説明

パルスシーケンス、実際のフリップ角の決定方法、送信器電圧の調整方法、磁気共鳴装置、コンピュータプログラム製品および電子的に読み取り可能なデータ媒体

【課題】患者テーブル、従って検査対象の連続移動中に患者テーブルの一連の位置について負荷依存性のパラメータを確実に求めることを可能にする。
【解決手段】パルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスの実際に到達されるフリップ角を検査対象の連続移動中に決定することを可能にする少なくとも1つのエコー信号が生成され、パルスシーケンスの連続移動方向のグラジエントパターンは、それの第1モーメントがフリップ角の決定に使用される各エコー信号の時点で消滅するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルスシーケンス、検査対象の連続移動中にパルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスの実際のフリップ角を決定する方法、検査対象の連続移動中にRFパルスのための送信器電圧を調整する方法、磁気共鳴装置、コンピュータプログラム製品および電子的に読み取り可能なデータ媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴断層撮影法(MR断層撮影法)は、材料調査、薬剤開発およびとりわけ医学的診断において使用される画像形成方法である。磁気共鳴断層撮影法においては検査対象が均一な静磁場B0に曝される。検査対象の核スピン(略して、スピン)がこの磁場に対して平行に整列する。測定信号、特に画像を作成するために、この平衡状態が高周波パルス(英語の“radiofrequency pulse”を略して、RFパルスともいう)の照射によって先ず乱される。平衡状態への復帰時に放射される磁場が、傾斜磁場を与えることによって位置エンコードされ、1つ又は複数の受信パルスにより受信される。RFパルスは振幅変調されて搬送周波数により振動する所謂B1磁場を発生し、このB1磁場はB0磁場に対して垂直方向に向いている。RFパルスは、バンド幅Δfと、持続時間Tと、包絡線の時間的推移B1(t)とによって表されている。RFパルスのバンド幅内にある共鳴周波数を有するスピンの磁化は、RFパルスの終端で、
【数1】

なる角度だけ平衡位置から傾斜させられる。t0はRFパルスの投入時点であり、磁気回転比γ(英語:“gyromagnetic ratio”)は励起させられた核に依存した物理定数である。陽子に関しては、その値はγ=2п42.57MHz/Tである。
【0003】
角度α(傾斜角又はフリップ角とも呼ばれる)は、コントラストと、受信された信号から算定される画像の信号強度とに決定的な影響を及ぼす。画像形成シーケンスによって要求されるフリップ角が到達されないか、もしくは行き過ぎになると、それがコントラスト損失および信号損失を生じ、それらの深刻さは使用されるシーケンス技術に依存する。
【0004】
RFパルスによって発生されるB1磁場は、高周波増幅器の制御可能な出力電圧(もしくは送信コイルの電流)に関係するだけでなく、検査対象に依存した負荷、例えば患者の検査の場合には患者固有の負荷にも関係する。従って、フリップ角を正確に決定するためには、例えば所謂「送信器調整」時に静磁場内において検査対象ごとにかつ検査対象の位置ごとに、標準化された基準RFパルスに対して特定のB1磁場を発生してそれにより磁化の所望のフリップ角αを発生する高周波増幅器の出力電圧を決定することが必要である。以下において「送信器調整」の結果は送信器基準電圧又は略して基準電圧とも呼ぶ。検査対象が患者である場合には、患者ごとに、理想的には検査測定時に検査のために取られる患者テーブルの位置、従って患者の位置ごとに、このような決定が行なわれなければならない。以下において、検査対象としての患者について述べる。それらの情報は他の検査対象についても同様に当てはまる。
【0005】
基準RFパルスの持続時間もしくは包絡線とは異なっている持続時間もしくは包絡線B1(t)を有するRFパルスための高周波増幅器の出力電圧は、上記式(1)を利用して基準電圧に対して相対的に基準化される。
【0006】
送信器調整(および場合によっては、所望の画質を保証するために患者ごとに個別に行なわれなければならないその他の調整測定)のための時間的費用が総検査時間に追加され、従ってMR検査のコストが増し、検査による患者ストレスが増す。
【0007】
従って、検査時に種々の患者テーブル位置で測定をする場合、調整測定は最適な手法で何度か個別位置ごとに行なうべきである。このためには、各個別位置に順次接近して、調整測定のために患者テーブルを停止しければならない。これは極めて時間がかかり、従って魅力に欠ける。これは、例えば所謂多段(英語:“multi-step”)式の全身検査もしくは身体部分検査、特に患者テーブルの連続送り中に測定が行なわれる検査(例えば、「move during scan (MDS)法」、「continuously moving table (MRI)法」もしくは「syngoTimCT法(シーメンス社)」として知られている)の場合がそうである。
【0008】
調整測定とは、ここでは、MRシステムを特有の負荷に精密にチューニングすることを可能にするために、患者に特有に行なわれる、そして場合によってはテーブル位置に特有に行なわれるあらゆる測定のことであると理解される。調整測定は、上述において検討した送信器調整のほかに、一般に更に、コイルによって形成される振動回路のインダクタンス、キャパシタンスおよび抵抗に与える患者の影響を補償するためのコイルチューニング(英語:“coil tuning”)と、RF搬送周波数もしくはRF中心周波数(英語:“center frequency")を被観察核(大抵は自由水)の共鳴周波数に適合させるための周波数調整と、被検者もしくは検査対象によって乱される磁場の均一性を可能な限り再形成するための所謂「シム調整」とを含む。
【0009】
患者テーブルの連続移動中に行なわれるMR測定に関する多くの刊行物では、患者特有の調整測定が完全に放棄されている。その代わりに、負荷に依存した調整値に対して、例えば患者に依存しないシステム値又は経験に基づいて求められた経験値が用いられ、従って画質の制限を我慢している。例外は非特許文献1である。著者は、連続移動中の調整値の変更について記述している。その際に使用される調整値は、本来の測定の前に、所謂「プリスキャン(Prescan)」において、全身を16個の停留点に分けて静止状態で、即ちその都度テーブルを停止して求めている。
【0010】
公知の調整方法は、静止状態で頻繁に反復的に行なわれ、即ち先ず開始電圧が選択されてその方法によって開始電圧により得られるフリップ角が決定される。そのフリップ角が基準RFパルスの目標フリップ角(例えば180°又は90°)から著しくはずれている場合には、先行の反復ステップにおいて測定されたフリップ角と目標フリップ角とを用いて新たな送信器電圧が推定され、そのようにして求められた送信器電圧により、この方法が繰り返される。その反復は、測定されたフリップ角と目標フリップ角との間の偏差が規定の閾値を下回った際に終了する。
【0011】
例えば特許文献1から患者テーブルの連続送り中の送信器調整は既に公知であり、それによって、調整測定のための全ての個別位置に順次接近して患者テーブルを停止しなければならないという上述の問題を回避することができる。
【0012】
