、容易に、連結材を切断できる。
【0010】
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、連結材が、切断部位の刃部に対して、緊張状態として接触する部位に、単に、切断部位を、配設するだけで、容易に、連結材を切断できて、簡便な構成で、遊技球の操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部が、遊技球の刃部との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球を傷付けることもない。
【0011】
なお、刃部は、金属製やセラミック製の薄板状の切刃を持ったカッターや、切断砥石・やすり・サンドペーパ等の細かい凹凸を設けた研削具、から形成することができ、そして、刃部は、周囲のカバー部と一体的に形成したり、適宜、一体的に形成後、後加工して、形成してもよい。さらに、刃部は、緊張状態の連結材との接触時、削ったり、引き切り、押し切り等で切断できる位置に、切刃や研削面を配置させればよい。
【0012】
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、切断部位を、遊技球の進入不能な開口幅として、曲がった通路を通過する遊技球の移動方向に沿って延び、底部側にかけて開口幅を狭める溝部を設けて、構成し、
刃部を、緊張状態の連結材と接触可能として、溝部の底部側に、配置させ、
カバー部を、溝部における刃部の周囲から、構成することが望ましい。
【0013】
このような構成では、遊技球が刃部に接触しない状態として、連結材が、遊技球の曲がった通路におけるコーナ部等の内側の通路面側を、摺動しつつ通過する際、円滑に、溝部内の狭まった底部側に入り込んで、刃部と接触することから、刃部が、容易に、連結材を切断することができる。
【0014】
この場合、刃部が、先端に切刃を備えていれば、切刃は、溝部の形成方向と交差する方向に沿い、かつ、緊張状態の連結材と接触可能に、配設させることが望ましい。このような構成では、緊張状態の連結材が、切刃に接触すれば、容易に、切刃に、削られたり、引き切りや押し切りされ易くなって、迅速に、切断可能となる。
【0015】
また、本発明に係るパチンコ遊技機では、球受け皿から発射装置の発射レールに落下させるまでの遊技球の通路であって、曲がった通路の内側の通路面側に、切断部位を、配設してもよい。このような構成では、遊技球がレール部や遊技領域に至るまで、すなわち、連結材を付けた遊技球が、球受け皿からパチンコ遊技機内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材を切断できることから、不正行為者が連結材の切断される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
【0016】
さらに、パチンコ遊技機において、外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の内側レール部の上端側に、遊技領域側に打ち出された遊技球のレール部への戻りを防止可能な戻り防止片が、揺動可能に配設される場合には、戻り防止片の上縁側に、レール部から遊技領域側に向かう方向に貫通しつつ、下方に凹む溝部を形成して、切断部位を構成する刃部とカバー部とを、配設してもよい。
【0017】
このような構成では、内側レール部の上端側に設けられる戻り防止片は、遊技領域の最上位置付近に配置されることから、遊技領域内に打ち出された遊技球は、戻り防止片から下方の位置に落下する状態となり、戻り防止片の上縁側が、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側となる。そして、戻り防止片の上縁には、遊技球の重量や落下運動する遊技球の慣性力が加わって、連結材が引っ掛かり易い。そのため、連結材が、下方に引っ張られて、戻り防止片の上縁側に設けた切断部位の溝部に入り、そして、刃部と接触して、円滑に、切断可能となる。すなわち、上記の構成では、遊技球を操作しようと、球受け皿側の連結材の操作把持部を引っ張る前に、連結材を切断可能となる。勿論、遊技球が遊技領域に打ち出されて落下した直後に、連結材が切断されなくとも、その後の連結材の引っ張り操作時には、連結材が刃部と摺動するため、刃部は円滑に連結材を切断可能となる。
【0018】
この場合、戻り防止片は、上縁側の揺動を確保した状態として、遊技盤面近傍の連結材を溝部内に導入可能に、後縁側を遊技盤面に埋め込むように、配設することが望ましい。このような構成では、遊技盤面と戻り防止片との間に、連結材が嵌ること無く、円滑に、連結材を、切断部位の溝部内に導入させ、そして、刃部によって、切断できる。
【0019】
さらに、切断部位は、外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の内側レール部に、配設してもよい。内側レール部は、遊技領域を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球の曲がった通路における内側の通路面側を構成することとなる。そして、遊技球が、発射装置から発射され、レール部を経て、遊技領域に打ち出されようとすれば、遊技球に連なる連結材は、内側レール部の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、切断部位の溝部内に入り込んで、円滑に、刃部と摺動して、切断されることとなる。
【0020】
そして、本発明に係るパチンコ遊技機では、切断部位を設けた部材を、着脱可能な交換部品とすれば、既存のパチンコ遊技機において、交換して、切断部位を設けた部品を取り付けることができて、容易に、連結材を付けた遊技球による不正行為対策を図ることができる。このような交換部品としては、球受け皿から発射装置に遊技球を送る球送り装置や、戻り防止片、等が例示できる。
【0021】
勿論、上記のような交換部品としなくとも、別途、切断部位を設けた部材、あるいは、切断部位自体を、パチンコ遊技機に設けるようにしてもよく、その場合には、発射装置に至るまでの部位やレール部の部位ばかりでなく、入賞口における入賞スイッチの直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物の右上部付近等に、切断部位を配設することができる。
【発明の効果】
【0022】
したがって、本発明に係るパチンコ遊技機では、連結材を付けた遊技球を使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球の操作を不能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1実施形態のパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】第1実施形態のパチンコ遊技機における本体枠に対して、前面枠を開けた状態を示す概略部分斜視図であり、遊技盤を省略している。
【図3】図2に示す状態から、球送り装置を外した状態を示す概略部分斜視図である。
【図4】図3に示す状態の本体枠側の発射装置に対し、球送り装置を配置させた状態と、球送り装置を外した状態と、を示す概略斜視図である。
