説明

パッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法

【課題】 実質的にアンテナの高さを低くできるパッチアンテナと、パッチアンテナの製造方法とを提供すること。
【解決手段】 給電ピン13の頭部131の上面に半田レジスト131cを形成し、誘電体11の円錐状の穴111aに給電ピン13の頭部131の下面(垂状部分)を両面テープ14で接着し、給電ピン13の頭部131の一部を放射電極10より上方に突出させるとともに、給電ピン13の頭部131の下面と放射電極10とを接触させ、半田15により給電ピン13の頭部131の下面と放射電極10とを半田15によって電気的に接続することで、給電ピンの頭頂部に半田が盛られるのを防止して、実質的にアンテナの高さを低くした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貫通穴を有する誘電体と、この誘電体の上面及び下面に形成された放射電極及び接地電極と、放射電極の給電点から貫通穴を介して反対側に引き出された給電ピンとを備えたパッチアンテナが知られている。
【0003】
このパッチアンテナとして、給電ピンが径の大きな頭部と径の小さな胴部とを備え、放射電極から上方に突出した給電ピンの頭部の上に半田を盛り又は給電ピンの頭部の下に半田を置き、この半田を溶融させることで、給電ピンと放射電極との電気的接続を行ったものがある(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−260933号公報
【特許文献2】特開2006−238430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、給電ピンの頭部に半田を盛るものでは、半田が給電ピンの頭部の上面に盛り上がって付着される。したがって、その盛り上がった半田の分だけ、実質的にアンテナの高さを高くしなければならず、ケース内にアンテナを実装する際にアンテナ・ケース間の空間マージンを余計に取る必要があった。そのため、アンテナ製造時にアンテナの高さ管理を行う必要があり、これが製造コスト上昇の一因となっていた。
また、給電ピンの頭部の下に半田を置くものでは、半田を溶融させる際に、表面張力により給電ピンが上に持ち上がり、給電ピンが浮き上がって本来よりも高い位置で固定されてしまうことがあった。
【0006】
また、特許文献2に開示されている発明のパッチアンテナでは、以上のような問題点を解決すべく、貫通穴の開口部近傍に切り欠き部を設け、表面張力による給電ピンの浮き上がりの防止を図っているが、やはり、給電ピンの頭部の上面の半田の盛り上がりがあるため、半田の高さの管理が必要となる。また、溶融する半田の量が多くなると、切り欠き部内から半田が漏れ出てしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、実質的にアンテナの高さを低くできるパッチアンテナと、パッチアンテナの製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のパッチアンテナは、
貫通穴を有する誘電体と、前記誘電体の1つの面に形成された放射電極と、前記誘電体の前記1つの面とは反対側の面に形成された接地電極と、胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し且つ前記貫通穴に前記1つの面側から挿入された給電ピンとを備え、前記給電ピンの頭部と前記放射電極とが半田によって電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記誘電体の貫通穴は、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記第1の穴に連通され前記1つの面側で外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とを備え、
前記給電ピンの頭部は、前記第2の穴に着座可能となるように該第2の穴と相補的な形状の垂状部分と、全面に半田レジストが塗布された頭頂面とを備え、
前記給電ピンは非導電性の両面テープ又は接着剤を介して前記第2の穴の壁面に固定され、
前記給電ピンの頭部の一部は前記第2の穴から突出し
前記給電ピンの頭部は前記放射電極と当接し、
前記給電ピンの垂状部分と前記放射電極とは前記半田によって電気的に接続されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のパッチアンテナは、
貫通穴を有する誘電体と、前記誘電体の1つの面に形成された放射電極と、前記誘電体の前記1つの面とは反対側の面に形成された接地電極と、胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し且つ前記貫通穴に前記1つの面側から挿入された給電ピンとを備え、前記給電ピンの頭部と前記放射電極とが半田によって電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記誘電体の貫通穴は、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記第1の穴に連通され前記1つの面側で外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とを備え、