この種の方法は、患者テーブルの連続送り中に測定を行なうMR検査用のシーメンス社の磁気共鳴装置において使用することができる。静止状態で反復されるのではなくて、開始電圧と目標フリップ角と測定フリップ角とにより推定された送信器電圧が基準送信器電圧に等しく設定される。連続移動のために個々の反復ステップの間で負荷も変化すること(従って、収束を前提にし得ないこと)、ならびに一定の患者テーブル速度において送信器基準電圧の予め与えられた位置分解能をテーブル位置の関数として得るためには調整測定ごとの時間が一定でなければならないことを基本にしている。
【0013】
送信器調整のための公知の方法は、所望の基準RFパルスを実現するために必要な高周波増幅器の出力電圧を、図1に模範的に示されている3つのRFパルスからなるシーケンスにより求める。
【0014】
この方法は、初めてペーテル・フアン・デル・ミユーレン(Peter van der Meulen)およびゲリット・ハー・ファン・イエペレン(Gerrit H. van Yperen)の両氏によって1986年にSMRMの第5回年次総会において発表され(非特許文献2参照)、そして特許(特許文献2参照)として認可された方法を基礎にしている。これは、図1および図2に示し以下に説明するような3つのRFパルスを有するパルスシーケンスを使用する。
【0015】
α1が第1RFパルスのフリップ角、α2が第2RFパルスのフリップ角、α3が第3RFパルスのフリップ角、τ1が第1RFパルスと第2RFパルスとの間の時間間隔、τ2が第2RFパルスと第3RFパルスとの間の時間間隔であるとすると、5個までのエコーE1,S1,E2,E3,E4が得られ(図1参照)、特に、第1スピンエコーE1が第2RFパルス後に時間τ1で得られ、励起エコーS1が第3RFパルス後に時間τ1で得られる。
【0016】
フリップ角α1〜α3と検査組織の緩和時間T1,T2との関数としてのエコーの強度は簡単に解析的に算出可能である。第1スピンエコーの強度IE1についての結果は、例えば、
【数2】

であり、励起エコーの強度IS1は、
【数3】

である。この場合に、
【数4】

は熱平衡状態での磁化の値である。
【0017】
フリップ角α1,α2,α3の相対値はシーケンスにおけるRFパルスの設計によって(例えば、さもなければ同一であるRFパルスの時間により)調整可能であるので、求めようとするフリップ角の絶対値を少なくとも2つのエコーの強度の測定によって決定することができる。非特許文献2による方法は、例えば、3つのフリップ角をα1=α2=α3=αのように等しく選び、図2におけるようにz方向の一定の傾斜磁場(以下、グラジエントという)のもとで生じる第1スピンエコーの強度および励起エコーの強度を測定する。その際に、上記の式(2),(3)により、求めようとするフリップ角の絶対値が強度比IS1/IE1からもたらされる。即ち、
【数5】

であり、従って、
【数6】

である。
【0018】
z方向(静磁場B0の方向)における一定のグラジエントGzは多数の働きを有する。RF励起中には、グラジエントGzはz方向において励起ボリュームを限定するスライス選択グラジエントとして用いられる。その際に限定はグラジエントの振幅および使用されるRFパルスのバンド幅Δfに依存する。信号受信中には、グラジエントGzはエコー信号をz方向に沿って周波数エンコードするリードアウトグラジエントとして利用される。それゆえ、両エコー信号E1,S1の1次元離散複素フーリエ変換後に、z方向に沿ってそれぞれ1つの1次元複素スライスプロフィールPS1(z)もしくはPE1(z)が得られる。上記の式(4)においては、一般的に、IS1=|PS1(z0)|もしくはIE1=|PE1(z0)|について、それぞれのスライスプロフィールの中心ピクセルの強度値が使用される。これは、励起ボリュームの中心z0において平均フリップ角を決定することを意味する。従って、「平均フリップ角」というのは、2つの異なった空間方向に沿ったその方法の不足する位置分解能のゆえに、エコー信号がこれらの両方向に沿って特有に複素積分される(それにより平均化される)からである。従って、式(4)におけるT1値については、投影ボリューム内の組織の平均T1値も使用できる。
【0019】
特許文献3には静止状態での測定の際における送信器の調整のための今しがた説明した方法の修正版が使用されている。第2RFパルスのフリップ角が第1RFパルスおよび第3RFパルスのフリップ角の2倍に選ばれ、従ってα1=α3=αおよびα2=2αに選ばれる。求めようとするフリップ角αは次の式(5)、即ち、
【数7】

から決定される。従って、式(5)における複素乗算のために、この方法は位相依存性である。
【0020】
静止状態での測定の際における送信器電圧の調整のための他の方法が、例えば非特許文献3に記載されている。そこでは、z方向の一定のグラジエントのもとでエコーE1,E2,E3,E4を発生するために、同様に図1に示された3つのRFパルスのシーケンスが使用されるが、しかしそこでは、第1エコーE1および励起エコーS1に基づいてではなくて、第3エコーE3のみに基づいて、90°RFパルスもしくは180°RFパルスの発生のために必要とされる送信器電圧が決定される。
【0021】
静止状態での測定の際における送信器電圧の調整のための他の方法が非特許文献4に記載されている。そこでは、z方向における一定のグラジエントのもとでエコーE1,E2,E3,E4を発生するために、同様に図1に示されたシーケンスが使用されるが、しかしそこでは送信器電圧が、第3RFパルス後に生じるエコーE1,E2,E3,E4に基づいて、もしくはエコーS1,E2,E4に基づいて決定される。
【0022】
既述の方法は静止状態での測定に関しては良好に動作する。しかし、患者テーブルの連続送りを伴う測定の際における送信器電圧の調整に対しては、それらの方法は同じように満足できる結果をもたらさない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第7145338号明細書
【特許文献2】米国特許第4814708号明細書
【特許文献3】独国特許第102005061567号明細書
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】A.ShankaranarayananおよびJ.Brittain共著の論文“Continuous Adjustment of Calibration Values for Improved Image Quality in Continuously Moving Table Imaging”, Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med.11 (2004),#103
【非特許文献2】Peter van der MeulenおよびGerrt H. van Yperen共著の論文“A novel method for rapid pulse angle optimisation”, Proceedings of the 5th Annual Meeting of SMRM 5th Annual Meeting of SMRM;(1986), p.1129
【非特許文献3】Permanほか共著の論文“A Method for Correctly Setting the RF flip angle”, MRM9: 16-24 (1989)
