パネル梱包体
【課題】 太陽電池のような大型パネル用のパネル梱包体に関し、可能な限り梱包作業が容易であると共に充分な荷崩れ耐性を有するようなパネル梱包体を提供する。
【解決手段】 平面視矩形状のパネル12を立設状態で梱包するパネル梱包体1であって、起立した複数のパネル12が並列配置されてなるパネル集合体を保持できるように、パネル並列方向と直交する方向の両側に対向配置された一対のサイドアド3,3と、一対のサイドアド3,3が収容されて前記パネル集合体の下部を支持する底ケース2とを備え、一対のサイドアド3,3間が棒状のステー5により連結されており、サイドアド3は、互いに略直交する下板31及び側板32にそれぞれ下縁保持部34及び側縁保持部35を備え、下縁保持部34及び側縁保持部35によりパネル12の下縁及び側縁を個別に保持するように構成されている。
【解決手段】 平面視矩形状のパネル12を立設状態で梱包するパネル梱包体1であって、起立した複数のパネル12が並列配置されてなるパネル集合体を保持できるように、パネル並列方向と直交する方向の両側に対向配置された一対のサイドアド3,3と、一対のサイドアド3,3が収容されて前記パネル集合体の下部を支持する底ケース2とを備え、一対のサイドアド3,3間が棒状のステー5により連結されており、サイドアド3は、互いに略直交する下板31及び側板32にそれぞれ下縁保持部34及び側縁保持部35を備え、下縁保持部34及び側縁保持部35によりパネル12の下縁及び側縁を個別に保持するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面視矩形状のパネルを立設状態で梱包するパネル梱包体、及び、このパネル梱包体を組み立てるための組立てキットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術革新により、大きな一対の平面と周囲の側面を有する大型の太陽電池パネル(例えば、寸法1.1 m×1.4 m、重量20 kg)が製造されるに至った。このような大型の太陽電池パネルは、輸送中の振動による破損を受け易く、効果的に梱包する必要がある。従来技術によれば、1枚ずつ梱包して多数のパネルを水平状態で積層する方式(横置型包装材)や、パネルを垂直に立てた状態で多数のパネルを梱包する方式(縦置型包装材)が採用される〔以下の特許文献1、参照〕。
特許文献1の開示によれば、扉付きの段ボール製ケースの底部と頂部において、パネルの側面ガイド用の溝を設けている。太陽電池パネルを収納するには、扉を開放して、パネルをその平面が垂直状態となるように立設し、前記溝内に沿ってケース内に押し込み、扉Yを閉じたのち、バンドZで結束しており、パネル収納作業が容易であると、称している。
しかしながら、特許文献開示の発明では、太陽電池パネルの大きな平面に対して垂直な方向(収納状態で水平方向)に、大荷重のパネルに起因する大きな応力がかかり、この大応力は、単に、前記溝とバンドとケース本体等で支えているだけである。このため、輸送の間、振動によりケース本体が変形し、その結果、大重量のパネルの荷崩れが起こる可能性が非常に高い。事実、ケース開放時には、「横方向締付バンドが切断されないことが重要である。」と、特許文献1は自白しており、誤って横方向締付バンドZを切断すれば、パネルの荷崩れが起こる。すなわち、特許文献開示の発明は、荷崩れに対する耐性、特に、太陽電池パネルの大きな平面に対して垂直な方向に関し、不十分な耐性しか有していないという、致命的な問題を併有しているのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−153888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題点に鑑み、本発明の課題は、太陽電池のような大型パネル用のパネル梱包体に関し、可能な限り梱包作業が容易であると共に充分な荷崩れ耐性を有するようなパネル梱包体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の前記課題は、平面視矩形状のパネル(12)を立設状態で梱包するパネル梱包体(1)であって、起立した複数のパネル(12)が並列配置されてなるパネル集合体を保持できるように、パネル並列方向と直交する方向の両側に対向配置された一対のサイドアド(3,3)と、一対のサイドアド(3,3)が収容されて前記パネル集合体の下部を支持する底ケース(2)とを備え、一対のサイドアド(3,3)間が棒状のステー(5)により連結されており、サイドアド(3)は、互いに略直交する下板(31)及び側板(32)にそれぞれ下縁保持部(34)及び側縁保持部(35)を備え、下縁保持部(34)及び側縁保持部(35)によりパネル(12)の下縁及び側縁を個別に保持するように構成されているパネル梱包体(1)により達成される[図1等、参照]。
このパネル梱包体(1)において、一対のサイドアド(3,3)は、パネル(12)よりも低い高さとなるように形成されていることが好ましく、サイドアド(3)よりも高さが高い胴枠(6)により、前記パネル集合体の側部全体が覆われていることが好ましい。
また、一対のサイドアド(3,3)間に底板(4)が介在されていることが好ましい。
また、一対のサイドアド(3,3)間に、作業者が内部で作業可能な大きさの空間が形成されることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、その第2の態様として、平面視矩形状のパネル(12)を立設状態で梱包するパネル梱包体(1)を組み立てるための組立てキットであって、底ケース内に収納されていることを特徴とする組立てキットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可能な限り梱包作業が容易であると共に充分な荷崩れ耐性を示すパネル梱包体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のパネル梱包体に関し、その一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示したパネル梱包体の製造工程を、パネル収納前の状態で示す斜視図。
