説明

ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置および方法

ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置。この装置は、(a)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者(5)が載って運動しているときにヒト対象者(5)の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体(12)と、(b)ヒト対象者(5)が前記物体(12)に載って運動しているときに前記物体(12)の運動を制御するため、前記物体(12)に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリ(16,18,20,22,24)と、(c)前記物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリ(30,32)であって、ヒト対象者(5)が前記物体(12)に載って、前記物体(12)、前記物体運動制御アセンブリ、前記ベースアセンブリ(30)の特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者(5)の挙動に従って決定される空間領域内で、前記物体(12)上で運動するときに、前記物体運動制御アセンブリを固定するためのベースアセンブリを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置およびそれを用いた対応方法に関する。ヒト対象者が専心する身体的および精神的活動は、多種多様な分野、特に遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する。本発明は、ボールまたは動物玩具のようなヒトを載せることのできる可動物体、ハーネスおよびストラップのような物体運動制御アセンブリ、およびマットのようなベースアセンブリの独自の統合、相互連結、および相互作用を特徴とする。物体に載ったヒト対象者は、物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によって、かつヒト対象者の身体的および精神的要望および能力に従って決定される空間領域内で、静的に保持された物体上で制御可能かつ安全に運動するか、あるいは代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動することができる。
【0002】
本発明は主として、ボールまたは動物玩具型の物体をベースとする装置およびそれを用いた対応方法を対象とする。しかし、本発明は一般的に、多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する、多種多様な型のヒトを載せることのできる可動物体のいずれかを(ボールまたは動物玩具型の物体の代わりに)含むことによって実現されることができる。
【背景技術】
【0003】
ボールの発明、その使用、およびそれらの利点は、何千年も前に明らかにされており、時の経過と共に多種多様な分野における多種多様な目的のためのボールの新しい使用に関し、相応して発達してきた。例えば、約50年前に、数人の若い理学療法士は、ボールの治療的使用を理学療法の分野に導入した。多くの画期的または非従来的な科学的/医学的躍進を取り巻く状況および事象の場合と同様に、理学療法および治療の世界にボールの治療的使用を導入した当初は混乱があり、ボールの使用が確固たるものとなり、最終的に学界および理学療法関連の専門職の業務に加わるまでには時間がかかった。
【0004】
1980年代には、ボールの治療的使用に関し、かなり重要な前進があり、その時期に、治療、発達、およびリハビリの理学療法領域で最終的に周知され使用されるようになった「フィジオボール(Physioball)」が導入された。一般的に、フィジオボールは約1フィートから3フィートの直径を有し、ヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度の自立型の膨張可能なゴムボールの形状で市販されている。理学療法士は、例えば、患者がボールを操作し、かつ/またはボール上に身体を載せて、ボールに載ったまま様々な方向に移動することを含む、フィジオボールの使用に基づく様々なエクササイズを考案した。
【0005】
理学療法の分野におけるフィジオボールの治療的使用に加えて、フィジオボールは、特に理学療法を必要としない個人も使用することができる。例えば、フィジオボールは、フィジカルフィットネスを達成し、かつ/または維持するために身体を訓練するのに使用することができる。さらに、フィジオボールは、比較的限られたやり方ではあるが、遊戯または娯楽のために、例えば、ボールをベースとするゲームをすることによって、個人、特に子供が使用することができる。
【0006】
フィジオボールは現在、理学療法の分野で幅広く使用されており、フィジカルフィットネス、遊戯、および娯楽のような他の分野にも適用可能であるが、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させることに重点を置いた、これらおよび他の分野で適用することのできる新しい装置、およびそのような装置を用いた対応方法を特定し、開発し、かつ実現することが依然として必要である。
【0007】
したがって、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるために、装置およびそれを用いた対応方法を有することは非常に有利であり、必要である。ヒト対象者が専心する身体的および精神的活動が、多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する発明が必要である。さらに、様々な年齢層の人々、例えば幼児、子供、若者、中年、および高齢者に適用可能である発明が必要である。加えて、安全かつ簡単に使用でき、容易には破損せず、かつ製造が比較的安価である発明が必要である。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置およびそれを用いた対応方法に関する。ヒト対象者が専心する身体的および精神的活動は、多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する。
【0009】
本発明は、ボールまたは動物玩具のようなヒトが載ることのできる可動物体、ハーネスおよびストラップのような物体運動制御アセンブリ、およびマットのようなベースアセンブリの独自の統合、相互連結、および相互作用を特徴とする。物体に載ったヒト対象者は、物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によって、かつヒト対象者の挙動(身体的および精神的要望および能力)に従って決定される空間領域内で、静的に保持された物体上で制御可能かつ安全に運動するか、あるいは代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動することができる。物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの間で作用可能な連結の結果、ヒト対象者が物体に載っているときに、ヒト対象者および物体は、物体の垂直軸を中心に自由に回転するだけでなく、物体の垂直軸に対して揺動またはスイング運動する物体と共に自由に運動することができる。
