パネル体
【課題】枠材とパネルとの固定強度が高いパネル体を提供する。
【解決手段】本発明に係るパネル体1において、パネル9の端部13には、パネル9の外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とが形成してあり、枠材11a、11b、10は支持体5に取付ける支持体取付部23を備えると共にパネル端部13の表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17に各々対向する対向面27、29を備え、パネル端部13の表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17に枠材11a、11b、10の各対向面27、29を接着剤35で固定している。
【解決手段】本発明に係るパネル体1において、パネル9の端部13には、パネル9の外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とが形成してあり、枠材11a、11b、10は支持体5に取付ける支持体取付部23を備えると共にパネル端部13の表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17に各々対向する対向面27、29を備え、パネル端部13の表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17に枠材11a、11b、10の各対向面27、29を接着剤35で固定している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに枠を取付けたパネル体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパネル体において、特許文献1には、パネルを固定した枠を支持体に固定することが開示されている。この特許文献1では、パネル端部にはパネル表面側に外周側ほど厚みを薄くして傾斜する傾斜面を形成し、枠材にはパネルの傾斜面に対向する対向面を設け、パネル表面側の傾斜面と枠材の対向面が当接するように、パネルの裏面側に設けたパネル位置決め材でパネルを押し付けて枠材にパネルを嵌合固定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−39691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、パネルと枠材との間でパネル位置きめ材によりパネル表面側の傾斜面を枠材の対向面に押し付けているだけなので、枠材とパネルとの固定強度に劣るという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、枠材とパネルとの固定強度が高いパネル体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、パネルと、パネルの上下左右のうちの対向する少なくとも一対の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を接着剤で固定していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、パネルと、パネルの上下左右の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、各枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を当接していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、枠材はパネルの表面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの表面に当接するパネル表面当接部と、パネルの裏面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの裏面に当接するパネル裏面当接部とを備え、パネル表面当接部とパネル裏面当接部とでパネルを挟んでいることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、枠材は、その左右にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、左右にパネルを取付けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び2に記載の発明によれば、パネルには表面側傾斜面と裏面側傾斜面とを設け、これらの2つの傾斜面を枠材のパネル取付部の各対向面で挟んでいるので、パネルの面外方向の移動を規制し、パネルと枠材との固定強度を高めることができる。
パネルに対する枠材の固定は、従来技術のように位置きめ材等を用いることなくパネル端部に対する枠材の位置決めでき、またパネルを押し縁等で枠材に固定する従来と比較してパネルの端部に枠材を嵌めるだけであるから、簡易な構成で且つ部品点数が少なくて済む。
パネル体には支持体取付部を設けているので、組立工場でパネルに枠材を固定した後にパネル体を施工現場に搬入して、施工現場で支持体に支持体取付部を固定することもできるので、施工が容易である。
更に、請求項1に記載の発明によれば、パネルと枠材との接着剤による接着は工場で済ませることもできるので、その場合には施工現場で接着剤の硬化を待つ時間が必要でないから工期の短縮を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、パネル表面当接部とパネル裏面当接部とでパネルを表面側と裏面側とで挟んでいるので固定強度を更に高めることができると共に枠材に対するパネルの面外方向のがたつきを防止できる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、枠材の左右にパネルの連設が容易にできると共に、1つの枠材の左右にパネルを取付けできるのでパネルを連設した場合に枠材の使用量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施の形態を示す図であり、図3のA―A断面図である。
