説明

ヒアルロン酸を使用する急性及び過用性の捻挫及び筋違いの治療方法

【課題】本発明は、動物またはヒトの急性または慢性の損傷軟組織の治療のための方法に関し、前記治療法は、損傷軟組織の周辺への治療上有効な量のHAの投与工程を含む。
【解決手段】前記の方法は、HA及び薬剤的に好ましい担体を含む組成物を関節周囲に投与することによって、動物またはヒトの捻挫、筋違い、及び過労性脛部痛の治療に有用である。本発明は、他の治療との捻挫または筋違いの併用治療を増強するために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物及びヒトにおける捻挫及び筋違いの治療におけるヒアルロン酸の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
毎年、数百万のヒトが、急性または過用性の靱帯の損傷(捻挫)や筋腱構造の損傷(筋違い)のための医学的な治療を求めている。捻挫は、第一段階(軽度の靱帯裂傷)、第二段階(血栓の形成と中程度の機能的な障害を伴うより重度の裂傷)、第三段階(機能及び力学的な安定性の損失を伴う靱帯の完全な断裂)に分けることができる。症状は、痛み、熱、赤み、腫れ、及び機能の損失を含む。捻挫の治療は、炎症及び痛みの減少が目的とされている。軽度から中程度の捻挫(第一段階及び第二段階)の治療は、通常家庭で休息、氷、圧迫、及び高い位置に上げること(いわゆるRICE治療(rest-ice- compression-elevation))、アスピリン、イブプロフェン、及びナプロキセンを含む非ステロイド性の抗炎症剤(NSAID)を使用すること、または補強材やギブスを含む各種の道具を用いて固定することにより実施されている。より重度の損傷には、スプリンティング、キャスティング、または外科的な固定化さえ必要になる可能性がある。筋違いは、外傷または筋腱単位の不適切な使用または過用から由来する可能性があり、損傷筋肉の使用時の痛み、腫れ、及び動作の障害を特徴とする。治療には、冷湿布若しくは温湿布、固定、及び/またはNSAIDの使用が含まれる。捻挫と筋違いは、どの靱帯または筋腱構造にも影響を与えうる。捻挫や筋違いは、足、足底筋膜、足首、膝、膝蓋-大腿骨格、臀部、腸脛靭帯、背中、肩、肘、手首、手、顎、及び頸部という関節や構造と結合している靱帯や腱を含むが、それらに限らない。
【0003】
ヒアルロナン、ヒアルロネート、またはヒアルロン酸ナトリウムとしても知られているヒアルロン酸(以後、HAと表記)は、全ての関節組織に存在する豊富な非硫酸化グリコサミノグリカンである。HAは、天然に存在するβ-1,4結合したD-グルクロン酸-(β1,3)-N-アセチル-D-グルコサミン2糖単位からなる直鎖状の多糖類である。その天然型では、HAは高分子量のポリマー(約106-107 Da)として存在している。正常なヒトの関節液では、HAの分子量は約6-7×106 Daであり、濃度は約2-4 mg/mlである。滑膜細胞によって合成されるHAは、関節液の粘弾性に関与しており、軟骨組織の栄養状態の維持において基本的な役割を担っている。関節病では、HAの濃度及び分子量の両者における減少が存在する。外来性の高分子量のHA(>5×106 Da)の関節内への注射が、骨関節炎または関節リウマチに罹っているヒトの機能を改善することが見出された。(Maheu et al., Int. J. Clin. Pract. 56: 804-813,2002 ; Matsuno et al., Inflamm. Res. 48: 154-159,1999)。骨関節炎の患者の機能状態及び痛みの有意な改善のためには、3から5週間、毎週の関節内への注射が必要とされ、治療の停止後に少なくとも6ヶ月から一年まで効果が続いた(Maheu et al., Int. J. Clin. Pract. 56:804-813, 2002)。関節内へのHAの投与が、骨関節炎で見られるHAの分解を後進させる可能性があり、関節液の粘性を回復させる(関節内補充療法)と解されている(Balazs and Denlinger, J. Rheumatol. 20: 3-9,1993)。関節内へのHAの投与は、急性の膝の損傷を受けたヒトの機能を改善することも見出されている(Zattono et al., Eur. J. Rheumatol. Inflamm. 15: 53-69, 1995)。HAの関節内への投与は、各種の疾患について提案されているが、関節内への処置の間に関節腔の位置を決めるのは比較的困難であるため、前記投与は複雑な過程である。不適切な注入は各種の合併症を引き起こす可能性がある。
【0004】
炎症及び/または痛みの減少が目的とされるかどうかに関わらず、最も良く知られた医学的な捻挫や筋違いのための治療はあまり十分ではない事が判明している。これらの治療の多くは、限定した効能や有意な副作用を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Maheu et al., Int. J. Clin. Pract. 56: 804-813,2002
【非特許文献2】Matsuno et al., Inflamm. Res. 48: 154-159,1999
【非特許文献3】Balazs and Denlinger, J. Rheumatol. 20: 3-9,1993
【非特許文献4】Zattono et al., Eur. J. Rheumatol. Inflamm. 15: 53-69, 1995