【非特許文献4】Carlsonほか共著の論文 “Rapid Radiofrequency Calibration in MRI”, MRM15: 438-445 (1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従って、本発明の課題は、患者テーブル、従って検査対象の連続移動中に患者テーブルの一連の位置について負荷依存性のパラメータを確実に求めることを可能にするパルスシーケンス、パルスシーケンスの実際のフリップ角の決定方法、パルスシーケンスによるRFパルスのための送信器電圧の調整方法、磁気共鳴装置、コンピュータプログラム製品および電子的に読み取り可能なデータ媒体を提供することにある。
【0026】
本発明は次の考察に基づいている。
【0027】
以下において、時点t0=0で励起パルスRF1によって横軸平面へ倒されて、時間的に変化する傾斜磁場Gz(t)に沿って一定速度vZで移動する小さいスピン集合体の1次元の動きを考察する。この場合にz軸の零点はその傾斜磁場のアイソセンタと一致している。
【0028】
0は時点t0での前記スピン集合体の位置であり、従って、これから遅れた時点での位置z(t)は、
z(t)=z0+vZ(t−t0
である。
【0029】
傾斜磁場Gz(t)によって累積される時点tでのスピン集合体位相は、
【数8】

となる。式(6)は、しばしばグラジエントパターンのモーメントの関数として、
【数9】

と記述され、この場合にグラジエントパターンの所謂第nモーメントmn(t)が、
【数10】

によって与えられる。
【0030】
スピンエコーシーケンスの場合、各リフォーカスRFパルスはそれのアイソディレイ(Iso delay)時点の前に累積された位相の符号を打ち消すことが付加的に考慮されるべきである。この場合に対称なリフォーカスパルスのアイソディレイ時点がそのリフォーカスパルスの中心と一致する。
【0031】
エコーの時点での累積位相は特に関心を持たれる。
【0032】
ここで、特に図2の調整シーケンスを考察し、式(7)を用いて第1スピンエコーE1の時点t=2τ1および励起エコーS1の時点t=2τ1+τ2での位置z(t)における小さいスピン集合体の累積位相を算出するならば、第0モーメント、従って式(7)の第1項は、エコーE1,S1の時点でそれぞれ零である。
【0033】
スピンエコーE1に関しては、このことが明白である。第1スピンエコーE1は、第2RFパルスRF2が第1RFパルスRF1のFIDをリフォーカスすることによって生じる。第1RFパルスRF1とリフォーカスパルスRF2との間で累積される第0モーメントは、RF2とスピンエコーE1との間で累積される第0モーメントと等しい値GZτ1を持つ。両値の符号は逆であり、従って総和は零である。FID(英語:free induction decay、自由誘導減衰)とは、個々のRFパルスによって誘導されるスピン系の過渡信号のことである。
【0034】
全部で3つのRFパルスRF1,RF2,RF3の相互作用にて励起エコーS1が生じる。第1RFパルスRF1は、ここでもスピン集合体の磁化を横軸平面へ倒す励起パルスとして動作する。第2RFパルスRF2は、励起エコーの出現時に所謂リストアパルス(Restore-Puls)として動作する。即ち、第2RFパルスRF2は横磁化の部分を縦方向へ倒し返し、その後その横磁化の部分は第3RFパルスRF3によって再び横軸平面へ倒される。この磁化は第2RFパルスと第3RFパルスとの間において縦方向に記憶されていると言われる。何故ならば、縦磁化として傾斜磁場によって影響されず、比較的緩やかなT1緩和の影響下にあるにすぎないからである。従って、第3RFパルスRF3の直後に、磁化は第2RFパルスRF2の直前と同じ大きさおよび逆の符号を持つ。従って、第3RFパルスRF3と励起エコーS1との間で累積された第0モーメントが再び第1RFパルスと第2RFパルスとの間で累積されたモーメントを相殺する。
【0035】
第1モーメントの場合には違うように見える。何故ならばこの場合には時間が直線的ではなくて2乗的に到来するからである。第1スピンエコーE1の時点t=2τ1で、式(8)から、
【数11】

が得られる。その際に時間軸の原点は、第1RFパルスのアイソディレイ時点に選ばれる。このアイソディレイ時点は、SINCおよび矩形パルス(従って対称RFパルス)の場合に、良好な近似でRFパルスの中心と一致する。
【0036】
時点t=2τ1+τ2で、再び式(8)から、
【数12】

が得られる。従って、第1スピンエコーE1および励起エコーS1の時点での第1モーメントは零に等しくなく、互いに異なる。もう一度式(7)を考察すると、第1モーメントが静止スピン系(vZ=0)に対しては位相に影響を及ぼさないことが分かる。
【0037】
従って、次の仮定が本発明の基礎をなす。患者テーブルの連続送り中の送信器調整のための公知の方法の非機能性の原因は、スピンが患者テーブルの移動によって累積する付加的な位相にある。
【0038】
それゆえ、患者テーブルの連続送りの際における調整方法の問題は、テーブル送り方向にグラジエント(傾斜磁場)を与えないことによって簡単に解消することができる。もちろん、これは調整方法の基本的な修正を意味する。何故ならば、例えば送信コイルのB1推移も方向依存性であるからである。
【0039】
この問題を解消する他の可能性は、テーブル送り方向のグラジエントパターンを、第0モーメントおよび第1モーメントがその都度調整のために読み出されるエコーの時点で消滅するようなものに置き換えることにある。これは、原理的な調整方法を維持しながら調整シーケンスを本発明に従って修正することよって可能である。
【課題を解決するための手段】
【0040】
前記課題は、本発明によれば、請求項1によるパルスシーケンス、請求項9によるパルスシーケンスの実際のフリップ角の決定方法、請求項10によるパルスシーケンスによるRFパルスのための送信器電圧の調整方法、請求項12による磁気共鳴装置、請求項13によるコンピュータプログラム製品、請求項14による電子的に読み取り可能なデータ媒体によって解決される。
【0041】
本発明によるパルスシーケンスは、そのシーケンスの少なくとも1つのRFパルスによって実際に到達されるフリップ角を検査対象の連続移動の際に決定することを可能にする少なくとも1つのエコー信号を生成し、かつ検査対象の連続移動方向のグラジエントパターンを、その第1モーメントがフリップ角の決定に使用される各エコー信号の時点で消滅するように構成することを含む。
【0042】
グラジエントパターンの第1モーメントがエコー時点で消滅することによって、検査対象の連続移動によるスピンの望ましくない位相の累積が効果的に抑制される。それにより、エコー信号のディフェージングを生じかつ未知の磁場分布ゆえに後からの計算による補正を不可能にする望ましくない位相作用が回避される。
【0043】
パルスシーケンスのRFパルスは選択性であっても非選択性であってもよい。
【0044】
簡単な実施例において、パルスシーケンスは、少なくとも2つから5つまでのエコー信号を生成し得るように照射される少なくとも3つのRFパルスを含む。この種のパルスシーケンスは、パルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスの実際のフリップ角を簡単に決定することを可能にするエコー信号を生成する。
【0045】
1つの実施例において、パルスシーケンスの、検査対象の連続移動方向に対して垂直な方向のグラジエントパターンが、望ましくない信号を抑制するためのクラッシャグラジエント(crusher gradient)を含む。
【0046】
測定ボリュームを通した検査対象の連続移動のもとでのMR(磁気共鳴)測定中に到達されるパルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスの実際のフリップ角を決定する本発明による方法は、
