説明

パテ状ギャップ充填化合物および液体空気断熱システム

【課題】液体空気断熱システムにおける発泡材の間のギャップを充填し、液体空気の発生源を排除する。
【解決手段】パテ状ギャップ充填化合物40は、基材と、ミクロスフィアと、触媒とを備え、約−250℃から約260℃までの温度下で使用できる。基材と、ミクロスフィアとを混合させ、次いで、充填する直前に触媒を添加する。触媒添加後、混合物は、半固体となり、その状態で、固定されていない断熱材10、固定された断熱材20およびハウジング30を囲むギャップに充填される。その後、パテ状ギャップ充填化合物40が硬化し、半剛体の極低温断熱材となる。それにより、SSMEなどの運転中、化合物の流動および発泡材の移動が防止され、液体空気断熱システムにおける液体空気の形成および凍結を防ぐことができる。パテ状ギャップ充填化合物40の製造および適用は容易であり、システムのギャップの確認、充填を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱システムに関し、より詳細には、極低温断熱システム内、該システム上、および該システム周囲での、液体空気の形成および凍結を防ぐ極低温断熱システムにおいて有用なパテ状ギャップ充填化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
スペースシャトルの主エンジン(SSME)は、液体水素を燃料としており、液体水素は、約−420°F(−250℃)の温度で燃料システム内に収納されている。この極めて低温の内部温度により、燃料システムおよびハードウェア(すなわち、ハウジング、ダクト、ジョイントなど)に、周辺空気を過冷却するほど十分に低温である外部表面温度が生じる。これにより、液体空気が形成される。この液体空気は、繊細な電子センサー上に流出するとともに、制限されたキャビティ内に低温ポンプによって進入してしまう恐れがある。この双方の状況により、多くの操作上の問題が生じてしまう。そのため、運転中にこの液体空気が形成しないようにするために、SSME燃料システムおよびハードウェアの外部表面は、通常、液体空気断熱システムで断熱されている。
【0003】
現在の液体空気断熱システムには、ゆるく装着されるポリウレタン発泡材が用いられている。一時的なメンテナンスのためにアクセスしやすいようにしておかなければならない複雑な幾何学形状のサブシステムの構成部品周囲に、このポリウレタン発泡材は取り付けられている。ブーツ(boot)と呼ばれる一体型の密閉用カバーにより、これらの発泡材は保持されている。メンテナンスが必要な場合には、発泡材周囲からブーツを取り外すことが可能であり、さらに発泡材を容易に取り外すことができる。発泡材が取り囲む多くの小さい部品(すなわち、ボルトヘッド、配管ライン、圧力タップなど)に密接するようには、これらの発泡材は作られていない。なぜなら、密接するようにした場合、コストが高額になってしまうとともに、発泡材の製造および取付けが非常に複雑になってしまうからである。密でない取付により、隣接する発泡材の間、および発泡材と基礎をなす金属の構成部品との間にギャップが生じてしまう。これらのギャップは、液体空気の発生源、および液体空気が集中する領域となる恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ギャップに生じた液体空気はブーツにより捕捉されると思われていたため、これらのギャップにより問題が生じるとは考えられていなかった。しかし、これらのギャップにより生じた液体空気が重要な領域にたまってしまうと、液体空気断熱システムの外部表面の温度が、凝縮温度以下に減少する。その結果、液体空気断熱システムの外側に液体空気または氷が形成される。この望ましくない状況により、非常に危険な状態が生じる恐れがある。
【0005】
したがって、液体空気断熱システムにおける発泡材の間、および発泡材周囲に現在存在するギャップを充填し、液体空気の発生源を排除することが望ましい。さらに、発泡材を取りつける際にギャップ充填化合物を簡単に充填できるようにして、ギャップを容易に認識、かつ充填できるようにすることが望まれる。これらのギャップを充填するパテ状ギャップ充填化合物を有し、その化合物が充填された場所に残留することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例により、上記の欠点を克服することができる。本発明の実施例には、約−420°F(−250℃)から約500°F(260℃)までの温度下で使用できるパテ状ギャップ充填化合物が含まれる。これらの化合物は、通常、柔軟な基材、ミクロスフィア(microsphere)および触媒を含み、さらに他の不活性フィラーを含んでいてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、パテ状ギャップ充填化合物ならびにその製造方法および使用方法に関する。これらのパテ状ギャップ充填化合物は、とりわけ液体空気断熱システムに存在するギャップを充填するのに有用である。パテ状ギャップ充填化合物は、3つの主要な構成部品である(1)基材、(2)ミクロスフィア、(3)触媒、を通常備える。所望であれば、他の不活性フィラー(すなわち、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、酸化亜鉛など)を用いて、これらの化合物の処理特性および加工特性を制御してもよい。不活性フィラーを別々に添加してもよいし、基材の一部として含んでもよい。