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
捻挫及び筋違いの治療のための新規な方法及び薬剤の継続する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、治療の必要のある動物またはヒトの捻挫及び/または筋違いの治療方法を提供する。前記方法は、ヒアルロン酸の投与を含み、前記ヒアルロン酸は治療される軟組織の周囲に投与される。軟組織は、筋肉、筋膜、腱、及び靭帯より選択されて良いが、それらに限られない。この態様では、前記方法は、関節周辺、靭帯周辺、筋膜周辺、及び筋腱周辺への投与からなる群より選択される投与の態様を含む。
【0008】
ここで、捻挫及び筋違いのような軟組織の損傷の治療は、損傷軟組織の周囲(すなわち周辺)へのHAの使用により実施されうることが記載される。これは、他の臨床的適応のために過去に記述された関節内へのHAの投与とは対照的である。前記組織が靭帯または筋腱である態様では、損傷または影響を受けやすい靭帯または筋腱組織に対する関節周辺、靭帯周辺、筋膜周辺、または筋腱周辺へのHAの投与が、損傷組織に対して、構造及び形態の安定性及び機能を提供し、損傷組織の治療を可能にする体内での足場や生体適合性を持った体内での支え(すなわち体内の補強剤や足場)を形成する。このタイプの支えは、損傷を受けた部位の更に望ましくないまたは有害な動きの制限、及び/またはさらに再び損傷することの防止によって、損傷部位に対する保護を提供し、同時に治癒を生じさせる。本発明の方法は、比較的準備及び投与することが容易である。HAは、経時的に安定した状態を保ち、最小限の毒性に関連した用法で効果的である。
【0009】
本発明の方法は、動物またはヒトの捻挫及び筋違いを治療するために有効な量で約0.3から3000kDaの分子量(それらの範囲のいずれか)の精製したHAの使用による捻挫または筋違いを起こした動物またはヒトの治療を提供する。
【0010】
この態様では、前記HAは、当業者によって理解されるような適切な薬剤の担体を含む組成物として提供されて良い。
【0011】
本発明の1つの態様は、捻挫及び/または筋違いに特徴付けられる損傷した軟組織の治療のための方法であり、前記方法はHAの前記損傷軟組織への投与工程から成り、前記投与工程は関節周辺、靭帯周辺、筋膜周辺、または筋腱周辺への投与である。
【0012】
本発明の他の態様は、捻挫及び/または筋違いを起こした軟組織の治療のための関節周辺、筋膜周辺、靭帯周辺、及び/または筋腱周辺へのHAの使用である。軟組織は、筋肉、筋膜、腱、及び靱帯を含むが、それらに限らない。
【0013】
本発明の他の態様は、過労性脛部痛の治療のための関節周辺、筋膜周辺、靱帯周辺、及び/または筋腱周辺に対するHAの使用である。
【0014】
本発明の1つの態様は、人間を含む動物における靱帯の捻挫または筋腱の筋違いを効果的に治療するための方法である。この態様では、前記HAは関節周辺(靱帯周辺、筋膜周辺、及び/または筋腱周辺)に投与される。
【0015】
本発明の更なる他の態様は、受容者に対して最小の毒性を示す捻挫や筋違いの治療法を提供することである。
【0016】
本発明の更なる他の態様は、構造、形態の安定性、及び機能を提供し、靱帯、腱、及び筋肉を含むが、それらに限らない構造の回復を可能にする体内の補強剤を形成する方法を提供することである。
【0017】
本発明の他の対象は、構造、形態の安定性、及び機能を提供し、関節周辺(靱帯周辺、筋膜周辺、及び/または筋腱周辺)へのHAの投与後の捻挫や筋違いを起こした組織の回復を可能にする足場または体内の支え(すなわち、体内の支えや足場)を形成する方法を提供することである。
【0018】
本発明の他の態様は、ヒトを含む動物における捻挫または筋違いの併用治療を増強する方法を提供することである。この態様では、そうした治療は、NSAID(アスピリン、イブプロフェン、及びナプロキセンを含むが、それらに限らない)、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤、コルチコステロイド、及びRICE法の使用を含んでよいが、それらに限らない。
【0019】
本発明の更なる他の態様は、捻挫または筋違いのリハビリテーションを増強する方法を提供することである。
【0020】
本発明の他の態様は、捻挫または筋違いの理学療法を増強する方法を提供することである。
【0021】
本発明の更なる他の態様は、捻挫または筋違いの治療における加熱または冷却の治癒効果を増強する方法を提供することである。
【0022】
本発明の更なる他の態様は、捻挫または筋違いの治療における超音波の治癒効果を増強する方法を提供することである。
【0023】
本発明の他の態様は、捻挫または筋違いの治療における電気刺激の治癒効果を増強する方法を提供することである。
【0024】
本発明の更なる他の態様は、捻挫または筋違いの治療における圧迫の治癒効果を増強する方法を提供することである。
【0025】
本発明の更なる他の態様では、捻挫または筋違いの治療における高い位置に上げることの治癒効果を増強する方法を提供する。
【0026】
本発明の他の態様は、捻挫または筋違いの治療における固定化の治癒効果を増強する方法を提供することであり、前記固定化は、補強材やギブスを含むが、それらに限らない。
