説明

パネル間連結装置

【課題】隣設される両パネル間に表面上の段差が生じないように両パネルを簡易かつ迅速に連結できるようにしたパネル間連結装置を提供する。
【解決手段】上下を固定して壁面2に取り付けられる複数のパネル1、1の隣設パネル間を連結するパネル間連結装置10であって、相互に隣設される両パネル1、1の各々の側端部1a、1aの裏面に上下方向に沿って取り付けた際に、開口部23e、23eが相向き合う凹溝部23、23を有した一対のパネル補強材20、20と、一対のパネル補強材20、20の両凹溝部23、23に嵌合固定する一対の嵌合片32、32を有した固定部材30、30とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣設されるパネル同士を連結するパネル間連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、パネルの取付構造として、既存壁の縦横に配設した柱や横胴縁にパネルを固定する取付構造に代えて、パネルの上下を壁面の上下(上部横胴縁と下部横胴縁)に固定する取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この取付構造はパネルの上下のみを固定する構造であるため、簡易かつ迅速なパネル施工を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−49933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この取付構造はパネルの上下方向の中間部が壁面に固定されないものであるため、パネルの撓みや反りの発生によって、パネルの中間部が前方に突出するなどのおそれがある。特に、隣設される両パネル間で撓みや反りの程度が異なれば、パネル表面においてパネル間で段差が生じることがあり、著しく美観を損ねるおそれがある。
【0006】
図11は、このような従来のパネル取付構造における両パネル101、101間の段差状態を示す横断面図である。この図において、102はパネル101の側端部101aの裏面に取り付けた中空の金属筒体で製されたパネル補強材である。このパネル補強材102は、パネル101の撓みや反りを防止するためにパネル101の略全高に対して取り付けられているが、それ自体は壁面103に固定されていないため、両パネル101、101間の位置ずれDの発生を阻止することはできなかった。
【0007】
なお、図11におけるSは、目地部材(不図示)や、その目地部材を保持する目地保持具(不図示)を取り付けるための間隙である。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、隣設される両パネル間に表面上の段差が生じないように両パネルを簡易かつ迅速に連結できるようにしたパネル間連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るパネル間連結装置は、上下を固定して壁面に取り付けられる複数のパネルの隣設パネル間を連結するパネル間連結装置であって、相互に隣設される両パネルの各々の側端部の裏面に上下方向に沿って取り付けた際に、開口が相向き合う凹溝部を有した一対のパネル補強材と、一対のパネル補強材の両凹溝部に嵌合固定される一対の嵌合片を有した固定部材とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明において、固定部材は、一対のパネル補強材の間隙に、軸心をパネルの厚み方向に向けた状態で配される柱状の本体部を有した形状とされ、一対の嵌合片は、弾性を有し、本体部の両側端より突出しており、凹溝部に弾性嵌合できる形状とされる構成としてもよい。
【0011】
また本発明において、固定部材は、両パネルのパネル間隙に配され、目地部材を着脱自在に取り付けられる目地保持部をさらに備えた構成としてもよい。
【0012】
さらに本発明において、一対の嵌合片は、本体部の軸心を中心として略180度の角度で相離反するように突出した構成としてもよい。
【0013】
またさらに、本発明において、固定部材には、嵌合片の凹溝部への装着後、パネル補強材との接触により一方の回転動作が規制される当止め部が形成された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るパネル間連結装置によれば、上述のような構成としたことで、隣設される両パネル間に表面上の段差が生じないように隣設パネル間を簡易かつ迅速に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るパネル間連結装置の取付状態を示す概略横断面図である。
【図2】パネルの取付要領を示す斜視図および部分拡大斜視図である。
【図3】固定部材の斜視図である。
