説明

パレット位置決め装置

【課題】簡単な装置及び動作により、パレットを3次元的に精度よく位置決めすることができるパレット位置決め装置を提供する。
【解決手段】パレット12に設けられた位置決め部34と、所定の位置に設けられた固定部材である筐体16のいずれか一方には、三角形の各頂点の位置に配置された球面状突起である鋼球35を備える。他方には、断面V字形の複数のV溝20b,22bが、互いに非平行の向きであって鋼球35による三角形を含む平面と平行に位置している。位置決め部34を駆動する駆動装置であるエアシリンダ24により、位置決め部34が移動し、各鋼球35とV溝20b,22bが嵌合して、各鋼球35の表面がV溝20b,22bの傾斜面に係止され位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワークを載せて搬送するパレットを所定の位置に固定するパレット位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パレットの位置決めを高精度に行う装置として、例えば、特許文献1に開示されているように、コンベア上に載置されたパレットの側面にV溝を2箇所設け、そのV溝に2本の位置決め矢を押し当ててパレットの位置決めを行うパレット位置決め機構が提案されている。
【0003】
また、特許文献2に開示されたパレット循環装置では、パレットを支持する昇降テーブル上面に、パレットのガイドローラが落ち込む傾斜切り欠きを設け、パレットの位置決めを行う構造が提案されている。
【特許文献1】特開平5−269652号公報
【特許文献2】特開平8−282834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のパレット位置決め機構にあっては、X軸方向(パレットの進行方向)とY軸方向(位置決め矢の押し当て方向)の位置決めは精度よくなされるが、Z軸方向(上下方向)は、パレットの両側面が挟持されたときに生じる傾きを制限することができない等の問題があり、精度が悪いものであった。
【0005】
また、特許文献2の位置決め用の傾斜切り欠きを設けた構造にあっては、X軸方向(パレットの進行方向)とZ軸方向(上下方向)の位置決めは比較的安定してなされるが、Y軸方向(パレット幅方向)については、テーブルの傾斜切り欠き構造上、位置決めの精度が悪いものであった。
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、簡単な装置及び動作により、パレットを3次元的に精度よく位置決めすることができるパレット位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ワークを搬送するパレットを係止して、所定の位置に固定するパレット位置決め装置であって、前記パレットに設けられた位置決め部と、前記所定の位置に設けられた固定部材のいずれか一方には、三角形の各頂点の位置に配置された球面状突起が設けられ、他方には、断面V字形の複数のV溝が、互いに非平行の向きであって前記球面状突起による三角形を含む平面と平行に形成され、前記位置決め部を駆動する駆動装置が前記所定の位置に設けられ、前記パレットは、前記駆動装置により前記位置決め部が移動し、前記各球面状突起と前記V溝が嵌合して、前記各球面状突起の表面が前記V溝の傾斜面に係止されることにより位置決めされるパレット位置決め装置である。
【0008】
前記駆動装置は、前記パレットの下方に位置して前記パレットを上下方向に移動させて位置決めするものである。
【0009】
前記パレットの位置決め部に、前記球面状突起が水平面上に位置して配置され、前記固定部材に固定された係合部材に、前記複数のV溝が設けられたものである。
【0010】
前記パレットの位置決め部に、前記複数のV溝が形成された係合部材が設けられ、前記固定部材に固定された係止部材に、前記球面状突起が水平面上に位置して配置されたものである。
【0011】
前記V溝は、T字形に形成されている。または、前記球面状突起は、正三角形の頂点の位置に各々配置され、対向する前記V溝は、前記正三角形の重心を中心軸にして互いに60度の角度で放射状に形成されたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明のパレット位置決め装置によれば、三角形の頂点をなす配置に形成された3個の球面状突起を、複数のV溝が有する一対の傾斜面にそれぞれ点接触で係止させるため、パレットを、固定部材に押し付ける一方向の動作により、3次元的に精度よく位置決めをすることができる。
【0013】
また、パレットを上下方向に移動させて位置決めすることにより、パレットが位置決めされる下方のデッドスペースを利用して駆動装置を構成することができ、パレット位置決め装置の小型化に寄与することができる。