【0008】
実施例においては、パテ状ギャップ充填化合物の組成は、約25〜50容量%の基材、約50〜75容量%のミクロスフィア、および約0.1〜0.3容量%の触媒を備える。さらに、実施例においては、パテ状ギャップ充填化合物の組成は、約70〜80重量%の基材、約20〜30重量%のミクロスフィア、および約0.1〜0.5重量%の触媒を備える。
【0009】
基材は、ミクロスフィアの結合剤として機能するとともに、主に断熱材の低温弾性に寄与する。基材は、適切ないかなる材料を備えていてもよく、実施例においては、室温加硫(RTV)属の中で最も低い温度特性を有するポリ(フェニルメチル)シロキサンまたはポリ(ビフェニル)シロキサン化合物などの室温加硫(RTV)シリコーンゴム化合物などのエラストマー材料を備えていてもよい。そのようなシリコーンゴムは、混合および保存の安定性を促進するように二液付加型(two−part addition)または縮合硬化型(condensation cure)のものを備えていてもよい。実施例においては、基材のガラス転移温度またはぜい化温度は、約−150°F(−101℃)またはそれ以下であってもよい。
【0010】
ミクロスフィアは、主に断熱材の熱伝導率を減少させるのに寄与するとともに、基材の未硬化の粘性を増加させ、断熱材全体の密度を減少させるために、通常、用いられる。ミクロスフィアは、例えば、ガラス、セラミック、石炭酸、ポリイミド、アクリル、ポリエステル、およびそれらの混合物などの適切な材料を備えてもよい。実施例において、ミクロスフィアは、断熱材に低密度および低い熱伝導率をもたらすように中空であってもよい。ミクロスフィアは、約10〜100μmの直径(いくつかの実施例においては、好ましくは、約50μm)、約1〜2μmの肉厚、および約0.1〜0.3g/cc(0.004〜0.01lb/in3)の密度を有する。実施例においては、ミクロスフィアは、剛性であるとともに、平滑な表面を備えていてもよい。これにより、ミクロスフィアが基材と混合される際に、最適な処理特性が促進される。ミクロスフィアは、基材と化学的に相溶性であるべきである(すなわち、基材の性質および硬化特性に対し無害であるべきである)。これらのミクロスフィアは、種々の大きさおよび組成の物が商業的に利用できる。これらの組成や大きさは、断熱材の機構的な強度、熱伝導率および物理的な特性に影響を与える。
【0011】
触媒は、基材を硬化することができるあらゆる適切な材料を備えてもよい。実施例においては、触媒は、遅い硬化性から中程度の硬化性を有する液体ジブチルスズジラウラート(dibutyl tin dilaurate:DBT)触媒を備えていてもよい。第一スズオクトアート(stannous tin octoate:STO)などの他の金属せっけんベースの触媒を用いてもよい。
【0012】
実施例において、基材の粘性率は、約5,000〜10,000ポアズであり、歯磨き粉と同様の粘調度である。これらの実施例では、ミクロスフィアを基材に添加した後、この混合物の粘性率は、約500,000〜1、000、000ポアズであり、パテあるいはパン生地と同様の粘調度である。触媒を添加すると、急速に乾燥することなく、SSME燃料システムを断熱する発泡材の間およびその周囲のギャップに、あらゆる向きでパテ状ギャップ充填化合物を容易に適用することができる。他の実施例では、つまり、これらのパテ状ギャップ充填化合物を他の目的に使用する場合には、異なった粘性率を有することが望ましい場合もある。
【0013】