【図2】第1実施の形態を示す図であり、図3のB―B断面図である。
【図3】第1実施の形態にかかる壁面体の正面図である。
【図4】第2実施の形態にかかる壁面体を図1と同じ位置で切断して示す断面図である。
【図5】第3実施の形態にかかる壁面体の縦断面図である。
【図6】第3実施の形態にかかる壁面体の変形例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の変形例に係るパネル体の断面図である。
【図8】本発明の変形例に係るパネル体の断面図である。
【図9】本発明の変形例に係るパネル体の断面図である。
【図10】本発明の変形例にかかるパネル体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、まず図1〜図3を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。この第1実施の形態にかかるパネル体1は、図3に示すように、道路の防音壁等の壁面体3を構成するものである。
壁面体3は、パネル体1を支柱(支持体)5に取り付けて施工している。
パネル体1は、左右に配置した複数のパネル9と、最も右側に配置したパネル9の右側に設けた右縦枠材11aと、最も左側に配置したパネル9の左側に設けた左縦枠材11bと、隣合うパネル9、9間に設けた中間縦枠材10と、各パネル9、9の上端に設けた上横エッジカバー12aと、各パネル9、9の下端に設けた下横エッジカバー12bとから構成されている。
【0015】
図1に示すように、支柱5はパネル体1の左右及び後側に設けてあり、パネル体1をボルト7で各支柱5に固定している。
各パネル9は、本実施の形態では2枚の透明ガラス材を重ねた複合パネルであり、透光性を有している。
図1及び図2に示すように、各パネル9の四周の各端部13にはパネル9の外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とが形成してあり、パネル9の最も外周に位置する端面19は見込み方向の平面になっている。表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とは略同じ角度で傾斜した平面である。
【0016】
左右の縦枠材11a、11bには、各々パネル取付部21と支持体取付部23とが一体に設けてある。パネル取付部21には、パネル端部13に嵌合する嵌合溝25が形成してある。嵌合溝25の溝底26はパネル端面19に対向して見込み方向の平坦面になっており、表面側溝壁(対向面)27はパネル端部13の表面側傾斜面15に対向した傾斜面になっており、裏面側溝壁(対向面)29はパネル端部13の裏面側傾斜面17に対向した傾斜面になっている。
表面側溝壁27のパネル内周側にはパネル9の表面に当接するパネル表面当接部31が設けてあり、このパネル表面当接部31は表面側溝壁27からパネル内周側に向けて突設している。同様に、裏面側溝壁29のパネル内周側にはパネル9の裏面に当接するパネル裏面当接部33が設けてあり、このパネル裏面当接部33は裏面側溝壁29からパネル内周側に向けて突設している。
パネル端部13の表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17と各枠材11a、11bの各対向面27、29とは当接してあり、接着剤35で接着してパネル9と左右の縦枠材11a、11bとを固定してある。
【0017】
中間縦枠材10は、左右の縦枠材11a、11bと同様にパネル取付部21と支持体取付部23とが設けてあるが、パネル取付部21は左右に形成されており、左右の縦枠材11、11と同様に接着剤35でパネル9に固定されている。
図2に示すように、上横エッジカバー12aはパッキン37を介在してパネル9の上端部9cに嵌合して、左右の縦枠材11a、11bに固定してある。下横エッジカバー12bはパネル9の下端部9dの表面側傾斜面15、裏面側傾斜面17及び端面19との対向面との間に塗布した接着剤35で固定している。
【0018】
次に、本実施の形態にかかるパネル体1の製造及び壁面体3の施工について説明する。
パネル体1の製造は、組立工場で行う。各パネル9にはその四周の端部13に表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17を形成してあり、左右の縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10には、各々支持体取付部23とパネル取付部21とが形成してある。
中間縦枠材10の左右に各々パネル9を配置して、右側パネル9の左側端部及び左側パネル9の右側端部において、各表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17に接着剤35を塗布して中間縦枠材10のパネル取付部21に嵌め込む。次に、右側パネル9の右側端部及び左側パネル9の左側端部において、各表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17に接着剤35を塗布して左側及び右側縦枠材11a、11bを嵌め込む。
その後、各パネル9の上端部にはパッキン37を介在して上横エッジカバー12aを嵌合固定し、各パネル9の下端部にはその各表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17に接着剤35を塗布して下横エッジカバー12bを接着固定する。各接着剤35は組立工場で硬化させる。