【図5】第1実施形態のパチンコ遊技機の本体枠側を示す概略正面図である。
【図6】第1実施形態の球送り装置を示す概略背面図である。
【図7】第1実施形態の球送り装置の概略分解斜視図である。
【図8】第1実施形態の球送り装置に切断部位を配設するための切断用部品の左側面図である。
【図9】第1実施形態の球送り装置に使用される切断用部品の斜め左後方向から見た部分断面背面図である。
【図10】第1実施形態の球送り装置に使用される切断用部品の斜め左前方向から見た正面図である。
【図11】連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略斜視図である。
【図12】連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略斜視図であり、図11の後の状態を示す。
【図13】連結材を付けた遊技球が第1実施形態の球送り装置を通過する状態を、順に示す概略拡大平面図である。
【図14】連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態を、第1実施形態の球送り装置の背面側から示した概略図である。
【図15】第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態の二態様をそれぞれ示す概略平面図である。
【図16】第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された状態を示す概略背面図である。
【図17】第1実施形態の球送り装置の変形例の使用時において、連結材を付けた遊技球が発射装置から発射された他の状態を示す概略背面図である。
【図18】第2実施形態の切断部位を設けた戻り防止片の概略斜視図である。
【図19】第2実施形態の戻り防止片の作動時を順に示す概略部分断面正面図である。
【図20】第2実施形態の変形例の戻り防止片の概略正面図である。
【図21】図20のXXI−XXI部位の概略部分断面図である。
【図22】図20に示した戻り防止片の作動時を順に示す概略部分断面正面図である。
【図23】第2実施形態の戻り防止片の他の変形例を示す概略斜視図である。
【図24】図23に示す戻り防止片の概略平面図と概略左側面図である。
【図25】第3実施形態の切断部位を設けたレール部を示す概略正面図である。
【図26】第3実施形態のレール部に切断部位を設けるための切断用部品の斜視図である。
【図27】第3実施形態の切断用部品を使用して連結材を切断する状態を説明する概略図である。
【図28】第4実施形態の切断部位を設けたレール部を示す概略正面図である。
【図29】第4実施形態の切断部位を設けたレール部の部分斜視図である。
【図30】第4実施形態のレール部を使用して連結材を切断する状態を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、本体枠2と、本体枠2にヒンジ結合されて開閉可能な前面枠3と、を備えて構成されている。本体枠2は、外枠(機枠)2aと、外枠2aにヒンジ結合されて開閉可能とし、遊技盤5を設けてなる中枠(内枠)2bと、を備えて構成されている。前面枠3は、遊技盤5の前方側に配置される透明なガラス部41と、ガラス部41の下方に配置されて、球受け皿44を設けた皿ユニット部43と、を備えて構成されている。皿ユニット部43には、遊技球を遊技盤5の遊技領域12に打ち出すために操作するハンドル48や皿球抜きボタン49、通路球抜きボタン50、演出ボタン51が配設されている。
【0025】
遊技盤5の外縁側には、外側レール部9と内側レール部10とを有してなるレール部8が配設され、レール部8の内側の遊技領域12には、中央に配置された画像表示装置15を設けてなるセンター役物14や、その周囲に配置される図示しない釘、風車17、普通入賞口18、賞球の無い入賞口(ゲート)19、第1始動口20、第2始動口(電動チューリップ)21、大入賞口(アタッカー)22、アウト口23等の公知の部材が、配設されている。
【0026】
このパチンコ遊技機1では、ハンドル48を操作すれば、皿ユニット部43の内部に設けられた球送り装置60の後述する送り部材70(図7参照)と、遊技盤5の下方に配置された発射装置30の発射杆32(図5,6参照)と、が連動するように作動されて、球受け皿44上の遊技球が、球送り装置60の送り部材70によって、1球ずつ、発射装置30の後述する発射レール35上に送られ、ついで、発射装置30の発射杆32が、発射レール35上の遊技球を、叩いて発射させることから、遊技球が、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されることとなる。
【0027】
そして、遊技領域12に打ち出された遊技球は、普通入賞口18、ゲート19、第1始動口20、第2始動口21、大入賞口22、アウト口23のいずれかに入球する。この時、遊技球が、普通入賞口18、第1始動口20、開放時の第2始動口21や大入賞口22に入賞すれば、所定数の遊技球が球受け皿44上に払い出され、ゲート19を通過すれば、抽選により第2始動口21を所定時間若しくは所定回数開放させることとなる。また、遊技球が、第1始動口20や開放時の第2始動口21に入賞すれば、抽選により、大当たり、中当たり、小当たり等の当たりや外れが決定され、当たりとなれば、大入賞口22を、その当たりに応じて開放時間、開放回数、入賞個数等を制限して、開放することとなる。これらの作動や遊技フローは、公知のものであり、遊技盤5の背面側(後面側)に配置された図示しないメイン制御基板が、入賞時のセンシングに基づき、各種の作動信号を出力し、そして、メイン制御基板からの当たりや外れ等の抽選結果に基づいて、図示しないサブ制御基板が、所定数の遊技球を払い出したり、所定のランプ27やスピーカ28等を作動させつつ、所定の演出を画像表示装置15に表示することとなる。
【0028】
このようなパチンコ遊技機1に対し、不正行為者は、可撓性を有した0.1〜0.3φ程度の細い釣り糸のような連結材Sを付けた遊技球Bを、通常の遊技球と同様に、球受け皿44から、ハンドル48を操作し、球送り装置60を経て、発射装置30に送り、発射装置30から遊技領域12へ打ち出す。その際、連結材Sの元部端側は、球受け皿44側に残しておく。そして、不正行為者は、その連結材Sの元部側を引張ったり繰出したりして、遊技球Bを操作し、遊技球Bを、賞球のある既述の入賞口18,20,21,22に入球させ、それらの入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の部位で、連結材Sを操作して、遊技球Bを往復移動させることにより、入賞スイッチ25を何回もオンさせて、賞球を得ようと、不正を働くこととなる。
【0029】
発射装置30について説明すると、発射装置30は、図4〜6に示すように、前方側をカバー33に覆われた発射杆32と、発射通路34と、を備えて構成されている。発射杆32は、揺動中心部32aから放射状に延びる打球部32bとアーム部32cとを備え、揺動中心部32aが図示しないロータリソレノイドの通電によって回動されれば、発射杆32が、正面視で、打撃位置BPまで時計回り方向に回転し、発射通路34の発射レール35上にある遊技球Bを打球部32bによって叩き、ついで、ロータリソレノイドの通電停止により、発射杆32が、図示しない磁石の吸着力と自重とにより、反時計回り方向に回転して、原位置FPに復帰することとなる。なお、アーム部32cは、発射杆32の打撃位置BPと復帰位置(原位置)FPとへの配置を的確に行えるように、図示しない所定のストッパに当接して、発射杆32を一定位置に配置できるように、構成されるとともに、所定位置に配置される磁石に対応して、発射杆32の復帰時に吸着される部位、として形成されている。