【0014】
また、3個の球面状突起を正三角形の頂点をなす配置で形成し、かつ対向するV溝を正三角形の重心を軸にして互いに60度の角度で放射状に6本形成することによって、例えばパレットに対して水平方向に外力が加わった場合でも、その外力は、上記複数の点接触箇所に分散されるので、位置決め状態をより安定に維持することができる。
【0015】
さらに、パレットを左右一対の載置部上に載架可能な構造とし、その載置部に搬送ガイドを連設してパレットを搬入又は搬出可能に構成すれば、例えば、ワーク搬送ラインにおける各工程間のワーク搬送を容易に自動化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のパレット位置決め装置の第一の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、パレットにチャッキングされた金属部品等を搬送し加工等を行う搬送ラインを示す全体図である。搬送ラインは、例えば搬送ラインの両端に設けられた移載工程や、搬送ラインの端部や途中に設けられた複数の加工工程を備えたものである。それぞれの移載位置や加工位置ごとに、図示しないワーク移載装置や加工装置と位置決め装置10が設置されている。位置決め装置10は、搬送ラインの所定位置に設置され、パレット12は、各パレット位置決め装置10に設けられた支持部15に一端が支持・固定された搬送ガイド14に沿って、図示しない駆動装置またはパレットよって順次押されて送られる。
【0017】
位置決め装置10は、図2に示すように、側板部16aと天板部16bを有する固定部材である筐体16を備え、側板部16aの上端に天板部16bが設けられている。天板部16bは、幅方向に所定間隔を空けて一対の天板部16bが側板部16aの上端に取り付けられている。天板部16b上面の幅方向の両端には、脚部18aに支持された載置部18が一対取り付けられている。その一対の載置部18の内側上部は、L字状に切り欠かれて、本体受け部18bが形成され、後述するパレット12の本体板12aの端部が載架される。
【0018】
さらに、天板部16b上面の幅方向の中央付近には、支持板20aに支持された係合部材20と、支持板22aに支持された係合部材22とが一対に取り付けられている。係合部材20は、図3に示すように、板材の平面部分に、断面V字型の傾斜面を有するV溝20bをパレット12の進行方向であるX軸方向(以下、パレットの進行方向をX軸方向、パレットの進行方向と直交するパレット幅方向をY軸方向、XY軸方向と直交する上下方向をZ軸方向という。)に形成したものであって、V溝20bが支持板20aに対して内側下向きに露出させて支持板20aに取り付けられている。もう一方の係合部材22は、板材の平面部分に、V溝20bと同一形状のV溝22bをY軸方向に形成したものであって、V溝22bが支持板22aに対しての内側下向きに露出させて支持板22aに取り付けられている。このとき、各係合部材20,22の平坦な面部分は、同一XY平面内に配置されている。
【0019】
また、筐体16内部には、Z軸方向に昇降動作を行わせる駆動部材である片ロッド形のエアシリンダ24が設置されている。エアシリンダ24のロッド24aの上端には可動板24bが設けられ、可動板24b上面に2枚の当接板26がボルトで一体に螺子止めされており、そのボルトの頭部28は当接板26から上方に突出している。そして、この可動板24a及び当接板26は、一対の天板部16bの先端縁同士が対向する空隙部分に配置され、エアシリンダ24の駆動によって、Z軸方向に昇降する。
【0020】
一方、パレット12は、図2に示すように、断面T字型のテーブル30と、ワーク31をチャッキングするワーク保持部32と、横断面がドラム型の位置決め部34と、本体板12aとを備えている。テーブル30は、一対の鍔部30aが上側に、凸部30bが下側に配置され、上面にワーク保持部32が取り付けられている。さらに、ワーク31はワーク保持部32の上面中央部にチャッキングされる。
【0021】
位置決め部34は、胴部34aの上端やや下側に上鍔部34bが、胴部34aの上端には凸部34cが、胴部34aの下端には下鍔部34dが、それぞれ一体に形成されている。そして、上鍔部34bの上面はテーブル30の一対の鍔部30aの下面に対向して配置され、本体板12aを介して一体に螺子止めされている。
【0022】
下鍔部34dの上面は、載置部18に本体板12aが載せられた状態で、水平な面であって、図2、図3に示すように、3つの同一円形の凹部34eが正三角形の頂点をなす配置で、互いに同一の深さに形成され、その中に鋼球35の下半分が埋め込まれて接着固定され、球面状突起を形成している。そして、この3個の鋼球35は、パレット12を位置決めするとき、2個の鋼球35は、一方の係合部材20のV溝20bの傾斜面に嵌合し、残る1個の鋼球35は、他方の係合部材22のV溝22bの傾斜面に嵌合するよう配置されている。