【0019】
そして、壁面体3を施工するときには、上述のようにして組立てたパネル体1を工場から施工現場に移送して、各枠材11a、11b、10の支持体取付部23を支柱5にボルト7で固定する。
【0020】
この第1実施の形態によれば、パネル9に表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とを設け、これらの傾斜面15、17を各枠材11a、11b、10のパネル取付部21の各対向面27、29で挟んでいるので、パネル9の面外方向の移動を規制して、各枠材にパネル9を強固に固定できる。
パネル9と枠材11a、11b、10との固定は、従来技術のように位置きめ材等を用いることなく、パネル9の端部13に枠材11a、11b、10を嵌めるだけであるから、簡易な構成で且つ部品点数が少なくて済む。
パネル9と、縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10とを各々接着剤35で固定すると共に、パネルの各端部の表面側と裏面側との2面に傾斜面を形成して各枠材11a、11b、10にも対向面を形成して接着面積を広くしているので、パネル9と各枠材11a、11b、10の固定強度を更に高めることができる。
パネル体1には、支持体取付部23を設けているので、組立工場で組立てたパネル体1を、施工現場に搬送して施工現場で各枠材11a、11b、10の支持体取付部23を支柱5にボルトで固定するだけで済むので施工が容易であり、且つパネル9と各枠材11、10との接着剤の硬化は工場で済ませることができるので工期の短縮を図ることができる。
パネル体1において、パネル9と各枠材11a、11b、10の固定強度が高いから、パネル体1の搬送時や施工時に衝撃等の外力を受けた場合でも、パネル9に対して各枠材11a、11b、10のずれや脱落を防止できる。
【0021】
縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10のパネル取付部21には、パネル表面当接部31及びパネル裏面当接部33を設けて、パネル9を表面側と裏面側とで挟んでいるので固定強度を更に高めることができると共に各枠材11、10に対するパネル9の面外方向のがたつきを防止できる。
【0022】
中間縦枠材10には左右にパネル取付部21、21を設けているので、中間縦枠材10の左右にパネル9の連設が容易にできると共に、1つの枠材10の左右にパネル9を取付けできるので枠材の使用量を少なくできる。
パネル9の上端部にはパッキン37を介して上横エッジカバー12を嵌合して、上横エッジカバー12を縦枠材11a、11b、10に固定しているので、パネル9の上端部に雨水が浸入するのを防止できると共にコーキングが不要であり乾式工法により上横エッジカバー12を取付けできるので、組立てが容易にできると共にコスト低減を図ることができる。
【0023】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述の第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符合を付することにより、その部分の説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
【0024】
図4を参照して、本発明の第2実施の形態にかかる壁面体3を説明する。この第2実施の形態では、パネル9はポリカーボネート製の樹脂パネル9aとこの樹脂パネル9aを表面側と裏面側とから挟むように重ねたガラスパネル9bとで構成してあり、左右の縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10にはその内部に照明部材41が挿入してある。照明部材41にはLED(発光ダイオード)42が設けてあり、樹脂パネル9aの端面を照らして面発光させている。尚、車両通行路側及び車両通行路外側のガラスパネル9b、9bには所定の図形や文字等のデザインを施したシートが設けてあり面発光した光によりサイン照明している。
各枠材11a、11b、10には、照明部材41を挿入する挿入空間43が形成してあり、各枠材11a、11b、10の端から照明部材41を通して配置してある。
【0025】
この第2実施の形態によれば、壁面体3の車両通行路側や車両通行路外側にサイン照明することができる。
パネル9には樹脂パネル9aをガラスパネル9bで挟んでいるので、例えば第1実施の形態で用いた下横エッジカバー12bは樹脂パネル9aの下端にねじ固定することができる。
また、この第2実施の形態では、パネル表面当接部31とパネル裏面当接部33とがないことが上述の第1実施の形態と異なっているので、パネル表面当接部31とパネル裏面当接部33とによる効果を除いて、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0026】
図5を参照して本発明の第3実施の形態を説明する。第3実施の形態にかかるパネル体1は、太陽発電用パネル体であり、例えば屋根等に設置されてパネル表面を上方に向けて取付けるものである。パネル9は太陽光を電気に変換する光発電素子45を2枚のガラス間に挟んだソーラパネルである。このパネル体1では、パネル9は例えば四方に4つ並べてあり、隣合うパネル端部13、13間には中間枠材10が配置してあり、パネル体1の四周において上下左右端に位置する各辺のパネル端部13には各々端部枠材11が配置されている。端部枠材11と中間枠材10とは同じ構成であり、各々表面側に設けた表面側部材46aと裏面側に設けた裏面側部材46bとの2つの部材で構成されており、表面側部材46aと裏面側部材46bとをねじ47で固定している。
裏面側部材46bには支持体取付部23が設けてあり、支持体取付部23は屋根に設置してある支持枠(支持体)49にねじ50で固定してある。