【0027】
本発明の更なる他の態様は、捻挫または筋違いの治療における手術の治癒効果を増強する方法を提供することである。
【0028】
本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び有用性は、以下の開示された実施態様の詳細な記述及び添付の特許請求の範囲を読むと明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、損傷を受けた筋肉、筋膜、腱、及び靭帯のような損傷軟組織の新規な治療方法である。本発明によると、捻挫、筋違い、または過労性脛部痛のような損傷は、損傷を軽減するための治療上の有効量で約0.3から3000kDaの分子量を有するHAの投与によって治療される。前記損傷は、急性または慢性であって良い。HAは構造、形態の安定性、及び機能を提供する足場を形成し、投与後の捻挫及び/または筋違いの治癒が生じるのを可能にする。この態様では、前記損傷は、前脛骨筋が骨から断裂する過労性脛部痛であって良い。HAは、単独または薬学的に許容される担体を含む製薬組成物として使用されて良い。
【0030】
本発明の方法は、当業者によって一般的に使用される捻挫及び/または筋違いのための既知の治療と併用されて良い。そのような治療には、非ステロイド性の抗炎症剤(NSAID)、RICE、ギブス、補強材、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤、コルチコステロイド、リハビリテーション、理学療法、過熱及び/または冷却療法、超音波、電気療法、手術、並びにこれらを組み合わせた使用が含まれるが、それらに限らない。
【0031】
HAは、損傷を受けた軟組織の外側(すなわち、周囲、周辺)に投与され、この態様では、関節周辺、靭帯周辺、及び/または筋腱周辺に投与されて良い。関節周辺への注射の方法は、当業者に既知である。そのような注射は、一般的に皮下であり、関節の周辺、特に筋腱及び靭帯の始点または付着点の近傍(靭帯周辺及び/または筋腱周辺)を対象とする。以下の主張によって確立されることを望まないが、HAは、組織の間及び周囲に浸透し、それらとの接触面では、それらの組織を足場として支え、そして治癒の過程の間に役立つ体内の補強剤の形態で働くと解されている。
【0032】
ここで使用される「ヒアルロン酸(HA)」は、ヒアルロナン、ヒアルロンネート、HAの塩、ホモログ、アナログ、誘導体、複合体、エステル、断片、及びHAのサブユニットを含むが、それらに限らず、それらは、構造、形態の安定性、及び機能を提供し、及び関節周辺への投与に引き続き、治癒を生じさせる体内の支えを形成するのに有効であり、並びに捻挫及び/または筋違いのために使用される他の治療剤の活性を増強するのに有効である。
【0033】
本発明で使用するためのHAは、当業者により理解されるような異なる分子量を有する各種の形態のいずれかであって良い。この態様では、HAは、約30から750kDa、約50から750kDa、約500から750kDa、約30から750kDaより大きい、または約750kDaより大きい平均分子量を有して良い。これらのHAの形態は、約30kDa未満のHAの種は含まなくて良い。本発明で使用されて良いHAの他の形態は、約30から750kDa、約50から750kDa、約500から750kDa、約30から750kDaより大きい、または約750kDaより大きい平均分子量を有するものを含み、約30kDa未満の分子量のHAも含む。一つの実施態様では、本発明で使用されて良いHAは、約30から750kDa、約50から750kDa、約500から750kDa、約30から750kDaより大きい、または約750kDaより大きい平均分子量を有し、約24kDaのHAの種も含む。
【0034】
本発明の一つの態様では、本発明で使用されて良いHAの形態は、50kDa未満または30kDa未満の平均分子量を有する。一つの実施態様では、本発明で使用されて良いHAの形態は、約24kDaの平均分子量を有する。他の実施態様では、約0.3kDaと30kDaの間の平均分子量を有するHAが使用されて良い。他の実施態様では、約10kDaと30kDaの間の平均分子量を有するHAが使用されて良い。
【0035】
HAは、非常に粘性、電気陰性、及び親水性である。HAの単離、精製、分離、または修飾のための各種の方法が、当業者に既知である。多数の形態のHAは、当業者によって知られているように、Bioniche Life Sciences Inc, Canada; Anika Therapeutics, USA; Chemedica, Switzerland ; Fidia, Italy ; Genzyrne (Biomatrix), USA; Hyalogic, USA; Hyalose, USA; Lifecore, USA; Seigakaku, Japan; Societa Prodotti Antibiotici, Italy; 及び Tedec Meiji, Japanのような多数のベンダーまたは製造業者から容易に入手可能である。特定のヒアルロナン組成物は、例えば以下の供給会社からも入手可能である、BioMatrix Inc. Ridgefield, N. J. (Synvisc.