少なくとも1つのRFパルスを含むパルスシーケンスを検査対象の連続移動時に実行するステップと、
MRシーケンスの少なくとも1つのエコー信号を検出するステップと、
パルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスによって実際に到達されたフリップ角を、検出したエコー信号に基づいて決定するステップとを含み、
MRシーケンスの、検査対象の移動方向のグラジエントパターンが、検出されたエコーのエコー時点で第1モーメントが消滅するように構成されている。
【0047】
パルスシーケンスに関して既に述べたように、検査対象の移動方向のグラジエントパターンの第1モーメントがエコー時点で消滅することは、検査対象の移動によるスピンの付加的位相の累積を回避し、それによりフリップ角の健全な決定を可能にする。
【0048】
RFパルスのための送信器電圧を調整する本発明による方法は、測定ボリュームを通した検査対象の連続移動時に上述の方法に基づいて決定されたフリップ角から検査対象の瞬時位置に関して基準RFパルスのための送信器基準電圧を決定する。
【0049】
本発明による磁気共鳴装置は、磁気共鳴装置の測定ボリュームを通して連続的に移動可能な患者テーブルと、磁石と、RFパルスを照射しエコー信号を受信する高周波アンテナと、グラジエントコイルを含むグラジエントシステムと、グラジエントコイルおよび高周波アンテナを制御するためのパルスシーケンス制御ユニットとを備え、パルスシーケンス制御ユニットが、上述のパルスシーケンスを患者テーブルの連続移動中に発生するように構成され、更に本発明による磁気共鳴装置は、上述の方法に従って磁気共鳴装置の個々の設備構成要素を制御する計算ユニットを備えている。
【0050】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、プログラムを含み、磁気共鳴装置のプログラミング可能な計算ユニットのメモリ内に直接的にロード可能であり、プログラムが磁気共鳴装置の計算ユニット内で実行されるときに磁気共鳴装置により上述のパルスシーケンスを発生させるための、および/または上述の方法の全てのステップを実行するためのプログラム手段を有する。
【0051】
本発明による電子的に読み取り可能なデータ媒体は、記憶された電子的に読み取り可能な制御情報を有し、該制御情報は、磁気共鳴装置の計算ユニット内でのデータ媒体の使用時に磁気共鳴装置により上述のパルスシーケンスを発生させるように、および/または上述の方法の全てのステップを実行するように構成されている。
【0052】
パルスシーケンスと、測定ボリュームを通した検査対象の連続移動のもとでのMR(磁気共鳴)測定中に到達されるパルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスの実際のフリップ角の決定方法とに関して記載した利点は、RFパルスのための送信器電圧を調整する本発明による方法、本発明による磁気共鳴装置、本発明によるコンピュータプログラム製品および本発明による電子的に読み取り可能なデータ媒体についても当てはまる。
【0053】
本発明の他の利点および詳細を以下に記載する実施例からならびに図面に基づいて明らかにする。挙げられた例は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は5個までのエコー信号を発生させるための公知のシーケンスを概略的に示すタイムチャートである。
【図2】図2は特定の送信器電圧により到達されたフリップ角αを決定するための公知のパルスシーケンスを示すタイムチャートである。
【図3】図3は本発明によるフリップ角の決定方法の実施例についての本発明によるシーケンスを例示するタイムチャートである。
【図4】図4は本発明によるフリップ角の決定方法の実施例についての本発明による他のシーケンスを例示するタイムチャートである。
【図5】図5は本発明によるフリップ角の決定方法の実施例についての本発明による他のシーケンスを例示するタイムチャートである。
【図6】図6は本発明によるフリップ角の決定方法の実施例についての本発明による他のシーケンスを例示するタイムチャートである。
【図7】図7は本発明による方法についての概略フローチャートである。
【図8】図8は本発明による方法を実施する磁気共鳴装置の概略構成図である。
【図9】図9は本発明による方法により得られる調整値の例を示すダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は5個までのエコー信号を発生させるための公知のシーケンスの概略図を示す。フリップ角α1を有する第1RFパルス(α1パルス)と、フリップ角α2を有する第2RFパルス(α2パルス)とが照射され、第1RFパルス(α1パルス)後の時点2τ1で第1RFパルスのFIDのスピンエコー信号E1が生成される(FID:「自由誘導減衰」、英語“free induction decay”)。その後、α1パルス後の時点τ1+τ2で、フリップ角α3を有する第3RFパルス(α3パルス)が照射される。
【0056】
τ2>2×τ1なる仮定のもとで、時点2×τ1+τ2,2×τ2,τ1+2×τ2,2×(τ1+τ2)で、それぞれエコー信号S1,E2,E3,E4が発生する。S1は所謂励起エコーである。E2はα3パルスによるエコーのリフォーカスによって生じるスピンエコーである。E3はα3パルスによるα2パルスのFIDのリフォーカスによって生じ、E4はα3パルスによるα1パルスのFIDのリフォーカスによって生じる。
【0057】
図2は、特定の送信器電圧により到達されるフリップ角αを決定するために、例えば非特許文献2において既述の如く利用された公知のパルスシーケンスを示す。図1と違ってここではRFパルスおよびエコー信号が1つの共通な段に示され(上段「RF」に表示)、2段目には関連したz方向のグラジエント(傾斜磁場)Gzが示されている。
【0058】
図3は、3つのRFパルスからなるシーケンスを使用して第1スピンエコーE1ならびに励起エコーS1を読み出す本発明によるフリップ角の決定方法の格別に洗練された実施例についての本発明によるシーケンスを模範的に示す。
【0059】
図2に示されているシーケンスと異なり、この場合にはテーブル送り方向のグラジエントGzが、正の振幅P1,P2,P3,P4,P5を有する5つの台形状のグラジエントと、負の振幅N1,N2,N3,N4を有する4つの台形状のグラジエントとを含むとよい。
【0060】
検査対象の連続移動方向(ここではz方向)に与えられている正の台形状のグラジエント(傾斜磁場)は、RF照射中のスライス選択に利用され、もしくは読み出すべきエコー信号のリードアウトグラジエント(読み出しグラジエント)として利用される。図3の実施例においては、正のグラジエントの全ては等しいフラットトップ振幅を持つ。用語「フラットトップ」(flattop)は、MR技術においては、台形状グラジエントの短い上底に対して使用され、時には「プラトー(plateau)」とも呼ばれる。台形状グラジエントの立ち上がり側面もしくは立ち下がり側面は「ランプ(ramp)」と呼ばれる。
【0061】
パルスシーケンスの第2RFパルスα2および第3RFパルスα3のスライス選択グラジエントのフラットトップの時間およびエコーE1のリードアウトグラジエントのフラットトップの時間は、図3に示された実施形態では等しい長さである。RFパルスα2,α3のアイソディレイ時点は時間的にそれぞれスライス選択グラジエントのフラットトップの中心と一致する。同様にエコーE1の中心は時間的に第1リードアウトグラジエントP3の中心と一致する。第1RFパルスのアイソディレイ時点後の、その第1RFパルスα1のスライス選択グラジエントのフラットトップの時間(期間)は、第2RFパルスのアイソディレイ時点前の、その第2RFパルスα2のスライス選択グラジエントのフラットトップの時間(期間)とちょうど同じ長さである。同様に、励起エコーS1までの第2リードアウトグラジエントP5のフラットトップの時間は、第3RFパルスα3のアイソディレイ時点からの第3RFパルスα3のスライス選択グラジエントP4のフラットトップの時間に一致する。