表面側部材46aには、パネル端部13の表面側傾斜面15に対向した対向面27が形成されており、裏面側部材46bには、裏面表面側傾斜面17に対向した対向面29が形成されており、表面側部材46aと裏面側部材46bとをねじ止めして相互に固定することで、各枠材10、11を構成すると共に表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17と、各対向面27、29との間にパッキン37を介してパネル9を挟持している。
【0027】
この第3実施の形態において、パネル体1の施工は、まず支持枠49に各裏面側部材46bの支持体取付部23をねじ固定した後、裏面側部材46b、46b間にパッキン37を介してパネル9を配置し、その後、表面側部材46aを隣合うパネル端部13、13間に配置して、裏面側部材46bに表面側部材46aをねじ47で固定する。
【0028】
この第3実施の形態では、第1実施の形態と異なり、接着剤35を用いることなく各枠材10、11のパネル取付部21にパッキン37を介してパネル9を固定しているので、乾式工法で施工でき、接着剤の硬化を待たずに施工を完了することができる。
枠材10、11とパネル9との固定は、従来技術のように位置きめ材等を用いることなく、パネル9の端部13に枠材10、11を嵌めるだけであるから、簡易な構成で且つ部品点数が少なくて済む。
枠材10、11は、表面側部材46aと裏面側部材46bとの2つの部材で構成し、表面側部材46aと裏面側部材46bとをねじ47で固定してパネル端部13を挟持しているので、パネル端部13の厚みや、表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17の傾斜角度が対向する表面側溝壁27及び裏面側溝壁29の傾斜角度に対して多少ずれがあっても、ねじ47の締め付けを調整することにより強固に固定することができる。
【0029】
中間枠材10には左右にパネル取付部21、21を設けているので、中間枠材10の左右にパネル9の連設が容易にできると共に、1つの枠材10の左右にパネル9を取付けできるので枠材の使用量を少なくできる。
更に、本実施の形態では、パネル体1には隣合うパネル9、9間と、パネル体1の輪郭に位置するパネル端部にも中間枠材10と同種の端部枠材11を用いているので、一種類の枠材で施工することができ、部品種類を少なくすることができる。
【0030】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、第3実施の形態において、枠材10、11の形状は、図6に示すように、表面側部材46aと裏面側部材46bとの各々に、表面側傾斜面15に対向する対向面27及び裏面側傾斜面17に対向する対向面29を形成する構成であっても良い。
【0031】
図7に示すように、上述した第1実施の形態において、左右の縦枠材11a、11bに設ける支持体取付部23は、タッピングホールであっても良い。同様に、図8に示すように、中間縦枠材10も支持体取付部23がタッピングホールであっても良い。また、第2及び第3実施の形態にかかる縦枠材11a、11bや枠材11及び中間枠材10においても、支持体取付部23はタッピングホールとしても良い。
【0032】
図9に示すように、第1実施の形態において、左右の縦枠材11a、11bはパネル取付部21を断面V字形状に形成して、支持体取付部23はその一端部から突出する板状部としても良い。
【0033】
図10に示すように、第1実施の形態において、パネル9の端部13に形成する表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17は円弧状とし、各枠材11a、11b、10の対向面27、29も円弧状にしても良い。また、この変形例ではパネル9には合わせガラスでなく一枚のガラス板を用いている。
パネル体1は、高速道路用の透光壁やソーラパネルに限らず、パーテーションや、ショーウインド、看板等の表示装置であっても良く、用途は限定されない。
パネル9は合わせパネルや一枚の板ガラスに限らず、複層パネルでもよく、パネルの種類は限定されない。
第1実施の形態において、パネル9の上端に設けた上横エッジカバー12aはパネル9の上端部9cに接着剤で固定するものであっても良い。
また、第1実施の形態において、上横エッジカバー12a及び下横エッジカバー12bに代えて第3実施の形態の枠材11を用いて各々パネル9の上端部と下端部に接着固定し、パネル9の四周に端部枠材11a、11b及び11を取付けるものであっても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 パネル体
5 支柱(支持体)
9 パネル
10 中間枠材
11 端部枠材
11a 右縦枠材(枠材)
11b 左縦枠材(枠材)
13 パネル端部
15 表面側傾斜面
17 裏面側傾斜面
23 支持体取付部
27 表面側溝壁(対向面)
29 裏面側溝壁(対向面)
31 パネル表面当接部
33 パネル裏面当接部
49 支持枠(支持体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに枠を取付けたパネル体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパネル体において、特許文献1には、パネルを固定した枠を支持体に固定することが開示されている。