【0030】
発射通路34は、板金製として上面側をV字状に凹ませた発射レール35と、その周囲の下ガイドレール36及び上ガイドレール37と、を備えて構成され、さらに、後面側を、発射装置30のベース板31に囲われ、前面側を、前面枠3側の球送り装置60等の部材に囲われて、構成されている。
【0031】
そのため、発射レール35上で打球部32bに叩かれた遊技球Bは、図5に示すように、発射通路34を上昇し、中枠2bに設けられた転動路2c等を経て、レール部8側に発射され、そして、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出される。
【0032】
なお、レール部8の下方には、図2,5に示すように、前面枠3側に設けられた球案内樋部53が配設されている。この球案内樋部53は、発射装置30によって発射された遊技球Bが遊技領域12に打ち出されずにレール部8内を戻ってくる遊技球Bを、球受け皿44側に戻す戻し通路54を備えて構成され、外側レール部9の下端9aの下方に、戻し通路54の流入口54aを開口させている。さらに、球案内樋部53には、戻し通路54の後方側に配置されて、賞球や貸し出しで払い出される遊技球を、球受け皿44側に転動させる払出側通路55も、配設されている。図2に示す符号55aの部位は、払出側通路55の流入口である。さらに、図2に示す符号56は、発射通路34を上昇する遊技球を転動させる転動路56である。
【0033】
そして、このパチンコ遊技機1では、図6〜10に示すように、球送り装置60に、第1実施形態の切断部位CT1を設けている。
【0034】
球送り装置60は、図2〜4に示すように、球受け皿44の遊技球Bの転動路45(図1参照)における終端(下端)の排出口46に連なるように、配設されている。なお、排出口46は、図3に示すように、前面枠3の後面に開口されており、その下縁側には、通路球抜きボタン50の操作により、スライドして、球送り装置60側ではなく、球受け皿44から下方に遊技球を排出するように開口するシャッタ47(図13参照)が、配設されている。
【0035】
球送り装置60は、図7に示すように、ケース61、ソレノイド64、揺動プレート65、送り部材70、ガイドレール部材77、及び、切断用部品90、を備えて構成され、ケース61は、相互に締結される前カバー62と後カバー63とを備えて構成されている。実施形態の場合、ケース61や切断用部品90以外のソレノイド64等の部品は、前カバー62と後カバー63との少なくとも一方に組み付けられたり、あるいは、前カバー62と後カバー63との両者の締結時に、位置決めされるように、ケース61に組み付けられている。
【0036】
ソレノイド64は、コ字形の支持プレート66に保持されて、通電時、揺動プレート65を吸着する。揺動プレート65は、上端を、支持プレート66に締結される引張りコイルばね67と連結させ、上下方向の中間の支持部65aを支持プレート66の係止片66a,66aに支持させている。そのため、揺動プレート65は、支持部65aを揺動中心として、ソレノイド64の通電により、先端部65bをソレノイド64側に接近させ、ソレノイド64の通電停止により、コイルばね67の付勢力により、先端部65bをソレノイド64から離すように、揺動する。
【0037】
送り部材70は、図7,13に示すように、平面視としてU字状として、「U」の字の底部71に軸支部71aを配置させ、軸支部71aに、後カバー63に上下両端を支持される支持ピン68を挿通させることにより、支持ピン68を中心に、左右方向に揺動可能に配設されている。そして、送り部材70は、底部71の上面に、湾曲した半割り円筒状の突起74,75を突設させ、突起74,75間に、揺動プレート65の先端部65bを嵌め込んでいる。そのため、ソレノイド64の通電と通電停止とにより、揺動プレート65が左右に揺動すれば、送り部材70は、支持ピン68を中心として、左右に揺動する。
【0038】
また、送り部材70は、底部71から左右両側の前方に延びる二つの規制杆部72,73を備え、規制杆部72,73の間に、1個分の遊技球Bを収納できる凹部70aを形成している。規制杆部72は、ソレノイド64の非通電時における揺動プレート65がソレノイド64から離れた位置に配置されている際、球受け皿44側の排出口46の後方を塞ぐ位置に、前面の受止面72aを配置させて、球受け皿44側の排出口46に位置する遊技球Bの球送り装置60側への流入を阻止している。そして、ソレノイド64の通電に伴って、揺動プレート65がソレノイド64に接近する方向に揺動すれば、規制杆部72が、右方に回転し、受止面72aを排出口46から右方にずらすため、排出口46に配置されていた遊技球Bが凹部70a内に進入する。ついで、ソレノイド64への通電停止により、コイルばね67の付勢力が作用して、揺動プレート65がソレノイド64から離れれば、規制杆部72が、排出口46を塞ぐように復帰する。そしてその際、規制杆部73は、下方側に延びるような厚さ寸法を小さくした板状として、かつ、その下方のガイドレール部材77の転動路79の底壁80が、左下がりに傾斜しているため、凹部70a内に収納していた遊技球Bは、規制杆部73の下方を潜り抜けるように、左下がりの転動路79の底壁80上を、左方に転動していくこととなる。そのため、ソレノイド64の1サイクル分の通電・通電停止により、送り部材70が1回分左右に揺動し、排出口46を経てガイドレール部材77の流入口78側に流入しようと待機していた遊技球Bが、1個ずつ、転動路79を経て、そして、転動路79の終端の流下口82を経て、発射装置30に送られることとなる。
【0039】
ガイドレール部材77は、図6,7,11〜14に示すように、排出口46に連通するように、排出口46の後方に遊技球Bの流入口78を配置させ、そして、流入口78から遊技球Bを転動させるように転動路79を配設させている。転動路79の終端は、遊技球Bを落下させる流下口82としており、流下口82は、発射装置30の発射レール35の上面に遊技球を落下可能な位置に配置されている。
【0040】
転動路79は、流入口78から左方に傾斜して下がり、さらに、斜め右後方側に反転するように、曲がりながら下がって、流下口82に向かうように配設されている。この転動路79は、底壁80と、転動路79の曲がる外周側に配置される側壁81と、を備えて構成されている。
【0041】
そして、第1実施形態では、転動路79の右後方に反転するような反転部(曲がり部)79aにおける内側の通路面IF側に、すなわち、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、切断用部品90を配設させている。この切断用部品90は、図7〜13に示すように、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成されており、底壁80に固定する三角板状の取付座91と、ガイド壁92と、柱状部93と、を備えて構成されている。取付座91には、切断用部品90を底壁80に取り付けるための取付孔91aと、底壁80の位置決め孔85に嵌合される位置決め突起91bと、が配設されている。なお、切断用部品90を取り付ける際には、ねじ87が使用され、底壁80側には、ねじ87を螺着させる取付孔84が形成されている。