液体シリコーンゴム化合物(すなわち、約50〜500ポアズの基礎粘性率を有するRTV511や他のシリコーンゴム化合物)でこれらのギャップを充填することを提案する人もいる。しかし、本発明のパテ状ギャップ充填化合物は、液体ギャップ充填化合物より優れている。第1に、液体ギャップ充填化合物は、パテ状ギャップ充填化合物よりも使用するのが困難である。予め組立てた液体空気断熱システムに、発泡材およびブーツを完全に取付けた後、液体ギャップ充填化合物を空気圧または水圧で送り込まなければならない。この方法には、特別な器具が必要であり、汚染の危険性がより高くなる。シリコーンは、通常、人体に対する毒性は低いが、製造工程および修復工程、特に接着結合を含む工程を二次汚染する可能性が高い。さらに、液体ギャップ充填化合物を適用する前に液体空気断熱システムを予め組立てなければならないため、最終製品でシステムのギャップが全て充填されたかを確認することが容易ではない。第2に、一度硬化すると、(ミクロスフィアを含有しない)液体ギャップ充填化合物は、本発明のパテ状ギャップ充填化合物より密度が高くなる。密度がより高いギャップ充填剤は、周囲の発泡材や排除した空気より高い熱伝導率を有するため、液体空気断熱システム全体の導電率に悪影響を及ぼす場合がある。液体化合物は、液体空気断熱システム内に液体空気が形成するのを防ぐ場合もあるが、液体空気断熱システムの低温度の内面から、より高い密度のギャップ充填剤による経路を通り液体空気断熱システムの外側に液体空気が直接伝導することにより、さらなる問題が生じる恐れがある。
【0014】
本発明のパテ状ギャップ充填化合物によれば、種々の方法で上記の双方の問題が克服される。これらのパテ状ギャップ充填化合物であれば、手仕事が可能であり、混合や充填する際に特別な器具を必要としない。さらに、発泡材を組立てる際にこれらのパテ状ギャップ充填化合物を充填することが可能であるため、ブーツを発泡材に取付ける前、つまり発泡材を組立てる際に、完了したギャップの充填を目視して確認することができる。その上、より簡単に含有できる材料形態を供給することにより、これらのパテ状ギャップ充填化合物は、作業者との接触、および他の製造工程または修復工程の二次汚染の危険性のより優れた制御を実現する。また、これらのパテ状ギャップ充填化合物は、化合物中のミクロスフィアのため、低い熱伝導率を有する。
【0015】
実施例においては、触媒を用いずに、基材と、ミクロスフィアとを混合させることにより本発明のパテ状ギャップ充填化合物を生成し、室温で安定性を示すシリコーンパテ状プレポリマーを形成する。本発明のパテ状ギャップ充填化合物の保存および利用を促進させるために、この基材/ミクロスフィア混合物を予め混合して、触媒とは別々に保存し、充填する直前に触媒と混合する。別法として、容器に基材を入れ、そこにミクロスフィアを加えることによりこれらのパテ状ギャップ充填化合物を混合してもよい。その後、触媒を加え、混合物が完全に触媒作用が生じることを確実にするため十分に混合する。触媒の添加後、混合物は、半固体で、型成形可能なパテ状ギャップ充填化合物となり、接合する発泡材と取り囲む表面との間のギャップの容積に適合、かつ充填するように容易に適用することができる。硬化すると、型成形可能なパテ状ギャップ充填化合物は、半剛体で、極低温の断熱材となり、それにより、SSMEまたは他の装置の運転中における、化合物の流動および発泡材の移動が防止される。
【0016】
本発明のパテ状ギャップ充填化合物は、硬化すると、極低温の断熱材を形成し、それにより、液体空気断熱システムの発泡材の間およびその周囲に存在するギャップが充填される。実施例において、本発明の極低温の断熱材は、発泡材や、SSME燃料タンクの金属およびそれに対応するハードウェアと、ひずみが適合するため、破砕または剥離しない。そのような破砕または剥離により、低温ポンプで外気を送る導管経路が生じてしまい、経路の表面が冷却され、それにより液体空気のポケットが生じる恐れがある。
【0017】
これらのパテ状ギャップ充填化合物は、いくつかのSSME燃料ターボポンプに対して、ギャップ充填極低温断熱材として用いるために準備され、かつ適用される。図に示されているように、固定されていない断熱材10、固定された断熱材20およびハウジング30を囲む種々のギャップにパテ状ギャップ充填化合物40を充填した。この実施例では、ゼネラル エレクトリック シリコーンズ(General Electric Silicones)製のRTV511/577の混合物である室温加硫シリコーンゴム化合物、つまりポリ(フェニルメチル)シロキサンを、基材に用いた。ガラスのミクロスフィアは、高純度シリカミクロスフィア(=95重量%のシリカ)、つまりエマーソン&カミング コンポジット マテリアルズ社(Emerson&Cuming Composite Materials,Inc)製のエコスフィアーズ(Eccospheres:登録商標)タイプSIシリカミクロスフィアを用いた。触媒は、ゼネラルエレクトリック シリコーンズ製のジブチルスズジラウラート(DBT)硬化剤を用いた。パテ状ギャップ充填化合物の組成は、約74.25重量%のポリ(フェニルメチル)シロキサン、約25.55重量パーセントのエコスフィアーズ(登録商標)タイプSIガラスミクロスフィア、約0.20重量%のジブチルスズジラウラートから構成した。本実施例において、触媒を用いずに基材およびガラスミクロスフィアを混合し、室温で安定性を示すシリコーンパテ状プレポリマーを形成した。次いで、このシリコーンパテ状プレポリマーを触媒と混合し、その直後にこのギャップ充填組成物をSSME燃料ターボポンプに適用した。実験により、高純度シリカミクロスフィア(=95%シリカ)を用いるべきであることが分かった。純度の低いシリカミクロスフィアを試したが、機能しなかった。純度の低いシリカミクロスフィアの基本的不純物により、触媒を用いない場合でさえも、組成の早期硬化が生じたことが明らかである。
