説明

ヒト皮膚において抗しわ効果を評価する方法

【課題】 より簡便かつ効率的に、ヒト皮膚において被験物質の抗しわ効果を評価する。
【解決手段】 ヒト皮膚において、経皮水分蒸散量(TEWL)が該皮膚の初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるように角質層のバリア機能を低下させ、前記皮膚に被験物質を適用し、さらに該皮膚における前記被験物質の抗しわ効果を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験物質の抗しわ効果を、ヒト皮膚において評価する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
年をとるにつれて皮膚老化の1つの現象としてしわが増加するが、美容等の観点から特に女性においてしわの防止および改善に対する関心が非常に高まっている。しわは、その発生部位や発生メカニズム等によって、大じわ、小じわ、およびちりめんじわに大きく分類される。大じわは主に光老化によって額や首の後ろ等に生じる深いしわであり、小じわは目尻や口元に生じる比較的浅いしわであり、またちりめんじわは老人の腹部等の非露光部に生じるひだ状のしわである。
【0003】
これまで、しわについての研究は主に光老化によって生じる大じわについて行われ、光老化による症状の1つとして扱われてきた。光老化については、発生メカニズム等についての研究が進んでおり、また動物モデルやヒトでの評価系も確立されている。したがって、抗しわ物質の皮膚での評価は、主に、UV照射を施したまたは受けた皮膚で行われており(特許文献1)、光老化によるしわを抑制するために、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、パラメトキシ桂皮酸エステル、パラアミノ安息香酸エステル等の各種の紫外線吸収、散乱、遮蔽物質を配合した化粧料(サンスクリーン、サンプロテクト化粧品)や、紫外線によって生じるフリーラジカルによる悪影響を軽減する酸化防止剤を含む化粧料等(特許文献2)が提案されている。
【0004】
しかしながら、近年、中高年の女性における美容に対する関心の高まりから、加齢に伴う表皮角質層の保水能力の低下や表皮脂質の分泌低下による皮脂の減少によって顕在化する目尻や口元に生じる小じわに対する関心が高まっている。小じわは、皮膚の乾燥が原因と考えられており、その発生メカニズムや、形態学的、組織学的、または生化学的変化等において、光老化によって生じる大じわとは大きく異なると考えられている。例えば、角質層水分量と小じわの程度に相関性があることがヒトにおいて検証されている(非特許文献1)。また、不飽和脂肪酸で継続的にバリア機能を破壊すると、表皮性のしわが生じることが報告されている(非特許文献2)。したがって、小じわを効果的に防止または改善できる外用剤や美容方法を評価・開発するには、小じわの形態学的、組織学的、生化学的変化を反映した皮膚での評価が必要である。
【0005】
通常、しわを防止・改善する外用剤や美容方法を開発するにあたり、まず、細胞レベルまたは動物の皮膚等でのスクリーニングまたは評価を行った後、候補物質等について、ヒト皮膚での臨床的評価を行う必要がある。目尻や口元にしわを有する被験者での評価が通常考えられるが、同程度の症状を有するパネルの確保は困難であり、また試験開始段階での状態のばらつきが大きく、結果の信頼性に問題を生じる場合もある。これまで、ヒト皮膚に小じわの形態学的、組織学的、生化学的変化を反映した皮膚状態を形成させる方法はなかった。
【特許文献1】特表2001−520677号公報
【特許文献2】特表2001−508809号公報
【非特許文献1】芋川ら、Fragrance Journal; 1992(11) 29-42
【非特許文献2】正木仁 香料会誌;2001 Vol.25, No. 1, 34-38
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑み、ヒト皮膚において、小じわの形態学的、組織学的、生化学的変化を反映した小じわの皮膚状態を形成し、かかるヒト皮膚を用いて、より簡便かつ効率的に抗しわ物質等の臨床的評価を行うことができる評価方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、ヘアレスマウスにテープストリッピング処置を繰り返し施して、皮膚の継続バリア破壊を生じさせることによって、ヒトの皮膚における小じわと同様の表皮および真皮の形態学的および組織学的変化がマウスの皮膚に生じることを見出し、小じわ動物モデルを作成することに成功した。本発明は、ヒト皮膚においても、経皮水分蒸散量(TEWL)が初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるように角質層のバリア機能を低下させることによって、同様に小じわがヒト皮膚に形成されることの発見に基づくものであります。
【0008】
本発明のヒト皮膚において被験物質の抗しわ効果を評価する方法は、ヒト皮膚において、経皮水分蒸散量(TEWL)が該皮膚の初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるように角質層のバリア機能を低下させ、前記皮膚に被験物質を適用し、さらに該皮膚における前記被験物質の抗しわ効果を評価することを特徴とする。