【図3】図1に示したパネル梱包体の製造工程を、パネル収納後の状態で示す斜視図。
【図4】図1に示したパネル梱包体の製造工程を、パネル収納の最終段階として示す斜視図。
【図5】図1のパネル梱包体に関し、その底ケースの展開図。
【図6】図1のパネル梱包体に関し、そのサイドアドの展開図。
【図7】図1のパネル梱包体に関し、その底板の展開図。
【図8】図1のパネル梱包体に関し、そのステーの展開図。
【図9】図1のパネル梱包体に関し、その胴枠の展開図。
【図10】図1のパネル梱包体に関し、その天ケースの展開図。
【図11】図1のパネル梱包体に関し、その組み立てキットを搬送状態で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のパネル梱包体に関し、その一実施形態を示す分解斜視図である。図1に示すように、パネル梱包体1は、底ケース2、一対のサイドアド3,3、底板4、ステー5、一対の胴枠6,6、及び天ケース7を備える箱体から構成されており、内部に複数のパネル12を収納可能とされている。箱体は、本実施形態ではダンボール製であり、段ボールはプラスチック段ボールであってもよい。また、パネル12は、大型の太陽電池パネルを好ましく例示することができるが、平面視矩形状の被梱包物であれば特に限定されるものではない。
底ケース2は、平面視矩形状の床板21と、この床板21の4つの縁部から起立する側板22とを備えており、側板22には、後述する一対のサイドアド3,3及び一対の胴枠6,6と結合するためのジョイント用開口23が複数形成されている。底板21の長辺方向Lの長さは、収納されるパネル12の長辺長さと略同じであり、底板21の短辺方向Sに沿って複数のパネル12が並列配置される。
【0010】
サイドアド3は、矩形状の下板31及び側板32を備えており、側板32の両側には補強部33,33が設けられている。下板31及び側板32は互いに略直交するように縁部同士で結合されており、補強部33,33を下板31側に向けて折り返して、底ケース2内の長辺方向Lの両側にそれぞれ配置することができる。下板31及び側板32の内面側には、底ケース2内に配置された状態で、底ケース2の短辺方向Sに沿って延びるブロック状の下縁保持部34及び側縁保持部35が突設されている。下縁保持部34及び側縁保持部35は、長手方向(すなわち、底ケース2の短辺方向S)に沿って、それぞれ複数の保持溝341,351が略等間隔に形成されており、各パネル12は、側縁部及び下縁部が保持溝341,351に個別に保持される。
【0011】
また、下板31の内面には、パネル12の下縁と当接して支持する底パット311が設けられており、側板32には、底ケース2のジョイント用開口23と位置合わせ可能なジョイント用開口321が形成されている。更に、下板31の前縁には差込片312が設けられており、側縁保持部35には、ステー5と係合する係合溝352が長手方向の略中央に形成されている。
【0012】
底板4は、矩形状の板体41と、この板体41の両側縁から起立する当接部42,42とを備えており、底ケース2内に配置された一対のサイドアド3,3における下板31,31の前縁と当接部42,42が当接するように、サイドアド3,3間に介在される。板体41及び当接部42,42間の角部には、挿入口43が形成されており、下板31の差込片311を挿入口43に差し込むことにより、サイドアド3,3と底板4とが連接される。
【0013】
ステー5は、直棒状に形成されており、両端部に係合突部51,51を備えている。各係合突部51,51は、それぞれ一対のサイドアド3,3の係合溝342,342に挿入することで、一対のサイドアド3,3を連結することができる。
【0014】
胴枠6は、板体61をコ字状に折り曲げて構成され、板体61には、底ケース2のジョイント用開口23と位置合わせ可能なジョイント用開口62が形成されている。一対の胴枠6,6は、互いに対向するように端部同士を当接させることにより、底ケース2内に側板22に沿って配置することができる。
【0015】
天ケース7は、平面視矩形状の天板71と、この天板71の4つの縁部から垂下する側板72とを備えている。天板71の大きさは、底ケース2の底板21よりも若干大きくなるように形成されており、底ケース2の側板22に天ケース7の側板72を外嵌することができる。
【0016】
図2から図4は、図1に示すパネル梱包体の製造工程を示す斜視図である。まず、パレットP上に底ケース2を配置し、次いで底ケース2内に一対のサイドアド3,3及び底板4を配置し、一対のサイドアド3,3同士をステー5で連結することにより、図2に示すように、箱中間体10を構成する。
【0017】
そして、箱中間体10内にパネル12を1枚ずつ上方から収納していく。パネル12の収納においては、作業者は、一対のサイドアド3,3間に形成される空間S(好ましくは、底板4の上)に入り、ステー5が配置された中央側から、パネル12を長辺側が略水平となるように保持溝341,351に順次挿入していく。この作業を底ケース2の短辺方向Sの両側から行うことにより、図3に示すように、複数のパネル12を底ケース2内に整列配置することができる。一対のサイドアド3,3の高さは、パネル12を保持溝341,351により確実に保持できる限りにおいて、パネル12の高さ(すなわち、パネル12の短辺長さ)よりも低いことが好ましく、これによって必要なパネル12の持ち上げ高さを低くすることができ、収納作業を迅速容易に行うことができる。