【0018】
前述のように、本発明は、約−420°F(−250℃)から約500°F(260℃)までの環境下で使用される改良された液体空気断熱システムを提供する。有利には、断熱SSME燃料システムおよびハードウェアに本発明のパテ状ギャップ充填化合物を用いて、宇宙船における液体空気の形成および凍結を防ぐことができる。これらのパテ状ギャップ充填化合物は、容易に製造および適用されるとともに、そのようなシステムに存在するギャップの確認、充填が容易になる。関連分野の技術者であれば、多くの他の実施形態および利点が明らかであろう。
【0019】
本発明のさまざまな必要性を満たす種々の実施例の説明がなされた。上記実施例は、本発明のさまざまな実施例の原理を単に例示しているということを理解されたい。本発明の精神と範囲内にある上記実施例の変更形態および適応形態の多くが、当業者であれば明らかあろう。例えば、本発明のパテ状ギャップ充填化合物は、宇宙船の液体空気断熱システムの使用について説明してきたが、他の極低温気体または液体システムの断熱、あるいは極低温気体または液体生産施設の断熱ジョイントなど、他の様々な用途にも用いることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれに相当する物の範囲内にある全ての適切な変更形態および改良形態に及ぶことを目的とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】発泡断熱材に覆われているSSME燃料ターボポンプの部分断面図であり、本発明のパテ状ギャップ充填化合物で断熱材とポンプとの間にあるギャップが充填されていることを示す概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
ミクロスフィアと、
触媒と、
を備えるパテ状ギャップ充填化合物であって、
前記パテ状ギャップ充填化合物が、約−420°F(−250℃)から約500°F(260℃)までの温度下で使用できることを特徴とするパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項2】
前記基材が、約5,000〜10,000ポアズの粘性率を有することを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項3】
前記パテ状ギャップ充填化合物が、混合後、および硬化前に、500,000〜1,000,000ポアズの粘性率を有することを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項4】
前記基材が、ポリ(フェニルメチル)シロキサンおよびポリ(ビフェニル)シロキサンの少なくとも一方をベースとする室温加硫(RTV)シリコーンゴム化合物を備えることを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項5】
少なくとも1つの不活性フィラーをさらに備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの不活性フィラーが、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、および酸化亜鉛の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項5に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項7】
前記基材が、約−150°F(−101℃)またはそれ以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項8】
約25〜50容量%の基材を備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項9】
約70〜80重量%の基材を備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項10】
前記ミクロスフィアが、ガラス、セラミック、石炭酸、ポリイミド、アクリル、ポリエステル、およびそれらの混合物のうち、少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項11】
前記ミクロスフィアが、少なくとも約95重量%のシリカを備える高純度シリカミクロスフィアを備えることを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項12】
