パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料及びその製造方法
【課題】水酸化カリウムを主成分とするパームアッシュカリ肥料と鶏糞燃焼灰や消石灰などを原料にして得られる潮解性のない粒状肥料を提供する。
【解決手段】粒状肥料に含まれる全100重量%に対して、原料の粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリが5〜95重量%、鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体が95〜5重量%に配合され、これにバインダーを適量配合して造粒した潮解性のないパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料である。
【解決手段】粒状肥料に含まれる全100重量%に対して、原料の粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリが5〜95重量%、鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体が95〜5重量%に配合され、これにバインダーを適量配合して造粒した潮解性のないパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、パームアッシュカリ肥料に鶏糞燃焼灰などを混合した潮解性のないパームアッシュカリ混合肥料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
椰子油の原料となるパーム椰子(Empty Bunch)を燃焼させた灰は有機物由来のカリ肥料として使用されている草木灰の一種であり、該パーム椰子灰はパームアッシュと呼ばれ、カリウム成分が他の草木灰に比べて大変豊富であるため、パームアッシュカリとしてカリ肥料に採用されている。
しかし、該パームアッシュカリ肥料は粉状で且つ比重が小さいため、施肥作業時には飛散や流亡が発生し易く、元肥、追肥ともに使用し難い肥料となっている。
この施肥時に飛散し易いという燃焼灰肥料の処理方法の一例として、特許文献1には、パーム椰子の燃焼灰に水または助剤を10〜25%添加混合して粘着性、凝集性を高め、更に次の工程で骨粉、ナタネ油かす、魚かすなどの有機物含有肥料や、窒素、リン酸、カリ成分を含有する化学肥料を混合し、しかる後に造粒することにより密度を高め、飛散を防止した成形肥料の製造方法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−194066号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1の処理方法では、造粒により飛散は防止できても、該パーム椰子のカリ成分である水酸化カリウムの特徴である所謂、パーム椰子の量が多い場合は潮解性が発現して施肥作業が困難になり、パーム椰子の燃焼灰肥料による高含有カリ肥料として常時使用でき得ないものとなっている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、水酸化カリウムを主成分とするパームアッシュカリ肥料と酸化カルシウムを主成分とする鶏糞燃焼灰や水酸化カルシウムを主成分とする消石灰などを混合して混合肥料とし、炭酸ガスを接触させて炭酸カルシウムにし、潮解をなくしたパームアッシュカリ混合肥料およびその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、粒状肥料に含まれる全100重量%に対して、原料の粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリが5〜95重量%、鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体が95〜5重量%に配合され、且つ前記両原料で造粒した粒子の形状を保持し得る量のバインダーが配合されて、パームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とする。
【0005】
請求項2記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法は、上記請求項1に記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法であって、(a)粒子径3mm古い目下のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体を混合する工程と、(b)該混合粉体に、造粒した粒子の形状が保持し得る量のバインダーを加えて混練する工程と、(c)該混練物を造粒する工程と、(d)該造粒物を加熱乾燥しつつ炭酸ガスを接触反応させる工程とから成り、前記製造工程中でパームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、パームアッシュカリに含有された本来潮解性のある水酸化カリウムに対して、これに配合された鶏糞燃焼灰などに含まれた酸化カルシウムや水酸化カルシウム由来の炭酸カルシウムが混合されることによって、パームアッシュカリの水酸化カリウムの潮解性をなくすことが可能となる。このため、保存中に潮解を起こし粒子同士が湿った泥状になって付着してしまうのを解消できるようになる。
また、この肥料はバインダーと共に造粒しているので粒子が自壊することのない強度を保持でき、乾燥による微粉化も起こらないので施肥作業時に粉体飛散や流亡の発生もない。
したがって、耕地に散布する際に、肥料粒子を分散させて支障なく施肥作業を行うことが可能になる。
また、製造工程中において、重油燃焼炭酸ガスで処理するので、大量に且つ短時間で酸化カルシウムや水酸化カルシウム等の炭酸化を促すとともに乾燥させることが同時に可能となるので、効率良く大量に生産することが可能となる。
さらに、これまで処分に困っていた養鶏場で大量に発生する鶏糞を燃焼灰にし、使用する配合比を高めることにとって、より多く利用し消費できるようになったことは廃棄物処理の観点からも極めて有益である。
また、本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、鶏糞燃焼灰のほかに生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰及びそれらの混合物もパームアッシュカリを非潮解性にすることが可能であり、これらも非潮解性のパームアッシュカリを含む肥料の原料のひとつとして使用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施の形態を、以下図および表に基づいて説明する。
本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、潮解性、飛散性のないパームアッシュカリ混合肥料であるが、原料として、パームアッシュカリと、酸化カルシウムなどを主成分とする鶏糞燃焼灰、生石灰などを用い、これに添加剤として糖蜜などのバインダーを混合して、粒状に成型したものである。
以下、本発明に使用する材料の特徴について説明し、その原料から製造されるパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の特徴について説明する。
【0008】
パームアッシュカリはパーム椰子の実の部分を除いた房の部分(Empty Bunch)を燃焼させてできる草木灰の一種である。その主成分である水酸化カリウムは、植物が成長にするために必要なカリ成分を他の草木灰より大変多く含有するので、主要なカリ肥料となっている。