【0042】
ガイド壁92は、取付座91の前縁側から上方に延びるように配設されて、送り部材70の規制杆部73の下方を潜り抜ける遊技球Bを、底壁80上で左方に転動させるように案内する。
【0043】
柱状部93は、ガイド壁92の左端で三角柱状に、取付座91から上方に延びるように形成されている。そして、柱状部93の通路面IF側におけるコーナ部94には、上下に3つの溝部96(96A,96B,96C)が形成されている。
【0044】
各溝部96は、遊技球Bの底壁80上を転動する移動方向に沿って、換言すれば、底壁80に沿って、前側から後下がりに延びるように、形成され、凹んだ底部97を挟んで、上下方向で対向する対向壁部98,99を備えて構成されている。なお、各溝部96の形成される方向は、曲がった通路LRを通る遊技球Bの移動方向に沿って形成されており、連結材Sを付けた遊技球Bが、遊技球Bの転動する上流側の流入口78から、コーナ部94(反転部79a)を回るように底壁80上を転動して、下流側の流下口82に到達すれば、連結材Sは、流入口78から流下口82まで連なるように延びて、結果的に、連結材Sが遊技球Bの転動する移動方向と一致して延びる状態となる。そのため、緊張状態となる連結材Sは、溝部96に沿った状態で直線状となって、溝部96内の全域に進入し易くなる。
【0045】
そして、各溝部96は、開口96a側から底部97側にかけて対向壁部98,99相互の対向面98a,99aが狭まるように、相互に相対的に傾斜して形成されている。すなわち、各溝部96は、開口96aの上下方向の開口幅を、底部97側にかけて狭めるように形成されている。さらに、実施形態では、底部97において、対向面98a,99aの少なくとも一方が凹んで、上下方向の幅を広くするような広口部97aを形成している(図9参照)。
【0046】
実施形態の場合、上部側の二つの溝部96A,96Bにおける下方側の対向壁部99が、その対向面99aの底部97側を凹ませて、副溝部99bを形成するようにして、広口部97aを形成している。また、下端の溝部96Cの対向する対向壁部98,99相互が、共に、対向面98a,99aの底部97側を凹ませて、副溝部98b,99bを形成するようにして、広口部97aを形成している。
【0047】
そして、第1実施形態の切断部位CT1では、各溝部96の底部97側に、刃部103を埋設させて、形成され、切断用部品90が、三つの切断部位CT1を配設させて、構成されている。実施形態の場合、刃部103は、金属製のカッタから形成され、切断用部品90の成形時に、インサート成形したり、あるいは、別途、成形後に上下に貫通するような取付孔を設けて、その取付孔から刃部103を差し込んで取り付けられている。そして、刃部103は、各溝部96の形成方向と略直交方向で交差する方向、換言すれば、曲がった通路LRの通路面IFを転動する遊技球Bの移動方向と略直交するように、実施形態では、上下方向に沿うように配置させ、さらに、先端の切刃104を、底部97から開口96a側に向けるように、コーナ部94の曲率中心側からコーナ部94の頂部94aに向かって、配置させている。
【0048】
この刃部103の配置位置は、各溝部96の開口96aの周縁が、遊技球Bを受け止めるカバー部101となって、各溝部96の開口96aの周縁に遊技球Bが当たっても、刃部103に遊技球Bが接触しない位置としている。さらに、実施形態の場合、溝部96の形成方向に沿った方向における中間位置で、すなわち、溝部96の前方側から斜め右下後方向に延びる方向に沿った溝部96の中間位置で、底部97側からコーナ部94の頂部94a側へ向かうように、切刃104を向けて、配置されている。特に、実施形態では、切刃104が、対向壁部98,99の副溝部98b,99bの対向面部98c,99cとの間に、隙間hを残して、配設されている。
【0049】
この第1実施形態の切断部位CT1を設けた球送り装置60では、不正行為者が、ハンドル48を操作して、連結材Sを付けた遊技球Bを、球受け皿44の転動路45と排出口46と経て、球送り装置60に流入させ、さらに、発射装置30から、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出そうとする際、その球送り装置60の部位では、図11〜13に示すような挙動となる。
【0050】
すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、送り部材70の左右の揺動により、排出口46から流入口78を経て、ガイドレール部材77の転動路79に流入して、規制杆部73の下方を潜り抜けて、切断用部品90付近に到達する(図11のA〜C、図13のAの二点鎖線参照)。その後、遊技球Bは、さらに転動して、反転部79aを通過して、流下口82から発射装置30の発射レール35上に流下しようとする(図12のA,B、図13のBの実線参照)。
【0051】
その際、遊技球Bから延びる連結材Sが、切断用部品90の何れかの溝部96に進入し、溝部96の底部97側の刃部103と接触可能な状態となる。そして、遊技球Bに連結された連結材Sが、緊張状態で、切断部位CT1の刃部103に対して接触すれば、刃部103により切断される(図13のBの二点鎖線、図14参照)。
【0052】
なお、連結材Sが、緊張状態となる場合は、例えば、球受け皿44側に連結材Sの操作把持側を残した状態で、遊技球Bが落下する重量を連結材Sにかけた際や、遊技球Bが発射装置30により発射されて連結材Sを牽引した際、あるいは、遊技球Bが遊技領域12に打ち出された状態で、連結材Sの操作把持側を引っ張った際、等に、生じる。そして、そのような連結材Sの緊張状態では、切断部位CT1が、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配設されていれば、連結材Sが、刃部103に対して、切刃104と略直交方向に摺動して、切刃104に削られたり、あるいは、切刃104に沿って摺動して、切刃104に引き切りされる状態となったり、さらには、切刃104に押し切りされるように押圧されて、刃部103が、容易に、連結材Sを切断する。
【0053】
そして、第1実施形態では、連結材Sが、切断部位CT1の刃部103に対して、緊張状態として接触する部位に、単に、切断部位CT1を、配設するだけで、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部101が、遊技球Bの刃部103との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0054】
したがって、第1実施形態の球送り装置60を備えたパチンコ遊技機1では、連結材Sを付けた遊技球Bを使用しようとしても、簡便な構成として、その遊技球Bの操作を不能にできる。
【0055】