(登録商標). , ヒラン液(hylan fluid)とヒランゲル(hylan gel)の90: 10混合物) ; Fidia S. p. A. , Abano Terme, Italy (Hyalgan(登録商標), オンドリのとさか由来のヒアルロン酸のナトリウム塩 (約 500,000から約700,000MW) ); Kaken Pharmaceutical Co. , Ltd. , Tokyo, Japan (Artz(登録商標), オンドリのとさか由来のヒアルロン酸の1%溶液, 約700,000MW); Pharmacia AB, Stockholm, Sweden (Healon(登録商標), オンドリのとさか由来のヒアルロン酸, 約4×106 MW); Genzyme Corporation, Cambridge, Mass. (Surgicoat(登録商標), 組み換えヒアルロン酸); Pronova Biopolymer, Inc. Portsmouth, N. H. (ヒアルロン酸 FCH, Streptococcus zooepidemicusの培養から調製される高分子量(例えば 約1. 5-2. 2×106 MW)のヒアルロン酸;、ヒアルロン酸ナトリウム MV, 約 1
. 0-1.6×106 MW;及びヒアルロン酸ナトリウム LV, 約1. 5-2. 2×106 MW); Calbiochem-Novabiochem AB, Lautelfingen, Switzerland (ヒアルロン酸, Streptococcus sp.から調製されるナトリウム塩 (1997 会社のカタログ番号 385908) ) ; Intergen Company, Purchase, N. Y. (オンドリのとさか由来のヒアルロン酸, >1×106 MW); Diosynth Inc., Chicago, Ill. ; Amerchol Corp. , Edison, N. J.; 及び Kyowa Hakko Kogyo Co. , Ltd., Tokyo, Japan。
【0036】
ここで使用される「構造」は、靱帯、筋膜、腱、及び筋肉を含むが、それらに限らない関節と結合している構造を意味する。
【0037】
ここで使用される「応答」という言葉は、関節周辺への投与後に構造を提供する体内の足場の形成によって捻挫及び/または筋違いを改善することを意味する。
【0038】
ここで使用される「増強する」は、相加的よりも大きい相乗作用の程度に関する。
【0039】
ここで使用される「相乗作用」は、2つ以上の薬剤の協調作用に関する。
【0040】
本発明は、損傷軟組織の周囲(周辺)へのHAの投与を含む方法を提供する。HAは、単独またはHA及び薬学的に好ましい担体を含む組成物として提供されて良く、前記組成物は、構造を提供する体内の補強剤の形成、及び損傷に関連する症状の減少及び/または排除するための有効量で、捻挫、筋違い、または過労性脛部痛のような損傷を有するヒトを含む動物に対して関節周辺、靭帯周辺、筋膜周辺、及び/または筋腱周辺に投与される。HA組成物の投与は、単独、あるいは捻挫及び/または筋違いの治療のために使用される他の治療方法とそれらの効果を増強するために併せて使用されて良い。そのような薬剤及び方法は、抗炎症剤、NSAID、コルチコステロイド、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤、RICE法、理学療法、リハビリテーション、過熱及び/または冷却治療、超音波治療、筋骨格及び関節の損傷に一般的に使用される圧電性及び他の形態の経皮的な電気療法、高く上げること、圧迫、固定、固定化の道具、補強材、ギブス、及び手術を含むが、それらに限らない。
【0041】
HAの治療の有効性は、化学的にHAを補うこと、生物学的または化学的な担体にHAを複合体化すること、または組織型若しくは細胞型指向性のリガンドまたは抗体にHAを結合させることを含むが、それらに限らない方法によって増大されて良い。
【0042】
ヒトを含む動物への有効量のHAの投与は、捻挫、筋違い及び過労性脛部痛を含むが、それらに限らない急性または慢性の軟組織の疾患を防止、治療、または排除する治療上の処置である。
【0043】
薬学的に許容される担体
HAは、単独または液体の担体、固体の担体、または両者を含むが、それらに限らない薬学的な担体の中で投与されて良い。
【0044】
液体の担体は、水性の担体、非水性の担体、または両者であり、水性の懸濁液、ジメチルスルホキシド、エタノール、油性エマルション、油中水型エマルション、水中油中水型エマルション、部位特異的エマルション、長期持続性エマルション、粘性エマルション、ミクロエマルション、及びナノエマルションを含むが、それらに限らない。固体の担体は、生物学的担体、化学的担体、または両者であり、粒子、微小粒子、ナノ粒子、ミクロスフェア、ナノスフェア、細菌の細胞壁抽出物、及び生分解性または非生分解性の天然または合成ポリマーを含むが、それらに限らない。HAを固体の担体に複合体化するために使用される方法は、固体の担体の表面への直接吸着、直接的または結合部分を介した固体の担体の表面への共有結合、及び固体の担体を作成するために使用するポリマーへの共有結合または静電結合を含むが、それらに限らない。任意に、HAは、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(TWEEN)のような非イオン性またはイオン性のポリマーの添加によって安定化されうる。
【0045】