【0062】
ここで選ばれた図および後に続く図において、第1RFパルスα1のスライス選択グラジエントは他のRFパルスのスライス選択グラジエントと同じではあるが、第1RFパルスα1のために比較的自由にスライス選択グラジエントの異なった形も選択可能である。パルスシーケンスのRFパルスが検査対象の連続移動方向のスライス選択グラジエントを全く持たないことも考えられ得る。しかし、フリップ角の決定に使用されるそれぞれのエコー時点で第1モーメントが消滅する条件は、どんな場合にも維持されたままである。図示されていない実施例では、検査対象の連続移動方向のグラジエントが全く与えられず(Gz=0)、これも同様に上述の条件を満たす。
【0063】
従って、台形状グラジエントは、RFパルス例えばα2のアイソディレイ時点からの、1つのスライス選択グラジエントのフラットトップの時間(期間)が、直ぐ後に続く1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの、付属エコー例えばE1の時点までの時間(期間)と一致するように形成されている。付加的に、そのスライス選択グラジエントの右側のランプの時間(期間)はその直ぐ後に続くリードアウトグラジエントの左側のランプの時間(期間)に等しく選定されている。
【0064】
同様に、エコー例えばE1の時点からの、1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの時間は、直ぐ後に続く1つのスライス選択グラジエントのフラットトップの、RFパルス例えばα3のアイソディレイ時点までの時間と一致する。付加的に、そのリードアウトグラジエントの右側のランプの時間は、その直ぐ後に続くスライス選択グラジエントの左側のランプの時間に等しく選定されている。
【0065】
更に、後で図5および図6に関連して示す実施例では、エコー例えば図5におけるS1,E2もしくはE3の時点からの、1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの時間が、直ぐ後に続く1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの、付属のエコー例えば図5におけるE2,E3もしくはE4の時点までの時間と一致し、そのリードアウトグラジエントの右側のランプの時間がその直ぐあとに続くリードアウトグラジエントの左側のランプの時間に等しいとよい。
【0066】
グラジエント振幅、フラットトップ時間およびランプ時間のちょうど今説明した選定によって、ハーフポジティブ隣接グラジエント(下記参照)とも呼ばれる2つの隣接する正の(半)グラジエントによってスピンから取得される第0モーメントおよび第1モーメントが、それぞれ、RFパルスのアイソディレイ時点と読み出すべきエコーのエコー時点とのグループからの直接的に相前後する時点の間において、直接的に相前後するアイソディレイ時点もしくはエコー時点の間の中心に時間的に位置する対称中心を有する対称的な負の台形グラジエントによって補償される。従って、図示のグラジエントパターンは、格別に洗練された態様で、検査対象の連続移動方向のグラジエントの第1モーメントが、取得されたエコー信号の時点で消滅するという条件を満たす。
【0067】
図3に関する更なる説明:最後に取得されるエコーまで、ここではスピンエコーS1まで、各正のグラジエントP1,P2,P3,P4,P5の後に1つの負のグラジエントN1,N2,N3,N4が続き、また逆に各負のグラジエントの後に1つの正のグラジエントが続く。全ての正のグラジエントP1,P2,P3,P4,P5は等しい振幅および等しい長さのフラットトップを持つ。各正のグラジエントP1,P2,P3,P4,P5のフラットトップの各中心は、3つのRFパルスのうちの1つのアイソディレイ時点(対称RFパルスの場合にアイソディレイ時点はそのRFパルスの対称中心に一致する)に一致するか、又は両エコーのうちの1つに一致する。負のグラジエントN1,N2,N3,N4の形状は対称であり、次のようになっている。即ち、第0モーメントの大きさが、左側の隣接グラジエントのフラットトップの中心とそれの終端との間で累積される第0モーメントと、右側の隣接グラジエントの始端とそれのフラットトップの中心との間で取得されるモーメントとからなる和に等しい(以下において「ハーフポジティブ隣接グラジエントとも呼ぶ)。従って、2つの相前後する正のグラジエントの中心の間で累積された第0モーメントは零に等しい。
【0068】
これは、図3において、第1スピンエコーE1のエコー時点と第3RFパルスα3のアイソディレイ時点との間におけるグラジエントP3,N3,P4の前記条件を満たすハッチング面積によって模範的に示されている。即ち、P3およびP4に属するハッチング面積の和の大きさがN3に属するハッチング面積の大きさに一致し、それによってこれらは互いに逆の極性のために相殺され、ハッチング領域全体にわたって(および2つの相前後する正のグラジエントの中心間の異なった部分領域において)累積された第0モーメントの総和が零になる。
【0069】
各負のグラジエントN1,N2,N3,N4の対称中心は、上記で定義した「ハーフポジティブ隣接グラジエント」の重心と一致する。従って、2つの正の半グラジエントとその間に存在する負のグラジエントとから形成されるグラジエントのサブパターンは対称である。
【0070】
それによって、第0モーメントおよび第1モーメントがRFパルスα1,α2,α3のそれぞれのアイソディレイ時点に対してもエコーE1,E2のそれぞれの時点に対しても零であることが格別に巧みに達成される。
【0071】
第0モーメントについては、このことが設計自体から結論される。何故ならば、それぞれの第0モーメントが上述の如く相殺されるからである。第1モーメントについては、前記の式(8)を用いた直接的な積分によって理解することができる。しかし、対称なグラジエントパターンの第1モーメントは、第0モーメント全体が対称中心に集中しているかのように算定することができる規則からも結論される(例えば、Bersteinほか、J.Magn.Reason. Imaging 2: 583-588を参照)。即ち、
1=m0Δt (対称なグラジエントパターン) (11)
である。但し、Δtは考察されるグラジエントパターンの対称中心と第1モーメントm1を必要とする時点との間の時間間隔である。
【0072】
1つの負のグラジエントN1,N2,N3,N4とこれに接する2つのハーフポジティブ隣接グラジエントとからなる上記で定めた対称なサブパターンに、(励起RFパルスα1を基準時点とした)時点τ1(第2RFパルスα2の時点)、2τ1(第1スピンエコーE1の時点)、τ1+τ2(第3RFパルスα3の時点)、2τ1+τ2(励起エコーS1の時点)で、前述の規則を順次適用するならば、それぞれ、式(11)からm1=0が結論される。何故ならば、サブパターンの第0モーメントm0がそれぞれ零(m0=0)であるからである。
【0073】