前記放射電極は前記第2の穴の壁面まで延在する延在部分を備え、
前記給電ピンの頭部は、前記第2の穴と相補的な形状の垂状部分と、外周部を除く全面に半田レジストが塗布された頭頂面とを備え、
前記給電ピンは非導電性の両面テープ又は接着剤を介して前記第2の穴の壁面に固定され、
前記給電ピンの頭部は前記第2の穴内に没し、
前記給電ピンの垂状部分と前記放射電極の延在部分とは面で接触し、
前記給電ピンの頭頂面の外周部と前記放射電極の延在部分とは前記第2の穴内で前記半田によって電気的に接続されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のパッチアンテナは、請求項1又は2に記載のパッチアンテナであって、前記頭頂面は平面であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載のパッチアンテナの製造方法は、
1つの面に放射電極が形成され、前記1つの面とは反対側の面に接地電極が形成され、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記1つの面側に形成され前記第1の穴に連通され外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とから形成された貫通穴を有する誘電体を準備する一方で、
胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し、前記第2の穴と相補的な形状の垂状部分、及び、全面に半田レジストが塗布された頭頂面が頭部に形成され、前記頭部が前記第2の穴から突出する大きさを有する給電ピンを準備する工程と、
前記第2の穴に非導電性の両面テープ又は接着剤を設置する工程と、
前記貫通穴に前記1つの面側から前記給電ピンを挿入し、前記第2の穴の壁面に対して該給電ピンを前記両面テープ又は接着剤を介して固定する工程と、
前記給電ピンの垂状部分と前記放射電極とを前記半田によって電気的に接続する工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載のパッチアンテナの製造方法は、
1つの面に放射電極が形成され、前記1つの面とは反対側の面に接地電極が形成され、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記1つの面側に形成され前記第1の穴に連通され外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とから形成された貫通穴を有し、前記放射電極が前記第2の穴の壁面まで延在して形成された誘電体を準備する一方で、胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し、前記第2の穴と相補的な形状の垂状部分、及び、外周部を除く全面に半田レジストが塗布された頭頂面が頭部に形成され、前記頭部が前記第2の穴内に没する大きさを有する給電ピンを準備する工程と、
前記第2の穴に非導電性の両面テープ又は接着剤を設置する工程と、
前記貫通穴に前記1つの面側から前記給電ピンを挿入し、前記放射電極の前記第2の穴の壁面に延在した延在部分と前記給電ピンの垂状部分とを面で接触させるとともに、前記第2の穴の壁面に対して該給電ピンを前記両面テープ又は接着剤を介して固定する工程と、
前記第2の穴の中にて前記給電ピンの頭頂面の外周部と前記放射電極の延在部分とを前記半田によって電気的に接続する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載のパッチアンテナは、請求項4又は請求項5に記載のパッチアンテナの製造方法であって、前記頭頂面は平面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、給電ピンの頭頂部に半田レジストが塗布されるので、該半田レジストには半田が付着しないことから、実質的にアンテナの高さを低くすることができる。
また、半田の盛り上がり高さのばらつきがなくなるので、製造プロセスの歩止まりの改善とコストの低減を図ることができる。
【0015】
さらに、誘電体の貫通穴の周囲に両面テープ又は接着剤を設置して給電ピンを誘電体に固定することで、給電ピンの固定強度を高め、さらに、溶融した半田が貫通穴内部に入ることを防止することができる。
【0016】
また、従来方式のアンテナの給電部を含めたアンテナの高さと同じとした場合、アンテナの誘電体の厚みを増やすことができるので、従来方式のアンテナよりもアンテナ性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態のパッチアンテナの断面図である。
【図2】図1のパッチアンテナの要部を示す斜視図である。
【図3】図1のパッチアンテナの製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態のパッチアンテナの断面図である。
【図5】図4のパッチアンテナの要部を示す斜視図である。
【図6】図4のパッチアンテナの製造方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態のパッチアンテナの断面図である。また、図2はそのパッチアンテナの要部を示す斜視図である。