好ましい水性の担体は、水、生理食塩水、及びリン酸緩衝液のような薬学的に許容される緩衝液を含むが、それらに限らない。好ましい非水性の担体は、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、脂質、多価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の適切な混合物を含む油、及びそれらの混合物を含むが、それらに限らない鉱物油または中性油を含むが、それらに限らない。例として、飽和または不飽和でありうる、大豆油、キャノーラ油、パーム油、オリーブ油、及びミグリオールを含むが、それらに限らない。任意に、賦形剤は、応答細胞に結果を与えるために使用される薬学的に許容される担体に関係なく含まれて良い。これらの賦形剤は、抗酸化剤、緩衝液、及び静菌剤を含むが、これに限らず、懸濁剤及び増粘剤を含んで良い。
【0046】
併用療法
HAは、単独、または抗炎症剤、NSAID、コルチコステロイド、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤、RICE法、理学療法、リハビリテーション、過熱及び/または冷却治療、超音波治療、電気療法、高く上げること、圧迫、固定、固定化の道具、補強材、ギブス、及び手術を含むが、それらに限らない他の治療方法と併用して投与されて良い。抗炎症剤、NSAID、コルチコステロイド、及びシクロオキシゲナーゼ2阻害剤のようなこれらの治療剤は、当業者に既知である用量及び投与方法を使用して投与される。例えば、抗炎症剤、NSAID、コルチコステロイド、及びシクロオキシゲナーゼ2阻害剤は、経口で投与されて良い。コルチコステロイドは、コルチコステロイド投与における当業者に既知である経静脈的、局所的、関節内、または他の投与経路を使用して投与されても良い。
【0047】
本発明によると、HAの投与経路は、関節周辺、靭帯周辺、筋膜周辺、筋腱周辺への注射を含むが、それらに限らない。注射器のような適切な器具は、当業者に既知のように、HAまたはHA組成物の投与のために使用されて良い。
【0048】
この態様では、一回分当たりの投与されるHAの量は、約0.001から1000mg、より特異的には約0.1から100mg、約1から10mg、及び約0.1から5mgである。一回分当たりの容積は、約0.01から5.0mlであって良く、この態様では、約0.1から2.0ml、約0.5から1.0ml、または0.01から1.0mlであって良い。組成物で提供されるHAの濃度は、約5から100mg/mlの範囲の液体であって良く、この態様では、5から50mg/mlの溶液、及びそれらの間のどの範囲の濃度であって良い。投与は、捻挫、筋違い、または過労性脛部痛の周辺で通常行われる。
【0049】
HAまたは他の治療方法と併せたHAの投与、一回分当たりの量、投与の計画、及び投与の方法は、当業者に既知である方法を使用する熟練者によって決定されるべきであり、病気の形態、病気の重度、病気の位置、並びに受容者の体格、体重、及び健康状態のような他の医学的因子によって決定される。そのように、HAは、医師によって指示される量、及び濃度で、医師によって指示されるように1回、2回、または複数回投与されて良い。HAまたは他の治療剤若しくは治療方法とHAの併用は、単回投与による治療、複数回投与による治療、または計画的並びに治療される疾患、受容者の健康状態、及び投与の経路に適した期間に亘り継続した注入で投与または適用されうる。さらに、治療剤または治療方法は、HAの投与前、同時、または後に投与または適用されうる。
【0050】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するために役に立つが、それと同時にどのような制限も構成しない。それどころか、各種の実施態様、変形例、対応物が存在することは、ここでの説明を読むと発明の精神及び/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって明確に理解されるべきである。
【実施例】
【0051】
(実施例1)
HAの調製
HAは、30-750kDa、50-750kDa、500-750kDa、30から750kDaより大きい、または750kDaより大きい平均分子量を有して良い。HAのこれらの形態は、30kDa未満のHAの種を含まなくて良い。本発明で使用されて良いHAの他の形態は、30-750kDa、50-750kDa、500-750kDa、30から750kDaより大きい、または750kDaより大きい平均分子量を有する形態を含み、0.3kDaから30kDa、10kDaから30kDa、または約24kDaのHAの種を含む30kDa未満の分子量のHAも含む。一つの実施態様では、本発明で使用されて良いHAは、30-750kDa、50-750kDa、500-750kDa、30から750kDaより大きい、または750kDaより大きい平均分子量を有し、約24kDaのHAの種も含む。
【0052】
本発明で使用されて良いHAの他の形態は、50kDa未満または30kDa未満の平均分子量を有する。ひとつの実施態様では、本発明で使用されて良いHAは、約24kDaの平均分子量を有する。他の実施態様では、約0.3kDaと30kDaの間の平均分子量を有するHAが使用されて良い。他の実施態様では、約10kDaと30kDaの間の平均分子量を有するHAが使用されて良い。
【0053】
HAのバイアルは、室温(10度から30度)で差し支えなく保管される。
【0054】
