説明

パラレルメカニズム及びこれを備えた工作機械

【課題】リンクヘッドを移動させることができない特異点を無くしてリンクヘッドの可動範囲を広げることができるパラレルメカニズムを提供する。
【解決手段】リンクヘッド301の3自由度の動作が制御可能なパラレルメカニズム300であって、リンクヘッド301をY軸と直交するX軸に沿って移動させるためのヘッド駆動機構302と、一端がリンクヘッド301にリンク連結用回転ジョイント3030を介してY軸と直交する平面内で互いに回動可能に接続され、他端がY軸と平行な軸線の回りに回動可能にかつX軸と平行な軸線に沿って移動可能に支持された1対のリンク303A,303Bからなるリンク機構303と、1対のリンク303A,303Bの他端をX軸と平行な軸線に沿ってそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構3034,305とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば被加工物(ワーク)を加工するための工具(加工ツール)を変位させる場合に駆動力伝達機構として用いるパラレルメカニズム及びこれを備えた工作機械に関する。
【0002】
周知のように、工作機械には研削盤及び旋盤・フライス盤等があり、これら各種の工作機械はその加工内容に応じて選択的に用いられる。
【0003】
このような工作機械においては、砥石,切削工具等の加工ツールを支持する主軸ヘッドや、ワークを支持するテーブル等を所望の位置に移動させたり、所望の角度で回動させたりすることにより、ワークと加工ツールとを相対的に変位させて研削や切削等の加工が行われる。
【0004】
近年、この種の工作機械には、高剛性・高精度・高速性を実現する機構として有効であることから、ベースからリンクヘッドまでが並列に連結されたリンクを有するパラレルメカニズムを備えたものが注目されてきており、例えば図19に示すような工作機械(一部)が知られている(例えば特許文献1)。
【0005】
この工作機械につき、図19を用いて説明すると、図19において、符号19で示す工作機械は、加工ツールTを支持するリンクヘッド19A、及びこのリンクヘッド19Aを移動・回動させる1対のリンク190B,191Bを有するパラレルメカニズム19Bとを備えている。
【0006】
リンクヘッド19Aは、その長手方向に沿って基準線Bを有する平面矩形状のツール支持台からなり、ベース(図示せず)上の第1ガイド19Cにヘッドスライダ19Dを介して回動かつ移動可能に支持されている。
【0007】
一方のリンク190Bは、一端がリンクヘッド19Aに共通枢支部19Eを介して回動可能に枢支され、他端が第1ガイド19Cと平行なベース上の第2ガイド19Fに一方のリンクスライダ19Gを介して回動かつ移動可能に支持されている。
【0008】
他方のリンク191Bは、一端がリンクヘッド19Aに共通枢支部19Eを介して回動可能に枢支され、他端が第1ガイド19C及び第2ガイド19Fと平行なベース上の第3ガイド19Hに他方のリンクスライダ19Iを介して回動かつ移動可能に支持されている。
【0009】
以上の構成により、一方のリンク190Bを第2ガイド19F(X軸方向)に沿って、また他方のリンク190Cを第3ガイド19H(X軸方向)に沿ってそれぞれ移動させると、リンクヘッド19Aがヘッドスライダ19D上でX軸方向と直交する軸線(B軸)の回りに回動するとともに、第1ガイド19Cに沿って移動する。
【0010】
一方、ワーク支持台(図示せず)を第1ガイド19C及び第2ガイド19F・第3ガイド19Hと直交する軸線方向(Z軸方向)に移動させるとともに、この移動方向に沿う軸線の回りに回動させると、ワークがZ軸方向に移動するとともに、この移動方向に沿う軸線の回りに回動する。
【0011】
これにより、ワークに対する加工ツールによる3軸方向(X軸方向及びZ軸方向・B軸回り)の加工が行われる。
【特許文献1】特開2003−291041号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に示す工作機械においては、リンクヘッド19AのX軸方向に沿う移動が1対のリンク190B,191B(リンクスライダ19G,19I)をX軸方向と平行な方向に移動させて行われるため、リンクヘッド19AがB軸回りの回動によってその基準線BをX軸方向と直交させる位置に配置されると、X軸方向の作用力に対する反力をリンクヘッド19Aに発生させることができない、すなわちリンクヘッド19Aを移動させることができない特異点が存在し、リンクヘッド19Aの可動範囲が大幅に制限されるという問題があった。
【0013】
従って、本発明の目的は、リンクヘッドを移動させることができない特異点を無くすことができ、もってリンクヘッドの可動範囲を広げることができるパラレルメカニズム及びこれを備えた工作機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、ワークを加工する加工ツール、及び前記ワークのうち一方を支持するリンクヘッドを第1軸線の回りに回動させるとともに、前記第1軸線と直交する平面内で移動させることにより、前記リンクヘッドの少なくとも2自由度の動作が制御可能なパラレルメカニズムであって、前記リンクヘッドを前記第1軸線と直交する第2軸線に沿って移動させるためのヘッド駆動機構と、一端が前記リンクヘッドにリンク回動部を介して前記第1軸線と直交する平面内で互いに回動可能に接続され、他端が前記第1軸線と平行な軸線の回りに回動可能にかつ前記第1軸線と直交する平面内で移動可能に支持された1対のリンクからなるリンク機構と、前記1対のリンクの他端を前記第1軸線と直交する平面内でそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構とを備えたことを特徴とするパラレルメカニズムを提供する。