【0010】
本発明の装置は任意選択的に、様々な追加的構成部品および要素を含む。例えば、装置は任意選択的に、静的に保持された物体上に載せられて、運動し、あるいは代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動するときに、幼児を物体上に仰臥位、背臥位、もしくは横臥位、または座位に保持するための幼児用ハーネスアセンブリを含み、それはストラップ、バンド、紐、ベルト、連結要素、サイズ調節要素の適切な組合せを含む。加えて、例えば装置は任意選択的に、多種多様な分野、特に遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野で適用可能な身体的および精神的活動にヒト対象者をさらに専心させるために、遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品を含む。
【0011】
本発明は、様々な年齢層のヒト対象者、例えば幼児、子供、若者、中年、および高齢者に適用可能である。加えて、本発明は、安全かつ簡単に使用でき、容易には破損せず、かつ製造が比較的安価である。
【0012】
本発明は主として、ボールまたは動物玩具型の物体をベースとする装置およびそれを用いた対応方法と対象とする。しかし、非限定的な方法で、一般的に、本発明は多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する、多種多様な型のヒトが載ることのできる可動物体のいずれかを(ボールまたは動物玩具型の物体の代わりに)含むことによって実現されることができることを充分に理解されたい。
【0013】
したがって、本発明は、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置であって、(a)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者が載っているときにヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体と、(b)ヒト対象者が物体に載っているときに物体の運動を制御するため、物体に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリと、(c)ヒト対象者が物体に載って、物体、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者の挙動に従って決定される空間領域内で、物体上で運動するときに、物体運動制御アセンブリを固定するため、物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリと、を備えた装置を提供する。
【0014】
本発明の別の態様では、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための方法であって、(a)(i)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者が載って運動しているときにヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体と、(ii)ヒト対象者が物体に載って運動しているときに物体の運動を制御するため、物体に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリと、(iii)ヒト対象者が物体に載って運動しているときに物体運動制御アセンブリを固定するため、物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリと、を備える装置をヒト対象者に提供するステップと、(b)ヒト対象者を物体上に載せるステップと、(c)物体、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者の挙動に従って決定される空間領域内で、物体に載ったままヒト対象者が運動するステップと、を含む方法を提供する。
【0015】
図面の簡単な記述
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示記載することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1は、本発明に従って、ヒトが載ることのできる可動物体がボールであり、ヒト対象者が成人によって補助されかつ監視される幼児である、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための本発明の装置の例示的な好適実施形態および本発明の方法の例示的な好適実施形態を示す略図である。
図2は、図1に示す装置のヒト対象者および成人のいない、本発明に係る例示的な好適実施形態を示す略図である。
図3は、図2に示す本発明に係る装置の例示的な好適実施形態の側面図を示す略図である。
図4は、図2に示す本発明に係る装置の例示的な好適実施形態の平面図を示す略図である。
図5は、本発明に従って、ヒトが載ることのできる可動物体12が実施例1で下述する膨張したプラスチックボールである、図1〜4に概略的に示す本発明の装置の例示的好適な実施形態の実際の実施例の写真である。
図6は、本発明に従って、ヒトが載ることのできる可動物体12が実施例2で下述する膨張したプラスチック動物玩具である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置の例示的好適な実施形態の実際の実施例の写真である。
図7は、本発明に従って、実施例3で下述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチックボールであり、ヒト対象者が成人によって補助されかつ監視される幼児である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。
図8は、本発明に従って、実施例4で下述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張可能なプラスチックボールであり、ヒト対象者が成人によって補助されかつ監視される幼児である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。
図9および10は、本発明に従って、実施例5で下述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張可能なプラスチックボールであり、ヒト対象者が子供である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明はヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置およびそれを用いた対応方法に関する。ヒト対象者が専心する身体的および精神的活動は、多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する。
【0017】
