説明

パラメータ設定装置

【課題】パラメータの設定確認作業を容易に行うことのできるパラメータ設定装置を得る。
【解決手段】監視カメラ200は通信ケーブル300を介してパラメータ設定装置100と通信接続される。パラメータ情報記憶部2には、監視カメラ200に設定すべきパラメータ情報が格納されている。パラメータ比較部3は、インタフェース部1を介して取得した監視カメラ200に設定されているパラメータ情報と、パラメータ情報記憶部2のパラメータ情報とを比較し、表示部5は、その比較結果を表示する。比較結果が不一致であった場合は、再設定部4によるパラメータ情報の再設定が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばCCTV(Closed-circuit Television)システムといった監視システムのシステム構築をする際、監視カメラのパラメータの設定・確認を簡便に行うパラメータ設定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のCCTVシステムでは、監視カメラの設定を行う際、ネットワークを構築し、操作PCにて設定ツールを起動することで監視カメラのパラメータ設定を行っていた。この設定方法では、システムが大規模、または複雑である場合、現地作業者はパラメータ設定に時間を要してしまう。また現地作業者の設定方法に誤りがあった場合、原因の解明やパラメータ情報の再設定を行わなければならず、現地作業者は手戻りの発生により手間がかかってしまうという問題点があった。
【0003】
一方、このようなパラメータ設定の問題点への改善策として、例えば特許文献1に記載されているような監視カメラのパラメータ設定を簡易的に行う方法があった。この方法は、監視カメラのパラメータ情報の情報量を確保できる単純な画像パターンを用意し、容易にパラメータ設定を可能とする監視カメラ装置を提供しており、パラメータ情報を複数の画像パターンに変換して、所定のシーケンスで複数の画像パターンの各々を時系列に表示し、この表示内容を撮影した画像情報からパラメータ情報を再生して、監視カメラ内部でパラメータ設定を行うものである。
【0004】
また、このような監視カメラ装置において、監視カメラ内部で設定したパラメータ情報を確認する方法として、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のメール送信プロトコルを用いて、予め設定されたIPネットワーク上のメールサーバに対して電子メールを送信している。そのため、パラメータ確認を行うには監視カメラをネットワークに接続する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−114584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のCCTVシステムでは、監視カメラの設定を行う際、ネットワークを構築し、操作PCにて設定ツールを起動することで監視カメラのパラメータ設定を行っていた。この設定方法では、システムが大規模、または複雑である場合、現地作業者はパラメータの設定や確認に時間を要してしまう。また、特許文献1に記載されたような設定方法であっても、監視カメラに設定したパラメータ情報を確認する方法としては、監視カメラをネットワークに接続する必要があった。そのため、現地作業者の設定方法に誤りがあった場合等、原因の解明やパラメータ情報の再設定といった作業に手間がかかるという問題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、パラメータの設定確認作業を容易に行うことのできるパラメータ設定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るパラメータ設定装置は、監視カメラとの通信を行うための通信ケーブルを接続するインタフェース部と、監視カメラに設定すべきパラメータ情報を記憶するパラメータ情報記憶部と、インタフェース部を介して取得した監視カメラに設定されているパラメータ情報と、パラメータ情報記憶部のパラメータ情報とを比較する比較部と、比較部で比較した結果を表示する表示部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明のパラメータ設定装置は、監視カメラに設定すべきパラメータ情報を記憶し、このパラメータ情報と、監視カメラに設定されているパラメータ情報とを比較してその結果を表示するようにしたので、パラメータの設定確認作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1によるパラメータ設定装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるパラメータ設定装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1によるパラメータ設定装置の監視カメラに設定されるパラメータ情報を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるパラメータ設定装置を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるパラメータ設定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるパラメータ設定装置を示す構成図である。