そして、第1実施形態では、切断部位CT1を、遊技球Bの進入不能な開口幅として、曲がった通路LRを通過する遊技球Bに沿って延び、底部97側にかけて開口幅を狭める溝部96を設けて、構成し、刃部103を、緊張状態の連結材Sと接触可能として、溝部96の底部97側に、配置させ、カバー部101を、刃部103の周囲における溝部96の開口96aの周縁から、構成している。そのため、遊技球Bが切刃104に接触しない状態として、連結材Sが、遊技球Bの曲がった通路LRにおけるコーナ部(反転部、曲がり部)97a等の内側の通路面IF側を、摺動しつつ通過する際、円滑に、対向面98a,99aを滑って溝部96内の狭まった底部97側に入り込んで、刃部103と接触することから、刃部103が、容易に、連結材Sを切断することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、球受け皿44から発射装置30の発射レール35に落下させるまでの遊技球Bの通路、すなわち、球送り装置60の転動路79であって、曲がった通路LRの内側の通路面IF側に、切断部位CT1を、配設している。そのため、第1実施形態では、遊技球Bがレール部8や遊技領域12に至るまで、すなわち、連結材Sを付けた遊技球Bが、球受け皿44からパチンコ遊技機1内に入り込んで、目視できないエリア、に配置されている際、連結材Sを切断できることから、不正行為者が連結材Sの切断される原因や理由を把握し難く、そのため、不正行為者の不正行為を繰り返す意欲を、効果的に削ぐことができる。
【0057】
さらに、第1実施形態では、切断部位CT1を設けた部材を、着脱可能な交換部品としている球送り装置60としており、既存のパチンコ遊技機において、交換して、切断部位CT1を設けた部品(球送り装置)60を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
【0058】
また、第1実施形態の切断部位CT1では、刃部103の切刃104が、対向壁部98,99の副溝部98b,99bの対向面部98c,99cとの間に、隙間hを残して、配設されている。このような副溝部98b,99bは、溝部96の底部97側で、底部97の開口幅を広げるように、配設されており、連結材Sが底部97側から離れようとしても、副溝部98b,99bにおける底部97と対向する対向面部98c,99cが、抜けようとする連結材Sを係止して、連結材Sが副溝部98b,99b内から離脱することを防止できる。そのため、緊張状態の連結材Sが、一旦、緩んで、再度、緊張状態となる場合、副溝部98b,99bから外れていないことから、直ちに、切刃104に接触して、迅速に、切断される。
【0059】
なお、実施形態の場合、切刃104と対向面部98c,99cとの間の隙間hの寸法は、連結材Sの直径より大きく設定されているが、隙間hの寸法を、連結材Sの直径と同等、若しくは、若干、小さくすれば、連結材Sが隙間hに進入する際、連結材Sが、切刃104に沿って摺動して、切刃104に引き切りされ易くなる。
【0060】
さらに、発射装置30に至るまでの通路に、切断部位CT1を設ける場合には、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に設ければよく、例えば、図15〜17に示すように、球送り装置60の流下口82の下縁88側や左縁89側に設けてもよい。下縁88側は、遊技球Bが流下口82から発射レール35上に落下することから、遊技球Bの下方に曲がった通路LRの内側の通路面IF側となる。また、左縁89側は、発射レール35上の遊技球Bが発射されれば、流下口82から左斜め上方に曲がった通路LRにおける内側の通路面IFとなる。
【0061】
なお、流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた切断部位CT1は、切断用部品90のコーナ部94に設けた三つの溝部96と刃部103とを設けた構造と同様である。但し、下縁88側の切断部位CT1は、三つの溝部96の全てに、左方に凹むように、副溝部99bを設け、また、左縁89側の切断部位CT1は、三つの溝部96の全てに、上方に凹むように、副溝部98bを設けている。すなわち、発射装置30から発射される遊技球Bが、斜め上左方向に向いて、打ち出されることから、連結材Sも、流下口82から斜め上左方向に向いて引っ張られ、その際、連結材Sが、下縁88側では、左側の副溝部99bに進入し易くなり、また、左縁98側では、上側の副溝部98bに進入し易くなるからである。
【0062】
そして、これらの流下口82の下縁88側や左縁89側に設けた切断部位CT1でも、連結材Sを付けた状態で遊技球Bがレール部8側に発射されれば、何れかの溝部96内に進入して、連結材Sが、切断部位CT1の刃部103に対して、緊張状態として接触する状態(遊技球Bの発射された際、あるいは、発射後の連結材Sの操作時等)となることから、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にでき、不正行為を防止できる。また、カバー部101が、遊技球Bの刃部103との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0063】
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の切断部位CT2を説明すると、図5,18,19に示すように、遊技領域12側に打ち出された遊技球Bのレール部8への戻りを防止可能な戻り防止片120に、切断部位CT2が配設されている。このような戻り防止片120は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10の上端10a側に、配設されている。そして、この戻り防止片120の配置箇所では、レール部8の内側レール部10の上端10aから遊技領域12側に向かって下方に反転するように、遊技球Bが通過することから、戻リ防止片120は、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側に、配置されていることとなる。
【0064】
この戻り防止片120は、第2実施形態の場合、内側レール部10の上端10aに嵌合させて取着される取付基部110に、揺動可能に、保持されている。取付基部110は、内側レール部10の上端10aに嵌合される四角筒形状の結合筒部111と、結合筒部111から上方に延びて戻り防止片120を保持する保持枠部112と、を備えて構成されている。保持枠部112は、前後で対向する支持壁部114,114と、支持壁部114,114相互を遊技領域12側で連結する連結壁部113と、を備えて構成されている。支持壁部114,114には、相互の対向面に、前後方向に沿って配設される支持ピン115を支持する軸支部114aが形成され、軸支部114aに支持された支持ピン115は、戻り防止片120の軸部122に挿通されている。
【0065】
戻り防止片120は、上下方向の中間付近に、支持ピン115を挿通させる軸部122を配設させ、軸部122の左方側において、上方側に略長方形板状の逆止片部123を配設させ、下方側に錘部121を配設させて構成されている。錘部121は、逆止片部123を上下方向に沿って配置させた際、取付基部110の連結壁部113に当接されて、逆止片部123のレール部8側への回転(図19の反時計方向回り)、を規制している。
【0066】