そのパームアッシュカリの成分の分析表を下記表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
これに使用するパームアッシュカリの粒子径は3mmのふるい目下とする。
このパームアッシュカリ原料は、そのままでは嵩比重も小さいので、このままでは施肥時には風に乗り飛散し易く使用しにくい材料である。
本発明ではそのようなパームアッシュカリ原料を酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどと混合分散させてバインダーを使用して混練して造粒するので、重みを持った粒子は耕地内の目的箇所に飛散させずに散布させることが可能となる。
したがって酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどと混合分散させるとき、粒子径が互いに近いことが混合分散しやすくなるため、粒子径は0.2mmのふるい目下が好ましい。
【0011】
一方、前記パームアッシュカリの主成分である水酸化カリウムは、空気中の水分を吸収して潮解性を示す性状があり、潮解すると粒子は解けるようにして粒子同士が付着してしまい、このままでは肥料として使用し難い。
この潮解性を発現させない方法として、炭酸カルシウムの防湿性皮膜を形成して水分を近づけさせない方法と、炭酸カリウムに化学変化させて水分の吸着を抑える組成にする方法が考えられるが、本発明ではこれらの方法を併行して進行させることを着想した。
そして、前者の方法として、パームアッシュカリの主成分である水酸化カリウムに炭酸カルシウムの防湿性皮膜を形成して水分を近づけさせない材料として、鶏糞燃焼灰に着目した。
その鶏糞燃焼灰は鶏糞を900〜1000℃で燃焼させて製造され、酸化カルシウムを主成分とする。
この鶏糞燃焼灰の成分の分析表を下記表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
上表2にある如く、鶏糞燃焼灰にはCaOが28.5%含まれ、この酸化カルシウムに水を添加すると水和反応を起こして水酸化カルシウムに変化し、その後、水分が蒸気となって空気中に放出されるに従って該水酸化カルシウムは炭酸ガスを吸収して、次第に防湿性皮膜である炭酸カルシウムを形成して硬化し、水分を近づけさせなくなる。
また、パームアッシュカリの主成分である水酸化カリウムに水分を寄せ付けない他の材料として、生石灰、苦土生石灰も使用できる。
【0014】
いずれもその主成分が酸化カルシウムであるので、前記同様に水和反応を起こし、更に炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムに化学変化し、硬化し、水分を近づけさせなくする。
更に、パームアッシュカリに水分を寄せ付けない他の材料として、消石灰、苦土消石灰も使用でき、それらの混合物でも使用可能である。
これらは、主成分が水酸化カルシウムであるので、炭酸ガスを吸収して前記同様、炭酸カルシウムに化学変化し、硬化し、水分を近づけさせなくすることができる。
【0015】
本発明では、このほかに、粒子が崩れないよう強度を持たせるためにバインダーを用いる。
バインダーとして使用する材料は、製糖産業の副産物ならびに廃糖蜜を発酵工業にて利用した後に産生される糖蜜発酵副産濃縮液、リグニンスルホン酸塩、コーンスチープリカー、CMCなどの水溶性結合剤である。
本発明で使用するパームアッシュカリ肥料と鶏糞燃焼灰などを混練して結合を成し、且つ粒子径1〜10mmに造粒して自重で壊れない強度に保持できるようにそれらを適量使用する。
【0016】
以上の各材料は独自の特徴を有するが、本発明であるパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の配合表の一例を下記表3に示すと共に、該パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造工程を図1に示し、該工程における化学反応状態について説明する。
【0017】
【表3】
【0018】
上記表3の配合(1)〜(4)は、パームアッシュカリ肥料の配合量に対するカルシウム含有物の配合量の4例を示している。
上記4例はいずれも、0.2mmのふるい目下に粉砕したパームアッシュカリ肥料とカルシウム含有物を、合わせて100重量%とし、混合機で混合して該混合材にバインダー4重量%を混練したものである。
カルシウム含有物は鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰のいずれかの単品種でも良く、それらの2品種以上の混合品を用いることもできる。
【0019】
そして、図1に示すように、上表3に基づき配合して混練りの後、パン式造粒機あるいはロータリー式造粒機にて造粒し、自重では壊れない強度を発現させる。
この造粒された混合肥料の外径は1〜10mm程度に抑え、パームアッシュカリ肥料の基本の粒形状を形成させる。
このように造粒された前記パームアッシュカリ肥料は水分を含んでおり、含有するパームアッシュカリ肥料成分である水酸化カリウムは水に溶け始め、次第に粘性が生じる。しかし一方において、そのパームアッシュカリ肥料に配合された鶏糞燃焼灰、生石灰、苦土生石灰由来の酸化カルシウムは、水分と即座に水和反応を開始して水酸化カルシウムを形成し、造粒後にはパームアッシュカリ肥料の外周面が漆喰化されて、崩れることがなくなる。
【0020】
この水酸化カルシウムは水分を該粒状体の内部にこれ以上浸透することを抑制する。
また、この粒状パームアッシュカリ肥料に配合される消石灰、苦土消石灰由来の水酸化カルシウムは、上記の酸化カルシウム由来の水酸化カルシウム同様に、造粒後にはパームアッシュカリ肥料の外周面を漆喰化して、崩れることなく粒状を保つことができる。
そして、次工程で、前記漆喰化した水酸化カルシウムは水分を放出しながら外気の炭酸ガスや炭酸ガス発生装置による炭酸ガスを吸収し、炭酸カルシウムを形成する。
この炭酸カルシウムはパームアッシュカリ肥料の外周を覆うことになり、この炭酸カルシウムで覆われたパームアッシュカリ肥料は潮解性が起こらず、又は起き難くなる。
このように造粒されたパームアッシュカリ肥料の成分の分析表を下記表4に示す。
【0021】
【表4】
【0022】
この表4に示す通り、造粒されたパームアッシュカリ肥料には46.2%と多量の水酸化カリウムが含まれているが、21.2%と多量の炭酸カルシウムで覆われているので、潮解が起き難い。
【0023】
一方、造粒しても炭酸カルシウムが形成されていない場合、即ち本発明の原料であるパームアッシュカリ肥料とバインダーだけを配合して混合混練して造粒した場合は、成分である水酸化カリウムが潮解してしまい、徐々に粘性の高い液状に進行する。
そこで、この配合で混合混練して造粒した後に炭酸ガスと接触させると、水分の吸着を抑える組成である炭酸カリウムが形成されて一時的であるが潮解性が抑えられる。
更に、この水酸化カリウムが少量の場合も、炭酸ガスと接触させて形成した炭酸カリウムは潮解性を抑えることができる。
【0024】
以上で、炭酸カルシウムでパームアッシュカリ肥料を被覆し、部分的に残った水酸化カリウムを炭酸化して炭酸カリウムを形成し、長期的に潮解性を大幅に軽減する方法を説明した。
【0025】
次に、前記説明におけるパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の潮解性を防止するメカニズムとして次のステップが考えられ、そのステップでパームアッシュカリ由来の水酸化カリウムの潮解性を長期的に大幅軽減することが可能となる。
即ち、第1ステップにおいては、酸化カルシウム由来の水酸化カルシウムは水分を含んで漆喰化を開始し、パームアッシュカリ由来の水酸化カリウムを覆いつつ、パームアッシュカリ肥料は粒状成長する。