【0015】
(2)本発明は、上記目的を達成するために、ワークを加工する加工ツール、及び前記ワークのうち一方を支持するリンクヘッドを第1軸線の回りに回動させるとともに、前記第1軸線と直交する平面内で移動させることにより、前記リンクヘッドの少なくとも2自由度の動作が制御可能なパラレルメカニズムと、前記加工ツール及び前記ワークのうち他方を支持するベッドとを備えた工作機械であって、前記パラレルメカニズムは、前記リンクヘッドを前記第1軸線と直交する第2軸線に沿って移動させるためのヘッド駆動機構と、一端が前記リンクヘッドにリンク回動部を介して前記第1軸線と直交する平面内で互いに回動可能に接続され、他端が前記第1軸線と平行な軸線の回りに回動可能にかつ前記第1軸線と直交する平面内で移動可能に支持された1対のリンクからなるリンク機構と、前記1対のリンクの他端を前記第1軸線と直交する平面内でそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構とを備えたことを特徴とする工作機械を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、リンクヘッドを移動させることができない特異点を無くすことができ、リンクヘッドの可動範囲を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の全体を説明するために示す平面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の要部を説明するために示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の要部を説明するために示す平面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の制御装置を説明するために示すブロック図である。なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれZ軸方向(図1における主軸方向)及びX軸方向(図1における紙面に平行しかつZ軸に直交する方向)・Y軸方向(X軸及びZ軸に直交する方向)とする。
【0018】
〔工作機械の全体構成〕
図1〜図4において、符号1で示す工作機械は、例えば円筒研削盤からなり、工作機械本体2及び制御装置3・付属装置(図示せず)から大略構成されている。
【0019】
(工作機械本体2の構成)
工作機械本体2は、図1に示すように、ワークWを回転駆動可能に支持するワーク支持駆動ユニット100と、砥石等の加工ツール501が着脱可能に装着されるホイール回転主軸ユニット200と、リンクヘッド301をツール取付側で支持するパラレルメカニズム300とを備えている。
【0020】
<ワーク支持駆動ユニット100の構成>
ワーク支持駆動ユニット100は、図1に示すように、主軸台ベース101及び左右2つの主軸台103,103を有し、ベッド(基台)10上の前方端部(図1では下側)に載置されている。
【0021】
主軸台ベース101の背面部(図1では上側)には、左右(Z軸)方向に所定の間隔をもって互いに並列し、かつZ軸方向に延在する2つの主軸台スライドガイド102,102が配設されている。
【0022】
主軸台103,103は、それぞれが対応する主軸台スライドガイド102,102上にZ軸方向に沿って移動自在に配設されている。そして、それぞれが各主軸台スライドガイド102,102上における所定の位置に位置決めされ、その両中心部間でワークWを挟持するように構成されている。主軸台103,103には、それぞれ主軸105,105を所定の回転数で回転駆動する主軸駆動モータ104,104が搭載されている。
【0023】
<ホイール回転主軸ユニット200の構成>
ホイール回転主軸ユニット200は、図1に示すように、加工ツール501の被把持部を把持可能なホイール回転主軸201、及びこのホイール回転主軸201を回転駆動するホイール回転主軸駆動モータ(図示せず)を有し、リンクヘッド301に搭載されている。そして、ホイール回転主軸駆動モータの回転駆動力をホイール回転主軸201に伝達し、さらにホイール回転主軸201上の加工ツール501を所定の回転数で回転駆動するように構成されている。
【0024】
<パラレルメカニズム300の構成>
パラレルメカニズム300は、図2及び図3に示すように、リンクヘッド301をX軸方向に沿って移動させるためのヘッド駆動機構302と、一端(ヘッド側端部)がX軸及びZ軸と平行な水平面内でY軸と平行な軸線の回りに回動可能に互いに接続された1対のリンク303A,303Bからなるリンク機構303と、このリンク機構303のリンク303A,303Bの他端(レール側端部)をX軸方向に沿ってそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構304,305とを備え、ベッド10(図1に示す)上に配置されている。
【0025】
リンクヘッド301は、ヘッド回転ジョイント3010及び直動ジョイント3011を有し、ヘッド回転ジョイント3010がベッド10上のスライダ案内用のレール306,306にスライダ3012を介して移動可能に配置され、かつ直動ジョイント3011がリンク機構303(リンク303A,303B)のヘッド取付側端部(リンク自由端部)にリンク連結用回転ジョイント3030を介して回動可能に支持されている。そして、レール306,306上でスライダ3012を介してX軸(第2軸線)方向に移動し、かつヘッド回転ジョイント3010でY軸と平行な軸線(第1軸線:B軸)の回りに回動し得るように構成されている。
【0026】