このパッチアンテナ1は、放射電極10、誘電体11、接地電極12及び給電ピン13を備えている。
【0019】
このうち誘電体11には該誘電体11を上下に貫く貫通穴111が形成されている。この貫通穴111は、図2に示すように、上方の開口端部が上方に向けて徐々に拡開するようにテーパーが付けられた円錐状の穴111aとなっており、その他の部分が径の一定な円柱状の穴111bとなっている。この誘電体11の材料は、目的とする周波数に応じて適宜に選択される。
このような構造を有する誘電体11の円錐状の穴111aの壁面には、図2に示すように、無端で円錐状に形成された両面テープ14が設置され、該両面テープ14の下面が貼り付けられている。なお、この場合の両面テープ14としては、後述の半田15が溶融した際に該半田15が円柱状の穴111bへ流出するのを阻止し得る非導電性のテープが使用されている。
【0020】
また、放射電極10は誘電体11の上面に形成されている。この放射電極10は、誘電体11の円錐状の穴111aの外縁から誘電体11の上面の外縁近くにまで広がって形成されている。この放射電極10の形状及び面積は使用周波数との関係を考慮して決定される。なお、この放射電極10の形成は、スクリーン印刷や転写などの方法によって電極用ペースト材を誘電体11に付着した後に焼付けを行うことによってなされている。
【0021】
また、接地電極12は誘電体11の下面に形成されている。この接地電極12は、誘電体11の円柱状の孔111bの外縁近傍を除いて誘電体11の下面全体に広がって形成されている。この接地電極12は、スクリーン印刷や転写などの方法によって電極用ペースト材を誘電体11に付着した後に焼付けを行うことで形成されている。
【0022】
また、給電ピン13は、下方に向けて徐々に狭窄するようにテーパーが付けられた円錐状の頭部131と、該頭部131の下端に連結された円柱状の胴部132とを備えている。円錐状の頭部131は、上記誘電体11の円錐状の穴111aに着座可能となっており、円柱状の頭部132は、該誘電体11の円柱状の穴111bに挿入可能となっている。
給電ピン13の頭部131の上端の径は、誘電体11の円錐状の穴111bの開口径よりも大きく設定されている。したがって、貫通穴111に挿入された給電ピン13の頭部131の上端部は、放射電極10より上方へ突出した状態となる。
また、給電ピン13の頭部131の下面は両面テープ14の上面に貼り付けられているとともに、該下面の一部は放射電極10に接触している。そして、この給電ピン13の頭部131と放射電極10とは、頭部131の下面(円錐状部分)の下側に一部潜り込んだ半田15によって電気的に接続されている。
また、この頭部131の上面は平面となっており、放射電極10の上面と平行となっている。この頭部131の上面には半田レジスト131cが全面に塗布されている。この半田レジスト131cは半田15の付着を防止する働きをするものである。したがって、頭部131の上面には半田15は付着されていない。
このように構成された給電ピン13は、誘電体11の貫通穴111に胴部132の下端側から挿入されている。また、給電ピン13の下端部は接地電極12より下方に突出している。
【0023】
次に、このパッチアンテナ1の製造方法、特に、給電ピン13の取り付け方法を図1から図3を用いて説明する。
上面に放射電極10、下面に接地電極12が形成された誘電体11を準備する。この誘電体11には、貫通穴111が形成されている。
また、頭部131に円錐状の穴111aと相補的な形状の円錐状部分が形成され、上面の全面に半田レジストが塗布された給電ピン13を準備する。
ここまでが誘電体及び給電ピンの準備工程である。
次に、誘電体11の円錐状の穴111aの内側に円錐状の両面テープ14を設置し、該両面テープ14の下面を穴111aの壁面に貼り付ける(両面テープの設置工程)。また、誘電体11の円錐状の穴111aの縁で且つ放射電極10の上となる箇所に円錐状の穴111aを取り巻くように円環状に半田15を付着する(半田の付着工程)。なお、この場合、両面テープ14の貼り付けと、半田15の付着との順序は、どちらが先であってもよい。また、半田15は固形状のものでなく、ペースト状のものであってもよい。
次に、誘電体11の貫通穴111に給電ピン13を胴部132の下端側から挿入し、両面テープ14の上面に給電ピン13の頭部131の下面を貼り付けるとともに、該下面の一部を放射電極10に接触させる(給電ピンの設置工程)。そして、この状態で、半田15を溶融させて、給電ピン13の頭部131と放射電極10とを該半田15によって電気的に接続する(電気的接続工程)。
【0024】
以上のパッチアンテナ1及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
第1に、給電ピン13の頭部131には半田レジスト131cが塗布されので、該半田レジスト131cには半田15が付着しないことから、実質的にアンテナの高さを低くすることができる。したがって、ケース内にアンテナを実装する際にアンテナ・ケース間の空間マージンを余計に取る必要がなくなり、アンテナ製造時にアンテナの高さ管理を行う必要がない。その結果、製造コスト上昇を抑制することができる。
【0025】
