説明

パラシュート射出装置および無人飛行機

【課題】 無人飛行機の飛行中に、どんな姿勢でパラシュートを射出しても確実にパラシュートを開傘するとともに、開傘後に機体の姿勢を安定に保ったまま確実に着地させるパラシュート射出装置を得る。
【解決手段】 パラシュート9を収納する収納部3と、収納部3を覆う蓋5と、パラシュート9の収納時に蓋5を係止する留め金4と、蓋5の係止解除に応じて収納部3を展開動作させ、これよってパラシュート9を射出するバネ2と、バネ2に連結され、パラシュート9の射出後にバネ2とともにパラシュート9を支持する紐8とを備えることにより、主翼上方のより高い位置でパラシュートを支持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無人飛行機を着地させる、もしくは回収するためにパラシュートを射出するパラシュート射出装置、および当該パラシュート射出装置を備えた無人飛行機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
模型飛行機を飛行させる際、電波障害による操縦不能時や、操縦ミスによる制御不能時などの緊急時に、機体を墜落させることなく、かつ衝突などによって周囲に害を及ぼすことのないように、パラシュート等の安全装置を用いて、模型飛行機を確実に回収する手段が利用されている。
【0003】
従来のパラシュート射出装置は、機体内部に内蔵したスプリングなどを用いて射出させる方式が一般的である。その開傘方式の一例として、電波妨害を受けて制御不能になった際に、安全保護スイッチを押すことで、航空機の操縦席部分に設けた格納領域に格納したパラシュートを、内蔵したスプリングによっておもりと共に射出させ、安全に着陸できるようにしたパラシュートの射出装置が知られている(例えば特許文献1参照) 。
【0004】
【特許文献1】特開2002−200369号公報(第6頁、第5図)
【0005】
また、飛行者に装着するものとして、パラシュート収容ケース中にガスを噴入し、ガスの膨張によってパラシュートを外部に押し出すパラシュート射出装置が知られている(例えば特許文献2) 。
【0006】
【特許文献2】特開平10−203491号公報(第6頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のパラシュート射出装置は、飛行機の機体上面に設置されている場合、射出されたパラシュートが風圧を受けて機体後方に流され、垂直尾翼等の後方構造物と干渉して、パラシュートが完全に開傘できなくなるという問題があった。
【0008】
また、パラシュートが開傘できたとしても、その支持部が機体重心の直近にあるために、わずかな外乱に対しても機体は大きく振動しながら落下する傾向があり、機体を損傷するのみならず、人や器物に衝突する際の衝突力が大きくなるという問題があった。この際、パラシュートの装着位置を機体重心から離すように、パラシュートを機体後方に設置した場合であっても、開傘時に機首が下向きとなって降下するので、振れが大きくなってやはり衝突力が大きくなる。
【0009】
この発明は、係る課題を解決するために成されたものであり、どんな姿勢でパラシュートを射出しても確実にパラシュートを開傘するとともに、開傘後に機体の姿勢を安定に保ったまま確実に着地させるパラシュート射出装置を得る事を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によるパラシュート射出装置は、蓋と、パラシュートを収納する収納部と、上記パラシュートの収納時に上記蓋を係止する係止部と、上記蓋の係止解除に応じて上記収納部を展開し、当該展開によって上記パラシュートを射出する展開部と、上記展開部に連結され、上記パラシュートの射出後に上記展開部とともに上記パラシュートを支持する繊維部材とを備えたものである。
【0011】
また、パラシュートと、一端部に係合部を有するとともに他端部に保持部を有した蓋と、飛行機の機体に設けられた軸に対し回転可能に支持された支持部と、上記パラシュートを収納する収納部を有するとともに、当該収納部が上記蓋に付勢された状態で上記支持部と収納部との間で上記機体に支持されて当該蓋に対し展開力を与える弾性部材を有した展開部と、上記蓋の係合部を上記機体に係合させた状態で上記蓋の保持部の係止によって上記蓋を保持するとともに、当該保持部の係止解除によって上記蓋の保持を解放する係止部と、一端が上記機体に固定され、他端が上記パラシュートに連結され、一端と他端の間で上記展開部に結合した繊維部材とを備え、上記パラシュートは、上記係止部の係止時に上記蓋に覆われて上記収納部に収納され、上記係止部の係止解除時に上記弾性部材の展開力によって射出され、上記繊維部材は上記パラシュートの射出後に上記展開部を支持するものであっても良い。