ついで、一対の胴枠6,6を、一対のサイドアド3,3と底ケース2の側板22との間に介装することにより、複数のパネル12からなるパネル集合体の側部全体を覆う。胴枠6の高さは、一対のサイドアド3,3の高さよりも高く、好ましくはパネル12の高さと略同じとなるように設定される。底ケース2のジョイント用開口23は、それぞれ胴枠6のジョイント用開口62に合致し、更に底ケース2の短辺側に形成されたジョイント用開口23は、サイドアド3のジョイント用開口321にも合致する(図4参照)。これら底ケース2のジョイント用開口23及び胴枠6のジョイント用開口62にジョイント24を装着することにより、底ケース2に一対の胴枠6,6が取り付けられる。なお、サイドアド3のジョイント用開口321は、底ケース2の短辺側に装着したジョイント24が、サイドアド3を押圧することを回避するための逃げ孔として機能する。
【0018】
最後に、一対の胴枠6,6の上部を天ケース7で覆うことにより、図4に示すようにパネル梱包体1が完成する。
【0019】
本実施形態のパネル梱包体1によれば、まず箱中間体10を構成し、この箱中間体10に複数のパネル12を収納した後に、パネル12の集合体を一対の胴枠6,6で覆うことができるので、パネル12を持ち上げて収納する作業負担を軽減して、収納作業を容易にすることができる。胴枠6は、本実施形態においては、一対のコ字状部材の端部同士を接合させて構成しているが、例えば、角筒状部材を使用したり、帯状部材をパネル12の集合体の周囲に巻回することもできる。
【0020】
また、箱中間体10を構成する一対のサイドアド3,3は、それぞれ保持溝341,351によりパネル12の側縁部及び下縁部を支持すると共に、一対のサイドアド3,3同士がステー5により連結されるため、パネル12の起立状態を確実に保持することができる。本実施形態においては、一対のサイドアド3,3の略中央を単一のステー5により連結しているが、ステー5の位置や数は特に限定されるものではない。
パネル梱包体1の形状や大きさは特に限定されるものではなく、各種パネルに応じて適宜選択可能であるが、本実施形態のように一対のサイドアド3,3間に形成される空間S(図2参照)の内部で作業者が作業可能な大きさである場合に、作業性の面から特に効果的である。
【0021】
また、本実施形態のパネル梱包体1は、一対のサイドアド3,3間に底板4が介在された構成であるため、パネル12の長辺長さが変更された場合でも、一対のサイドアド3,3はそのままで、底板4の取り替えにより一対のサイドアド3,3の間隔を調整することができる。したがって、底ケース2や底板4などカッターで容易に形成可能な部材のみを変更し、複数の保持溝341,351を有する下縁保持部34及び側縁保持部35のように通常は木型を必要とする部材は交換の必要がないため、パネル12のサイズ変更にも迅速安価に対応することができる。
【0022】
パネル12の収納姿勢は、起立状態を保持し易いように長辺側を水平にすることが好ましいが、短辺側が水平な状態で保持することもできる。パネル12の形状は、長方形状の他、正方形状であってもよい。
【0023】
また、本実施形態のパネル梱包体1には必須のものではないが、従来と同様に、パネル梱包体1の周囲にバンドを巻回してもよい。
【0024】
上述したパネル梱包体1は、各構成要素に対応したブランクを組み立てることにより、形成することができる。図5から図10は、底ケース102、サイドアド103、底板104、ステー105、胴枠106及び天ケースの展開図である。各展開図は裏面側を表しており、組み立て後の内面側に相当する。各展開図において、切り罫線は実線で示し、谷折り罫線は破線で示し、半切り罫線は一点鎖線で示し、貼着部は斜線で示し、また、段ボールの段(フルート)を一部切り欠いて示している。また、各ブランクの部材名称は、組み立て後の状態における部材名称の後に「本体」をつけて表すこととする。例えば、底ケース2の床板21に対向する底ケースブランク102の部材は、床板本体121と称している。
【0025】
図5に示すように、底ケースブランク102は、谷折り罫線によって囲まれた矩形状の床板本体121と、この床板本体121の各辺から外方に連なる4つの側板本体122とを備えており、側板本体122にはジョイント用開口23が形成されている。底ケース2を組み立てるには、各側板本体122を谷折り罫線で谷折りして起立させ、対向する一対の側板本体122,122の両端に形成された4つのフラップf1を谷折りして、それぞれをもう一対の側板本体122,122の外面側に貼着する。こうして、図1等に示す底ケース2を形成することができる。
【0026】
図6(a)に示すように、サイドアドブランク103は、矩形状の下板本体131及び側板本体132が、谷折り罫線を介して長辺側で連接されており、側板本体132の長手方向両側に補強部本体133,133が谷折り罫線を介して連接されている。下板本体131の長辺側縁部には差込片本体1312が設けられており、側板本体132にはジョイント用開口321が形成されている。また、下板本体131には、長手方向に沿って延びる下縁保持部貼着エリアA1及び底パット貼着エリアA3が形成されており、両者は底パット貼着エリアA3が縁部側となるように並列配置されている。側板本体132には、長手方向に沿って延びる側縁保持部貼着エリアA2が形成されている。なお、下板本体131及び側板本体132の上記長辺方向は、本実施形態の形状に基づくものであり、下板本体131及び側板本体132の短辺側同士を連接した形状であってもよい(以下の構成要素についても同様)。
【0027】