リンク連結用回転ジョイント3030は、Y軸と平行な軸線の回りに回動する1自由度のジョイントして機能するように構成されている。
【0027】
リンクヘッド301の上面部には、加工ツール501の回転軸線T(図3に示す)と平行な方向に延在し、かつ直動ジョイント3011をY軸と直交する一軸線方向に案内するジョイント案内用のレール3013(図2に示す)が配置されている。
【0028】
リンクヘッド301の下面部には、ヘッド回転ジョイント3010の回転量(回転角度)を検出するエンコーダ等の角度センサ380(図4に示す)が配設されている。
【0029】
ヘッド回転ジョイント3010は、Y軸と平行な軸線の回りに回転する1自由度のジョイントして機能し、リンクヘッド301の下面部に配設され、かつリンク連結用回転ジョイント3030の配設位置とは直動ジョイント3011の移動方向にオフセットされた位置で移動不能に配置されている。
【0030】
直動ジョイント3011は、レール3013上に移動可能に配置されている。これにより、リンク連結用回転ジョイント3030が直動ジョイント3011と共にレール3013に沿って移動案内される。
【0031】
ヘッド駆動機構302は、スライダ3012を移動させる送りねじ3020、及びこの送りねじ3020を駆動するサーボモータ3021からなり、制御装置3(インターフェース73)にサーボモータユニット80を介して接続されている。そして、スライダ3012を介してリンクヘッド301をX軸方向に沿って移動させ、リンク駆動機構304,305と共にリンクヘッド301の位置及び姿勢を変更し得るように構成されている。ヘッド駆動機構302には、サーボモータ3021の回転量を検出するモータ回転検出用エンコーダ3022が取り付けられている。
【0032】
リンク機構303は、リンクヘッド301の移動・回動平面と同一の仮想平面内で揺動可能な1対のリンク303A,303Bを有し、ワーク支持駆動ユニット100の後方に配置されている。そして、前述したようにツール取付部(リンク自由端部)側にリンクヘッド301の上方部を保持するように構成されている。
【0033】
一方のリンク303Aは、一方側のリンク端部がベッド10上におけるスライダ案内用のレール3030Aを移動するスライダ3031Aにリンク回転ジョイント3032Aを介して回動可能に連結され、他方側のリンク端部がリンクヘッド301にリンク連結用回転ジョイント3030を介して回動可能に連結されている。
【0034】
レール3030Aは、X軸方向に沿って延在するガイド部材によって形成され、一方のリンク303Aにおける一方側のリンク端部を案内するように構成されている。なお、本実施の形態に示すレール3030Aは、X軸(レール306,306)と平行である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、Y軸と直交する平面内であれば、X軸に対して傾斜してもよい。リンク回転ジョイント3032Aは、Y軸と平行な軸線の回りに回転する1自由度のジョイントとして機能するように構成されている。
【0035】
他方のリンク303Bは、一方側のリンク端部がベッド10上におけるスライダ案内用のレール3030Bを移動するスライダ3031Bにリンク回転ジョイント3032Bを介して回動可能に連結され、他方側のリンク端部がリンクヘッド301にリンク連結用回転ジョイント3030を介して回動可能に連結されている。リンク303Bのリンク長は、リンク303Aのリンク長と同一の寸法に設定されている。
【0036】
レール3030Bは、レール3030AとZ軸方向に所定の間隔をもって並列し、かつX軸方向に沿って延在するガイド部材によって形成されている。そして、他方のリンク303Bにおける一方側のリンク端部を案内するように構成されている。なお、本実施の形態に示すレール3030Bは、X軸(レール306,306)と平行である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、Y軸と直交する平面内であれば、X軸に対して傾斜してもよい。リンク回転ジョイント3032Bは、Y軸と平行な軸線の回りに回転する1自由度のジョイントとして機能するように構成されている。
【0037】
一方のリンク駆動機構304は、スライダ3031Aを移動させる送りねじ3040、及びこの送りねじ3040を駆動するサーボモータ3041からなり、制御装置3(インターフェース73)にサーボモータユニット80を介して接続されている。そして、スライダ3031Aを介してリンク303Aの一方側のリンク端部をX軸方向に沿って移動させ、リンクヘッド301をY軸と平行な軸線の回りに回動させるように構成されている。リンク駆動機構304には、サーボモータ3041の回転量を検出するモータ回転検出用エンコーダ3042が取り付けられている。
【0038】
他方のリンク駆動機構305は、スライダ3031Bを移動させる送りねじ3050、及びこの送りねじ3050を駆動するサーボモータ3051からなり、制御装置3(インターフェース73)にサーボモータユニット80を介して接続されている。そして、スライダ3031Bを介してリンク303Bの一方側のリンク端部をX軸方向に沿って移動させ、リンクヘッド301をY軸と平行な軸線の回りに回動させるように構成されている。リンク駆動機構305には、サーボモータ3051の回転量を検出するモータ回転検出用エンコーダ3052が取り付けられている。
【0039】
(制御装置3の構成)
制御装置3は、図4に示すように、CPU(中央演算処理装置)71及びメモリ72・インターフェイス(I/F)73〜75を備え、直交座標系で与えられるリンクヘッド301の移動位置情報に対応する指令値Uを機構パラメータPに基づいてヘッド駆動機構302及びリンク駆動機構304,305の出力値に変換し、これらヘッド駆動機構302及びリンク駆動機構304,305を駆動制御するように構成されている。