【0012】
また、上記パラシュート射出装置を備えた無人飛行機を提供するものであっても良い。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、パラシュートの支持部を重心上の十分高い位置に配置でき、パラシュートはこの支持部を基点に開傘するので、パラシュートが風圧により後方に流された時であっても垂直尾翼等の機体構造物に引っかかる可能性は低く、より確実にパラシュートを開傘することが可能となる。
【0014】
また、パラシュートの着力点を重心上の十分高い位置に配置できるため、落下姿勢をより安定化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、図を用いてこの発明に係る実施の形態1について説明する。図に記載する飛行機(以下、単に「機体」という。)には、各種の機器が搭載されているが、ここではこの発明の要旨とする部分のみを説明する。
【0016】
図1はこの発明の実施の形態1における機体1と、パラシュート射出装置の構成を示すものである。
図1において、機体1は、主翼100と、垂直尾翼11と、水平尾翼12と、車輪13と、推進動力部16を備えて構成される。車輪13は機体1の下に設けられ、着地の際に機体1の主翼100や胴体下部が地面と接触することを避けることができる。推進動力部16は機体1に推力を与えるものであって、図1ではプロペラを例示している。なお、機体1には、前部にプロペラを回転駆動させるモータやモータに電力を与える電源などが収納されていることは言うまでもない。
【0017】
パラシュート射出装置は、バネ2と、収納部3と、留め金4と、蓋5と、前方支点6と、後方支点7と、紐8と、パラシュート9を備えて構成される。蓋5は凹面を成しており、パラシュート9は蓋5に覆われてその凹面の内側に収容される。
【0018】
図2はこの発明の実施の形態1におけるパラシュート射出装置の詳細構成を示す。図1および図2(a)において、後方支点7は機体の重心後方に配置されており、機体1の側面から突出して回転軸を構成している。後方支点7は主翼100の後方で両翼に近接してそれぞれ設けられ、2箇所設置されている。
バネ2はU字状に折り返すように成形され、バネ2の端末部は螺旋状に曲げられてねじりバネを構成している。バネ2の端末部の末端は直線部31を有している。バネ2のねじりバネは螺旋部が各後方支点7に挿入されて、後方支点7に対し回転可能に軸支されている。バネ2のねじりバネは支持部を構成し、バネ2はこの支持部によって後方支点7にそれぞれ拘束される。バネ2は後方支点7に拘束された状態で機体上面の外部形状(具体的には主翼100の上面)に沿わせて曲げて設置される。
バネ2のU字形状を成す先端部には、収納部3が設けられている。収納部3はL字状の柄杓形状に折り曲げられ、折り畳んだパラシュート9は収納部3の柄杓形状部内に収められる。この状態で、パラシュート9に蓋5が覆い被さる。
【0019】
蓋5の上端は係合溝35が設けられる。バネ2はパラシュート9を収納した状態で蓋5に付勢され、バネ2は前方支点6に当接する。これによって、バネ2の収納部3に前方支点6からの反力がかかった状態で、蓋5は機体重心前方に設けられている前方支点6に係合している。前方支点6は主翼100の前縁に近接もしくは接触して、両翼2箇所に配置される。蓋5の下端は外縁から突出した保持部33を構成している。蓋5の保持部33は留め金4に挟まれて固定される。留め金4はラジコン模型用のサーボ10に接続しており、サーボ10の動作によって留め金4が外れると、前方支点6を支点に蓋5が開く。これと同時に、バネ2の反力によって収納部3が上方へ跳ね上がり、収納部3の跳ね上がりによってパラシュート9が上方に押し上げられる構造となっている。留め金4は蓋5を機体1に保持するための係止部を構成する。
【0020】