第2ステップにおいては、該粒状成長したパームアッシュカリ肥料の表層部において漆喰化した水酸化カルシウムは、炭酸ガスと接触して水分に不溶解な炭酸カルシウムを被覆形成する。更に、該炭酸ガスは、まだ炭酸カルシウムで被覆されていないパームアッシュカリ肥料由来の水酸化カリウムを炭酸カリウムに化学的に変性させる。
第3ステップにおいては、該粒状パームアッシュカリ肥料を乾燥させて水分を発散させると共に、水分を粒状パームアッシュカリ肥料の内部への浸透を抑制する。
【0026】
上記ステップで、酸化カルシウムや水酸化カルシウムが化学変化して水分に不溶な炭酸カルシウムを形成してパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の潮解性を大幅に軽減し、水酸化カリウムが炭酸カリウムに化学変化してパームアッシュカリの潮解性を抑えることについて、本発明の化学反応の仕組みが下記反応式の一例である化1及び化2で示される。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
上記化学式に示されるように、この反応式が成立するためには水と炭酸ガスが必要であり、水は結合剤から、炭酸ガスは発生装置から供給され、水和反応による化学反応となる。
従来、草木灰を水に溶かして炭酸カリウムの水溶液を得る方法があるが、炭酸カリウムは水溶液として溶解しているので、水分の蒸発による粒状物の形成はできない。
【0030】
以上のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料に関わる作用効果について、以下に説明する。
本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、酸化カルシウムや水酸化カルシウム由来の炭酸カルシウムで覆われているので、潮解性を大幅に軽減する。
パームアッシュカリ肥料の主成分である水酸化カリウムが少量の場合、炭酸ガスと化学反応して炭酸カリウムに状態変化しているので、潮解が目立たない。
パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料はバインダーと共に造粒され、その粒子が固化されて一定強度を保っているので、施肥作業時に飛散や流亡がない。
【0031】
次に、本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を、配合の量を変えて製作し、配合量と潮解性との関係を調べたら、その結果は下記表5に示す通りであった。
【0032】
【表5】
【0033】
この表5中で、例えば実施例NO.1の(生石灰)B、もしくは実施例NO.1の(生石灰)Cでは、パームアッシュカリ重量部95に対し酸化カルシウムもしくは水酸化カルシウム重量部5を混合した結果、この配合で、パームアッシュカリの潮解性を5日以上抑えることを確認し得た(この表5では○印は5日以上潮解性がなかったことを示す)。
【0034】
また、実施例NO.3の(鶏糞燃焼灰)Aでは、パームアッシュカリの重量部85に対し鶏糞燃焼灰の重量部15を混合した結果、この配合では、パームアッシュカリの潮解性を10日以上抑えることが確認できた(この表5では◎印は10日以上潮解性がなかったことを示す)。
【0035】
さらに、実施例NO.19の(鶏糞燃焼灰)Aでは、パームアッシュカリ重量部5に対し鶏糞燃焼灰重量部95を混合した結果、この配合では、パームアッシュカリの潮解性を10日以上抑えることが確認できた(この表5では●印は10日以上潮解性がなかったことを示す)。しかし、この配合では、パームアッシュカリが最も少ない配合であるが、鶏糞燃焼灰には多量の酸化カリウムと多量の酸化カルシウムが含まれているので、カリウム成分が多く、且つ潮解が起き難い肥料になっている。
また、実施例NO.7では苦土生石灰(D)と(苦土消石灰)Eもパームアッシュカリの潮解性を10日以上抑えることを確認し得た。
【実施例1】
【0036】
上記表5中の実施例NO.6の(鶏糞燃焼灰)Aの製造方法について、以下詳しく説明する。
この製造方法では、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を製造するに当たり、事前に3mmふるい目下のパームアッシュカリをボールミル等の粉砕機を使用して0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリに粉砕して本発明の原料とした。
そして、0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリ70kg、鶏糞燃焼灰30kgを採取し、リボンミキサーで両者を配合混合して、バインダーであるリグニンスルホン酸塩(通称名:リグニン)4kgを混練し、ロータリー式造粒機にて造粒しながら、外径を1〜10mm程度の粒状に成形すると共に、自重では壊れない強度を持たせた。
その後、該粒状物を重油燃焼炭酸ガスにより炭酸ガスと反応させつつ、加熱乾燥を行ってパームアッシュカリ混合肥料を製造した。
また他の方法としては、造粒後に自然放置して大気中の炭酸ガスと反応させ、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を製造することもできる。
【0037】
(比較試験例1)
上記方法で製造した外径1〜10mmのパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の品質を確認するために、潮解試験を行い、潮解試験試料としてシャーレに粒状肥料を採取し、30℃、湿度70%の雰囲気中にて経過観察をし、そして本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の優位性を確認するために、原料のパームアッシュカリをほぼ同じ大きさに造粒したものを同一条件の雰囲気中において両者を比較した。
【0038】
潮解試験試料の潮解状況を図2〜図6の写真で示す。
図2は試験開始時の比較写真で、原料である改良前のパームアッシュカリ肥料をPBA100%と明示し、該PBA100%は既に部分的に黒色に変色して潮解が開始していることが観察できる。
図3は潮解試験開始後2時間を経過した写真で、両者の黒色に変色の差が大きくなっていることを示し、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%が黒変している量が増え、吸湿して潮解が進んでいることを示している。本発明品は原料のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰を30%混合したものであるので鶏糞灰30%と明示しているが、色相に変化がない。
このことから、本発明のパームアッシュカリ粒状肥料には潮解性がないことを確認できた。
また、図4は潮解試験開始後1日(24時間)を経過した写真で、時間経過するに従って、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は潮解性を更に高め、この写真では全量黒変している。しかし、本発明品の鶏糞灰30%明示品ではほとんど色にも変化がない。
【0039】
さらに、図5は潮解試験開始後5日を経過した写真で、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は完全に潮解を起こして黒化し、水分が確認されると共に粘性の高い流動化が起きていることを示している。しかし、本発明品の鶏糞灰30%明示品の方は若干吸湿して色相変化している程度で、本発明のパームアッシュカリ粒状肥料には殆ど潮解性がないことが確認できた。
