ヒト抗体遺伝子を発現する非ヒト動物とその利用
【課題】ヒト染色体断片を含む非ヒト動物あるいは該動物由来の細胞を用いるヒト抗体の作製方法を提供する。
【解決手段】非ヒト動物においてヒト遺伝子を発現することを可能にする、かつ各塩基長が1Mb以上であり特定の多型性および遺伝子マーカーを含む、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来の染色体断片を保持する非ヒト動物、あるいは該非ヒト動物由来の細胞、を用いてヒト抗体を作製する方法。
【解決手段】非ヒト動物においてヒト遺伝子を発現することを可能にする、かつ各塩基長が1Mb以上であり特定の多型性および遺伝子マーカーを含む、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来の染色体断片を保持する非ヒト動物、あるいは該非ヒト動物由来の細胞、を用いてヒト抗体を作製する方法。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ヒト動物においてヒト抗体遺伝子を発現することを可能にする、かつ、各塩基長が1Mb以上である、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来のヒト染色体断片を保持する非ヒト動物に、異種抗原を免疫してヒト抗体を産生させることを含む、ヒト抗体の作製方法であって、
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2およびCkを含む染色体断片である、
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、
前記ヒト22番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖λ遺伝子を含み、かつ、22番染色体の多型性および遺伝子マーカーD22S315、D22S275、D22S278、Igλ、D22S272、PVALB、MB、DIA1、ARSAおよびD22S274を含む染色体断片である、
ことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
非ヒト動物においてヒト抗体遺伝子を発現することを可能にする、かつ、各塩基長が1Mb以上である、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来のヒト染色体断片を保持する非ヒト動物からの細胞を用いてヒト抗体を作製することを含む、ヒト抗体の作製方法であって、
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2およびCkを含む染色体断片である、
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、
前記ヒト22番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖λ遺伝子を含み、かつ、22番染色体の多型性および遺伝子マーカーD22S315、D22S275、D22S278、Igλ、D22S272、PVALB、MB、DIA1、ARSAおよびD22S274を含む染色体断片である、
ことを特徴とする前記方法。
【請求項3】
非ヒト動物においてヒト抗体遺伝子を発現することを可能にする、かつ、各塩基長が1Mb以上である、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来のヒト染色体断片を保持する非ヒト動物由来の、該ヒト染色体断片を保持する細胞であって、
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2およびCkを含む染色体断片である、
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、
前記ヒト22番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖λ遺伝子を含み、かつ、22番染色体の多型性および遺伝子マーカーD22S315、D22S275、D22S278、Igλ、D22S272、PVALB、MB、DIA1、ARSAおよびD22S274を含む染色体断片である、
ことを特徴とする前記細胞。
【請求項4】
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2、Ckを含み、S207、S177、S156およびS159を含まない、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項5】
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーS207、S177、vk1-2、vk3-2、Ck、S156およびS159を含む、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項6】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S72、NP、TCRA、MYH6、D14S75、D14S66、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項7】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S72、NP、TCRA、MYH6、D14S75、D14S66、D14S43、D14S65、D14S51、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項8】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S75、D14S81、PCI、D14S62、D14S65、D14S51、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項9】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S72、NP、TCRA、MYH6、D14S75、D14S66、D14S43、D14S67、D14S81、PCI、D14S62、D14S65、D14S51、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項10】
前記非ヒト動物の内因性抗体重鎖及び軽鎖遺伝子が欠損している、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項11】
前記非ヒト動物がマウスである、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項1】
非ヒト動物においてヒト抗体遺伝子を発現することを可能にする、かつ、各塩基長が1Mb以上である、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来のヒト染色体断片を保持する非ヒト動物に、異種抗原を免疫してヒト抗体を産生させることを含む、ヒト抗体の作製方法であって、
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2およびCkを含む染色体断片である、
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、
前記ヒト22番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖λ遺伝子を含み、かつ、22番染色体の多型性および遺伝子マーカーD22S315、D22S275、D22S278、Igλ、D22S272、PVALB、MB、DIA1、ARSAおよびD22S274を含む染色体断片である、
ことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
非ヒト動物においてヒト抗体遺伝子を発現することを可能にする、かつ、各塩基長が1Mb以上である、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来のヒト染色体断片を保持する非ヒト動物からの細胞を用いてヒト抗体を作製することを含む、ヒト抗体の作製方法であって、
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2およびCkを含む染色体断片である、
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、
前記ヒト22番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖λ遺伝子を含み、かつ、22番染色体の多型性および遺伝子マーカーD22S315、D22S275、D22S278、Igλ、D22S272、PVALB、MB、DIA1、ARSAおよびD22S274を含む染色体断片である、
ことを特徴とする前記方法。
【請求項3】
非ヒト動物においてヒト抗体遺伝子を発現することを可能にする、かつ、各塩基長が1Mb以上である、ヒト2番染色体、ヒト14番染色体又はヒト22番染色体由来のヒト染色体断片を保持する非ヒト動物由来の、該ヒト染色体断片を保持する細胞であって、
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2およびCkを含む染色体断片である、
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、
前記ヒト22番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖λ遺伝子を含み、かつ、22番染色体の多型性および遺伝子マーカーD22S315、D22S275、D22S278、Igλ、D22S272、PVALB、MB、DIA1、ARSAおよびD22S274を含む染色体断片である、
ことを特徴とする前記細胞。
【請求項4】
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーvk1-2、vk3-2、Ckを含み、S207、S177、S156およびS159を含まない、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項5】
前記ヒト2番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト軽鎖κ遺伝子を含み、かつ、2番染色体の多型性および遺伝子マーカーS207、S177、vk1-2、vk3-2、Ck、S156およびS159を含む、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項6】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S72、NP、TCRA、MYH6、D14S75、D14S66、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項7】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S72、NP、TCRA、MYH6、D14S75、D14S66、D14S43、D14S65、D14S51、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項8】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S75、D14S81、PCI、D14S62、D14S65、D14S51、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項9】
前記ヒト14番染色体由来のヒト染色体断片が、ヒト抗体重鎖遺伝子を含み、かつ、14番染色体の多型性および遺伝子マーカーD14S72、NP、TCRA、MYH6、D14S75、D14S66、D14S43、D14S67、D14S81、PCI、D14S62、D14S65、D14S51、D14S78、IGA2、IGG1、IGMおよびIGVH3を含む染色体断片である、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項10】
前記非ヒト動物の内因性抗体重鎖及び軽鎖遺伝子が欠損している、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【請求項11】
前記非ヒト動物がマウスである、請求項1または2に記載の方法、あるいは請求項3に記載の細胞。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2008−200042(P2008−200042A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60174(P2008−60174)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2007−204786(P2007−204786)の分割
【原出願日】平成8年8月29日(1996.8.29)
【出願人】(307023122)キリンファーマ株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2007−204786(P2007−204786)の分割
【原出願日】平成8年8月29日(1996.8.29)
【出願人】(307023122)キリンファーマ株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
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