また、バネ2の直線部31の端末は固定部32に当接し、バネ2の回転を拘束する。これによって、蓋5が前方支点6と留め金4によって固定された状態で、バネ2のねじりバネに弾性エネルギーが蓄積される。蓋5が開くと同時にねじりバネの弾性エネルギーが解放されてバネ2にトルクを生じ、後方支点7を支点にバネ2が展開する。すなわち、バネ2は弾性部材として機能するとともに、後方支点7を回転中心として展開動作する展開部として機能する。
【0021】
更に、紐8は機体前方とバネ2の先端部とを結び、バネ2が機体から跳ね上がったときに、バネ2の先端部がほぼ重心直上の垂直尾翼11より高い位置で固定される長さに調整してある。紐8は樹脂繊維や糸などの繊維部材で構成される。
【0022】
なお、図1ではバネ2として2本のピアノ線(例えば線径φ1〜φ2)を用いた例を示したが、1枚の薄板材を用いても良い。また、バネ2の材質はピアノ線のような金属線材に限ったものではなく、曲げ弾性を有したものであれば、他の線材であってもかまわない。蓋5の保持解放によって線材の曲げ応力が解放され伸展することによって、展開動作するものであれば良い。例えば、カーボンファイバー、あるいは竹ひご等の材質で構成されても良い。更に、それ自体が曲がらない硬い材質であっても後方支点7の周りにねじりバネのような回転力を発生するような機能を持つ弾性部材を用いても同様の動作を行なわせることができる。要するに蓋5が開くと同時に展開動作し、紐8とともにパラシュート9を支持する支持構造を構成すればよい。この支持構造は、紐8とバネ2との連結部(支持部34)の下方で三角錐形状を成すように構成するのが好ましい。
【0023】
留め金4の解除は、例えばラジコン用送受信機のチャンネルを1つ追加し、そのサーボを用いてラジコン用コントローラーからの指令により、留め金4を回転させ蓋5の保持部の係止保持を解除する方法を用いるのが簡便である。
なお、図1には図示していないが、機体1の内部には、ラジコン用送受信機や、サーボや、通信アンテナや、ラジコン用の各種コントローラーが内蔵されていることは言うまでもなく、その詳細説明については省略する。
【0024】
次に、この実施の形態に係る発明の主旨を説明するため、留め金の解除からパラシュート開傘までの射出機構についての動作を、より詳しく説明する。
上述の図2は更に、この発明の実施の形態1におけるパラシュート射出装置の動作例を示しており、図2(a)は動作前の状態、図2(b)は動作前半の状態、図3(c)は動作後半の状態を示している。
また、図3は留め金の解除からパラシュート開傘までの動作の流れを示すフロー図である。以下、図2および図3に沿ってパラシュート開傘までの動作を説明する。
【0025】
図2(a)に示すように、装置作動前のパラシュート9は収納部3に収められており、蓋5によって覆われている。収納部3の下には、パラシュート9を押し出す方向に反力を持つように、後方支点7を基点に機体に添って曲げられた状態でバネ2が押し込められている。ここで、蓋5下端の保持部33は留め金4によって保持され、上端の係合溝35は前方支点6によって機体に固定されている。このため、バネ2の反力により、飛行中にパラシュート9が飛び出すことはない。
【0026】
なお、この図2の例では、上述したようにバネ2の基点はねじりバネになっており、バネ2の反力をより強める効果を有している。
【0027】
機体1が操作不能もしくは制御不能になったときや、機体1を回収する場合など、機体1の飛行中にパラシュート回収を行なう際には、任意の手段(図2中ではサーボ10の回転)により留め金4を解除する(ステップS1)。留め金4が解除されるとバネ2が開放され、その反力により図2(b)のように収納部3及び蓋5は、前方支点6を軸にしてパラシュートを持ち上げる方向へ回転する(ステップS2)。蓋5と前方支点6の接点は、回転により外れる機構になっており、持ち上げられた蓋5及び収納部3が受ける風圧と、バネ2の反力により、収納部3と蓋5はある程度回転した時点で、前方支点6から開放される(ステップS3)。
【0028】
なお、図2では1例として、サーボを用いた留め金の解除機構を示したが、留め金の種類や形状は必ずしもこれに限ったものでなくても良い。飛行中にパラシュートが開放しないように確実に蓋を抑えることができ、スイッチの切り替えで開放できる機構を有するものであれば、例えば、コントローラー側のスイッチの切り替えにより動作する、単純なスライド式のスイッチ等であってもよい。この他、プッシュプル・ソレノイドを設置しても良い。例えば、てこの原理により通常はプッシュプル・ソレノイドで留め金4を押し上げて蓋5の保持部を押え、解除時は留め金4による蓋5の押さえを外すことによって、蓋5の係止保持を解放しても良い。このような係止の方法は各種あり、任意の方法で蓋5の係止保持と、係止解除を行うことができれば良い。