また、図6は前記潮解試験開始後5日を経過した潮解試験試料の両方をシャーレから取り出した状況を示している。原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方はヘラで動かして流動化状況を可視化させた写真である。これに対して本発明品の鶏糞灰30%明示品の方は、若干の吸湿は観察されるが潮解を起こさず、粒状の原型が保持されている。
【実施例2】
【0040】
上記表5中の実施例NO.6の(鶏糞燃焼灰)Aの実施例1の配合構成中のバインダーを別のバインダーと置き換えをした場合の製造方法について、以下詳しく説明する。
この製造方法では、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を製造するに当たり、事前に3mmふるい目下のパームアッシュカリをボールミル等の粉砕機を使用して0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリに粉砕して本発明の原料とした。
そして、0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリ70kg、鶏糞燃焼灰30kgを採取し、リボンミキサーで両者を配合混合して、バインダーである糖蜜発酵副産濃縮液(通称名:廃糖蜜)4kgを混練し、ロータリー式造粒機にて造粒しながら、外径を1〜10mm程度の粒状に成形すると共に、自重では壊れない強度を持たせた。
その後、該粒状物を重油燃焼炭酸ガスにより炭酸ガスと反応させつつ、加熱乾燥を行ってパームアッシュカリ混合肥料を製造した。
また他の方法としては、造粒後に自然放置して大気中の炭酸ガスと反応させることによって、本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料が製造できる。
【0041】
(比較試験例2)
上記方法で製造した外径1〜10mmのパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の品質を確認するために、潮解試験を行い、潮解試験試料としてシャーレに非潮解性粒状肥料を採取し、30℃、湿度70%の雰囲気中にて経過観察し、そして、本発明の肥料の優位性を確認するために、原料のパームアッシュカリ肥料を造粒したものをと同一の雰囲気中において両者を比較した。
【0042】
潮解試験試料の潮解状況を図7〜図11に写真で示す。
図7は試験開始時の比較写真で、原料である改良前のパームアッシュカリ肥料をPBA100%と明示し、そのPBA100%は既に部分的に黒色に変色して潮解が開始していることが観察できる。
また、図8は潮解試験開始後2時間を経過した写真で、PBA100%はさらに黒色に変色し、色の差が明確に大きくなっていることがわかる。
原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%のほうは黒変している量が増え、吸湿して潮解が進んでいることを示している。
これに対して本発明品は原料のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰を30%混合したものであるので鶏糞灰30%と明示しているが、色相に変化がなく、潮解が起きていないことが確認できる。
【0043】
さらに、図9は潮解試験開始後1日(24時間)を経過した写真で、時間経過するに従って、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は潮解性が更に進み、写真では全量真っ黒く変化している。しかし本発明品の鶏糞灰30%明示品はほとんど変化が起きていない。
また、図10は潮解試験開始後5日を経過した写真で、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は完全に潮解を起こして黒化し、水分が確認されると共に粘性の高い流動化が起きていることを示している。しかし本発明品の鶏糞灰30%明示品の方は若干吸湿して色相が少し変化している程度で、潮解が起きていないことが確認できる。
そして、図11は前記潮解試験開始後5日を経過した潮解試験試料の両方をシャーレから取り出した状況を示している。
原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方はヘラで動かして流動化状況を可視化させた写真である。これに対して本発明品の鶏糞灰30%明示品の方では若干の吸湿は観察されるが、バインダーに糖蜜発酵副産濃縮液を用いたものも、潮解は起こらず、粒状の原型がそのまま保持されているようすがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、カリ成分の豊富な飛散流亡のない非潮解性を備えたパームアッシュカリを含むカリ肥料である。原料のパームアッシュカリは本来潮解性を有しおり、肥料の分野にあって、カリ肥料以外でもパームアッシュカリの潮解性をなした粒状を成す肥料として各種利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造工程図である。
【図2】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始時の比較写真である。
【図3】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始2時間経過後の比較写真である。
【図4】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始24時間経過後の比較写真である。
【図5】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の比較写真である。
【図6】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の流動可視化比較写真である。
【図7】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始時の比較写真である。
【図8】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始2時間経過後の比較写真である。
【図9】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始24時間経過後の比較写真である。
【図10】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の比較写真である。
【図11】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の流動可視化比較写真である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、パームアッシュカリ肥料に鶏糞燃焼灰などを混合した潮解性のないパームアッシュカリ混合肥料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
椰子油の原料となるパーム椰子(Empty Bunch)を燃焼させた灰は有機物由来のカリ肥料として使用されている草木灰の一種であり、該パーム椰子灰はパームアッシュと呼ばれ、カリウム成分が他の草木灰に比べて大変豊富であるため、パームアッシュカリとしてカリ肥料に採用されている。
しかし、該パームアッシュカリ肥料は粉状で且つ比重が小さいため、施肥作業時には飛散や流亡が発生し易く、元肥、追肥ともに使用し難い肥料となっている。