そして、戻り防止片120の逆止片部123の上縁123a側には、レール部8から遊技領域12側に向かう方向に貫通するように、溝部124が形成されている。また、溝部124は、上端側の開口124aから進入する連結材Sが、底部125に移動し易いように、底部125側にかけてテーパ状に前後方向に沿った開口幅を狭めるように、すなわち、底部125から延びる対向壁部126,127を、上方に向かって拡開させるように、配設させている。特に、実施形態では、対向壁部126,127は、遊技球Bの刃部131との接触を防止できるように、底部125側の開口幅を急激に狭めるように、上方へ膨らむような曲面状に、形成されている。
【0067】
そして、溝部124の底部125には、切断部位CT2を構成する刃部131が配設され、その周囲の対向壁部126,127付近を、遊技球Bの刃部131との接触を防止するカバー部129としている。刃部131は、上端側に薄肉の切刃132を備え、その切刃132を、底部125の形成方向(左右方向)と交差するように、前後方向に沿わせて配置させて、底部125の左右方向の中央に配置されている。さらに、切刃132は、下方に凹むように湾曲して形成されている。そして、この刃部131の配置位置は、周囲の対向壁部126,127の縁付近を、遊技球Bの刃部131との接触を防止するカバー部129とするように、底部125に接近させるように、設定されている。
【0068】
この第2実施形態の戻り防止片120は、連結材Sを付けた状態で発射された遊技球Bが、レール部8を上昇してくれば、図19のA,Bに示すように、遊技球Bに押されて、軸部122を回動中心として、遊技領域12側へ上縁123aを倒し、そして、遊技球Bが上縁123aを越え、下方に流下すれば、図19のCに示すように、錘部121の重量により、戻る。その際、遊技球Bから連結材Sが延びていれば、遊技球Bの重量や落下運動する遊技球Bの慣性力が加わって、連結材Sが、緊張状態となって、戻り防止片120の上縁123aに引っ掛かり、さらに、溝部124の開口124aから、対向壁部126,127を案内面とするように、底部125側に滑り、刃部131の切刃132に接触する。そして、連結材Sは、切刃132が下方に凹むように湾曲していることもあいまって、切刃132に引き切りされるように、切断され、あるいは、対向壁部126,127を滑ってくる勢いで、切刃132に押し切りされて、切断される。あるいは、遊技球Bの移動による牽引によって、切刃132に削られるように、連結材Sが切刃132と摺動して、切断される。
【0069】
そのため、第2実施形態の切断部位CT2では、連結材Sが、下方に引っ張られ、緊張状態となって、戻り防止片120の上縁123a側に設けた切断部位CT2の溝部124に入り、そして、刃部131と接触して、円滑に、切断される。すなわち、第2実施形態では、遊技球Bを操作しようと、球受け皿44側の連結材Sの操作把持部を引っ張る前に、遊技球Bを操作不能に、連結材Sを切断させることができる。勿論、遊技球Bが遊技領域12に打ち出されて落下した直後に、連結材Sが切断されなくとも、その後の連結材Sの引っ張り操作時には、連結材Sが、緊張状態となって刃部131と摺動するため、刃部131の切刃132が、連結材Sを部分的に削り取る状態となり、円滑に連結材Sを切断することができる。
【0070】
また、第2実施形態でも、カバー部129が、遊技球Bの刃部131との直接接触を防止できることから、正常遊技時の遊技球を傷付けることもない。
【0071】
さらに、第2実施形態でも、切断部位CT2を設けた部材が、パチンコ遊技機1の交換部品の一つである戻り防止片120であり、既存のパチンコ遊技機において、交換して、切断部位CT2を設けた部品(戻り防止片)120を取り付けることができて、容易に、連結材Sを付けた遊技球Bによる不正行為対策を図ることができる。
【0072】
なお、第2実施形態の場合、戻り防止片120は、取付基部110に揺動可能に支持されて、取付基部110と一体的な戻り防止部品109として、構成されており、部品交換時には、取付基部110と戻り防止片120とを一体的に組み付けた戻り防止部品109として、交換されることとなる。
【0073】
また、戻り防止片に切断部位を設ける場合、遊技領域12に打ち出される遊技球Bから延びる連結材Sは、戻り防止片120の上縁123aにおける前後方向中央付近に配置されて、下方へ引っ張られる状態となり易いが、連結材Sが、遊技盤面6に接近し過ぎて、戻り防止片120の上縁123aからずれてしまうことを考慮して、図20〜22に示すように、戻り防止片120Aを構成してもよい。
【0074】
この戻り防止片120Aでは、逆止片部123Aの後縁123bが、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aを対応させて、遊技盤5に設けた凹部5aに収納させて、遊技盤面6より後方に埋め込まれるように、配設されている。特に、図例の場合には、溝部124の開口124aが、遊技盤面6に進入するように、換言すれば、対向壁部126の上縁126aが、遊技盤面6より後方に位置するように、配設されている。
【0075】
なお、遊技盤5に設けた凹部5aは、遊技球Bの通過を許容できるように、逆止片部123Aの上縁123a側の揺動を可能とした状態で、取付基部110Aの後方側の支持壁部114Aと逆止片部123Aとを収納できるように、構成されている。そして、図例の取付基部110Aは、ねじ117止め等して、揺動可能に支持する戻り防止片120Aを、内側レール部10の上端10aに連なるように、配設させている。
【0076】
この戻り防止片120Aでは、遊技盤面6と戻り防止片120Aとの間に、連結材Sが嵌ること無く、円滑に、連結材Sを、切断部位CT2の溝部124内に導入させ、そして、刃部131の切刃132によって、切断できる。
【0077】
また、戻り防止片に設ける切刃としては、図例のような一枚刃の刃部131でなく、図23,24に示すように、溝部124の底部125側にかけて、切刃132,132を相互に接近させつつ重ねるように、二枚の刃部131Aを底部125に設けてもよい。
【0078】
<第3実施形態>
さらに、レール部に切断部位を設ける場合には、図25〜27に示す第3実施形態の切断部位CT3のように構成してもよい。
【0079】
この第3実施形態の切断部位CT3は、外側レール部9と内側レール部10とを備えて構成されるレール部8の内側レール部10に、配設され、特に、実施形態の場合、内側レール部10に取り付ける切断用部品140に、設けられている。この内側レール部10は、遊技領域12を囲むように、外膨らみの曲線状に形成されており、遊技球Bの曲がった通路LRにおける内側の通路面IF側を構成することとなる。
【0080】
切断用部品140は、内側レール部10に取り付けるための取付基部141と、半割り円柱状の突条部142と、を備えて構成されている。取付基部141は、断面コ字形として、内側の嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌めれば、その部位に、取り付け固定されるように、構成されている。
【0081】