この特許文献1では、パネル端部にはパネル表面側に外周側ほど厚みを薄くして傾斜する傾斜面を形成し、枠材にはパネルの傾斜面に対向する対向面を設け、パネル表面側の傾斜面と枠材の対向面が当接するように、パネルの裏面側に設けたパネル位置決め材でパネルを押し付けて枠材にパネルを嵌合固定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−39691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、パネルと枠材との間でパネル位置きめ材によりパネル表面側の傾斜面を枠材の対向面に押し付けているだけなので、枠材とパネルとの固定強度に劣るという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、枠材とパネルとの固定強度が高いパネル体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、パネルと、パネルの上下左右のうちの対向する少なくとも一対の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を接着剤で固定していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、パネルと、パネルの上下左右の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、各枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を当接していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、枠材はパネルの表面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの表面に当接するパネル表面当接部と、パネルの裏面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの裏面に当接するパネル裏面当接部とを備え、パネル表面当接部とパネル裏面当接部とでパネルを挟んでいることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、枠材は、その左右にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、左右にパネルを取付けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び2に記載の発明によれば、パネルには表面側傾斜面と裏面側傾斜面とを設け、これらの2つの傾斜面を枠材のパネル取付部の各対向面で挟んでいるので、パネルの面外方向の移動を規制し、パネルと枠材との固定強度を高めることができる。
パネルに対する枠材の固定は、従来技術のように位置きめ材等を用いることなくパネル端部に対する枠材の位置決めでき、またパネルを押し縁等で枠材に固定する従来と比較してパネルの端部に枠材を嵌めるだけであるから、簡易な構成で且つ部品点数が少なくて済む。
パネル体には支持体取付部を設けているので、組立工場でパネルに枠材を固定した後にパネル体を施工現場に搬入して、施工現場で支持体に支持体取付部を固定することもできるので、施工が容易である。
更に、請求項1に記載の発明によれば、パネルと枠材との接着剤による接着は工場で済ませることもできるので、その場合には施工現場で接着剤の硬化を待つ時間が必要でないから工期の短縮を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、パネル表面当接部とパネル裏面当接部とでパネルを表面側と裏面側とで挟んでいるので固定強度を更に高めることができると共に枠材に対するパネルの面外方向のがたつきを防止できる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、枠材の左右にパネルの連設が容易にできると共に、1つの枠材の左右にパネルを取付けできるのでパネルを連設した場合に枠材の使用量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施の形態を示す図であり、図3のA―A断面図である。
【図2】第1実施の形態を示す図であり、図3のB―B断面図である。
【図3】第1実施の形態にかかる壁面体の正面図である。
【図4】第2実施の形態にかかる壁面体を図1と同じ位置で切断して示す断面図である。
【図5】第3実施の形態にかかる壁面体の縦断面図である。
【図6】第3実施の形態にかかる壁面体の変形例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の変形例に係るパネル体の断面図である。
【図8】本発明の変形例に係るパネル体の断面図である。
【図9】本発明の変形例に係るパネル体の断面図である。
【図10】本発明の変形例にかかるパネル体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、まず図1〜図3を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。この第1実施の形態にかかるパネル体1は、図3に示すように、道路の防音壁等の壁面体3を構成するものである。
壁面体3は、パネル体1を支柱(支持体)5に取り付けて施工している。
パネル体1は、左右に配置した複数のパネル9と、最も右側に配置したパネル9の右側に設けた右縦枠材11aと、最も左側に配置したパネル9の左側に設けた左縦枠材11bと、隣合うパネル9、9間に設けた中間縦枠材10と、各パネル9、9の上端に設けた上横エッジカバー12aと、各パネル9、9の下端に設けた下横エッジカバー12bとから構成されている。
【0015】
図1に示すように、支柱5はパネル体1の左右及び後側に設けてあり、パネル体1をボルト7で各支柱5に固定している。
各パネル9は、本実施の形態では2枚の透明ガラス材を重ねた複合パネルであり、透光性を有している。
図1及び図2に示すように、各パネル9の四周の各端部13にはパネル9の外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とが形成してあり、パネル9の最も外周に位置する端面19は見込み方向の平面になっている。表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とは略同じ角度で傾斜した平面である。