【0023】
本体板12aは、中央に透孔12bが形成された、外形が略正方形の板材である。外形の幅は、上記一対の載置部18に形成された本体受け部18b側面の間隔より僅かに小さく設定されている。透孔12bには、テーブル30の凸部30bと、位置決め部34の凸部34cとが上下から挿入されている。そして、透孔12bの周辺部分は、テーブル30の一対の鍔部30aの下面と、位置決め部34の上鍔部34bの上面とに狭持され、その状態で一体に螺子止め固定されている。
【0024】
次に、位置決め装置10によってパレット12が位置決めされる動作を説明する。まず、パレット12は、搬送ガイド14に沿って搬送され、図2に示すように、本体板12a両端の下面が載置部18の本体受け部18bに載架されるよう、手前側から水平に差し入れられる。すると、位置決め部34の胴部34aは、係合部材20,22の端縁同士が対向する空隙部分に収まり、胴部の34aの下方部分および下鍔部34dは、エアシリンダ24の当接板26の上方に、僅かな空間を空けて収まる。このとき、図3に示すように、3個の鋼球35のうち、2個の鋼球35は、係合部材20のV溝20bの傾斜面に対して僅かな空間を空けてZ軸方向に対向し、残る1個の鋼球35は、係合部材22のV溝22bの傾斜面に対して僅かな空間を空けてZ軸方向に対向している。この状態では、まだ位置決めはなされていない。
【0025】
次に、図4に示すように、エアシリンダ24の駆動によって、当接板26が上昇する。これにより、当接板26を固定したボルトの頭部28は、位置決め部34の下面であって、3個の鋼球35が配置された正三角形の重心付近に当接し、パレット12全体を持ち上げる。パレット12は、胴部34aが係合部材20,22の先端縁に支えられ、ほとんど傾くことなく上昇する。すると、3個の鋼球35のうち、2個の鋼球35は、V溝20bの傾斜面に嵌合して係止され、同時に残る1個の鋼球35が、V溝22bの傾斜面に嵌合して係止される。そして、この状態において、パレット12は、固定部材である筐体16に対して位置決めがなされる。
【0026】
位置決めがなされると、ワーク31は、図示しない加工装置等によって所定の処理が施される。そして、処理が終了すると、エアシリンダ24の駆動によって当接板26が下降し、パレット12は位置決めが解除された図2の状態に戻る。
【0027】
このように構成された位置決め装置10とパレット12によれば、凹部34eから突出した鋼球35の球状表面は、係合部材20,22に形成されたV溝20a,22bが有する一対の傾斜面にそれぞれに点接触で係止される。従って、パレット12は、XYZ軸全ての方向について、単一動作で精度よく位置決めされる。また、エアシリンダ24を用いた昇降装置は、パレット12が位置決めされる下方のデッドスペースを利用して構成可能なため、位置決め装置をコンパクトに実現することができる。
【0028】
次に、本発明のパレット位置決め装置の第二の実施形態について、図5〜図8に基づいて説明する。なお、第一の実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態に係る位置決め装置40及びパレット42は、上述した図1の位置決め装置10及びパレット12に置き換えて搬送ラインが構成される。
【0029】
位置決め装置40は、図5に示すように、筐体44は、側板部44aと天板部44b備えている。天板部44b上面の幅方向のやや外側箇所に透孔44cが四隅部に形成され、透孔44cには両ロッド形のリニアブッシュ46が各々挿通され、その外筒部46aは透孔44cにZ軸方向に直立した状態で固定されている。そして、外筒部46aの内部を上下に摺動可能なシャフト46bの上端には、一対の載置部18が各々取り付けられている。さらに、一対の載置部18の内側上部には、L字状に切り欠かれた本体受け部18bが形成され、後述するパレット42の本体板12aの端部が載架される。
【0030】
天板部44b上面の透孔44c間であって一対の載置部18間の下方には、先端縁がコの字形に屈曲した一対の支持部材47が設けられ、一対の支持部材47の基端部は、X軸方向の一端部下方で、連結部材48に固定され、連結部材48は、昇降部材であるエアシリンダ24の可動板24bに取り付けられている。
【0031】