【0040】
<CPU71の構成>
CPU71は、メモリ72あるいは外部記憶装置78に記憶された加工プログラムを読み出し解析し、直交座標系で与えられるリンクヘッド301の移動位置・姿勢情報を機構パラメータPに基づきヘッド駆動機構302及びリンク駆動機構304,305への駆動指令値に変換してサーボモータユニット80へ出力する。
【0041】
<メモリ72の構成>
メモリ72には、加工ツール501による実加工処理を実行するための加工プログラムや機構パラメータP等の各種情報が記憶されている。
【0042】
<インターフェース73〜75の構成>
インターフェース73には、ヘッド駆動機構302(サーボモータ3021)及びリンク駆動機構304,305(サーボモータ3041,3051)を駆動するサーボモータユニット80(81〜83)が接続されている。サーボモータユニット81〜83は、CPU71からの指令値に基づいてヘッド駆動機構302及びリンク駆動機構304,305をそれぞれ駆動し、これらヘッド駆動機構302のモータ回転検出用エンコーダ3022及びリンク駆動機構304,305のモータ回転検出用エンコーダ3042,3052からの出力によってフィードバック制御を実行する。インターフェース74には、加工データ等を入力するためのキーボード(KB)76及び加工データや工作機械1の状態等を表示する画像表示装置(CRT)77・加工データを記憶する外部記憶装置78が接続されている。インターフェース75には角度センサ380が接続されている。
【0043】
(付属装置の構成)
付属装置は、オイル供給装置・冷却装置・エア供給装置・クーラント供給装置と、これら装置を工作機械本体2に接続するダクト装置等とから構成されている。
【0044】
〔工作機械1の動作〕
次に、本実施の形態に係る工作機械の動作につき、図5〜図8を用いて説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのX軸平行動作を説明するために示す平面図である。図6は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドの回動動作を説明するために示す平面図である。図7は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械にヘッド駆動機構を備えた場合の利点について説明するために示す平面図である。図8は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのX軸平行・回動動作を説明するために示す平面図である。なお、図5〜図8においては、直動ジョイント等が省略されている。
【0045】
「X軸平行動作」
ヘッド回転ジョイント3010(スライダ3012)をレール3013に沿って、またリンク回転ジョイント3032A,3032B(スライダ3031A,3031B)をレール3030A,3030Bに沿って同一の方向及び同一の移動量Xでそれぞれ移動させると、加工ツール501の回転軸線Tを基準線Oに合致させた状態でリンクヘッド301が図5に2点鎖線で示す初期位置からX軸方向に移動して図5に実線で示す位置に配置される。
【0046】
「回動動作」
リンク回転ジョイント3032A,3032B(スライダ3031A,3031B)をレール3030A,3030Bに沿って互いに異なる移動量X,X(X>X)で同方向に移動させると、リンクヘッド301が図6に2点鎖線で示す初期位置からY軸と平行な軸線を中心に反時計方向に回動して例えば加工ツール501の回転軸線Tを基準線Oと交差させた状態で図6に実線で示す位置に配置される。
【0047】
ここで、図7に示すように、ワーク加工時にリンクヘッド301が加工ツール501の回転軸線Tを基準線Oと直交させた状態で配置されると、ヘッド回転ジョイント3010(スライダ3012)をレール306に沿ってワーク側(図7では下方)に移動させることができ、すなわちX軸方向の作用力f,fに対するリンクヘッド301に反力Fを発生させることができる。このため、X軸方向の作用力f,fに対するリンクヘッド301に反力Fを発生させることができない、従来存在した特異点を無くすことができる。
【0048】
「X軸平行・回動動作」
リンク回転ジョイント3032A,3032B(スライダ3031A,3031B)をレール3030A,3030Bに沿って互いに異なる移動量X,X(X>X)で同方向に移動させた後、ヘッド回転ジョイント3010(スライダ3012)をレール3013に沿って、またリンク回転ジョイント3032A,3032B(スライダ3031A,3031B)をレール3030A,3030Bに沿って同一の方向及び同一の移動量Xでそれぞれ移動させると、リンクヘッド301が図8に2点鎖線で示す初期位置からY軸と平行な軸線を中心に反時計方向に回動して例えば加工ツール501の回転軸線Tを基準線Oと交差させた状態で図8に1点鎖線で示す位置に配置され、さらにX軸方向に移動して図8に実線で示す位置に配置される。
【0049】
このように、本実施の形態においては、リンクヘッド301をX軸に沿って移動させるとともに、Y軸と平行な軸線の回りに回動させることによりリンクヘッド301の位置及び姿勢を制御し、さらに主軸台103,103をZ軸方向に沿って移動させることによりワークWの位置を制御し、主軸台103,103によって挟持されたワークWに対する加工を行うことができる。
【0050】
この場合、スライダ3012,3031A,3031Bを位置決めすると、リンクヘッド301上のリンク連結用回転ジョイント3030の位置が決定されるため、リンクヘッド301の移動・回動位置(加工ツール501の先端位置)が決定される。このため、リンクヘッド301を所望の移動・回動位置に位置決めするには、これら移動・回動位置から特定の演算式(逆変換式)に基づいてスライダ3012,3031A,3031Bの位置を演算し、これら演算値に対応する位置にスライダ3012,3031A,3031Bを移動させる。