【0009】
例えば、ヒト皮膚にテープストリッピングを施すことよって、あるいは石鹸または洗浄剤で皮膚を処置することによって、角質層のバリア機能を低下させることができる。
【0010】
本明細書において、「初期経皮水分蒸散量」とは、ヒト皮膚の角質層のバリア機能を低下させる工程を開始する前の同一皮膚における経皮水分蒸散量(TEWL)を意味する。角質層のバリア機能を低下させる工程を繰り返し行う場合には、最初の角質層のバリア機能を低下させる工程を開始する前の皮膚における経皮水分蒸散量(TEWL)である。
【0011】
経皮水分蒸散量(TEWL)は、例えばMEECO(Meeco社製、Warrington, PA, USA)、Vapometer、またはTEWA meter (Delfin Technologies Ltd, Kuopio, Finland)等の水分蒸散量測定装置を用いて測定することができる。経皮水分蒸散量(TEWL)が初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるように、テープストリッピングの回数や洗顔等の回数を調整して角質層のバリア機能を低下させることによって、均質な小じわの皮膚状態を形成できる。
【0012】
抗しわ効果の評価は、例えば、外観画像、ビデオマイクロスコープ画像、またはレプリカ画像を用いて行うことができる。
【0013】
また、本発明の評価方法において、実際に小じわが形成されやすい部位である、目尻、下瞼または口元の皮膚を用いることが好ましい。
【0014】
本明細書において、「抗しわ効果」とは、しわ形成を防止し、または形成されたしわを改善する任意の作用を意味する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の評価方法は、経皮水分蒸散量(TEWL)が初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるようにテープストリッピングの回数や洗顔等の回数を調整して角質層のバリア機能を低下させることによって均質な小じわの皮膚状態をヒト皮膚において形成し、そのようなヒト皮膚を用いて評価を行うため、特定の条件を満たすパネルを集める必要がなく、より簡便かつ効率的に抗しわ物質等の臨床的評価を行うことを可能にする。また、評価に用いる皮膚状態が比較的均質であるため、評価結果の判断が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明において、ヒト皮膚の角質層のバリア機能を低下させる方法や皮膚の部位は、本発明の目的を達成できる限り特に限定されない。例えば、手首内側の皮膚に、上記の特定のTEWLになるように回数を調整しながらセロハンテープを用いて繰り返しテープストリッピングを施すことによって角質層のバリア機能を低下させることができる。あるいは、上記の特定のTEWLになるように回数を調整しながら石鹸での洗顔を繰り返し行うことによって、顔の皮膚の角質層のバリア機能を低下させることができる。小じわは通常顔に形成されやすいため、顔面の皮膚、特に目尻、下瞼または口元等の皮膚を本発明の評価方法に用いることが好ましい。
【0017】
また、角質層のバリア機能を低下させる工程の回数や間隔も特に限定はされず、例えば、手首内側の皮膚に対するテープストリッピング処置を、毎日、隔日で、または3日おきに、1週間、2週間または3週間継続する。あるいは、例えば石鹸での洗顔を1日3回、4回または5回、1週間、2週間または3週間継続する。
【0018】
本発明において、経皮水分蒸散量(TEWL)が該皮膚の初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるようにヒト皮膚の角質層のバリア機能を低下させるが、より好ましくは、初期経皮水分蒸散量の1.5から10倍、さらに好ましくは1.5から3倍になるように角質層のバリア機能を低下させる。
【0019】
経皮水分蒸散量(TEWL)の測定は、例えばMEECO(Meeco社製、Warrington, PA, USA)、Vapometer、またはTEWA meter (Delfin Technologies Ltd, Kuopio, Finland)等の水分蒸散量測定装置を用いて測定することができる。
【0020】
被験物質は、任意の形態で皮膚に適用してよく、粉末、半固形状、固形状、水溶液、乳化物、油液、ゲル、ペースト、軟膏、エアゾール等、任意の剤形であってよく、またシート状基剤に担持されたものであってもよい。また被験物質は、動植物由来の天然物、合成物、人工物、組成物等、任意の物質を含む。被験物質の適用時期や回数は、被験物質の種類等によって異なり特に限定はされないが、例えば皮膚の角質層のバリア機能を低下させる処置の前、後および/または間に被験物質を適用する。
【0021】