さらに、天板部44b上面の中央部には、円板形の係止部材49が取り付けられている。係止部材49の上面は水平な面であって、図6(a)(b)に示すように、3つの凹部34eは、正三角形の頂点の位置関係を有し、そのうち2つの凹部34eは、図5に示す取り付け状態で、X軸線上に配置され、互いに同一の深さに形成されている。そして、凹部34eには、各々鋼球35の下半分が埋め込まれて接着固定されている。
【0032】
エアシリンダ24の駆動力は、図示しない機構によってリニアブッシュ46のシャフト46bにも伝達され、シャフト46bは、昇降部材48の移動と一体に昇降動作するよう構成されている。
【0033】
一方、パレット42は、図5に示すように、断面T字型のテーブル30と、ワーク31をチャッキングしたワーク保持部32と、位置決め部34と、本体板12aとを備え、パレット12と同様に組み付けられている。そして、位置決め部34は、下面に係合部材50が取り付けられ固定されている。
【0034】
係合部材50は、図7に示すように、係止部材49とほぼ同径の円板形のものである。そして、その下面は水平な面であって、断面V字型の傾斜面を有するV溝50aがX軸方向に形成され、V溝50aと同一形状のV溝50bがY軸方向に形成されたものである。なお、係止部材49に埋め込まれた3個の鋼球35は、パレットを位置決めするとき、2個の鋼球35はV溝50aの傾斜面に嵌合し、残る1個の鋼球35はV溝50bの傾斜面に嵌合するよう配置されている。
【0035】
次に、位置決め装置40によってパレット42が位置決めされる動作を説明する。まず、パレット42は、搬送ガイド14によって搬送され、図5に示すように、本体板12a両端の下面が載置部18の本体受け部18bに載架されるよう、手前側から水平に差し入れられる。すると、位置決め部34の胴部34aは、一対の支持部材47のコの字形部分の先端縁同士が対向する空隙部分に収まり、胴部の34aの下方部分および下鍔部34dは、係止部材49の上方に収まる。このとき、係止部材49上面の3個の鋼球35のうち、2個の鋼球35は、係合部材50のV溝50aの傾斜面に対して僅かな空間を空けてZ軸方向に対向し、また、残る1個の鋼球35は、係合部材50のV溝50bの傾斜面に対して僅かな空間を空けてZ軸方向に対向している。この状態では、まだ位置決めはなされていない。
【0036】
次に、エアシリンダ24の駆動によって、一対の支持部材47が下降し、本体受け部18b上に載架されているパレット42が下降する。このとき、一対の載置部18も一体に下降するので、パレット42の下降を妨げることはない。
【0037】
そして、係止部材49の3個の鋼球35のうち、2個の鋼球35は、V溝20bの傾斜面に嵌合して係止され、同時に残る1個の鋼球35は、V溝22bの傾斜面に嵌合して係止される。そして、この状態において、パレット42は、固定部材である筐体44に対して位置決めがなされる。
【0038】
位置決めがなされると、ワーク31は、図示しない加工装置等によって所定の処理が施される。そして、処理が終了すると、エアシリンダ24の駆動によって一対の載置部18及び支持部材47が上昇し、パレット42の位置決めが解除された図5の状態に戻り、次の工程に送られる。
【0039】
このように構成された位置決め装置40とパレット42によれば、係止部材49の凹部34eから突出した鋼球35の球状表面が、係合部材50に形成されたV溝50a,50bが有する一対の傾斜面にそれぞれに点接触で係止される。従って、パレット42は、XYZ軸全ての方向について、単一動作で精度よく位置決めされる。また、パレット42は、筐体44の天板部44b上面という安定した箇所に位置決めされるため、加工時にワーク31に加わる振動や衝撃が加わっても、パレットの位置ずれが生じにくい。
【0040】
次に、係合部材50の変形例について、図8に基づいて説明する。係合部材60は、係合部材50と同様な円板形の外形を有し、下面には、断面V字型の傾斜面を有する6本のV溝60aが、中心点から互いに60度の角度で放射状に形成されている。
【0041】
上記係合部材50に代えて、係合部材60が取り付けられたパレット42は、位置決め装置40の載置部18に載架され、上記と同様の動作によって下降する。すると、係止部材48の3個の鋼球35と係合部材60とが当接し、3個の鋼球35は、係合部材60下面の6本のV溝60aのうち、中心点から互いに120度の角度に位置する3本のV溝60aの傾斜面に嵌合して係止される。すなわち、3本のV溝60aが有する一対の傾斜面にそれぞれに点接触で係止され、パレット42を、XYZ軸全ての方向について、正確に位置決めをするものである。
【0042】
係合部材60によれば、パレットに対して水平方向(XY軸方向)に任意の角度で外力が加わった場合でも、その外力は、上記複数の点接触箇所にほぼ均等に分散されるので、係合部材50を用いた場合の位置決め状態の安定性を、さらに向上させることができる。
【0043】