サイドアド3を組み立てるには、下縁保持部貼着エリアA1、側縁保持部貼着エリアA2及び底パット貼着エリアA3に、それぞれ下縁保持部34、側縁保持部35及び底パット311を貼着した後、側板本体132を谷折り罫線で谷折りして起立させ、更に補強部本体133,133を谷折り罫線で谷折りする。こうして、図1等に示すサイドアド3を形成することができる。下縁保持部34、側縁保持部35及び底パット311は、図6(b)から(d)に示すように、それぞれ下縁保持部本体134、側縁保持部本体135及び底パット本体1311から形成することができる。
【0028】
図6(b)及び(c)に示すように、下縁保持部本体134及び側縁保持部本体135は、いずれも帯状体からなり、長辺側縁部の一方に複数の切欠き1341,1351が略等間隔に形成されている。また、側縁保持部本体135の長辺側縁部の他方には、略中央に切欠き1352が形成されている。下縁保持部34及び側縁保持部35は、段ボール製(プラスチック段ボールを含む)の下縁保持部本体134及び側縁保持部本体135を、それぞれ複数積層貼着して形成することができ、積層後の切欠き1341,1351が保持溝341,351に相当し、切欠き1352が係合溝352に相当する。下縁保持部34及び側縁保持部35は、このような構成に代えて、発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレンなどのプラスチック材料からなる成形品であってもよく、発泡プラスチック材料の打ち抜き等によって形成することができる。下縁保持部34及び側縁保持部35は、それぞれ保持溝341,351と反対側を下縁保持部貼着エリアA1及び側縁保持部貼着エリアA2に貼着する。
【0029】
図6(d)に示すように、底パット本体1311は、矩形状の天板本体1311aの2つの長辺に、側板本体1311b,1311b及び底板本体1311c,1311cが谷折り罫線を介して順次連接されている。また、天板本体1311aの2つの短辺には、端板本体1311d,1311dが谷折り罫線を介して連接されている。底パット311を組み立てるには、2つの側板本体1311b,1311b及び底板本体1311c,1311cを順次谷折りすると共に、2つの端板本体1311d,1311dを谷折りする。そして、底板本体1311c,1311cのフラップf2,f2を谷折りして、同じく谷折りした端板本体1311d,1311dのフラップf3,f3のノッチn1,n1に差し込むことにより、図1等に示す筐体状の底パット311が得られる。底パット311は、底板本体1311c,1311c側を底パット貼着エリアA3に貼着する。
【0030】
図7に示すように、底板ブランク104は、矩形状の板体本体141の2つの長辺に当接部本体142,142が谷折り罫線を介して連接されており、この連接部に挿入口43が形成されている。
【0031】
図8に示すように、ステーブランク105は、帯状体105aの長手方向両側にそれぞれ開口105b,105bが形成されており、この開口105b,105bと端縁との間が係合突部本体511,511とされている。ステーブランク105は、中央を長手方向に延びる半切り罫線で谷折りして2重にすることでステー5を形成することができ、係合突部本体511,511が係合突部51,51を構成する。
【0032】
図9に示すように、胴枠ブランク106は、ジョイント用開口62を有する矩形状の板体61からなり、長手方向の両側をコ字状に谷折りして胴枠6を形成することができる。
図10に示すように、天ケースブランク107は、谷折り罫線によって囲まれた矩形状の天板本体171と、この天板本体171の各辺から外方に連なる4つの側板本体172とを備えている。天ケース7を組み立てるには、各側板本体172を谷折り罫線で谷折りして起立させ、対向する一対の側板本体172,172の両端に形成された4つのフラップf4を谷折りして、それぞれをもう一対の側板本体172,172の外面側に貼着する。こうして、図1等に示す天ケース7を形成することができる。
【0033】
これら各ブランクの搬送においては、底ケースブランク102及び天ケースブランク107のみを予め組み立てて底ケース2及び天ケース7を形成することで、図11に示すように、底ケース2及び天ケース7により搬送箱を構成することができ、この搬送箱内に、サイドアドブランク103、底板ブランク104、ステーブランク105、胴枠ブランク106などを適宜折り畳んで収納することで、搬送容易な組立てキット100とすることができる。図1に示すパネル梱包体1を製造する際には、パネル12の製造現場に組立てキット100の状態で搬送し、現場で組み立てることができるので、パネル梱包体1の形成を迅速容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 パネル梱包体
2 底ケース
3 サイドアド
31 下板
32 側板
34 下縁保持部
35 側縁保持部
4 底板
5 ステー
6 胴枠
7 天ケース
10 箱中間体
12 パネル
100 組立てキット
103 サイドアドブランク
105 ステーブランク
131 下板本体
132 側板本体
134 下縁保持部本体
135 側縁保持部本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面視矩形状のパネルを立設状態で梱包するパネル梱包体、及び、このパネル梱包体を組み立てるための組立てキットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術革新により、大きな一対の平面と周囲の側面を有する大型の太陽電池パネル(例えば、寸法1.1 m×1.4 m、重量20 kg)が製造されるに至った。このような大型の太陽電池パネルは、輸送中の振動による破損を受け易く、効果的に梱包する必要がある。従来技術によれば、1枚ずつ梱包して多数のパネルを水平状態で積層する方式(横置型包装材)や、パネルを垂直に立てた状態で多数のパネルを梱包する方式(縦置型包装材)が採用される〔以下の特許文献1、参照〕。