本発明は、ボールまたは動物玩具のようなヒトが載ることのできる可動物体、ハーネスおよびストラップのような物体運動制御アセンブリ、およびマットのようなベースアセンブリの独自の統合、相互連結、および相互作用を特徴とする。物体に載ったヒト対象者は、物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によって、かつヒト対象者の挙動(身体的および精神的要望および能力)に従って決定される空間領域内で、静的に保持された物体上で制御可能かつ安全に運動するか、あるいは代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動することができる。物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの間で作用可能な連結の結果、ヒト対象者が物体に載っているとき、ヒト対象者および物体は、物体の垂直軸を中心に自由に回転するだけでなく、物体の垂直軸に対して揺動またはスイング運動する物体と共に自由に運動することができる。
【0018】
本発明の装置は任意選択的に、様々な追加の構成部品および要素を含む。例えば、装置は任意選択的に、静的に保持された物体上に載せられて運動し、あるいは代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動するときに、幼児を物体上に仰臥位、背臥位、もしくは横臥位、または座位に保持するための幼児用ハーネスアセンブリを含み、それはストラップ、バンド、紐、ベルト、連結要素、サイズ調節要素の適切な組合せを含む。加えて、例えば装置は任意選択的に、多種多様な分野、特に遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野で適用可能な身体的および精神的活動にヒト対象者をさらに専心させるために、遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品を含む。
【0019】
本発明は、様々な年齢層のヒト対象者、例えば幼児、子供、若者、中年、および高齢者に適用可能である。加えて、本発明は、安全かつ簡単に使用でき、容易には破損せず、かつ製造が比較的安価である。
【0020】
本発明は主として、ボールまたは動物玩具型の物体をベースとする装置およびそれを用いた対応方法を対象とする。しかし、非限定的な方法で、一般的に、本発明は多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する、多種多様な型のヒトを載せることのできる可動物体のいずれかを(ボールまたは動物玩具型の物体の代わりに)含むことによって実現されることができることを充分に理解されたい。
【0021】
ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための本発明の装置は、次の主要な構成要素およびその機能、すなわち(a)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者が載っているときにヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体と、(b)ヒト対象者が物体に載っているときに物体の運動を制御するため、物体に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリと、(c)ヒト対象者が物体に載って、物体、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者の挙動に従って決定される空間領域内で、物体上で運動するときに、物体運動制御アセンブリを固定するため、物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリと、を含む。
【0022】
本発明のヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための対応する方法は、次の主要なステップおよびその構成要素、すなわち(a)(i)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者が載っているときにヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体と、(ii)ヒト対象者が物体に載っているときに物体の運動を制御するため、物体に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリと、(iii)ヒト対象者が物体に載って運動するときに、物体運動制御アセンブリを固定するための、物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリと、を備える装置をヒト対象者に提供するステップと、(b)ヒト対象者を物体上に載せるステップと、(c)物体、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者の挙動に従って決定される空間領域内で、物体に載ったままヒト対象者が運動するステップと、を含む。
【0023】
主に物体12の運動が物体運動制御アセンブリによって制御される程度によって、該方法のステップ(c)を実行する好適な代替的モードまたは方法には、固定もしくは静的モード、半動的モード、および全動的モードの3通りがある。
【0024】
ステップ(c)を実行する固定的または静的モードである第1の形態では、物体が基本的に固定され、もしくは静的であって、不動状態に維持され、ヒト対象者が物体に載って物体上で運動したときに、物体が基本的にヒト対象者によって回転不能かつ揺動不能であるように、物体は物体運動制御アセンブリによって完全に固定または静的状態に保持される。
【0025】
ステップ(c)を実行する半動的モードである第2の形態では、ヒト対象者が物体に載って物体上で運動したときに、物体がヒト対象者によって部分的に回転可能でありかつ部分的に揺動可能であるように、物体は物体運動制御アセンブリによって保持される。
【0026】
ステップ(c)を実行する全動的モードである第3の形態では、物体は、ヒト対象者が物体に載って物体上で物体と共に運動したときに、物体がヒト対象者によって物体の垂直軸を中心に完全に回転可能でありかつ物体の垂直軸に対して完全に揺動可能であるように、単一の連結部で、特に物体の底部中心で、物体運動制御アセンブリの回転自在の連結要素によって保持されるだけである。ステップ(c)の全動的モードは、ヒト対象者が物体に載っているときに、ヒト対象者および物体が物体の垂直軸を中心に自由に回転するだけでなく、物体の垂直軸に対して揺動またはスイング運動する物体と共に自由に運動することもできるように実行される。
【0027】
本発明の第1の主要な態様は、ボールまたは動物玩具のようなヒトが載ることのできる可動物体、ハーネスおよびストラップのような物体運動制御アセンブリ、およびマットのようなベースアセンブリの独自の統合、相互連結、および相互作用を特徴とする装置を提供することである。
【0028】
本発明の第2の主要な態様は、物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によって、かつヒト対象者の挙動(精神的および/または身体的の要望および能力)に従って決定される空間領域内で、物体に載ったヒト対象者が静的に保持された物体上で制御可能かつ安全に運動するか、あるいは代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動することができるようにする方法を提供することである。
【0029】