この施肥時に飛散し易いという燃焼灰肥料の処理方法の一例として、特許文献1には、パーム椰子の燃焼灰に水または助剤を10〜25%添加混合して粘着性、凝集性を高め、更に次の工程で骨粉、ナタネ油かす、魚かすなどの有機物含有肥料や、窒素、リン酸、カリ成分を含有する化学肥料を混合し、しかる後に造粒することにより密度を高め、飛散を防止した成形肥料の製造方法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−194066号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1の処理方法では、造粒により飛散は防止できても、該パーム椰子のカリ成分である水酸化カリウムの特徴である所謂、パーム椰子の量が多い場合は潮解性が発現して施肥作業が困難になり、パーム椰子の燃焼灰肥料による高含有カリ肥料として常時使用でき得ないものとなっている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、水酸化カリウムを主成分とするパームアッシュカリ肥料と酸化カルシウムを主成分とする鶏糞燃焼灰や水酸化カルシウムを主成分とする消石灰などを混合して混合肥料とし、炭酸ガスを接触させて炭酸カルシウムにし、潮解をなくしたパームアッシュカリ混合肥料およびその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、粒状肥料に含まれる全100重量%に対して、原料の粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリが5〜95重量%、鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体が95〜5重量%に配合され、且つ前記両原料で造粒した粒子の形状を保持し得る量のバインダーが配合されて、パームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とする。
【0005】
請求項2記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法は、上記請求項1に記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法であって、(a)粒子径3mm古い目下のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体を混合する工程と、(b)該混合粉体に、造粒した粒子の形状が保持し得る量のバインダーを加えて混練する工程と、(c)該混練物を造粒する工程と、(d)該造粒物を加熱乾燥しつつ炭酸ガスを接触反応させる工程とから成り、前記製造工程中でパームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、パームアッシュカリに含有された本来潮解性のある水酸化カリウムに対して、これに配合された鶏糞燃焼灰などに含まれた酸化カルシウムや水酸化カルシウム由来の炭酸カルシウムが混合されることによって、パームアッシュカリの水酸化カリウムの潮解性をなくすことが可能となる。このため、保存中に潮解を起こし粒子同士が湿った泥状になって付着してしまうのを解消できるようになる。
また、この肥料はバインダーと共に造粒しているので粒子が自壊することのない強度を保持でき、乾燥による微粉化も起こらないので施肥作業時に粉体飛散や流亡の発生もない。
したがって、耕地に散布する際に、肥料粒子を分散させて支障なく施肥作業を行うことが可能になる。
また、製造工程中において、重油燃焼炭酸ガスで処理するので、大量に且つ短時間で酸化カルシウムや水酸化カルシウム等の炭酸化を促すとともに乾燥させることが同時に可能となるので、効率良く大量に生産することが可能となる。
さらに、これまで処分に困っていた養鶏場で大量に発生する鶏糞を燃焼灰にし、使用する配合比を高めることにとって、より多く利用し消費できるようになったことは廃棄物処理の観点からも極めて有益である。
また、本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、鶏糞燃焼灰のほかに生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰及びそれらの混合物もパームアッシュカリを非潮解性にすることが可能であり、これらも非潮解性のパームアッシュカリを含む肥料の原料のひとつとして使用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施の形態を、以下図および表に基づいて説明する。
本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、潮解性、飛散性のないパームアッシュカリ混合肥料であるが、原料として、パームアッシュカリと、酸化カルシウムなどを主成分とする鶏糞燃焼灰、生石灰などを用い、これに添加剤として糖蜜などのバインダーを混合して、粒状に成型したものである。
以下、本発明に使用する材料の特徴について説明し、その原料から製造されるパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の特徴について説明する。
【0008】
パームアッシュカリはパーム椰子の実の部分を除いた房の部分(Empty Bunch)を燃焼させてできる草木灰の一種である。その主成分である水酸化カリウムは、植物が成長にするために必要なカリ成分を他の草木灰より大変多く含有するので、主要なカリ肥料となっている。
そのパームアッシュカリの成分の分析表を下記表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
これに使用するパームアッシュカリの粒子径は3mmのふるい目下とする。
このパームアッシュカリ原料は、そのままでは嵩比重も小さいので、このままでは施肥時には風に乗り飛散し易く使用しにくい材料である。
本発明ではそのようなパームアッシュカリ原料を酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどと混合分散させてバインダーを使用して混練して造粒するので、重みを持った粒子は耕地内の目的箇所に飛散させずに散布させることが可能となる。
したがって酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどと混合分散させるとき、粒子径が互いに近いことが混合分散しやすくなるため、粒子径は0.2mmのふるい目下が好ましい。
【0011】
一方、前記パームアッシュカリの主成分である水酸化カリウムは、空気中の水分を吸収して潮解性を示す性状があり、潮解すると粒子は解けるようにして粒子同士が付着してしまい、このままでは肥料として使用し難い。
この潮解性を発現させない方法として、炭酸カルシウムの防湿性皮膜を形成して水分を近づけさせない方法と、炭酸カリウムに化学変化させて水分の吸着を抑える組成にする方法が考えられるが、本発明ではこれらの方法を併行して進行させることを着想した。
そして、前者の方法として、パームアッシュカリの主成分である水酸化カリウムに炭酸カルシウムの防湿性皮膜を形成して水分を近づけさせない材料として、鶏糞燃焼灰に着目した。
その鶏糞燃焼灰は鶏糞を900〜1000℃で燃焼させて製造され、酸化カルシウムを主成分とする。
この鶏糞燃焼灰の成分の分析表を下記表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
上表2にある如く、鶏糞燃焼灰にはCaOが28.5%含まれ、この酸化カルシウムに水を添加すると水和反応を起こして水酸化カルシウムに変化し、その後、水分が蒸気となって空気中に放出されるに従って該水酸化カルシウムは炭酸ガスを吸収して、次第に防湿性皮膜である炭酸カルシウムを形成して硬化し、水分を近づけさせなくなる。
また、パームアッシュカリの主成分である水酸化カリウムに水分を寄せ付けない他の材料として、生石灰、苦土生石灰も使用できる。
【0014】
いずれもその主成分が酸化カルシウムであるので、前記同様に水和反応を起こし、更に炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムに化学変化し、硬化し、水分を近づけさせなくする。