特許文献1の開示によれば、扉付きの段ボール製ケースの底部と頂部において、パネルの側面ガイド用の溝を設けている。太陽電池パネルを収納するには、扉を開放して、パネルをその平面が垂直状態となるように立設し、前記溝内に沿ってケース内に押し込み、扉Yを閉じたのち、バンドZで結束しており、パネル収納作業が容易であると、称している。
しかしながら、特許文献開示の発明では、太陽電池パネルの大きな平面に対して垂直な方向(収納状態で水平方向)に、大荷重のパネルに起因する大きな応力がかかり、この大応力は、単に、前記溝とバンドとケース本体等で支えているだけである。このため、輸送の間、振動によりケース本体が変形し、その結果、大重量のパネルの荷崩れが起こる可能性が非常に高い。事実、ケース開放時には、「横方向締付バンドが切断されないことが重要である。」と、特許文献1は自白しており、誤って横方向締付バンドZを切断すれば、パネルの荷崩れが起こる。すなわち、特許文献開示の発明は、荷崩れに対する耐性、特に、太陽電池パネルの大きな平面に対して垂直な方向に関し、不十分な耐性しか有していないという、致命的な問題を併有しているのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−153888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題点に鑑み、本発明の課題は、太陽電池のような大型パネル用のパネル梱包体に関し、可能な限り梱包作業が容易であると共に充分な荷崩れ耐性を有するようなパネル梱包体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の前記課題は、平面視矩形状のパネル(12)を立設状態で梱包するパネル梱包体(1)であって、起立した複数のパネル(12)が並列配置されてなるパネル集合体を保持できるように、パネル並列方向と直交する方向の両側に対向配置された一対のサイドアド(3,3)と、一対のサイドアド(3,3)が収容されて前記パネル集合体の下部を支持する底ケース(2)とを備え、一対のサイドアド(3,3)間が棒状のステー(5)により連結されており、サイドアド(3)は、互いに略直交する下板(31)及び側板(32)にそれぞれ下縁保持部(34)及び側縁保持部(35)を備え、下縁保持部(34)及び側縁保持部(35)によりパネル(12)の下縁及び側縁を個別に保持するように構成されているパネル梱包体(1)により達成される[図1等、参照]。
このパネル梱包体(1)において、一対のサイドアド(3,3)は、パネル(12)よりも低い高さとなるように形成されていることが好ましく、サイドアド(3)よりも高さが高い胴枠(6)により、前記パネル集合体の側部全体が覆われていることが好ましい。
また、一対のサイドアド(3,3)間に底板(4)が介在されていることが好ましい。
また、一対のサイドアド(3,3)間に、作業者が内部で作業可能な大きさの空間が形成されることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、その第2の態様として、平面視矩形状のパネル(12)を立設状態で梱包するパネル梱包体(1)を組み立てるための組立てキットであって、底ケース内に収納されていることを特徴とする組立てキットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可能な限り梱包作業が容易であると共に充分な荷崩れ耐性を示すパネル梱包体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のパネル梱包体に関し、その一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示したパネル梱包体の製造工程を、パネル収納前の状態で示す斜視図。
【図3】図1に示したパネル梱包体の製造工程を、パネル収納後の状態で示す斜視図。
【図4】図1に示したパネル梱包体の製造工程を、パネル収納の最終段階として示す斜視図。
【図5】図1のパネル梱包体に関し、その底ケースの展開図。
【図6】図1のパネル梱包体に関し、そのサイドアドの展開図。
【図7】図1のパネル梱包体に関し、その底板の展開図。
【図8】図1のパネル梱包体に関し、そのステーの展開図。
【図9】図1のパネル梱包体に関し、その胴枠の展開図。
【図10】図1のパネル梱包体に関し、その天ケースの展開図。
【図11】図1のパネル梱包体に関し、その組み立てキットを搬送状態で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のパネル梱包体に関し、その一実施形態を示す分解斜視図である。図1に示すように、パネル梱包体1は、底ケース2、一対のサイドアド3,3、底板4、ステー5、一対の胴枠6,6、及び天ケース7を備える箱体から構成されており、内部に複数のパネル12を収納可能とされている。箱体は、本実施形態ではダンボール製であり、段ボールはプラスチック段ボールであってもよい。また、パネル12は、大型の太陽電池パネルを好ましく例示することができるが、平面視矩形状の被梱包物であれば特に限定されるものではない。
底ケース2は、平面視矩形状の床板21と、この床板21の4つの縁部から起立する側板22とを備えており、側板22には、後述する一対のサイドアド3,3及び一対の胴枠6,6と結合するためのジョイント用開口23が複数形成されている。底板21の長辺方向Lの長さは、収納されるパネル12の長辺長さと略同じであり、底板21の短辺方向Sに沿って複数のパネル12が並列配置される。
【0010】