【0051】
本実施の形態においては、パラレルメカニズム300がリンクヘッド301,リンク303A,リンク303Bをそれぞれ駆動するヘッド駆動機構302,リンク駆動機構304,リンク駆動機構305を備えている。これには、冗長な駆動機構としてヘッド駆動機構302が存在するが、この冗長なヘッド駆動機構302及び他のリンク駆動機構304,305の存在により直動ジョイント3011は直接変位しないのである。ところが、現実にはパラレルメカニズム300を構成する各構成部品の製造誤差,組付誤差あるいは温度変化等の使用環境や長期使用による経年変化により機構パラメータPは理論通りではなく誤差を含むため、直動ジョイント3011は変位してこれら誤差を吸収する。
【0052】
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0053】
(1)ヘッド駆動機構302によってリンクヘッド301を移動させることができるため、従来存在した特異点を無くすことができ、リンクヘッド301の可動範囲を広げることができる。
【0054】
(2)リンク連結用回転ジョイント3030が直動ジョイント3011を介してリンクヘッド301上で移動可能であるため、各構成部品の加工精度や構成部品同士の組付精度が悪い場合や、またリンク303A,303Bが使用時等の熱変化によって伸縮する場合等の機構パラメータの誤差に起因する各種誤差を吸収することができ、これら誤差に起因する構成部品及びヘッド駆動機構302・リンク駆動機構304,305への過負荷発生を防止することができる。
【0055】
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図9において、図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0056】
図9に示すように、第2の実施の形態に示すパラレルメカニズム81は、リンクヘッド301をX軸方向に沿って移動させるためのヘッド駆動機構302、及びリンク303A,303Bのレール側端部をX軸方向に沿ってそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構304,305を備え、一部が断面略コ字状のメカニズム支持体1000に吊持されている点に特徴がある。
【0057】
このため、メカニズム支持体1000は、レール3030A,3030Bが配置された天井部1001、この天井部1001に連接して互いに対向する左右1対の側壁部1002,1002からなり、ベッド10上に配置されている。
【0058】
また、ヘッド回転ジョイント3010は、直動ジョイント3011及びリンク連結用回転ジョイント3030と共にリンクヘッド301の上面部に配設され、かつリンク連結用回転ジョイント3030の配設位置とは直動ジョイント3011の移動方向にオフセットされた位置で移動不能に配置されている。
【0059】
レール3030A,3030Bは、それぞれメカニズム支持体1000の側壁部102,102に配置されている。
【0060】
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)及び(2)に加え、次に示す効果が得られる。
【0061】
リンクヘッド301(加工ツール501)とベッド10との間に比較的広い排出用の空間を形成することができるため、加工時に発生したワーク加工屑等の良好な排出性を得ることができる。
【0062】
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図11は、本発明の第3の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す平面図である。図10及び図11において、図2及び図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0063】
図10及び図11に示すように、第3の実施の形態に示すパラレルメカニズム91は、リンクヘッド301が一方側のレール3030A及び他方側のレール3030Bにスライダ3012を介して移動可能に配置されている点に特徴がある。
【0064】
このため、スライダ3012は、全体が前方(ワーク側)に突出する平面略く字状の屈曲部材によって形成され、そのスライダ中央部(屈曲部)がリンクヘッド301の上面部にヘッド回転ジョイント3010を介して、またスライダ両端部がそれぞれ一方側のレール3030Aと他方側のレール3030Bに移動可能に配置されている。
【0065】
また、リンク機構303は、リンク303Aがリンクヘッド301の幅方向一方側部を介して対向するリンク分岐部3033A,3033Aを、またリンク303Bがリンクヘッド301の幅方向他方側部を介して対向するリンク分岐部3033B,3033Bをそれぞれヘッド側端部に有し、二股状の部材によって形成されている。
【0066】
リンクヘッド301の上面部及び下面部には、リンク303A,303Bのヘッド側端部(リンク分岐部3033A,3033B)を回動可能に連結するリンク連結用回転ジョイント3030,3030が直動ジョイント3011,3011を介して配置されている。
【0067】
[第3の実施の形態の効果]
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)及び(2)に加え、次に示す効果が得られる。
【0068】