図1に示すパラメータ設定装置100は、インタフェース部(I/F)1、パラメータ情報記憶部2、パラメータ比較部3、再設定部4、表示部5、制御部6を備え、監視カメラ200と通信ケーブル300を介して接続されている。
【0012】
パラメータ設定装置100は、監視カメラ200のパラメータ設定作業を行う装置であり、これらパラメータ設定装置100と監視カメラ200とは通信ケーブル300によって直接接続されている。また、通信ケーブル300は、例えばUSBケーブルといったパラメータ設定装置100と監視カメラ200間で通信を行うための通信ケーブルである。
【0013】
パラメータ設定装置100におけるインタフェース部1は、USBケーブルを接続するためのインタフェースである。パラメータ情報記憶部2は、監視カメラ200に設定するパラメータ情報を記憶するメモリ等からなる情報記憶部である。パラメータ比較部3は、監視カメラ200に設定されたパラメータ情報と、パラメータ情報記憶部2に記憶されているパラメータ情報とを比較する機能部である。再設定部4は、パラメータ比較部3による比較の結果、不一致であった場合は、監視カメラ200に対してパラメータの再設定を行う機能部である。表示部5は、パラメータ比較部3による比較結果や再設定部4による再設定内容等を表示するための表示部である。制御部6は、これらインタフェース部1〜表示部5の動作を制御するための制御部である。
【0014】
尚、パラメータ設定装置100はコンピュータを用いて実現され、パラメータ比較部3、再設定部4および制御部6は、それぞれの機能に対応したソフトウェアをCPUやメモリといったハードウェアを用いて実行することで構成されるか、専用のハードウェアを用いて構成されている。
【0015】
次に、実施の形態1のパラメータ設定装置の動作について説明する。
図2は、実施の形態1のパラメータ設定装置の動作を示すフローチャートである。
監視カメラ200が通信ケーブル300を介してインタフェース部1に接続されると(ステップST1)、制御部6は、監視カメラ200より、現在設定されているパラメータ値が記載されている初期設定データを読み出す(ステップST2)。また、制御部6はパラメータ情報記憶部2より、設定したいパラメータ情報が記載されている初期設定データを呼び出す(ステップST3)。次に、これらのデータをパラメータ比較部3に渡し、パラメータ比較部3は、ステップST2で読み込んだ監視カメラ200の初期設定データと、ステップST3で呼び出したパラメータ情報記憶部2の初期設定データとの差分を差分表示ソフトウェアを用いて演算し、パラメータ情報の比較を行う(ステップST4)。また、パラメータ比較部3における比較結果は制御部6を介して表示部5に送られ、一致または不一致の情報が表示される(ステップST5)。
【0016】
ステップST4における比較の結果が一致であった場合(ステップST6)は、そのままパラメータ設定作業を終了し、不一致であった場合は再設定部4によって不一致パラメータの再設定を行う(ステップST7)。
図3は、設定されるパラメータ情報を示す説明図である。
IP(Internet Protocol)アドレスは、パケットを送受信する機器を判別するための番号である。ポート番号は同一IPアドレスにて複数のデータ通信を行う際に、通信先を特定するための番号である。ビットレートは映像を符号化した際のデータ転送レートである。フレームレートは1秒間のうち転送する静止画像の枚数である。画像サイズは監視カメラ200で撮影された映像のサイズである。
【0017】
このようなパラメータ情報のいずれかが不一致であった場合、ユーザによっていずれかの項目の再設定が指示される。これにより、再設定部4は、所定の設定ソフトウェアによって監視カメラ200へのパラメータ情報の再設定を行う。そして、どの項目を再設定したかといった修正内容が制御部6を介して表示部5に送られ表示される(ステップST8)。その後はステップST4に戻って上記の処理を行う。
【0018】
このように、実施の形態1のパラメータ設定装置では、システム構築したネットワークを一切経由せず、また操作PCの設定ツールを起動することなく、監視カメラ200のパラメータ設定を行うことが可能となるため、システムが大規模または複雑であっても、現地作業者の作業時間短縮を図ることができると共に設定誤りを防ぐことができる。
【0019】
以上説明したように、実施の形態1のパラメータ設定装置によれば、監視カメラとの通信を行うための通信ケーブルを接続するインタフェース部と、監視カメラに設定すべきパラメータ情報を記憶するパラメータ情報記憶部と、インタフェース部を介して取得した監視カメラに設定されているパラメータ情報と、パラメータ情報記憶部のパラメータ情報とを比較するパラメータ比較部と、比較部で比較した結果を表示する表示部とを備えたので、パラメータの設定確認作業を容易に行うことができる。
【0020】
また、実施の形態1のパラメータ設定装置によれば、比較部による比較の結果、不一致であった場合は、記憶されたパラメータ情報で監視カメラのパラメータの再設定を行う再設定部を備えたので、パラメータの再設定を容易に行うことができる。
【0021】
実施の形態2.
