説明

パンツ

【課題】圧迫感等の苦痛を伴うことなく理想的な形状のヒップアップ状態を得ることができるパンツを提供すること。
【解決手段】パンツ本体1の臀部と対面する部分に疑似臀部形成体2を収容し、前記疑似臀部形成体2の外側面によりヒップアップ状態が形成されるようになっている。疑似臀部形成体2は、袋部20とその内部に充填された空気から構成されている。袋部20は伸縮性を有するエラストマーにより構成されている。パンツ本体1の一部である弾性バンドの弾性力により、疑似臀部形成体2が人体の臀部に対して押圧される態様で設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、パンツ(下着、短パン、ロングパンツ等)、特にパンツの臀部に疑似臀部形成体を設けてなるパンツに関するものである。
【背景技術】
一般に、日本人は臀部が貧弱であり、また、年齢と共に臀部が図6に示すように、垂れ下がったラインL1になる傾向にある。
女性の場合、貧弱又は垂れ下がった臀部に対して劣等感を持ち、前記劣等感を回避するため、ガードルを用いてヒップアップするようにしている。(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、ガードルを使用した場合、下腹部及び臀部等が締め付けられて圧迫されるので、着用時の圧迫感やときには苦痛感さえ起こすおそれがあり、また、血行不良による冷えや疲労感を与える等の問題も生じることがあった。
【特許文献1】 特開平8−74104
【特許文献2】 特開平8−311703
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、圧迫感等の苦痛を伴うことなく理想的な形状のヒップアップ状態を得ることができるパンツを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明のパンツは、パンツ本体の臀部と対面する部分に疑似臀部形成体を収容し、前記疑似臀部形成体の外側面によりヒップアップ状態が形成されるようになっている。
(請求項2記載の発明)
この発明のパンツは、上記請求項1記載の発明に関し、疑似臀部形成体は、袋部とその内部に充填された空気から構成されている。
(請求項3記載の発明)
この発明のパンツは、上記請求項2記載の発明に関し、袋部は伸縮性を有するエラストマーにより構成されている。
(請求項4記載の発明)
この発明のパンツは、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の発明に関し、パンツ本体の一部である弾性バンドの弾性力により、疑似臀部形成体が人体の臀部に対して押圧される態様で設けられている。
(請求項5記載の発明)
この発明のパンツは、上記請求項1記載の発明に関し、疑似臀部形成体は、袋部とその内部に充填された軟質部材から構成されている。
【発明の効果】
この発明のパンツを着用した場合、圧迫感等の苦痛を伴うことなく理想的な形状のヒップアップ状態を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下にこの発明のパンツを実施するための最良の形態としての実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
図1はこの発明の実施例1のパンツPを着用した場合の側面図、図2は前記パンツPの斜視図、図3はパンツ本体1の臀部と対面する部分に収容されている疑似臀部形成体の斜視図、図4は前記疑似臀部形成体2をパンツ本体1の臀部側に収容させる態様を示す斜視図を示している。
このパンツPは、図1や図2に示すように、パンツ本体1と、疑似臀部形成体2から構成されている。
パンツ本体1は、図1や図2に示すように、その大部分は一般に使用されている生地10(編み物、織物)で構成されており、胴部からのずり落ちを防止するための胴部側ゴムバンド11と、太股部分に密着させるための太股側ゴムバンド12と、前記胴部用ゴムバンド11と太股側ゴムバンド12と両側部で連結する連結用ゴムバンド13とから構成されている。ここで、このパンツ本体1は、臀部に関しては、図4に示すように二枚の生地10a,10bで構成されており、前記生地10a,10b相互間に上記疑似臀部形成体2が位置決めされて移動不能に挟み込まれている。
疑似臀部形成体2は、図1〜図3に示すように、袋部20とこれの内部に充填された空気とから構成されており、前記袋部20は、その内側面は垂れ下がった臀部に密接するように形成され、外側面は理想的な臀部の膨らみを持つ形状としてある。なお、袋部20は、椅子に座ったときに破損(パンク)しないように、ある程度伸縮性を有し旦つ耐圧性を有するエラストマー(常温において弾性を有するゴム、合成樹脂をいう)製のシート材により構成されている。
次に、このパンツPを着用した場合の優れた機能について説明する。