そして、突条部142は、外側レール部9側に、開口143aを開けた溝部143を配設させて、溝部143は、レール部8を通過する遊技球Bの移動方向に沿って、底部144を配置させている。すなわち、底部144から前後で対向するように延びる対向壁部145,146が、取付基部141から外側レール部9側に向かって、相互に拡開するように、配設されている。特に、この第3実施形態でも、対向壁部145,146は、遊技球Bの刃部150との接触を防止できるように、底部125側の開口幅を急激に狭めるように、レール部8を通過する遊技球Bの軌跡側、換言すれば、外側レール部9側の左方側に向かって、膨らむような曲面状に、形成されている。
【0082】
そして、底部144に、第2実施形態と同様に、切断部位CT3を構成する切刃151を有した一枚の刃部150が配設されている。切刃151は、レール部8を通過する遊技球Bの移動方向と直交するように、配設されている。切刃151は、中央を、底部144に接近させるように、凹ませて、構成されている。そして、刃部150の周囲の対向壁部145,146付近が、遊技球Bの刃部150との接触を防止するカバー部148としている。
【0083】
また、切断用部品140は、内側レール部10に取り付けられた際、突条部142の内側レール部10からの突出高さH0を、発射装置30から発射されて外側レール部9の内側面9bを転動してくる遊技球Bが突条部142と接触しないように、設定されている。
【0084】
そして、遊技球Bが内側レール部10の上端10aを経て遊技領域12に打ち出される際、連結材Sが、内側レール部10に接触するように、連結材Sが緊張状態となった際、その緊張状態の連結材Sを折曲させつつ接触できるように、切刃151の内側レール部10からの突出高さH1が、設定されている。換言すれば、遊技球Bがレール部8等の小さな曲率の部位の曲がり通路LRを通過する際には、緊張状態の連結材Sが刃部150と接触できるように、切刃151が溝部143の底部144から突設されている。勿論、切刃151の底部144からの突設状態は、底部144や対向壁部145,146の縁144a,145a,146aからなるカバー部148が、レール部8を上昇する遊技球や遊技領域12に打ち出されずに戻ってくる遊技球Bの刃部150との接触を防止できる範囲内で、設定されている。
【0085】
この第3実施形態では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、切断部位CT3の溝部143内に入り込んで、円滑に、刃部150の切刃151と摺動して、切断されることとなる。この時の連結材Sの切断は、連結材Sが緊張状態で溝部143内に入り込んで、対向壁部145,146を滑り、さらに、切刃151の部位でも部分的に滑って、切刃151に引き切りされたり、切刃151に押し切りされたり、あるいは、切刃151に削られたりして、行われる。さらに、連結材Sの切断は、連結材Sの引っ張り操作時に、連結材Sが、切刃151に削られて、切断される場合もある。
【0086】
そして、この第3実施形態の切断部位CT3でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、切断部位CT3を設けた切断用部品140を、配設するだけで、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部148が、遊技球Bの刃部150との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0087】
そして、この第3実施形態は、内側レール部10に単に組み付けるだけで、内側レール部10に切断部位CT3を配設でき、既存のパチンコ遊技機でも、簡単に、不正行為対策を行うことができる。
【0088】
なお、第3実施形態の切断用部品140では、内側レール部10に取り付ける際、断面コ字形の取付基部141を利用して、その嵌合溝141aに、内側レール部10を嵌め込むだけで、簡単に行えるワンタッチのクリップタイプを示したが、他に、ねじ止め等で取り付けるように構成してもよい。
【0089】
<第4実施形態>
また、切断部位を内側レール部に設ける場合、図28〜30に示す第4実施形態のように、内側レール部10自体に、切断部位CT4を構成する溝部155を設けてもよい。
【0090】
この溝部155は、内側レール部10の前後方向の中央付近に、内側レール部10に沿って長く延びる長穴状に貫通された開口155aを設けて、形成され、対向壁部157,158が、内側レール部10の開口155aの内周面から形成されている。換言すれば、溝部155は、開口155aの上下端部に底部156,156を設けて、それらの底部156,156間を、開口させて、形成されている。そして、上端側の底部156Uにおける内側レール部10の内周面10b側に、刃部162が固定されている。
【0091】
刃部162は、上方へ湾曲するような切刃163を下向きに配設させている。そして、刃部162の周囲の底部156Uや対向壁部157,158における外側レール部9側の縁156a,157a,158a付近が、開口155aの前後方向の開口幅や内側レール部10の肉厚と対応して、遊技球Bの刃部162との接触を防止するカバー部160としている。
【0092】
この第4実施形態の切断部位CT4では、遊技球Bが、発射装置30から発射され、レール部8を経て、遊技領域12に打ち出されようとすれば、遊技球Bに連なる連結材Sは、内側レール部10の外周側の全面に接触するように、牽引されることから、切断部位CT4の溝部155の開口155a内に入り込んで、円滑に、刃部162の切刃163と摺動して、切断されることとなる。この時の連結材Sの切断は、連結材Sが緊張状態で溝部155内に入り込んで、切刃151に削られたり、引き切りされたり、あるいは、押し切りされて、行われる。さらに、連結材Sの切断は、連結材Sの繰出操作時に、連結材Sが、切刃151に削られて、切断される場合もある。
【0093】
そして、この第4実施形態の切断部位CT4でも、緊張状態の連結材Sが接触する部位である内側レール部10に、単に、溝部155と刃部162とからなる切断部位CT4を設けるだけで、容易に、連結材Sを切断できて、簡便な構成で、遊技球Bの操作を不能にできて、不正行為を防止できる。また、カバー部160が、遊技球Bの刃部162との直接接触を防止できて、正常遊技時の遊技球Bを傷付けることもない。
【0094】
<変形例>
なお、各実施形態では、刃部103,131,131A,150,162として、金属製やセラミック製等の薄手の切刃を持ったカッターから形成した場合を示したが、既述したように、刃部は、切断砥石・やすり・サンドペーパ等の細かい凹凸を設けた研削具、から形成することができる。
【0095】
また、刃部103,131,131A,150,162は、各実施形態のように、カバー部101,129,148,160を構成する切断用部品90,140、戻り防止片120,120A、内側レール部10に、別体として組み付けたり、あるいは、各実施形態と相違して、周囲のカバー部と一体的に形成したり、適宜、一体的に形成後、後加工して、形成してもよい。
【0096】
さらに、刃部103,131,131A,150,162は、緊張状態の連結材Sとの接触時、削ったり、引き切り、押し切り等で切断できる位置に、その切刃104,132,151,163や研削面を配置させればよい。
【0097】
