説明

パーソナライズド・サービス提供システムおよび方法

【課題】メディアIDサーバにおいて、送出中の放送コンテンツに対してリアルタイムでメディアIDを生成するようにし、前記メディアIDサーバの代わりにユーザのモバイル装置において、コンテンツを比較して識別するようにすることによって、メディアID格納所の構築費用を減らし、メディアIDサーバにおけるサービス負荷を減らして、より多いユーザを同時間に支援できるようにするパーソナライズド・サービス提供システムおよび方法を提供する。
【解決手段】放送視聴端末装置から表出中の放送コンテンツを獲得するメディア受信部、およびメディア受信部で獲得した放送コンテンツを基盤にメディアIDを生成し、生成されたメディアIDとメディアIDサーバから受信したメディアIDリスト内のメディアIDを比較してチャネルIDを識別し、識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージをパーソナライズド情報提供サーバに伝送してパーソナライズド・サービスを要請する比較部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送システムに関し、より詳しくは、メディア識別子を利用してユーザの視聴中の放送コンテンツを識別し、ユーザにパーソナライズド・サービスを提供するためのパーソナライズド・サービス提供システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メディア放送のためのパーソナライズド・サービスは、ユーザの視聴中の放送コンテンツおよびその他状況に合った情報を提供する付加サービスである。そして、このような付加サービスのためには、放送コンテンツを識別できる方法が必要である。放送コンテンツを識別する方法には色々なものがあるが、次は放送コンテンツを識別する従来の方法である。
【0003】
一例として、TVやセットトップボックス(STB)のような放送視聴端末装置に現在放送中のコンテンツ情報を探す機能を追加する方法がある。しかし、このような機能を追加するためには、前記放送視聴端末装置の修正が必要な短所がある。また、放送事業者は前記付加サービスのための機能が自身の放送端末装置に追加されることを望まない傾向が強く、一放送事業者に適用された技術を他の放送事業者に適用し難いという短所がある。
【0004】
他例として、KTのクリア・スキン(clear skin)のように事前に放送コンテンツ別に場面に応じて広告を挿入し、放送送出時に前記広告を共に送出する方法がある。この方法は、放送視聴端末装置にコンテンツ識別機能が追加されなくても良いという長所がある。しかし、広告挿入時に場面転換認識レベルでは自動で処理が可能であるが、詳細フレーム別広告対象の領域指定作業は人による手作業が必要であり、サービス適用が難しいという短所がある。
【0005】
また他の例として、グーグル(google)のオーディオ・フィンガープリント(fingerprint)方式のように、オーディオ基盤のメディア識別子(Identifier;ID)を利用して放送コンテンツを識別する方法がある。しかし、この方法は、事前に放送コンテンツを分析してメディアIDを抽出し格納するための格納所が必要な短所がある。また、メディアIDサーバにおいて、格納所とユーザのメディアIDを比較して識別する機能を遂行するため、ユーザ数の増加に伴って前記メディアIDサーバにおけるサービス遂行のための負荷が増加する短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような問題点を解決するためのものであり、本発明は、メディアIDサーバにおいて、送出中の放送コンテンツに対してリアルタイムでメディアIDを生成するようにし、前記メディアIDサーバの代わりにユーザのモバイル装置において、コンテンツを比較して識別するようにすることによって、メディアID格納所の構築費用を減らし、メディアIDサーバにおけるサービス負荷を減らして、より多いユーザを同時間に支援できるようにするパーソナライズド・サービス提供システムおよび方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための、本発明の一様態として、放送コンテンツを受信してメディア識別子(Identifier、ID)を生成するメディアIDジェネレータと、前記メディアIDジェネレータで生成されたメディアIDと前記メディアIDの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を共に格納するメディアIDバッファ、および前記メディアIDバッファに格納された少なくとも1つのチャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後にモバイル装置に出力する通信部を含むメディア識別子サーバが提供される。
【0008】
前記通信部は、予め指定された伝送周期に応じて、現在時間情報を基準に、前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、マルチキャスト形態でモバイル装置に伝送することが好ましい。
【0009】
また、前記通信部は、モバイル装置からメディアIDリスト要請メッセージが受信されれば、前記メディアIDリスト要請メッセージに含まれた時間情報を抽出し、前記抽出した時間情報を基準に前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、ユニキャスト形態で前記モバイル装置に伝送することが好ましい。
【0010】
前記通信部は、前記メディアIDリスト要請メッセージから抽出した時間情報と前記メディアIDバッファに格納されたタイムスタンプ情報を比較して、前記メディアIDバッファからメディアIDをリーディングする位置を決定することが好ましい。