第2に、給電ピン13の頭部131の上には半田15を付着させないので、半田盛り上がり高さのばらつきがなくなり、製造プロセスの歩止まりの改善とコストの低減を図ることができる。
【0026】
第3に、誘電体11の円錐状の穴111aに両面テープ14を設置して給電ピン13を誘電体11に固定しているので、給電ピン13の固定強度を高め、さらに、溶融した半田15が円柱状の穴111bの内部に入るのを防止することができる。
【0027】
第4に、従来方式のアンテナの給電部を含めたアンテナの高さと同じとした場合、アンテナの誘電体11の厚みを増やすことができるので、従来方式のアンテナよりもアンテナ性能を向上させることができる。
【0028】
[第2の実施形態]
図4は第2の実施形態のパッチアンテナの断面図である。また、図5はそのパッチアンテナの要部を示す斜視図である。
このパッチアンテナ20の基本的構造は第1の実施形態のパッチアンテナ1の構造とほぼ同じである。したがって、この第2の実施形態のパッチアンテナ20の構成要素で、第1の実施形態のパッチアンテナ1の構成要素に対応するものについては明細書及び図面中で同じ符号を用いるものとし、その説明は適宜省略するものとする。なお、以下では、第2の実施形態のパッチアンテナ20が第1の実施形態のパッチアンテナ1と異なる点を中心として説明する。
【0029】
第2の実施形態のパッチアンテナ20においては、給電ピン13の頭部131の上端の径は、誘電体11の円錐状の穴111aの開口径よりも小さく設定され、頭部131が円錐状の穴111aの深くまで入り込んでいる。また、放射電極10は円錐状の穴111aの壁面上端部にまで延在し、給電ピン13の頭部131の下面が放射電極10に面で接触している。
【0030】
また、給電ピン13の頭部131の上面の中央部分だけに半田レジスト131cが形成されている。そして、給電ピン13と放射電極10との電気的接続は、給電ピン13の頭部131の上面外縁部(半田レジスト131cが無い部分)に盛られた半田15によって円錐状の穴111aの内側でなされている。なお、給電ピン13の頭部131の上面(半田レジスト131cを含む)、及び半田15の上端は、誘電体11における貫通穴111を除く部分に形成された放射電極10の上面とほぼ同じか、該上面よりも低くなっていることが好ましい。
【0031】
次に、このパッチアンテナ1の製造方法、特に、給電ピン13の取り付け方法を図4から図6を用いて説明する。
すなわち、上面に放射電極10、下面に接地電極12が形成された誘電体11を準備する。この誘電体11には、貫通穴111が形成され、放射電極10が円錐状の穴111aの壁面まで延在して形成されている。
また、頭部131に円錐状の穴111aと相補的な形状の円錐状部分が形成され、上面の外周部を除く全面に半田レジストが塗布された給電ピン13を準備する。
ここまでが誘電体及び給電ピンの準備工程である。
次に、誘電体11の円錐状の穴111aの内側に円錐状の両面テープ14を設置し、該両面テープ14の下面を貼り付ける(両面テープの設置工程)。
次に、誘電体11の貫通穴111に給電ピン13を胴部132の下端側から挿入し、両面テープ14の上面に給電ピン13の頭部131の下面を貼り付けるとともに、該下面の一部を放射電極10に面で接触させる(給電ピンの設置工程)。次に、誘電体11の円錐状の穴111aの中に円環状に半田15を付着する(半田の付着工程)。なお、半田15は固形状のものでなく、ペースト状のものであってもよい。そして、この状態で、半田15を溶融させて、給電ピン13の頭部131と放射電極10とを該半田15によって電気的に接続する(電気的接続工程)。
【0032】
この第2の実施形態のパッチアンテナ20及びその製造方法によれば、第1の実施形態のパッチアンテナ1の効果に加えて、次のような効果が得られる。
第1に、放射電極10が給電ピン13の頭部131の下面と面で接触しているため、アンテナ特性の向上が図れる。
第2に、給電ピン13の頭部131の上面(半田レジスト131cを含む)、及び半田15の上端を、アンテナの素子の高さ以下にすることができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、給電ピン13の円錐状の穴111aへの固定に両面テープ14を使用したが、両面テープ14の代わりに、接着剤を使用することもできる。
また、給電ピン13の頭部及び穴111aを円錐状の穴としたが、錐状の穴であればよい。
【符号の説明】
【0034】
1 パッチアンテナ
10 放射電極
11 誘電体
12 接地電極
13 給電ピン
14 両面テープ
15 半田
111 貫通穴
111a 円錐状の穴
111b 円柱状の穴
131 頭部
132 胴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通穴を有する誘電体と、前記誘電体の1つの面に形成された放射電極と、前記誘電体の前記1つの面とは反対側の面に形成された接地電極と、胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し且つ前記貫通穴に前記1つの面側から挿入された給電ピンとを備え、前記給電ピンの頭部と前記放射電極とが半田によって電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記誘電体の貫通穴は、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記第1の穴に連通され前記1つの面側で外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とを備え、