更に、図3における3段目には、いわゆるクラッシャグラジエントとして用いられるグラジエントGyが示されている。このグラジエントGyは、第1スピンエコーE1の前の第2RFパルスα2のFIDもしくは励起エコーS1の前の第3RFパルスα3のFIDをディフェーズさせて、各FIDがそれぞれ当該エコー信号に対して信号成分を供給しないようにする。第1RFパルスα1のFIDはクラッシャグラジエントによりディフェーズしない。何故ならば、さもないと全くエコーが発生しないからである。
【0074】
グラジエントGyの方向はテーブルの移動方向(ここではz方向)に対して直交するが、そうでない場合には任意である。直交条件は移動によって位相が獲得されないことを保証する。
【0075】
図示のクラッシャグラジエントGyは例示にすぎない。図3において第3RFパルスα3の左隣に示されたクラッシャグラジエント(左側から3番目のクラッシャグラジエント)は、第3RFパルスα3の後に励起エコーS1しか読み出されない場合、例えば省略することができる(しかし、省略しなければならないというわけではない)。何故ならば、後で励起エコーS1を形成する信号を有するスピンがこの時点では縦方向に整列しているからである。この場合には図3に示された3番目のクラッシャグラジエントを省略することが有利ですらある。何故ならば、それによって第3RFパルスα3の後において他のスピンエコーE2,E3,E4(例えば、図1参照)が抑制され、それゆえ他のスピンエコーE2,E3,E4と励起エコーS1との間の干渉が生じることなく時間τ2を短く選定することができるからである。
【0076】
図4は、3つのRFパルスからなるシーケンス(図1も参照)を使用し、かつRFパルスα1,α2,α3によって生成された第3スピンエコーE3を読み出す本発明によるフリップ角の決定方法の他の格別に洗練された実施例のための他の本発明によるシーケンスを示す。
【0077】
既に非特許文献3を参照して述べたように、第3RFパルスα3後の時点τ2で第3RFパルスα3によって第2RFパルスα2のFIDをリフォーカスすることによって生じる第3スピンエコーE3を用いて、90°RFパルスおよび180°RFパルスが決定される。(図3における如き)励起エコーS1の代わりに第3スピンエコーE3を本発明に従って読み出すために、図3に比べて、第5の正の台形グラジエントP5を時間的にτ2−τ1だけ後方にずらし、第4の負のグラジエントN4の対称中心を第3RFパルスα3後の時点τ2/2にずらさなければならない。第1スピンエコーE1のリードアウトグラジエントP3およびそれに続く負のグラジエントN3は、読み出されるエコーE3での第1モーメントの消滅の条件下でパターンを適合化するために省略するとよい。
【0078】
負のグラジエントN2およびN4の振幅を図3による負のグラジエントに比べて小さくし、そのためにそれらの時間的な長さを増すことは、図4に模範的に、負のグラジエントN4に関して、破線N4’として、また縮小された振幅と拡張された時間長とを有する実線N4として示しているように、第0モーメントが変化しないように行なう限り可能である。
【0079】
この場合にも、検査対象の連続移動方向に対して垂直な方向の適切なクラッシャグラジエントが与えられるとよい。図示のクラッシャグラジエントは可能な一例にすぎない。
【0080】
図5は、3つのRFパルスからなるシーケンス(図1も参照)を使用し、RFパルスα1,α2,α3によって生成されて第3RFパルスα3の後に生じるエコーS1,E2,E3,E4を読み出す本発明によるフリップ角の決定方法の他の実施例のための他の本発明によるシーケンスを示す。
【0081】
既に非特許文献4を参照して述べたように、第3RFパルスα3後の時点τ1での励起エコーS1と、第3RFパルスα3後の時点τ2−τ1での後続のスピンエコーE2と、第3RFパルスα3後の時点τ2でのスピンエコーE3と、第3RFパルスα3後の時点τ2+τ1でのスピンエコーE4とによって、RFパルスにより到達されるフリップ角を決定することができる。
【0082】
本発明による方法のためには、再びz方向(検査対象が移動される方向)へグラジエントを与えることが本発明に従って適合化されなければならない(図3に関して述べた条件参照)。そのためには、例えば図3と対比すると、(例えば、ここでも既存のリードアウトグラジエントと同じ振幅とフラットトップ時間を有する)3つの他の正のリードアウトグラジエントを付け加えなければならない。これらの付け加える正のリードアウトグラジエントの対称中心はそれぞれのエコーと時間的に一致する。図4の場合と同様に、第1スピンエコーE1の正のリードアウトグラジエントP3およびそれに続く負のグラジエントN3は省略することができる。何故ならば、この実施例では第1スピンエコーE1が読み出されないからである。
【0083】
2つのエコー間で累積される第0モーメントおよび第1モーメントを補償するために、正のグラジエントの間にそれぞれ対称な負のグラジエントが追加され、これらの追加された対称な負のグラジエントの対称中心は、それぞれ、2つの相前後するエコー(より正確に言えばそれぞれのエコー時点)の時間的中心と一致する。これは、エコーS1とE2、E2とE3、E3とE4に関して、それぞれ第3RFパルスα3後の時間(τ1+(τ2−τ1))/2=τ2/2、((τ2−τ1)+τ2)/2=τ2−τ1/2、(τ1+(τ2+τ1))/2=τ2+τ1/2に一致する。この場合に各負のグラジエントの面積は、左側のハーフ(ポジティブ)隣接グラジエントのうちのエコー中心(前のエコーのエコー時点に相当)から終端までの面積と、右側のハーフ(ポジティブ)隣接グラジエントのうちの始端からエコー中心(後のエコーのエコー時点に相当)までの面積との和によって与えられている。
【0084】
z方向に対して垂直な方向(ここではy方向)において、ここでも相応のクラッシャグラジエントが与えられ、第3RFパルスもしくは第2RFパルスのFIDがディフェーズされる。この場合に図示のクラッシャグラジエントは多くの可能性からの一例にすぎない。
【0085】
図6は、本発明によるフリップ角の決定方法の最後の実施例の部分変更のための他の本発明によるシーケンスを例示する。この方法は、この非特許文献4の440頁の終わりから2番目の段落において提案されているのと同様に、3つのRFパルスからなるシーケンス(図1も参照)を使用し、かつRFパルスα1,α2,α3によって生成され第3RFパルスα3の後に生じるエコーS1,E2,E4を読み出すが、E3は読み出さない。
【0086】
z方向において、つまり検査対象が移動される方向において、グラジエント(傾斜磁場)がここでも次のように配置されている。即ち、各RFパルスα1,α2,α3および各読み出されるエコーS1,E2,E4に対して、等しい振幅および等しいフラットトップ時間の正のグラジエントが与えられ、これらの正のグラジエントの間においてそれぞれ1つの負のグラジエントが与えられ、それにより2つの相前後する正のグラジエントの中心の間で第0モーメントが消滅し、そして2つの相前後する正のグラジエントの中心の間でグラジエントが鏡面対称に推移する。
【0087】
z方向に対して垂直な方向(ここではy方向)において、ここでも相応のクラッシャグラジエントが与えられている。クラッシャグラジエントは、さもなければ障害となる信号をディフェーズさせる。図示のクラッシャグラジエントはここでも例示にすぎない。
【0088】
図7は本発明による方法に対する概略フローチャートを示す。磁気共鳴装置によって検査対象の連続移動を開始する(ブロック101)。例えば、患者テーブルをその上にある検査対象と共に連続的に磁気共鳴装置の測定ボリュームを通して移動させる。
【0089】
