説明

パラ型全芳香族ポリアミド微粒子

【課題】意匠性に優れた複合体を得ることのできる黒色のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子を提供する。
【解決手段】パラ型全芳香族ポリアミドに、一次粒子径が、10〜100nmであるカーボンブラックを導入したパラ型全芳香族ポリアミド微粒子であって、微粒子の数平均粒子径が1〜300μmであり、パラ型全芳香族ポリアミドに対して1〜40質量%のカーボンブラックを含有し、かつ微粒子の圧縮強力が20〜30kg/cm2/gである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラ型全芳香族ポリアミドからなる微粒子に関する。さらに詳しくは、意匠性に優れた複合体を得ることのできる黒色のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とから得られるパラ型全芳香族ポリアミドは、高耐熱性等の特徴を有することから、様々な産業資材用途で幅広く用いられている。なかでも、パラ型全芳香族ポリアミドからなる微粒子は、多くの複合資材等に用いられており、例えば、ゴム等に導入することで、摺動性、耐熱性の向上が期待されている。
【0003】
しかしながら、パラ型全芳香族ポリアミドからなる微粒子は、母材となるゴム等とは色目が異なることから、微粒子が母材の色と馴染まず斑模様となっていた。このため、人目にさらされる用途においては、意匠性の観点から使用が困難な状況であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、意匠性に優れた複合体を得ることのできる黒色のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、パラ型全芳香族ポリアミドに特定範囲のカーボンブラックを導入してパラ型全芳香族ポリアミド微粒子を作製することで、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、パラ型全芳香族ポリアミドからなる微粒子であって、前記微粒子の数平均粒子径が1〜300μmであり、前記微粒子は、1〜40質量%のカーボンブラックを含有し、かつ微粒子の圧縮強力が20〜30kg/cm/gであるパラ型全芳香族ポリアミド微粒子である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子は、黒色のパウダーとなる。このため、黒色のゴム等の母材と色馴染みがよく、意匠性に優れた黒色の複合材を得ることができる。
また、本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子は、圧縮強力が向上した微粒子となる。したがって、ガスケット等、圧縮特性に優れた機能が必要な分野において、大変有益である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<パラ型全芳香族ポリアミド微粒子>
[構成]
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子は、特定量のカーボンブラkックを含む特定粒径の微粒子である。以下に、本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子について説明する。
【0009】
[パラ型全芳香族ポリアミド微粒子の物性]
〔数平均粒子径〕
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子は、数平均粒子径が1〜300μmの範囲である。3〜280μmの範囲であることがより好ましく、5〜250μmの範囲であることが最も好ましい。1μm未満の微粒子とすることは、粉砕性の問題により困難であり、また300μmより大きい場合には、複合材料の成形が困難となる場合がある。
【0010】
〔圧縮強力〕
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子は、微粒子の圧縮強力が20〜30kg/cm/gの範囲である。さらには、21〜29kg/cmの範囲であることがより好ましく、22〜28kg/cmの範囲であることが最も好ましい。
微粒子の圧縮強力が20kg/cm/g未満の場合には、本発明の微粒子を用いて成形された製品の強力が十分なものとならない。一方で、30kg/cmを超える場合には、ガスケット等として使用した場合に、十分な変形効果による密着効果が得られず好ましくない。
【0011】
なお、本発明における「圧縮強力」とは、以下の方法で測定したものをいう。
(圧縮強力の測定方法)
微粒子を面積が1cmである金属性の筒状の型枠に3g入れ、その上部より筒状の型枠に収まる金属性の押し棒を挿入し、ハンドプレス機(東邦マシナリー(株)製、2段式油圧成形機、型式:TBP10−2)にて徐々に加重し、粒子が潰れて押し棒の位置が変移する点における加重を3で除した値を、圧縮強力とする。
【0012】
[パラ型全芳香族ポリアミド微粒子の製造方法]
(ポリマードープの調製)
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子を製造するにあたっては、先ず、パラ型全芳香族ポリアミドと溶媒とを含むパラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)を製造する。なお、パラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)を調製する方法は、特に限定されるものではない。パラ型全芳香族ポリアミドの製造によって得られたポリマー溶液から、当該ポリマーを単離することなく、そのまま用いることも可能である。
パラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)の調製に用いられる溶媒としては、パラ型全芳香族ポリアミドの重合に用いられた溶媒を使用することが好ましい。なお、用いられる溶媒は1種単独であっても、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であってもよい。
【0013】
さらに、パラ型全芳香族ポリアミドの溶媒への溶解性を高める目的で、溶解助剤として無機塩を用いることもできる。無機塩としては、例えば、塩化カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。パラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)に対する無機塩の添加量としては、特に限定されるものではないが、ポリマーの溶解性向上や、無機塩の溶媒への溶解度等の観点から、パラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)質量に対して1〜10質量%とすることが好ましい。
【0014】
(カーボンブラックの導入)
続いて、上記で得られたパラ型全芳香族ポリアミドと溶媒とを含む溶液(ポリマードープ)に、カーボンブラックを導入し、微粒子作製用溶液を調製する。