(実施例2)
関節周辺への投与後の足首の捻挫におけるHAの効力
優良臨床試験基準に従い、調和国際会議及びヘルシンキ宣言の要件を遵守して、この研究を実施した。一日目(損傷の48時間以内)、患者は、同意書に署名後、全ての試験対象患者基準を満たしているか、及び除外基準を満たしていないかどうか判断するために検査された。試験対象患者基準は、18歳以上、試験薬投与の48時間以内の第一段階または第二段階の足首の横の捻挫、100mmの視覚的アナログ尺度(VAS)を使用した患者の足首の痛みの患者評価において全体重の負荷で中程度(45-60mm)から重度(>60mm)の足首の痛みである。この基準は、臨床経過観察の間に適用された。足首の両側の捻挫、ひざの同側の損傷、第三段階の捻挫、または過去6ヶ月以内の捻挫を有する患者は除外した。抗炎症剤、筋弛緩剤、特定の種類の抗精神薬剤を使用していた患者も結果を混乱させる可能性があるため除外した。さらに、NSAIDまたはスルホンアミドに対する過敏症またはアレルギーを有する患者、並びに深刻な胃腸、腎臓、または肝臓の病気の経験がある患者も除外した。他のリウマチ性疾患または薬剤若しくはアルコールの乱用歴がある患者も除外した。
【0055】
登録後、患者は、関節周辺にHAの注射(研究1)またはシクロオキシゲナーゼ2阻害剤若しくはNSAIDの注射(研究2)を受けた。関節周辺への500-750kDaの平均分子量を有するHAの注射は、一日目及び四日目(±1日)に25-27ゲージの注射針と3ccの注射器の使用によって実施された。8から10mgのHA(0.8-1.0mlのHA)を麻酔剤無しで注射した(研究1)。シクロオキシゲナーゼ2阻害剤であるセレコキシブ200mgを1日2回、またはNSAIDであるナプロキセン500mgを1日2回使用した経口治療が、七日間実施された(研究2)。
【0056】
四日目及び八日目(研究の最終日)の治療の前、基準時に、臨床的評価を実施した。効力の測定は、1)体重負荷時の足首の痛みのVAS(100mm視覚アナログ尺度)の患者の評価、2)患者の全体評価(評価1から5、とても悪いからとても良い)、3)患者の満足評価(10点満点制)、及び4)医師の満足評価(10点満点制)であった。
【0057】
表1及び表2に、結果を示している。表1では、7人の患者が、HAを受けた。表2では、199人の患者がセレコキシブを受け、198人の患者がナプロキセンを受けた。
【0058】
表1
一日目と四日目にHAを受けた患者の、体重負荷時の足首の痛みのVAS(100mm視覚アナログ尺度)の患者の評価の平均値、患者の全体評価が増加した(ひとつ以上の段階で改善された)患者の割合、患者の満足評価(10点満点制)の平均値、及び医師の満足評価(10点満点制)の平均値。
【0059】
【表1】

【0060】
表2
一日目及び四日目にセレコキシブまたはナプロキセンを受けた患者の、体重負荷時の足首の痛みのVAS(100mm視覚アナログ尺度)の患者の評価の平均値、患者の全体評価が増加した(ひとつ以上の段階で改善された)患者の割合、患者の満足評価(10点満点制)の平均値、及び医師の満足評価(10点満点制)の平均値。
【0061】
【表2】

【0062】
表1は足首の捻挫を有する患者に対するHAの関節周辺への投与の効力を示す。関節周辺へのHAの投与の効力は、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤であるセレコキシブ、NSAIDであるナプロキセンを用いて得られた効力(表2)に匹敵した。
【0063】
(実施例3)
関節周辺(筋腱周辺)への投与後の腸脛靱帯症候群における500-750kDaの平均分子量を有するHAの効力
臀部関節疾患の陰性の調査(レントゲン写真)と共に、少なくとも三ヶ月間(3-9ヶ月の範囲)近位帯末端に片側の痛み及び凝りという腸脛靱帯(ITB)症候群の症状を有する8人の若年及び中年の成人で、実験を実施した。2.5ccの500-6800kDaの分子量を有する10mg/ml HAを患者に投与し、最初の注射から七日目及び十四日目にも投与した。注射は、25ゲージの注射針及び3ccの注射器を使用して麻酔剤無しでHAを投与した。臨床的評価を、一日目、七日目、及び十四日目(±2日)の治療の前に実施した。効果の測定は、1)100mmVAS使用による体重負荷時の痛みの患者の評価、2)効果の患者の全体評価(1-5段階)、3)10点VAS使用による注射方法に対する患者の満足度、4)変形オーベルテスト使用によるITBの柔軟性(正または負)を含む。結果は、表3に示されている。8人の患者がHA及び続いて行われる評価を受けた。痛みの減少、効果の患者の全体評価と満足度での増加、及びオーベルテストの点数での改善は、十四日目に記録する。
【0064】
表3
一日目及び十四日目にHAを受けた患者の体重負荷時のITBの痛みのVAS(100mm視覚的アナログ尺度)の患者の評価の平均値、効果の患者の全体評価で増加した(ひとつ以上の段階の改善)患者の割合、患者の満足評価(10点満点制)の平均値、及びオーベルテストの点数がマイナスに変化した割合。
【0065】
【表3】

【0066】
(実施例4)
過労性脛部痛治療のためのHAの投与