【0029】
蓋5が前方支点6から開放されると、バネ2の反力と風圧を受けて、図2(c)のように収納部3はパラシュート9を開放しながら、後方支点7を軸とした回転による展開動作に移行する(ステップS4)。この回転は、バネ2の先端と機体を結ぶ紐8が伸び切った時点で停止する。このとき、バネ2は自然長までは戻らないように調整されているため、バネ2の反力も依然存在し、その反力と紐8の張力が釣り合った状態で、パラシュート9の支持部34となるバネ2の先端位置は固定される(ステップS5)。これと同時に、パラシュート9が射出される(ステップS6)。このようにして、パラシュート9が開傘される(ステップS7)。図4はパラシュートが完全に開傘した状態を示す図である。
【0030】
ここで、紐8の長さは事前に自由な長さに調整できるため、パラシュートの支持部34を機体重心直上に調整することも容易である。紐8は例えば重量2kg程度の機体であれば、1本で50kg程度の荷重を支持するものを用いると良い。また、パラシュートの支持部34とパラシュート9との間に縒り戻し21を設けることによって、パラシュート9と支持部34の間を連結する紐に縒りが生じないようにしても良い。
【0031】
蓋5は糸等でパラシュート9の先端と結ばれており、風圧を受けて機体後方に飛ばされながら、折り畳まれたパラシュート9の先端を引っ張ることで、パラシュートを開傘しやすくする働きを持つ。
【0032】
バネ2と紐8から構成されるパラシュートの支持部34は、図4のように重心17上方の垂直尾翼より高い位置に固定される。図の例では、機体1の重心17と垂直尾翼11との高さH1よりも、重心17と支持部34の高さH2の方が高くなっている。このようにして、風圧とバネ2の反力で射出されたパラシュート9はこの支持部を基点に開傘するため、パラシュートが風圧により後方に流された時に垂直尾翼等の後方構造物に引っかかる恐れは極めて小さくなり、より確実にパラシュートを開傘することが可能となる。これにより、パラシュートによる、より確実な回収が実現でき、機体1を損傷なく着地させることができる。
【0033】
また、パラシュートを機首や尾部に取り付けて回収する場合は、地面への落着時に機首や尾部から地面に接触し、機体を損傷するのみならず、人や器物に衝突して相手に傷害を与える可能性が高いが、この実施形態では、紐8の調整により、パラシュートの着力点が重心直上の垂直尾翼高さよりも十分高い位置にあるため、落下姿勢が安定しやすく、機体は水平を保ったまま降下・接地するため、機体を損傷もしくは人や器物を損傷する可能性を低減できる。
【0034】
このようにして、機体1の重心と支持部34との距離を離すことによって、パラシュート9にぶら下がった状態で、支持部34を着力点として機体1が横方向に振幅する際に、機体1の姿勢が傾くのを抑える作用が働く。例えば、外乱により機体重心がパラシュート着力点よりも2cm横に動いたとすると、その場合、機体重心から着力点までの高さLが5cmの場合には、機体の傾き角はarcsin(2/5)=23.6度となる。また、Lが10cmの場合には、arcsin(2/10)=11.5度となり、Lが20cmの場合には、arcsin(2/20)=5.7度となる。機体1の形状によっても異なるが、好適にはLは全長の20%程度にすると良い。
すなわち、風などによって機体が横に力を受けたときに、パラシュート9の着力点と重心からの長さが2倍になれば、機体の傾きは半分に抑えることができるので、着力点と重心の距離を離すことによって、機体1の落下姿勢がより安定する。
なお、機体は20度も傾くと、車輪13よりも機体1の前後端や主翼端が先に地面についてしまい、破損の原因となる。
【0035】
また、この実施形態では、降下時の姿勢をほぼ水平に保てるため、主翼の抵抗により、降下速度を、更に低減する効果も期待できる。
【0036】
更に、この実施形態によるパラシュート射出機構では、バネ2を主翼の表面に沿って機体1の外部に設置することができる。また、蓋5も機体1の外部に設置できるので、留め金4を動作させる駆動機構などを除いて、その構成品の大半を機体外部に設置することができる。このため、機体への搭載上の制約が少なく、既存の模型飛行機の機体に後付けで装着することも容易である。
【0037】
実施の形態2.