一方側のレール3030A,3030Aと他方側のレール3030B,3030Bとの間にスライダ3012を介在させるため、リンクヘッド301を支持する構造の剛性を高めることができる。また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において必要としたスライダ案内用のレール306,306が不要になる。
【0069】
[第4の実施の形態]
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図12は、本発明の第4の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す平面図である。図12において、図10と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0070】
図12に示すように、第4の実施の形態に示すパラレルメカニズム111は、リンクヘッド301が一方側のレール3030A,3030A及び他方側のレール3030B,3030Bに上下1対のスライダ3012,3012を介して移動可能に配置されている点に特徴がある。
【0071】
このため、一方のスライダ3012は、全体が前方(ワーク側)に突出する平面略く字状の屈曲部材によって形成され、そのスライダ中央部(屈曲部)がリンクヘッド301の上面部に一方側のヘッド回転ジョイント3010を介して、またスライダ両端部がそれぞれ一方側のレール3030A,3030Aと他方側のレール3030B,3030Bに3014,3014を介して移動可能に配置されている。
【0072】
他方のスライダ3012は、一方のスライダ3012と同様に全体が前方(ワーク側)に突出する平面略く字状の屈曲部材によって形成され、そのスライダ中央部(屈曲部)がリンクヘッド301の下面部に他方側のヘッド回転ジョイント3010を介して、またスライダ両端部がそれぞれ一方側のレール3030A,3030Aと他方側のレール3030B,3030Bに連結部3014,3014を介して移動可能に配置されている。
【0073】
[第4の実施の形態の効果]
以上説明した第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態の効果に加え、次に示す効果が得られる。
【0074】
一方側のレール3030A,3030Aと他方側のレール3030B,3030Bとの間に上下1対のスライダ3012,3012を介在させ、さらに両スライダ3012,3012を連結部3014,3014によって連結したため、リンクヘッド301を支持する構造の剛性を第3の実施の形態に示す場合と比べて一層高めることができる。
【0075】
[第5の実施の形態]
図13は、本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図14は、本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す平面図である。図15(a)及び(b)は、本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを用いたワーク両面加工例を示す平面図である。図15(a)は加工ツールを傾斜させた状態を、図15(b)は加工ツールを旋回した状態をそれぞれ示す。図16は、本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを用いたワーク周面熱処理例を示す平面図である。図13〜図16において、図2及び図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0076】
図13及び図14に示すように、第5の実施の形態に示すパラレルメカニズム121は、リンク303A,303Bのレール側端部がZ軸方向に所定の間隔をもって移動可能に配置され、さらにレール3030A,3030BをZ軸方向に沿って移動させるレール駆動機構(図示せず)を備えた点に特徴がある。
【0077】
このため、レール3030A,3030Bは、X軸方向に所定の間隔をもって並列する1対のスライダ3031,3031を有し、これらスライダ3031,3031を介してベッド10上のスライダ案内用のレール3032,3032に移動可能に配置されている。そして、レール駆動機構(図示せず)によってZ軸方向に沿って移動し得るように構成されている。
【0078】
このように構成されたパラレルメカニズム121においては、リンクヘッド301をX軸と平行な軸線に沿った方向、及びZ軸と平行な軸線に沿った方向に移動させることができるとともに、Y軸と平行な軸線の回りに回動させることができる。
【0079】
このため、ワークWを研削する場合、図15(a)に示すように加工ツール501としての砥石を初期位置(回転軸線Tと基準線Oとが一致する位置)からθ(θ<90°)傾斜させ位置で、あるいは図15(b)に示すように加工ツール501を初期位置からθ(θ=±90°)旋回した位置でそれぞれ円筒ワークの両端面の研削が行われる。
【0080】
また、ワークWに熱処理を施す場合、図16に示すように加工ツール501としてのレーザヘッドを初期位置から回動させながらワーク周面処理が行われる。
【0081】
なお、本実施の形態においては、リンク303A,303Bのレール側端部がZ軸方向に所定の間隔をもって移動可能に配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、X軸及びY軸と略直交する軸線方向に所定の間隔をもって移動可能に配置されていればよい。
【0082】
[第5の実施の形態の効果]
以上説明した第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、次に示す効果が得られる。
【0083】