また、6本のV溝60aは、中心点から互いに120度の角度に位置する3本のV溝60aで構成されている。従って、係合部材60を製作するときは、円板の外周上の一点から中心点挟んで対向する一点に向けて、直線的なV溝を形成するという単純な加工を3回行えば足りるため、汎用的な切削加工装置を用いて容易に製作可能であり、V溝の深さや傾斜角などの設計の自由度も高い。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、パレットの位置決め部又は固定部材の何れに球面状の突起またはV溝が形成されていても良く、球面状の突起は、V溝と嵌合したときにV溝の一対の傾斜面に点接触することが可能な形状であれば、必ずしも正確な球面である必要はなく、楕円球状や円錐台状の突起であってもよい。また、上記のように位置決めされたパレットを、その位置に保持するため、パレット固定装置や固定具など別途付設して、パレットをより強固に固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明のパレット位置決め装置を含む搬送ライン全体を示す側面図である。
【図2】この発明のパレット位置決め装置の第一の実施形態のパレットの周辺部分の構成を説明する図1のA−A断面図である。
【図3】図2の係合部材の周辺部分の構成を説明する図2のB−B断面図である。
【図4】図2に示す断面図において、位置決め動作状態を示す断面図である。
【図5】この発明のパレット位置決め装置の第二の実施形態のパレット周辺部分の構成を説明する縦断面図である。
【図6】この実施形態の係止部材の平面図(a)と側面図(b)である。
【図7】この実施形態の係合部材の側面図(a)と底面図(b)である。
【図8】この実施形態の係合部材の変形例を示す側面図(a)と底面図(b)である。
【符号の説明】
【0046】
10 位置決め装置
12 パレット
12a 本体板
14 搬送ガイド
16 筐体
18 載置部
20,22 係合部材
20b,22b V溝
24 エアシリンダ
31 ワーク
32 ワーク保持部
34 位置決め部
34d 下鍔部
35 鋼球
49 係止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを搬送するパレットを係止して、所定の位置に固定するパレット位置決め装置において、
前記パレットに設けられた位置決め部と、前記所定の位置に設けられた固定部材のいずれか一方には、三角形の各頂点の位置に配置された球面状突起が設けられ、他方には、断面V字形の複数のV溝が、互いに非平行の向きであって前記球面状突起による三角形を含む平面と平行に形成され、前記位置決め部を駆動する駆動装置が前記所定の位置に設けられ、前記パレットは、前記駆動装置により前記位置決め部が移動し、前記各球面状突起と前記V溝が嵌合して、前記各球面状突起の表面が前記V溝の傾斜面に係止されることにより位置決めされることを特徴とするパレット位置決め装置。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記パレットの下方に位置して前記パレットを上下方向に移動させて位置決めすることを特徴とする請求項1記載のパレット位置決め装置。
【請求項3】
前記パレットの位置決め部に、前記球面状突起が水平面上に位置して配置され、前記固定部材に固定された係合部材に、前記複数のV溝が設けられたことを特徴とする請求項2記載のパレット位置決め装置。
【請求項4】
前記パレットの位置決め部に、前記複数のV溝が形成された係合部材が設けられ、前記固定部材に固定された係止部材に、前記球面状突起が水平面上に位置して配置されたことを特徴とする請求項2記載のパレット位置決め装置。
【請求項5】
前記V溝は、T字形に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のパレット位置決め装置。
【請求項6】
前記球面状突起は、正三角形の頂点の位置に各々配置され、対向する前記V溝は、前記正三角形の重心を中心軸にして互いに60度の角度で放射状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のパレット位置決め装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−184817(P2009−184817A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29412(P2008−29412)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(591124721)立山マシン株式会社 (36)
【Fターム(参考)】