【0011】
また、前記メディアIDジェネレータは、受信した放送コンテンツを基盤に1つ以上のメディアIDセグメントをリアルタイムで生成し、前記メディアIDセグメントの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を前記生成されたメディアIDセグメントと共に前記メディアIDバッファに格納することが好ましい。
【0012】
前記通信部は、前記メディアIDセグメントを集めてメディアIDを構成し、前記メディアIDセグメントでメディアIDを構成する時、初めてのメディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を前記メディアIDのタイムスタンプ情報に設定することが好ましい。
また、前記メディア識別子サーバにおいては、一定時間が経過したメディアIDセグメントは、前記メディアIDバッファから順に除去されることが好ましい。
【0013】
前記目的を達成するための、本発明の他の様態として、放送コンテンツを受信してメディア識別子(Identifier、ID)を生成するステップと、前記メディアIDを生成するステップで生成されたメディアIDと前記メディアIDの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を共にメディアIDバッファに格納するステップ、および前記メディアIDバッファに格納された少なくとも1つのチャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後にモバイル装置に伝送するステップを含むメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法が提供される。
【0014】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、予め指定された伝送周期に応じて、現在時間情報を基準に、前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、マルチキャスト形態でモバイル装置に伝送することが好ましい。
【0015】
また、前記メディアIDリストを伝送するステップは、モバイル装置からメディアIDリスト要請メッセージが受信されれば、前記メディアIDリスト要請メッセージに含まれた時間情報を抽出し、前記抽出した時間情報を基準に前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、ユニキャスト形態で前記モバイル装置に伝送することが好ましい。
【0016】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、前記メディアIDリスト要請メッセージから抽出した時間情報と前記メディアIDバッファに格納されたタイムスタンプ情報を比較して、前記メディアIDバッファからメディアIDをリーディングする位置を決定することが好ましい。
【0017】
また、前記メディアIDを生成するステップは、受信した放送コンテンツを基盤に1つ以上のメディアIDセグメントをリアルタイムで生成するステップ、および前記メディアIDセグメントの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を上記生成されたメディアIDセグメントと共に前記メディアIDバッファに格納するステップを含むことが好ましい。
【0018】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、前記メディアIDセグメントを集めてメディアIDを構成し、前記メディアIDセグメントでメディアIDを構成する時、初めてのメディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を前記メディアIDのタイムスタンプ情報に設定することが好ましい。
【0019】
また、メディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法は、一定時間が経過したメディアIDセグメントは、前記メディアIDバッファから順に除去されるステップをさらに含むことが好ましい。
【0020】
前記目的を達成するための、本発明のまた他の様態として、放送視聴端末装置から表出中の放送コンテンツを獲得するメディア受信部、および前記メディア受信部で獲得した放送コンテンツを基盤にメディアIDを生成し、上記生成されたメディアIDとメディアIDサーバから受信したメディアIDリスト内のメディアIDを比較してチャネルIDを識別し、前記識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージをパーソナライズド情報提供サーバに伝送してパーソナライズド・サービスを要請する比較部を含むモバイル装置が提供される。
【0021】
前記メディア受信部は、前記モバイル装置に取り付けられたカメラとマイクのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0022】
前記目的を達成するための、本発明のまた他の様態として、放送視聴端末装置から表出中の放送コンテンツを獲得してメディアIDを生成するステップと、前記メディアIDを生成するステップで生成されたメディアIDとメディアIDサーバから受信したメディアIDリスト内のメディアIDを比較してチャネルIDを識別するステップ、および前記識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージをパーソナライズド情報提供サーバに伝送して、パーソナライズド・サービスを要請するステップを含むパーソナライズド・サービス提供方法が提供される。
【0023】