【図4】固定部材のパネル補強材への結合状態を示した要部斜視図である。
【図5】(a)は固定部材の取付状態における平面図、(b)は同正面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図6】(a)はパネル間連結装置の分解状態を示した概略横断面図、(b)は同装置の結合状態を示した概略横断面図である。
【図7】固定部材の取付手順を説明するための模式図であり、(a)(c)は固定部材の正面図、(b)(d)は固定部材の図6(a)におけるA−A線に対応した断面図である。
【図8】固定部材の取付動作の遷移を模式的に示した図であり、(a)はパネル間連結装置の正面図、(b)はパネル間連結装置の要部拡大横断面図である。
【図9】本実施形態に採用される固定部材の他例を示す斜視図である。
【図10】(a)は図9に示した固定部材の取付状態における平面図、(b)は同正面図である。
【図11】従来のパネル取付構造を示す概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1〜図8は、本発明の一実施形態に係るパネル間連結装置の説明図である。
【0018】
このパネル間連結装置10は、上下を固定して壁面に取り付けられる複数のパネル1、1の隣設パネル1、1間を連結するための装置である。
【0019】
パネル1を上下で固定する構造としては、たとえば図2に示すように、パネル1の上部と下部とが、壁面2に固定した上部横胴縁3と下部横胴縁4に取り付けられて固定される構造が挙げられる。なお、上部においてはパネル1の表面側にさらに上部カバー5が取り付けられる。
【0020】
パネル間連結装置10は、図1、図2に示すように、隣設される両パネル1、1の相互に隣接する側端部1a、1aの裏面に取り付けた一対のパネル補強材20、20と、パネル1、1の固定後にパネル補強材20、20間に取り付けられる固定部材30とより構成されている。固定部材30は、上下方向の複数個所に取り付けられることが望ましい。
【0021】
パネル補強材20は、パネル1の撓みや反りによる変形を防止するための補強材であり、パネル1の両側端部1a、1aの裏面に上下方向に沿って、パネル1の略全高に対して取り付けられる。なお、これらのパネル補強材20は、工場出荷前に予め、パネル1の裏面の固定部材30の寸法に応じた位置に取り付けておけば、現場での施工時間を短縮できる。
【0022】
このパネル補強材20は、ステンレス等の金属、硬質の合成樹脂などよりなり、中空の本体片部21と、板状の取付片部22と、それらの間に形成された凹溝部23とを有した構成となっている。パネル補強材20、20は、一対の凹溝部23、23の開口23e、23eが相向き合うようにパネル1、1に取り付けられる。
【0023】
パネル補強材20は、図1に示したように、パネル施工後には、壁面2とパネル1との間のスペーサーとしても作用するが、壁面2に対して本体片部21は固定されず、取付片部22の外片22bがビス等でパネル1に固定される構成となっている。なお図例では、パネル補強材20のパネル1への固着は、取付片部22の外片22bをビス止めするようにしてあるが、さらに内片22aをパネル1に接着するようにしてもよい。
【0024】
また、凹溝部23は、底部23aから中間部までの両溝壁面23b、23cが略平行に形成された奥溝部24の幅寸法が、開口部23eにおける幅寸法よりも小とされ、本体片部21側の溝壁面23bが底部23aに向けて傾斜した広口形状となっている。なお、凹溝部23については、これに固定される固定部材30との関係を、固定部材30の構造とともに図6において後述する。
【0025】
一方、固定部材30は、図3に示すように十字形状とされ、図4〜図6に示すように、平面視で十字形状が表われるようにパネル補強材20に対して取り付けられる。以下では、取付状態を基準として説明する。
【0026】
固定部材30は、合成樹脂、金属等で形成されており、一対のパネル補強材20、20に挟まれる円柱状の本体部31を有している。固定部材30はさらに、その本体部31の軸心Cを中心として略180度の角度で相離反するように突出した一対の嵌合片32、32と、本体部31の前方部に設けられた目地保持部33とを有した構造となっている(以上、図5(a)(b)参照)。
【0027】
本体部31は円柱形状とされ、パネル補強材20、20に対して装着した際には、本体片部21、21間に隙間なく配される径寸法となっている。その本体部31の周面の一部に略90度をなす角部31aが形成されている。このような角部31a、31aは、図5(c)の本体部31の断面図に示すように、相対向する2箇所に形成されている。一対のパネル補強材20、20間に取り付けた状態では、角部31a、31aを形成する各一方の平面部31aa、31aaがパネル補強材20の本体片部21、21の対向面21a、21a(図7参照)に接するようになっている。なお、この状態では、角部31a、31aを形成する各他方の平面部31ab、31abは上下位置に配されている。