図1において、L1は貧弱な又は垂れ下がった臀部のラインを示している。このような臀部のラインL1を有する人がこのパンツPを着用した場合の疑似臀部形成体2がつくる臀部のラインはL2で示されたものであり、臀部の外観が理想的な形状にヒップアップされていることが判る。
ここで、袋部20は、椅子に座ったときに破損(パンク)しないように、ある程度伸縮性を有し且つ耐圧性を有するエラストマー製のシート材により構成されており、その内側面は垂れ下がった臀部に密接するように形成されているから、このパンツを必要とするほとんどの人の臀部のラインL1に倣うことになる。したがって、疑似臀部形成体2の外側面に形成された理想的な臀部のラインL2がほとんど崩れることがない。
また、空気が充填されている袋部20は、ある程度伸縮性を有し且つ耐圧性を有するエラストマー製のシート材により構成されているから、このパンツPを着用して椅子等に座った場合、クッション性に優れており、硬い椅子等に長時間座った場合でも臀部に痛みを感じることなく非常に楽である。そして、座った状態から立った状態に移行した場合には、瞬時で、理想的な臀部のラインL2を得ることができる。
さらに、袋部20の内部は、空気であるので、疑似臀部形成体2は軽く、着用者の肉体的負担にはならない。
続いて、他の実施の形態について説明する。
上記実施例1では、疑似臀部形成体2は、袋部20とこれの内部に充填された空気とから構成されているが、これに限定されることなく、袋に綿等を収容したものでもよい。要するに、座った状態から立った状態になったときに理想的な臀部のラインL2がほとんど崩れることなくほぼ元の通りの形状になれば良いのである。
また、上記生地10a,10b相互間にできる空間を塞ぐ態様は、逢着でもよいし、所謂マジックテープにより容易に開閉できるようにしてもよい(図4参照)。後者の場合、疑似臀部形成体2を有しない通常のパンツとして使用できるし、また疑似臀部形成体2を有した状態でも使用することもできる。
更に、疑似臀部形成体2を構成する袋20に関し、臀部に対向する面に凹凸部を付けることもでき、この場合、凹部が通気路となり、臀部及びその付近のムレを防ぐことが可能になる。
そして、上記実施例1では、ショーツを実施例としたが、下着、短パン、ロングパンツ等全てのパンツにこの発明を施すことができる。
その他、この発明の考え方を利用すると、座ることができるようになった乳幼児のパンツの臀部の部分に、上記疑似臀部形成体2よりもかなり背中側に突出する形成体200を設けることも考えられる。このようにすれば、乳幼児が後方に転倒する危険性(後頭部を打ちつける危険性)を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1のパンツを着用した場合の側面図。
【図2】前記パンツの斜視図。
【図3】パンツ本体の臀部と対面する部分に収容されている疑似臀部形成体の斜視図。
【図4】前記疑似臀部形成体をパンツ本体の臀部側に収容させる態様を示す斜視図。
【図5】関連する実施形態の説明図。
【図6】貧弱な臀部、または垂れ下がった臀部の例を示す側面図。
【符号の説明】
L1 ライン
L2 ライン
P パンツ
1 パンツ本体
2 疑似臀部形成体
10 生地
11 胴部用ゴムバンド(弾性バンド)
12 太股用側ゴムバンド(弾性バンド)
10a 生地
10b 生地
20 袋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンツ本体の臀部と対面する部分に疑似臀部形成体を収容し、前記疑似臀部形成体の外側面によりヒップアップ状態が形成されるようになっていることを特徴とするパンツ。
【請求項2】
疑似臀部形成体は、袋部とその内部に充填された空気から構成されていることを特徴とする請求項1記載のパンツ。
【請求項3】
袋部は伸縮性を有するエラストマーにより構成されていることを特徴とする請求項2記載のパンツ。
【請求項4】
パンツ本体の一部である弾性バンドの弾性力により、疑似臀部形成体が人体の臀部に対して押圧される態様で設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパンツ。
【請求項5】
疑似臀部形成体は、袋部とその内部に充填された軟質部材から構成されていることを特徴とする請求項1記載のパンツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−154394(P2007−154394A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380730(P2005−380730)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(593059902)
【Fターム(参考)】