前記パーソナライズド・サービス提供方法は、ユーザのパーソナライズド・サービス要請が入力されれば、メディアID比較のための時間情報とユーザIDを含むメディアIDリスト要請メッセージを前記メディアIDサーバに伝送するステップをさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるパーソナライズド・サービス提供システムおよび方法は次のような効果がある。
第1に、メディアIDを事前に生成せずにリアルタイムで生成することによって、大容量のメディアID格納所が必要ではなくなるため、メディアID格納所の構築費用を減らすことができる。
【0025】
第2に、メディアID整合機能をメディアIDサーバ(またはメディアID分析器)ではなく各ユーザのモバイル装置に分散させることによって、メディアIDサーバにおけるサービス負荷を減らして、より多いユーザを同時間に支援することができる。
【0026】
第3に、TVやセットトップボックス(STB)のような放送視聴端末装置を修正することなく、その代わりにモバイル装置を利用するため、放送サービスに対するパーソナライズド・サービスの従属性を解消することができ、関連融合サービス産業の活性化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるパーソナライズド・サービスを提供するための全体システムの一実施形態を示す構成ブロック図である。
【図2】本発明によるパーソナライズド・サービスを提供する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図3】本発明によるメディアIDサーバの一実施形態を示す詳細ブロック図である。
【図4】本発明による通信部の詳細動作の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】本発明による通信部の詳細動作の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、前記目的を具体的に実現できる本発明の望ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。この時、図面に示され、また、これらによって説明される本発明の構成と作用は少なくとも一実施形態として説明されるものであって、これによって本発明の技術的思想とその核心構成および作用が制限されるものではない。
【0029】
本発明で用いられる用語は、本発明での機能を考慮して、可能な限り現在広く用いられる一般的な用語を選択したが、これは、当分野に務める技術者の意図または慣例または新しい技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合には該当する発明の説明部分に詳細にその意味を記載することにする。したがって、本発明で用いられる用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたった内容を土台に定義されなければならないことを明らかにしておく。
【0030】
本発明で用いられる用語中、パーソナライズド・サービスはユーザの所望のプログラム、ターゲット広告などであってもよく、また、前記プログラムに関連した付加情報、例えば、あらすじ、プレビュー、MP3、OST、ミュージックビデオ(music video)、メタデータ、電子プログラムガイド(EPG)などであってもよい。また、コンテンツまたはメディアという用語は、オーディオ、ビデオのような全形態のメディアを含む。
【0031】
本発明によるモバイル装置は、有線と無線のうちの少なくとも1つを利用して両方向通信が可能であり、スピーカーとカメラのうちの少なくとも1つの機能を具備することを一実施形態とする。また、前記モバイル装置は、放送コンテンツを受信してディスプレイできる機能をさらに含むこともできる。例えば、前記モバイル装置は携帯電話であってもよい。また、放送視聴端末装置はTVやセットトップボックス(STB)であってもよく、放送受信可能なモバイル装置であってもよい。
【0032】
本発明において、コンテンツ識別用として使用するメディアIDはオーディオおよびビデオコンテンツの特徴を分析して作った識別子であり、2進数数字の配列で構成されることを一実施形態とする。また、前記メディアIDの長さは、メディアID分析アルゴリズムおよび分析時間によって異なり得る。また、メディアIDリストは、各チャネル別に生成されたメディアIDの群を指し示す。
【0033】
図1は、本発明によるパーソナライズド・サービスを提供するためのシステムの一実施形態を示す構成ブロック図である。
図1は、TVヘッドエンド101、前記TVヘッドエンド101から伝送される放送コンテンツを受信してスピーカーと画面のうちの少なくとも1つとして表出する放送視聴端末装置102、前記TVヘッドエンド101から伝送される放送コンテンツからリアルタイムでメディアIDを生成し、メディアIDリストを提供するメディアIDサーバ103、前記メディアIDサーバ103から提供するメディアIDリストを利用してメディアID整合を行うモバイル装置104、および前記モバイル装置104の要請に応じてパーソナライズド・サービスを前記モバイル装置104に提供するパーソナライズド情報提供サーバ105で構成される。前記メディアIDサーバ103はメディアID分析器ともいう。前記モバイル装置104は、メディア受信装置、メディアID比較部、およびパーソナライズド・サービスクライアントを含む。前記メディア受信装置はカメラ、マイクなどであってもよい。前記メディアID比較部は、メディアIDリスト要請とメディアID比較を行う。前記パーソナライズド・サービスクライアントは、前記パーソナライズド情報提供サーバ105にパーソナライズド・サービスを要請し、前記パーソナライズド情報提供サーバ105から伝送されるパーソナライズド・サービスを受信して処理する。