抗しわ効果の評価は、しわ形成の防止・改善効果を評価できる任意の手段を用いて行うことができ、例えば、外観画像、ビデオマイクロスコープ画像、レプリカ画像、角質層水分量(スキコン)等を用いて行うことができる。通常、しわの検出/解析は、外観画像、ビデオマイクロスコープ画像および/またはレプリカ画像を用いて行うのが一般的であり、それらの方法を本発明において用いることが好ましい。例えば、レプリカ画像を用いることによって、しわの面積率や体積、しわの深さ、さらにはキメの不均一性(キメの乱れ)を数値化することができ、抗しわ効果を定量的に評価することができる。また、外観画像においてしわの増減を判定することによって抗しわ効果を評価してもよい。
【0022】
さらに、抗しわ効果の評価は、例えば、被験物質を適用しないかあるいはしわ形成に影響を与えないことが分かっている物質を適用したヒト皮膚を対照として用い、被験物質を適用した際のしわ形成の状態を、対照におけるしわ形成の状態と比較することを含んでいてよい。例えば、対照におけるしわ形成の状態と比較して、しわ形成を抑制する被験物質を、抗しわ効果を有する物質(抗しわ物質)として特定することができる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0024】
角質層のバリア機能の低下によるヒト皮膚におけるしわの形成
皮脂の減少や洗顔等の様々な要因により皮膚のバリアが弱められまたは破壊されて、角質層のバリア機能が低下し、皮膚表面からの水分蒸散が増加して皮膚が乾燥することが、小じわ形成の1つの重要な機構であると考えられている。本発明者は、ヘアレスマウス(Type HR−1、HOSHINO、JAPAN、オス、7週令)の背部の皮膚に、TEWL(水分蒸散量測定装置MEECO(Meeco社製、Warrington, PA, USAを用いて測定)が4−6mg/cm/hrになるように回数を調整しながらセロハンテープを用いてテープストリッピングを施して角質層を剥離し、さらにその工程を週3回、4週間継続して繰り返すことによって、角質層のバリア機能を低下させ、ヘアレスマウスの皮膚に小じわを形成することに成功した。
【0025】
そこで、本発明者は、ヒト皮膚においても、角質層のバリア機能を低下させることによって小じわを形成できると考え、以下の2つの方法によってヒト皮膚を処置した。
【0026】
(1)テープストリッピングによるヒト皮膚におけるしわの形成
3名のパネルの左手首内側に、経皮水分蒸散量(TEWL)が4−6mg/cm/hrになるように回数を調整してテープストリッピング(TS)を施し、その処置を週3回で1週間行った。TS処置を開始する前の同一皮膚におけるTEWLは約0.3−0.4mg/cm/hであり、各パネルにおいて、TS処置によってTEWLを約13−17.5倍に上昇させた。皮膚の外観画像およびレプリカ画像を採取および解析した。図1に、TS処置開始前、1週間後および3週間後(TS処置中止後2週間)の皮膚の外観画像(20倍)(図1A)、ならびにTS処置開始前および1週間後のレプリカ画像のしわ解析によるしわ最大深さおよびしわ平均深さ(図1B)の結果を示す。
【0027】
3名のパネル全てにおいて、1週間継続してテープストリッピングを施して角質層のバリア機能を低下させることによって、マウスモデルと同様にヒト皮膚においても小じわが形成された。
【0028】
(2)洗顔によるヒト皮膚におけるしわの形成
次に、より日常的に起こり得るような弱い処置によって角質層のバリア機能低下を生じさせることにより、同様にしわが形成されることを確認するため、洗顔実験を行った。
【0029】
パネル8名に、1日5回2度洗いで、石鹸(資生堂サボンドール)を用いて1週間洗顔させた。スキンケアは全くしなかった。パネル8名の内、2名は実験を中断したため、最終的に6名(パネルAからF)につき、図2に示す各測定部位において、各種手段を用いて肌状態を経時的に評価および計測した。
【0030】
表1および図3に、上記の洗顔による、目尻および口元における経皮水分蒸散量(TEWL)の変化を示す。いずれの部位でも、洗顔による角質層のバリア機能の低下によって、TEWLが初期経皮水分蒸散量の約1.9−2.4倍に上昇した。
【表1】

【0031】
図4Aから4Cに、各部位におけるしわ形成を観察した画像を示す。
【0032】
図4Aは、パネルAの目尻の外観画像およびレプリカ画像である。洗顔開始1週間後目尻の小じわが明らかに増加し、洗顔終了後1週間でほぼ回復した。
【0033】
図4Bは、パネルAおよびBの下瞼の外観画像である。洗顔開始1週間後には下瞼の小じわが強調されまたは新たに形成され、洗顔中止後1週間たっても小じわが残っていた。
【0034】
図4Cは、パネルCの口元の外観画像およびビデオマイクロスコープ画像(きめ画像)である。洗顔開始1週間後には口元のしわが深くなり、またきめが粗くなり、洗顔中止1週間後も、完全には回復していなかった。
【0035】
6名のパネルの内5名において、外観画像で明らかに検出できるしわの形成が認められた。特に、目尻または下瞼における小じわの形成が外観画像で多く観察された。また、外観画像では、口元のしわの増加を観察できたパネルは少なかったが、ビデオマイクロスコープによるきめ画像観察において、口元のきめが経時的に粗くなっていることが多くのパネルで観察できた。
【0036】
図5Aから図5Eに、肌状態の変化について各種手段を用いて測定および解析した結果を、6名のパネルの平均値としてグラフに示す。
【0037】