更に、パームアッシュカリに水分を寄せ付けない他の材料として、消石灰、苦土消石灰も使用でき、それらの混合物でも使用可能である。
これらは、主成分が水酸化カルシウムであるので、炭酸ガスを吸収して前記同様、炭酸カルシウムに化学変化し、硬化し、水分を近づけさせなくすることができる。
【0015】
本発明では、このほかに、粒子が崩れないよう強度を持たせるためにバインダーを用いる。
バインダーとして使用する材料は、製糖産業の副産物ならびに廃糖蜜を発酵工業にて利用した後に産生される糖蜜発酵副産濃縮液、リグニンスルホン酸塩、コーンスチープリカー、CMCなどの水溶性結合剤である。
本発明で使用するパームアッシュカリ肥料と鶏糞燃焼灰などを混練して結合を成し、且つ粒子径1〜10mmに造粒して自重で壊れない強度に保持できるようにそれらを適量使用する。
【0016】
以上の各材料は独自の特徴を有するが、本発明であるパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の配合表の一例を下記表3に示すと共に、該パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造工程を図1に示し、該工程における化学反応状態について説明する。
【0017】
【表3】
【0018】
上記表3の配合(1)〜(4)は、パームアッシュカリ肥料の配合量に対するカルシウム含有物の配合量の4例を示している。
上記4例はいずれも、0.2mmのふるい目下に粉砕したパームアッシュカリ肥料とカルシウム含有物を、合わせて100重量%とし、混合機で混合して該混合材にバインダー4重量%を混練したものである。
カルシウム含有物は鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰のいずれかの単品種でも良く、それらの2品種以上の混合品を用いることもできる。
【0019】
そして、図1に示すように、上表3に基づき配合して混練りの後、パン式造粒機あるいはロータリー式造粒機にて造粒し、自重では壊れない強度を発現させる。
この造粒された混合肥料の外径は1〜10mm程度に抑え、パームアッシュカリ肥料の基本の粒形状を形成させる。
このように造粒された前記パームアッシュカリ肥料は水分を含んでおり、含有するパームアッシュカリ肥料成分である水酸化カリウムは水に溶け始め、次第に粘性が生じる。しかし一方において、そのパームアッシュカリ肥料に配合された鶏糞燃焼灰、生石灰、苦土生石灰由来の酸化カルシウムは、水分と即座に水和反応を開始して水酸化カルシウムを形成し、造粒後にはパームアッシュカリ肥料の外周面が漆喰化されて、崩れることがなくなる。
【0020】
この水酸化カルシウムは水分を該粒状体の内部にこれ以上浸透することを抑制する。
また、この粒状パームアッシュカリ肥料に配合される消石灰、苦土消石灰由来の水酸化カルシウムは、上記の酸化カルシウム由来の水酸化カルシウム同様に、造粒後にはパームアッシュカリ肥料の外周面を漆喰化して、崩れることなく粒状を保つことができる。
そして、次工程で、前記漆喰化した水酸化カルシウムは水分を放出しながら外気の炭酸ガスや炭酸ガス発生装置による炭酸ガスを吸収し、炭酸カルシウムを形成する。
この炭酸カルシウムはパームアッシュカリ肥料の外周を覆うことになり、この炭酸カルシウムで覆われたパームアッシュカリ肥料は潮解性が起こらず、又は起き難くなる。
このように造粒されたパームアッシュカリ肥料の成分の分析表を下記表4に示す。
【0021】
【表4】
【0022】
この表4に示す通り、造粒されたパームアッシュカリ肥料には46.2%と多量の水酸化カリウムが含まれているが、21.2%と多量の炭酸カルシウムで覆われているので、潮解が起き難い。
【0023】
一方、造粒しても炭酸カルシウムが形成されていない場合、即ち本発明の原料であるパームアッシュカリ肥料とバインダーだけを配合して混合混練して造粒した場合は、成分である水酸化カリウムが潮解してしまい、徐々に粘性の高い液状に進行する。
そこで、この配合で混合混練して造粒した後に炭酸ガスと接触させると、水分の吸着を抑える組成である炭酸カリウムが形成されて一時的であるが潮解性が抑えられる。
更に、この水酸化カリウムが少量の場合も、炭酸ガスと接触させて形成した炭酸カリウムは潮解性を抑えることができる。
【0024】
以上で、炭酸カルシウムでパームアッシュカリ肥料を被覆し、部分的に残った水酸化カリウムを炭酸化して炭酸カリウムを形成し、長期的に潮解性を大幅に軽減する方法を説明した。
【0025】
次に、前記説明におけるパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の潮解性を防止するメカニズムとして次のステップが考えられ、そのステップでパームアッシュカリ由来の水酸化カリウムの潮解性を長期的に大幅軽減することが可能となる。
即ち、第1ステップにおいては、酸化カルシウム由来の水酸化カルシウムは水分を含んで漆喰化を開始し、パームアッシュカリ由来の水酸化カリウムを覆いつつ、パームアッシュカリ肥料は粒状成長する。
第2ステップにおいては、該粒状成長したパームアッシュカリ肥料の表層部において漆喰化した水酸化カルシウムは、炭酸ガスと接触して水分に不溶解な炭酸カルシウムを被覆形成する。更に、該炭酸ガスは、まだ炭酸カルシウムで被覆されていないパームアッシュカリ肥料由来の水酸化カリウムを炭酸カリウムに化学的に変性させる。
第3ステップにおいては、該粒状パームアッシュカリ肥料を乾燥させて水分を発散させると共に、水分を粒状パームアッシュカリ肥料の内部への浸透を抑制する。
【0026】
上記ステップで、酸化カルシウムや水酸化カルシウムが化学変化して水分に不溶な炭酸カルシウムを形成してパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の潮解性を大幅に軽減し、水酸化カリウムが炭酸カリウムに化学変化してパームアッシュカリの潮解性を抑えることについて、本発明の化学反応の仕組みが下記反応式の一例である化1及び化2で示される。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
上記化学式に示されるように、この反応式が成立するためには水と炭酸ガスが必要であり、水は結合剤から、炭酸ガスは発生装置から供給され、水和反応による化学反応となる。
従来、草木灰を水に溶かして炭酸カリウムの水溶液を得る方法があるが、炭酸カリウムは水溶液として溶解しているので、水分の蒸発による粒状物の形成はできない。
【0030】
以上のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料に関わる作用効果について、以下に説明する。
本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料は、酸化カルシウムや水酸化カルシウム由来の炭酸カルシウムで覆われているので、潮解性を大幅に軽減する。
パームアッシュカリ肥料の主成分である水酸化カリウムが少量の場合、炭酸ガスと化学反応して炭酸カリウムに状態変化しているので、潮解が目立たない。
パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料はバインダーと共に造粒され、その粒子が固化されて一定強度を保っているので、施肥作業時に飛散や流亡がない。
【0031】
次に、本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を、配合の量を変えて製作し、配合量と潮解性との関係を調べたら、その結果は下記表5に示す通りであった。
【0032】
【表5】
【0033】