【0016】
左右の縦枠材11a、11bには、各々パネル取付部21と支持体取付部23とが一体に設けてある。パネル取付部21には、パネル端部13に嵌合する嵌合溝25が形成してある。嵌合溝25の溝底26はパネル端面19に対向して見込み方向の平坦面になっており、表面側溝壁(対向面)27はパネル端部13の表面側傾斜面15に対向した傾斜面になっており、裏面側溝壁(対向面)29はパネル端部13の裏面側傾斜面17に対向した傾斜面になっている。
表面側溝壁27のパネル内周側にはパネル9の表面に当接するパネル表面当接部31が設けてあり、このパネル表面当接部31は表面側溝壁27からパネル内周側に向けて突設している。同様に、裏面側溝壁29のパネル内周側にはパネル9の裏面に当接するパネル裏面当接部33が設けてあり、このパネル裏面当接部33は裏面側溝壁29からパネル内周側に向けて突設している。
パネル端部13の表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17と各枠材11a、11bの各対向面27、29とは当接してあり、接着剤35で接着してパネル9と左右の縦枠材11a、11bとを固定してある。
【0017】
中間縦枠材10は、左右の縦枠材11a、11bと同様にパネル取付部21と支持体取付部23とが設けてあるが、パネル取付部21は左右に形成されており、左右の縦枠材11、11と同様に接着剤35でパネル9に固定されている。
図2に示すように、上横エッジカバー12aはパッキン37を介在してパネル9の上端部9cに嵌合して、左右の縦枠材11a、11bに固定してある。下横エッジカバー12bはパネル9の下端部9dの表面側傾斜面15、裏面側傾斜面17及び端面19との対向面との間に塗布した接着剤35で固定している。
【0018】
次に、本実施の形態にかかるパネル体1の製造及び壁面体3の施工について説明する。
パネル体1の製造は、組立工場で行う。各パネル9にはその四周の端部13に表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17を形成してあり、左右の縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10には、各々支持体取付部23とパネル取付部21とが形成してある。
中間縦枠材10の左右に各々パネル9を配置して、右側パネル9の左側端部及び左側パネル9の右側端部において、各表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17に接着剤35を塗布して中間縦枠材10のパネル取付部21に嵌め込む。次に、右側パネル9の右側端部及び左側パネル9の左側端部において、各表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17に接着剤35を塗布して左側及び右側縦枠材11a、11bを嵌め込む。
その後、各パネル9の上端部にはパッキン37を介在して上横エッジカバー12aを嵌合固定し、各パネル9の下端部にはその各表面側傾斜面15、端面19及び裏面側傾斜面17に接着剤35を塗布して下横エッジカバー12bを接着固定する。各接着剤35は組立工場で硬化させる。
【0019】
そして、壁面体3を施工するときには、上述のようにして組立てたパネル体1を工場から施工現場に移送して、各枠材11a、11b、10の支持体取付部23を支柱5にボルト7で固定する。
【0020】
この第1実施の形態によれば、パネル9に表面側傾斜面15と裏面側傾斜面17とを設け、これらの傾斜面15、17を各枠材11a、11b、10のパネル取付部21の各対向面27、29で挟んでいるので、パネル9の面外方向の移動を規制して、各枠材にパネル9を強固に固定できる。
パネル9と枠材11a、11b、10との固定は、従来技術のように位置きめ材等を用いることなく、パネル9の端部13に枠材11a、11b、10を嵌めるだけであるから、簡易な構成で且つ部品点数が少なくて済む。
パネル9と、縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10とを各々接着剤35で固定すると共に、パネルの各端部の表面側と裏面側との2面に傾斜面を形成して各枠材11a、11b、10にも対向面を形成して接着面積を広くしているので、パネル9と各枠材11a、11b、10の固定強度を更に高めることができる。
パネル体1には、支持体取付部23を設けているので、組立工場で組立てたパネル体1を、施工現場に搬送して施工現場で各枠材11a、11b、10の支持体取付部23を支柱5にボルトで固定するだけで済むので施工が容易であり、且つパネル9と各枠材11、10との接着剤の硬化は工場で済ませることができるので工期の短縮を図ることができる。
パネル体1において、パネル9と各枠材11a、11b、10の固定強度が高いから、パネル体1の搬送時や施工時に衝撃等の外力を受けた場合でも、パネル9に対して各枠材11a、11b、10のずれや脱落を防止できる。
【0021】
縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10のパネル取付部21には、パネル表面当接部31及びパネル裏面当接部33を設けて、パネル9を表面側と裏面側とで挟んでいるので固定強度を更に高めることができると共に各枠材11、10に対するパネル9の面外方向のがたつきを防止できる。
【0022】
中間縦枠材10には左右にパネル取付部21、21を設けているので、中間縦枠材10の左右にパネル9の連設が容易にできると共に、1つの枠材10の左右にパネル9を取付けできるので枠材の使用量を少なくできる。