本発明の第3の主要な態様は、実施中に、物体、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリの間で作用可能な連結の結果として、ヒト対象者が物体に載っているときに、ヒト対象者および物体が物体の垂直軸を中心に自由に回転するだけでなく、物体の垂直軸に対して揺動またはスイング運動する物体と共に自由に運動することもできることである。
【0030】
本発明の第4の主要な態様は、装置が様々な追加的構成部品および要素、例えば静的に保持された物体に載って運動するとき、または代替的に動的に運動する物体上でそれと共に運動するときに、幼児を種々の異なる姿勢に保持するための幼児用ハーネスアセンブリ、および例えば、多種多様な分野、特に遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野で適用可能なヒト対象者を身体的および精神的活動にさらに専心させるための遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品を含むことである。
【0031】
本発明の第5の主要な態様は、様々な年齢層のヒト対象者、例えば幼児、子供、若者、中年、および高齢者に対する適用可能性である。
【0032】
本発明の第6の主要な態様は、それが安全かつ簡単に使用でき、容易には破損せず、かつ製造が比較的安価であることである。
【0033】
本発明の第7の主要な態様は、たとえ本発明が主として、ボールまたは動物玩具型の物体をベースとする装置およびそれを用いた対応方法に向けられていても、非限定的な方法で、一般的に、本発明が多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野における広範囲の用途を包含する(ボールまたは動物玩具型の物体の代わりに)多種多様な型のヒトが載ることのできる可動物体のいずれかを含むことによって実現されることができる。
【0034】
本発明は、本書に特に明記しない限り、その適用を以下の例示的説明、添付の図面、および実施例に記載する装置または方法のアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、要素、および材料の種類、組成、構造、配置、順序、および個数の詳細に限定されないことを理解されたい。例えば、以下の例示的説明は、本発明の実現を解説するために、ボールまたは動物玩具型の物体をベースとする装置およびそれを用いた対応方法を特徴とする。非限定的な方法で、一般的に、本発明はボールまたは動物玩具型の物体の代わりに、多種多様な型のヒトが載ることのできる可動物体のいずれかを含むことによって実現されることができることを充分に理解されたい。したがって、本発明は、他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実施または実行することができる。本発明を実施または試験するために、本書に例示的に説明するものと同様または同等のアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、要素、および材料、ならびに手順、ステップ、サブステップを使用することができるが、適切なアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、要素、および材料、ならびに手順、ステップ、サブステップは本書に例示的に示されている。
【0035】
また、本開示全体を通して使用される全ての科学技術用語、専門用語、および/または慣用句は、特に本書で定義または明記しない限り、本発明が属する技術分野の通常の熟練者によって一般的に理解されているのと同じまたは同様の意味を有するものと理解されたい。本開示全体を通して使用される表現、用語法、および表記法は、説明を目的とするものであって、限定とみなすべきではない。用語「連結可能」および「連結される」および「連結する」は本書では一般的に使用され、対応する同義語「接合可能」、「接合される」、および「接合する」のみならず「取付け可能」、「取り付けられる」、「取り付けられる」を指すこともあることを充分に理解されたい。さらに、上記の背景の部で導入し、定義し、記載し、かつ/または例示した全ての科学技術用語、専門用語、および/または慣用句は、本発明の好適な実施形態、実施例、および付属の請求の範囲の例示的説明にも同等にまたは同様に適用可能である。さらに、本書で使用する場合、用語「約」とは、関連する値の±10%を指す。
【0036】
本発明に係るヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置およびそれを用いた対応方法の例示的な好適実施形態、代替的な好適実施形態、特定の構成、ならびに追加的および任意選択的態様、その特性または特徴のアセンブリ、サブアセンブリ、機構、構造物、構成部品、要素、材料、手順、ステップ、サブステップ、動作、および実施は、以下の例示的説明および添付の図面を参照することにより、いっそうよく理解される。以下の例示的説明および添付の図面全体を通して、同一符号は同一のアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、または要素を指す。
【0037】
本発明の以下の例示的説明には、開示する装置および方法の利用および実施を適切に「可能にする」ことを充分に理解するために必要である、主要または重要なアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、要素、および材料、ならびにそれらの機能、ならびに主要または重要な手順、ステップ、およびサブステップが含まれる。したがって、通常の当業熟練者に容易に分かり、先行技術および/または技術文献で入手可能な、種々のおそらく所要のかつ/または任意選択的、予備的、中間的な、あまり重要でないアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、要素、および/または材料、それらの機能、および/または手順、ステップ、および/またはサブステップの説明は、本書ではほぼ軽く触れるだけとする。
【0038】
本発明のヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置について、図1〜4を参照しながら以下の通り例示的に説明し、さらに以下の実施例1〜5で図5〜10に例証する。
【0039】
ここで、図面を参照すると、図1は、ヒトが載ることのできる可動物体がボールであり、ヒト対象者が成人に補助される幼児である場合のヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置の例示的な好適実施形態、および方法の例示的な好適実施形態の斜視図を示す略図である。図2は、図1の装置のヒト対象者および成人のいない例示的な好適実施形態を示す略図である。図3は、図2に示した装置の例示的な好適実施形態の側面図を示す略図である。図4は、図2の装置の例示的な好適実施形態の平面図を示す略図である。図1〜4および本発明の以下の例示的説明に出てくる参照項目(つまりアセンブリ、サブアセンブリ、構成部品、要素、およびヒト対象者)およびそれらの関連する符号は一般的に、下述する実施例1〜5の図6〜10に出てくる同一参照項目および同一関連符号に対応する。
【0040】