【0028】
本体部31の前方部に形成された目地保持部33は、円柱形状の保持部本体33aと、目地部材40を係止させるための係止部33bとを備えている。係止部33bは、係止本体33baと、その係止本体33baより、固定部材30を取り付けた状態でパネル1の側端面を向くように突出した一対の係止凸部33bd、33bdとを有している。そして、この係止凸部33bdに目地部材40が係止されるようになっている。また、目地部材40の装着時の奥行方向の位置決めは、目地部材40の係止片42が係止本体33baへ当接することによってなされる。
【0029】
この目地部材40は、前面に凹凸模様を施した本体片41と、その両側端よりパネル1の側端面に向けて斜め後方に突出した1組の翼片43、43と、本体片41の後面の両側端より後方に向けて延出形成された1組の係止片42、42とを備えている(図1の拡大図参照)。
【0030】
係止片42は、目地部材40を固定部材30に固定するための部位であり、その後端には、固定部材30の係止部33bに係止固定するための係止爪42aが形成されている。
【0031】
また、翼片43は、目地部材40をパネル1、1間に装着することで弾性変形する弾性片で構成されており、これによりパネル1、1間の寸法誤差によらず、パネル1、1間を隙間なく隠す構成となっている。
【0032】
また、固定部材30の目地保持部33の係止本体33baには、前方に開口した溝孔33bcが形成され、肉抜きにより変形しやすい構造となっている。これによって目地部材40を装着しやすくすることができる。
【0033】
また、嵌合片32は、板面が前後方向を向く板状体で形成され、本体部31の前端部より側方に延び、後方に少し屈曲した形状となっており、全体として板バネのごとく弾性を有している。
【0034】
ついで、この固定部材30の一対の嵌合片32、32と、上述した一対のパネル補強材20、20の凹溝部23、23との嵌合固定構造について、図6を参照しながら詳述する。
【0035】
固定部材30の嵌合片32は、その全体(全長)が凹溝部23に入り込むようになっており、基端部32aの前面から、先端部32bの後面までのパネル厚み方向の奥行寸法Lが、凹溝部23の奥溝部24の幅寸法L1よりやや大とし、開口部23eの開口幅寸法L2よりもやや小とした形状となっている。
【0036】
嵌合片32は、その先端部32bを凹溝部23の誘導傾斜面23dに当て嵌合片32を弾性変形させながら挿入していくことで装着することができる。特に、後述するように、固定部材30を回転操作によりパネル補強材20、20に装着することが迅速、簡易に装着するうえで望ましい。
【0037】
固定部材30をパネル補強材20、20に装着した状態では、嵌合片32の先端部32bが奥溝部24の本体片部側の溝壁面23bに弾発力を付加した状態に圧接している一方、嵌合片32の基端部32aは凹溝部23の取付片部側の溝壁面23cに圧接している。なお、図6(b)における2点鎖線で示した嵌合片32、32は、弾発力が作用していない弾性復帰状態を示した図である。
【0038】
また、嵌合片32の凹溝部23に対する嵌合構造は弾性嵌合に限られず、他の固定構造を採用してもよい。また、弾性嵌合構造については、図例のように嵌合片32は板バネ状に形成されていなくてもよく、ゴム等の弾性体を表面に設けて凹溝部23に圧入する嵌合構造としてもよい。
【0039】
このようにパネル間連結装置10は、固定部材30が、その両側方に突出した嵌合片32、32が一対のパネル補強材20、20の凹溝部23、23に弾性嵌合して固定される構造となっているため、隣設される両パネル1、1をしっかりと連結することができる。
【0040】
このように、両パネル1、1は固定部材30とパネル補強材20、20とによって相互に連結されるため、両パネル1、1の側端部における相対位置がずれることはない。特に、パネル1の撓みや反りによっても、横断面におけるパネル1の表面位置が両者間でずれて段差が発生するおそれはなく、長期間にわたって美観を維持することができる。
【0041】
もちろん、パネル1の両側端部にはパネル補強材20、20が取り付けられているため、反りの発生を抑えることができ、固定部材30による連結作用があいまって、パネル1に突出による変形が発生しないよう維持することができる。
【0042】
ついで、固定部材30の望ましい装着方法例について、図7、図8を参照しながら説明する。
【0043】
本実施形態に示した固定部材30は、一対の嵌合片32、32が本体部31の軸心Cを中心として略180度の角度で相離反するように突出しているため、以下に説明するように、固定部材30を回転操作によって装着することができる。