【0034】
このように構成された図1において、前記TVヘッドエンド101は、TV放送網を介して放送視聴端末装置102に放送コンテンツを送出し、それと同時にメディアIDサーバ103にも同一の放送コンテンツをリアルタイムで伝送する。前記メディアIDサーバ103は、受信した放送コンテンツからリアルタイムでメディアIDを生成して格納する。また、前記メディアIDサーバ103は、ユーザのモバイル装置104の要請または予め指定された伝送周期に応じて色々なチャネルのメディアIDらを集めて生成したメディアIDリストを前記モバイル装置104に提供する。前記メディアIDサーバ103は、放送コンテンツのうちのオーディオおよびビデオの特徴を分析してメディアIDを生成することを一実施形態とする。また、前記メディアID識別子は、2進数数字の配列で構成することを一実施形態とする。この時、前記メディアID長さは、メディアID分析アルゴリズムおよび分析時間によって異なり得る。
【0035】
一方、前記モバイル装置104は、メディア受信装置を利用して前記放送視聴端末装置102から音響および/または映像を獲得する。また、前記モバイル装置104のメディアID比較部においては、メディアIDの生成およびメディアIDリストとの比較を通じて視聴中のチャネルを識別する。また、識別したチャネル情報とユーザ情報を前記パーソナライズド情報提供サーバ105に伝送し、前記パーソナライズド情報提供サーバ105からユーザが要請したパーソナライズド情報を受信する。
【0036】
図2は、本発明によるパーソナライズド・サービスを提供する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図2において、TVヘッドエンド101は、放送コンテンツを放送視聴端末装置102に送出する(S201)と同時にメディアIDサーバ103に送出する(S202)。前記メディアIDサーバ103においては、受信した放送コンテンツのオーディオ、ビデオを分析してリアルタイムでメディアIDを生成する。すなわち、前記メディアIDサーバ103においては、各チャネル別に受信した放送コンテンツからリアルタイムでメディアIDを生成し、これらを集めてメディアIDリストの形態で管理する。
【0037】
ユーザは、放送視聴中、ターゲット広告などパーソナライズド・サービスの提供を望む場合、望む時点にモバイル装置104のボタンおよびその他ユーザインターフェースを介してモバイル装置104にこれを要請する。そうすると、前記モバイル装置104は、メディアID比較開始時間を決定し、決定された比較開始時間情報を含むメディアIDリスト要請メッセージをメディアIDサーバ103に伝送して、メディアIDリストを要請する(S204)。それと同時に、前記モバイル装置104は、前記比較開始時間を基準に視聴中の放送コンテンツをメディア受信装置(例、マイク、カメラ)を介して獲得しメディアIDを生成する(S203)。この時、前記モバイル装置104は、メディア受信装置を利用して放送視聴端末装置102から放送コンテンツを獲得した後、前記メディアIDサーバ103にメディアIDリストを要請することもできる。前記モバイル装置104は、前記メディアIDサーバ103にメディアIDリストを要請する時、ユーザIDもメディアIDリスト要請メッセージに含ませて伝送する。前記ユーザIDは、ユーザのモバイル装置104を区分できる識別子である。
【0038】
本発明の他の実施形態として、前記メディアIDサーバ103は、予め指定された伝送周期でメディアIDリストを該当モバイル装置104に提供することもできる。この場合、モバイル装置104は、周期的にマルチキャスト形態で伝送されるメディアIDリストを待つ。また、前記モバイル装置104は、予め指定された伝送周期を基準に視聴中の放送コンテンツをメディア受信装置(例、マイク、カメラ)を介して獲得しメディアIDを生成する。本発明において、前記メディアIDサーバ103は、モバイル装置の要請に応じてメディアIDリストを伝送する時にはユニキャスト形態で伝送し、予め指定された伝送周期でメディアIDリストを伝送する時にはマルチキャスト形態で伝送することを一実施形態とする。
【0039】
伝送周期別マルチキャストの伝送または前記モバイル装置104の要請に応じて前記メディアIDサーバ103がメディアIDリストを送れば(S205)、前記モバイル装置104は、メディアIDリストの各メディアIDと自身が作ったメディアIDを比較してチャネルIDを識別する。
【0040】
次に、前記モバイル装置104は、識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージを前記パーソナライズド情報提供サーバ105に伝送して、パーソナライズド・サービスを要請する(S206)。
前記パーソナライズド情報提供サーバ105は、前記モバイル装置104から受信した情報に適したパーソナライズド・サービスを前記モバイル装置104に提供する(S207)。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態によるメディアIDサーバ103の構造を示す図面である。
前記メディアIDサーバ103は、TVヘッドエンド101から受信した特定チャネルの放送コンテンツのオーディオ、ビデオを分析してメディアIDを生成する1つ以上のメディアIDジェネレータ(301−30n)、各メディアIDジェネレータ(301−30n)で生成されたメディアIDを格納する1つ以上のメディアIDバッファ(401−40n)、および前記モバイル装置104からメディアIDリスト要請メッセージが受信されるか、予め指定された伝送周期になれば、前記メディアIDバッファ(401−40n)に格納されたメディアIDを集めてメディアIDリスト生成した後、前記モバイル装置104に伝送する通信部501を含む。