カーボンブラックを導入する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ルーダーやミキサ等を使用して導入する方法が挙げられる。
【0015】
(微粒子の製造)
パラ型全芳香族ポリアミド、溶媒、およびカーボンブラックを含む微粒子作製用溶液から微粒子を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、微粒子作製用溶液を大過剰量の水中に吐出して糸状物を形成し、脱溶媒した後に当該糸状物を採取し、その後に所定のサイズに粉砕処理する方法が挙げられる。微粒子作製用溶液を水中に吐出する際の各種条件については、糸状物が形成させる範囲であれば特に限定されるものではない。また、糸状物の粉砕処理の方法も特に限定されるものではなく、例えば、ビーズミル等を用いて一段粉砕にて所望のサイズまで粉砕する方法、あるいは、ジューサーミキサ等にて所定の粒子サイズとなるよう粉砕した後に、得られた粒子を乾燥させた後、公知のハンマーミル等の粉砕機にて所定のメッシュサイズ、回転速度で微粉砕処理を行う方法等が挙げられる。
【0016】
[パラ型全芳香族ポリアミド微粒子の材料]
〔カーボンブラック〕
(構成)
本発明に用いられるカーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。例えば、アセチレンブラック(デンカ社製、「デンカブラック」)、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
【0017】
(一次粒子径)
本発明に用いられるカーボンブラックの一次粒子径は、好ましくは10〜100nmの範囲であり、さらに好ましくは15〜90nmの範囲、最も好ましくは20〜80nmの範囲である。ここで、「一次粒子径」とは、粒子が凝集し二次粒子を形成する前の粒子径をいう。
一次粒子径が10nm未満の場合には、表面エネルギーが高いため凝集を起こしやすく、得られるパラ型全芳香族ポリアミド微粒子の圧縮強力を低下させる恐れがある。一方で、一次粒径が100nmを超える場合には、二次構造単位であるストラクチャーまたはクラスターともよばれる二次粒子が粗大凝集物となり、パラ型全芳香族ポリアミド微粒子における欠陥異物となるため好ましくない。
【0018】
(含有量)
パラ型全芳香族ポリアミド微粒子におけるカーボンブラックの含有量は、パラ型全芳香族ポリアミドに対して1〜40質量%の範囲であり、好ましくは1.2〜30質量%の範囲であり、さらに好ましくは1.5〜15質量%の範囲である。1質量%以下では着色効果が薄く、一方で、40質量%を超えると、カーボンブラックとパラ型全芳香族ポリアミドとが分離する場合がある。
【0019】
〔パラ型全芳香族ポリアミド〕
(構造)
本発明の微粒子を構成するパラ型全芳香族ポリアミドは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、主としてパラ位にてアミド結合により直接連結されたポリマーである。芳香族基としては、2個の芳香環が、酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものであってもよい。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、またはクロル基等のハロゲン基等が含まれていてもよい。
【0020】
〔パラ型全芳香族ポリアミドの製造方法〕
本発明に用いられるパラ型全芳香族ポリアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸クロライド成分と、芳香族ジアミン成分とを反応せしめることにより、芳香族ポリアミドのポリマー溶液を得ることができる。
【0021】
(パラ型全芳香族ポリアミドの原料)
{芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分}
パラ型全芳香族ポリアミドの原料となる芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分は、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、テレフタル酸ジクロライド、2−クロロテレフタル酸ジクロライド、3−メチルテレフタル酸ジクロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド等を挙げることができる。これらのなかでは、汎用性や繊維の機械的物性等の観点から、テレフタル酸ジクロライドが最も好ましい。
また、これらの芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においては、パラ位以外の結合を形成するイソフタル酸ジクロライド等の成分が、少量の成分が含まれていてもよい。
【0022】
{芳香族ジアミン成分}
パラ型全芳香族ポリアミドの原料となる芳香族ジアミン成分としては、例えば、パラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラビフェニレンジアミン、5−アミノ−2−(4−アミノフェニレン)ベンズイミダゾール、1,4−ジクロロパラフェニレンジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。芳香族環に置換基が存在していても、あるいは、その他の複素環等が存在していても差し支えない。
また、これらは1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においては、パラ位以外の結合を形成するメタフェニレンジアミン等の成分が、少量含まれていてもよい。
【0023】
パラ型全芳香族ポリアミドの原料となる芳香族ジアミン成分としては、これらの内、2種類以上を用いることが好ましい。その組み合わせとしては、汎用性や繊維の機械的物性等の観点から、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの組み合わせが最も好ましい。
パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを組み合わせて用いる場合には、その組成比は特に限定されるものではないが、芳香族ジアミンの全量に対して、それぞれ30〜70モル%、70〜30モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ40〜60モル%、60〜40モル%、最も好ましくは、それぞれ45〜55モル%、55〜45モル%との範囲する。
【0024】
(原料組成比)
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.90〜1.10の範囲とすることが好ましく、0.95〜1.05の範囲とすることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比が0.90未満または1.10を超える場合には、芳香族ジアミン成分との反応が十分に進まず、高い重合度が得られないため好ましくない。