この表5中で、例えば実施例NO.1の(生石灰)B、もしくは実施例NO.1の(生石灰)Cでは、パームアッシュカリ重量部95に対し酸化カルシウムもしくは水酸化カルシウム重量部5を混合した結果、この配合で、パームアッシュカリの潮解性を5日以上抑えることを確認し得た(この表5では○印は5日以上潮解性がなかったことを示す)。
【0034】
また、実施例NO.3の(鶏糞燃焼灰)Aでは、パームアッシュカリの重量部85に対し鶏糞燃焼灰の重量部15を混合した結果、この配合では、パームアッシュカリの潮解性を10日以上抑えることが確認できた(この表5では◎印は10日以上潮解性がなかったことを示す)。
【0035】
さらに、実施例NO.19の(鶏糞燃焼灰)Aでは、パームアッシュカリ重量部5に対し鶏糞燃焼灰重量部95を混合した結果、この配合では、パームアッシュカリの潮解性を10日以上抑えることが確認できた(この表5では●印は10日以上潮解性がなかったことを示す)。しかし、この配合では、パームアッシュカリが最も少ない配合であるが、鶏糞燃焼灰には多量の酸化カリウムと多量の酸化カルシウムが含まれているので、カリウム成分が多く、且つ潮解が起き難い肥料になっている。
また、実施例NO.7では苦土生石灰(D)と(苦土消石灰)Eもパームアッシュカリの潮解性を10日以上抑えることを確認し得た。
【実施例1】
【0036】
上記表5中の実施例NO.6の(鶏糞燃焼灰)Aの製造方法について、以下詳しく説明する。
この製造方法では、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を製造するに当たり、事前に3mmふるい目下のパームアッシュカリをボールミル等の粉砕機を使用して0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリに粉砕して本発明の原料とした。
そして、0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリ70kg、鶏糞燃焼灰30kgを採取し、リボンミキサーで両者を配合混合して、バインダーであるリグニンスルホン酸塩(通称名:リグニン)4kgを混練し、ロータリー式造粒機にて造粒しながら、外径を1〜10mm程度の粒状に成形すると共に、自重では壊れない強度を持たせた。
その後、該粒状物を重油燃焼炭酸ガスにより炭酸ガスと反応させつつ、加熱乾燥を行ってパームアッシュカリ混合肥料を製造した。
また他の方法としては、造粒後に自然放置して大気中の炭酸ガスと反応させ、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を製造することもできる。
【0037】
(比較試験例1)
上記方法で製造した外径1〜10mmのパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の品質を確認するために、潮解試験を行い、潮解試験試料としてシャーレに粒状肥料を採取し、30℃、湿度70%の雰囲気中にて経過観察をし、そして本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の優位性を確認するために、原料のパームアッシュカリをほぼ同じ大きさに造粒したものを同一条件の雰囲気中において両者を比較した。
【0038】
潮解試験試料の潮解状況を図2〜図6の写真で示す。
図2は試験開始時の比較写真で、原料である改良前のパームアッシュカリ肥料をPBA100%と明示し、該PBA100%は既に部分的に黒色に変色して潮解が開始していることが観察できる。
図3は潮解試験開始後2時間を経過した写真で、両者の黒色に変色の差が大きくなっていることを示し、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%が黒変している量が増え、吸湿して潮解が進んでいることを示している。本発明品は原料のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰を30%混合したものであるので鶏糞灰30%と明示しているが、色相に変化がない。
このことから、本発明のパームアッシュカリ粒状肥料には潮解性がないことを確認できた。
また、図4は潮解試験開始後1日(24時間)を経過した写真で、時間経過するに従って、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は潮解性を更に高め、この写真では全量黒変している。しかし、本発明品の鶏糞灰30%明示品ではほとんど色にも変化がない。
【0039】
さらに、図5は潮解試験開始後5日を経過した写真で、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は完全に潮解を起こして黒化し、水分が確認されると共に粘性の高い流動化が起きていることを示している。しかし、本発明品の鶏糞灰30%明示品の方は若干吸湿して色相変化している程度で、本発明のパームアッシュカリ粒状肥料には殆ど潮解性がないことが確認できた。
また、図6は前記潮解試験開始後5日を経過した潮解試験試料の両方をシャーレから取り出した状況を示している。原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方はヘラで動かして流動化状況を可視化させた写真である。これに対して本発明品の鶏糞灰30%明示品の方は、若干の吸湿は観察されるが潮解を起こさず、粒状の原型が保持されている。
【実施例2】
【0040】
上記表5中の実施例NO.6の(鶏糞燃焼灰)Aの実施例1の配合構成中のバインダーを別のバインダーと置き換えをした場合の製造方法について、以下詳しく説明する。
この製造方法では、パームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料を製造するに当たり、事前に3mmふるい目下のパームアッシュカリをボールミル等の粉砕機を使用して0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリに粉砕して本発明の原料とした。
そして、0.2mmふるい目下の粉状パームアッシュカリ70kg、鶏糞燃焼灰30kgを採取し、リボンミキサーで両者を配合混合して、バインダーである糖蜜発酵副産濃縮液(通称名:廃糖蜜)4kgを混練し、ロータリー式造粒機にて造粒しながら、外径を1〜10mm程度の粒状に成形すると共に、自重では壊れない強度を持たせた。
その後、該粒状物を重油燃焼炭酸ガスにより炭酸ガスと反応させつつ、加熱乾燥を行ってパームアッシュカリ混合肥料を製造した。
また他の方法としては、造粒後に自然放置して大気中の炭酸ガスと反応させることによって、本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料が製造できる。
【0041】
(比較試験例2)
上記方法で製造した外径1〜10mmのパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の品質を確認するために、潮解試験を行い、潮解試験試料としてシャーレに非潮解性粒状肥料を採取し、30℃、湿度70%の雰囲気中にて経過観察し、そして、本発明の肥料の優位性を確認するために、原料のパームアッシュカリ肥料を造粒したものをと同一の雰囲気中において両者を比較した。
【0042】
潮解試験試料の潮解状況を図7〜図11に写真で示す。
図7は試験開始時の比較写真で、原料である改良前のパームアッシュカリ肥料をPBA100%と明示し、そのPBA100%は既に部分的に黒色に変色して潮解が開始していることが観察できる。
また、図8は潮解試験開始後2時間を経過した写真で、PBA100%はさらに黒色に変色し、色の差が明確に大きくなっていることがわかる。