【0042】
前記メディアIDジェネレータ(301−30n)とメディアIDバッファ(401−40n)は、チャネル別にメディアIDを生成して格納することを一実施形態とする。この時、メディアIDの生成と格納はセグメント(segment)単位でなされることを一実施形態とする。
【0043】
本発明は、一実施形態として、1つのメディアIDジェネレータ301とメディアIDバッファ401を利用したメディアIDの生成および格納過程を詳細に説明する。
すなわち、前記TVヘッドエンド101から該当チャネルの放送コンテンツが受信されれば、前記メディアIDサーバ103のメディアIDジェネレータ301はリアルタイムでメディアIDを生成する。この時、メディアIDはセグメント単位で生成する。また、セグメント単位で生成されたメディアIDは、生成時間情報(例、タイムスタンプ)と共にメディアIDバッファ401に格納する。
【0044】
前記メディアIDセグメントは、コンテンツ中、比較的に短い時間(1秒以下)の分量から生成した小さいメディアIDであり、その大きさが小さいためにコンテンツを識別するのに不充分である。
したがって、本発明においては、メディアIDバッファ401に格納された一定個数以上のメディアIDセグメントの群をメディアIDということにする。この時、メディアIDを構成するための最小メディアIDセグメント数はメディアID分析アルゴリズムによって異なる。また、メディアIDセグメントでメディアIDを構成する時、初めてのメディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を前記メディアIDのタイムスタンプ情報に設定することを一実施形態とする。
【0045】
一方、一定時間が経過したメディアIDセグメントは、前記メディアIDバッファ401から順に除去されることを一実施形態とする。
前記通信部501においては、ユーザのモバイル装置104からメディアIDリスト要請メッセージが受信されるか、予め指定された伝送周期になれば、図4または図5のようにメディアIDリストを生成して前記モバイル装置104に伝送する。
【0046】
図4は、前記モバイル装置104からメディアIDリスト要請メッセージが受信される時、前記メディアIDサーバ103からメディアIDリストメッセージを伝送する手続きを示す本発明のフローチャートである。
図4を参照すれば、前記通信部501においては、前記モバイル装置104から受信したメディアIDリスト要請メッセージから比較開始時間情報を抽出する(S601)。
【0047】
また、前記抽出した時間情報を基準に各チャネルのメディアIDバッファからメディアIDを取り出す位置(すなわち、address)を決定する(S602)。この時、メディアIDバッファ側においてメッセージの比較開始時間情報と比較するための時間値として各メディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を利用することを一実施形態とする。
【0048】
前記メディアIDバッファ内の決定された位置から一定個数のメディアIDセグメントをリーディングする。このようにリーディングしたメディアIDセグメントを括ってメディアIDを生成する(S603)。
次に、前記通信部501においては、各チャネル別メディアIDバッファから取り出したメディアIDを括ってメディアIDリストとして生成する(S604)。
【0049】
そして、前記メディアIDリストをメディアIDリストメッセージに含ませて、前記メディアIDリスト要請メッセージを伝送したモバイル装置104に伝送する。
前記モバイル装置104においては、受信したメディアIDリストメッセージに含まれたメディアIDリストの各メディアIDと自身が作ったメディアIDを比較して、チャネルIDを識別する。
【0050】
次に、前記モバイル装置104は、識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージを前記パーソナライズド情報提供サーバ105に伝送し、パーソナライズド・サービスを要請する。前記パーソナライズド情報提供サーバ105は、前記モバイル装置104から受信した情報に適したパーソナライズド・サービスを前記モバイル装置104に提供する。
【0051】
図5は、メディアIDリスト要請メッセージなしで、メディアIDサーバ103に設定されたメディアIDリスト伝送周期に応じてメディアIDリストメッセージを伝送する手続きを示す本発明のフローチャートである。
すなわち、タイマーによってメッセージ伝送周期だけの時間が経過すれば(S701)、現在時間を基準に各チャネルのメディアIDバッファからメディアIDを取り出する位置(すなわち、address)を決定する(S702)。この時、メディアIDバッファ側においてメッセージの比較開始時間情報と比較するための時間値として各メディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を利用することを一実施形態とする。
【0052】
前記メディアIDバッファ内の決定された位置から一定個数のメディアIDセグメントをリーディングする。このようにリーディングしたメディアIDセグメントを括ってメディアIDを生成する(S703)。
次に、前記通信部501においては、各チャネル別メディアIDバッファから取り出したメディアIDを括ってメディアIDリストとして生成する(S704)。そして、前記メディアIDリストをメディアIDリストメッセージに含ませた後、マルチキャスト形態でいくつかのモバイル装置104に同時に伝送する。
【0053】
前記モバイル装置104においては、マルチキャスト形態でメディアIDリストメッセージが受信されれば、受信したメディアIDリストメッセージに含まれたメディアIDリストの各メディアIDと自身が作ったメディアIDを比較して、チャネルIDを識別する。