サイドアド3は、矩形状の下板31及び側板32を備えており、側板32の両側には補強部33,33が設けられている。下板31及び側板32は互いに略直交するように縁部同士で結合されており、補強部33,33を下板31側に向けて折り返して、底ケース2内の長辺方向Lの両側にそれぞれ配置することができる。下板31及び側板32の内面側には、底ケース2内に配置された状態で、底ケース2の短辺方向Sに沿って延びるブロック状の下縁保持部34及び側縁保持部35が突設されている。下縁保持部34及び側縁保持部35は、長手方向(すなわち、底ケース2の短辺方向S)に沿って、それぞれ複数の保持溝341,351が略等間隔に形成されており、各パネル12は、側縁部及び下縁部が保持溝341,351に個別に保持される。
【0011】
また、下板31の内面には、パネル12の下縁と当接して支持する底パット311が設けられており、側板32には、底ケース2のジョイント用開口23と位置合わせ可能なジョイント用開口321が形成されている。更に、下板31の前縁には差込片312が設けられており、側縁保持部35には、ステー5と係合する係合溝352が長手方向の略中央に形成されている。
【0012】
底板4は、矩形状の板体41と、この板体41の両側縁から起立する当接部42,42とを備えており、底ケース2内に配置された一対のサイドアド3,3における下板31,31の前縁と当接部42,42が当接するように、サイドアド3,3間に介在される。板体41及び当接部42,42間の角部には、挿入口43が形成されており、下板31の差込片311を挿入口43に差し込むことにより、サイドアド3,3と底板4とが連接される。
【0013】
ステー5は、直棒状に形成されており、両端部に係合突部51,51を備えている。各係合突部51,51は、それぞれ一対のサイドアド3,3の係合溝342,342に挿入することで、一対のサイドアド3,3を連結することができる。
【0014】
胴枠6は、板体61をコ字状に折り曲げて構成され、板体61には、底ケース2のジョイント用開口23と位置合わせ可能なジョイント用開口62が形成されている。一対の胴枠6,6は、互いに対向するように端部同士を当接させることにより、底ケース2内に側板22に沿って配置することができる。
【0015】
天ケース7は、平面視矩形状の天板71と、この天板71の4つの縁部から垂下する側板72とを備えている。天板71の大きさは、底ケース2の底板21よりも若干大きくなるように形成されており、底ケース2の側板22に天ケース7の側板72を外嵌することができる。
【0016】
図2から図4は、図1に示すパネル梱包体の製造工程を示す斜視図である。まず、パレットP上に底ケース2を配置し、次いで底ケース2内に一対のサイドアド3,3及び底板4を配置し、一対のサイドアド3,3同士をステー5で連結することにより、図2に示すように、箱中間体10を構成する。
【0017】
そして、箱中間体10内にパネル12を1枚ずつ上方から収納していく。パネル12の収納においては、作業者は、一対のサイドアド3,3間に形成される空間S(好ましくは、底板4の上)に入り、ステー5が配置された中央側から、パネル12を長辺側が略水平となるように保持溝341,351に順次挿入していく。この作業を底ケース2の短辺方向Sの両側から行うことにより、図3に示すように、複数のパネル12を底ケース2内に整列配置することができる。一対のサイドアド3,3の高さは、パネル12を保持溝341,351により確実に保持できる限りにおいて、パネル12の高さ(すなわち、パネル12の短辺長さ)よりも低いことが好ましく、これによって必要なパネル12の持ち上げ高さを低くすることができ、収納作業を迅速容易に行うことができる。
ついで、一対の胴枠6,6を、一対のサイドアド3,3と底ケース2の側板22との間に介装することにより、複数のパネル12からなるパネル集合体の側部全体を覆う。胴枠6の高さは、一対のサイドアド3,3の高さよりも高く、好ましくはパネル12の高さと略同じとなるように設定される。底ケース2のジョイント用開口23は、それぞれ胴枠6のジョイント用開口62に合致し、更に底ケース2の短辺側に形成されたジョイント用開口23は、サイドアド3のジョイント用開口321にも合致する(図4参照)。これら底ケース2のジョイント用開口23及び胴枠6のジョイント用開口62にジョイント24を装着することにより、底ケース2に一対の胴枠6,6が取り付けられる。なお、サイドアド3のジョイント用開口321は、底ケース2の短辺側に装着したジョイント24が、サイドアド3を押圧することを回避するための逃げ孔として機能する。
【0018】
最後に、一対の胴枠6,6の上部を天ケース7で覆うことにより、図4に示すようにパネル梱包体1が完成する。
【0019】
本実施形態のパネル梱包体1によれば、まず箱中間体10を構成し、この箱中間体10に複数のパネル12を収納した後に、パネル12の集合体を一対の胴枠6,6で覆うことができるので、パネル12を持ち上げて収納する作業負担を軽減して、収納作業を容易にすることができる。胴枠6は、本実施形態においては、一対のコ字状部材の端部同士を接合させて構成しているが、例えば、角筒状部材を使用したり、帯状部材をパネル12の集合体の周囲に巻回することもできる。
【0020】
また、箱中間体10を構成する一対のサイドアド3,3は、それぞれ保持溝341,351によりパネル12の側縁部及び下縁部を支持すると共に、一対のサイドアド3,3同士がステー5により連結されるため、パネル12の起立状態を確実に保持することができる。本実施形態においては、一対のサイドアド3,3の略中央を単一のステー5により連結しているが、ステー5の位置や数は特に限定されるものではない。
パネル梱包体1の形状や大きさは特に限定されるものではなく、各種パネルに応じて適宜選択可能であるが、本実施形態のように一対のサイドアド3,3間に形成される空間S(図2参照)の内部で作業者が作業可能な大きさである場合に、作業性の面から特に効果的である。
【0021】