パネル9の上端部にはパッキン37を介して上横エッジカバー12を嵌合して、上横エッジカバー12を縦枠材11a、11b、10に固定しているので、パネル9の上端部に雨水が浸入するのを防止できると共にコーキングが不要であり乾式工法により上横エッジカバー12を取付けできるので、組立てが容易にできると共にコスト低減を図ることができる。
【0023】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述の第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符合を付することにより、その部分の説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
【0024】
図4を参照して、本発明の第2実施の形態にかかる壁面体3を説明する。この第2実施の形態では、パネル9はポリカーボネート製の樹脂パネル9aとこの樹脂パネル9aを表面側と裏面側とから挟むように重ねたガラスパネル9bとで構成してあり、左右の縦枠材11a、11b及び中間縦枠材10にはその内部に照明部材41が挿入してある。照明部材41にはLED(発光ダイオード)42が設けてあり、樹脂パネル9aの端面を照らして面発光させている。尚、車両通行路側及び車両通行路外側のガラスパネル9b、9bには所定の図形や文字等のデザインを施したシートが設けてあり面発光した光によりサイン照明している。
各枠材11a、11b、10には、照明部材41を挿入する挿入空間43が形成してあり、各枠材11a、11b、10の端から照明部材41を通して配置してある。
【0025】
この第2実施の形態によれば、壁面体3の車両通行路側や車両通行路外側にサイン照明することができる。
パネル9には樹脂パネル9aをガラスパネル9bで挟んでいるので、例えば第1実施の形態で用いた下横エッジカバー12bは樹脂パネル9aの下端にねじ固定することができる。
また、この第2実施の形態では、パネル表面当接部31とパネル裏面当接部33とがないことが上述の第1実施の形態と異なっているので、パネル表面当接部31とパネル裏面当接部33とによる効果を除いて、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0026】
図5を参照して本発明の第3実施の形態を説明する。第3実施の形態にかかるパネル体1は、太陽発電用パネル体であり、例えば屋根等に設置されてパネル表面を上方に向けて取付けるものである。パネル9は太陽光を電気に変換する光発電素子45を2枚のガラス間に挟んだソーラパネルである。このパネル体1では、パネル9は例えば四方に4つ並べてあり、隣合うパネル端部13、13間には中間枠材10が配置してあり、パネル体1の四周において上下左右端に位置する各辺のパネル端部13には各々端部枠材11が配置されている。端部枠材11と中間枠材10とは同じ構成であり、各々表面側に設けた表面側部材46aと裏面側に設けた裏面側部材46bとの2つの部材で構成されており、表面側部材46aと裏面側部材46bとをねじ47で固定している。
裏面側部材46bには支持体取付部23が設けてあり、支持体取付部23は屋根に設置してある支持枠(支持体)49にねじ50で固定してある。
表面側部材46aには、パネル端部13の表面側傾斜面15に対向した対向面27が形成されており、裏面側部材46bには、裏面表面側傾斜面17に対向した対向面29が形成されており、表面側部材46aと裏面側部材46bとをねじ止めして相互に固定することで、各枠材10、11を構成すると共に表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17と、各対向面27、29との間にパッキン37を介してパネル9を挟持している。
【0027】
この第3実施の形態において、パネル体1の施工は、まず支持枠49に各裏面側部材46bの支持体取付部23をねじ固定した後、裏面側部材46b、46b間にパッキン37を介してパネル9を配置し、その後、表面側部材46aを隣合うパネル端部13、13間に配置して、裏面側部材46bに表面側部材46aをねじ47で固定する。
【0028】
この第3実施の形態では、第1実施の形態と異なり、接着剤35を用いることなく各枠材10、11のパネル取付部21にパッキン37を介してパネル9を固定しているので、乾式工法で施工でき、接着剤の硬化を待たずに施工を完了することができる。
枠材10、11とパネル9との固定は、従来技術のように位置きめ材等を用いることなく、パネル9の端部13に枠材10、11を嵌めるだけであるから、簡易な構成で且つ部品点数が少なくて済む。
枠材10、11は、表面側部材46aと裏面側部材46bとの2つの部材で構成し、表面側部材46aと裏面側部材46bとをねじ47で固定してパネル端部13を挟持しているので、パネル端部13の厚みや、表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17の傾斜角度が対向する表面側溝壁27及び裏面側溝壁29の傾斜角度に対して多少ずれがあっても、ねじ47の締め付けを調整することにより強固に固定することができる。
【0029】
中間枠材10には左右にパネル取付部21、21を設けているので、中間枠材10の左右にパネル9の連設が容易にできると共に、1つの枠材10の左右にパネル9を取付けできるので枠材の使用量を少なくできる。
更に、本実施の形態では、パネル体1には隣合うパネル9、9間と、パネル体1の輪郭に位置するパネル端部にも中間枠材10と同種の端部枠材11を用いているので、一種類の枠材で施工することができ、部品種類を少なくすることができる。
【0030】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、第3実施の形態において、枠材10、11の形状は、図6に示すように、表面側部材46aと裏面側部材46bとの各々に、表面側傾斜面15に対向する対向面27及び裏面側傾斜面17に対向する対向面29を形成する構成であっても良い。