原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%のほうは黒変している量が増え、吸湿して潮解が進んでいることを示している。
これに対して本発明品は原料のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰を30%混合したものであるので鶏糞灰30%と明示しているが、色相に変化がなく、潮解が起きていないことが確認できる。
【0043】
さらに、図9は潮解試験開始後1日(24時間)を経過した写真で、時間経過するに従って、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は潮解性が更に進み、写真では全量真っ黒く変化している。しかし本発明品の鶏糞灰30%明示品はほとんど変化が起きていない。
また、図10は潮解試験開始後5日を経過した写真で、原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方は完全に潮解を起こして黒化し、水分が確認されると共に粘性の高い流動化が起きていることを示している。しかし本発明品の鶏糞灰30%明示品の方は若干吸湿して色相が少し変化している程度で、潮解が起きていないことが確認できる。
そして、図11は前記潮解試験開始後5日を経過した潮解試験試料の両方をシャーレから取り出した状況を示している。
原料のパームアッシュカリ肥料PBA100%の方はヘラで動かして流動化状況を可視化させた写真である。これに対して本発明品の鶏糞灰30%明示品の方では若干の吸湿は観察されるが、バインダーに糖蜜発酵副産濃縮液を用いたものも、潮解は起こらず、粒状の原型がそのまま保持されているようすがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、カリ成分の豊富な飛散流亡のない非潮解性を備えたパームアッシュカリを含むカリ肥料である。原料のパームアッシュカリは本来潮解性を有しおり、肥料の分野にあって、カリ肥料以外でもパームアッシュカリの潮解性をなした粒状を成す肥料として各種利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造工程図である。
【図2】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始時の比較写真である。
【図3】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始2時間経過後の比較写真である。
【図4】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始24時間経過後の比較写真である。
【図5】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の比較写真である。
【図6】リグニンスルホン酸塩を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の流動可視化比較写真である。
【図7】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始時の比較写真である。
【図8】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始2時間経過後の比較写真である。
【図9】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始24時間経過後の比較写真である。
【図10】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の比較写真である。
【図11】糖蜜発酵副産濃縮液を使用した潮解試験試料の試験開始5日経過後の流動可視化比較写真である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状肥料に含まれる全100重量%に対して、原料の粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリが5〜95重量%、鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体が95〜5重量%に配合され、且つ前記両原料で造粒した粒子の形状を保持し得る量のバインダーが配合されて、パームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とするパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料。
【請求項2】
請求項1に記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法であって、
(a)粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体を混合する工程と、
(b)該混合粉体に、造粒した粒子の形状が保持し得る量のバインダーを加えて混練する工程と、
(c)該混練物を造粒する工程と、
(d)該造粒物を加熱乾燥しつつ炭酸ガスを接触反応させる工程と、
から成り、
前記製造工程中でパームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とするパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法。
【請求項1】
粒状肥料に含まれる全100重量%に対して、原料の粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリが5〜95重量%、鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体が95〜5重量%に配合され、且つ前記両原料で造粒した粒子の形状を保持し得る量のバインダーが配合されて、パームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とするパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料。
【請求項2】
請求項1に記載のパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法であって、
(a)粒子径3mmふるい目下のパームアッシュカリに鶏糞燃焼灰、生石灰、消石灰、苦土生石灰、苦土消石灰からなる群のうち少なくともいずれか一つを含む粉体を混合する工程と、
(b)該混合粉体に、造粒した粒子の形状が保持し得る量のバインダーを加えて混練する工程と、
(c)該混練物を造粒する工程と、
(d)該造粒物を加熱乾燥しつつ炭酸ガスを接触反応させる工程と、
から成り、
前記製造工程中でパームアッシュカリに含まれた水酸化カリウムの潮解性をなくしたことを特徴とするパームアッシュカリを混合した非潮解性粒状肥料の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−266042(P2008−266042A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107559(P2007−107559)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(504133383)株式会社古田産業 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(504133383)株式会社古田産業 (4)
【Fターム(参考)】
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