図5Aは、左目尻のレプリカを用いたしわ解析の結果である。しわの面積率および体積は共に洗顔開始5日目から有意に増加し、洗顔を止めて1週間後には元の状態に戻った。尚、しわの面積率の結果は、図3に示したTWELのデータと正に相関していた。
【0038】
図5Bは、口元のレプリカを用いたきめ解析の結果である。洗顔開始後次第にきめが不均一になった。外観画像では、口元のしわの増加をあまり検出できなかったが、きめ画像解析によって、口元において明らかにきめの乱れが生じていることを検出することができた。
【0039】
図5Cは、目尻および口元の角質層水分量(スキコン)(μS)の結果である。スキコンは洗顔によって減少し、洗顔を止めて1週間後には回復した。尚、スキコンの結果は、図3に示すTWELのデータと逆相関していた。
【0040】
図5Dは、目尻および口元の皮膚における酸化タンパク質の定量結果を示す。洗顔によって酸化タンパク質が有意に増加した。光老化の皮膚において真皮および角質層で酸化タンパク質が増加することが報告されているが、角質層のバリア機能の低下によって形成された小じわにおいても同様に酸化タンパク質が増加することが初めて示唆された。酸化タンパク質の増加によって角質層の水分保持能力が低下すると考えられており、角質層水分量の低下の1つの要因であると考えられる。
【0041】
図5Eは、キュートメーターにより測定した目尻および口元の皮膚の粘弾性(Uf:やわらかさ(伸びやすさ);Ur/Uf:回復率(ハリ))の結果である。Uf:やわらかさ(伸びやすさ)は洗顔によって有意に低下し、洗顔を止めて1週間後も回復しなかった。一方、Ur/Uf:回復率(ハリ)に有意な変化は認められなかった。角質層および表皮の質的変化(水分量の減少および酸化タンパク質の増加等)ならびに量的変化(肥厚)によって皮膚の硬さが増したと考えられる。
【0042】
上記の結果から、経皮水分蒸散量(TEWL)が初期経皮水分蒸散量の約1.5から20倍になるように角質層のバリア機能を低下させることによって、ヒト皮膚においても小じわを形成させることができ、さらにその小じわの形成状態を、外観画像、ビデオマイクロスコープ画像、レプリカ画像等のしわ観察や解析に用いられている従来技術を利用して評価できることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1A】図1Aは、テープストリッピングを施したヒト皮膚の外観画像(20倍)
【図1B】図1Bは、テープストリッピングを施したヒト皮膚のレプリカ画像のしわ解析によるしわ最大深さおよびしわ平均深さを示すグラフ
【図2】図2は、洗顔実験におけるヒト皮膚肌状態の測定部位を示す
【図3】図3は、洗顔による経皮水分蒸散量(TEWL)の変化を示すグラフ
【図4A】図4Aは、洗顔実験におけるパネルAの目尻の外観画像およびレプリカ画像
【図4B】図4Bは、洗顔実験におけるパネルAおよびBの下瞼の外観画像
【図4C】図4Cは、洗顔実験におけるパネルCの口元の外観画像およびビデオマイクロスコープ画像
【図5A】図5Aは、洗顔実験におけるレプリカを用いたしわ解析の結果を示すグラフ
【図5B】図5Bは、洗顔実験におけるレプリカを用いたきめ解析の結果を示すグラフ
【図5C】図5Cは、洗顔実験における角質層水分量(スキコン)の測定結果を示すグラフ
【図5D】図5Dは、洗顔実験における酸化タンパク質の定量結果を示すグラフ
【図5E】図5Eは、洗顔実験における皮膚の粘弾性の測定結果を示すグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト皮膚において、経皮水分蒸散量(TEWL)が該皮膚の初期経皮水分蒸散量の1.5から20倍になるように角質層のバリア機能を低下させ、前記皮膚に被験物質を適用し、さらに該皮膚における前記被験物質の抗しわ効果を評価することを特徴とする、ヒト皮膚において被験物質の抗しわ効果を評価する方法。
【請求項2】
ヒト皮膚にテープストリッピングを施すことにより、前記角質層のバリア機能を低下させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
石鹸または洗浄剤でヒト皮膚を処置することにより、前記角質層のバリア機能を低下させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記抗しわ効果の評価を、外観画像、ビデオマイクロスコープ画像、またはレプリカ画像を用いて行うことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記皮膚が、目尻、下瞼または口元の皮膚であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の方法。

【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図1A】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2006−75335(P2006−75335A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262322(P2004−262322)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【Fターム(参考)】