また、本実施形態のパネル梱包体1は、一対のサイドアド3,3間に底板4が介在された構成であるため、パネル12の長辺長さが変更された場合でも、一対のサイドアド3,3はそのままで、底板4の取り替えにより一対のサイドアド3,3の間隔を調整することができる。したがって、底ケース2や底板4などカッターで容易に形成可能な部材のみを変更し、複数の保持溝341,351を有する下縁保持部34及び側縁保持部35のように通常は木型を必要とする部材は交換の必要がないため、パネル12のサイズ変更にも迅速安価に対応することができる。
【0022】
パネル12の収納姿勢は、起立状態を保持し易いように長辺側を水平にすることが好ましいが、短辺側が水平な状態で保持することもできる。パネル12の形状は、長方形状の他、正方形状であってもよい。
【0023】
また、本実施形態のパネル梱包体1には必須のものではないが、従来と同様に、パネル梱包体1の周囲にバンドを巻回してもよい。
【0024】
上述したパネル梱包体1は、各構成要素に対応したブランクを組み立てることにより、形成することができる。図5から図10は、底ケース102、サイドアド103、底板104、ステー105、胴枠106及び天ケースの展開図である。各展開図は裏面側を表しており、組み立て後の内面側に相当する。各展開図において、切り罫線は実線で示し、谷折り罫線は破線で示し、半切り罫線は一点鎖線で示し、貼着部は斜線で示し、また、段ボールの段(フルート)を一部切り欠いて示している。また、各ブランクの部材名称は、組み立て後の状態における部材名称の後に「本体」をつけて表すこととする。例えば、底ケース2の床板21に対向する底ケースブランク102の部材は、床板本体121と称している。
【0025】
図5に示すように、底ケースブランク102は、谷折り罫線によって囲まれた矩形状の床板本体121と、この床板本体121の各辺から外方に連なる4つの側板本体122とを備えており、側板本体122にはジョイント用開口23が形成されている。底ケース2を組み立てるには、各側板本体122を谷折り罫線で谷折りして起立させ、対向する一対の側板本体122,122の両端に形成された4つのフラップf1を谷折りして、それぞれをもう一対の側板本体122,122の外面側に貼着する。こうして、図1等に示す底ケース2を形成することができる。
【0026】
図6(a)に示すように、サイドアドブランク103は、矩形状の下板本体131及び側板本体132が、谷折り罫線を介して長辺側で連接されており、側板本体132の長手方向両側に補強部本体133,133が谷折り罫線を介して連接されている。下板本体131の長辺側縁部には差込片本体1312が設けられており、側板本体132にはジョイント用開口321が形成されている。また、下板本体131には、長手方向に沿って延びる下縁保持部貼着エリアA1及び底パット貼着エリアA3が形成されており、両者は底パット貼着エリアA3が縁部側となるように並列配置されている。側板本体132には、長手方向に沿って延びる側縁保持部貼着エリアA2が形成されている。なお、下板本体131及び側板本体132の上記長辺方向は、本実施形態の形状に基づくものであり、下板本体131及び側板本体132の短辺側同士を連接した形状であってもよい(以下の構成要素についても同様)。
【0027】
サイドアド3を組み立てるには、下縁保持部貼着エリアA1、側縁保持部貼着エリアA2及び底パット貼着エリアA3に、それぞれ下縁保持部34、側縁保持部35及び底パット311を貼着した後、側板本体132を谷折り罫線で谷折りして起立させ、更に補強部本体133,133を谷折り罫線で谷折りする。こうして、図1等に示すサイドアド3を形成することができる。下縁保持部34、側縁保持部35及び底パット311は、図6(b)から(d)に示すように、それぞれ下縁保持部本体134、側縁保持部本体135及び底パット本体1311から形成することができる。
【0028】
図6(b)及び(c)に示すように、下縁保持部本体134及び側縁保持部本体135は、いずれも帯状体からなり、長辺側縁部の一方に複数の切欠き1341,1351が略等間隔に形成されている。また、側縁保持部本体135の長辺側縁部の他方には、略中央に切欠き1352が形成されている。下縁保持部34及び側縁保持部35は、段ボール製(プラスチック段ボールを含む)の下縁保持部本体134及び側縁保持部本体135を、それぞれ複数積層貼着して形成することができ、積層後の切欠き1341,1351が保持溝341,351に相当し、切欠き1352が係合溝352に相当する。下縁保持部34及び側縁保持部35は、このような構成に代えて、発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレンなどのプラスチック材料からなる成形品であってもよく、発泡プラスチック材料の打ち抜き等によって形成することができる。下縁保持部34及び側縁保持部35は、それぞれ保持溝341,351と反対側を下縁保持部貼着エリアA1及び側縁保持部貼着エリアA2に貼着する。
【0029】
図6(d)に示すように、底パット本体1311は、矩形状の天板本体1311aの2つの長辺に、側板本体1311b,1311b及び底板本体1311c,1311cが谷折り罫線を介して順次連接されている。また、天板本体1311aの2つの短辺には、端板本体1311d,1311dが谷折り罫線を介して連接されている。底パット311を組み立てるには、2つの側板本体1311b,1311b及び底板本体1311c,1311cを順次谷折りすると共に、2つの端板本体1311d,1311dを谷折りする。そして、底板本体1311c,1311cのフラップf2,f2を谷折りして、同じく谷折りした端板本体1311d,1311dのフラップf3,f3のノッチn1,n1に差し込むことにより、図1等に示す筐体状の底パット311が得られる。底パット311は、底板本体1311c,1311c側を底パット貼着エリアA3に貼着する。
【0030】