【0054】
次に、前記モバイル装置104は、識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージを前記パーソナライズド情報提供サーバ105に伝送し、パーソナライズド・サービスを要請する。前記パーソナライズド情報提供サーバ105は、前記モバイル装置104から受信した情報に適したパーソナライズド・サービスを前記モバイル装置104に提供する。
【0055】
以上のように本発明によるパーソナライズド・サービス提供システムは、メディアIDをリアルタイムで生成することによって、大容量のメディアID格納所が必要ではなくなるのでメディアID格納所の構築費用を減らすことができ、メディアID整合機能を各ユーザのモバイル装置に分散させることによって、メディアIDサーバにおけるサービス負荷を減らしてより多いユーザを同時間に支援できるようになる。また、TVやセットトップボックス(STB)のような放送視聴端末装置を修正せず、その代わりにモバイル装置を利用するので、放送サービスに対するパーソナライズド・サービスの従属性を解消することができ、関連融合サービス産業の活性化に寄与できるようになる。
【0056】
今まで説明した本発明は、上述した実施形態に限定されず、添付の請求範囲から分かるように、本発明が属した技術分野の通常の知識を有した者によって変形することが可能であり、このような変形は本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0057】
101・・・ヘッドエンド
102・・・放送視聴端末装置
103・・・メディアIDサーバ
104・・・モバイル装置
105・・・パーソナライズド情報提供サーバ
301−30n・・・メディアIDジェネレータ
401−40n・・・メディアIDバッファ
501・・・通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送コンテンツを受信してメディア識別子(Identifier、ID)を生成するメディアIDジェネレータと;
前記メディアIDジェネレータで生成されたメディアIDと前記メディアIDの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を共に格納するメディアIDバッファ;および
前記メディアIDバッファに格納された少なくとも1つのチャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後にモバイル装置に出力する通信部を含むことを特徴とするパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項2】
前記通信部は、
予め指定された伝送周期に応じて、現在時間情報を基準に、前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、マルチキャスト形態でモバイル装置に伝送することを特徴とする、請求項1に記載のパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項3】
前記通信部は、
モバイル装置からメディアIDリスト要請メッセージが受信されれば、前記メディアIDリスト要請メッセージに含まれた時間情報を抽出し、前記抽出した時間情報を基準に前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、ユニキャスト形態で前記モバイル装置に伝送することを特徴とする、請求項1に記載のパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項4】
前記通信部は、
前記メディアIDリスト要請メッセージから抽出した時間情報と前記メディアIDバッファに格納されたタイムスタンプ情報を比較して、前記メディアIDバッファからメディアIDをリーディングする位置を決定することを特徴とする、請求項3に記載のパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項5】
前記メディアIDジェネレータは、
受信した放送コンテンツを基盤に1つ以上のメディアIDセグメントをリアルタイムで生成し、前記メディアIDセグメントの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を前記生成されたメディアIDセグメントと共に前記メディアIDバッファに格納することを特徴とする、請求項1に記載のパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項6】
前記通信部は、
前記メディアIDセグメントを集めてメディアIDを構成し、前記メディアIDセグメントでメディアIDを構成する時、初めてのメディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を前記メディアIDのタイムスタンプ情報に設定することを特徴とする、請求項5に記載のパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項7】
一定時間が経過したメディアIDセグメントは、前記メディアIDバッファから順に除去されることを特徴とする、請求項5に記載のパーソナライズド・サービスのためのメディア識別子サーバ。
【請求項8】
放送コンテンツを受信してメディア識別子(Identifier、ID)を生成するステップと;
前記メディアIDを生成するステップで生成されたメディアIDと前記メディアIDの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を共にメディアIDバッファに格納するステップ;および