リンクヘッド301をX軸及びZ軸と平行な軸線に沿った方向に移動させることができるとともに、Y軸と平行な軸線の回りに回動させることができるため、第1の実施の形態に示すパラレルメカニズムと比べて加工ツール501の位置及び姿勢をより多く変更してワークWに対する加工を行うことができる。
【0084】
[第6の実施の形態]
図17は、本発明の第6の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図17において、図13と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0085】
図17に示すように、第6の実施の形態に示すパラレルメカニズム161は、リンク303A,303Bのレール側端部がZ軸方向に所定の間隔をもって移動可能に配置され、さらにレール3030A,3030BをZ軸方向に沿って移動させるレール駆動機構(図示せず)を備え、一部がメカニズム支持体1000に吊持されている点に特徴がある。
【0086】
このため、メカニズム支持体1000は、各々が互いに所定の間隔をもって対向する1対の側壁部1001,1001、及びこれら両側壁部1001,1001に連接してレール3030A,3030Bが配置された天井部1002からなり、側壁部1001,1001がベッド10上のレール3032,3032にスライダ3031,3031を介して移動可能に配置されている。
【0087】
[第6の実施の形態の効果]
以上説明した第6の実施の形態によれば、第5の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。
【0088】
リンクヘッド301(加工ツール501)とベッド10との間に比較的広い排出用の空間を形成することができるため、加工時に発生したワーク加工屑等の良好な排出性を得ることができる。
【0089】
[第7の実施の形態]
図18は、本発明の第7の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図18において、図10と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0090】
図18に示すように、第7の実施の形態に示すパラレルメカニズム171は、リンクヘッド301が移動・回動平面を鉛直面(Y軸と直交する平面)とする仮想平面内で回動可能に配置されている点に特徴がある。
【0091】
このため、レール306,306は、X軸に沿って延在し、ベッド10上のレール3032,3032に沿って移動するスライダ3031に配置されている。
【0092】
スライダ3030A,3030Bは、レール306,306と同様にX軸方向に延在し、スライダ3031の両側部に基台3031A,3031Aを介して配置されている。
【0093】
また、ベッド10上には、Z軸方向に所定の間隔をもって互いに並列し、かつY軸方向に沿って延在するスライダ案内用のレール104,104が配置されている。
【0094】
レール104,104上には、X軸と平行な軸線の回りに回転するテーブル400を支持するスライダ500,500が移動可能に配置されている。
【0095】
[第7実施の形態の効果]
以上説明した第7実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)及び(2)に加え、次に示す効果が得られる。
【0096】
ワーク側の回転軸が単一の回転軸であるため、従来の5軸加工機と比べて可動部分の重量が小さくなり、パラレルメカニズム171の高速性を活かしながら、より高速な動作となる5軸加工機を構成することができる。
【0097】
以上、本発明の工作機械を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
【0098】
(1)各実施の形態では、制御対象としての加工ツール501がリンクヘッド301に保持されるパラレルメカニズム300である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、リンクヘッドにワークを保持するパラレルメカニズムであってもよい。
【0099】
(2)各実施の形態では、砥石又は熱処理工具を加工ツール501とする工作機械1に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば旋削用電着ホイール等の旋削工具あるいは表面仕上げ工具等を加工ツールとする他の工作機械に適用し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の全体を説明するために示す平面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の要部を説明するために示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の要部を説明するために示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の制御装置を説明するために示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのX軸平行動作を説明するために示す平面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドの回動動作を説明するために示す平面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械にヘッド駆動機構を備えた場合の利点について説明するために示す平面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのX軸平行・回動動作を説明するために示す平面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す平面図。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す平面図。