図1〜4に示すように、以下でヒト対象者5と称されるヒト対象者、例えば、幼児を本発明の身体的および精神的活動に専心させるための、以下で一般的に装置10と称される装置は、次の主要な構成部品およびその機能、すなわち(a)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者5が載っているときにヒト対象者5の体重に耐えるのに充分な強度を持ち、ここでは簡潔にするために一般的に物体12と称される、ヒトが載ることのできる可動物体12と、(b)ヒト対象者5が物体12に載っているときに物体12の運動を制御するための、物体12に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリ(図1〜4に例示的構成部品および要素14、15(図3)、16、18、20、22、24、および26の作用可能な組合せで示される)と、(c)ヒト対象者5が物体12に載って、物体12、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリ30の特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者5の挙動に従って決定される空間領域内で、物体12上で運動するときに、物体運動制御アセンブリを固定するための、物体運動制御アセンブリ(14、15(図3)、16、18、20、22、24、および26)に作用可能に連結されたベースアセンブリ30と、を含む。
【0041】
図1〜4に示すように、本発明の装置10は任意選択的に、様々な追加の構成部品および要素を含む。例えば、装置10は任意選択的に、静的に保持された物体12上に載せられて運動し、あるいは代替的に動的に運動する物体12上でそれと共に運動するときに、ヒト対象者5を物体12上に伏臥位、仰臥位、もしくは横臥位、または、特に図1に示すように、座位に保持するための、例えば、身体サイズの調整可能なストラップ、バンド、紐、またはベルトとして構築および構成される幼児用ハーネスアセンブリ40を含む。
【0042】
加えて、例えば、装置10は任意選択的に、多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野に適用可能な、ヒト対象者5を身体的および精神的活動にさらに専心させるための遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品、例えば、各々ベルクロ(商標)のような接着要素60によってベースアセンブリ30に着脱自在に保持される例えば、ボール50、リング52、および小さい玩具のあひる54、ならびに写真、または用紙およびマーカのような物体を保持することのできる、例えば、ポケット70を含む。
【0043】
図1〜4に示すように、本発明の装置の例示的な好適実施形態、つまり装置10は、本発明の実施を例示するために、ヒトが載ることのできる可動物体12であるボールを含む。本発明は一般的に実現可能であり、その場合、装置は、ボール型の物体の代わりに、多種多様な型のヒトが載ることのできる可動物体のいずれか、例えば、動物玩具型の物体を含むことを充分に理解されたい。
【0044】
ヒトが載ることのできる可動物体12は、約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者5がその上に載っているときにヒト対象者5の体重に耐えるのに充分な強度を持つ。図1で、ヒト対象者5は例えば、幼児であり、したがって物体12は、幼児がその上に載っているときに幼児の体重に耐えるのに充分な強度を持つ。一般的に、物体12は、ヒト対象者が物体12に載っているときに、いずれの年齢層のヒト対象者、例えば幼児、子供、若者、中年、および高齢者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ。
【0045】
一般的に、ヒトが載ることのできる可動物体12は、物体12が約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者5がその上に載っているときにヒト対象者5の体重に耐えるのに充分な強度を持つ限り、基本的に任意の型または種類の材料または材料の組合せから作られる。好ましくは、物体12は、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せから成る群から選択された材料または材料の組合せから作られる。例えば、物体12は、伸縮性の天然および/または合成材料、例えば、ナイロンのようなプラスチック材から、膨張した状態で使用される膨張可能なボールの形で作られる。代替的に、物体12は、内部全体を非伸縮性の天然および/または合成中実材料から作られ、それを、例えば、天然および/または合成中実材料から作られたカバーによって包囲され、包封され、被覆される。
【0046】
物体12は、少なくとも部分的に不透過性の材料、少なくとも部分的に透過性の材料、少なくとも部分的に不透明な材料、またはそれらの組合せから作られる。物体12の内側または内部容量は完全に空であるか、あるいは少なくとも部分的に液体、例えば、無着色または着色された水を充填され、かつ/または遊戯要素のような任意の個数の様々な型の要素、例えば、小さいプラスチックの動物玩具または人形を少なくとも部分的に充填される。
【0047】
図1〜4に例示的構成部品および要素14、15(図3)、16、18、20、22、24、および26の有効な組合せによって示される物体運動制御アセンブリは、物体12に作用可能に連結され、かつベースアセンブリ30に作用可能に連結され、ヒト対象者5が物体12上に載っているときに物体12の運動を制御することによって機能する。
【0048】
一般的に、物体運動制御アセンブリは基本的に、物体運動制御アセンブリが特にヒト対象者5が物体12上に載っているときに物体12の運動を抑制することによって制御する限り、任意の型または種類の材料または材料の組合せから作られる。好ましくは、物体運動制御アセンブリは、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せから成る群から選択された材料または材料の組合せから作られる。例えば、図1〜4に示すように、物体運動制御アセンブリは、様々なストラップ、バンド、紐、および連結要素14、15(図3)、16、18、20、22、24、および26の適切な組合せを含む。物体運動制御アセンブリはまた、任意の個数の他の要素の長さを調節するための長さ調節要素をも含むことができる。好ましくは、ストラップまたはバンド22は、ヒト対象者5が約3歳以下の幼児である場合、安全な状態を達成するために約20cm以下の長さである。
【0049】
例えば、本発明の装置の例示的な好適実施形態が装置10である場合、物体運動制御アセンブリは、物体12を物体運動制御アセンブリに作用可能に連結する回転自在の連結要素14を含む。回転自在の連結要素14は、ベースアセンブリ30の高さまたは深さを貫通する小さい穴またはチャネル15(特に図3に示す)内を通過する。物体12、物体運動制御アセンブリ、およびベースアセンブリ30の間で作用可能な連結の結果として、ヒト対象者5が物体12上に載っているときに、ヒト対象者5および物体12は物体12の垂直軸を中心に自由に回転するだけでなく、物体12の垂直軸に対する揺動またはスイング運動する物体12と共に自由に運動することもできる。
【0050】