前記メディアIDバッファに格納された少なくとも1つのチャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後にモバイル装置に伝送するステップを含むことを特徴とするメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項9】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、
予め指定された伝送周期に応じて、現在時間情報を基準に、前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、マルチキャスト形態でモバイル装置に伝送することを特徴とする、請求項8に記載のメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項10】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、
モバイル装置からメディアIDリスト要請メッセージが受信されれば、前記メディアIDリスト要請メッセージに含まれた時間情報を抽出し、前記抽出した時間情報を基準に前記メディアIDバッファから各チャネルのメディアIDをリーディングしてメディアIDリストを生成した後、ユニキャスト形態で前記モバイル装置に伝送することを特徴とする、請求項8に記載のメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項11】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、
前記メディアIDリスト要請メッセージから抽出した時間情報と前記メディアIDバッファに格納されたタイムスタンプ情報を比較して、前記メディアIDバッファからメディアIDをリーディングする位置を決定することを特徴とする、請求項10に記載のメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項12】
前記メディアIDを生成するステップは、
受信した放送コンテンツを基盤に1つ以上のメディアIDセグメントをリアルタイムで生成するステップ;および
前記メディアIDセグメントの生成時間を識別するためのタイムスタンプ情報を上記生成されたメディアIDセグメントと共に前記メディアIDバッファに格納するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載のメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項13】
前記メディアIDリストを伝送するステップは、
前記メディアIDセグメントを集めてメディアIDを構成し、前記メディアIDセグメントでメディアIDを構成する時、初めてのメディアIDセグメントのタイムスタンプ情報を前記メディアIDのタイムスタンプ情報に設定することを特徴とする、請求項12に記載のメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項14】
一定時間が経過したメディアIDセグメントは、前記メディアIDバッファから順に除去されるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載のメディア識別子サーバのパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項15】
放送視聴端末装置から表出中の放送コンテンツを獲得するメディア受信部;および
前記メディア受信部で獲得した放送コンテンツを基盤にメディアIDを生成し、上記生成されたメディアIDとメディアIDサーバから受信したメディアIDリスト内のメディアIDを比較してチャネルIDを識別し、前記識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージをパーソナライズド情報提供サーバに伝送してパーソナライズド・サービスを要請する比較部を含むことを特徴とするパーソナライズド・サービスのためのモバイル装置。
【請求項16】
前記メディア受信部は、前記モバイル装置に取り付けられたカメラとマイクのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項15に記載のモバイル装置。
【請求項17】
放送視聴端末装置から表出中の放送コンテンツを獲得してメディアIDを生成するステップと;
前記メディアIDを生成するステップで生成されたメディアIDとメディアIDサーバから受信したメディアIDリスト内のメディアIDを比較してチャネルIDを識別するステップ;および
前記識別されたチャネルIDとユーザIDを含むパーソナライズド・サービス要請メッセージをパーソナライズド情報提供サーバに伝送して、パーソナライズド・サービスを要請するステップを含むことを特徴とするモバイル装置のパーソナライズド・サービス提供方法。
【請求項18】
ユーザのパーソナライズド・サービス要請が入力されれば、メディアID比較のための時間情報とユーザIDを含むメディアIDリスト要請メッセージを前記メディアIDサーバに伝送するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載のモバイル装置のパーソナライズド・サービス提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−134980(P2012−134980A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281052(P2011−281052)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】