【図15】(a)及び(b)は、本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを用いたワーク両面加工例を示す平面図。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを用いたワーク周面熱処理例を示す平面図。
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図。
【図18】本発明の第7の実施の形態に係る工作機械のパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図。
【図19】従来の工作機械を説明するために示す斜視図。
【符号の説明】
【0101】
1…工作機械
2…工作機械本体
3…制御装置
10…ベッド
71…CPU
72…メモリ
73〜75…インターフェース
76…キーボード
77…画像表示装置
78…外部記憶装置
80〜83…サーボモータユニット
100…ワーク支持駆動ユニット、101…主軸台ベース、102…主軸台スライドガイド、103…主軸台、104…主軸駆動モータ、105…主軸
300,81,91,111,121,161,171…パラレルメカニズム
301…リンクヘッド、3010…ヘッド回転ジョイント、3011…直動ジョイント、3012…スライダ、3013…ジョイント案内用のレール、3014…連結部
302…ヘッド駆動機構、3020…送りねじ、3021…サーボモータ、3022…モータ回転検出用エンコーダ
303…リンク機構、3030…リンク連結用回転ジョイント
303A…リンク、3030A…スライダ案内用のレール、3031A…スライダ、3032A…リンク回転用ジョイント、3033A…リンク分岐部,3034A…基台
303B…リンク、3030B…スライダ案内用のレール、3031B…スライダ、3032B…リンク回転用ジョイント、3033B…リンク分岐部、3034B…基台
304…リンク駆動機構、3040…送りねじ、3041…サーボモータ、3042…モータ回転検出用エンコーダ
305…リンク駆動機構、3050…送りねじ、3051…サーボモータ、3052…モータ回転検出用エンコーダ
302…ヘッド駆動機構
306…スライダ案内用のレール
380…角度センサ
400…テーブル
500…スライダ
501…加工ツール
1000…パラレルメカニズム支持体、1001…天井部、1002…側壁部、1003…底面部
3031…スライダ、3032…スライダ案内用のレール
O…基準線
T…回転軸線
W…ワーク
19…工作機械、19A…リンクヘッド、19B…パラレルメカニズム、190B,191B…リンク、19C…第1ガイド、19D…ヘッドスライダ、19E…共通枢支部、19F…第2ガイド、19G…リンクスライダ、19H…第3ガイド、19I…リンクスライダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工する加工ツール、及び前記ワークのうち一方を支持するリンクヘッドを第1軸線の回りに回動させるとともに、前記第1軸線と直交する平面内で移動させることにより、前記リンクヘッドの少なくとも2自由度の動作が制御可能なパラレルメカニズムであって、
前記リンクヘッドを前記第1軸線と直交する第2軸線に沿って移動させるためのヘッド駆動機構と、
一端が前記リンクヘッドにリンク回動部を介して前記第1軸線と直交する平面内で互いに回動可能に接続され、他端が前記第1軸線と平行な軸線の回りに回動可能にかつ前記第1軸線と直交する平面内で移動可能に支持された1対のリンクからなるリンク機構と、
前記1対のリンクの他端を前記第1軸線と直交する平面内でそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構と
を備えたことを特徴とするパラレルメカニズム。
【請求項2】
前記リンク機構は、前記1対のリンクの他端が前記第2軸線と平行な軸線に沿って移動可能に支持されている請求項1に記載のパラレルメカニズム。
【請求項3】
前記リンク機構は、前記1対のリンクの前記リンク回動部が前記リンクヘッドに前記第1軸線と直交する一軸線方向に相対移動可能に配置されている請求項1に記載のパラレルメカニズム。
【請求項4】
前記リンク機構は、前記1対のリンクの他端が前記第2軸線と略直交する軸線方向に所定の間隔をもって移動可能に配置されている請求項1に記載のパラレルメカニズム。
【請求項5】
ワークを加工する加工ツール、及び前記ワークのうち一方を支持するリンクヘッドを第1軸線の回りに回動させるとともに、前記第1軸線と直交する平面内で移動させることにより、前記リンクヘッドの少なくとも2自由度の動作が制御可能なパラレルメカニズムと、
前記加工ツール及び前記ワークのうち他方を支持するベッドと
を備えた工作機械であって、
前記パラレルメカニズムは、前記リンクヘッドを前記第1軸線と直交する第2軸線に沿って移動させるためのヘッド駆動機構と、
一端が前記リンクヘッドにリンク回動部を介して前記第1軸線と直交する平面内で互いに回動可能に接続され、他端が前記第1軸線と平行な軸線の回りに回動可能にかつ前記第1軸線と直交する平面内で移動可能に支持された1対のリンクからなるリンク機構と、
前記1対のリンクの他端を前記第1軸線と直交する平面内でそれぞれ移動させるための1対のリンク駆動機構と
を備えたことを特徴とする工作機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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