ベースアセンブリ30は、物体運動制御アセンブリ(14、15(図3)、16、18、20、22、24、および26)に作用可能に連結され、ヒト対象者5が物体12上に載り、物体12、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリ30の特徴、構成、および寸法によって、かつヒト対象者5の挙動に従って決定される空間領域内で、物体12上で運動するときに物体運動制御アセンブリを固定することによって機能する。
【0051】
一般的に、ヒト対象者5が物体12上に載って物体12上で運動するときに、ベースアセンブリ30が物体運動制御アセンブリを固定する限り、ベースアセンブリ30は基本的に任意の型または種類の材料または材料の組合せから作られる。ベースアセンブリ30の好適な形態は例えば、床面または地面に置かれるマットである。好ましくは、ベースアセンブリ30は、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せから成る群から選択された材料または材料の組合せから作られる。ベースアセンブリ30に安定性および堅固さをもたらすために、ベースアセンブリ30は、ベースアセンブリ30の片面の長さ全体に延在しかつ好ましくは特に図3に示すように連結要素34によってベースアセンブリ30の底面に適切に保持される、バーまたはロッド32を含むことが好ましい。
【0052】
例えば、ベースアセンブリ30は、好ましくはカバーを含むポリマー材料系の床マットまたはマットレスとすることができる。そのようなポリマー材料系の床マットまたはマットレスの内部は、ヒト対象者5が物体12上に載って運動しているときに、床マットまたはマットレスに強度および堅固さをもたらし、かつ/またはその形状を維持するために、金属および/または非金属材料から作られた剛性フレームまたは骨格アセンブリを含むことが好ましい。代替的に、ベースアセンブリ30は、例えば、床上に確実に配置され、物体運動制御アセンブリに適切に作用可能に連結される、1枚のクッション性のあるまたはパッド入りのカーペットとすることができる。代替的に、例えば、ベースアセンブリ30は、物体運動制御アセンブリに適切に作用可能に連結される1つの家具、壁、支柱、梁、フェンス、およびそれらの組合せから成る群から選択された1つ以上の物体のしっかりしたまたは固定された底部または下方部分とすることができる。
【0053】
任意選択的遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品は基本的に、ヒト対象者5が物体12上に載って物体12と共に運動するときに、ヒト対象者5が使用するために、ベースアセンブリ30に作用可能に連結するのに適している任意の型または種類とすることができる。例えば、遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品は、例えば、ベルクロ(商標)またはベルクロ(商標)型の材料を介してベースアセンブリ30に作用可能に連結可能であり、かつそこから取外し可能である材料から作られた、任意の個数の多種多様なサイズおよび/または色の幾何学的意匠、パターン、または形状の物体、および/またはゲームのパーツまたはピースである。好ましくは、遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品は、ヒト対象者5が物体12上に載って物体12と共に運動するときに、ヒト対象者5が使用するために、ヒト対象者5の視野内およびヒト対象者5の手および/または足が届く範囲内に適切な方法で、ベースアセンブリ30に作用可能に連結される。任意選択的遊戯および/または教育もしくは学習用物体または付属品は、ヒト対象者5を身体的および精神的活動にさらに専心させるためのものであり、多種多様な分野、特に(精神的および/または身体的)遊戯、娯楽、教育、フィットネスまたはエクササイズ、治療、および/または発達の分野で適用可能である。
【0054】
本発明のヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための対応する方法について本書で、図1〜4を参照しながら以下の通り例示的に説明し、さらに、下述する実施例1〜5で図5〜10に例示する。
【0055】
該方法のステップ(a)で、(i)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者5がその上に載って運動しているときにヒト対象者5の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体12と、(ii)ヒト対象者5が物体12に載って運動しているときに物体12の運動を制御するための、物体12に作用可能に連結された運動制御アセンブリ(14、15(図3)、16、18、20、22、24、および26)と、(iii)ヒト対象者5が物体12に載って運動しているときに物体運動制御アセンブリを固定するための、物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリ30と、を備えた装置10をヒト対象者5に提供する。
【0056】
ステップ(b)で、ヒト対象者5は物体12に載る。
【0057】
本発明を実施するために、ヒト対象者5が、例えば、約3歳以下の幼児である場合には、成人7が幼児を物体12に載せ、かつ幼児が物体12上でそれと共に運動するときに幼児を監視することによって、補助を提供することが好ましい。
【0058】
例えば、ヒト対象者5が幼児または若年小児である場合には、幼児は、物体12上に載ってそれと共に運動するときに、胃を下向きにして横たわる姿勢の幼児の中間部分(背中および胴体)を確実に保持するために、好ましくは物体運動制御アセンブリに作用可能に連結される、ストラップ、バンド、紐、連結要素、およびサイズ調節要素の適切な組合せを含む幼児用ハーネスアセンブリ40を使用することによって物体12上に載せられる。代替的に、例えば、ヒト対象者5が幼児または若年小児である場合には、ヒト対象者5は、物体12上に載ってそれと共に運動するときに、ヒト対象者5の中間部分および下方部分(腰、胴体、および脚)を確実に保持するために、好ましくは物体運動制御アセンブリに作用可能に連結される、ストラップ、バンド、紐、連結要素、およびサイズ調節要素の適切な組合せを含むヒト対象者座位ハーネスアセンブリを使用することによって物体12上に載せられる。
【0059】
ステップ(c)で、ヒト対象者5は物体12に載ったまま、物体12、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリ30の特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者5の挙動に従って決定される空間領域内で運動する。
【0060】
物体12、物体運動制御アセンブリ、ベースアセンブリ30の特徴、構成、および寸法は、ストラップ、バンド、紐、連結要素、およびサイズ調節要素の組合せの実際の物理化学的および機械的特性ならびに幾何学的寸法に従う。
【0061】
物体12に載ったヒト対象者5は、静的に保持された物体12上で制御可能にかつ安全に運動することができ、あるいは代替的に、動的に可動の物体12上でそれと共に運動することができる。主として物体12の運動が物体運動制御アセンブリによって制御される程度によって、該方法のステップ(c)を実行する好適な代替的モードまたは仕方は、固定または静的モード、半動的モード、および全動的モードの3通りがある。
【0062】