実施の形態2は、パラメータ設定装置に外部装置とのデータの送受信を行う送受信部を備えたものである。
図4は、実施の形態2のパラメータ設定装置を示す構成図である。
実施の形態2のパラメータ設定装置100aは、インタフェース部(I/F)1、パラメータ情報記憶部2、パラメータ比較部3、再設定部4、表示部5、制御部6、送受信部7を備え、監視カメラ200と通信ケーブル300を介して接続されている。ここで、パラメータ設定装置100aにおけるインタフェース部1〜制御部6と、通信ケーブル300を介して接続される監視カメラ200の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。送受信部7は、パラメータ設定装置100aに外部装置400を直接接続し、外部装置400とのデータ通信を行うためのインタフェースであり、例えば無線LANといった無線通信機能を有しているが、有線接続を行うインタフェースであってもよい。また、外部装置400は、パラメータ設定装置100aを操作する現場作業者が用いるパーソナルコンピュータといった装置である。
【0022】
次に、実施の形態2のパラメータ設定装置の動作について説明する。
図5は実施の形態2に係るパラメータ設定装置の動作を示すフローチャートである。ステップST1からステップST4までの動作は実施の形態1と同様である。次のステップST5aにおいては、比較結果を実施の形態1と同様に表示部5に表示すると共に、送受信部7を介して外部装置400に送信する。また、ステップST6において不一致であった場合は、実施の形態1と同様に再設定部4による再設定が行われ(ステップST7)、その修正内容が表示部5で表示されると共に、送受信部7を介して外部装置400に送信される(ステップST8a)。
【0023】
また、外部装置400から監視カメラ200に設定すべき情報(例えば、図3に示した情報)をパラメータ設定装置100aに送信し、パラメータ情報記憶部2に記憶するといったことも可能である。このようにすることで、外部装置400からパラメータ情報をパラメータ設定装置100aに送り、これに基づくパラメータ設定装置100aのパラメータ設定作業の結果を外部装置400が取得することができる。従って、パラメータ設定作業のデータ管理を外部装置400で集約して行うことができる。
【0024】
以上説明したように、実施の形態2のパラメータ設定装置によれば、パラメータ情報を外部より取得すると共に、パラメータ情報に基づく比較結果または再設定結果のうち少なくともいずれか一方のデータを外部に送出する送受信部を備えたので、例えば、複数のパラメータ設定装置で設定した成否の一覧を容易に作成するといったことが可能となり、現地作業者の設定確認を効率的に実施することができる。また設定したいパラメータ情報を外部よりパラメータ設定装置に送信し、外部装置でその処理結果を受信することも可能となる。
【0025】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 インタフェース部(I/F)、2 パラメータ情報記憶部、3 パラメータ比較部、4 再設定部、5 表示部、6 制御部、7 送受信部、100,100a パラメータ設定装置、200 監視カメラ、300 通信ケーブル、400 外部装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラとの通信を行うための通信ケーブルを接続するインタフェース部と、
前記監視カメラに設定すべきパラメータ情報を記憶するパラメータ情報記憶部と、
前記インタフェース部を介して取得した前記監視カメラに設定されているパラメータ情報と、前記パラメータ情報記憶部のパラメータ情報とを比較するパラメータ比較部と、
前記比較部で比較した結果を表示する表示部とを備えたパラメータ設定装置。
【請求項2】
比較部による比較の結果、不一致であった場合は、記憶されたパラメータ情報で監視カメラのパラメータの再設定を行う再設定部を備えたことを特徴とする請求項1記載のパラメータ設定装置。
【請求項3】
パラメータ情報を外部より取得すると共に、当該パラメータ情報に基づく比較結果または再設定結果のうち少なくともいずれか一方のデータを外部に送出する送受信部を備えたことを特徴とする請求項2記載のパラメータ設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−26903(P2013−26903A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161028(P2011−161028)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】