【0025】
(反応条件)
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との反応条件は、特に限定されるものではない。酸クロライドとジアミンとの反応は一般に急速であり、反応温度としては、例えば、−25℃以上100℃以下の範囲とすることが好ましく、−10℃以上80℃以下の範囲とすることがさらに好ましい。
【0026】
(重合溶媒)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造に用いるアミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として用いることも可能である。なお、用いる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
本発明に用いられるパラ型全芳香族ポリアミドの製造においては、汎用性、有害性、取り扱い性、パラ型全芳香族ポリアミドに対する溶解性等の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることが最も好ましい。
【0027】
(中和反応)
反応終了後には、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加して、中和反応を実施することが好ましい。
【0028】
(重合後処理等)
重合して得られる芳香族ポリアミドは、アルコール、水等の非溶媒に投入して沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。取り出された芳香族ポリアミドを再度他の溶媒に溶解し、その後に繊維の成形に供することもできるが、重合反応によって得られたポリマー溶液を、そのまま紡糸用溶液(ドープ)に調製して用いることも可能である。一度取り出してから再度溶解させる際に用いる溶媒としては、芳香族ポリアミドを溶解するものであれば特に限定されるものではないが、上記した芳香族ポリアミドの重合に用いられる溶媒とすることが好ましい。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらに何等限定されるものではない。
<測定・評価方法>
実施例および比較例においては、下記の項目について、下記の方法によって測定・評価を行った。
(1)固有粘度(IV)
98%濃度の濃硫酸中、ポリマー濃度0.5g/dLの溶液を、オストワルド粘度管にて30℃の温度で測定した。
(2)数平均粒子径
得られた微粒子を水中に分散させ、レーザー回折散乱式粒度分布計(日機装製、型式:MT−3000)を用いて、測定を行った。なお、本測定における微粒子の屈折率は、1.59とした。
(3)圧縮強力
微粒子を面積が1cmである金属性の筒状の型枠に3g入れ、その上部より筒状の型枠に収まる金属性の押し棒を挿入し、ハンドプレス機(東邦マシナリー(株)製、2段式油圧成形機、型式:TBP10−2)にて徐々に加重し、粒子が潰れて押し棒の位置が変移する点における加重を3で除した値を、圧縮強力とした。
【0030】
<実施例1>
[パラ型全芳香族ポリアミドの製造(ポリマードープの調製)]
パラフェニレンジアミン50質量部と3,4’−ジアミノジフェニルエーテル50質量部をNMPに溶解させ、これに、テレフタル酸ジクロライド100質量部を添加し、重縮合反応を行い、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドのパラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)を得た。このときのポリマー濃度は6質量%、ポリマーの固有粘度(IV)は3.38であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド微粒子の製造]
(カーボンブラックの導入)
カーボンブラック(大日精化工業(株)製、商品名:MPS−1504B1ack(T)、一次粒径:30nm)を、上記で得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液(ポリマードープ)に、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド質量に対して10質量%となるよう添加し、公知のミキサにて導入し、微粒子作製用溶液を得た。
(微粒子の製造)
得られた微粒子作成用溶液を、孔径が1mmのシリンジにて大過剰の水中に吐出し、ポリマーが凝固した糸状物を形成した。続いて、市販のジューサーミキサを用いて、糸状物を水中で粉砕処理し、3mm程度となったカット糸状物を得た。
引き続き、当該カット糸状物を乾燥し、ハンマーミル(三庄インダストリアル社製)にてメッシュサイズ0.7mm、ハンマー回転速度3000rpmにて粉砕処理を行い、黒色のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子を得た。得られた微粒子の数平均粒子径および圧縮強力の測定結果を、表1に示す。
【0031】
<実施例2>
カーボンブラックの含有量をコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド質量に対して5質量%とした以外は、実施例1と同様に微粒子を作成した。得られた微粒子の数平均粒子径および圧縮強力の測定結果を、表1に示す。
【0032】
<比較例1>
カーボンブラックを導入しない以外は、実施例1と同様に微粒子を作成した。得られた微粒子の数平均粒子径および圧縮強力の測定結果を表1に示す。
【0033】
<比較例2>
カーボンブラックの含有量をコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド質量に対して0.5質量%とした以外は、実施例1と同様に微粒子を作成した。得られた微粒子の数平均粒子径および圧縮強力の測定結果を、表1に示す。
【0034】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子は、黒色でかつ圧縮強力に優れるため、シールリング、摺動材等の意匠性および圧縮強度が求められる黒色複合材料等に特に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラ型全芳香族ポリアミドからなる微粒子であって、
前記微粒子の数平均粒子径が1〜300μmであり、
前記微粒子は、パラ型全芳香族ポリアミドに対して1〜40質量%のカーボンブラックを含有し、かつ
微粒子の圧縮強力が20〜30kg/cm/gであるパラ型全芳香族ポリアミド微粒子。
【請求項2】
前記カーボンブラックの一次粒子径が、10〜100nmである請求項1記載のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子。
【請求項3】
前記パラ型全芳香族ポリアミドは、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドである請求項1または2記載のパラ型全芳香族ポリアミド微粒子。