ステップ(c)を実行する固定的または静的モードである第1の形態は、物体12が基本的に固定されまたは静的であって不動状態に維持され、ヒト対象者5が物体12に載ってその上で運動するときに、物体12が基本的にヒト対象者5によって回転不能かつ揺動不能であるように、物体12は物体運動制御アセンブリによって完全に固定または静的状態に保持される。
【0063】
ステップ(c)を実行する半動的モードである第2の形態では、ヒト対象者5が物体12に載って物体12上で運動するときに、物体12がヒト対象者5によって部分的に回転可能でありかつ部分的に揺動可能であるように、物体12は物体運動制御アセンブリによって保持される。
【0064】
ステップ(c)を実行する全動的モードである第3の形態では、物体12は、ヒト対象者5が物体12に載って物体12上で物体12と共に運動するときに、物体12がヒト対象者5によって物体12の垂直軸を中心に完全に回転可能でありかつ物体12の垂直軸に対して完全に揺動可能であるように、単一の連結部で、特に物体12の底部中心で、物体運動制御アセンブリの回転自在の連結要素14によって保持されるだけである。ステップ(c)の全動的モードは、ヒト対象者5が物体12に載っているときに、ヒト対象者5および物体12が物体12の垂直軸を中心に自由に回転するだけでなく、物体12の垂直軸に対して揺動またはスイング運動する物体12と共に自由に運動することもできるように実行される。
【0065】
本発明の例示的に上述した新規の独創的な態様および特徴、ならびにそれらの利点は、限定を意図するものではない以下の実施例を検討することにより、通常の当業熟練者にはいっそう明確になるであろう。さらに、本書で上述しかつ特許請求の範囲に記載する本発明の様々な実施形態および態様の各々について、実験的裏付けを以下の実施例に掲げる。
【実施例】
【0066】
ここで、以下の実施例について言及すると、それらは上記説明と共に本発明を非限定的に説明するものである。以下の実施例1〜5で、図6〜10に出てくる参照項目(つまりアセンブリ、サブアセンブリ、構造物、構成部品、要素、およびヒト対象者)およびそれらの関連する符号は一般的に、本発明の例示的説明を伴った上記の図1〜4に現れる同一参照項目および同一関連符号に対応する。
【0067】
実施例1
図5は、図1〜4に模式的に示されかつ例示的に上述した、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチックボールである場合の本発明の装置の例示的な好適実施形態の実際の実施例の写真である。
【0068】
実施例2
図6は、図1〜4に模式的に示されかつ例示的に上述した、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチック動物玩具である場合の本発明の装置の例示的な好適実施形態の実際の実施例の写真である。
【0069】
実施例3
図7は、図1〜4に模式的に示しかつ例示的に上述した、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチックボールであり、かつヒト対象者5が成人7によって補助されかつ監視される幼児である場合の本発明の装置および対応する方法の例示的な好適な実施形態の実際の実施例の写真である。
【0070】
実施例4
図8は、図1〜4に模式的に示しかつ例示的に上述した、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチックボールであり、かつヒト対象者5が成人7によって補助されかつ監視される幼児である場合の本発明の装置および対応する方法の例示的な好適な実施形態の実際の実施例の写真である。図8に示すように、装置は、静的に保持されたボールに載って運動するとき、または代替的に動的に運動するボール上でそれと共に運動するときに、幼児を座位に保持するために、ストラップ、バンド、紐、ベルト、連結要素、およびサイズ調節装置の適切な組合せを含む任意選択的な幼児用ハーネスアセンブリ40を含む。
【0071】
実施例5
図9および10は、図1〜4に模式的に示しかつ例示的に上述した、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチックボールであり、かつヒト対象者5が子供である場合の本発明の装置および対応する方法の例示的な好適な実施形態の実際の実施例の写真である。図9では、子供の正面が膨張したプラスチックボールに載っており、図10では、子供の背面が膨張したプラスチックボールに載っている。
【0072】
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の側面および特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の側面および特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0073】
本願で挙げた刊行物、特許及び特許願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。
【0074】
本発明はその特定の実施態様および実施例によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に従って、ヒトが載ることのできる可動物体がボールであり、ヒト対象者が成人によって補助されかつ監視される幼児である、ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための本発明の装置の例示的な好適実施形態および本発明の方法の例示的な好適実施形態を示す略図である。
【図2】図1に示す装置のヒト対象者および成人のいない、本発明に係る例示的な好適実施形態を示す略図である。
【図3】図2に示す本発明に係る装置の例示的な好適実施形態の側面図を示す略図である。
【図4】図2に示す本発明に係る装置の例示的な好適実施形態の平面図を示す略図である。
【図5】本発明に従って、ヒトが載ることのできる可動物体12が実施例1で記述する膨張したプラスチックボールである、図1〜4に概略的に示す本発明の装置の例示的好適な実施形態の実際の実施例の写真である。
【図6】本発明に従って、ヒトが載ることのできる可動物体12が実施例2で記述する膨張したプラスチック動物玩具である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置の例示的好適な実施形態の実際の実施例の写真である。
【図7】本発明に従って、実施例3で記述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張したプラスチックボールであり、ヒト対象者が成人によって補助されかつ監視される幼児である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。
【図8】本発明に従って、実施例4で記述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張可能なプラスチックボールであり、ヒト対象者が成人によって補助されかつ監視される幼児である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。
【図9】本発明に従って、実施例5で記述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張可能なプラスチックボールであり、ヒト対象者が子供である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。