両側前方の脛痛を有する4人の患者が、過労性脛部痛と診断された。それぞれが、体重負荷時の両足及び片足毎(片足立ち)の痛みの基準評価を受けた。100mmVASを使用して、痛みを評価した。5cmを超える最大の痛みの領域を確認するよう、患者に求めた。その後、患者は、片足のみの確認された領域の筋膜周辺に注射された。治療を受ける足は、ランダムに選ばれた。患者は、他の併用治療は受けなかった。患者は、滅菌条件で27ゲージの注射針を使用して3.0mlのHA(実施例3に記載されたHA)を受けた。患者は、四日目と八日目に再びVAS評価及び確認された領域への再注射を受けた。結果は、表4に示されている。全ての患者は、前記の方法を容認し、評価及び一連の注射を完了した。基準VASは両足と片足で類似していた。八日目の評価では、VASは、未治療および両足よりも治療された足において減少した。
【0067】
【表4】

【0068】
(実施例5)
関節周辺へのHAの投与後の体内の補強剤の形成
Westerberg et al. Nucl. Med. Biol. 22:251-256, 1995に記載されているように、HA への[11C]の抱合を実施した。24kDaのHA、500-750kDaのHA、30kDa未満のHAを含む500-750kDaのHA、約750kDaより大きいHA、30kDa未満のHAを含む約750kDaより大きいHAは別々に抱合に使用された。12人の足首の捻挫を有するヒトが、実験に必要であった。それらのヒトは、3グループに分けられた。グループ1のヒトは、関節周辺に24kDaの[11C]-HAを受け、グループ2のヒトは、関節周辺に500-750kDaの[11C]-HAを受け、グループ3のヒトは、関節周辺に相当量の30kDa未満の[11C]-HA を含む500-750kDaの[11C]-HAを受け、グループ4のヒトは、関節周辺に約750kDaより大きい[11C]-HAを受け、グループ5のヒトは、相当量の30kDa未満の[11C]-HAを含む約750kDaより大きい[11C]-HAを受けた。HAの注射した量は、約0.8から1.0mlであった。構造の評価及びHAの定量化のために、陽電子放出型断層撮影(PET)を使用された。結果は、24kDaの[11C]-HA、500-750kDaの[11C]-HA、約750kDaより大きい[11C]-HA、相当量の30kDa未満の[11C]-HA を含む500-750kDaの[11C]-HA、及び相当量の30kDa未満の[11C]-HAを含む約750kDaより大きい[11C]-HAの関節内への投与後の体内の補強剤の形成を示している。
【0069】
本発明の好ましい実施態様は、ここに詳細に記載されているが、本発明の精神を逸脱することなく変形例が作られて良いことは、当業者により理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
損傷軟組織の周辺に治療上有効量のHAを投与する工程を含む、動物またはヒトの急性または慢性の損傷軟組織の治療方法。
【請求項2】
前記損傷軟組織が、筋肉、筋膜、腱、及び靭帯からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
投与工程が、関節周辺への投与、靭帯周辺への投与、筋腱周辺への投与、筋膜周辺への投与、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される態様によって実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記HAが、薬学的に好ましい担体と共に組成物として提供される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記HAが、約30kDa未満の分子量を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記HAが、約10-3000kDaの間の分子量を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記HAが、約500-750kDaの間の分子量を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記HAが、約10-750kDaの間の分子量を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記HAが、約750kDaより大きい分子量を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記HAが、複数の分子量の組み合わせで提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記HAが、約500-750kDaの間及び約30kDa未満の分子量を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記HAが、750kDaより大きい及び30kDa未満の分子量を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記HAが、一回分当たり約0.001から約1000mgの量で投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記HAが、一回分当たり約0.1から約100mgの量で投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記HAが、一回分当たり約1から約10mgの量で投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記HAが、約0.01から5.0mlの一回分の容量で提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項17】