前記ミクロスフィアが、約10〜100μmの平均直径を有することを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項13】
前記ミクロスフィアが、中空であることを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項14】
前記ミクロスフィアが、約1〜2μmの肉厚を備えることを特徴とする請求項13に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項15】
前記ミクロスフィアが、約0.1〜0.3g/ccの密度を有することを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項16】
約50〜75容量%のミクロスフィアを備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項17】
約20〜30重量%のミクロスフィアを備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項18】
前記触媒が、ジブチルスズジラウラートおよび第一スズオクトアートの少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項19】
約0.1〜0.3容量%の触媒を備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項20】
約0.1〜0.5重量%の触媒を備える請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項21】
液体空気断熱システム、極低温気体システム、極低温液体システム、極低温気体生産システム、および極低温液体生産システム、のうち少なくとも1つにおいて前記パテ状ギャップ充填化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載のパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項22】
約70〜80重量%のポリ(フェニルメチル)シロキサンと、
約20〜30重量%の高純度シリカミクロスフィアと、
約0.1〜0.5重量%のジブチルスズジラウラートと、
を備えるパテ状ギャップ充填化合物。
【請求項23】
前記パテ状ギャップ充填化合物が、約−420°F(−250℃)から約500°F(260℃)の温度下で機能することができるとともに、液体空気断熱システム、極低温気体システム、極低温液体システム、極低温気体生産システム、極低温液体生産システムの少なくとも1つにおいて用いられることを特徴とする請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
所定の領域を実質的に充填する複数の発泡断熱材と、
隣接する発泡断熱材の間、および発泡断熱材と隣接の構成部品との間に存在する所定のギャップを充填するパテ状ギャップ充填化合物と、
を備える液体空気断熱システム。
【請求項25】
前記パテ状ギャップ充填化合物が、基材、ミクロスフィアおよび触媒を備えることを特徴とする請求項24に記載の断熱システム。
【請求項26】
前記パテ状ギャップ充填化合物が、約70〜80重量%のポリ(フェニルメチル)シロキサンと、約20〜30重量%の高純度シリカミクロスフィアと、約0.1〜0.5重量%のジブチルスズジラウラートと、を備えることを特徴とする請求項24に記載の断熱システム。
【請求項27】
前記液体空気断熱システムが、約−420°F(−250℃)から約500°F(260℃)の温度下で機能できることを特徴とする請求項24に記載の断熱システム。
【請求項28】
極低温燃料システム周囲の所定の領域を実質的に充填する複数の発泡断熱材と、
隣接する発泡断熱材の間、および発泡断熱材と隣接の極低温燃料システムの構成部品との間に存在する所定のギャップを充填するパテ状ギャップ充填化合物と、
を備える液体空気断熱システム。
【請求項29】
前記パテ状ギャップ充填化合物が、約70〜80重量%のポリ(フェニルメチル)シロキサンと、約20〜30重量%の高純度シリカミクロスフィアと、約0.1〜0.5重量%のジブチルスズジラウラートと、を備えることを特徴とする請求項28に記載の断熱システム。

【図1】
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【公開番号】特開2006−77242(P2006−77242A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243639(P2005−243639)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】