前記給電ピンの頭部は、前記第2の穴に着座可能となるように該第2の穴と相補的な形状の垂状部分と、全面に半田レジストが塗布された頭頂面とを備え、
前記給電ピンは非導電性の両面テープ又は接着剤を介して前記第2の穴の壁面に固定され、
前記給電ピンの頭部の一部は前記第2の穴から突出し
前記給電ピンの頭部は前記放射電極と当接し、
前記給電ピンの垂状部分と前記放射電極とは前記半田によって電気的に接続されていることを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項2】
貫通穴を有する誘電体と、前記誘電体の1つの面に形成された放射電極と、前記誘電体の前記1つの面とは反対側の面に形成された接地電極と、胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し且つ前記貫通穴に前記1つの面側から挿入された給電ピンとを備え、前記給電ピンの頭部と前記放射電極とが半田によって電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記誘電体の貫通穴は、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記第1の穴に連通され前記1つの面側で外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とを備え、
前記放射電極は前記第2の穴の壁面まで延在する延在部分を備え、
前記給電ピンの頭部は、前記第2の穴と相補的な形状の垂状部分と、外周部を除く全面に半田レジストが塗布された頭頂面とを備え、
前記給電ピンは非導電性の両面テープ又は接着剤を介して前記第2の穴の壁面に固定され、
前記給電ピンの頭部は前記第2の穴内に没し、
前記給電ピンの垂状部分と前記放射電極の延在部分とは面で接触し、
前記給電ピンの頭頂面の外周部と前記放射電極の延在部分とは前記第2の穴内で前記半田によって電気的に接続されていることを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項3】
前記頭頂面は平面であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッチアンテナ。
【請求項4】
1つの面に放射電極が形成され、前記1つの面とは反対側の面に接地電極が形成され、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記1つの面側に形成され前記第1の穴に連通され外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とから形成された貫通穴を有する誘電体を準備する一方で、
胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し、前記第2の穴と相補的な形状の垂状部分、及び、全面に半田レジストが塗布された頭頂面が頭部に形成され、前記頭部が前記第2の穴から突出する大きさを有する給電ピンを準備する工程と、
前記第2の穴に非導電性の両面テープ又は接着剤を設置する工程と、
前記貫通穴に前記1つの面側から前記給電ピンを挿入し、前記第2の穴の壁面に対して該給電ピンを前記両面テープ又は接着剤を介して固定する工程と、
前記給電ピンの垂状部分と前記放射電極とを前記半田によって電気的に接続する工程とを備えることを特徴とするパッチアンテナの製造方法。
【請求項5】
1つの面に放射電極が形成され、前記1つの面とは反対側の面に接地電極が形成され、前記反対側の面に開口する一定径の第1の穴と、前記1つの面側に形成され前記第1の穴に連通され外方に向けて拡開する錘状の第2の穴とから形成された貫通穴を有し、前記放射電極が前記第2の穴の壁面まで延在して形成された誘電体を準備する一方で、胴部及び該胴部よりも径の大きな頭部を有し、前記第2の穴と相補的な形状の垂状部分、及び、外周部を除く全面に半田レジストが塗布された頭頂面が頭部に形成され、前記頭部が前記第2の穴内に没する大きさを有する給電ピンを準備する工程と、
前記第2の穴に非導電性の両面テープ又は接着剤を設置する工程と、
前記貫通穴に前記1つの面側から前記給電ピンを挿入し、前記放射電極の前記第2の穴の壁面に延在した延在部分と前記給電ピンの垂状部分とを面で接触させるとともに、前記第2の穴の壁面に対して該給電ピンを前記両面テープ又は接着剤を介して固定する工程と、
前記第2の穴の中にて前記給電ピンの頭頂面の外周部と前記放射電極の延在部分とを前記半田によって電気的に接続する工程とを備えることを特徴とするパッチアンテナの製造方法。
【請求項6】
前記頭頂面は平面であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のパッチアンテナの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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