図5は実施の形態2によるパラシュート射出機構を示す図である。
上記の実施の形態1では、バネ2を機体外部に配置したが、バネ2を機体表面に沿わせる際、バネ2に合わせて機体表面に溝40を設け、バネ2を溝40内に収容して機体外部に突出しないように構成してもよく、このような構成によっても同様の動作を行なわせることができる。図5の例では、主翼100の上面に溝40を設けている。
【0038】
実施の形態2によるパラシュート射出機構では、飛行中の空気抵抗の増加を減らすことが可能となり、飛行機としての通常の飛行への影響がより少ない形で、パラシュート射出装置を搭載することが可能である。
【0039】
実施の形態3.
図6は実施の形態3によるパラシュート射出機構を示す図である。
機体表面に沿わせたバネ2を簡単に破れる膜状の膜状体41で覆うことで、実施の形態2と同様、バネ2を機体外部に突出しないように構成してもよく、このような構成によっても同様の動作を行なわせることができる。膜状体41としてはセロファンのようなものを用いると良い。図6の例では、主翼100の上面でバネ2を被覆するように、膜状体41を貼り付けている。
【0040】
実施の形態3によるパラシュート射出機構では、飛行中の空気抵抗の増加を更に減らすことが可能となり、飛行機としての通常の飛行への影響がより少ない形で、パラシュート射出装置を搭載することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1に係るパラシュート射出装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るパラシュート射出装置の動作を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る動作の流れを示すフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るパラシュート開傘動作後の状態を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るパラシュート射出装置の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るパラシュート射出装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 飛行機、2 バネ、3 収納部、4 留め金、5 蓋、6 前方支点、7 後方支点、8 紐、9 パラシュート、10 サーボ、40 溝、41 膜状体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋と、
パラシュートを収納する収納部と、
上記パラシュートの収納時に上記蓋を係止する係止部と、
上記蓋の係止解除に応じて上記収納部を展開し、当該展開によって上記パラシュートを射出する展開部と、
上記展開部に連結され、上記パラシュートの射出後に上記展開部とともに上記パラシュートを支持する繊維部材と、
を備えたパラシュート射出装置。
【請求項2】
パラシュートと、
一端部に係合部を有するとともに他端部に保持部を有した蓋と、
飛行機の機体に設けられた軸に対し回転可能に支持された支持部と、上記パラシュートを収納する収納部を有するとともに、当該収納部が上記蓋に付勢された状態で上記支持部と収納部との間で上記機体に支持されて当該蓋に対し展開力を与える弾性部材を有した展開部と、
上記蓋の係合部を上記機体に係合させた状態で上記蓋の保持部の係止によって上記蓋を保持するとともに、当該保持部の係止解除によって上記蓋の保持を解放する係止部と、
一端が上記機体に固定され、他端が上記パラシュートに連結され、一端と他端の間で上記展開部に結合した繊維部材と、
を備え、
上記パラシュートは、上記係止部の係止時に上記蓋に覆われて上記収納部に収納され、上記係止部の係止解除時に上記弾性部材の展開力によって射出され、
上記繊維部材は上記パラシュートの射出後に上記展開部を支持することを特徴としたパラシュート射出装置。
【請求項3】
上記繊維部材による上記展開部の支持点は、上記飛行機の機体の重心直上に位置するとともに、上記機体の最上点よりも上方に位置することを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のパラシュート射出装置。
【請求項4】
上記展開部は弾性を有する線材で構成され、当該線材の伸展によって展開することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のパラシュート射出装置。
【請求項5】
上記展開部は、上記展開部に回転力を印加するねじりバネを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のパラシュート射出装置。
【請求項6】
上記蓋と上記パラシュートの頂部は、互いに連結されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のパラシュート射出装置。
【請求項7】
上記弾性部材を機体内に内在させるための溝を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のパラシュート射出装置。
【請求項8】
上記弾性部材はパラシュートの射出前に被覆され、パラシュートの射出時に破れる膜状体を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のパラシュート射出装置。
【請求項9】
上記請求項1から8のいずれかに記載のパラシュート射出装置を備えたことを特徴とする無人飛行機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−306264(P2006−306264A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131523(P2005−131523)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】