【図10】本発明に従って、実施例5で記述するように、ヒトが載ることのできる可動物体12が膨張可能なプラスチックボールであり、ヒト対象者が子供である、図1〜4に概略的に示す本発明の装置および対応する方法の例示的な好適実施形態を実現する実際の実施例の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための装置であって、
(a)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者が載って運動しているときにヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体と、
(b)ヒト対象者が前記物体に載って運動しているときに前記物体の運動を制御するため、前記物体に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリと、
(c)前記物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリであって、
ヒト対象者が前記物体に載って、前記物体、前記物体運動制御アセンブリ、前記ベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者の挙動に従って決定される空間領域内で、前記物体上で運動するときに、前記物体運動制御アセンブリを固定するためのベースアセンブリと、
を備えた装置。
【請求項2】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、ボールおよび動物玩具からなる群から選択される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、ボールである請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せからなる群から選択された材料または材料の組合せから作られる請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、伸縮性の天然および/または合成材料から作られる請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、膨張した状態で使用される膨張可能なボールの形である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、少なくとも部分的に不透過性の材料、少なくとも部分的に透過性の材料、少なくとも部分的に不透明な材料、またはそれらの組合せから作られる請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ヒトが載ることのできる可動物体の内部または内部容量は、少なくとも部分的に液体を充填されている請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記物体運動制御アセンブリは、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せからなる群から選択された材料または材料の組合せから作られる請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記物体運動制御アセンブリは、約20cm以下の長さのストラップまたはバンドを含む請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ヒト対象者を身体的および精神的活動に専心させるための方法であって、
(a)(i)約0.5立方メートルから約5立方メートルの範囲の総体積を有し、かつヒト対象者が載って運動しているときにヒト対象者の体重に耐えるのに充分な強度を持つ、ヒトが載ることのできる可動物体と、
(ii)ヒト対象者が前記物体に載って運動しているときに前記物体の運動を制御するため、前記物体に作用可能に連結された物体運動制御アセンブリと、
(iii)ヒト対象者が前記物体に載って運動しているときに前記物体運動制御アセンブリを固定するため、前記物体運動制御アセンブリに作用可能に連結されたベースアセンブリと、を備える装置をヒト対象者に提供するステップと、
(b)ヒト対象者を前記物体上に載せるステップと、
(c)前記物体、前記物体運動制御アセンブリ、前記ベースアセンブリの特徴、構成、および寸法によってかつヒト対象者の挙動に従って決定される空間領域内で、前記物体に載ったままヒト対象者が運動するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、ボールおよび動物玩具からなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、ボールである請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せからなる群から選択された材料または材料の組合せから作られる請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、伸縮性の天然および/または合成材料から作られる請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、膨張した状態で使用される膨張可能なボールの形である請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒトが載ることのできる可動物体は、少なくとも部分的に不透過性の材料、少なくとも部分的に透過性の材料、少なくとも部分的に不透明な材料、またはそれらの組合せから作られる請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒトが載ることのできる可動物体の内部または内部容量は、少なくとも部分的に液体を充填されている請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記物体運動制御アセンブリは、プラスチック、織物、布、リネン、およびそれらの組合せからなる群から選択された材料または材料の組合せから作られる請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記物体運動制御アセンブリは、約20cm以下の長さのストラップまたはバンドを含む請求項11に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(c)において、前記物体の運動が固定もしくは静的モード、半動的モード、または全動的モードに従って前記物体運動制御アセンブリによって制御される請求項11に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−507374(P2008−507374A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523237(P2007−523237)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000800
【国際公開番号】WO2006/011147
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(507028413)
【Fターム(参考)】