図7に示すように、底板ブランク104は、矩形状の板体本体141の2つの長辺に当接部本体142,142が谷折り罫線を介して連接されており、この連接部に挿入口43が形成されている。
【0031】
図8に示すように、ステーブランク105は、帯状体105aの長手方向両側にそれぞれ開口105b,105bが形成されており、この開口105b,105bと端縁との間が係合突部本体511,511とされている。ステーブランク105は、中央を長手方向に延びる半切り罫線で谷折りして2重にすることでステー5を形成することができ、係合突部本体511,511が係合突部51,51を構成する。
【0032】
図9に示すように、胴枠ブランク106は、ジョイント用開口62を有する矩形状の板体61からなり、長手方向の両側をコ字状に谷折りして胴枠6を形成することができる。
図10に示すように、天ケースブランク107は、谷折り罫線によって囲まれた矩形状の天板本体171と、この天板本体171の各辺から外方に連なる4つの側板本体172とを備えている。天ケース7を組み立てるには、各側板本体172を谷折り罫線で谷折りして起立させ、対向する一対の側板本体172,172の両端に形成された4つのフラップf4を谷折りして、それぞれをもう一対の側板本体172,172の外面側に貼着する。こうして、図1等に示す天ケース7を形成することができる。
【0033】
これら各ブランクの搬送においては、底ケースブランク102及び天ケースブランク107のみを予め組み立てて底ケース2及び天ケース7を形成することで、図11に示すように、底ケース2及び天ケース7により搬送箱を構成することができ、この搬送箱内に、サイドアドブランク103、底板ブランク104、ステーブランク105、胴枠ブランク106などを適宜折り畳んで収納することで、搬送容易な組立てキット100とすることができる。図1に示すパネル梱包体1を製造する際には、パネル12の製造現場に組立てキット100の状態で搬送し、現場で組み立てることができるので、パネル梱包体1の形成を迅速容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 パネル梱包体
2 底ケース
3 サイドアド
31 下板
32 側板
34 下縁保持部
35 側縁保持部
4 底板
5 ステー
6 胴枠
7 天ケース
10 箱中間体
12 パネル
100 組立てキット
103 サイドアドブランク
105 ステーブランク
131 下板本体
132 側板本体
134 下縁保持部本体
135 側縁保持部本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視矩形状のパネルを立設状態で梱包するパネル梱包体であって、
起立した複数のパネルが並列配置されてなるパネル集合体を保持できるように、パネル並列方向と直交する方向の両側に対向配置された一対のサイドアドと、
一対の前記サイドアドが収容されて前記パネル集合体の下部を支持する底ケースとを備え、
一対の前記サイドアド間が棒状のステーにより連結されており、
前記サイドアドは、互いに略直交する下板及び側板にそれぞれ下縁保持部及び側縁保持部を備え、前記下縁保持部及び側縁保持部により前記パネルの下縁及び側縁を個別に保持するように構成されているパネル梱包体。
【請求項2】
一対の前記サイドアドは、前記パネルよりも低い高さとなるように形成されており、
前記サイドアドよりも高さが高い胴枠により、前記パネル集合体の側部全体が覆われている請求項1に記載のパネル梱包体。
【請求項3】
一対の前記サイドアド間に底板が介在されている請求項1または2に記載のパネル梱包体。
【請求項4】
一対の前記サイドアド間に、作業者が内部で作業可能な大きさの空間が形成される請求項1から3のいずれかに記載のパネル梱包体。
【請求項5】
平面視矩形状のパネルを立設状態で梱包するパネル梱包体を組み立てるための組立てキットであって、底ケース内に収納されていることを特徴とする組立てキット。
【請求項1】
平面視矩形状のパネルを立設状態で梱包するパネル梱包体であって、
起立した複数のパネルが並列配置されてなるパネル集合体を保持できるように、パネル並列方向と直交する方向の両側に対向配置された一対のサイドアドと、
一対の前記サイドアドが収容されて前記パネル集合体の下部を支持する底ケースとを備え、
一対の前記サイドアド間が棒状のステーにより連結されており、
前記サイドアドは、互いに略直交する下板及び側板にそれぞれ下縁保持部及び側縁保持部を備え、前記下縁保持部及び側縁保持部により前記パネルの下縁及び側縁を個別に保持するように構成されているパネル梱包体。
【請求項2】
一対の前記サイドアドは、前記パネルよりも低い高さとなるように形成されており、
前記サイドアドよりも高さが高い胴枠により、前記パネル集合体の側部全体が覆われている請求項1に記載のパネル梱包体。
【請求項3】
一対の前記サイドアド間に底板が介在されている請求項1または2に記載のパネル梱包体。
【請求項4】
一対の前記サイドアド間に、作業者が内部で作業可能な大きさの空間が形成される請求項1から3のいずれかに記載のパネル梱包体。
【請求項5】
平面視矩形状のパネルを立設状態で梱包するパネル梱包体を組み立てるための組立てキットであって、底ケース内に収納されていることを特徴とする組立てキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−208666(P2010−208666A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57402(P2009−57402)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)
【Fターム(参考)】
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