前記HAが、約0.01から2.0mlの一回分の容量で提供される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記HAが、約0.5から1.0mlの一回分の容量で提供される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記HAが、約0.01から1.0mlの一回分の容量で提供される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記HAが、約5から100mg/mlの量で提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項21】
前記投与工程が、一度または複数回繰り返して実施される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記損傷軟組織が、捻挫、筋違い、または過労性脛部痛の結果として存在する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項23】
前記損傷軟組織が、捻挫の結果として存在する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記損傷軟組織が、筋違いの結果として存在する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記損傷軟組織が、過労性脛部痛の結果として存在する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
NSAID、コルチコステロイド、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤、RICE治療、リハビリテーション、理学療法、電気療法、過熱、冷却、超音波、湿布、高く持ち上げること、固定、補強材、またはギブスの1つ以上と組み合わせて使用される、請求項1から25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
ヒトまたは動物に対する関節周辺、靭帯周辺、筋腱周辺、または筋膜周辺へのHAの投与工程を含む、ヒトまたは動物の捻挫、筋違い、または過労性脛部痛の治療方法。
【請求項28】
前記HAが、薬学的に好ましい担体を更に含む組成物で提供される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記HAが、約10-3000kDaの分子量を有する、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記HAが、複数の分子量の混合物として提供される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
関節周辺、靭帯周辺、筋腱周辺、筋膜周辺への投与による、動物またはヒトの筋違い、捻挫、または過労性脛部痛の治療のためのHAを含む組成物の使用。
【請求項32】
前記筋違い、捻挫、または過労性脛部痛が、筋肉、筋膜、腱、及び靭帯からなる群より選択される軟組織の損傷をもたらす、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記HAが、一回分当たり約0.001から約1000mgの量で投与される、請求項31に記載の使用。
【請求項34】
前記HAが、一回分当たり約0.1から約100mgの量で投与される、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
前記HAが、一回分当たり約1から約10mgの量で投与される、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
前記HAが、約0.01から5.0mlの一回分の容量で提供される、請求項31に記載の使用。
【請求項37】
前記HAが、約0.01から2.0mlの一回分の容量で提供される、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記HAが、約0.5から1.0mlの一回分の容量で提供される、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
前記HAが、約0.01から1.0mlの一回分の容量で提供される、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記HAが、約5から100mg/mlの量で提供される、請求項31に記載の使用。

【公開番号】特開2012−236855(P2012−236855A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−181003(P2012−181003)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2006−529508(P2006−529508)の分割
【原出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(506119202)
【Fターム(参考)】