検査対象の連続移動中に少なくとも1つのエコー信号を生成するパルスシーケンスを実行し、そのエコー信号から、シーケンスの少なくとも1つのRFパルスにより実際に到達されるフリップ角を決定することができ、シーケンスの、検査対象の連続移動方向のグラジエントパターンを、それの第1モーメントがフリップ角の決定に使用される各エコー信号の時点で消滅するように与える(ブロック102)。
【0090】
シーケンスにより生成されたエコー信号を読み出し(ブロック103)、それらのエコー信号をブロック104において実際のフリップ角を決定するために使用する。
【0091】
更に、特定のフリップ角から公知のように次の送信器基準電圧を決定する(ブロック105)。即ち、基準RFパルスが磁気共鳴装置内の検査対象の観察位置において特定のフリップ角、例えば90°又は180°に到達する送信器基準電圧である。この情報に基づいて、公知のように、後での検査対象の同一位置での検査の際に、他のフリップ角についても送信器電圧を調整することができる。
【0092】
更に、特定のフリップ角および/または送信器基準電圧を付属の位置と一緒に記憶させ、および/または例えば操作卓の表示装置に出力することができる(ブロック106)。
【0093】
ステップ101〜105を、検査対象の全ての関心位置が磁気共鳴装置内を通過し終えるまで、もしくは例えば患者テーブルが最大移動位置に到達したために連続移動がもはや継続できなくなるまで繰り返す。最終の場合に方法が「終了」となる。
【0094】
パルスシーケンスの実行および少なくとも1つのフリップ角の決定は、特に患者テーブル上に検査対象が横たわった直後に既に、例えば患者テーブルが検査対象の最初の検査位置に向かって移動させられている間に開始され、この移動中に接近する全ての「可能な」検査位置についてのフリップ角もしくは送信器基準電圧が求められるおよび/または記憶される。これらの位置のうちの1つの位置の近傍内において後で実際に検査が行なわれる際に、記憶値が読み出されて高周波増幅器の実際の出力電圧の算定に利用される。その際に、場合によっては、実際のテーブル位置に隣接する複数の「補間点」間で、フリップ角又は送信器基準電圧の形での調整結果のために平均化が行なわれる。それによって、さもなければ別々に行なわれる調整測定の時間が節約され、検査時間が相応に短縮される。その検査時間により、検査ためのコストと、検査によって患者がさらされるストレスとが低下する。患者が磁石の中に頭から先に入っていき、個々の検査位置が頭から足の方向へ移動するように患者が寝かせられている場合、初期移動の際に検査に必要な全ての調整測定を実行することができる。これは、特に、検査が非常に多くの異なったテーブル位置を含む場合に魅力的である。特別の多数の異なったテーブル位置は、例えば所謂全身検査の場合および所謂アイソセンタスクリーニングの場合に生じる。後者の場合は、実際に測定されるスライススタック(つまり実際に測定されるスライス)を磁石のアイソセンタに位置決めすることによって、最適な画質を得ようとするものである。更に、患者の快適性を高めかつ少なからぬ閉所恐怖症患者の検査を可能にするz方向の長さが短いMRシステム(英語:“Short bore system”、ショートボアシステム)を使用する場合に、従来のMRシステムにおける相応の検査に比べて一般に、異なるテーブル位置の数が高められる。
【0095】
図9は、図3による本発明の方法により患者テーブルの50mm/sの連続送り中に決定された送信器基準電圧TraUの値(菱形印)と、従来技術に基づいて静止状態で反復的に決定された送信器基準電圧TraUの値(丸印)との比較を、患者Pにおいて測定が行なわれた位置Posに関連させて示したダイアグラムである。送信器基準電圧TraUは、1ミリ秒の時間を有する矩形の基準RFパルスを持つ180°パルスを実現するために必要とされる送信器電圧である。本発明による方法に基づく送信器基準電圧の決定は反復的に行なわれないにもかかわらず、結果が良好に一致している。
【0096】
図8は磁気共鳴装置の構成をそれの主要な構成要素により概略的に示す。磁気共鳴イメージングにより患者の身体を検査するために、時間的および空間的な特性が正確に互いに同調されたつまり合わせられた種々の磁場が身体に照射される。
【0097】
高周波技術的に遮蔽された測定室3内に配置されたトンネル状開口を有する強い磁石、通常クライオマグネット5が、通常0.2テスラから7テスラ以上の強い静磁場7を発生する。検査対象、即ち検査すべき身体又は身体部位が、ここでは患者Pとして示されているが、磁気共鳴装置の測定ボリュームを通して連続的に移動可能な患者テーブル9の上に横たわっており、静磁場7の均一な領域(測定ボリューム)内に送り込まれる。
【0098】
身体の核スピンの励起は、ここではボディコイル13として示されている高周波アンテナにより照射される高周波磁気パルス(RFパルス)により行なわれる。高周波励起パルスはパルス発生ユニット15によって発生され、このパルス発生ユニットはパルスシーケンス制御ユニット17によって制御される。高周波励起パルスは、高周波増幅器19による増幅後に高周波アンテナへ導かれる。ここに示されている高周波システムは概略的に示されているにすぎない。
【0099】
一般に、1つより多いパルス発生ユニット15、1つより多い高周波増幅器19および複数の高周波アンテナが磁気共鳴装置1において使用される。
【0100】
更に、磁気共鳴装置1は複数の傾斜磁場コイル21を持ち、これらの傾斜磁場コイル21により測定時に、例えば選択スライス励起および測定信号の空間エンコーディングのために、傾斜磁場が照射される。傾斜磁場コイル21は傾斜磁場コイル制御ユニット23によって制御される。傾斜磁場コイル制御ユニット23は、パルス発生ユニット15と同様にパルスシーケンス制御ユニット17に接続されている。パルスシーケンス制御ユニット17は、本発明によるパルスシーケンスを発生し得るように構成されている。
【0101】
励起された核スピンから送出された信号がボディコイル13および/または局所コイル25によって受信され、付設の高周波増幅器27によって増幅され、受信ユニット29によって爾後処理されてディジタル化される。
【0102】
例えばボディコイル13のように送信モードでも受信モードでも動作できるコイルの場合には、正しい信号転送が前置接続された送信・受信切換器39によって規定される。
【0103】
画像処理ユニット31が測定データから画像を生成し、画像が操作卓33により使用者向けに表示され、あるいは記憶ユニット35に記憶される。中央計算ユニット37は、とりわけ測定データの取得中に個々の設備構成要素を制御する。中央計算ユニット37は、患者テーブル9の移動および本発明によるパルスシーケンスが実行可能であり、かつ本発明による方法が実行可能であるように構成されている。このために、例えば本発明によるコンピュータプログラム製品が実行可能に計算ユニット37にロードされるか、又は含まれている。コンピュータプログラム製品は、例えばDVD40のような電子的に読み取り可能なデータ媒体上に記憶されているとよい。それにより、このコンピュータプログラム製品は中央計算ユニット37によってDVD40から読み込まれて実行可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 磁気共鳴装置
3 測定室
5 クライオマグネット
7 静磁場
9 患者テーブル
13 ボディコイル
15 パルス発生ユニット
17 パルスシーケンス制御ユニット
19 高周波増幅器
21 傾斜磁場コイル
23 傾斜磁場コイル制御ユニット
25 局所コイル
27 高周波増幅器
29 受信ユニット
31 画像処理ユニット
33 操作卓
35 記憶ユニット