【0044】
まず、固定部材30を、一対の嵌合片32、32を上下方向に向けた状態(図7(a)参照)で、その本体部31の先端をパネル1、1間の間隙に、一対の嵌合片32、32が凹溝部23、23に装着することが可能な奥行位置まで挿入する。たとえば、本体部31の先端面が壁面2に当接するまで挿入することで位置決めがなされるようにしてもよい。
【0045】
この状態では、固定部材30の本体部31は、一方の角部31aの一方の平面部31abが左側のパネル補強材20の本体片部21の対向面21aに面接触し、他方の角部31aの一方の平面部31abが右側のパネル補強材20の本体片部21の対向面21aに面接触した状態にある(図7(b)参照)。
【0046】
この状態で固定部材30を時計回りに回転させると、嵌合片32、32はそれぞれの先端部32b、32bが誘導傾斜面23d、23dを擦り下がり(上がり)ながら、徐々に奥方へと向かいながら弾性変形していく。そして、先端部32b、32bが凹溝部23、23の奥溝部24、24へと装着される(図8(a)(b)参照)。
【0047】
また、そのような回転動作と同時に、本体部31の2つの角部31a、31aはともにパネル補強材20、20の対向面21a、21aから離れる。そして、もともと両角部31a、31aの上下位置に位置していた平面部31aa、31aaが反対側のパネル補強材20、20の対向面21a、21aに面接触した状態となる。こうして、一対の嵌合片32、32は略水平な状態となって、対応した凹溝部23、23に嵌まり込む。
【0048】
この装着状態で固定部材30をさらに時計回りに回転操作しようとしても、角部31a、31aがじゃまになるため、それ以上の回転はできない。つまり、角部31aを形成した一方の平面部31aaが、嵌合片32を適切な位置に装着するための当止め部(ストッパ)として作用する。また、他方の平面部31abは、固定部材30の取り外しの際の取り外し位置の位置決めを行うための当止め部として作用する。
【0049】
また、固定部材30を取り外す場合は、固定部材30を反時計回りに、図7(a)の位置まで回転させればよい。
【0050】
このように、固定部材30の嵌合片32、32は本体部31の軸心Cを中心として略180度の角度で相離反するように形成されているので、固定部材30は簡単な回転操作で一対のパネル補強材20、20間に装着することができる。また嵌合片32は弾性を有し、凹溝部23に弾性嵌合できる形状となっているため、しっかりとパネル補強材20、20に装着固定できる。
【0051】
特に、固定部材30は当止め部(角部21a、平面部21aa、21ab)を備えて、それ以上の同方向への回転操作が禁止される構成となっているので、嵌合片32を適切な位置に位置決めすることができる。
【0052】
上記のパネル間連結装置10に採用される固定部材30としては、上記の形状、構造のものには限られず、たとえば図9、図10に示したような形状のものであってもよい。
【0053】
この固定部材30は、図9に示すように十字形状とされ、図10に示すように、平面視で十字形状が表われるようにパネル補強材20、20に取り付けられる。なお、図9、図10の例は固定部材30の他例を示したものであり、他の部材であるパネル、パネル補強材については、図1〜図8と略同形状であり、詳細についてはそれらの図面を参照されたい。
【0054】
固定部材30は、合成樹脂等で形成されており、一対のパネル補強材20、20間に挿入される板状の本体部31を有している。固定部材30はさらに、その本体部31の板面に直交する方向に相離反するように突出した一対の嵌合片32、32と、本体部31の前方部に設けられた目地保持部33とを有した構造となっている。
【0055】
目地保持部33は、板状の保持部本体33aと、目地部材40(図1参照)を係止させるための係止部33bと備えている。係止部33bは、係止本体33baと、その係止本体33baより、固定部材30を取り付けた状態でパネル1の側端面を向くように突出した一対の係止凸部33bdとを有している。この係止凸部33bdに目地部材40が係止されるようになっている。また、目地部材40の装着時の位置決めは、目地部材40の係止片42が係止本体33baより両側に突出したストッパ片33beへ当接することによってなされる。
【0056】
この固定部材30の一対の嵌合片32、32は、略矩形状をなしており(図10(b)参照)、それぞれの嵌合片32、32の長さ寸法は凹溝部23、23の深さ寸法にほぼ合致している。つまり、固定部材30をパネル1、1間に装着した際には、嵌合片32の先端部32bは凹溝部23の底部23aに接触あるいは近接した状態となる(図10(a)参照)。
【0057】