【0031】
図7に示すように、上述した第1実施の形態において、左右の縦枠材11a、11bに設ける支持体取付部23は、タッピングホールであっても良い。同様に、図8に示すように、中間縦枠材10も支持体取付部23がタッピングホールであっても良い。また、第2及び第3実施の形態にかかる縦枠材11a、11bや枠材11及び中間枠材10においても、支持体取付部23はタッピングホールとしても良い。
【0032】
図9に示すように、第1実施の形態において、左右の縦枠材11a、11bはパネル取付部21を断面V字形状に形成して、支持体取付部23はその一端部から突出する板状部としても良い。
【0033】
図10に示すように、第1実施の形態において、パネル9の端部13に形成する表面側傾斜面15及び裏面側傾斜面17は円弧状とし、各枠材11a、11b、10の対向面27、29も円弧状にしても良い。また、この変形例ではパネル9には合わせガラスでなく一枚のガラス板を用いている。
パネル体1は、高速道路用の透光壁やソーラパネルに限らず、パーテーションや、ショーウインド、看板等の表示装置であっても良く、用途は限定されない。
パネル9は合わせパネルや一枚の板ガラスに限らず、複層パネルでもよく、パネルの種類は限定されない。
第1実施の形態において、パネル9の上端に設けた上横エッジカバー12aはパネル9の上端部9cに接着剤で固定するものであっても良い。
また、第1実施の形態において、上横エッジカバー12a及び下横エッジカバー12bに代えて第3実施の形態の枠材11を用いて各々パネル9の上端部と下端部に接着固定し、パネル9の四周に端部枠材11a、11b及び11を取付けるものであっても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 パネル体
5 支柱(支持体)
9 パネル
10 中間枠材
11 端部枠材
11a 右縦枠材(枠材)
11b 左縦枠材(枠材)
13 パネル端部
15 表面側傾斜面
17 裏面側傾斜面
23 支持体取付部
27 表面側溝壁(対向面)
29 裏面側溝壁(対向面)
31 パネル表面当接部
33 パネル裏面当接部
49 支持枠(支持体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、パネルの上下左右のうちの対向する少なくとも一対の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を接着剤で固定していることを特徴とするパネル体。
【請求項2】
パネルと、パネルの上下左右の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、各枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を当接していることを特徴とするパネル体。
【請求項3】
枠材はパネルの表面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの表面に当接するパネル表面当接部と、パネルの裏面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの裏面に当接するパネル裏面当接部とを備え、パネル表面当接部とパネル裏面当接部とでパネルを挟んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル体。
【請求項4】
枠材は、その左右にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、左右にパネルを取付けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパネル体。
【請求項1】
パネルと、パネルの上下左右のうちの対向する少なくとも一対の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を接着剤で固定していることを特徴とするパネル体。
【請求項2】
パネルと、パネルの上下左右の各端部に取付ける枠材とを備え、パネルの端部にはパネルの外周側ほど厚みを薄くして傾斜した表面側傾斜面と裏面側傾斜面とが形成してあり、各枠材は支持体に取付ける支持体取付部を備えると共にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、パネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に枠材の各対向面を当接していることを特徴とするパネル体。
【請求項3】
枠材はパネルの表面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの表面に当接するパネル表面当接部と、パネルの裏面側でパネルの内周側に向けて突設し且つパネルの裏面に当接するパネル裏面当接部とを備え、パネル表面当接部とパネル裏面当接部とでパネルを挟んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル体。
【請求項4】
枠材は、その左右にパネル端部の表面側傾斜面及び裏面側傾斜面に各々対向する対向面を備え、左右にパネルを取付けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパネル体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−246737(P2012−246737A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122020(P2011−122020)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]