また、各実施形態では、切断部位CT1,CT2,CT3,CT4を、遊技球Bが球受け皿44から発射装置30に至るまでの部位、あるいは、レール部8の部位に配設した場合を示したが、他に、入賞口における入賞スイッチ(球検知スイッチ)25の直前部位や、大当り遊技中に右打ちする場合のセンター役物14の右上部付近等に、切断部位を配設してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…パチンコ遊技機、
6…遊技盤面、
8…レール部、
9…外側レール部、
10…内側レール部、
12…遊技領域、
25…(入賞スイッチ)球検知スイッチ、
30…発射装置、
44…球受け皿、
48…ハンドル、
60…球送り装置、
96,96A,96B,96C,124,143,155…溝部、
97,125,144,156…底部、
101,129,148,160…カバー部、
103,131,131A,150,162…刃部、
104,132,151,163…切刃、
LR…曲がった通路、
IF…内側の通路面、
CT1,CT2,CT3,CT4…切断部位、
S…連結材、
B…遊技球。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成されるパチンコ遊技機であって、
前記球受け皿から前記入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路における内側の通路面側に、前記遊技球に連結された可撓性を有する紐状の連結材の接触時に、前記連結材を切断可能とする切断部位が、配設され、
該切断部位が、緊張状態の前記連結材との接触時、前記連結材を切断可能な刃部と、該刃部と前記遊技球との直接接触を防止するカバー部と、を備えて構成されていることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記切断部位が、前記遊技球の進入不能な開口幅として、曲がった前記通路を通過する遊技球の移動方向に沿って延び、底部側にかけて開口幅を狭める溝部を設けて、構成され、
前記刃部が、緊張状態の前記連結材と接触可能として、前記溝部の底部側に、配置され、
前記カバー部が、前記溝部における前記刃部の周囲から、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記刃部が、先端に切刃を備えて構成され、
前記切刃が、前記溝部の形成方向と交差する方向に沿い、かつ、緊張状態の前記連結材と接触可能に、配設されていることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記球受け皿から前記発射装置の発射レールに落下させるまでの遊技球の通路であって、曲がった通路の内側の通路面側に、前記切断部位が、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の前記内側レール部の上端側に、前記遊技領域側に打ち出された前記遊技球の前記レール部への戻りを防止可能な戻り防止片が、揺動可能に配設され、
前記戻り防止片の上縁側に、前記レール部から前記遊技領域側に向かう方向に貫通しつつ、下方に凹む溝部を形成されて、前記切断部位を構成する前記刃部と前記カバー部とが、配設されていることを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のパチンコ遊技機。
【請求項6】
前記戻り防止片が、上縁側の揺動を確保した状態として、遊技盤面近傍の前記連結材を前記溝部内に導入可能に、後縁側を遊技盤面に埋め込むように、配設されていることを特徴とする請求項5に記載のパチンコ遊技機。
【請求項7】
外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の前記内側レール部に、前記切断部位が、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項8】
前記切断部位を設けた部材が、着脱可能な交換部品としていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項1】
球受け皿からの遊技球が、発射装置を経て遊技領域に発射され、さらに、入賞スイッチに到達可能に構成されるパチンコ遊技機であって、
前記球受け皿から前記入賞スイッチまでの遊技球の通路であって、曲がった通路における内側の通路面側に、前記遊技球に連結された可撓性を有する紐状の連結材の接触時に、前記連結材を切断可能とする切断部位が、配設され、
該切断部位が、緊張状態の前記連結材との接触時、前記連結材を切断可能な刃部と、該刃部と前記遊技球との直接接触を防止するカバー部と、を備えて構成されていることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記切断部位が、前記遊技球の進入不能な開口幅として、曲がった前記通路を通過する遊技球の移動方向に沿って延び、底部側にかけて開口幅を狭める溝部を設けて、構成され、
前記刃部が、緊張状態の前記連結材と接触可能として、前記溝部の底部側に、配置され、
前記カバー部が、前記溝部における前記刃部の周囲から、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記刃部が、先端に切刃を備えて構成され、
前記切刃が、前記溝部の形成方向と交差する方向に沿い、かつ、緊張状態の前記連結材と接触可能に、配設されていることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記球受け皿から前記発射装置の発射レールに落下させるまでの遊技球の通路であって、曲がった通路の内側の通路面側に、前記切断部位が、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の前記内側レール部の上端側に、前記遊技領域側に打ち出された前記遊技球の前記レール部への戻りを防止可能な戻り防止片が、揺動可能に配設され、
前記戻り防止片の上縁側に、前記レール部から前記遊技領域側に向かう方向に貫通しつつ、下方に凹む溝部を形成されて、前記切断部位を構成する前記刃部と前記カバー部とが、配設されていることを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のパチンコ遊技機。
【請求項6】
前記戻り防止片が、上縁側の揺動を確保した状態として、遊技盤面近傍の前記連結材を前記溝部内に導入可能に、後縁側を遊技盤面に埋め込むように、配設されていることを特徴とする請求項5に記載のパチンコ遊技機。
【請求項7】
外側レール部と内側レール部とを備えて構成されるレール部の前記内側レール部に、前記切断部位が、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項8】
前記切断部位を設けた部材が、着脱可能な交換部品としていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−70941(P2012−70941A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218039(P2010−218039)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
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