37 中央計算ユニット
39 送信・受信切換器
40 DVD
α1〜α2 RFパルス
τ1,τ2 時間
E1〜E4 スピンエコー
Gy クラッシャグラジエント
Gz テーブル送り方向グラジエント
N1〜N4 負のグラジエント
N4' 負のグラジエント
P 患者
P1〜P5 正のグラジエント
RF RFパルス
Pos 位置
S1 励起エコー
TraU 送信器基準電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのRFパルスの実際に到達されるフリップ角を検査対象の連続移動中に決定することを可能にする少なくとも1つのエコー信号を生成するためのパルスシーケンスであって、パルスシーケンスの前記検査対象の連続移動方向のグラジエントパターンを、それの第1モーメントがフリップ角の決定に使用される各エコー信号の時点で消滅するように構成してなるパルスシーケンス。
【請求項2】
パルスシーケンスが、少なくとも2つのエコー信号を生成し得るように照射される3つのRFパルスを含む請求項1記載のパルスシーケンス。
【請求項3】
検査対象の連続移動方向に垂直な方向のグラジエントパターンが、望ましくない信号を抑制するためのクラッシャグラジエントを含む請求項1又は2記載のパルスシーケンス。
【請求項4】
使用するエコー信号のリードアウトグラジエントと、パルスシーケンスの第2RFパルスおよび第3RFパルスからなる両RFパルスのうちの少なくとも一方のスライス選択グラジエントとが検査対象の連続移動方向を示す請求項2記載のパルスシーケンス。
【請求項5】
パルスシーケンスの1つのRFパルスのスライス選択グラジエントと、このRFパルスに直ぐ続く読み出すべき1つのエコー信号のリードアウトグラジエントとは、又は、
読み出すべき1つのエコー信号のリードアウトグラジエントと、このエコー信号に直ぐ続く1つのRFパルスのスライス選択グラジエントとは、又は、
直接的に相前後して読み出すべき2つのエコー信号のリードアウトグラジエントは、
それぞれ等しい振幅を有するそれぞれ台形状のグラジエントである請求項4記載のパルスシーケンス。
【請求項6】
パルスシーケンスの第2RFパルスおよび第3RFパルスのスライス選択グラジエントのフラットトップの時間と、それらのRFパルスの最後に読み出すべきエコー信号の前に少なくとも読み出すべきエコー信号のリードアウトグラジエントのフラットトップの時間とが等しい長さである請求項5記載のパルスシーケンス。
【請求項7】
台形状のグラジエントが次のように構成されている請求項5又は6記載のパルスシーケンス、
RFパルスのアイソディレイ時点からの、1つのスライス選択グラジエントのフラットトップの時間が、直ぐ後に続く1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの、エコーの時点までの時間と一致し、そのスライス選択グラジエントの右側のランプの時間が直ぐ後に続くリードアウトグラジエントの左側のランプの時間に等しいこと、
および/または、
エコーの時点からの、1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの時間が、直ぐ後に続く1つのスライス選択グラジエントのフラットトップの、RFパルスのアイソディレイ時点までの時間と一致し、そのリードアウトグラジエントの右側のランプの時間が直ぐ後に続くスライス選択グラジエントの左側のランプの時間に等しいこと、
および/または、
エコーの時点からの1つのリードアウトグラジエントのフラットトップの時間が、直ぐ後に続くリードアウトグラジエントのフラットトップの、エコーの時点までの時間と一致し、そのリードアウトグラジエントの右側のランプの時間が直ぐ後に続くリードアウトグラジエントの左側のランプの時間に等しいこと、
これらの両(隣接する半分の)グラジエントによってスピンから取得される第0モーメントおよび第1モーメントが、アイソディレイ時点および読み出すべきエコーのエコー時点のグループの中からの直接的に相前後する時点の間において、それぞれの直接的に相前後するアイソディレイ時点もしくはエコー時点の間の中央に時間的に位置する対称中心を有する台形グラジエントによって補償されること。
【請求項8】
検査対象の連続移動方向にグラジエントが与えられない請求項1記載のパルスシーケンス。
【請求項9】
測定ボリュームを通した検査対象の連続移動のもとでのMR(磁気共鳴)測定中に到達されるパルスシーケンスの実際のフリップ角を決定する方法であって、
少なくとも1つのRFパルスを含むパルスシーケンスを検査対象の連続移動時に実行するステップと、
MRシーケンスの少なくとも1つのエコー信号を検出するステップと、
パルスシーケンスの少なくとも1つのRFパルスによって実際に到達されたフリップ角を、検出したエコー信号に基づいて決定するステップとを含み、
MRシーケンスの前記検査対象の移動方向のグラジエントパターンが、検出されたエコーのエコー時点で第1モーメントが消滅するように構成されている、実際のフリップ角の決定方法。
【請求項10】
測定ボリュームを通した検査対象の連続移動のもとでRFパルスのための送信器電圧を調整する方法であって、検査対象の連続移動時に請求項9記載の方法に基づいて決定されたフリップ角から、検査対象の瞬時位置に関して基準RFパルスのための送信器基準電圧が決定される、送信器電圧の調整方法。
【請求項11】
患者テーブルの上に検査対象が寝かせられた直後に、患者テーブルが検査対象の最初の検査位置へ移動される間に、この移動中に通過する可能な全ての検査位置のための送信器基準電圧が求められるおよび/または記憶される請求項10記載の方法。
【請求項12】
磁気共鳴装置の測定ボリュームを通して連続的に移動可能な患者テーブルと、磁石と、RFパルスを照射しエコー信号を受信する高周波アンテナと、グラジエントコイルを含むグラジエントシステムと、グラジエントコイルおよび高周波アンテナを制御するパルスシーケンス制御ユニットとを備え、パルスシーケンス制御ユニットが、請求項1乃至8の1つに記載のパルスシーケンスを患者テーブルの連続移動中に発生し、更に請求項9乃至11の1つに記載の方法に従って磁気共鳴装置の個々の設備構成要素を制御する計算ユニットを備えてなる磁気共鳴装置。
【請求項13】
プログラムを含み、磁気共鳴装置のプログラミング可能な計算ユニットのメモリ内に直接的にロード可能であるコンピュータプログラム製品であって、プログラムが磁気共鳴装置の計算ユニット内で実行されるときに、磁気共鳴装置により請求項1乃至8の1つに記載のパルスシーケンスを発生させるための、および/または請求項9乃至11の1つに記載の方法の全てのステップを実行するためのプログラム手段を有するコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
記憶された電子的読み取り可能な制御情報を有し、該制御情報は、磁気共鳴装置の計算ユニット内でのデータ媒体の使用時に磁気共鳴装置により請求項1乃至8の1つに記載のパルスシーケンスを発生させるように、および/または請求項9乃至11の1つに記載の方法の全てのステップを実行するように構成されている電子的に読み取り可能なデータ媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−192185(P2012−192185A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60185(P2012−60185)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】