嵌合片32の前面側には、両辺縁間の中央部から辺縁に向けて傾斜突出するように延びた板片状の弾性部35が凹部36の底面よりもやや浮いた状態に形成されている。この弾性部35は、固定部材30をパネル1、1間に装着する際、回転操作後に固定部材30自身を固定保持させるためのものであり、突出部35aを表面側より押圧すると付勢され、押圧を解除すると弾性力によって復帰する構成となっている。この弾性部35が取付片部側の溝壁面23cに弾接するように、固定部材30は装着される。
【0058】
また、嵌合片32の先端部32bの一方の角部32cはアール状に形成され、他方の角部32dは略90度の角度をなしている。この嵌合片32の先端部32bは固定部材30の装着操作の際に、一方向の回転操作のみを許容するための構成である。この構成によっても、図7に示すような時計回りの回転操作のみが許容される。つまり、この角部32dが当止め部を構成する。また、いったん適切な位置へ取り付けた後には、反時計回りの回転操作によって取り外しできる。
【0059】
この固定部材30は、本体部31に形成された円盤状の基部37の対角線上に形成した角部37a、37aよりなる他の当止め部を備えている。この当止め部は、パネル補強材20の本体片部21の形状を図10(a)に示すような段差形状とすれば、ストッパとして作用する。また、他の角部37b、37bはアール状にしてパネル補強材20、20間を回転できるようにしてある。
【0060】
なお、この固定部材30の装着方法については、図1の固定部材30と同様に図7、図8に示した回転操作による方法が採られるため、その説明は省略する。
【0061】
また、固定部材30は以上のものには限られず、回転操作によらずにパネル補強材20、20間に装着できるようにしたものであってもよい。たとえば、前面からパネル1、1間への押し込みにより装着できるようにしたものでもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、パネル補強材20については1例のみを示したが、少なくとも固定部材30の一対の嵌合片32、32が嵌合できる凹溝部23が形成されていれば、どのような形状であってもよい。たとえば、横断面コ字形のものを隣設パネル1、1間でその開口を向かい合わせるように配設してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 パネル
1a 側端部
2 壁面
10 パネル間連結装置
20 パネル補強材
23 凹溝部
23e 開口部
30 固定部材
31a 角部
31aa 平面部(当止め部)
31ab 平面部(当止め部)
32 嵌合片
33 目地保持部
40 目地部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下を固定して壁面に取り付けられる複数のパネルの隣設パネル間を連結するパネル間連結装置であって、
相互に隣設される両パネルの各々の側端部の裏面に上下方向に沿って取り付けた際に、開口が相向き合う凹溝部を有した一対のパネル補強材と、
前記一対のパネル補強材の両凹溝部に嵌合固定される一対の嵌合片を有した固定部材とを備えたことを特徴とするパネル間連結装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記固定部材は、前記一対のパネル補強材の間隙に、軸心を前記パネルの厚み方向に向けた状態で配される柱状の本体部を有した形状とされ、
前記一対の嵌合片は、弾性を有し、前記本体部の両側端より突出しており、前記凹溝部に弾性嵌合できる形状とされることを特徴とするパネル間連結装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記固定部材は、前記両パネルのパネル間隙に配され、目地部材を着脱自在に取り付けられる目地保持部をさらに備えていることを特徴とするパネル間連結装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記一対の嵌合片は、前記本体部の軸心を中心として略180度の角度で相離反するように突出していることを特徴とするパネル間連結装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記固定部材には、前記嵌合片の前記凹溝部への装着後、前記パネル補強材との接触により一方の回転動作が規制される当止め部が形成されていることを特徴とするパネル間連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−108285(P2013−108285A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254301(P2011−254301)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】